JP2003523499A - キャピラリーゲル電気泳動のためのコポリマー - Google Patents

キャピラリーゲル電気泳動のためのコポリマー

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JP2003523499A
JP2003523499A JP2000593946A JP2000593946A JP2003523499A JP 2003523499 A JP2003523499 A JP 2003523499A JP 2000593946 A JP2000593946 A JP 2000593946A JP 2000593946 A JP2000593946 A JP 2000593946A JP 2003523499 A JP2003523499 A JP 2003523499A
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copolymer
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acrylamide
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チャンシェン リウ
クィンボ リ
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スペクトラメディックス コーポレイション
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44747Composition of gel or of carrier mixture

Abstract

(57)【要約】 本発明は、第一コモノマーと、少なくとも一種の第二コモノマーとを含有する少なくとも一種の、ランダムでかつ線状のコポリマーのゲルマトリックスを含有する電気泳動分離媒体に関する。第一コモノマーは、アクリルアミド又はアクリルアミド誘導体であり、ゲルマトリックスに主要な物理的、化学的及びふるい特性を付与する。少なくとも一種の第二コモノマーは、コポリマー鎖に、本質的な物理的、化学的及びふるい特性を付与する。第二コモノマーにより与えられる所望の特性は、親水性、疎水性、コポリマー鎖の剛性、コポリマー絡み合い構造の安定性、加水分解抵抗性、コポリマー鎖伸長の加工性、ゲルマトリックスの粘性、コポリマーの支持物質の表面への親和性、キラリティー、又はそれらの混合である。ゲルマトリックスは、約1,500〜約20,000Cpの粘度及び約100,000〜約5,000,000ダルトンを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本願明細書は、1999年1月12日に出願された米国特許仮出願第60/115,588号に
優先して請求される。 (技術分野) 本発明は、選択された複数のモノマー類のランダム共重合により、1種の高分
子ゲルマトリックスに複数の必要な特徴を組合せることにより、柔軟に最適化す
ることができる電気泳動分離用媒体に関する。
【0002】 (発明の背景) 電界内における正味電荷による分子の移動は、電気泳動として公知である。電
気泳動は、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、RNA及びDNAなどの生体
分子を分離する強力な手段である。電界内の分子の移動速度(v)は、下記式に示
されるように、電界強度(E)、タンパク質の正味電荷(z)、及び摩擦係数(f)に応
じて決まる: v=Ez/f
【0003】 ふたつの主要な分離機構が存在する:(i)被検体の実効電荷の差異を基にした分
離、及び(ii)分子サイズを基にした分離。実効電荷の差異を基にした分離は、高
分子量分子は類似の実効電荷を有するために、それらを分離することが困難であ
るので、通常低分子量又は中分子量の分子に制限される。分子サイズを基にした
分離は、一般に分子篩と称され、かつ制御された細孔サイズを有するゲルマトリ
ックスを用いて行われる。これらの分離システムにおいて、被検体の実効電荷が
同じであるならば、その分離は、異なるサイズの分子種のゲルマトリックスの浸
透能の差により生じる。比較的小さい分子は、比較的大きいものよりも、所定の
細孔サイズのゲルを通じてより迅速に移動する。 理論的には、様々なタンパク質の分離は、分子がそれらの電荷密度において十
分な差異があるならば、遊離溶液において容易に達成することができる。実際に
は、遊離溶液中での分離を達成することは困難であり、その理由は、電気泳動時
に発生した熱が対流障害を引き起こし、これがタンパク質バンドを歪ませるから
である。結果的に、バンドの幅広化が生じ、タンパク質の分解能が損なわれる。
この理由で、遊離溶液内での電気泳動は、稀にしか行われない。
【0004】 紙又は酢酸セルロース、アガロース、デンプン及びポリアクリルアミドのよう
な、様々な支持媒体が、対流及び拡散を最小化するために使用される。紙、酢酸
セルロース及び同様の多孔物質は、比較的不活性であり、主に支持体として利用
されかつ対流を最小化し、かつタンパク質の分離は、大部分は特異的pHにおける
タンパク質の電荷密度を基にしている。 デンプン、アガロース、ポリアクリルアミドゲルは、電気泳動分離を行う上で好
ましい媒体である。これらのゲルは、対流及び拡散を最小化するのみではなく、
分離過程に積極的に参加する。より詳細には、これらの物質は、分子篩が生じ、
かつ電荷密度及び分子サイズの両方を基にした分離を提供するような限定された
媒体(restrictive medium)を提供する。ポリアクリルアミドをベースにしたゲル
は、化学的に不活性であり、優れた篩特性を有し、かつ高分解能を持つので、広
範に使用されている。しかしポリアクリルアミドをベースにしたゲルは、高い粘
性を有し、分離に影響を及ぼす気泡を形成することがあり、貯蔵寿命が短く、神
経毒であり、かつ調製が煩雑である。
【0005】 電気泳動は、典型的にはいくつかの試料を平行なレーンに流すスラブゲルを用い
て行うことができる。DNAの巨大試料が必要であり、かつDNAの検出は、典型的に
は電気泳動分離が完了した後に行われる。この技法の利点は、分離後の試料の収
集の容易さ、同じゲル上での複数の試料の結果の比較能、及び多量のDNAの分離
能がある。しかしスラブゲル電気泳動は、労働集約的でありかつ時間がかかる。
代わりに、キャピラリー電気泳動(CE)は、迅速で、分子の高分解能の分離をもた
らす。CEは、典型的には、吸光度又はレーザー誘起蛍光のいずれかによるオンラ
イン検出を伴う細いキャピラリー中での荷電した分子の分離に関する。典型的に
は、CEは、内径50μm〜200μmであり、かつ長さ10cm〜100cm又はそれ以上である
ような、溶融シリカキャピラリー管を使用する。これらのキャピラリーは、典型
的にはポリアクリルアミドにより、コーティングされているか、もしくはコーテ
ィングされないままである。このコーティングは、溶媒又は溶媒系に溶解した溶
質イオンの電気泳動分離において頻繁に生じる現象である、電気浸透流れを妨げ
る。この現象は、印加された電界に反応して溶媒系のバルク流れを引き起こす。
バルク流れは、それが溶解した溶液の一部として共通速度での全ての溶質の移動
を引き起こすので、溶質の分離を損なう。これは、電気泳動に貢献し得る移動の
経路を効果的に短くし、そのため所定の長さのカラムでの電気泳動分離の程度が
低下する。
【0006】 ポリアクリルアミド及び他の高粘性媒体のような架橋したポリマーは、高い粘性
がキャピラリー内のゲルの配置を実行不可能にするので、CEに適していない。更
