JP2009509999A - 炭水化物および炭水化物ポリオールの酪酸エステル - Google Patents

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Abstract

本発明は、炭水化物および炭水化物ポリオールの酪酸エステルまたはブチラートエステルに関し、かつ胃腸管のため、特に胃腸管とりわけ大腸の疾患の予防および治療のためのブチラート担体およびブチラート源としてのその使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は炭水化物および炭水化物ポリオールの酪酸エステルまたはブチラートエステルに関し、かつ胃腸管のため、特に胃腸管とりわけ大腸の疾患の予防および治療のためのブチラート担体およびブチラート源としてのその使用に関する。
哺乳動物の大腸内のC酸、すなわち酪酸(ブチラート)は、一般に未消化の食物成分、特に未消化の炭水化物の大腸細菌叢による発酵に由来する。ブチラートは上皮細胞、特に後部大腸の上皮細胞のための有力なエネルギー源である。結腸細胞のためのエネルギー基質としての意義のほかに、ブチラートは生理的機能、例えば細胞増殖、分化およびアポトーシスにも影響し、健全な大腸上皮のための増殖因子として、かつ大腸の粘膜防御の維持において中心的役割を果たす。ブチラートは大腸内で考えられる突然変異誘発性代謝産物の除毒に寄与し、例えば防御タンパク質、例えば腸グルタチオン−S−トランスフェラーゼの遺伝子発現またはオルニチンデカルボキシラーゼの阻止を誘導することにより酸化ストレスに対抗する。さらにブチラートは細胞周期調節、抗菌ペプチドおよびシグナルカスケードの特異的遺伝子誘導に対して調節作用を行う。
短鎖脂肪酸、例えばブチラートの欠乏は腸の様々な炎症性、感染性および悪性疾患に関連する。ブチラートの欠乏は結腸の炎症、例えば多発性大腸炎または偽膜性結腸炎をもたらす(Rombeauら、1995年)。全抗生剤服用の1〜2%で起こる偽膜性結腸炎では、とりわけ細菌クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)の感染が引き起こす重い病像が生じる。またブチラートは全抗生剤服用の10〜20%で起こる抗生剤関連の下痢、全地中海旅行者の25%、全熱帯および亜熱帯旅行者の50%で起こる旅行者下痢で感染予防に重要である。ブチラートは大腸の他の炎症疾患、例えば潰瘍性大腸炎(Colitis ulcerosa)でも役割を果たす。ブチラートの管腔供給の減少がこのような疾患の要因とみなされる(Cummings、1995年)。
慢性炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎の有病率は約0.1%と推定され、クローン病の有病率も同様である。過敏腸症候群の有病率は1.1%とさらに何倍も高い。大腸へのブチラートの供給はこれらの疾患で軽快の維持のため、さらには例えば腸管手術の後の創傷の治癒の改善のための適当な処置と考えられる(Waechtershaeuserら、2000年)。発生率が約0.1%と推定される大腸癌および癌発生に対しても、酪酸塩は重要な保護要因とみなされる。
炎症性、感染性および悪性腸疾患がおおむね局在する大腸、特に後部大腸領域の高いブチラート濃度は、健全な腸環境および健全な腸上皮を促進し、結腸の潰瘍性炎症の症状を改善し、感染予防に役立ち、大腸癌に対する重要な保護要因であり、すなわち大腸癌の罹患の危険を減少する。腸の感染性、炎症性および悪性疾患は高い発生率に基づき多大な健康コストを引き起こす。従って大腸、特に後部腸領域に十分に多量のブチラートを供給することによる腸の健康の促進策は、この疾患に対する健康コストを減少するための重要な国民経済的潜在力である。
大腸に対するブチラートの全般的供給のほかに、とりわけ大腸の全長、特に特定の区域、例えば後部腸領域への供給の可能性はこれまで限られていた(Scheppachら、1992年)。酪酸を大腸に供給するための周知の手段は、経口投与または不消化炭水化物の摂取である。食物の不消化炭水化物、例えば食品に使用される難消化性デンプンまたはペクチンは大腸の細菌叢による発酵でブチラートを生成するための出発材料になるであろう。ところが
