JP2009513623A - 塩酸ジェムシタビンの改良された製造方法 - Google Patents

塩酸ジェムシタビンの改良された製造方法 Download PDF

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Abstract

β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンを,ジェムシタビン塩基を塩酸ジェムシタビンへと変換し,次いで1,4−ジオキサン又はモノグリム等のような一連の水溶性エーテルから選ばれる溶媒を用いて精製することによって単離する方法。

Description

本発明は,式(I)の塩酸ジェムシタビンの製造のための新規な方法に関する。より詳しくは,本発明は,式(I)の塩酸ジェムシタビンの単離及び精製に関する。
Figure 2009513623

式(II)の化学種1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル)−4−アミノピリミジン−2−オンはジェムシタビンとして一般に知られている。
Figure 2009513623

ピリミジン類縁体である式(II)のジェムシタビンは,構造的にシタラビンに近似しているが,異なった細胞薬理学及び作用メカニズムを有することから,より広い抗癌活性スペクトルを有している。ジェムシタビンは,代謝拮抗剤と呼ばれる医薬のグループに属する。ジェムシタビンは,肺癌,膵臓癌を含む多くの種類の癌を治療するタイプの化学療法剤である。それは,癌細胞等のような急速に増殖する細胞に対しその増殖を妨害することができ,細胞死を引き起こす。
米国特許第4526988号及び米国特許第4808614号に開示されている塩酸ジェムシタビンの単離及び結晶化は,種々の段階において手間の掛かるクロマトグラフィーによる精製を採用しているため,その方法は産業的には実行不能である。
塩酸ジェムシタビンの単離及び精製のための米国特許第5637688号に開示されている方法は,次のステップを含むものである:
a)本質的に水不含の環境におけるメタノール又はエタノールの存在下での触媒量のアルキルアミンによる,β−1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−3’,5’−ジ−O−ベンゾイル−D−リボフラノシル)−4−アミノピリミジン−2−オンの脱保護;
b)得られた溶液の塩酸及び,アセトン,アセトニトリル,テトラヒドロフラン,プロパノール,ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール及びイソプロパノールより選ばれる逆溶剤による処理;
c)得られた塩酸ジェムシタビンの精製。
EP0630905号において,単離は,塩酸ジェムシタビンの熱水への溶解(1:1)及び,それに続くアセトンによる沈殿を含んでおり,それにより80%というβ−アノマーに富んだ生成物が得られ,これが次いで,熱水への再溶解及びそれに続くアセトンによる再度の沈殿によって,99%がβ−アノマーである塩酸ジェムシタビンが得られる。
それにはまた,ジェムシタビン又はその付加塩からの,熱水への溶解及びpHを7〜9へと高め,99%のジェムシタビンを単離することによる99%純度のジェムシタビン塩基の単離,及び塩酸ジェムシタビンへの更なる変換も記載されている。
WO2005/095430は,塩酸ジェムシタビンの単離が開示されており,それによれば,粗製の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン塩基をイソプロパールに溶解させ,次いで塩酸により沈殿させて濾過する。このようしにて得られた溶液は次いで溶媒系としての水及びアセトンにより更に精製されるが,それは既に先行技術において報告されている。WO2005/095430に開示されているこの精製方法は,純度を高めるために塩酸ジェムシタビンを水に溶解させ,次いで再び,更なる精製のために水及びアセトンに溶解させることにより,単位操作を増やしている。
従って,長らく,塩酸ジェムシタビンの単離及び精製のための方法であって,塩酸ジェムシタビンのβアノマーに選択的で高い収率と純度とを与えるものが求められている。
また,先行技術に開示されているような,認め得る程の収率を与えることなしに単位操作を増やし,或いはアルキルアミン等のような他の塩基の添加によって塩酸塩を塩基へと戻し,再び塩酸塩へと変換して戻すことを必要とするものでない精製方法が,又はpH調整を全く必要としない精製方法が,求められている。
従って,本発明の一目的は,塩酸ジェムシタビンのβ−アノマーの選択的単離のための方法を提供することである。
本発明の更なる目的は,塩酸ジェムシタビンの精製方法を提供することである。
本発明の別の一目的は,1,4−ジオキサンやモノグリム(Monoglyme)等のような水混和性のエーテルを使用する,単離及び精製のための方法を提供することである。
本発明の尚も別の一目的は,塩酸ジェムシタビンのβ−アノマーを高い収率とともに高い純度(99.9%)で提供するための方法を提供することである。
こうして,本発明の一面は,β−アノマーに富んだ式(I)の塩酸ジェムシタビンを単離するための方法であって,α及びβのアノマーを有するジェムシタビン塩基を塩酸β−ジェムシタビンへと,1,4−ジオキサン又はモノグリムのような一連の水混和性のエーテルから選ばれる有機溶媒を使用して変換することを含んでなる方法,が提供される。
本発明の別の一面によれば,式(I)の塩酸β−ジェムシタビンの精製のための方法であって,塩酸ジェムシタビン(β−アノマーを富化した)を水に溶解させ,そして1,4−ジオキサン又はモノグリム等のような水混和性の溶媒から選ばれる有機溶媒を用いて選択的に結晶化させることを含むものである方法も,また提供される。
ジェムシタビン塩基のα−及びβ−アノマーの混合物からの塩酸ジェムシタビンの製造及び単離は,1,4−ジオキサン又はモノグリムのような水混和性のエーテル等の新規の溶媒の使用を伴う。単離される塩酸ジェムシタビンの比率は,80〜90%のβ,及び4〜12%のα−アノマーである。
80〜90%のβ−アノマーを含有する塩酸ジェムシタビンの精製のための方法は,溶媒及び逆溶媒の概念を更に用い,ここに水が溶媒として使用され,逆溶媒が一連の水混和性エーテルから選択されることにより,高い異性体純度及び高い収率で,塩酸ジェムシタビンの選択的結晶化をもたらし,更なる精製で99.9%の生成物を与える。
塩酸ジェムシタビンの精製のためのそれら選ばれた溶媒は,β−アノマーに富んでおり(80〜90%),99.9%の純度を,改善された収率で与える。
塩酸ジェムシタビンの単離及び精製についての全体の概要は次のとおりである:
1)2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−エリスロ−ペンタフラノース−1−ウロース−3,5−ジベンゾエートの還元:
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペンタフラノース−1−ウロース−3,5−ジベンゾエートを,水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムであり70%w/wトルエンとして溶液商業的に入手可能なビトライド(Vitride)を還元剤として,そしてテトラヒドロフランを溶媒として,−40〜−70℃の温度範囲にて,ベンゾイル化ラクトール(2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート)ヘと還元した。反応時間は,約30〜120分であった。2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペンタフラノース−1−ウロース−3,5−ジベンゾエートを通常の方法で単離し,90〜95%の範囲の収率及び80〜85%の純度を得た。
Figure 2009513623