に架橋したポリマーを用いると、粘性の低い媒体と比べて、分離により長い時間
を要する。 線状ポリアクリルアミド(“LPA”)は、その絡み合い構造のために優れた篩特性
を有する高効率の分離用媒体である。更に、線状ポリマーにおいて架橋が存在し
ないことは、より低い粘性を提供する。CEにおいてLPAを使用するためには、キ
ャピラリー内壁は、予想された分離性能を達成するために電気浸透流れを抑制す
るよう、親水性ポリマーによりコーティングされなければならない。電気浸透を
防止するためのキャピラリー壁の内側表面のコーティングは、公知である。例え
ば米国特許第5,545,302号は、アミン誘導ポリマーの使用によるCE内での電気浸
透流れの抑制を開示している。米国特許第5,552,028号は、所望の自己コーティ
ング特性を有するN,N'-二置換又はN-一置換のポリアクリルアミドを使用するこ
とによる、CE内での電気浸透流れの抑制を開示している。これらのアミン誘導ポ
リマーは、予め存在するホモポリマーの官能基を所望の自己コーティング特性を
付与するように修飾することにより調製された。米国特許第4,997,537号は、コ
ーティング材の層の上に吸着された親水性ポリマー薄層の、ミクロキャピラリー
壁の内側表面に共有結合したシラン誘導コーティング、及びポリアクリルアミド
を充填する管を開示している。
【0007】 その他のポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルアクリルア
ミド)(米国特許第5,567,292号及び第5,552,028号)、及びポリ(ビニルピロリドン
)(Gaoら、Analytical Chem.、70:1383-1388(1998))などは、コーティングされな
いキャピラリーにおいて、DNA分離時の電気浸透流れを抑制することができる。
しかし、これらのポリマーはいずれも、DNA配列決定の読み長さの態様及び高温
での高速分離の可能性において、線状のポリアクリルアミドの性能に勝ることは
示されていない。 高分子ゲルマトリックスの合成のためのアクリルアミド誘導体の使用は、公知で
ある(Sassiら、Electrophoresis、17:1460(1996);米国特許第5,470,916号;及
びLindberg ら、Electrophoresis、18:2909(1997))。これらのアクリルアミド誘
導体から合成されたゲルマトリックスは、通常ポリアクリルアミドとは著しく異
なる物理的、化学的及び電気泳動的特性を有する。
【0008】 性能を増強するための電気泳動用媒体におけるコポリマーの使用は、公知である
。例えば米国特許第4,997,537号は、マイクロキャピラリーゲル電気泳動におけ
るポリアクリルアミド及びN,N'-メチレンビスアクリルアミドのような架橋剤と
のコポリマーの使用を開示している。米国特許第4,948,480号及び第5,149,416号
は、アクリルアミドモノマーと架橋剤による架橋を促進する別のコモノマーとの
水溶性コポリマーで構成されたゲル電気泳動用媒体を開示している。米国特許第
5,759,369号は、各端に、均一なセグメント長を有する線状の親水性ポリマーセ
グメント及び疎水性ポリマーセグメントを含有するコポリマーで構成された電気
泳動分離用媒体を開示している。これらのコポリマーは、(i)櫛型又はふさ型コ
ポリマー構造;(ii)ブロックコポリマー構造;及び(iii)星型コポリマー構造で
あるような構造の一種を有することができるが、ランダムコポリマーではない。
Liangらは(Electrophoresis、19:2447-2453(1998))、架橋していないトリブロッ
クポリマーを用いる、キャピラリー電気泳動について考察している。 従来の電気泳動分離用媒体を改善しようとする多くの努力にも関らず、電気泳動
分離に関する一般的問題点を克服し、かつ様々な用途において電気泳動分離性能
を増強するための特異的特性を組込むような新規高分子媒体が必要とされている
。500〜1000個の塩基対を有するDNA断片の分解が可能であるようなコーティング
された及びコーティングされないキャピラリーのための電気泳動用ゲル媒体も望
ましいものである。
【0009】 (発明の概要) 本発明は、第一コモノマー及び少なくとも1種の第二コモノマーを含有し、こ
れらのコモノマーがコポリマー鎖に沿ってランダムに分散しているような、少な
くとも1種のランダムな線状コポリマーのゲルマトリックスを有する電気泳動分
離用媒体に関する。第一コモノマーは、ゲルマトリックスに主要な物理的、化学
的及び篩特性を提供する、アクリルアミド又はアクリルアミド誘導体である。少
なくとも1種の第二コモノマーは、該コポリマー鎖に固有の物理的、化学的又は
篩特性を付与し、かつ主要及び第二コモノマーは、電気泳動性能を最適化する所
望の特性を誘導するのに十分な比で存在する。 第二コモノマーにより与えられる所望の特性は、親水性、疎水性、コポリマー
鎖の幹の剛性、コポリマー絡み合い構造の安定性、加水分解抵抗性、コポリマー
鎖伸長の加工性、ゲルマトリックスの粘性、コポリマーの支持物質の表面への親
和性、キラリティー、又はそれらの混合である。 好ましくは、少なくとも1種の第二コモノマーの反応性の第一コモノマーのそ
れに対する比は、約0.3〜約2の間である。ゲルマトリックスは一般に、粘度約15
00〜約20,000Cpを有し、かつ線状ランダムコポリマーは、分子量約100,000〜約5
,000,000ダルトンを有する。
【0010】 本発明は更に、第一コモノマー及び少なくとも1種の第二コモノマーをpH約5〜約
11である水性媒質中共重合開始剤の存在下で、前記コモノマー類が共重合しかつ
線状のランダムコポリマーを形成するのに十分な温度及び時間、接触する工程を
含む、少なくとも1種のランダムな線状コポリマーのゲルマトリックスを含む電
気泳動分離用媒体の調製法に関する。緩衝液中でのランダムな線状コポリマーの
接触は、該ゲルマトリックスを形成する。 本発明は更に、本願明細書に記された電気泳動分離用媒体が充填されたキャピラ
リー管、及び本願明細書に記された電気泳動分離用媒体を支持体に配置し、生体
分子の混合物を電気泳動分離用媒体に支持体の一端で添加し、かつ該媒体に生体
分子の移動及び分離を促進するのに十分な強度を有する媒体に電界を印加するこ
とにより、生体分子の混合物を分離する方法に関する。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は、電気泳動分離用媒体として使用されるゲルマトリックスに関する。こ
れらのゲルマトリックスは、更に電気泳動性能を最適化するために所望の特性を
有するように合成され得るランダムコポリマーを含有している。先行技術は、ゲ
ル電気泳動媒体のための篩成分としてのランダムコポリマーの使用については示
していない。更に先行技術は、その物理的、化学的及び篩特性をうまく調和させ
るために戦略的に合成することができるランダムコポリマーを含有するゲル電気
泳動媒体の使用を開示していない。 本願明細書において使用される用語「モノマー」は、通常炭素を含有し、比較的
低分子量で、かつそれ自身又は他の類似の分子又は化合物との組合せによるポリ
マーへの転化が可能であるような単純な構造である分子又は化合物と定義される
。 本願明細書において使用される用語「ポリマー」は、2種以上の同一モノマーの
化学的連合(union)により形成された巨大分子と定義される。 本願明細書において使用される用語「コポリマー」は、1種よりも多い非相同の
モノマーで形成されるポリマーと定義される。
【0012】 本願明細書において使用される表現「ランダムコポリマー」は、1種よりも多い