Cummingsら(1996年)はブチラートの発酵生成に大きな個人差があることを報告した。かなりの人が大腸内の微生物発酵により不消化炭水化物からブチラートを生成することができないのである。
発酵で生成されるブチラートの割合は著しく変動する。この割合は発酵した炭水化物に左右される。種々の不消化炭水化物、例えばイヌリン、ポリデキストロース、ペクチンまたはアラビノガラクタンからはブチラートはあまり生成されず、主としてアセタート、プロピオナートおよびガス、例えば水素、二酸化炭素およびメタンが生成される(Cummingsら、2001年)。
不消化炭水化物の発酵で生成されるブチラートの濃度は前部大腸で高いが、後部大腸へと減少してゆく(Cummingsら、1995年)。腸の健康の促進のため、かつ保護要因として、全大腸にわたり、とりわけ後部領域で高い酪酸濃度が好ましい。
予防または治療に有効なブチラート量として、約5g/日以下のブチラート量が考えられる(Scheppachら、1992年)。Verniaら(2000年)によれば4g/日のブチラートは潰瘍性結腸炎の治療でMesalazin(2.4g/日)の治療効果を促進する。これは、大腸内の炭水化物の発酵分解で得られない量である。例えば30g/日の発酵可能な基質(バラスト物質、難消化性デンプン等)の分解で平均2.2gのブチラートが生じることが知られている(Wolin、1981年)。従って周知の発酵可能な基質1gにつき約0.07gのブチラートが生成されるに過ぎない。
大量のブチラートを食物によって大腸に供給すればよいと思われる。食物によって摂取される遊離すなわち未結合ブチラートは小腸で急速かつ完全に吸収されるから、大腸に到達しない(Schmittrら、1976年)。食品工学の分野で純粋または遊離酪酸を使用する可能性は限られている。遊離酪酸が一般に感覚的、味覚的または官能的に魅力のない物質であり、食品または飲料に直接使用できないことも不利である。トリブチリン(3分子のブチラートを有するトリグリセリド)について、経口的供給の後に前部小腸で急速に分解され、生じるブチラートがすでに小腸で吸収されることが知られている(Gaschottら、2001年)。経口的に供給されたトリブチリンは大腸に到達せず、大腸癌の予防に無効であることが証明される(Newmarkら、1994年)。
代案として、キシリトールならびにその他の単糖および誘導体をベースとする酪酸および酪酸エステルの薬剤(プロドラッグ)としての静脈投与が記載されている(Desmetら、1991年;Pouillartら、1992年;Santiniら、1998年)。これらの論文で大腸内のブチラートの放出は述べていない。これに対して短鎖脂肪酸、例えば酪酸による注腸(浣腸)が知られている(Schleppachら、1992年)。
そこで本発明の根底にある技術問題は、とりわけ特に簡単な経口的または経腸的投与により治療または予防に十分なブチラート量を大腸に供給するための手段および処置を提供することである。
この技術問題はとりわけ胃腸管、特に前部および/または後部腸部分、特に大腸、特に結腸の疾患の治療または予防のために、ヒトまたは動物の身体の消化管のブチラート源として少なくとも1つの酪酸エステルまたは少なくとも2つの異なる酪酸エステルの混合物(酪酸エステル混合物)を使用することによって解決される。本発明に基づき酪酸エステルは少なくとも1つの炭水化物のエステル、少なくとも1つの炭水化物ポリオールのエステルおよび/または炭水化物と炭水化物ポリオールの混合物のエステルである。本発明に基づき使用される酪酸エステルは、特にマイクロカプセルおよびマクロカプセル入りの形で経口的または経腸的に投与することが好ましい。
意外なことに、酪酸(n−酪酸)と炭水化物および/または炭水化物ポリオール、すなわち糖類または糖アルコールのエステルはブチラートの小腸安定性担体として使用できることが判明した。炭水化物および炭水化物ポリオールの特定の酪酸エステルは意外にも胃および小腸の通過時に安定である。小腸内にある酵素、例えばリパーゼおよびエステラーゼによって分解されず、小腸でブチラートが放出されない。こうして結合されたブチラートは、小腸で消化と吸収を免れる。本発明に基づき使用される酪酸エステルは、変化せずに大腸に到達する利点がある。そこでエステル化酪酸は、大腸に常在する細菌の微生物活性により酪酸エステルから遊離される。
