JP2009515574A - 非円筒形チャンバを有するシリンダ／ピストン・ユニット - Google Patents

Abstract

本発明は、シリンダおよびその中を案内されるピストンを有し、シリンダおよびピストンが少なくとも一時的に添加物を満たすことができるチャンバを形成しており、シリンダがその前端に少なくとも１つの放出要素を有するシリンダ／ピストン・ユニットに関する。ここで、チャンバの横断面またはシリンダ内壁面の横断面は、少なくともシリンダの領域のところで前部から後部にかけて増大し、放出要素を有するシリンダ端は前方にある。ピストンは、少なくとも前方領域に弾性スカートを有し、この弾性スカートの前方外縁が、ピストンが取り出された場合に、輪郭面によって定められる領域よりも大きい横断面領域を定める。本発明は、取り扱いが確実に簡単かつ信頼性の高いものであり、充満状態おいて気体および湿気に対して不浸透性のまま長期間にわたって保存できるシリンダ／ピストン・ユニットを提供する。
【選択図】 図２

Description

本発明は、シリンダおよびその中を案内されるピストンを有し、シリンダおよびピストンが少なくとも一時的に活性物質を満たすことができるチャンバを取り囲んでおり、シリンダがその前端に少なくとも１つの放出要素を有するシリンダ／ピストン・ユニットに関する。

針なし注射装置用のアンプルはＤＥ２０１０５１８３Ｕ１で公知である。アンプルの円筒形チャンバ内には薬剤が収容されており、この薬剤は、皮下投与の場合、円筒形ピストンによって液体噴流として放出される。市販製品のピストンは、円筒形チャンバ内にあるシリコーン・ゲルによって潤滑される。これらのアンプルを在来の注射装置で使用するとき、放出圧力はピストン・ストローク中にかなり低下する。さらに、ピストン用のシリコーン含有潤滑剤は、薬剤の投与毎に放出される。

したがって、本発明の目的は、全体積が小さくて、ほとんど構成要素を必要としないが、取り扱いが簡単で安全であり、充満状態では、閉じていて気体および湿気に対して不浸透性となっており、長期間にわたって保存できるシリンダ／ピストン・ユニットを開発することにある。

この目的は、主請求項の特徴によって達成される。シリンダ内のチャンバの横断面またはシリンダの内壁の横断面は、少なくともいくらかの領域において前部から後部に向かって増大し、放出要素を有するシリンダ端は前部にある。ピストンは、少なくとも前部領域において、弾性スカートを含み、この弾性スカートの前部外縁は、ピストンが取り出されたとき、輪郭面によっておおわれる表面積より大きい横断表面積をおおう。

本発明によれば、たとえば、皮下注射装置で使用することができ、シリンダの内壁面およびピストンの外側輪郭の構造形態の結果として、ピストン・ストローク中の放出要素のところでの圧力低下が、同じように操作される公知のシリンダ／ピストン・ユニットよりもかなり少なくなるシリンダ／ピストン・ユニットを得ることができる。さらに、シリンダ／ピストン・ユニットは、自己支援の技術原理に従って自己密封式であり、そのシール手段の構成によって潤滑剤なしにシリンダ内に着座するピストンを含む。

本発明のさらなる詳細は、従属請求項から、および、図に概略的に示される図示実施形態についての以下の説明から明らかとなろう。

図１は、ピストンを２つの終端位置で示すシリンダ／ピストン・ユニットを示している。
図２は、端面がフィルムで閉ざされているシリンダ／ピストン・ユニットを示している。
図３は、接着剤をコーティングした前部閉鎖フィルムの平面図（５０％拡大）を示している。
図４は、閉鎖フィルムを部分的に剥がしたシリンダ／ピストン・ユニットを示している。
図５は、いくつかのノズルと共にシリンダ／ピストン・ユニットを示している。
図６は、図５のシリンダの平面図（５０％拡大）を示している。
図７は、ピストンと共に別個のシーリング要素なしで空のシリンダ／ピストン・ユニットの部分断面を示している。
図８は、取り出されたピストンの横断面を示している。
図９は、圧力対ピストン・ストロークのグラフである。

