JP2009513990A - マイクロチャネル分離用マトリックス、ダイナミックポリマーシステム及び組成物 - Google Patents

マイクロチャネル分離用マトリックス、ダイナミックポリマーシステム及び組成物 Download PDF

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Abstract

式 −[CH2C(R)C(O)NR’R”]n−(式中、RはH及びメチルから選択され、R’及びR”は独立してC1〜約C8の直鎖アルキル基、C1〜約C8のアルコキシ置換直鎖アルキル基、C1〜約C8の分岐アルキル基及びC1〜約C8のアルコキシ置換分岐アルキル基及びそれらのコポリマーから選択される)のポリアクリルアミドを含む疎水性分離マトリクス成分と、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)を含む親水性壁コーティング成分とを含有し、前記ポリアクリルアミドは少なくとも部分的に水溶性である、マイクロチャネル電気泳動用DNAシーケンシング又はゲノタイピング組成物。
【選択図】図5

Description

この発明は、2005年11月1日出願の出願第60/732398号の優先権に利益を享受し、全趣旨を参照することによりここに取り込む。
米国政府は、それぞれ、国立衛生研究所及び全米科学財団からノースウェスタン大学への第1R01HG019770−01及びDMR−0076097に従って、この発明に対する特定の権利を有する。
DNA配列用のマイクロ流体チップ系の電気泳動は、コスト、時間及び試薬の消費の減少のための高いスループットシーケンシングプロジェクトに対する将来性ならびに全体のマイクロ分析システムに、他の遺伝子分析を伴うシーケンシングを統合する可能性を提示する。このためには、マイクロ流体チップのDNAシーケンシング用の最適な重合分離マトリックス及び壁コーティングの開発が重要となる。
親水性分離マトリックス(例えば、線形ポリアクリルアミド(LPA))は、共有結合親水性コーティングとともに用いられ、マイクロチャネル電気泳動による500の塩基より長い読み取り長さを達成しているが、その分離は、すべてを行うために15〜18分以上の長時間を要する。ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)(pDMA)は、複合型分離メカニズムであるため、先行技術のポリマーと同様の読み取り長さを、より速い時間で達成する疎水性分離マトリクスである。共有結合コーティングは、すべての公表されたマイクロチャネルDNAシーケンシング結果のためにほとんど排他的に使われている一方、ダイナミックコーティングは、それほど高価でなく、また、実行するのが非常に簡単であり、マイクロチャネルフォーマットに対して非常に好ましい。しかし、DNAシーケンシング用に実証された全てのダイナミックコーティングは、DNA断片及び壁コーティングの相互作用のために分離効率の損失をもたらし、いくぶん疎水性であった。先の研究では、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)(pHMA)は、タンパク質分離及びDNAシーケンシングの双方のためのキャピラリに対して適当な親水性ダイナミックコーティングであることを示したが、pHEAもまた分離マトリクスである場合のみである。マイクロチップ系DNAシーケンシングに関する大部分の発表されたデータは400を超えるが、チップにおけるシーケンス時間は、一般に18〜30分の範囲である。そして、キャピラリ電気泳動は、相当する結果を得るために、約60〜90分間を要する。時間及び読み取り長さの問題は、電気泳動による分離に関する当該技術分野で進行中の懸念を提示する。
上記を考慮して、本発明の目的は、マイクロチャネル分離における使用に対して1以上の高分子組成物、システム及び/又は方法を提供することであり、それによって、上述されたことを含む先行技術の種々の不足及び欠点を解消することができる。1以上の側面が特定の他の目的に対処することができると同時に、本発明の1以上の側面が特定の目的に対処することができ、一方、1以上の側面が他の目的に対処することができることは当業者によってよく理解されている。本発明のすべての面、すべてのその点において、各目的は等しくあてはまらないかもしれない。従って、以下の目的は、本発明のいかなる唯一の側面に関しても、代替として捉えることができる。
本発明の目的は、疎水性分離マトリクスと関連した利点をよりよく使用するためにダイナミック壁コーティングポリマーを提供することである。
本発明の別の目的は、単独又は上記の目的とともに、電気浸透流及び/又は分析物−壁相互作用の発生率又は影響を減少させるために、親水性壁コーティングポリマーを提供することである。
本発明の別の目的は、先行技術と比較してより短い時間で配列の読み取り長を増大させるために、マトリクス/壁コーティングシステムとともに関連方法の使用を提供することである。
本発明の他の目的は、より長く、速い配列読み取り、流マイクロチャネル電気泳動を提供する1以上のマトリクス/壁コーティングシステムを提供することである。
本発明の他の目的、特徴、利益及び利点が、この要旨及び特定の実施形態の以下の説明から明らかとなり、種々の電気泳動法及び技術分野の当業者に容易に明らかとなるであろう。そのような目的、特徴、利益及び利点は、添付の実施例、データ、図面及びそれらから引き出されるすべての合理的な結論と上記とを考慮することにより明らかとなるだろう。
本発明は、比較的短い分離チャンネルで、印加電界下、マイクロチップ電気泳動によって超高速のDNAシーケンシング又はゲノタイピングを可能にすることができる新しいシステムに関するものである。そのようなシステムは、重合分離成分及び重合コーティング成分を含むことができる。特定の実施形態では、高分子量ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)(pDMA)又はそれらのコポリマーを含むDNA分離マトリックスを、親水性水溶性ポリマー成分、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)(pHMA)とともに、マイクロチャネル電気泳動によってDNAシーケンシング断片の非常に高速の分離を提供するために用いることができる。限定されずに、pHEAはダイナミック(つまり、物理的に吸着された)ポリマー壁コーティング成分と見なすことができる。それは、マイクロチャネル壁にプレコートすることができ及び/又は重合分離マトリックス成分を含む組成物の一部として提供することができる。特定の他の実施形態では、本発明のそのようなシステム又は組成物は、DNAマイグレーション(つまり、DNAレプテーションと一時的な絡み合い結合(TEC)とを組み合わせる新規なDNA分離メカニズム)の新規なモードを提供するための分子量及び/又は十分量でのそのような分離及びコーティング成分を含むことができる。
より一般的には、一部には、本発明は、マイクロチャネル電気泳動用のDNAシーケンシング又はゲノタイピング組成物に指向することができる。そのような組成物は、式
−[CH2C(R)C(O)NR’R”]n
(式中、Rは水素原子及びメチルから選択することができ、R’及びR”は独立して、C1〜C8の直線状アルキル基、C1〜C8のアルコキシ置換直線状アルキル基、C1〜C8の分岐状アルキル基及びC1〜C8のアルコキシ置換分岐状アルキル基から選択することができる)
のポリアクリルアミド、それらのコポリマー及びそのようなポリマー及び/又はコポリマーの組み合わせからなる疎水性分離マトリクスと、そのようなマトリクス成分よりもより親水性のポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)(pHMA)からなる疎水性壁コーティング成分とを含むことができる。
一実施形態では、ホモポリマー、ランダム又はブロックコポリマーあるいはいずれかの組み合わせであるとしても、Rは水素原子、R’及びR”は置換(例えば、メトキシ又はエトキシ、プロポキシ等)又は非置換のC1〜約C4アルキル基とすることができる。他の実施形態では、R’及びR”はメチルとすることができ、そのような成分は、pDMA又はPDMAコポリマーを含むことができる。そのような式について、nはそのようなポリマーの平均モル質量に対応する1より大の整数である。特定の実施形態では、そのようなポリマーは、当該分野で十分理解されているように、適度に疎水性とすることができ、水又は水性媒体に少なくとも部分的に溶解する。従って、そのような成分は、pMDA、ポリ(N−メトキシエチルアクリルアミド又はポリ(N−エトキシエチルアクリルアミド、それらの組み合わせならびに上述した又はここで記載したポリマー成分(例えば、限定されることなく、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジヘキシルアクリルアミド等)の1以上に対応するモノマーについてのそれらのコポリマーを含むことができる。