その場合、とりわけ次のことが示される。
(a)酪酸エステルの置換度(DS)が増すにつれて、酪酸の代謝と放出が減少する。完全にエステル化した誘導体は、意外なことに大腸内で部分エステル化誘導体より小さな酪酸放出をもたらす。
(b)純粋な酪酸誘導体の大腸内での酪酸放出は、意外にもアセタートとブチラートの混合酸誘導体の場合より高い。
(c)大腸内の酪酸放出は、意外にも使用する炭水化物または炭水化物ポリオールの種類ならびにエステル化度の高さに左右される。
(d)それぞれ置換度3〜4のC−ポリオール(例えばキシリトール)、C−ポリオール(例えばソルビトール)および二糖ポリオール(例えばイソマルト)の酪酸エステルは、意外なことに大腸内で特に高い酪酸放出をもたらす。
後述の例でも説明するように、例えばソルビトールの発酵からは、基質1gにつき約0.3gのブチラート、非エステル化炭水化物ポリオール、イソマルトおよびキシリトールの発酵からはそれぞれ約0.2gまたは約0.3gのブチラートが生じるに過ぎない。他の発酵可能な炭水化物、例えば難消化性デンプンの分解では、基質1gにつき約0.2gのブチラートが生じる。これに対して、本発明に基づき好ましいトリブチリルソルビトールまたはテトラブチリルソルビトールでは、意外なことに基質1gにつき約0.7gのブチラートが放出される。同様に本発明に基づき好ましいトリブチリルキシリトールまたはテトラブチリルキシリトールから基質1gにつき0.7g以下のブチラートが生成される。本発明に基づく酪酸エステルによって、意外なことに非エステル化基質と比較して約3倍のブチラートが生成される利点がある。本発明に基づきこれを使用すれば、本発明に基づく酪酸エステルは、(a)エステル化酪酸残基の放出に基づき、とりわけ(b)炭水化物または炭水化物ポリオール残基の発酵分解に基づき、周知の非エステル化基質の純発酵分解よりもはるかに多量のブチラートを大腸内で生成することができる。
本発明に基づき使用される炭水化物ポリオールの酪酸エステルは、約0.5〜5g/日の、治療または予防に必要なブチラート量を大腸に供給するのに特に適している。このブチラート量は0.7〜7g/日の酪酸エステル、例えばトリおよびテトラブチリルソルビトールおよびトリおよびテトラブチリルキシリトールの摂取ですでに得ることができる。非エステル化基質ならば、同じブチラート量に対して70gに及ぶ量の炭水化物、例えば難消化性デンプン、すなわちほぼ10倍の基質の発酵分解によって供給しなければならないであろう。
ヒトの大腸細菌によるインキュベーション試験の結果が示すところでは、本発明に基づき使用される酪酸エステルは意外にもごく緩慢にしか代謝されない。すなわちブチラートは長い期間、特に72時間以上にわたって放出され、生成される。したがって、本発明に基づき使用される酪酸エステルは、大腸内の連続的な長く持続するブチラート源である。緩慢な放出によって、本発明に基づき使用される酪酸エステルは大腸全体にわたって存在し、こうしてさらに後部大腸領域にも到達することが保証される。それにより、後部大腸領域でもなお十分に多量のブチラートが利用可能となり、したがって炎症性、感染性または悪性疾患が最も多く現れる腸領域で、予防または治療効果を発揮することができる。
本発明に基づき使用される酪酸エステルは、3〜4の置換度(DS)を有することが好ましい。また、応用分野および出発化合物によっては、1、2、3、4、5、6、7、8および9の置換度が好ましい。酪酸エステルは部分的にエステル化され、とりわけ10〜90%、30〜90%、40〜80%、特に50〜80%のエステル化度を有することが好ましい。また、応用分野および出発化合物によっては、少なくとも10、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%および/または最高で10、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のエステル化度が好ましい。