モノマーで形成されるコポリマーであり、異なるモノマーユニットが特定のパタ
ーンを示すことなくコポリマー鎖に沿って分布されているようなコポリマーと定
義される。特に記さない限りは、用語「コポリマー」は、ランダムコポリマーを
意味する。 本願明細書において使用される表現「線状のコポリマー」は、架橋していないコ
ポリマーと定義される。 本願明細書において使用される表現「ランダム、線状のコポリマー」は、1種以
上のモノマーで形成されるコポリマーであり、異なるモノマーユニットが特定の
パターンを示すことなくコポリマー鎖に沿って分布されており、かつ該コポリマ
ーが他のコポリマーと架橋されていないものと定義される。
【0013】 本願明細書において使用される表現「ブロックコポリマー」は、各モノマーがホ
モポリマーセグメントを形成し、かつ異なるホモポリマーセグメントが互いに連
結しているような、高分子量コポリマーと定義される。 ランダムコポリマーは、第一コモノマー及び少なくとも1種の他の第二コモノ
マーにより構成される。本願明細書において使用される表現「第一コモノマー」
は、コポリマー鎖にその基本的篩特性をもたらすようなコモノマーと定義される
。 本願明細書において使用される表現「第二コモノマー」は、合成される目的とす
るランダムコポリマーに所望の特性を組込むような、第一コモノマー以外の、コ
モノマーと定義される。 本願明細書において使用される用語「支持体」は、電気泳動分離に使用するゲル
マトリックスを含むように機能するいずれかの装置として定義され、かつ電気泳
動により分離された試料が移動する通路を定める。 本願明細書において使用される用語「反応性」は、所定のモノマーがその他の種
類のモノマーが存在する中で成長しているコポリマー鎖に追加される可能性と定
義される。
【0014】 請求される発明のランダムコポリマーは、スラブゲル電気泳動法、キャピラリー
電気泳動法、等電点焦点化電気泳動法、マイクロマシンチャネルでの電気泳動法
、又はチップ法でのキャピラリー電気泳動法により、生体分子、例えばタンパク
質、核酸、ペプチドなどの分離に使用される篩成分である。キャピラリー電気泳
動は、コーティングした又はコーティングしていないキャピラリーのいずれかに
おいて行うことができる。このランダムコポリマーは、中性又はイオン性であり
、かつ低い固有の蛍光を有する。
【0015】 請求される発明のランダムコポリマーは、特異的コモノマーを目的の線状コポリ
マーを形成するように選択することにより、戦略的に合成される。このランダム
コポリマーは、少なくとも2種以上のコモノマー種から構成される。これらのコ
モノマーの比は、電気泳動分離の特性を最適化するように連続的に調節すること
ができる。コモノマーの比は、ランダムコポリマーの所望の特性を提供するよう
な比のいずれかであってよい。これらのコモノマーは水溶性でなければならない
。典型的には、ランダムコポリマー鎖にそれ自身の主な物理的、化学的及び篩特
性を提供する第一コモノマーである。好ましい第一コモノマーは、3〜24個の炭
素原子を含み、飽和又は不飽和であり、かつ置換又は未置換である、アクリルア
ミド又はアクリルアミド誘導体である。アクリルアミド誘導体の例は、N,N-ジメ
タクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-エチルメタクリルアミド
、N-エチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミ
ド、及びメタクリルアミドを含むが、これらに限定されるものではない。これら
の第一コモノマーは、市販のものか、もしくはモノマーユニットの簡単な誘導に
よるものである。
【0016】 第二コモノマーは、該コポリマー鎖に組込むことができる固有の特性について選
択される。これらの固有の特性は、親水性、疎水性、自己コーティング特性、コ
ポリマー鎖の幹の剛性、異なる温度及び電界でのコポリマー絡み合い構造の安定
性、加水分解抵抗性、コポリマー鎖伸長の加工性、ゲルマトリックス粘性、コポ
リマーの適当な支持物質、例えばキャピラリー管の内側表面上のコーティング層
又は露出した剥き出しの表面への親和性、及びキラリティーの1種以上を含むが
、これらに限定されるものではない。好ましい第二コモノマーの固有の特性は、
親水性、疎水性、粘性及び自己コーティング特性である。第二コモノマーの選択
及び、第二コモノマーの第一コモノマーに対する比は、目的のランダムコモノマ
ーの予め定められた特性を基にしている。
【0017】 少なくとも1種の第二コモノマーは、第一コモノマーと共重合し、ランダムコ
ポリマーを形成することができ、ここで各コモノマーユニットは、特定の順番で
コポリマー鎖に沿って分布され、かつ第一コモノマーの第二コモノマーに対する
反応性の比は、約0.3〜約2の間である。反応性は、所定のモノマーがその他の種
類のモノマーの存在下で成長しているコポリマー鎖に追加される可能性である。
ランダムコポリマーの形成は、1種の第二コモノマーの第一コモノマーとの共重
合に制限されない。1種よりも多い第二コモノマーが、ランダムコポリマーの形
成時に存在することができる。 本発明は更に、反応性約0.3〜約2の間を有する第一コモノマー及び少なくとも1
種の第二コモノマーにより形成されたコポリマーを含むゲルマトリックスの形成
により達成される。複数のモノマーが利用される場合、全ての第二コモノマーの
反応性の比は、約0.3〜約2の間である。この反応性は、コモノマー類の化学構造
に相関していると推定される。従って、化学構造のみに基づき適当な第二コモノ
マーを選択することができる。
【0018】 別の実施態様において、1種又は複数の第二コモノマーは、ビニルモノマー、ア
クリルアミド誘導体モノマー、アクリロイル誘導体モノマー、アクリル酸誘導体
モノマー及びこれらの混合物である。好ましい第二コモノマーは、ビニルモノマ
ー、アクリルアミド誘導体モノマー、アクリロイル誘導体モノマー、アクリル酸
誘導体モノマー、ポリオキシドモノマー、ポリシランモノマー、ポリエーテルモ
ノマー、誘導ポリエチレングリコールモノマー、セルロース化合物のモノマー、
及びそれらの混合物であり、各々は2〜24個の炭素原子を有し、飽和又は不飽和
であり、かつ置換又は未置換であることができる。より好ましい第二コモノマー
は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アクリロイルモルホリン、N-アリル
アクリルアミド、N-アリルメタクリルアミド、N-ベンジルアクリルアミド、N-ベ
ンジルメタクリルアミド、N-(イソ-ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(イソ-
ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-(t-ブチル)アクリルアミド、N-(t-ブチル
)メタクリルアミド、N-シクロヘキシルアクリルアミド、N-シクロヘキシルメタ
クリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、
N-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(N,N-ジメチルアミノ
)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミ
ド、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアク
リルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルア
クリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、N-フェ
ニルメタクリルアミド、N,N-ジフェニルアクリルアミド、N,N-ジフェニルメタク
リルアミド、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミ
ド、N-ドデシルメタクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、
N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N,N-メチレンビスメタクリルアミ
ド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-プロピル
アクリルアミド、N-プロピルメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド
、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N-ブチルメタク
リルアミド、N-イソブチルアクリルアミド、N-イソブチルメタクリルアミド、ビ
ニルアセテート、酢酸ビニル、ビニルベンジルアルコール、ビニルクロロヘキサ
ン、N-ビニルホルムアミド、1-ビニル-2-ピロリジノン、ビニルアセトニトリル
、アクリル酸ビニル、4-t-ブチル安息香酸ビニル、N-カプロラクタムビニル、ク
ロトン酸ビニル、ビニルシクロペンタン、デカン酸ビニル、ビニルカーボネート
、2-エチルヘキサン酸ビニル、1-ビニルイミダゾール、メタクリル酸ビニル、2-
ビニルナフタレン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、スルホン酸ビニル、
エチレングリコールビニルエステル、1,6-ヘキサンジオールビニルエーテル、N-
ビニルフタルイミド、ピバル酸ビニル、1-ビニル-2-ピロリジノン、トリフルオ
ロ酢酸ビニル、4,4'-ビニリデンビス(N,N-ジメチルアニリン)、又はそれらの混
合物である。
【0019】 前述のランダムコポリマーは、当業者に周知の方法を用いて、コモノマーの共重
合により合成される。好ましいコポリマー合成法は、フリーラジカル溶液重合で
ある。当業者に周知のフリーラジカル重合開始剤のいずれかを使用することがで
き、これはペルオキシ化合物、アゾアルカン、光化学ホモリシス、二端遊離基、
水素化スズ、アルキルアミン、及び加熱を含むが、これらに限定されるものでは
ない。好ましいフリーラジカル重合開始剤は、ペルオキシ化合物、アゾアルカン
又はアルキルアミンである。 当業者に公知の典型的重合開始剤を、本発明において用いることができる。例え
ば、これらの開始剤は、フリーラジカルの生成が可能であってよい。適当な重合
開始剤は、熱重合及び光重合開始剤の両方を含む。適当な熱重合開始剤は、過硫
酸アンモニウム/テトラメチルエチレンジアミン、塩化2,2'-アゾビス-(2-アミ
ジノプロパン)、過硫酸カリウム/ジメチルアミノプロピオニトリル、2,2'-アゾ
ビス(イソブチロニトリル)、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、及びベンゾイル
ペルオキシドを含むが、これらに限定されるものではない。好ましい熱重合開始
剤は、過硫酸アンモニウム/テトラメチルエチレンジアミン及び2,2'-アゾビス
イソブチロニトリル(“AIBN”)である。適当な光重合開始剤は、イソプロピルチ
オキサントン、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2
'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、及びリボフラビンを含むが、これ
らに限定されるものではない。過硫酸塩及び4級アミンの併用が好ましい場合は
、過硫酸塩は非水性分散媒質よりも水に極めて溶けやすいので、過硫酸塩を、非
水性媒質の添加の前に添加することが好ましい。より好ましいフリーラジカル重
合開始剤は、N,N,N',N'-テトラメチルエチレン-ジアミン(“TEMED”)、又は“AI
BN”である。
【0020】 本発明のコポリマーの別の合成法は、Goetzinger, W.らの論文、Electrophoresi
s、19:242-249(1998)(逆乳化重合);及び、Sassi, A.らの論文、Electrophoresi
s、17:1460-1469(1996)(懸濁重合及び沈殿重合)に記されている。 本発明において、共重合法は、線状の架橋していないコポリマーを生成するため
に、架橋剤の非存在下で行われる。全てのコポリマーが、共重合前に同じバルク
溶液中に溶解され、かつ合成された鎖に沿って各コモノマーユニットが、ランダ
ムな形で分布される。ランダム分布の結果、良く定義付けられたコモノマーユニ
ットのブロックはない。しかし、鎖に沿った各コモノマーユニットの位置は、各
コモノマーユニットの均一な分布を生じる。このコポリマーは、分子量約10,000
〜5,000,000ダルトンの間の線状のランダムコポリマーである。典型的には、こ
の共重合法は、温度約0℃〜約80℃で行われる。好ましくは、この共重合法は、
温度約5℃〜約40℃で行われる。より好ましくは、この共重合法は、温度約15℃
〜約30℃で行われる。
【0021】 共重合過程は不活性雰囲気存在下および酸素の非存在下で行なわれ、これは、
凍結−融解、真空脱気、反応液を発泡させることによるガスパージ、あるいは当
業者に既知の他の方法によって容易になるであろう。使用されることのある典型
的な気体には、ヘリウム、アルゴンおよび窒素が含まれるがこれらに限定されな
い。真空脱気またはヘリウムガスパージは含有酸素を除去する好ましい方法であ
る。典型的には、真空脱気は約30分間から2時間行なわれ、ヘリウムガスパージ
は約1.5時間から約3時間行なわれる。
【0022】 電気泳動のためのゲルマトリックスの調製方法は、本発明の予備重合(pre-pol
ymerized)させた直線ランダムコポリマーを所定の体積の水性媒質中に分散し、
適切な手段、例えば、ボルテックス、緩やかな振盪または機械的撹拌によって充
分に混合することによって行なってよい。典型的には、材料の完全な溶解を保証
するためにこのマトリックスは混合後3〜24時間静置される。好ましくは、こ
のマトリックスは5〜15時間、より好ましくは10〜12時間静置される。予備重合
させた直線ランダムコポリマーは、コモノマーを水性バッファーまたは水中で当
業者によく知られた方法を用いて重合させ、濾過して単離生成物を得ることによ
って形成されてよい。予備重合させた直線ランダムコポリマーはまた、当業者に
既知の抽出法法およびそれに続く溶媒の除去によって単離されてもよい。
【0023】 別の実施態様において、電気泳動用のゲルマトリックスを調製する方法には、
特定の1次及び2次コモノマーの公正な(judicial)選択および、コモノマー比お
よび反応条件を注意深く制御することによって化学的特性、物理的特性および篩
特性を制御することが含まれる。 別の実施態様において、電気泳動用のゲルマトリックスを調製する方法には、
約5〜約11のpHを有する水性溶液中の所望量のコモノマーを充分な温度、圧力お
よび時間にて共重合させ、電気泳動分離に直ちに使用できるゲルマトリックスを
生成することが含まれる。水性溶液が水である場合、pHは好ましくは約5〜約8
である。水性溶液がバッファーである場合、pHは好ましくは約7〜約9である。
本発明のバッファー溶液には、水性溶液、有機溶液またはそれらの混合物が含ま