とにかく、R’及びR”のいずれかの組み合わせは、以下で詳細に説明する種類の機能効果を与えるのに少なくとも部分的に十分な程度で、そのような重合成分に与えられる疎水性及び、分子内又は分子間のいずれかで、物理的に相互作用する及び/又は他のそのような基又はポリマー成分に結合する能力によってのみ制限される。
そのような親水性壁コーティング成分は、少なくとも部分的に電気浸透流を減少させ及び/又は悪影響のある分析物−壁相互作用を減少させるために十分な親水性に照らして検討することができる。pHEAは、約600,000から約400万g/mol(MDa)又は約500万g/mol(MDa)以上の範囲の分子量を有することができる。いずれにしても、分子量及び/又は最終用途適用によって、pHEAは、媒体の0.5%(w/v)未満で流媒体中に存在することができる。他のある実施形態では、pHEAは、当業者に理解されるように、約0.1から約0.4%(w/v)未満で媒体中(例えば、水性)に存在することができる。いずれにしても、一実施形態では、pHEAコーティング成分は、1以上の上述した疎水性のポリアクリルアミド分離マトリックス成分と組成的に協働して用いるか、それに添加することができる。
いずれにしても、得られたマトリクス成分は、約5%以上までの範囲の割合(w/v)(そのような濃度は、平均分子質量に依存することができる)での濃度で、ここで記載した種類の、例えば、水又は水性媒体(例えば、限定されることなく、緩衝液)のような流媒体を含む組成物中に存在させることができる。一実施形態では、そのようなマトリックス成分は、約3%(w/v)までの、重量平均モル質量が約3〜約5MDaのpDMAを含むことができる。他の実施形態では、マトリクス成分は、約1%から約2%(w/v)の範囲の、より小さい平均重量モル質量、例えば、限定されることなく約200〜約300kDaのさらなるpDMAを含むことができる。種々の他のマトリクス成分を、モノマー成分及び対応基の選択によってのみ決定され、限定される濃度範囲にわたって、利用することができる。
特記しない限り、ここで用いられている、例えば、モル質量、割合等の特性を表す全ての数値は、用語「約」によって全ての例で修正されるものとして理解される。従って、反対に示されない限り、ここでの数値のパラメータは、望ましいポリマー又はシステム特性あるいはそれに関連するいずれかの方法を使用して達成される結果によって変化することができる近似であり、そのような割合及びモル質量は、本発明を認識する当業者によって変化させることができるものである。
本発明の組成物、システム、方法及び/又は装置のいずれに関しても、ここで記載又は示すポリマーは、いずれの対応ポリマーにおけるいずれのそのようなモノマーの割合にかかわらず、上述したモノマーのいずれかを含む、いずれかからなる又は実質的にからなることができる。そのような各々の重合、共重合化合物又はそれらのモノマー成分は、分離して又は他から単離して、組成的に区別することができ、特徴的に対比することができ、本発明とともに実行することができる。従って、実例としてここに明らかにされるように、発明の組成物、システム、方法及び/又は装置は、ここに開示、参照又は表示されるかまたはされないいずれか一つのポリマー、モノマー成分及び/又は工程が欠如していても実行又は利用することができ、欠如は、特に、ここで開示、参照又は表示されないかもしれない。
一つには、本発明は、また、RNA及びDNA分離用のマイクロチャネル電気泳動システムに指向することができる。そのようなシステムは、pDMAを含む疎水性分離マトリクス成分と、pHEAを含む親水性壁コーティング成分と、マイクロ寸法のキャピラリ(例えば、特に限定されないが、約10ミクロン〜約150ミクロンまでの範囲の内径が定義される)から選択されたマイクロチャネル基体又はそのようなマイクロチャネル寸法と類似のマイクロ流体電気泳動チップとを含むことができる。そのようシステムは、上述のタイプのpDMAマトリックス成分を含むことができる。限定されない特定の実施形態では、マトリックス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のpDMAと、低重量平均モル質量(例えば、約200〜約300kDaの範囲のひとつ)の約1%〜約2%(w/v)のpDMAを含むことができる。
一つには、本発明は、また、いずれかの電気泳動DNA又はRNA分離のいずれかのためのポリマー壁コーティング及び分離マトリクスシステムを用いる方法に指向することができる。そのような方法は、そのようなシステムの約3%(w/v)〜約5%(w/v)を含むpDMA成分と、pHEA成分とを含有するシステムを提供し、マイクロシャネル電気液動キャピラリ及びマイクロ流体シーケンシングチップから選択される種類の基体にシステムを導入し、電気泳動分離のために少なくとも部分的に十分な印加電圧及び時間で、DNAシーケンシング反応生成物又はRNA成分のいずれかの混合物とシステムとを接触させることを含むことができる。そのような方法は、上述のタイプのpDMA成分を含むシステムを含有することができる。一実施形態では、pHEA成分は分離マトリクスシステムの導入の前に基体に接触させることができる。そのような実施形態では、pHEA成分を水溶液として用いることができ、ここで記載した種類の壁コーティング成分を与えるのに十分な時間基体に接触させる。いずれにしても、そのような方法は、約800塩基までの長さのDNA配列(例えば、一本鎖DNA)を分離するために用いることができ、そのような分離は、時間及びマイクロチャネル長に依存する。そのような分離/シーケンシング法は、限定されない実施例で、以下に示される。
上記と関連して、本発明は、マイクロチャネル電気泳動装置に指向することもできる。そのような装置は、ミクロン寸法のキャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択される基体とともに、基体及びそれらの上のポリマーシステムとを含むことができる。マイクロチャネル基体、又は装置構成に限定されることなく、そのようなシステムは、そのようなシステムの約3%〜約5%(w/v)を含むpDMA成分を含むポリマーシステムと、上述した種類のpHEA成分とを含有することができる。そのようなポリマーシステムは、分離及び/又は壁−コーティング特性を示しており、当該分野で公知の他のタイプのキャピラリ又はマイクロチャネルマトリックス又は壁コーティング材料との併用又は組合せで用いることもできる。
一つには、本発明は、DNA分離速度を高めるための疎水性ポリマーマトリックスの使用方法にも指向することができる。そのような方法は、マイクロ寸法のキャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択されたマイクロチャネル基体を準備し、そのような基体に親水性pHEA壁コーティング成分を結合又は適用し、疎水性分離マトリクスをその基体に導入し、そのようなマトリクス成分は、ここに記載されるポリアクリルアミド、それらのコポリマー及びそのようなポリアクリルアミド及び/又はそのようなコポリマーとの組み合わせから選択され、そのような混合物、分子量のマトリクス成分の電気的動分離のために少なくとも部分的に十分な印加電圧及び時間で、混合物中のDNA成分の一時的な絡み合い結合及びレプテーションの少なくとも1つのために、少なくとも部分的に十分な濃度で、DNA配列成分の混合物とそのようなマトリクス成分とを接触させることを含むことができる。一実施形態では、分離は、一時的な絡み合い結合又はレプテーションの組み合わせとすることができる。そのような一実施形態では、DNA成分は、マイグレーション時間の約50%の一時的な絡み合い結合によって及びマイクグレーション時間の約50%のレプテーションによってマイグレートさせることができる。いずれにしても、そのようなマイグレーション動力学は、蛍光染色されたDNA分子の落射蛍光ビデオ顕微鏡法によってモニターすることができる。一実施形態では、そのような方法は、先行技術のLPAマトリクスを用いる分離と比較して、最高約3倍速い分離を提供することができる。
限定されることなく、一実施形態では、そのような方法のマトリックス成分は、pDMA及び/又はそれらのコポリマーから選択することができる。前者に関して、そのようなマトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量で、約3%(w/v)のpDMAと、低重量平均モル質量(例えば、約200〜約300kDaの範囲の一つ)の約1%(w/v)〜約2%(w/v)のpDMAとを含むことができる。いずれにしても、そのような実施形態では、マイグレーションは、DNA電気泳動移動度対マトリクスにわたるDNA分子サイズのログ−ログプロットの線形領域によって特徴づけることができ、分子サイズの範囲は、塩基及び/又は塩基対に換算して測定することができる。例えば、限定されることなく、DNA分子サイズの範囲は、約−4.40〜−0.60の間でスロープを有するログ−ログプロットのような線形領域で、約200塩基〜約800塩基とすることができる。