好ましい変型では、炭水化物または炭水化物ポリオールは、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖である。また少なくとも1つの炭水化物と少なくとも1つの炭水化物ポリオール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト、1,6−GPS、1,1−GPS、1,1−GPM、水素化デンプン水解物、水素化グルコ−スシロップおよび/またはこれらの混合物との混合物が好ましい。炭水化物ポリオールはCポリオールおよび/またはCポリオールであることが好ましい。別の好ましい変型では、炭水化物ポリオールは二糖ポリオールである。
好ましい実施形態では、本発明に基づき使用される酪酸エステルはトリブチリルソルビトール、テトラブチリルソルビトール、トリブチリルキシリトール、テトラブチリルキシリトール、ペンタブチリルイソマルトまたはこれらの混合物および/または他の酪酸エステルとの混合物である。また酪酸イソマルトエステルは本発明に基づき使用される他の酪酸エステル、例えば酪酸ソルビトールエステルと比較して、あまり不快でない味覚が特徴である。
ブチラートと他の短鎖アルカン酸、とりわけアセタートの混合エステルの使用も発明の対象である。
アルカン酸エステル、すなわち酪酸エステル等は、周知のようにアルカン酸と酸無水物を反応させて作る。炭水化物および/または炭水化物ポリオールと酸または酸無水物とのモル比は、得ようとする置換度に応じて、通常は1:1〜1:10、とりわけ1:3〜1:6である。エステル化は酸性触媒、例えばシュウ酸スズの存在下で行われる。続いて過剰の酸を周知のように除去する。
本発明の好ましい対象は、健全な腸環境および健全な腸上皮の予防的および/または治療的促進のため、ならびにヒトまたは動物の身体の胃腸管の疾患の治療および予防のための上記の酪酸エステルの使用である。
このような疾患は、大腸へのブチラート投与によって治療または予防することができる疾病である。とりわけ胃腸管のブチラート不足に伴って起こる疾病、ブチラートが大腸に生じる突然変異誘発性代謝産物の除毒に寄与する疾病および状態、ブチラートが例えば防御タンパク質(例えば腸グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)の遺伝子発現またはオルニチンデカルボキシラーゼの阻止を誘導することにより酸化ストレスに対抗する疾病および状態、後部大腸の上皮および結腸細胞または大腸の粘膜防御の病疾、毒性または薬物に原因する阻害または損傷を伴う疾病、結腸の炎症、例えば多発性結腸炎または偽膜性結腸炎、慢性炎症性腸疾患例えば潰瘍性結腸炎、クローン病および過敏腸症候群、クロストリジウムによる感染症、抗生剤に関連する下痢、旅行者下痢、大腸癌がこれに数えられる。また本発明に基づく使用は、例えば腸手術後に軽快を維持し、創傷治癒を改善するためのものである。
従って本発明は作用物質、特に治療用作用物質として少なくとも1つの酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物を使用するものである。この作用物質はとりわけ薬剤、医薬組成物、薬剤類似の調合物に使用される。作用物質として使用する場合、酪酸エステルは他の薬理的に適した担体、添加物および助剤、例えば潤滑剤、離型剤、増粘剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、レシチン、強力甘味物質、甘味料、着色料、風味物質、香料、被覆材料および/または充填剤とともに使用することが好ましい。
本発明に基づき固形および/または液状、特に懸濁または溶解状で使用することが好ましい。懸濁媒および溶媒として、水、アルコールおよびその混合物を含むとりわけ食品適合性の溶媒および乳化剤が考えられる。投与は、応用分野に応じて、懸濁液、溶液、乳液、液滴、ジュース、錠剤、丸薬、カプセル、パステル剤、糖衣錠、ゼリー、顆粒、粉末、注射または注入液もしくはこれらの組合せの形で行うことが好ましい。別の類似の適当な投薬形態で使用することもできる。