2)2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノース−3,5−ジベンゾエートのメチルスルホン化:
こうして得られたベンゾイル化ラクトール(2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート)を,溶媒である塩化メチレン中で−25〜+10℃にて,好ましくは−20〜5℃にて,より好ましくは−20〜0℃にて,塩化メタンスルホニルとの反応に付して,2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート−1−メタンスルホネートを90〜95の収率及びHPLC純度80〜85%で得た。
Figure 2009513623

3)2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート−1−メタンスルホネートとN−アセチルビストリメチルシリルシトシン誘導体との縮合及びこれに続くジェムシタビン塩基の製造:
アセチルシトシンのビストリメチルシリル誘導体を,塩化エチレン中でアセチルシトシンとヘキサメチルジシラザン及び塩化トリメチルシリルとの処理により製造した。ステップ2の生成物を,次いで,トリメチルシリルトリフレートの存在下に,80〜82℃にてアセチルシトシンのビストリメチルシリル誘導体とのカップリングに付し,2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−N−1−アセチルシチジン−3’,5’−ジベンゾエートへと変換した(1.2〜1.3w/w)。
この2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−N−1−アセチルシチジン−3’,5’−ジベンゾエートを,メタノール1:8〜15w/v中でアンモニアを用いて−10〜+10℃,好ましくは−5〜+5℃の範囲の温度にて,5〜20時間,好ましくは8〜10時間加水分解した。加水分解後,メタノール溶液を濃縮して粘稠な塊を得,これを水に溶解させて酢酸エチルで,次いでジイソプロピルエーテルで抽出した。こうして得られた水層を減圧下に30〜60℃,好ましくは40〜45℃にて濃縮して,ジェムシタビン塩基を得た。
Figure 2009513623