GPC−MALLSによるpDMAの特性。pDMAモル質量分布は限定されないいくつかの実施例で使用した。分布は3回の平均値である。 pDMAマトリクスの粘度はシーケンシングに適する濃度で劇的に増大する。しかし、簡易マイクロチャネル充填のための粘度は、従来例のLPAマトリクスよりも非常に低いままである。 従来のLPAマトリクスと比較したpDMAマトリクスのDNA分離。全37のピークは、3%及び4%のpDMAで解像した。解像のロスが5%pDMA及びLPAマトリクスで観察された。DNA断片のマイグレーション時間は濃度に依存する。 図2の分離からのピークの選択性(μii-1/μavg)。両マトリクスは、同じピーク分離を示す。 LongRead(登録商標)マトリクスにおけるピークは、250塩基以上のpDMAにおけるよりも一層広い(このバンド拡張は、このマトリクスの低いシーケンシング性能の主な原因である)。 pDMAマトリクスにおけるssDNAラダーに対する移動度データ。条件は図1のものと同じである、破線は、プロットが線形の領域のDNAサイズを示す。線形領域の傾きは、−0.54、−0.59及び−0.50(それぞれ3%、4%、5%マトリクス)である。 DNA画像から捕捉されたデジタル画像である。示された時間間隔での一連のフレームは、本発明の代表的なネットワクークを通して移動する2つのDNA分子を示す。上部の分子は、所定時間において示された全部のフレームにわたってレプテートしている。下部の分子は、最初レプテートし、次いで、一時的な絡み合い結合と同様のメカニズムにおいて示されたフレームにわたって、ポリマーネットワークを、フック及び引き込む。
電気泳動におけるDNA分離に影響し得る絡み合いポリマー溶液の特性
本発明の特定の実施形態をさらに理解するために、以下を考慮する。
シーケンシング用最適ポリマーマトリックスを開発することは、マイクロチャネルシステムを商業化するために最も大きな制約のうちの1つである。DNAシーケンシングは、ポリマー鎖がネットワークにオーバーラップし、ネットワークを形成し、絡み合う半希釈ポリマー溶液中で可能であるのみである。オーバーラップ濃度(c*)を、コイル内のポリマー濃度に正確に匹敵するバルク溶液濃度と定義する。方程式(1)は、この定義に基づくc*の推定値を与える。
Figure 2009513990
(式中、Mwは重量平均モル質量、NAはアボガドロ数、Rgはポリマー回転半径である)
式(1)から、オーバーラップ濃度は、光散乱のような技術によって、Mw及びRgの双方を測定することによって算出することができる。あるいは、オーバーラップ濃度は、一連のポリマー濃度のゼロせん断粘度を測定し、ログ−ログスケールで粘度対ポリマー濃度をプロットすることによって決定することができる。プロットが非線形になる濃度は、オーバーラップ濃度であり、ネットワークが絡み合う程度では、c/c*比として表わすことができる。
DNAが、絡み合ったポリマーネットワークを移動するため、ネットワークを規定するための臨界パラメータは、ポリマースクリーニング長(ξ)である。ポリマー溶液について、スクリーニング長は、ポリマーRg及び濃度に依存する。
Figure 2009513990
ゲル電気泳動では、平均孔サイズは、分離メカニズムを決定するために及び、ゲルから絡み合ったネットワークへの分離メカニズムに関する理論についての試みにおいて重要であった。絡み合い点間の平均鎖長として、「ブロブ」サイズ(ξb)を定義することによって、わずかに変化したこの見解で、これらの溶液における「孔サイズ」としてスクリーニング長を用いることが提案されている。この調整は、定義における新たなプレファクターを導入したのみであり、
Figure 2009513990
として定義される。よって、一般にポリマーネットワークは、ポリマー濃度及びコイルサイズの双方に依存するこのブロブサイズに換算して定義することができる。
絡み合いポリマー溶液中のDNA分離メカニズム
上述のポリマーネットワークパラメータは、絡み合いネットワークにわたってDNAマイグレーションの種々のメカニズムを示すために用いることができる。分離のメカニズムは、ネットワーク中でのブロブのサイズと比較して、DNA分子のRgに依存する。ネットワークの孔サイズより小さいDNAサイズは、繊維の緻密なアレイ中を移動する球体に対するオグストンによって示されたものと類似したメカニズムで、溶液中をマイグレートする。これは、通常、オグストンふるい分けとして呼称されており、自由溶液移動度に対して、DNAの移動度は、
Figure 2009513990
(式中、Krは、DNAコイル半径の正方形と比例している遅延係数であり、cはゲル又はポリマー濃度である。)
によって、数学的に示すことができる。このメカニズムは、試料の移動度対ポリマー濃度のゲルの自然対数をプロットするファーガソンプロットによって分析される。よって、線の傾斜は、遅滞係数に対する値を与える。
DNA移動度に対するオグストンモデルは、DNA分子のコイルサイズがネットワークの孔サイズに近づき、それを超えるために、作用しなくなることが予想される。
孔サイズより大きなDNAがDNA移動度の偏ったレプテーションモデルに至ったという観察。このモデルは、DNA分子長が変動、つまり変動で偏ったレプテーションに付されたことを考慮することによって、再評価された。これらのモデルは、DNAの移動度が溶液の絡み合いポリマー溶融体に対するレプテーション理論に類似したネットワークによって、曲がりくねると予測される。このメカニズムの重要なパラメータは、低減した電界であり、これは、
Figure 2009513990
(式中、ηsは溶媒粘度、Eは電界強度、kbはボルツマン定数、Tは絶対温度である)
によって与えられる。これらのモデルは、一般に、低電界の存在又はε<<1に対して誘導された。BRFモデルに対する移動度の得られた形態は、
Figure 2009513990
(式中、Nは塩基中のDNAサイズ、αは調節因子である)
によって与えられる。このモデルに関して、臨界DNAサイズは、以下の第1項のDNAサイズが支配して存在し、DNA移動度はサイズ依存性である。
Figure 2009513990
DNAレプテーションのこの領域は、未配向レプテーションとして知られており、シーケンシングを含む大部分のDNA分離は、この領域内で行われる。臨界サイズ以上のDNAに対して、第2項が支配し、サイズに基づく分離は消失する。レプテーションのこの領域は、配向レプテーションとして知られている。DNAの臨界サイズは、孔サイズ及び電界強度の双方に依存する。
Figure 2009513990
臨界サイズは、メッシュサイズと無関係に予測されるが、先の研究は、無配向から配向レプテーションへの移行は、メッシュサイズに依存することを示した。そのような結果は、より小さい孔サイズが、配向レプテーションをより小さいDNAサイズへシフトさせる傾向があることを示す。よって、電界強度並びに絡み合いネットワークのブロブサイズは電気泳動によるDNAサイズに基づく分離に対する上限を決定する臨界パラメータである。
オグストンふるい分け及びバイアスレプテーションのメカニズムが、絡み合い溶液に適用可能である一方、バロンらは、オーバーラップ濃度以下のポリマー溶液中で一般に行われている種々の分離メカニズムを発見した。ヒドロキシエチルセルロース(HEC)の超希薄溶液において、大きなdsDNA分子(>1kbp)の分離が可能であり、絡み合いポリマー溶液に対する理論は、その結果を説明するには不十分であったことを示す。従って、一時的な絡み合い結合と呼ばれる新しいメカニズムが、その分離を説明するために提案された。このメカニズムでは、DNAは、マイグレーション間にポリマー鎖に遭遇し、2つの結合がDNA分子の連結を増大する。ポリマー鎖に遭遇する可能性は、DNAサイズ依存性であり、よって、分離が可能となる。
ポリマーの物理的特性は、シーケンシング特性に影響を及ぼす。通常、親水性の高モル質量のポリマーが、より長いDNAシーケンシング読み取り長に対して必要である。同時に、低粘度及びガラス表面への被覆能が、システムの操作に対する技術的及びコスト的な利点を提供する。合成条件は、1×106g/molを超えるpDMA及びpHEAモル質量を目標とした。一般的に、より長いDNAシーケンシング読み取りを与える閾値となり、その一方で、安定なダイナミックコーティングの必要条件をも満たす。図1は、GPC−MALLSで測定した、この研究において用いられたpDMAのモル質量分布を示す。pDMA及びpHEAに対して室温で測定されたポリマー特性を、表1にまとめた。pDMA溶液のゼロ剪断粘性を図2に示す。多くのLPAマトリックスは、100,000cP28オーダーにおける粘度を有し、シーケンシングに有用な濃度範囲におけるpDMAマトリクスは、マイクロチャネルに充填することが大変容易であろう。
Figure 2009513990
ssDNA分離