れる。適切なバッファーの選択および導入は当業者によく知られており、コポリ
マーを含む媒体が使用される電気泳動工程によって分離される材料に依存する。
そのような、選択されることのある、および一般的に使用されるバッファーは、
例えば、Andreas Chrambach "The Practice of Quantitative Gel Electrophore
sis"、VCH Publishers, Deerfield Beach, FL, (1985)およびU.K. Laemmli, Nat
ure, 227:680, (1970)に記載されている。好ましいバッファー系はトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン("Tris")/ホウ酸塩/エチレンジアミンテトラ酢酸("
EDTA")、Tris/酢酸塩/EDTA、Tris/リン酸塩/EDTAおよびTris/グリシルグリシン/
EDTAである。バッファー中にホルムアミドまたは尿素のような他の添加物が存在
してもよい。より好ましくは、バッファーはTris/ホウ酸塩/EDTA、ホルムアミド
溶液、または、Tris/ホウ酸塩/EDTA、尿素バッファー溶液である。典型的には、
これらのバッファー中の尿素濃度は約3M〜約10Mであり、Tris濃度は約50mM〜約1
50mM、およびEDTA濃度は約0.1mM〜100mMである。好ましくは、これらのバッファ
ー中の尿素濃度は約5M〜約8M、Tris濃度は約70mM〜約120mMであり、EDTA濃度は
約0.5mM〜20mMである。より好ましくは、これらのバッファー中の尿素濃度は約
6M〜約7M、Tris濃度は約80mM〜約100mMであり、EDTA濃度は約1mM〜5mMであ
る。
【0024】 ゲルマトリックス中のランダムコポリマーの濃度は、サンプル分子の電気泳動
的分離において、分子サイズおよび/または電荷に基づく充分な分離が達成され
るような保持時間を与えるどんな量でもよい。この濃度は、例えばカラム構成及
び長さ、電荷及び電気泳動度のような分離に影響する他の要素の効果、分子構造
、固有粘度、ポリマー自身の相互作用特性、およびサンプル分子の分子量間相違
の範囲を含む、その分離系のパラメーターに従って変動するであろう。典型的に
は、ゲルマトリックス中のランダムコポリマーの濃度は約0.01〜約10.0質量%で
ある。好ましくは、ゲルマトリックス中のランダムコポリマーの濃度は約2〜約
5質量%である。より好ましくは、ゲルマトリックス中のランダムコポリマーの
濃度は約3〜約4質量%である。
【0025】 2次コモノマーはコポリマー鎖に粘性を与えるように選択することができる。
コポリマー中で、内部粘度(inherent viscosity)特性を有する2次コモノマーの
1次コモノマーに対する比はゲルマトリックスの所望の粘度を生じさせるどんな
比であってもよい。粘度の制御はゲル電気泳動の多数の側面に影響を与える重要
な性質である。例えば、ゲルマトリックスにおける高い粘度はしばしばキャピラ
リー管を満たすことおよびフラッシュすることを困難にする。本発明の重要な利
点は、ゲルマトリックスがキャピラリー管を満たし、およびそれを流れることを
容易にするために充分に低い粘度を有するような、粘度の柔軟な最適化である。
このことは、特定の系又は分離に適合させるために使用者が容易にゲルマトリッ
クスを交換することを可能とする。所望の粘度はまた、系における温度または電
界勾配の変化が生じる場合は、温度又は電場に影響されやすい低粘度を避けるた
めに細かく調整されてもよい。これらの勾配は低分解性能及び低分離性能を生じ
させる。更に、粘度の低さは、非水平キャピラリーにおいて重力のためにゲルマ
トリックスを下方に流してしまい、それによって生物学的分子の分離を悪くする
【0026】 ランダムコポリマーゲルマトリックスの粘度は、落球法(falling-ball method
)で測定されたが、これは当業者にはよく知られたものである(R.L. Daugherty,
J.B. FranziniおよびE.J. Finnermore, "Fluid Mechanics with Engineering A
pplication", 第8版、McGraw-Hill社 p.401, 1985)。典型的には、ゲルマトリ
ックスの粘度は約10〜約100,000Cp(約0.01〜約100Pa・s)、好ましくは、約500
〜約50,000Cp(約0.5〜約50Pa・s)、より好ましくは約1500〜約20,000Cp(約1.5〜
約20Pa・s)である。 2次コモノマーはコポリマー鎖に親水性を与えるように選択することができる
。コポリマー中で、固有親水性(inherent hydrophilicity)を有する2次コモノ
マーの1次コモノマーに対する比は、ゲルマトリックスに所望の親水性を生じさ
せるどんな比でもよい。ゲルマトリックスの親水性を制御することの一つの利点
は、DNA、タンパク質およびペプチドの溶解性を保証することであり、これは続
いてサンプル中の成分の完全な解像能、再現性及び正確性を含む、分離性能の高
さを容易にするものである。 2次コモノマーは、コポリマー鎖に自己被覆特性(self coating property)を
与えるように選択することもできる。コポリマー中で、固有自己被覆特性(inher
ent self coating property)を有する2次コポリマーの1次コポリマーに対する
比は、ゲルマトリックスの所望の自己被覆特性を生じさせるどんな比であっても
よい。自己被覆特性を制御する一つの利点は、電気泳動的分離のために非被覆キ
ャピラリーを用いた場合の電気浸透流(electroendoosmotic flow)を抑制するこ
とである。
【0027】 本発明は、また、少なくとも1種のランダムの線状コポリマーのゲルマトリッ
クスを含む電気泳動分離媒質で満たされたキャピラリーチューブに関する。コポ
リマーは、第1コモノマー及び少なくとも1種の第2コモノマーを含み、その中
において、コモノマーは、コポリマー鎖にランダムに分布している。第1コモノ
マーは、アクリルアミド又はアクリルアミド誘導体であり、それにより、ゲルマ
トリックスの主な物理的、化学的及び篩分け特性が提供される。少なくとも1種
の第2コモノマーにより、固有の物理的、化学的及び篩分け特性がコポリマー鎖
に付与され、そして、少なくとも1種の第2コモノマーと第1コモノマーとの反
応性の比は、約0.3〜約2である。第1及び第2コモノマーは、電気泳動性能
を最適化する所望の特性をもたらすのに十分な比で存在する。第2コモノマーに
より取り入れられる所望の特性は、親水性、疎水性、コポリマー主鎖剛性、コポ
リマー絡み合い構造の安定性、加水分解抵抗性、コポリマー鎖伸長の加工性(pro
cessivity)、ゲルマトリックス粘度、コポリマーの支持体表面への結合性、キラ
リティ、又はそれらの組み合せである。ゲルマトリックスは、約1500〜約20,000
Cpの粘度を有し、また、線状ランダムコポリマーは、約100,000〜約5,000,000
ダルトンの分子量を有する。
【0028】 本発明は、また、生体分子、例えば、タンパク質、核酸及びペプチド等を、本
発明のランダムコポリマーを含むゲルマトリックスに電気泳動的に通過させるこ
とによりこれらの分子を分離する方法に関する。これらの工程は、ランダムな線
状コポリマーのゲルマトリックスを支持体内に置くこと、生体分子の混合物を支
持体の一端の電気泳動分離媒質に添加すること、及び生体分子の移動及び分離を
促進するのに十分な強度を有する媒質へ電場をかけることを含む。支持体は、電
圧ディファレンシャル(voltage differential)をかけることによりサンプルがゲ