塩酸ジェムシタビンの単離
こうして得られたジェムシタビン塩基を,1,4−ジオキサン又はモノグリム等の溶媒を1:4〜12(w/v),好ましくは1:5〜8(w/v)の比率で加え,内容物を40〜90℃,好ましくは50〜70℃,より好ましくは60〜68℃に加熱し,次いで10〜30℃,好ましくは10〜15℃に冷却して,80〜90%のβ−アノマー及び4〜12%のα−アノマーを有する粗製の(固体)塩酸ジェムシタビンを得ることにより,塩酸塩へと変換した。
Figure 2009513623

塩酸ジェムシタビンの精製:
上記反応で得られた単離生成物は,α−アノマー(4〜12%)及びβ−アノマー(80〜90%)を有しており,これを更に,粗製塩酸ジェムシタビンを水1:4〜8(w/v),好ましくは1:5〜7(w/v)に溶解させ,内容物を40〜90℃に,好ましくは50〜70℃に,より好ましくは60〜68℃に加熱して溶液とし,これに1,4−ジオキサン又はモノグリムのような溶媒を1:40〜100(w/v),より好ましくは1:50〜70(w/v)の比率で加え,次いで内容物を40〜90℃,好ましくは50〜70℃に加熱し,次いで10〜30℃に,好ましくは10〜15℃に冷却して,純度99.9%の塩酸ジェムシタビンを得ることにより,99.9%へと精製する。この段階での,2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−N−1−アセチルシチジン−3,5−ジベンゾエートに対する全体的収率は,15〜16%である。
Figure 2009513623