本発明に基づき酪酸エステルをマイクロカプセルまたはマクロカプセル入りの形でヒトまたは動物の身体に投与することが特に好ましい。
それによって酪酸エステルを官能的に中立の形で投与することができる。とりわけ、味覚に中立な消化管輸送が可能になる。少なくとも1つの酪酸エステルがマイクロカプセルまたはマクロカプセル入りの形であることが好ましい。カプセル封入は胃腸管または大腸内の目標場所での酪酸エステルの、改善された、とりわけ時間的に遅延または均等化した連続的な放出を可能にする。さらにカプセル封入によって応用分野を拡張することができる。本発明に基づく酪酸エステルまたはその混合物を含む乾燥混合物、および適宜に計量可能な系を調製することが可能になる。本発明に基づく酪酸エステルの一部にある感覚的にマイナスの効果は、カプセル封入によってほとんど隠蔽することができる。
この場合酪酸エステルの「カプセル封入」とは、とりわけ例えば吸着もしくは共有またはイオン結合もしくは二官能性または多官能性反応物質との架橋による酪酸エステルと担体の結合に基づくカプセル封入を意味する。さらにカプセル封入は、とりわけ例えばイオノトロピックゲル形成、高分子電解質錯体、綜合体(simplex)、低温ゲル化、ヒドロコロイド形成、重合および/または溶媒沈降による基質または膜への酪酸エステルの封入に基づく。
少なくとも1つの酪酸エステルを封入法により少なくとも1つの包被材料に封入することが好ましい。
本発明に基づく酪酸エステルのカプセル封入のための材料として、アルギン酸塩、寒天、アガロース、ペクチンおよびペクチン酸塩、グァーガム、キトサン、セルロース誘導体、デンプン誘導体、アラビアゴム、ワックス、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドおよびその他の有機および無機物質から選ばれた少なくとも1つの製剤を使用することが好ましい。特に好ましい実施形態ではカプセル封入のために多糖、特にペクチン酸塩およびアルギン酸塩が使用される。酪酸エステルのマイクロカプセルおよびマクロカプセルの形状はとりわけ球、円柱、繊維またはフィルム、錠剤、顆粒、粉末、丸薬、パステル剤、糖衣錠およびゼリーから選ばれる。
酪酸エステルの役割に従って、マイクロカプセルの外側を密閉するために、さらに純担体物質からなる少なくとも1つの別の保護層を張ることが好ましい。代案として、製薬業で使用される慣用の被覆材料、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)で周知のように被覆する。特に流動床乾燥のために流動床アグロメレーターを使用することが好ましい。
マイクロカプセル入り酪酸エステルの製造は、とりわけ、例えば吹き出し、静電気または振動法による噴霧器、回転円板および/またはノズルおよびジェットカッターで行われる。そのために多糖、とりわけペクチン酸塩、アルギン酸塩を酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物とともに溶液に調合し、得た溶液を噴霧器により、とりわけジェットカッターにより沈殿液に注入することが特に好ましい。沈殿液として塩化カルシウム溶液または塩化マグネシウム溶液を使用することが好ましい。生じるビーズ(球)は50μm未満の直径を有する。続いてビーズを流動床乾燥装置で乾燥することが好ましい。
またマイクロカプセルの製造方法として、食品製造業で周知の方法、例えば噴霧乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、流動床アグロメレーションまたは押出しが、おおむね適している。
噴霧乾燥では壁部材料、例えば砂糖、ポリオールおよびマルトデキストリンまたはその他のよく結晶するデンプン製品のシロップと酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物の組合せをとりわけ連続工程でシロップの噴霧によって乾燥すると、酪酸エステルが選ばれた壁部材料に封入された固形、粉末状または顆粒状製品が得られる。
凍結乾燥では壁部材料、例えば砂糖、ポリオールまたはマルトデキストリンを酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物とともに溶解または懸濁させる。周知のように急速冷凍と脱水の後に、酪酸エステルが埋め込まれた粉末が得られる。