図１は、たとえば、皮下注射装置で使われるようなシリンダ／ピストン・ユニットを示している。このシリンダ／ピストン・ユニットは、シリンダ（１０）と、たとえばピストン・ロッドのないピストン（５０）とを含む。これらは共にチャンバ（３０）を取り囲んでおり、チャンバ（３０）内には、皮下投与されることになっている製品（１）、または、液体キャリア材料、たとえば蒸留水または生理食塩溶液が入っている（図２、４、５参照）。説明をより明確にするために、図１のピストン（５０）は、前方位置（６７）と後方位置（６９）の両方で示してある。シリンダ／ピストン・ユニットは、たとえば、一回使用して廃棄されるものとして設計されている。このシリンダ／ピストン・ユニットは、たとえば、０.１〜２ｍｌの薬剤を投与するのに使用される。適切ならば、３ｍｌの薬剤も投与することもできる。ほんの例示として一体の注射針なしに設計したシリンダ（１０）は、皮下注射装置での使用時、少なくとも３００×１０⁵Ｐａの一時的な圧力負荷に耐える。

シリンダ（１０）は、おおよそ標準の使い捨て注射器の注射器胴の形状を有する。前端（１１）のところには、ノズル状の放出要素（３６）があり、この放出要素（３６）の端は、シリンダの前部のたとえば平坦な端面（１２）において、たとえば、自由な噴流孔（free jet aperture）（３９）の円形開口（４１）となっている。適切であるならば、ノズル状の放出要素の代わりに、注射針（図示せず）を装着してもよい。

アダプタ・フランジ（２１）、錠止リブ（図４参照）を有するフランジ（２７）、ねじ付きフランジ（２３）（図５参照）、差し込み式フランジまたはこれらに匹敵するものが後端に一体成形または固着される。ここでも、フランジの領域にあるシリンダの後端面（１６）は、平坦で、シリンダの中心線（９）に対して直角に位置していてもよい。

アダプタ（２１、２３、２７）と前端面（１２）との間には外側輪郭面（２０）があり、これは、たとえば、シリンダ・ジャケット形状または円錐台形の形状である。シリンダ（１０）の外側輪郭面（２０）の形状は、たいていの場合、機能呼称「シリンダ（１０）」とは無関係である。外側輪郭面（２０）は、特に、１つまたはそれ以上の部分的な平坦化領域を有し、平らな支持面で扱うときに偶発的に転がるのを避けることができる。

図１、２によるアダプタ・フランジ（２１）は、他のアダプタ輪郭面（２３、２７）と同様に使用して、寸法的に安定し、部分的に高さを変えることができるように皮下注射装置にシリンダを固定する。ここで、カラーまたは別のアダプタ輪郭面がシリンダ（１０）の対応するフランジまわりに注射器ハウジングに係合する。注射器ハウジング上に殆ど完成したシリンダ・ホルダを有する注射器設計の場合、アダプタをなしですますことができる。

アダプタ・フランジの外径は、たとえば、シリンダ（１０）の隣接した外側輪郭面（２０）の外径よりも少なくとも１つのシリンダ壁厚さ分だけ大きい。フランジ厚さは、シリンダ壁の厚さのオーダーである。フランジもまた、転がり移動の防止のためにその側部まわりに１つまたはそれ以上の平坦化領域（１９）を有している（図５、６参照）。平坦化領域（１９）の代わりに、ノッチ、溝、ビードまたは段部を設けることも考えられる。

図２には、錠止リブを有するフランジ（２７）を有するシリンダ（１０）が示してある。錠止リブ（２８）は、横断面において、５つの歯と歯の間の４つの間隙とを有する一種ののこ歯輪郭を形成している。歯の後向きの４５度斜面（２９）によって、シリンダ（１０）は、たとえば、５つの異なった錠止位置で注射器ハウジング内に挿入することができる。対応するハウジング・マントルが、たとえば、弾力的に、歯間隙の対応する環状スペースに係合する。