ルマトリックス内を移動可能な通路を有する間隔のあいた2つの領域を有する。
好ましくは、生体分子の分離は、本発明のランダムコポリマーを、スラブゲル電
気泳動、キャピラリー電気泳動、等電集束法、ミクロマシン化(micromachined)
チャンネルにおける電気泳動又はチップ技術におけるキャピラリー電気泳動にお
いて用いることにより行う。 分離は、典型的には、生体分子の移動及び分離を促進するのに十分な電界強度
を用いて行った。電界は、支持されたゲルマトリックスの間隔のあいた2つの領
域に電圧ディファレンシャルをかけるように構成された電源を用いて生じさせた
。好ましくは、電界強度は、約50〜約300V/cmである。より好ましくは
、電界強度は、約100〜約200V/cmである。最も好ましくは、電界強度
は、約125〜約175V/cmである。
【0029】 ある態様においては、支持体は、スラブゲルのための金型である。金型は、ス
ラブ形態で本発明のゲルマトリックスを供給するためのキャビティを有する。こ
の態様は、スラブゲル電気泳動において使用するための電気泳動媒質を保持する
、通常使用される金型の全ての使用を包含する。 他の態様においては、支持体はキャピラリーチューブである。生体分子の電気
泳動分離を促進するのに十分な長さ、内径及び外径を有するキャピラリーのいず
れを用いてもよい。キャピラリーは、任意の不活性材料から構成されていてもよ
く、及び好ましくは、キャピラリーは石英ガラスのキャピラリーである。典型的
なキャピラリーは、約200μm未満の内径、約100〜約500μmの外径、
及び約10〜150cmの長さを有するものである。好ましくは、キャピラリー
は、約25〜150μmの内径、約200〜400μmの外径、及び約30〜1
10cmの長さを有する。より好ましくは、キャピラリーは、約50〜100μ
mの内径、約250〜365μmの外径、及び約55〜80cmの長さを有する
。 他の態様においては、支持体は、ミクロマシン化されたチャンネルである。具
体的には、この支持体は、エッチングされた溝を、シリカ又はケイ素等の不活性
表面上に含み、また、その溝は、本発明のゲルマトリックスを含む。更に、ミク
ロマシン化チャンネルは、電気泳動分離生体分子のための通路を含む。
【0030】 本発明の利点は、コモノマーの慎重な選択及びコモノマーの比による化学的、
物理的、及び篩分け特性のフレキシブルな最適化である。具体的な分離の必要性
により、ゲルマトリックスは、生体分子の効果的分離を可能にする所望の特性を
有する本発明のランダムな線状コポリマーを用いて製造することができる。例え
ば、未被覆キャピラリーを用いる分離では、必然的に、電気浸透が生じ、そこで
、ゲルマトリックスがキャピラリーチューブ内を移動する。結果として、生体分
子の分離は、効率的でなく、正確でなく又は再現可能でない。自己被覆特性を有
するランダムコポリマーを含むゲルマトリックスの使用により、ゲルマトリック
スがキャピラリーチューブのシリカ上に吸着可能となり、それにより、電気浸透
流が抑制される。 本発明を、更に、本発明の化合物及び組成物の製造及びそれらの使用について
詳細に記載する以下の実施例を参照して定義する。当該技術分野における当業者
には、材料及び方法の両方について多くの変更が、本発明の目的及び重要性から
逸脱することなく可能であることが明らかであろう。
【0031】
【実施例】
実施例1:5.0%DMA+0.5%AAゲルマトリックスの調製 89ミリモル(mM)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris
)、2mMのエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、及び6モルの尿
素を1リットルの脱イオン水に溶解して1xTBE、6Mバッファーを調製した
。50mlの1xTBE、6M尿素バッファーを250mlのパイレックス瓶に
移し、5.0gのジメチルアクリルアミド(DMA)及び0.5gのアクリル酸
ナトリウム(NaAA)を計量してバッファー溶液に添加した。最終容量を追加
のバッファー溶液で100mlまでとし、この溶液をダイアフラム真空ポンプに
連結した出口の付いた乾燥室中で30分間脱気した。脱気後、25μlのN,N
,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)及び25μlの4
0%(v/v)過硫酸アンモニウム(ASP)をこの溶液に添加した。瓶に蓋を
し、室温で12時間重合を行った。 実施例2:3.5%AAmと1.5%DMAゲルマトリックスの調製 89mMのTris、2mMのEDTA、及び7モルの尿素を1リットルの脱
イオン水に溶解して1xTBE、7Mバッファーを調製した。19mlの1xT
BE、7M尿素バッファーを20mlのシンチレーションバイアルに移し、0.
30gのDMA及び0.70gのアクリルアミド(AAm)を計量してバッファ
ー溶液に添加した。ヘリウムを、68.9x103Pa(10psi)で1時間こ
の溶液中にバブルさせた。脱気後、25μlのTEMED及び25μlの40%
(v/v)ASPをこの溶液に添加した。瓶に蓋をし、室温で12時間重合を行
った。
【0032】 実施例3:2.5%AAmと2.5%DMAゲルマトリックスの調製 89mMのTris、2mMのEDTA、及び7モルの尿素を1リットルの脱
イオン水に溶解して1xTBE、7Mバッファーを調製した。19mlの1xT
BE、7M尿素バッファーを20mlのシンチレーションバイアルに移し、0.
50gのDMA及び0.50gのAAmを計量してバッファー溶液に添加した。
ヘリウムを、68.9x103Pa(10psi)で1時間この溶液中にバブルさ
せた。脱気後、25μlのTEMED及び25μlの40%(v/v)ASPを
この溶液に添加した。瓶に蓋をし、室温で12時間重合を行った。 実施例4:4.5%AAmと0.5%DMAゲルマトリックスの調製 89mMのTris、2mMのEDTA、及び7モルの尿素を1リットルの脱
イオン水に溶解して1xTBE、7Mバッファーを調製した。19mlの1xT
BE、7M尿素バッファーを20mlのシンチレーションバイアルに移し、0.
90gのAAm及び0.10gのDMAを計量してバッファー溶液に添加した。
ヘリウムを、68.9x103Pa(10psi)で1時間この溶液中にバブルさ
せた。脱気後、25μlのTEMED及び25μlの40%(v/v)ASPを
この溶液に添加した。瓶に蓋をし、室温で12時間重合を行った。
【0033】 実施例5:3.0%AAm+1.0%DMA+0.06%AAゲルマトリックス
の調製 89mMのTris、2mMのEDTA、及び7モルの尿素を1リットルの脱
イオン水に溶解して1xTBE、7Mバッファーを調製した。50mlの1xT
BE、7M尿素バッファーを250mlのパイレックス瓶に移し、3.0gのA
Am、1.0gのDMA及び0.06gのNaAAを計量してバッファー溶液に
添加した。最終容量を追加のバッファーで100mlまでとし、ヘリウムを、6
8.9x103Pa(10psi)で1時間この溶液中にバブルさせた。脱気後、
25μlのTEMED及び25μlの40%(v/v)ASPをこの溶液に添加
した。瓶に蓋をし、室温で12時間重合を行った。 実施例6:3.0%AAm+1.0%DMA+0.06%AAゲルマトリックス
の調製 89mMのTris、2mMのEDTA、及び7モルの尿素を1リットルの脱
イオン水に溶解して1xTBE、3.5Mバッファーを調製した。50mlの1
xTBE、3.5M尿素バッファーを250mlのパイレックス瓶に移し、3.