pDMAは、キャピラリ電気泳動器具における有効なシーケンシングマトリックスとして探究されたが、このポリマーは、マイクロチャネルシステムにおけるシーケンシングに対して試験されなかった。ssDNA断片の分離は、対照として、市販のLPAマトリックスとともに、3〜5%の濃度のpDMAを用いたマイクロチャネル電気泳動システムで行われた。サンプルは、37DNA断片サイズを含む25塩基ラダーである。これらの分離での電気泳動図を図3に示す。3%及び4%のpDMAマトリックスが全37のピークを分離した一方、5%のpDMA及びLPAマトリックスは最大のDNA断片を完全には分解しない。そのため、低粘度を有することに加えて、pDMA溶液は、4%のLPAマトリックスよりも良好に、900の塩基まで、25塩基ラダーを分離する。このシステムにおける有効な分離距離は、市販のCAE手段におけるよりも相当小さい、7.5cmである。マイクロチャネルシステムが、より有効な分離を可能にするクロスインジェクターデザインを採用するため、必要とされるチャンネル長が非常に低減され、よって、分離はより速い。
pDMAマトリックスに関して、ポリマー濃度におけるDNAマイグレーション時間の依存性は明らかであり、マイグレーション時間は、LPAマトリックスよりも、一般に、これらのpDMAに対して短い。大部分のマイクロチャネルシーケンシング研究では、それらの個々のシステムを最適化する取り組みにおいて、種々の電界強度及び温度と同様により長いチャンネルを用いたため、直接マイグレーション時間を比較することは困難である。しかし、多くのマイクロチャネル研究(4%のLPA)に対して選択したマトリクスは、同様の電気泳動条件下で、ここで使用したpDMAマトリックスより長いマイクレーション時間である。
DNAシーケンシング結果
LPAと比較して分離速度が速くなったことに加えて、pDMAは、高価で長時間かかるかもしれない共有結合的にチャネル壁を被覆する必要を解消する自己コーティングマトリクスとして作用することができる。ダイナミックに吸着されたポリマー壁コーティングは、それらのコストを低減させ、より簡便な実施のため、高いスループット環境のための共有結合コーティングよりも一層魅力的である。しかし、pDMAコーティングは、若干疎水性で、試料と相互に作用するかもしれない。電気浸透流及び試料−壁相互作用は低減させることができるため、pHEAの親水性が壁コーティングを良好にする。
pDMA及び市販のPop−5(登録商標)及びベックマンLongRead(登録商標)マトリックスの種々の濃度に対するシーケンシング結果を、種々のダイナミックコーティングを用いた結果とともに表2に示す。ポリマーコーティングの化学作用は、読み取り長にかなり影響する。4%のpDMAマトリックスについて、ダイナミックコーティングとしてpDMAを用いることにより、420塩基の読み取り長を実現することができる。pHEAがダイナミックコーティングとして適用される際、読み取り長は130塩基まで拡張される。読み取り長のこの増大は、分離の間、バンド拡大を増加させることができる壁−試料相互作用の減少に起因している。
Figure 2009513990
もう一つの興味深い結果は、Pop−5(登録商標)が、ABI CAE器具におけるその市販の用途と対照的に、自己コーティングマトリクスとして使用することができないということである。これは、この研究におけるマイクロ流体チップを作製するために用いられるガラスの化学と、キャピラリで用いられる溶融石英ガラスとの基本的な差異によって説明されるかもしれない。塩類及びガラスチップのガラスの結合特性を増大させる他の不純物の存在が、Pop−5(登録商標)ポリマーのコーティング能を変化させることができた。しかし、pHEAは、Pop−5(登録商標)をチップに充填する前に適用される場合、読み取り長は非常に低い読み取り(<50塩基)から約380塩基に増大される。Pop−5(登録商標)マトリックスと、pDMAマトリックスに対する結果とを比較することは、キャピラリシステムのために開発されるポリマーマトリックスが必ずしもマイクロチャネルシステムのために最高のマトリックスであるというわけではないことを証明する。この結果は、pDMAマトリックス対ベックマンLongRead(登録商標)マトリックスで(キャピラリシステムのために最適化されたLPAマトリックス)得られたより良好なシーケンシング読み取り長によって、さらに確認される。
pDMAシーケンシングマトリクスとpHEAダイナミックコーティングの最適配合の組合せは、より短時間において、市販のマトリックスより長い読み取り長を与える。4%のpDMAマトリックスは、550塩基の長い読み取りを含む98.5%の精度で平均512塩基を与えた。種々のpDMA濃度を比較することにより、3%のpDMAマトリックスがssDNA分離において500塩基断片に対するマイグレーション時間において、25%の改善をもたらすことが明らかにされるが、わずか349塩基が、シーケンシングに対する平均を正確にもたらすことができたのみであった。このように、より長い読み取り長に対して、この特定のpDMAモル質量について3%よりも高濃度が必要である。しかし、読み取り長が5%の濃度で減少するため、4%の配合が最適濃度を表す。
図3における分離から、3%のpDMAマトリックスは、迅速に、高解像度で大きなDNA断片を分離したが、より高いpDMA濃度に匹敵するシーケンシング読み取り長を得なかった。より高いポリマー濃度が、短いDNA断片を分離するために重要なパラメータであり、より低い濃度が大きな断片を分離するために有利であるため、ポリマーマトリクスを、より高い平均モル質量及びより低い平均モル質量のポリマーをブレンドすることにより処方した。表3は、pDMAポリマー(98.5%の精度で)の2つの「ブレンド」の結果を示す。高い平均モル質量(3.4MDa)のpDMAを、3%(w/v)の濃度で用い、一方、2つのマトリックスに対する総pDMA濃度が4%及び5%(w/v)となるように、低い平均モル質量(240kDa)のpDMAを、1%及び2%(w/v)の双方で用いた。一つの平均モル質量によるマトリックスは非常によく機能するが、混合したモル質量マトリクスは、よりよく機能する。4%の混合マトリックスは560塩基(6分間の587塩基の長い読み取りで)で最高平均読み取り長を達成し、一方、5%の混合マトリックスは601塩基で最も長い個々の読み取りを達成した(達成するためにわずか6.5分間であった)。(最長シーケンシング作動のための4色シーケンシング電気泳動図は示さない)
pDMAマトリックス及びLongRead(登録商標)LPAマトリックスでの分離をさらに分析して、この市販のマトリックスの乏しいパフォーマンス源を決定することができる。ssDNA分離から、分離選択性及びピーク幅の双方を、図4A〜Bにおける種々のDNA断片サイズでプロットした。選択性は、マトリックスの分離能の測定基準であり、それらの平均移動度によって標準化した隣接したピーク間の移動度における差異として定義した。ピークの幅は、システムにおいて全てのバンド拡大源の複合効果を測定する。図4Aから、4%のpDMAポリマー及びLongRead(登録商標)マトリックスの選択性が類似し、シーケンシングパフォーマンスの違いを説明することができないことが明瞭である。しかし、図4Bは、約250塩基より大きなDNAサイズで、LPAベースマトリクスでのピーク幅において大きな増大があることを示す。このバンド拡大作用は、このシステムにおける乏しい特性の主な原因であり、pDMAマトリクスにおけるより高いピーク効率(小さな幅)がこれらポリマーの増大したシーケンシング読み取り長をもたらすと考えられる。さらに、LongRead(登録商標)LPAシステムのより広いピークは、おそらく、同程度の読み取り長(それは、また、より長い時間を必要とする)を達成するために非常に長い分離チャンネルを必要とするであろう。
Figure 2009513990
pDMAマトリックスにおけるDNA分離メカニズムの調査
絡み合いポリマー溶液によるDNA分離は、上述した2つのメカニズムを経由して進行すると考えられる。小さなDNA断片がオグストンふるい分けによってポリマーネットワークを通してふるいにかけられる傾向があり、一方、DNAレプテーションはより大きな断片に対する分離メカニズムである。レプテーションは、より高解像度分離を提供し、高性能シーケンシングのための望ましいメカニズムに違いない。これにより、高濃度でのより小さなメッシュサイズが、レプテーションメカニズム開始点をより小さなDNAサイズにシフトさせるため、より小さなDNAサイズをシーケンスするためになぜ高濃度を必要とするかを説明することができる。類似の理由により、低濃度がより長い読み取りのためになぜ必要とされるかについて説明することができる。メカニズムが、配向レプテーションにシフトするため、マトリックスにおける全ての分解能が失われる。この移行はメッシュサイズ(Eq8参照)に依存するため、DNAは、より高いポリマー濃度のためにより小さいサイズで配向する傾向がある。
対数関数スケールにおけるDNAの移動度対断片サイズをプロットする場合、図1からssDNAラダーの分離に関して図5で示すように、未配向レプテーションによる分離は、データの線形部分で観察することができる。図5に示されるデータは、pDMAマトリクスに対するキャピラリシステムの初期に提示されるデータと類似している。特に、スムーズな移行が、未配向レプテーションに対する及び未配向レプテーションから配向レプテーションへの移行に関するオグストン型ふるい分け間に存在する。
