JP2009513408A - レール車両用のブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、レール車両用のブレーキ装置であって、電気式のジェネレータブレーキが設けられており、ジェネレータブレーキのブレーキ作用が電気空気力式の摩擦ブレーキ(24)によって補足され(混合)、該摩擦ブレーキ(24)が、調整された前制御圧を生ぜしめる電子制御装置(26)と、前制御圧を生ぜしめる空気力式の装置(28)とを有しており、さらに前制御圧に関連して弁装置(54)を用いて、単数又は複数のブレーキシリンダのためのブレーキ圧が生ぜしめられる形式のものに関する。このような形式のブレーキ装置において本発明の構成では、電子制御装置(26)の圧力出口(44)が弁装置(54)の制御入口(52)と、常に圧力を導くように接続されており、空気力式の装置(28)の圧力出口(38)と弁装置(54)の制御入口(52)との間に、少なくとも1つの抑制弁(66)が配置されている。
Description
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式のレール車両用のブレーキ装置に関する。
このような公知のブレーキ装置は図1に示されている。ブレーキ装置は、縮尺の理由から図示されていないジェネレータブレーキを有しており、このジェネレータブレーキのブレーキ作用は電気空気力式の摩擦ブレーキ1によって補われている(混合)。摩耗の理由から優先的に、電気式のジェネレータブレーキを用いてブレーキがかけられ、このジェネレータブレーキのブレーキ出力が十分でない場合に、電気空気力式の摩擦ブレーキ1が作動させられる。付加的に必要なブレーキ出力を準備するために、電気空気力式の摩擦ブレーキ1は、調整された前制御圧を生ぜしめる電子制御装置2を有しており、この場合前制御圧に関連してリレー弁4を用いて、単数又は複数のブレーキシリンダ用のブレーキ圧が生ぜしめられる。通常の運転ブレーキ状態を超えるブレーキ状態、例えば緊急ブレーキのためや、電子制御装置2の故障時のために、電気空気力式の摩擦ブレーキ1は付加的に、リレー弁4用の前制御圧を生ぜしめるための空気力式の装置6を有している。
空気力式の装置6は、主空気管路HLに接続された制御弁装置8か又は圧力制限装置を有することができる。図1に示された第1の場合では、いわゆる間接的(indirekt)なブレーキが実現されている。なぜならばこの場合制御弁装置8によって主空気管路HLにおける圧力から前制御圧が形成され、この前制御圧に関連してリレー弁4におけるブレーキ圧も生ぜしめられるからである。第2の場合では、圧力制限装置を用いて圧力リザーバにおける圧力が所定の値に制限され、前制御圧としてリレー弁4に送られ、これによっていわゆる直接的(direkt)なブレーキが実現されている。択一的な両方の場合において共通なことは、電子制御装置及び空気力式の装置の圧力出口10,12が切換え弁18の配属もしくは対応配置された入口14,16と接続されており、かつ切換え弁18の出口20がリレー弁4の制御入口22に接続されていることである。
切換え弁18は「論理和素子(Oder-Glied)」を形成していて、つまりこの切換え弁18は、電子制御装置2の調整された前制御圧をリレー弁4の制御入口22に接続するか又は、空気力式の装置6によって生ぜしめられた前制御圧を制御入口2に接続する。通常の運転ブレーキ時又は緊急ブレーキ時には、汎用のように電子制御装置2の圧力出口10は、リレー弁4の制御入口22に接続され、これに対して空気力式の装置6の圧力出口12は遮断されたままである。電子制御装置2においてエラーが存在している場合にだけ、切換え弁18は空気力式の装置6の圧力出口12をリレー弁4の制御入口22に切り換える。
本発明の課題は冒頭に述べた形式のブレーキ装置を改良して、安価に製造することができ、しかも確実に作動するブレーキ装置を提供することである。
この課題を解決するために本発明では、請求項1の特徴部に記載のように構成されている。
発明の利点