0gのAAm、1.0gのDMA及び0.06gのNaAAを計量してバッファ
ー溶液に添加した。最終容量を追加のバッファーで100mlまでとし、ヘリウ
ムを、68.9x103Pa(10psi)で1時間この溶液中にバブルさせた。
脱気後、25μlのTEMED及び25μlの40%(v/v)ASPをこの溶
液に添加した。瓶に蓋をし、室温で12時間重合を行った。
【0034】 実施例7:ランダムコポリマーのポリ(アクリルアミド)x−co−(N,N−
ジメチルアクリルアミド)1-xを5%含むゲルマトリックスの水中での粘度測定 図1は、アクリルアミド(“AAM”)の質量画分の関数としての、水中にお
ける、ランダムコポリマーのポリ(アクリルアミド)x−co−(N,N−ジメ
チルアクリルアミド)1-xを5%含むゲルマトリックスの測定粘度を示す。この
粘度測定は落球法を使用して行った。モノマーのAAM及びN,N−ジメチルア
クリルアミド(“DMA”)の全質量に対するAAMの質量画分は、一連のコポ
リマーにおいて、全モノマー濃度が5%の一定に留まる様に変動された。粘度測
定は22℃の温度で行われた。ポリマー溶液の粘度は、三桁の大きさよりも多い
範囲で行うことが出来た。図1のプロットは、AAMの比の増加効果が、ゲルの
粘度の増加の原因となることを明確に示す。 実施例8:親水性の測定 力強く攪拌した後に、水とn−オクタノールの間の分配係数でモノマーの親水
性を測定した。平衡によって、水性相のモノマー量を、水を蒸発させた後で計量
した。水性相中のモノマーのAAM及びDMAの分配係数は、それぞれ0.80
と0.50であった。図2で示される様に、DMAポリマー(AAMの質量画分
=0、相対親水性=0.5a.u.)は、AAMポリマー(AAMの質量画分=
1、相対親水性=2a.u.)の親水性よりも少ない親水性を有する。親水性は
、同じ方法で検討された。AAMとDMAの異なる比が使用された5%ポリ(ア
クリルアミド)x−co−(N,N−ジメチルアクリルアミド)1-xを含むゲルは
水中で合成された。得られたコポリマーを1%に希釈し、次いで、n−オクタノ
ールの適当量を添加して、n−オクタノール/水の容量比を3:7とした。得ら
れたコポリマー溶液を、600rpmで二時間力強く攪拌し、次いでこの溶液を
、周囲条件で更に二時間静置し、水性相から有機相を分離させてその有機相を収
集した。同じ容量でポリマーの存在しない水とn−オクタノールの対照サンプル
を、n−オクタノール/水3:7中の1%コポリマーの同じ方法で処理した。対
照サンプルとコポリマーサンプルの間の容量差として定義されるn−オクタノー
ルの容量損失は、コポリマーによって取り上げられたn−オクタノールを示す。
n−オクタノールの減少された容量損失は、ポリマーがより親水性であることを
示す。図2は、コポリマーの相対親水性を表すコポリマー質量(g)対n−オク
タノール容量損失(mL)の比のプロットを示。このプロットから、AAMの質量画
分の増加はゲルの親水性を増加させることが明らかである。
【0035】 実施例9: コートしていない及びコートしたμFCキャピラリーの(3.5% DMA +
1.5% AAm)コポリマーゲルを用いたPGEM/U DNA配列サンプルの分離 PGEM/U DNA配列サンプルをコートしていない及びコートしたμFCキャピラリー
の(3.5% DMA + 1.5% AAm)コポリマーゲルを用いて分離した。 A. 電気泳動ゲルの調製 (3.5% DMA + 1.5% AAm)コポリマーゲルを以下の手順で調製した。 19 mL 1×TBE, 7M尿素緩衝剤を250 mLのPYREXボトルに移した。0.7グラムのジ
メチルアクリルアミド(DMA)及び0.3グラムのアクリルアミド(AAm)を秤量し
、緩衝溶液に添加した。該溶液を60分間10 psiでヘリウムで泡立たせた。パージ
後、5μLのN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)及び5μLの40%
(v/v)過硫酸アンモニウム(ASP)を該溶液に添加した。ボトルをキャップし、
重合を室温で12時間行った。
【0036】 B. キャピラリー電気泳動装置 DNAサンプルの分離を、レーザー誘起蛍光検出器を備えるキャピラリー電気泳
動装置を用いて行った。図3はキャピラリー電気泳動装置の概略図であり、その
他の部品のためのマウンティングベース(mounting base)を提供するポリカー
ボネートボードを示し、キャピラリーアレイ、検出ウインドウマウント(detect
ion window mount)、高圧配管及び各キャピラリーの個々の電極を保持する電極
ボードを含む。 融解石英キャピラリーは、典型的には55から80 cmの長さであり、75μmの内径
及び200から365μmの外径を有する。2から96個のキャピラリーからなるキャピラ
リーアレイを、フラットリボン型に配列した。キャピラリーアレイの一端から約
20 cmの距離で、キャピラリーのポリイミドコーティングを熱線で剥ぎ取り、レ
ーザー励起及び蛍光収集のために1.5から2 cmの広さの半透明ウインドウを作っ
た。 検出器モジュールを半透明ウインドウの上部に取り付け、すべてのキャピラリ
ーを同時にモニターした。図面に対して垂直に入ってくるレーザービームはすべ
てのキャピラリーを横切り、キャピラリー内を移動する迂回するフルオロフォア
サンプルから蛍光を励起する。 キャピラリーのゲル充填は、キャピラリーをゲル充填チューブと結合して行い
、ゲル粘度に依存して、100から500 psiの範囲の窒素又はヘリウムガス圧力を5
から60分間加えた。キャピラリー洗浄のために、キャピラリーの端をHPLCポンプ
と結合し、典型的には500から1000 psiで、0.2%のポリビニルピロリドン水溶液
で、それぞれランした後30から60分間流した。 4から16個のキャピラリーのアレーを使用した。コートしていないキャピラリ
ーをPolymicro Technologiesから購入し、コートしたμFCキャピラリーをJ&W Sc
ientificから購入した。
【0037】 C. DNAサンプル DNA配列サンプルは、BIGDYEターミネーター配列キット(Perkin-Elmer, Appli
ed Biosystems Division, Foster City, CA)で準備したPGEM/Uであった。サン
プルをスピンカラムで精製し、減圧下で乾燥した。電気泳動の前に、サンプルを
5μLのホルムアミド及び25 mMのEDTAを混合した変性溶液で再懸濁した。サンプ
ルを95℃で2分間加熱し、キャピラリーへの動電学的注入の前に冷却した。典型
的には、サンプルを40から60秒間75 V/cmの電場を有する環境に注入した。すべ
ての分離を150 V/cmの電場を用いて行った。 D. コートしていない及びコートしたμFCキャピラリーの(3.5% DMA + 1.5%
AAm)コポリマーゲルを用いたPGEM/U分離 コートしていない及びコートしたキャピラリーを上述の方法の(3.5% DMA +
1.5% AAm)コポリマーゲルで満たした。図4Aは、コートしたキャピラリーのP
GEM/Uの分離を示し、図4BはコートしていないキャピラリーのPGEM/Uの分離を
示す。コートしたキャピラリーのμFCコーティングは、電気浸透フローを抑制す
るために機能する。両方の分離における210から213のピークの滞留時間は、ほと
んど同じである(図4Aの約3300フレーム数、及び図4Bの約3360フレーム数)
。これは、コポリマーゲルがコートしていないキャピラリーチューブのシリカ表
面に吸着して電気浸透フローを効果的に抑制することを示唆している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アクリルアミド(AAm)重量分率の関数としてのアクリルア
ミド-コ-ジメチルアクリルアミドコポリマーの粘性を示している。
【図2】 図2は、アクリルアミド(AAm)重量分率の関数としてのアクリルア
ミド-コ-ジメチルアクリルアミドコポリマーの相対親水性を示している。
【図3】 図3は、レーザー誘起蛍光検出を伴う、キャピラリー電気泳動装
置の概略図である。
【図4】 図4は、PGEM/U DNA試料の電気泳動分離の#1色の電子写真を示す
。#1色は、ほとんどDNA配列決定試料中のG断片由来の蛍光からなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リ クィンボ アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 16801 ステイト カレッジ ストラトフ ォード ドライヴ 804 アパートメント 4 Fターム(参考) 4J100 AA20Q AB07Q AG02Q AG04Q AL08Q AL61Q AM15P AM15Q AM17P AM17Q AM19P AM19Q AM21Q AM24P AN02Q AQ12Q AQ19Q BA03Q BA04Q BA31Q BA35Q BC04Q BC43Q BC65Q BC73Q BC79Q JA15