長いDNAシーケンシング読み取りに関して、図5においてプロットされた線形領域のより高いDNAサイズへの拡張は、重要かもしれない。4%のpDMAマトリックスの移動度は、5%のpDMAと比較してより大きなDNAサイズのために線形領域に残り、そのため、配向レプテーションへの移行は、より小さなDNAサイズにシフトする。このように、4%のpDMAは、5%のマトリックスより長い読み取り長を与え、この研究の結果は、この制限下のDNAサイズのためにさえ、4%のマトリックスがより良好なシーケンシング結果を与えることを示す。しかし、移動度のプロットは、シーケンシングに必要とする一塩基決定を減少させるかもしれないバンド拡大効果を説明しない点に注意されなければならず、シーケンシング読み取り長がssDNAラダーの移動度のプロットからまさに予測されるかもしれないものよりも小さい。
絡み合いネットワーク破断
3%のpDMAマトリックスは、2つのより高い濃度よりもさらに拡大した移動度のプロットについて線形領域を示し、それでも、このマトリックスに対する読み取り長は、通常、非常に低い。この1つの理由は、より高いポリマー濃度が上述したように小さいDNAサイズのより良好な分離に必要とされるからである。より大きなDNAサイズに対する分離パフォーマンスに影響するもう1つの要因は、ポリマーネットワークの絡み合いの強さである。通常、所定の分子量で、ポリマー濃度が増大し、鎖がより絡み合うため、絡み合いネットワークの強度が増大し、よって、より大きなDNAサイズをシーケンスするためにメッシュサイズをより大きくする必要がある場合、より高いモル質量ポリマーがより有効である。また、絡み合い強度は、個々の鎖のコイルサイズにも影響を受ける。pDMA鎖は、一般に、LPAのようなより親水性ポリマーより小さいコイルサイズを有する。
強く絡み合うネットワークは、レプテーションによってDNAを分離するために必要であり、よって、DNAをマイグレートすることによるポリマーネットワークにおける破断は、分離力及び読み取り長を低減する傾向がなければならない。わずかに絡み合うネットワークでは、特により大きなDNAによって、破断はより頻繁である。しかし、ネットワークが破壊されるにつれて、ポリマー鎖とともに絡み合うDNA分子の現象は、まだサイズに依存する傾向がある。このメカニズムは、一時的な絡み合い結合(TEC)、当該分野でよく理解され、かつ確立された現象に関連し、希釈ポリマー溶液中でのdsDNA分離についてバロンらによって発見された(例えば、Barron, A. E., Soane, D. S. & Blanch, H. W. (1993) J. Chrom. A 652: 316; Barron, A. E., Blanch, H. W. & Soane, D. S. (1994) Electrophoresis 15: 597-615及びBarron, A. E., Sunada, W. M. & Blanch, H. W. (1996) Biotech. Bioeng. 52: 259270参照、全趣旨を参照することによりここに取り込む)。よって、未配向レプテーションが、これらのマトリックスにおけるDNA分離の優位なメカニズムであるが、ネットワーク破断及びDNAポリマー絡み合いも、分離に貢献している可能性がある。フッキングを伴うこのネットワークの破断は、レプテーションより迅速であることが予想されるため、このメカニズムは、LPAシーケンシングマトリックスと比較してpDMAのより弱い絡み合い溶液中での分離で速度を速める原因となるかもしれない。
DNA分離のこの複合型メカニズムは、pDMAマトリックス中でdsDNAの画像顕微鏡法研究によってさらに示唆される。図6は、25℃での3.0%のpDMAマトリクス中で2つのDNA分子の時間進展を表し、1つの分子がレプテーションによって移動し、一方他の分子がネットワークを破壊し、溶液によってポリマー鎖を連結する。下部のDNA分子は溶液によってレプテートし、次いで、ネットワークへのフック及びそれに沿って連結する一方、上部のDNA分子がフレームシリーズの間、レプテートし続ける。これは、これらの2つのメカニズムが同時に同じマトリックス中で起こり得ることを証明する。
以下に示すように、キャピラリ及びマイクロチップ用の新規のポリマーマトリックス/ポリマー壁コーティングシステムは、DNA分離マトリクスとしての疎水性ポリマー、例えば、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、親水性ダイナミック壁コーティングとしての親水性ポリマー、例えば、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)との組み合わせを含み、キャピラリ及び特にマイクロチップ電気泳動によるDNA配列の超高速分離をもたらす。ダイナミック親水性ポリマー壁コーティングとの疎水性シーケンシングポリマーの組み合わせは、マイクロ流体電気泳動装置で以前に示されていなかった。500〜600の塩基シーケンシングは、塩基−呼び出しの高い正確さで、まさに7.5cmの有効分離距離で、(最適に)印加された電界強度(例えば、235V/cm)及び温度(例えば、50℃)のような他の条件下、マイクロチャネル電気泳動フォーマットにおけるそのような2つのポリマーの組み合わせによって、特に7分より短時間で達成することができる。
1×TTE+7M尿素バッファ中の3〜5%(w/v)の濃度で溶解したPDMA(最適には約3〜約4MDaのMwで)は、シーケンシングマトリクスを与える一方、pHEAダイナミックコーティングはマイクロ流体チップでの適用のために前適用される。さらに、約1〜約2%の間の低モル質量pDMA(〜200〜300kDa)を、3%(w/v)高モル質量pDMA(3〜4MDa)溶液(総ポリマー濃度4%(w/v))に添加することによって、6.5分間の電気泳動で最高600の塩基のさらにより長いシーケンシング読み取りをもたらす。詳しくは、いずれの1つの理論又は操作モードに限定されず、そのような条件は、一時的な絡み合い結合及びレプテーションの間のいずれかのハイブリッドDNA分離メカニズムを経由する超高速DNAシーケンシングを与え、それはDNAシーケンシング用のメカニズムとしてこれまで示されていなかった。そのメカニズムは、DNA移動度対断片サイズのログ−ログプロットを見ることによって演繹することができ、単分子落射蛍光顕微鏡画像実験によって補強される。DNA移動度対DNAサイズのログ−ログプロットにおいて、超高速のシーケンシング条件下の線形領域の傾斜は、−0.40〜−0.60である。
分子量、組成及び溶液濃度ならびに壁−コーティングポリマーの最適化のようなポリマー特性に関するそのような分離媒体のさらなる最適化は、この短時間でのより長い読み取りを可能にすることができる。得られた結果は、これまで報告されたそのような長い読み取りのための最速のシーケンシング時間を示し、よって、マイクロチャネルベースのシーケンシング技術の開発での発展を提供する。
実施例
マイクロチャネル電気泳動のために、以下の非限定的な実施例及びデータは、疎水性分離マトリックスポリマー成分及び親水性壁コーティングポリマー成分の使用を含む、本発明の組成物、システム、方法及び/又は装置に関連する種々の観点及び特長を示す。先行技術との比較において、本発明の組成物、方法、システム及び/又は装置は、意外で、予想外で、対照的な結果及びデータを提供する。発明の有用性は、ここで用いることができるいくつかのポリマー成分、組成物及び装置の使用によって示される一方、匹敵する結果が、種々の他のポリマー成分、組成物及び装置でえることができる当業者によって理解され、それは本発明の範囲に相当するようである。
実施例1
PDMA合成
高分子量pDMA分離マトリックスポリマーを、モノマーN,N−ジメチルアクリルアミド(99+%純度でMonomer-Polymer & Dajac Labs (Feasterville, PA USA)から購入)から合成した。DI水中の4重量%モノマー溶液を、47℃に設定された水浴中で、30分間N2流で脱気し、続いて、V−50(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩化水素(和光純薬、リッチモンド、VA、US)で開始した。16時間後、粘稠ポリマー溶液を、10日間、頻繁な水交換で透析した100000MWカットオフ透析膜に移した。透析後、サンプルを凍結乾燥し、1MDaを超えるモル質量で、固体pDMAポリマーを回収した。本発明の種々の他のマトリックスポリマー及び共重合体は市販であるか、上述したように、対応するモノマーから又は本発明を認識する当業者によく知られているようなその既知の合成技術もしくはそれらの改変を用いた類似の方法で製造することができる。
さらに、5mLのイソプロピルアルコールを上述の反応混合物に加え、ブレンドのために適当なpDMAのモル質量を、混合モル質量マトリクスに低減させる。モノマー溶液に5mLのイソプロピルアルコールを添加し、重合及び精製を行い、約200〜約300kDaのモル質量でポリマー生成物を得る。
実施例2
pHEA合成