本発明の構成では、電子制御装置の圧力出口が、例えばリレー弁によって形成された弁装置の制御入口と、圧力を導くように常に接続されており、かつ空気力式の装置の圧力出口とリレー弁の制御入口との間に、少なくとも1つの補助弁もしくはバッキング弁とも呼ばれる抑制弁(Rueckhalteventil)が配置されているので、抑制弁の開放時には、電子制御装置の前制御圧と空気力式の装置の前制御圧とがリレー弁の制御入口に存在することができる。このことは特に非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時に有利であり、すなわちこのような構成では、空気力式の装置に比べて迅速に反応する電子制御装置が、素早く前制御圧を形成し、幾分遅れて生じる空気力式の装置の前制御圧が、二重の安全策として利用されるからである。そしてこれによって、ブレーキ装置の確実性が高められる。
本発明の構成では、電子制御装置の圧力出口が、例えばリレー弁によって形成された弁装置の制御入口と、圧力を導くように常に接続されており、かつ空気力式の装置の圧力出口とリレー弁の制御入口との間に、少なくとも1つの補助弁もしくはバッキング弁とも呼ばれる抑制弁(Rueckhalteventil)が配置されているので、抑制弁の開放時には、電子制御装置の前制御圧と空気力式の装置の前制御圧とがリレー弁の制御入口に存在することができる。このことは特に非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時に有利であり、すなわちこのような構成では、空気力式の装置に比べて迅速に反応する電子制御装置が、素早く前制御圧を形成し、幾分遅れて生じる空気力式の装置の前制御圧が、二重の安全策として利用されるからである。そしてこれによって、ブレーキ装置の確実性が高められる。
本発明の特に有利な構成では、抑制弁が、レール車両の安全ループによって制御されており、そして電子制御装置のエラー又は故障時、又は非常ブレーキ時に接続され、かつその他の場合には遮断されている。
本発明の別の構成では、抑制弁が、無電流で開放しかつ給電時に閉鎖する電磁弁によって形成される。このように構成されていると、非常ブレーキ時に安全ループが無電流で接続されると、抑制弁は開放位置に達し、空気力式の装置の前制御圧を弁装置の制御入口に接続することができる。その結果非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時に、弁装置の制御入口は、電子制御装置及び空気力式の装置の両方によって圧力負荷もしくは圧力供給される。これによって二重の制御が得られる。
直接的なブレーキの場合に空気力式の装置は有利には、圧力制限装置、例えば負荷に関連した圧力制限弁を有しており、この圧力制限弁によって非常ブレーキ時における前制御圧は、その時点の負荷状態に相応して制限される。択一的に本発明は、空気力式の装置が、主空気管路に接続されている制御弁装置を有している間接的なブレーキにおいても実現することができる。
従来技術の切換え弁に比べて、本発明における抑制弁は簡単かつ小型に構成することができ、ひいてはより安価な製造コストを実現することができる。
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1は、従来技術によるブレーキ装置の構造を示す回路図であり、
図2は、間接的な電気空気力式の摩擦ブレーキを備えた、本発明の第1実施例によるブレーキ装置の構造を示す回路図であり、
図3は、直接的な電気空気力式の摩擦ブレーキを備えた、本発明の第2実施例によるブレーキ装置の構造を示す回路図である。
図2は、間接的な電気空気力式の摩擦ブレーキを備えた、本発明の第1実施例によるブレーキ装置の構造を示す回路図であり、
図3は、直接的な電気空気力式の摩擦ブレーキを備えた、本発明の第2実施例によるブレーキ装置の構造を示す回路図である。
実施例の記載
図2には、本発明の第1実施形態によるブレーキ装置が回路図で示されている。このブレーキ装置は、縮尺の理由から図示されていない電気式のジェネレータブレーキを有しており、このジェネレータブレーキ(Generatorbremse)のブレーキ作用は電気空気力式の摩擦ブレーキ24によって補足されている(混合(Blending))。電気空気力式の摩擦ブレーキ24は、電子制御装置26と空気力式の装置28とを有しており、この空気力式の装置28は有利には、主空気管路HLに接続されている制御弁装置30と、空気力式のバイパス弁32とを有している。
図2には、本発明の第1実施形態によるブレーキ装置が回路図で示されている。このブレーキ装置は、縮尺の理由から図示されていない電気式のジェネレータブレーキを有しており、このジェネレータブレーキ(Generatorbremse)のブレーキ作用は電気空気力式の摩擦ブレーキ24によって補足されている(混合(Blending))。電気空気力式の摩擦ブレーキ24は、電子制御装置26と空気力式の装置28とを有しており、この空気力式の装置28は有利には、主空気管路HLに接続されている制御弁装置30と、空気力式のバイパス弁32とを有している。