図５、６に示すねじ付きフランジ（２３）のねじ山は、たとえば互いに向かい合って位置する２つのねじ切り部分（２４）においてフランジ輪郭部の周面、約６０％をカバーしている。

図示実施形態においては、錠止リブおよびねじ付きフランジ（２３）を有するフランジ（２７）は、シリンダの長さの後５０％に沿って延びている。

放出要素（３６）を１つだけしか持たないシリンダの場合、シリンダ（１０）の内側輪郭面はシリンダ内壁面（３１）からなり、適切であるならば、斜面（４２）、シリンダ底面（３２）、放出じょうご（３５）、ノズル孔（３６）および自由噴流孔（３９）を有する。

図示実施形態によれば、シリンダ内壁面（３１）（たとえば、滑らかである）は、後方から前方に向かって直線的にテーパが付けてある。図１、２、４、５によれば、シリンダ内壁面（３１）は、全ピストン・ストローク領域（４）にわたって延びている。放出じょうご（単数または複数）（３６）の領域外側のシリンダの内壁面（３１）の全横断面も円形である。たとえば、シリンダ内壁面（３１）は、１８ミリメートルのピストン・ストローク（３）にわたって７ミリメートルの直径から６ミリメートルに狭くなるだけである。これは、約３.２度のテーパ角度に対応する。

ここに示す特定例の代わりに、横断面は、表面積に加えてピストン・ストローク（３）にわたって、形状を変えてもよい。かくして、シリンダ内壁面は、たとえば、その後端のところで楕円形の断面形状を有する一方で、前端付近の横断面を円形または多角形の形状とすることができる。さらに、ピストン・ストロークに沿った断面形状の変化が非線形となるようにすることも可能である。たとえば、ピストン制動作用を低減するために、テーパを、放出ストロークの後三分の一のところで初めて始まるようにしてもよい。異なった横断面を有する部分間の移行はほぼ一定である。

シリンダの内壁面（３１）と後端面（１６）との間には、１５度斜面（４２）を設けてピストン（１０）の装着をより容易にしてもよい。

横断面テーパは、適切であるならば、チャンバ（３０）にのみ関連させてもよい。この場合、後方位置（６９）に位置するピストン（５０）は、その全長に沿って、たとえば、円筒形輪郭を有する壁部分内に位置する。

流れの案内状態をより良くするために放出じょうご（３５）はシリンダ底面（３２）とノズル孔部（３６）との間で非線形で次第に細くなっている。放出じょうご（３５）とノズル孔部（３６）との間で一定の移行が望まれる。直径がたとえば０.１〜０.２ミリメートルであるノズル孔部（３６）は長さがその直径の２倍から４倍である。ノズル孔部（３６）は、シリンダ・チャンバの形をした自由噴流孔（３９）に隣接する。この孔（３９）は、平坦な底面を有し、この底面は、付加的に、ノズル孔部（３６）の中心線に対して直角の向きとなっている。この底面の直径は、もし孔深さが少なくともノズル孔部長さの２倍であるならば、ノズル孔部直径の８〜１６倍に対応する。

図５、６は、特に、ノズル孔部（３６）の形をした３つの放出要素を備えるシリンダ（１０）を示している。ノズル孔部（３６）は、中心線（９）に対して平行である中心線（３７）を有する。これらのノズル孔部（３６）は、孔円（３８）上に等距離で配置してある。この孔円（３８）は、ピストン・ストローク領域（４）における最小チャンバ直径よりもわずかに小さいだけである。それぞれのノズル孔部（３６）とシリンダ底面（３２）との間には傾斜じょうごが延びている。シリンダ底面（３２）はじょうご間で内方に膨らんでいる。