好ましい溶媒は水であり,好ましい逆溶媒は,一連の水溶性エーテル類,好ましくは1,4−ジオキサン及びモノグリムであり,改善された収率と,99.9%という高い純度を与える。塩酸ジェムシタビンのβ−アノマーを単離してβ−アノマーに富んだ塩酸ジェムシタビンの精製をするために最も好ましい溶媒は,水混和性エーテル類,例えば1,4−ジオキサン又はモノグリムである。
こうして得られた生成物の純度及びアッセイは,HPLC方を用いて分析によりなされ,その詳細については,米国薬局方が参照される。
カラム仕様: 4.6mm×25cmカラム,5μ充填剤L7を含有.
選択波長: 275nm
移動相 : 13.8gのリン酸二水素ナトリウム及び2.5mLのリン酸を1000mLの水中に含有する,濾過し脱気した溶液を調製する。
流速: 1.2mL/分
希釈剤: 濾過し脱気したHPLC用水
本発明の詳細,その目的及び利点は,非限定的な典型例の記載を参照して,より詳細に以下に説明される。それらの実施例は,単に例示であり本発明の教示を限定するものではなく,本発明の範囲から逸脱することなしに各操作段階において当業者による種々の修正や変更が自明であり,従って本発明の精神及び範囲に包含される。
〔実施例1〕
2−デオキシ−D−エリスロ−2,2−ジフルオロ−リボフラノース−3,5−ジベンゾエートの製造
2−デオキシ−D−エリスロ−2,2−ジフルオロ−ペンタフラノース−1−ウロース−3,5−ジベンゾエート(200g)を,5Lの丸底フラスコ中で,2Lのテトラヒドロフランに溶解させた。0.2Lのビトライド(70%トルエン溶液)を−50〜−70℃で加えた。反応を60分間持続させた。完了したとき,メタノール(0.24L)の添加により反応を停止させ,7%塩酸(1.3L)で加水分解した。約30分間撹拌した後,水層を室温にて分離した。水層を酢酸エチルで(0.8L,2回)反復抽出した。集めた有機層を食塩水(0.5L,2回)で,次いで5%NaHCO3水溶液(0.5L,2回)で,更に食塩水で(0.5L,2回),洗浄した。有機層を減圧濃縮して,粘稠な油を得た(0.2kg)。
〔実施例2〕
2−デオキシ−D−エリスロ−2,2−ジフルオロ−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート−1−メタンスルホネートの製造:
2−デオキシ−D−エリスロ−2,2−ジフルオロ−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート(0.2kg)である油を,塩化メチレン(2L)に溶解させた。反応混合物を0〜−20℃に冷却し,トリエチルアミン(0.12L)を加えた。この撹拌溶液に,塩化メタンスルホニル(0.06L)を,−20℃〜−15℃にて,滴下して加えた。反応物を同じ反応完了まで温度で撹拌した(約3時間)。温度を室温に戻し,5%HCl(0.9L)を反応物に加えた。水層を分離し,塩化メチレンで(0.4L,2回)抽出した。有機層を食塩水で(0.5L,2回),そして5%重炭酸ナトリウム水溶液で,次いで食塩水で(0.5L,2回)洗浄した。有機層を集め,濃縮して油を得た(0.24kg)。
〔実施例3〕
ジェムシタビン塩基の製造:
アセチルシトシン(200g)を,10Lの丸底フラスコ中で1,2−ジクロロメタン(4L)に加えた。ヘキサメチルジシラザン(0.34L)をこのスラリーに加えた。得られた混合物を約1Lの混合物になるまで加熱蒸発させた。反応物を窒素下に50℃まで冷却し,塩化トリメチルシリル(0.015L)を混合物に加えた。得られた混合物を82〜85℃にて3時間還流させた。溶液を窒素下に45℃まで冷却し,45〜50℃にて蒸発させて固体を得た。この得られた固体に新鮮な塩化エチレン(2.6L)を加え,続いてトリメチルシリルトリフレート(0.26L)を加えた。これに,実施例2で得られたメシレート(0.24L)の塩化エチレン(1.2L)溶液を加えた。得られた混合物を加熱して86〜92℃にて,2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−リボフラノース−3,5−ジベンゾエート−1−メタンスルホネートが消費されるまで,18時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却し,5%HCl(1.8L)を反応混合物に加え,次いで水層を分離して塩化メチレンで(0.4L,2回)抽出した。合わせた有機層を食塩水で(1L,2回)洗浄した。回収した有機層を,重炭酸ナトリウム(0.2kg)で処理して中性化させた。乾燥させた有機層を濃縮して油(0.26kg)を得た。先の実施例で得られていた油(0.26kg)をメタノール(3.4L)に溶解させた。得られた溶液を−5℃〜+5℃まで冷却し,撹拌下混合物に,2’,2’−ジフルオロ−2’−デオキシ−N−アセチルシチジン−3,5’−ベンゾエートが完全に消費されるまで,アンモニアガスを−5℃〜+5℃の間で8〜10時間通してパージした。温度を室温まで高めた。減圧下に溶液を濃縮して油を得,これを水(0.8L)に溶解させた。酢酸エチル(0.2L)をこれに加え,混合物を15分間撹拌した。水層を分離して酢酸エチル(0.2L)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2.6L)で抽出した。水層を濾過し,40〜45℃で減圧濃縮して油を得(0.1kg),ジェムシタビン塩基を(α及びβにつき)HPLCに付した。
〔実施例4A〕
塩酸ジェムシタビンの単離:
実施例3で得られたジェムシタビン塩基の粘稠な油20gに,1,4−ジオキサン(120mL)を加え,混合物を60〜68℃に加熱して15分間撹拌した。次いで濃HCl(10mL)を混合物に加え,内容物を同じ温度に1時間加熱した。反応物を10〜15℃まで冷却して30分間維持した。こうして得られた固体を,濾取し,1,4−ジオキサンで洗浄し,減圧下に55〜60℃にて乾燥させて,比旋光度i.e.[α]D=+40°の物質8gを得,これは85%のβ−アノマー及び8%のα−アノマーというHPLC純度であった。
〔実施例4B〕
塩酸ジェムシタビンの精製
4Aのプロトコールを用いて得られた物質10gを,水(60mL)にとり,混合物を55〜60℃に加熱して澄明な溶液を得た。この溶液に1,4−ジオキサン(600mL)を撹拌下に加え,60〜68℃にて1時間撹拌を持続した。内容物を10〜15℃まで冷却し,混合物をその温度で30分間撹拌し,そして濾過して1,4−ジオキサンで洗浄し,55〜60℃にて真空乾燥させて,7.5gの化合物を得,これはβ−アノマーのHPLC純度99.9%であり,比旋光度i.e.[α]D=+47°であった。
〔実施例5A〕
塩酸ジェムシタビンの単離:
実施例3で得られるジェムシタビン塩基の粘稠な油20gに,モノグリム(120mL)を加え,混合物を60〜68℃に加熱して15分間撹拌した。次いで混合物に濃HCl(10mL)を加え,内容物を同じ温度に1時間加熱した。次いで反応物を10〜15℃まで冷却し,30分間維持した。こうして得られた固体を濾取し,モノグリムで洗浄して真空下に55〜60℃にて乾燥させて,8gの物質を得,これは85%β−アノマー及び9%α−アノマーというHPLC純度であり,比旋光度i.e.[α]D=+40°であった。
〔実施例5B〕
塩酸ジェムシタビンの精製:
実施例5Aにおけると同様にして得た10gの物質を水(60mL)に採り,混合物を60〜65℃に加熱して澄明な溶液を得た。モノグリム(600mL)をこの溶液に撹拌下に加え,60〜65℃にて1時間撹拌を続けた。内容物を10〜15℃まで冷却した。この温度で混合物を30分間撹拌し,そして濾過し,モノグリムで洗浄し,そして55〜60℃にて真空乾燥させて,7.5gの生成物を得,99.9%β−アノマーのHPLC純度,比旋光度[α]D=+47°であった。