制御弁装置、有利にはただ1つの制御弁30は、圧力リザーバ34に接続された供給接続部36を有しており、主空気管路HLにおける圧力に関連してその圧力出口38における前制御圧を生ぜしめる。電子制御装置26は同様に供給接続部40を介して圧力リザーバ42に接続されており、その圧力出口44において調整された前制御圧を制御し、この前制御圧は、電気式のジェネレータブレーキが利用できない必要な残留ブレーキ出力(Restbremsleistung)に関連しており、この残留ブレーキ出力は、運転ブレーキ時に摩擦ブレーキ24の摩耗を減じるために優先的に使用される。電子制御装置26の圧力出口44は、空気管路46に接続されており、この管路46は接続部48と接続されており、この接続部48からは別の空気管路50が弁装置54の制御入口52にまで延びており、この弁装置54は例えばリレー弁によって形成される。接続部48を介して、電子制御装置26の圧力出口44は常にリレー弁54の制御入口52と流れ接続されている。さらに電子制御装置26は、電気の制御ライン56を介してブレーキ制御装置(図示せず)によって制御される。
リレー弁54の供給接続部58は圧力リザーバ60と接続されている。リレー弁54は、制御入口52における前制御圧に関連して、圧力出口62におけるブレーキ圧を制御し、圧力出口62は単数又は複数のブレーキシリンダと接続されている。さらに空気力式の装置28の制御弁30の圧力出口38からは、内部に補助弁もしくはバッキング弁とも呼ばれる抑制弁(Rueckhalteventil)66が配置されている空気管路64が延びており、この空気管路64もまた接続部48に開口している。抑制弁66は有利には、無電流時に開放しかつ給電時に閉鎖する電磁弁であり、レール車両の安全ループ(Sicherheitsschleife)によって制御される。
電子制御装置26はその供給接続部40と圧力出口44との間においてバイパス空気管路68を用いてバイパスされ、このバイパス空気管路68には減圧弁70が配置され、この減圧弁70に後置されて空気力式のバイパス弁32が設けられ、このバイパス弁32は、主空気管路HLから分岐する空気力式の制御管路72によって制御される。
上に述べたブレーキ装置の作用形式は以下の通りである:抑制弁66がブレーキ制御装置(図示せず)によって無電流状態で開放に切り換えられている、ブレーキの解除位置を起点として、ブレーキ要求信号が通常の運転ブレーキの枠内において与えられると、抑制弁66は給電された閉鎖位置に切り換えられ、前制御圧、つまりブレーキ要求信号に付随した主空気管路HLにおける圧力降下に基づいて制御弁30によって生ぜしめられている前制御圧を、抑制する。同時に電気の制御ライン56を介して、電気空気力式の摩擦ブレーキ24によって要求される残留ブレーキ出力に関連したブレーキ要求信号が、電子制御装置26にもたらされ、次いでこのブレーキ要求信号は電子制御装置26の圧力出口44に相応に調整された前制御圧を生ぜしめ、この前制御圧は空気管路46,50を介して、リレー弁54の制御入口52に達し、これにより相応なブレーキ圧を生ぜしめることができる。
特別な運転状態、例えば電子制御装置26の故障時やその管路において漏れが生じた場合には、電子制御装置26から前制御圧は制御されないか又は極めて低い前制御圧しか制御されない。これは適宜なセンサによって検知することができ、これに続いて安全ループが電流を遮断され、その結果抑制弁66が開放し、制御弁30によって生ぜしめられる前制御圧をリレー弁54のために制御し、これによって後置されたブレーキシリンダのためのブレーキ圧が形成される。
付加的な安全レベルとして、非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時又は電子制御装置26におけるエラー発生時又は圧力損失時に、値0に低下する主空気管路HLにおける圧力が、さもないと閉鎖されているバイパス弁32の開放を惹起し、これによって、電子制御装置26の供給接続部40に存在していて減圧弁70によって所定の値に調節されるリザーバ圧が、バイパス空気管路68を介して接続部48に達し、この接続部48からリレー弁54の制御入口52に達する。