シリンダ（１０）に使用する材料は、透明な非晶質熱可塑性物質、たとえば、シクロオレフィンおよびエチレンまたはα−オレフィン（ＣＯＣ）を主成分としたコポリマー（単数または複数）である。

シリンダ（１０）内に案内されるピストン（５０）は、そのシーリング横断面において対応する縮小を与えることによってシリンダ内壁の横断面の変化を補正しなければならない。壁摩擦は、気がつかないほどで増大させるだけとすべきである。

これを達成するために、特に、ピストン（５０）は、３つの部分（５１、６１、７１）に分割可能とし、前部（５１）および後部（７１）にスカート（５２、７２）を有する（図８参照）。中央ピストン部分（６１）は、部分（５１）、（７１）間に位置する。

中央ピストン部分（６１）は円錐台の形状を有する。この中央ピストン部分（６１）は、変形がないようにチャンバ（３０）の前端に嵌合させる。前部のところで、中央に前部コア（５９）がある。前部スカート（５２）がコア（５９）まわりに設けてある。図８によれば、軸線方向環状溝（５７）が、スカート（５２）とコア（５９）の間に位置している。後部スカート（７２）および後部コア（７９）は相補（comparable）の構造を有する。スカート（５２、７２）、コア（５９、７９）および中央部分（６１）は、各々、回転対称の基本形状を有する。上述したすべての部分および構造構成要素は一致した中心線を有する。個々のコア（５９、７９）は、それぞれのスカート（５２、７２）から、たとえば、数十分の一ミリメートルだけ突出している。

図８、１、２、４によれば、前部コア（５９）は、その端面のところに、真っすぐに突出した円錐形のエンベロープを有する。図５、７によれば、前端面の円錐形エンベロープはくぼんでいること、すなわち、ピストンの重心に向かって内向きの形状となっている。前方位置（６７）に位置するピストン（５０）について、それが少なくとも部分的に位置するシリンダ底面（３２）に対して最小限可能な残留体積（６）を確実に残せる限り、任意の他の回転対称端面も考えられる。

ピストン長の１／４〜１／３に沿って延びる前部スカート（５２）は、取り出し状態でじょうごの形で開く薄肉リングである。スカート（５２）の前方外縁（５３）は横断面積（５５）を囲む。この横断面積（５５）は、図８によれば、円周がスカート（５２）の下部にある仮想輪郭面（６２）によって定まる横断面積（６３）よりも大きい。この輪郭面（６２）は、図４のピストン（１０）の部分図のところで破線によって示してある。

作動ストローク中、輪郭面（６２）は、その長さを変えることがないか、変えたとしてもほんの少ししか変えない。すなわち、それの囲む横断面積（６３）はほぼ一定に留まる。それと対照的に、シリンダの内壁（３１）が直線的なテーパが付いている場合には、前方外縁（５３）は全作動ストロークにわたって縮小する。前方ピストン・ストローク領域（４）（図１参照）においては、前部外縁（５３）は、シーリング要素（５８）の領域における輪郭面（６２）よりさらに小さくなる。

図１、２、４、５、８によれば、シーリング要素（５８）は、軸線方向環状溝（５７）内にある。シーリング要素（５８）は、別個のシール・リングであるか、または、挿入した永久弾性シーリング化合物である。ピストン（５０）が前方位置（６７）に到着したとき、前記シーリング要素（５８）は、コアに向いた前端面と面一となっているスカート（５２）の前方内縁（５４）と結合する。この構成により、チャンバ（３０）内の残留体積（６）を最小限に抑えることができる。

シーリング要素（５８）は、また、スカート（５２）内部全体に延在していてもよい。すなわち、前部コア（５９）と完全に置き換えてもよい。いずれの場合でも、シーリング要素（５８）はスカートの内壁面（５６）に密封係合する。作動ストローク中に生じる圧力は、シーリング要素（５８）を介してスカートの内壁面（５６）に間接的に作用する。