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一コモノマーと、少なくとも一種の第二コモノマーとを含有す
    る少なくとも一種の、ランダムでかつ線状のコポリマーのゲルマトリックスを含
    有する電気泳動分離媒体であって、前記コモノマーが、コポリマー鎖中に、ラン
    ダムに分布し、前記第一コモノマーが、アクリルアミド又はアクリルアミド誘導
    体であり、前記少なくとも一種の第二コモノマーが、ビニルモノマー、アクリル
    アミド誘導体のモノマー、アクリロイル誘導体のモノマー、アクリル酸誘導体の
    モノマー、ポリオキサイドのモノマー、ポリシランのモノマー、ポリエステルの
    モノマー、誘導体化されたポリエチレングリコールのモノマー、セルロース化合
    物のモノマー、及びそれらの混合物であって、それぞれ2〜24個の炭素原子を含
    有するモノマーからなる群から選択されるモノマーを含有することを特徴とする
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記第一コモノマーが、アクリルアミドであり、前記少なくとも
    一種の第二コモノマーが、ジメチルアクリルアミドである請求項1に記載の媒体
  3. 【請求項3】 前記第一コモノマーに対する前記少なくとも一種の第二コモノマ
    ーの反応性比が、0.3〜2.0である請求項1に記載の媒体。
  4. 【請求項4】 前記ゲルマトリックスが、更に、5〜11のpHを有するバッ
    ファーを含有する請求項1に記載の媒体。
  5. 【請求項5】 前記ゲルマトリックスが、100〜50,000Cpの粘度を有
    する請求項1に記載の媒体。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一種のランダムでかつ線状のコポリマーが、10
    0,000〜5,000,000ダルトンの分子量を有する請求項1に記載の媒
    体。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも一種の第二コモノマーが、親水性、疎水性、コポ
    リマー主鎖剛性、自己コーティング特性、コポリマーもつれ構造の安定性、加水
    分解抵抗性、コポリマー鎖延長の加工性、ゲルマトリックス粘度、支持基体への
    コポリマーの親和性、及びキラリティーの1つ以上を付与する請求項1に記載の
    媒体。
  8. 【請求項8】 第一コモノマーと、少なくとも一種の第二コモノマーとを含有す
    る少なくとも一種の、ランダムでかつ線状のコポリマーのゲルマトリックスを含
    有する電気泳動分離媒体の調製方法であって、前記コモノマーが、コポリマー鎖
    中に、ランダムに分布し、前記第一コモノマーが、アクリルアミド又はアクリル
    アミド誘導体であり、前記少なくとも一種の第二コモノマーが、ビニルモノマー
    、アクリルアミド誘導体のモノマー、アクリロイル誘導体のモノマー、アクリル
    酸誘導体のモノマー、ポリオキサイドのモノマー、ポリシランのモノマー、ポリ
    エステルのモノマー、誘導体化されたポリエチレングリコールのモノマー、セル
    ロース化合物のモノマー、及びそれらの混合物であって、それぞれ2〜24個の炭
    素原子を含有するモノマーからなる群から選択されるモノマーを含有する調製方
    法において、 前記第一コモノマーと、前記少なくとも一種の第二コモノマーとを、5〜11
    のpHを有する水性媒体における共重合開始剤の存在下において、前記コモノマ
    ーを共重合し、線状でかつランダムなコポリマーを形成するに充分な温度及び時
    間において、接触させる工程、及び 前記線状でかつランダムなコポリマーを、バッファーと接触させる工程、 を含有することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 前記第一コモノマーが、アクリルアミドであり、前記少なくとも
    一種の第二コモノマーが、ジメチルアクリルアミドである請求項8に記載の方法
  10. 【請求項10】 前記第一コモノマーに対する前記少なくとも一種の第二コモノ
    マーの反応性比が、0.3〜2.0である請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ゲルマトリックスが、更に、5〜11のpHを有するバッ
    ファーを含有する請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ゲルマトリックスが、100〜50,000Cpの粘度を
    有する請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも一つの線状ランダムコポリマーが100,000〜
    5,000,000ダルトンの分子量を有する請求項8の方法。
  14. 【請求項14】 第一コモノマーと少なくとも一つの第二コモノマーを含む少な
    くとも一つのランダム、線状コポリマーのゲルマトリックスを含む電気泳動分離
    媒体を充填した毛細管において、該コモノマーが該コポリマー鎖中にランダムに
    分散しており、該第一コモノマーがアクリルアミド又はアクリルアミド誘導体で
    ありかつ該少なくとも一つの第二コモノマーが、それぞれが2〜24の炭素原子
    を有するビニルモノマー、アクリルアミド誘導体のモノマー、アクリロイル誘導
    体のモノマー、アクリル酸誘導体のモノマー、ポリオキシドのモノマー、ポリシ
    ランのモノマー、ポリエーテルのモノマー、ポリエチレングリコールから誘導し
    たモノマー、セルロース化合物のモノマー、又はこれらの混合物から成る群から
    の一つを含んでいる、前記毛細管。
  15. 【請求項15】 第一コモノマーがアクリルアミドでかつ少なくとも一つの第二
    コモノマーがジメチルアクリルアミドである請求項14の毛細管。
  16. 【請求項16】 少なくとも一つの第二コモノマーの第一コモノマーに対する反
    応性比率が0.3〜2.0である、請求項14の毛細管。
  17. 【請求項17】 ゲルマトリックスがさらにpH5〜11のバッファーを含む請
    求項14の毛細管。
  18. 【請求項18】 ゲルマトリックスが0.1〜50Pa・s(100〜50,000
    Cp)の粘度を有する請求項14の毛細管。
  19. 【請求項19】 少なくとも一つの線状ランダムコポリマーが100,000〜
    5,000,000ダルトンの分子量を有する請求項14の毛細管。
  20. 【請求項20】 以下の工程を含む、電気泳動分離媒体中で生物学的分子の混合
    物を分離する方法: a)第一コモノマーと少なくとも一つの第二コモノマーを含む少なくとも一つ
    のランダム、線状コポリマーのゲルマトリックスであって、該コモノマーが該コ
    ポリマー鎖中にランダムに分散しており、該第一コモノマーがアクリルアミド又
    はアクリルアミド誘導体でありかつ該少なくとも一つの第二コモノマーが、それ
    ぞれが2〜24の炭素原子を有するビニルモノマー、アクリルアミド誘導体のモ
    ノマー、アクリロイル誘導体のモノマー、アクリル酸誘導体のモノマー、ポリオ
    キシドのモノマー、ポリシランのモノマー、ポリエーテルのモノマー、ポリエチ
    レングリコールから誘導したモノマー、セルロース化合物のモノマー、又はこれ
    らの混合物から成る群からの一つを含んでいる、ゲルマトリックスを支持体中に
    置く工程; b)支持体の一方の末端において電気泳動分離媒体に生物学的分子の混合物を
    添加する工程;及び c)生物学的分子の移動及び分離が容易になるのに十分な量の電場を媒体にか
    ける工程。
  21. 【請求項21】 第一コモノマーがアクリルアミドでかつ少なくとも一つの第二
    コモノマーがジメチルアクリルアミドである請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも一つの第二コモノマーの第一コモノマーに対する反
    応性比率が0.3〜2である請求項20の方法。
  23. 【請求項23】 ゲルマトリックスがさらにpH5〜11のバッファーを含む請
    求項20の方法。
  24. 【請求項24】 ゲルマトリックスが0.1〜50Pa・s(100〜50,000
    Cp)の粘度を有する請求項20の方法。
  25. 【請求項25】 少なくとも一つの線状ランダムコポリマーが100,000〜
    5,000,000ダルトンの分子量を有する請求項20の方法。
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