電気空気力式の摩擦ブレーキ24における圧力、容積及びノズルを適宜に調整することによって、空気力式の装置28の補充出力(Nachspeiseleistung)を十分に大きくすることができ、電子制御装置26の側におけるエラー又は圧力損失を、該エラー又は圧力損失に対する圧力形成が幾分遅延した場合でも、克服することが可能になる。圧力形成速度を高めるために、制御弁30には、主空気管路HLにおける圧力のための加速装置が前置されていてもよい。
非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時に、安全ループは無電流に切り換えられ、これによって抑制弁66が開放され、その結果リレー弁54の制御入口52には電子制御装置26及び空気力式の装置28から圧力が供給される。これによってリレー弁の二重の制御が得られる。
図3に示された本発明の別の実施例においても、上に述べた実施例におけると同一の及び同一作用を有する部材には、同一符号が使用されている。第1実施例とは異なり、図3の実施例では、間接的な空気力式のブレーキではなく、直接的な空気力式のブレーキが示されており、このブレーキでは、空気力式の装置28から供給されるリレー弁54のための前制御圧は、圧力リザーバ74に接続された圧力制限弁76によって調節される。さらに、バイパス空気管路68及びバイパス弁32は省かされている。その他の構造及び作用形式は、既に述べた実施形態におけると同じである。
1 摩擦ブレーキ、 2 電子制御装置、 4 リレー弁、 6 空気力式の装置、 8 制御弁、 10 圧力出口、 12 圧力出口、 14 入口、 16 入口、 18 切換え弁、 20 出口、 22 制御入口、 24 摩擦ブレーキ、 26 電子制御装置、 28 空気力式の装置、 30 制御弁、 32 バイパス弁、 34 圧力リザーバ、 36 供給接続部、 38 圧力出口、 40 供給接続部、 42 圧力リザーバ、 44 圧力出口、 46 空気管路、 48 接続部、 50 空気管路、 52 制御入口、 54 リレー弁、 56 制御ライン、 58 供給接続部、 60 圧力リザーバ、 62 圧力出口、 64 空気管路、 66 抑制弁、 68 バイパス空気管路、 70 減圧弁、 72 空気力式の制御管路、 74 圧力リザーバ、 76 圧力制限弁
Claims (8)
- レール車両用のブレーキ装置であって、電気式のジェネレータブレーキが設けられており、ジェネレータブレーキのブレーキ作用が電気空気力式の摩擦ブレーキ(24)によって補足され(混合)、該摩擦ブレーキ(24)が、調整された前制御圧を生ぜしめる電子制御装置(26)と、前制御圧を生ぜしめる空気力式の装置(28)とを有しており、さらに前制御圧に関連して弁装置(54)を用いて、単数又は複数のブレーキシリンダのためのブレーキ圧が生ぜしめられる形式のものにおいて、電子制御装置(26)の圧力出口(44)が弁装置(54)の制御入口(52)と、常に圧力を導くように接続されており、空気力式の装置(28)の圧力出口(38)と弁装置(54)の制御入口(52)との間に、少なくとも1つの抑制弁(66)が配置されていることを特徴とする、レール車両用のブレーキ装置。
- 抑制弁(66)が、レール車両の安全ループによって制御されている、請求項1記載のブレーキ装置。
- 抑制弁(66)が、電子制御装置(26)のエラー又は故障時、又は非常ブレーキ時に接続され、かつその他の場合には遮断されている、請求項1又は2記載のブレーキ装置。
- 非常ブレーキ時又は迅速ブレーキ時に弁装置(54)の制御入口(52)が、電子制御装置(26)及び空気力式の装置(28)によって圧力負荷もしくは圧力供給される、請求項3記載のブレーキ装置。
- 抑制弁(66)が、無電流で開放しかつ給電時に閉鎖する電磁弁によって形成される、請求項1から4までのいずれか1項記載のブレーキ装置。
- 弁装置(54)が、少なくとも1つのリレー弁を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のブレーキ装置。
- 空気力式の装置(28)が、主空気管路(HL)に接続されている制御弁装置(30)か又は圧力制限装置(76)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のブレーキ装置。
- 圧力制限装置(76)が、負荷に関連した圧力制限弁を有している、請求項7記載のブレーキ装置。
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