さらに、シーリング要素（５８）を省略することが可能である（図７参照）。その場合、前部スカート（５２）は、対応する環状溝（３３）内に突出する。

図８によれば、磁性または磁化可能な金属プレート（７７）が、ピストン（５０）の後部コア（７９）内に配置してある。この金属プレートは、たとえば、後部横断面積の５０％を覆い、０.５〜１ミリメートルの厚さである。金属プレート（７７）は、シリンダ／ピストン・ユニットの自動組み立ての際にピストン（５０）の取り扱いを容易にする。金属プレート（７７）の磁力および／または重力によって、ピストン（５０）は目標方向に向けられ、そこに受け取られ得る。

ピストン（５０）の材料としては、テトラフルオロエチレン／ヘキサフルオロプロピレン・コポリマー（ＦＥＰ）が使われる。この材料は、シリンダ（１０）の上記材料と関連して自己潤滑性を持ち、ピストン（５０）とシリンダ（１０）との間に別個の潤滑剤を入れる必要がない。選択することができる別の材料としては、特に、パーフルオロ・アルコキシ・コポリマー（ＰＦＡ）、テトラフルオロエチレン（ＴＦＥ）またはポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）がある。

適切であるならば、ピストン（５０）のコア領域（５９、６１、７９）を低弾性材料で作り、スカート（５２、７２）を高弾性材料から作るというように材料を組み合わせて使用することも可能である。

図１によれば、ピストン（５０）は、その後方位置（６９）において、スカート（５２、７２）を介してシリンダの内壁面（３１）と弾力的に係合している。シリンダのこの領域においては内径が比較的大きいので、ガス充満または空気充満のガスクッション（７）がピストンの半径方向外壁面とシリンダの内壁面（３１）との間に生じる。もしこのときピストン（５０）が皮下注射器の対応する駆動機構によって作動させられたならば、シリンダの内壁面（３１）は、このストロークにわたって狭くなり、ガスクッション（７）を圧密化してピストンの移動方向と逆の方向に変位させる。ガスは、過剰圧力になると、スカート（７２）の後方外縁（７３）とシリンダの内壁面（３１）との間から連続的に漏出する。この際、後部スカート（７２）は、シリンダの内壁面からμｍ範囲の量だけ持ち上がる。潤滑がガスによって行われる場合、前進するスカート（７２）は、シリンダの内壁面（３１）に沿ってほとんど摩擦なしに摺動する。ピストンの下方位置（６７）で初めて、ガスクッション（７）はほぼ完全に追い出される。それと対照的に、前部スカート（５２）は、少なくとも前方外縁（５３）を介して、シーリング作用を伴って、シリンダの内壁面（３１）に恒久的に係合する。

ピストン（５０）の作動ストローク中、シリンダ内に満たされた液体（１）はしっかりした液体の噴流としてノズル孔部（３６）を通して放出される。たとえば、駆動機構として機械的なばね、空気式のばねもしくは類似のばねまたはばね系を用いる場合、駆動力は、一般的に、ピストン・ストロークにわたって連続的に減少する。したがって、液体噴流の圧力も減少する。ピストン・ストローク（３）にわたってシリンダの内壁面の横断面が狭くなる結果として、有効ピストン面がますます小さくなる。これによって、液体噴流の圧力は、円筒形内壁面（図９参照）を有するシリンダの場合よりもかなり小さくなる。

図９に、これらの関係が圧力対移動量のグラフで示してある。圧力（ｐ）が横軸上にパスカル単位でプロットしてある。ピストン・ストローク（ｓ）が縦軸上にミリメートル単位でプロットしてある。カーブ（１．）は、図１による円錐形チャンバ（３０）内の圧力分布を示しており、カーブ（２．）は、円筒形チャンバについての圧力分布を示している。カーブ（１．）はカーブ（２．）よりもフラットである。このことは、ジェットに噴流の発生直後に、そして、内容物（１）が使い果たされまでより高い圧力が利用でき、ピストン・ストロークが増大するにつれて移動量に依存する圧力差が恒久的に増大することを意味する。