Claims (23)

  1. ジェムシタビン塩基のα及びβ−アノマーの混合物から,β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンを単離する方法であって,
    a)ジェムシタビン塩基に水溶性エーテルを加えるステップと,
    b)該混合物を加熱して該塩基(油)を溶解させ,これに塩酸を加えるステップと,
    c)該混合物を冷却するステップと,そして
    d)沈殿した,β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンを単離するステップと,
    を含んでなるものである,方法。
  2. 該水溶性エーテルが,1,4−ジオキサン又はモノグリムを含んでなる群より選ばれるものである,請求項1の方法。
  3. 該ジェムシタビン塩基の該水溶性エーテルに対する比率が,1:4〜12(w/v)の範囲にあるものである,請求項1の方法。
  4. 該ジェムシタビン塩基の水溶性エーテルに対する比率が,1:5〜8(w/v)の範囲にあるものである,請求項3の方法。
  5. 該ジェムシタビン塩基が該水溶性エーテルと共に40〜90℃の温度に加熱されるものである,請求項1の方法。
  6. 該ジェムシタビン塩基が該水溶性エーテルと共に50〜70℃の温度に加熱されるものである,請求項5の方法。
  7. 該ジェムシタビン塩基が該水溶性エーテルと共に60〜68℃の温度に加熱されるものである,請求項5の方法。
  8. 該反応混合物が10〜30℃の温度まで冷却されるものである,請求項1の方法。
  9. 該反応混合物が10〜15℃の温度まで冷却されるものである,請求項8の方法。
  10. 該β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンが,β−アノマー80〜90%及びα−アノマー4〜12%を有するものである,請求項1の方法。
  11. β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンの精製方法であって,
    a)水中の,β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンを,当該内容物を加熱することにより溶解させるステップと,
    b)水溶性エーテルを加え,そして混合物を冷却するステップと,そして
    c)β−アノマーの富化された,精製された塩酸ジェムシタビンを結晶化させるステップと
    を含んでなる方法。
  12. 塩酸ジェムシタビンの水に対する比率が1:4〜8(w/v)の範囲にあるものである,請求項11の方法。
  13. 塩酸ジェムシタビンの水に対する比率が1:5〜7(w/v)の範囲にあるものである,請求項12の方法。
  14. 塩酸ジェムシタビン及び水が40〜90℃の温度に加熱されるものである,請求項11の方法。
  15. 塩酸ジェムシタビン及び水が50〜70℃の温度に加熱されるものである,請求項14の方法。
  16. 塩酸ジェムシタビン及び水が60〜68℃の温度に加熱されるものである,請求項14の方法。
  17. 塩酸ジェムシタビンの溶液の,該水溶性エーテルに対する比率が,1:40〜100(w/v)である,請求項11の方法。
  18. 塩酸ジェムシタビンの溶液の,該水溶性エーテルに対する比率が,1:50〜70(w/v)である,請求項17の方法。
  19. 該水溶性エーテルが1,4−ジオキサン及びモノグリムよりなる群より選ばれるものである,請求項11の方法。
  20. 該反応混合物が10〜30℃の温度まで冷却されるものである,請求項11の方法。
  21. 該反応混合物が10〜15℃の温度まで冷却されるものである,請求項20の方法。
  22. 該β−アノマーの富化された塩酸ジェムシタビンがβ−アノマー99.9%を有するものである,請求項11の方法。
  23. 該精製された塩酸β−ジェムシタビンが,2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−N−−アセチルシチジン−3’,5’−ジベンゾエートに対して15〜16%の範囲の収率を有するものである,請求項11の方法。
JP2008537317A 2005-10-28 2006-04-25 塩酸ジェムシタビンの改良された製造方法 Withdrawn JP2009513623A (ja)

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