壁−コーティングポリマー(pHEA)を合成するために、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドモノマーを、Cambrex(商品名:Duramide(登録商標)で販売)から45%溶液として購入した。モノマーの最終濃度が0.5wt%となるように、モノマー溶液の若干を100mL量に薄めた。モノマー溶液を、25℃に設定された水浴で、30分間、N2流で脱気した。脱気の後、反応を、10wt%アンモニウム過硫酸溶液(Amresco Inc、ソロン、OH、USA)の100μL及び10重量%のTEMED(Amresco)100μLを加えることによって開始した。16時間反応を進行させ、その後、ポリマー溶液を、10日間、頻繁な水交換で透析した100000MWカットオフ透析膜に移した。透析後、溶液を凍結乾燥し、1MDaを超えるモル質量で固体ポリマーを回収した。
実施例3
ポリマー分子量の特徴付け
分子量分布を、タンデムゲル−浸透クロマトグラフィ−マルチ角度レーザー光散乱(GPC−MALLS)で測定した。希釈ポリマー溶液を、SB−806HQ、SB−804HQ、及びSB−802.5HQを直列につないだShodex OH Pakカラムを用いてGPC(ウォーターズ社、ミルフォード、MA、USA)において、最初に分別した。分別後、GPCからの廃水を、直接、DAWN DSPレーザー光度計に、次いで、Optilab DSP干渉計屈折計(両器具は、Wyatt Technologies, Santa Barbara, CA USAから)に流す。特徴付けの間、100μLの希釈(1mg/mL)溶液(0.1MのNaCl、50mMのNa2HPO4及び200ppmのNaN3からなる移動相)を、器具に注入し、0.300mL/分で流す。GPC MALLSデータを、Wyatt Technologiesから得たASTRAソフトウェアを使用して処理した。合成したポリマーを、モル質量、回転半径及び多分散係数によって全て特徴付けした。
実施例4
pHEAコーティングの適用
Albarghouthiらによって示されたプロトコルに従って、マイクロチャネルを、最初に1MのHCl溶液で充填し、15分間放置した。1MのHCl溶液の除去後、チャンネルを脱イオン水で洗浄し、次いで、pHEAコーティング溶液で充填し、15分間放置した。pHEAコーティング溶液は、脱イオン水中のポリマー0.1%w/vの水溶液である。コーティングは、1×10-5cm2/Vsより小さい電気浸透流を与える経路をもたらす。
実施例5
マイクロチャネル/マイクロチップ電気泳動
ssM13mp18シーケンシング断片及びssDNA ET−900ラダー(双方、Amersham Biosciences, Piscataway, NJ USA)の分析を、ACLARA Biosciences(マウンテンビュー、CA、USA)によって、この研究所のための特注のマイクロチャネル電気泳動システムにおいて行った。このシステムは、レーザーによって誘導された蛍光(LIF)によって、感光性多色検出を可能にする。そのシステムは、2つのサブシステムから構成され、電気システムはマイクロ流体装置に電圧を供給し、光学サブシステムは、チャンネル内のポイントに収束させたレーザーを通すことにより、蛍光分子の検出を可能にする。これら2つのサブシステムは、いずれも、LabViewソフトウェアで書き込まれた単一のプログラムを使用してコントロールすることができる。
実施例6
電気システムを、4つの電極の独立した制御を可能にする高圧電源で作動させる。各電極は、0〜4.5kVの間に設定することができるか、回路から切断することができる(「浮遊」)。ソフトウェアによって、ユーザーは、設定された時間の間、全4つの電極の電圧を、所望の電圧設定ポイントに設定することができ、複数の電圧及び時間ステップを、複雑なチップ機能又は種々の分離方法のために、順番に使うことができる。光学サブシステムは、蛍光体がJDS Uniphase Series 221430sl single-line, 488nmアルゴンイオンレーザ(San Jose, CA USA)によって励起される共焦、落射蛍光からなる。ミラーは、反転TE200、落射蛍光顕微鏡にレーザービームを導くために用いられる。光線を、次いで、帯域フィルターに通し、二色性のミラーで反射され、ニコン10x/0.45顕微鏡対物レンズによって、直径約10μmのレーザスポットを生じるマイクロ流体チャネルの中央に集束させる。放出された蛍光を、同じ対物レンズによって集束し、二色性ミラー、その後1秒、広帯域フィルター(Chroma Technology, Brattleboro, VT USA)に通過させる。フィルターに通された光のスペクトルは、透過格子によってそれを指向し、高量子効率に集束させることによって測定し、532×64ピクセルの電荷結合素子(CCD)を−15℃に冷却する(浜松社、Brigewater、NJ USA)。ピクセルビンニングを、特定の範囲にわたる放出強度を定量化するためにCCDカメラからのデータに適用し、溶媒のラマン散乱ラインによって較正する。データ収集は、10〜50Hzの範囲で達成することができる。CCD出力を収集し、ビンニングし、低パスフィルタリングし、LabViewに書き込まれたプログラムを用いて保存した。
実施例7
実験を、Micronit Microfluidics BV(Enschede、オランダ)から購入した、7.5cm有効分離距離を有する単一チャネルガラスマイクロチップを用いて行った。チャンネルを、最初に15分間、1MのHClですすぎ、続いて0.1%(w/v)のポリマー溶液を15分間充填することによって、pDMA又はpHEAのいずれかで被覆した。ssDNAの分離及びシーケンシングを、7Mの尿素、Pop−5(登録商標)マトリックス(Applied Biosystems, Inc, Foster City, CA USA) 及びベックマンLongRead(登録商標)LPAマトリクス(Amersham)を含むTTEバッファ(50mMのトリス、50mMのTAPS及び2mMのEDTA)中、3〜5%(w/v)の範囲の濃度で、pDMA(Mw=3.4MDa)及びLPA(Mw=2.5MDa)マトリックスで行った。各操作のために、235V/cmの電界を、サンプル注入前に60秒に印加する。また、混合モル質量pDMAマトリックスを、1%又は2%の低モル質量pDMA及び3%〜4%の高モル質量pDMAで配合した。100μmオフセットでオフセットTインジェクターを用いて、サンプルを100V/cmで40秒間注入した。分離を、サンプル及びサンプル廃棄用ウェルに、38V/cmのバックバイアスを印加して、235V/cmで行った。チップを、操作中、50℃に維持した。ベースコールを、NNIM Basecaller (NNIM, LLC, SaltLake County, UT USA)及びSequencher v 4.0.5(Gene Codes Corp., AnnArbor, MI USA)を用いて完了した。そのようなpDMAマトリックスは、6〜7分間で、約500〜約600塩基のシーケンシング読み取り長をもたらし、一方、市販のマトリックスは、約400塩基以上のシーケンシングをしない。
実施例8
レオロジー
ゼロ−剪断粘度を、デジタル制御された再循環水浴(Julabo USA Inc., Allentown, PA, USA)に接続されたペルティエコントローラで温度を維持することにより、温度を維持しながら、Anton Paar Physica MCR 300 (Ashland, VA, USA)を用いて測定した。制御された剪断応力及び剪断率掃引を、25〜50℃の温度範囲にわたって、コーン−プレート(モデルCP50−1)装備及びダブルギャップクエット(モデルDG26.7)装備で実行した。ゼロ−剪断粘度対ポリマー濃度曲線を、この器具を用いて創出した(図2参照)。
実施例9
画像顕微鏡法
DNAを、YOYO−1(Molecular Probes, Eugene, OR USA)で蛍光標識した。すべてのタンパク質及び糖試薬を、Fisher Scientific (Pittsburgh, PA USA)から購入し、48kbpのdsλDNAを、インビトロゲン(San Diego, CA USA)から購入し、ベタメルカプトエタノール(BME)を、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO USAから購入した。標識方法では、dsDNAの5〜10の塩基対につき約1つの標識を行った。蛍光標識したDNAを観察するために、着色溶液を、溶媒化するために24時間混合しておいた、カタラーゼ保存液、グルコースオキシダーゼ保存液、BME、20%のグルコースバッファ及びポリマー溶液に混合した。一晩穏やかに混合した後、ポリマー/DNA溶液を、画像化するために準備した。
実施例10
DNAを画像化するために用いたハイブリッドチップを、Sylgard 184のポリ(ジメチルシロキサン)(Fisher Scientific, Pittsburgh, PA USA)マイクロチャネル及び1.5の厚いガラスカバースリップ(Fisher Scientific, Pittsburgh, PA USA)で構成した。PDMAチャネルを、プレポリマー:硬化剤を10:1の重量比で混合することにより形成した。脱気したScotch Magic Tape(登録商標)の幅狭ストライプ上に注ぎ、一晩真空チャンバで硬化させた。硬化したPDMAを0.5cm長の正方形に切断し、カバースリップに取り付けた。得られたチャネルは、約50〜60ミクロンの深さであった。