シリンダ／ピストン・ユニットにおいて、シリンダ（１０）の２つの端面（１２、１６）は、気体および湿気に対して不浸透性である閉鎖手段（８０、９０）によって閉ざされる開口部（４１、４５）を持つことができる。これらの閉鎖手段（８０、９０）は、フィルム（８１、９１）および／またはコーティング（９２）である。

充填済みのシリンダ／ピストン・ユニットが図２、４、５に示してある。図２によれば、シリンダ（１０）の後端面（１６）は、気体および液体に対して不浸透性である着脱可能なシーリング・フィルム（９１）からなる閉鎖手段（９０）によって閉ざされている。シリコン処理したシーリング・フィルム（９１）は、たとえば、シリンダの端面（１６）に結合またはシールしたＰＥＴフィルム、ＨＴＰＥフィルム、ＰＥフィルムまたはＢＯＰＰフィルムである。

図４、５においては、シーリング・フィルム（９１）の代わりに噴霧コーティング（９２）が使用されている。噴霧ラッカー（９２）はセルロース誘導体を主成分とする。噴霧ラッカー（９２）は、類似の生物学的適合性材料から作ってもよい。噴霧ラッカー（９２）は、後端面（１６）、シリンダ内壁面（３１）の部分およびピストン（５０）の後端面に密封塗布する。このようにシールしたシリンダ／ピストン・ユニットを使用するとき、ラッカー（９２）は注射器へ挿入する前に除去してはならない。ピストン（５０）によって駆動される注射器ラムによってラッカー（９２）は簡単に破いて開けられる（図７参照）。図７において、ラッカー（９２）の残りがピストン（５０）に付着しているのを見ることができる。

シリンダの前端面（１２）にある開口部（単数または複数）（４１）は、着脱可能なシーリング・フィルム（８１）によって閉ざされる。このシーリング・フィルム（８１）は、少なくとも２つの異なった接着剤領域を包含する。すなわち、開口部（単数または複数）（４１）まわりに配置してあり、シリンダの端面（１２）に対してシール・フィルム（８１）よりも親和性が大きいコンタクト接着剤（８３）からなる第１接着剤領域と、開口部（単数または複数）（４１）を覆っており、シール・フィルム（８１）に対してシリンダの材料よりも親和性が大きい閉鎖型接着剤（８４）からなる第２接着剤領域とを包含する。

ピストンを２つの終端位置で示すシリンダ／ピストン・ユニットを示している。 端面がフィルムで閉ざされているシリンダ／ピストン・ユニットを示している。 接着剤をコーティングした前部閉鎖フィルムの平面図（５０％拡大）を示している。 閉鎖フィルムを部分的に剥がしたシリンダ／ピストン・ユニットを示している。 いくつかのノズルと共にシリンダ／ピストン・ユニットを示している。 図５のシリンダの平面図（５０％拡大）を示している。 空のシリンダ／ピストン・ユニットを通る部分断面を示すが、別個のシーリング要素を示していない。 取り出されたピストンの横断面を示している。 圧力対ピストン・ストロークのグラフである。

符号の説明

１ 活性物質、充填
３ ピストン・ストローク
４ ピストン・ストローク領域
５ 半テーパ角
６ 残留体積
７ ガスクッション
９ 中心線
１０ シリンダ
１１ 前端、放出要素を有する端
１２ 端面、前方
１５ 後端
１６ 端面、後方
１９ 平坦化領域
２０ 外側輪郭面
２１ アダプタ・フランジ
２３ ねじ切りフランジ
２４ ねじ切り部分
２５ ねじ山
２７ 錠止リブを有するフランジ
２８ 錠止リブ
２９ 斜面
３０ チャンバ
３１ シリンダ内壁面、内側輪郭
３２ シリンダ底面
３３ 環状溝
３５ 流出じょうご
３６ ノズル孔部、放出要素
３７ ノズル孔部の中心線
３８ 中心線（３７）が位置するシリンダの孔円
３９ 自由噴流孔
４１ 開口部、前部
４２ チャンバ斜面、後部
４５ 開口部、後部
５０ ピストン
５１ ピストン部分、前部
５２ スカート、前部、弾性
５３ スカート外縁、前部
５４ スカート内縁、前部
５５ 外縁に対する横断面
５６ スカート内壁面
５７ 軸線方向環状溝
５８ ピストン・シール、シール・リング、シール化合物
５９ ピストン・コア、前部
６１ ピストン部分、中央、円錐台形
６２ 輪郭面、仮想
６３ 輪郭面（６２）に対する横断面
６７ ピストン位置、前部、前端位置
６８ ピストン位置、中央
６９ ピストン位置、後方
７１ ピストン部分、後部
７２ スカート、後部、弾性
７３ 外縁、後部
７７ プレート、磁化可能
７９ ピストン・コア、後部
８０ 前部閉鎖手段
８１ シーリング・フィルム、着脱可能
８２ 引き裂きタブ
８３ コンタクト接着剤
８４ シリコーン接着剤を有する閉鎖体
９０ 後部閉鎖手段
９１ シーリング・フィルム
９２ コーティング

Claims (9)

1. シリンダ（１０）とその中を案内されるピストン（５０）とを有するシリンダ／ピストン・ユニットであって、シリンダ（１０）およびピストン（５０）が、少なくとも一時的に活性物質で満たすことができるチャンバ（３０）を取り囲んでおり、シリンダ（１０）が、その前端（１１）のところに少なくとも１つの放出要素（３６）を有し、
   −チャンバ（３０）の横断面またはシリンダの内壁（３１）の横断面が少なくともいくらかの領域で前部から後部に向かって増大し、
   −ピストン（５０）が、少なくとも放出要素（３６）の方向に向う前方領域において、前方外縁（５３）が、ピストン（５０）を取りはずしたとき、スカート（５２）からこのスカートを支持しているピストン部分（６１）までの移行領域に位置する輪郭面（６２）によっておおわれる表面積（６３）よりも大きい横断面積（５５）をおおう前方弾性スカート（５２）を包含し、
   −このスカート（５２）が弾性シーリング要素（５８）が係合するスカート内壁（５６）を有し、
   −シーリング要素（５８）が、少なくともピストンの前端位置（６７）において、前方スカート内縁（５４））と面一となっている
   シリンダ／ピストン・ユニット。
2. ピストンの各ストローク位置において、前部スカート（５２）の前方外縁（５３）が、外縁（５３）の接触線によっておおわれるシリンダ内壁（３１）の横断面積に相当する横断面積をおおうことを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
3. ピストン・ストローク領域（４）におけるシリンダの内壁の横断面が円形であることを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
4. シリンダの内壁の横断面の表面が少なくともピストン・ストローク（３）にわたって直線的に変化することを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
5. 軸線方向に延びる環状溝（５７）が、前部スカート（５２）とピストン・コア（５９）との間に位置することを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
6. 少なくともピストンの前端位置（６７）において、環状溝（５７）内に配置されたシーリング要素（５８）が、前方スカート内縁（５４）およびピストンの端面と面一となっていることを特徴とする、請求項５に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
7. 前部スカート（５２）の長さが、ピストン長さの少なくとも２５％であることを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
8. ピストンの後部（７１）が後部スカート（７２）を有することを特徴とする、請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。
9. 放出要素（３６）の中心線（３７）がシリンダ（３８）上に位置し、このシリンダの直径が、ピストン・ストローク領域（４）に位置する最前方チャンバ横断面の平均直径よりも、ノズル孔部直径分だけ小さくなっていることを特徴とする、シリンダの前端（１１）にいくつかの開口部（４１）を備えた請求項１に記載のシリンダ／ピストン・ユニット。

Images