実施例11
DNAマイグレーションを、ミシガン大学(Albarghouthi, M. N., Stein, T. M. & Barron, A. E. (2003) Electrophoresis 24: 1166-1175; de Carmejane, O., Yamaguchi, Y., Todorov, T. I.& Morris, M. D. (2001) Electrophoresis 22: 2433-2441)のモリス研究室をモデルする自家製システムを用いて視覚化した。画像処理システムは、ニコンCFI 100x/N.A.1.4油浸入顕微鏡対物レンズを装備したニコンTE200(Nikon Instruments Inc., Melville, NY, USA)反転落射蛍光顕微鏡からなる。DNA蛍光を、青色光励起フィルターキューブ(460nm〜500nm)(Chroma Technology, Brattleboro, VT USA)で、順次熱吸収フィルターによって集束した100ワットの水銀灯光源を使って行った。DNAから放出された蛍光を、0.5インチのCCD(510nmのロングパスフィルタ(Chroma Technology, Brattleboro, VT USA)及びVS4 1845 Generation 3イメージ増倍管(Videoscope International, Dulles, VA USA)によるTM 6710 CLカメラ(JAI Pulnix, Sunnyvale, CA USA)で収集した。高速度カメラは、648×484ピクセルの全空間分解能で、120フレーム/秒が可能な可調フレーム速度を有する。全ての画像を、XCAP−STD(EPIX INC, Buffalo Grove, IL USA)ソフトウェアを利用するPIXCI制御盤(EPIX INC., Buffalo Grove, IL USA)によって、直接コンピュータに30フレーム/秒で取り込んだ。電気泳動電圧を、Micronitから購入した高電圧電源を用いて行った。ポリマーマトリックス中をマイグレートする単一のDNA分子を、この技術を用いて画像化することができる。
実施例12
ダイナミックpHEAポリマーでプレコートしたマイクロチャネルを使って、4%(w/v)のポリ(N−メトキシエチルアクリルアミド)(pNMEA)ポリマー溶液を、シーケンシングマトリクスとしてチャネルに充填した。7.5cm長の分離チャネルにおいて、温度を50℃、電界を235V/cmに設定した場合、540塩基のDNAシーケンシング読み取り長が、約6.5分間で98.5%の精度で達成することができる。ベースコールを、NNIM ベースコーラ及びシーケンサー4.0.5版によって実行した(シーケンシング電気泳動図は図示せず)。
実施例13
マイクロチップでのシーケンシングDNAに加えて、本発明のポリマーシステム(例えば、pDMAマトリックス及びpHEAダイナミックコーティング)は、ABI 3100市販装置にて、22cmキャピラリで用いる。全てのシーケンシング操作は、50℃の温度、250V/cmの電界で行った。市販のPOP(登録商標)−6マトリクスに対して、生のシーケンシングデータは、4%の混合モル質量のpDMA(1%の低モル質量及び3%の高モル質量)が迅速にシーケンスできることを示す。そのようなpDMAマトリックス分離は、より迅速なシーケンシングがキャピラリ器具で可能であることを示すPOP(登録商標)−6マトリックスでよりも3倍速い。シーケンシング結果を表4に示す。4%混合モル質量pDMA及びPOP(登録商標)−6(双方とも4%pHEA被覆キャピラリ)を比較している。分離は、混合モル質量pDMAで非常に速い。このマトリックスは、約22分間で650の塩基をシーケンシングした。ベースコールは、NN1Mベースコーラ及びシーケンサー4.0.5版を使って完了させた(4%混合モル質量でのシーケンシング気泳動図は図示せず)。
Figure 2009513990
上述した実施例に示したように、600の塩基までのDNAシーケンシングが、pHEAダイナミックコーティングとともにpDMAマトリクスを用いて6.5分間で示された。この研究のために合成したpDMAは、市販のマトリックスより非常に良好に機能し、より疎水性のコーティングに関するpHEAの選択は、読み取り長を拡張するために重要である。一本鎖DNA断片は、先のマイクロチャネル研究において使用された代表的なLPAマトリックスよりも、この研究で用いられたpDMAマトリックスにおいて、より高い移動度を有している。pDMAマトリックスは、わずか7.5cmの分離距離において600の塩基よりも、より長いシーケンシング読み取り長を可能にするという事実は、高速にも貢献する。
レオロジーデータ及び画像顕微鏡研究は、マイグレートするDNA分子がより頻繁にネットワークを破断するため、わずかに絡み合うpDMAネットワークが、より絡み合うネットワークよりも、より迅速にシーケンシングを可能にするかもしれないことを示唆する。ネットワーク破断は一般に低分離能につながるが、DNAはルーズなポリマー鎖をフックすることもでき、引くこともでき、それはDNA移動度がサイズに依存するTECメカニズムと類似している。このハイブリッド分離メカニズムが、画像顕微鏡法によって示される一方、DNA分離の現在の理論を、同時にこれらのメカニズムに考慮されることはない。
このシステムを最適化することができ、移動度対DNAサイズの分析は、より長い読み取り長を可能にすることを示唆する。シーケンシングを、11.5cm及び15.9cmのチャンネル長で示した。拡散限定システムと仮定すると、移動時間が線形的に増加しながら、ベースコーラーが塩基を正確にコールすることができる最小限の解像が、チャンネル長の平方根をスケールする。従って、11.5cmのチャンネルを用いて、15.9cmのチャンネルが〜12分間で800の塩基読みをもたらす一方、このシステムでは、〜9分間で630の塩基読み取りまでを実現するために用いることができる。そのような結果は、4%pDMAマトリクスのために850程度の配向レプテーションへの移行によって加減し、それは、長に依存する移動度を変化させるかもしれず、より短い時間での読み取りが期待されるかもしれない。それでも、より短い時間での長いシーケンシング読み取りを与えるpHEAダイナミックコーティングとともにpDMAマトリックス能は、マイクロチップシーケンシングシステムの重要な一歩前進を意味し、シーケンシング技術の次世代の発展を促進する。
本発明のシステム/組成物は、シーケンシング中心又は線形ポリマーマトリックス及びダイナミックポリマーコーティングを用いることができる他のシーケンシング適用に拡張させることができる。電気泳動によるDNA分離を必要とするような、多くのゲノタイピング及び法医学適用もまた、広範囲にわたるDNAサイズが、例えば、図1Aで示すようにマトリックス及びコーティングの組合せで、分解することができるため、興味深いかもしれない。

Claims (35)

  1. 式 −[CH2C(R)C(O)NR’R”]n
    (式中、RはH及びメチルから選択され、R’及びR”は独立してC1〜約C8の直鎖アルキル基、C1〜約C8のアルコキシ置換直鎖アルキル基、C1〜約C8の分岐アルキル基及びC1〜約C8のアルコキシ置換分岐アルキル基及びそれらのコポリマーから選択される)
    のポリアクリルアミドを含む疎水性分離マトリクス成分と
    ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)を含む親水性壁コーティング成分とを含有し、
    前記ポリアクリルアミドは少なくとも部分的に水溶性である、マイクロチャネル電気泳動用DNAシーケンシング又はゲノタイピング組成物。
  2. マトリクス成分は、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)及びポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)コポリマーから選択される請求項1の組成物。
  3. マトリクス成分は、水性媒体中に約3%(w/v)〜約5%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む請求項2の組成物。
  4. マトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む請求項3の組成物。
  5. マトリクス成分は、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む請求項3の組成物。
  6. ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)成分を含む疎水性分離マトリクス成分と、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)成分を含む壁コーティング成分とを含有するシーケンシング組成物。
  7. マトリクス成分は、水性媒体中に約3%(w/v)〜約5%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む請求項6の組成物。
  8. マトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)及び約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む請求項7の組成物。
  9. ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を含む疎水性分離マトリクス成分と、
    ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)を含む親水性壁コーティング成分と、
    内径が約10ミクロン〜約150ミクロンのマイクロ寸法のキャピラリ及び約10ミクロン〜約150ミクロンの範囲のマイクロチャネルを有するマイクロ流体電気泳動チップから選択されるマイクロチャネル基体とを含んでなるDNA及びRNA分離用マイクロチャネル電気泳動システム。
  10. マトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)とを含む請求項9のシステム。
  11. ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)が基体と接触してなる請求項10のシステム。
  12. 約3%(w/v)から約5%(w/v)のシステムを含むポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)成分とを含むシステムを準備し、
    マイクロチャネル電気泳動キャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択される基体を前記システムに導入し、及び
    DNAシーケンシング反応生成物成分及びRNA成分から選択される混合物を、前記混合物の電気泳動分離のために少なくとも部分的に十分な印加電圧及び時間で、前記システムに接触させることを含む電気泳動DNA及びRNA分離用ポリマー壁コーティング及び分離マトリクスシステムの使用方法。
  13. マトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)とを含む請求項12の方法。
  14. ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)が基体と接触してなる請求項13の方法。
  15. ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)は水性媒体中に存在する請求項14の方法。
  16. システムは、DNAシーケンシングバッファを含み、前記混合物は、DNA分子を含む請求項12の方法。
  17. 一本鎖DNAを分離し、前記DNA配列成分の一つは、約800までの塩基を含み、前記分離は、時間とマイクロチャネル長の機能である請求項16の方法。
  18. マイクロ寸法のキャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択される基体と、
    その上のポリマーシステムとを含み、
    前記システムは、該システムの約3%(w/v)〜約5%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)成分と、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)とを含むマイクロチャネル電気泳動装置。
  19. マトリクス成分は、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)とを含む請求項18の装置。
  20. ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)が基体に適用されてなる請求項18の装置。
  21. マイクロ寸法キャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択される基体を準備し、
    親水性ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)壁コーティング成分を基体に結合させ、
    疎水性ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)マトリクス成分を基体に導入し、該マトリクス成分は少なくとも部分的に可溶性であり、
    DNAシーケンシング成分及びマトリクス成分の混合物を、前記混合物の電気泳動分離のために少なくとも部分的に十分な印加電圧及び時間で接触させ、前記ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)の分子量及び濃度は、少なくとも、前記混合物中でDNA成分の一時的な絡み合い結合及びレプテーションに少なくとも部分的に十分である、
    DNA分離速度を早めるためのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)の使用方法。
  22. 分離は、一時的な絡み合い結合及びレプテーションの組み合わせである請求項21の方法。
  23. DNA成分は、マイグレーション時間の約50%の一時的な絡み合い結合によって及びそのようなマイグレーション時間の約50%のレプテーションによってマイグレートする請求項22の方法。
  24. DNAマイグレーションダイナミックスを、蛍光染色されたDNA分子の落射蛍光画像顕微鏡によってモニターする請求項22の方法。
  25. マトリクスは、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチアクリルアミド)とを含む請求項22の方法。
  26. マイグレーションは、DNA電気泳動移動度対マトリクスにわたるDNA分子サイズのログ−ログプロットの線形領域によって特徴付けられ、分子サイズは塩基及び塩基対の1つにおけるものである請求項25の方法。
  27. DNA分子サイズは、約200塩基〜約800塩基の範囲であり、前記プロットの線形領域は、約−0.40〜−0.60の傾きを有する請求項26の方法。
  28. マイクロチャネル電気泳動キャピラリ及びマイクロ流体電気泳動チップから選択される基体を準備し、
    親水性ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)壁コーティング成分を基体に結合させ、
    疎水性分離マトリクス成分を基体に導入し、該マトリクス成分は請求項1のポリアクリルアミド、それらのコポリマー、ポリアクリルアミドの組み合わせ、コポリマーの組み合わせ及びポリアクリルアミドといずれかの前記コポリマーとの組み合わせから選択され、該マトリクス成分は、少なくとも部分的に可溶性であり、
    DNAシーケンシング成分及びマトリクス成分の混合物を、前記混合物の電気泳動分離のために少なくとも部分的に十分な印加電圧及び時間で接触させ、前記ポリアクリルアミドの分子量及び濃度は、少なくとも、前記混合物中でDNA成分の一時的な絡み合い結合及びレプテーションに少なくとも部分的に十分である、
    DNA分離速度を早めるための疎水性ポリマーの使用方法。
  29. 分離は、一時的な絡み合い結合及びラプテーションの組み合わせである請求項28の方法。
  30. DNA成分は、マイグレーション時間の約50%の一時的な絡み合い結合によって及びそのようなマイグレーション時間の約50%のレプテーションによってマイグレートする請求項29の方法。
  31. DNAマイグレーションダイナミックスを、蛍光染色されたDNA分子の落射蛍光画像顕微鏡によってモニターする請求項29の方法。
  32. マトリクス成分は、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)及びそれらのコポリマーから選択される請求項28の方法。
  33. マトリクスは、約3〜約5MDaの範囲の重量平均モル質量の約3%(w/v)のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)と、約200〜約300kDaの範囲の重量平均モル質量の約1%(w/v)〜約2%のポリ(N,N−ジメチアクリルアミド)とを含む請求項31の方法。
  34. マイグレーションは、DNA電気泳動移動度対マトリクスにわたるDNA分子サイズのログ−ログプロットの線形領域によって特徴付けられ、前記分子サイズは、塩基及び塩基対の1つにおけるものである請求項33の方法。
  35. DNA分子サイズは、約200塩基〜約800塩基の範囲であり、前記プロットの線形領域は、約−0.40〜−0.60の傾きを有する請求項34の方法。
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