流動床乾燥によるマイクロカプセル封入では、壁部材料を微粉砕した粉末(例えば砂糖、ポリオールまたはマルトデキストリン)として準備し、続いて酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物の水溶液または懸濁水を吹きつける。好ましい実施形態では、溶液または懸濁液の噴霧のためのノズルが流動床の上側にある(トップスプレー法)。代替実施形態では、ノズルが流動床設備の底部に組み込まれている(ボトムスプレー法)。流動床乾燥によって、20%以下の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物を含む本発明に基づく粒子が形成される。
上記の酪酸エステルの少なくとも1つは、単独のブチラート源として、単独の治療または予防作用物質として使用される。別の好ましい変型では、酪酸エステルが、少なくとも1つの別のブチラート源および/または少なくとも1つの別の作用物質とともに疾患の治療または予防のために使用される。
使用はとりわけ治療計画に従って行われ、その場合、治療および/または予防に有効な用量を1回量または多回量として、例えば日量を配分して、とりわけ所定の期間にわたって繰り返し投与する。0.7〜7g/日の用量を、1回量で、または毎日2〜5回の部分量で投与することが好ましい。ブチラートの緩慢な放出が判明したので、適当に倍加した1日量を2日、3日または4日おき、とりわけ72時間おきに投与することができる。この用量は、とりわけ体重75kgの成人が基準であり、幼児および動物での使用の場合は、用量を適当に適応させなければならない。
好ましい変型では、特に併用療法として、例えば顕性結腸癌のような疾患の化学療法(例えば5−フルオロウラシルを使用)による治療のための少なくとも1つの別の作用物質と組み合わせた使用が考えられる。
ヒトまたは動物の身体へのとりわけ治療または予防に有効な用量の酪酸エステルの、とりわけ経口的または経腸的投与を含む、特に胃腸管の疾患の治療または予防のための方法も発明の対象である。
ヒトまたは動物の身体の特に胃腸管の疾患の治療または予防薬として、上記の酪酸エステルの少なくとも1つを少なくとも1つの作用物質として含む医薬組成物も発明の対象である。
食物、食品、嗜好品および動物飼料中の作用物質としての、とりわけヒトまたは動物の身体の疾患、特に胃腸管の疾患の治療または予防薬の製造のための、上記の酪酸エステルの使用も本発明の対象である。
本発明に関連して「食物」とは、特に栄養価を有し、ヒトまたは動物の身体の部分的または完全な栄養に役立つとりわけ食品、嗜好品および動物飼料を意味する。また特殊食、例えば幼児食、ダイエット食品、経腸栄養のための特殊食などをも意味する。また動物飼料、すなわち小動物および大型家畜分野の動物、例えば農耕用有用動物、競争馬、さらには家畜、動物園飼育動物およびペット動物のためのあらゆる種類の食物をも意味する。本発明によれば、食物は濃縮物、原料または半製品である。この場合食物とは飲料、例えばアルコール飲料、清涼飲料、サイダー、果汁飲料、レモネード、エナジードリンク、果汁、発酵前の果実酒、果肉飲料、コーヒー、ココア、牛乳、ミネラル飲料、茶、煎液飲料およびアルコール飲料、例えばビール、栄養ビール、ビール混合飲料、サワーミルク飲料(ケフィア、馬乳酒等)、ワイン、果実ワイン(アップルワイン等)をも意味する。
本発明に基づき使用される少なくとも1つの上記の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物を含む組成物、特に食品、飼料または医薬品も本発明の対象である。好ましい実施形態においては、組成物に少なくとも1つの別の成分が含まれている。この成分は下記から選ばれる。すなわち、
炭水化物ポリオール、とりわけマンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト、1,6−GPS、1,1−GPS、1,1−GPM、水素化デンプン水解物、水素化グルコースシロップおよびこれらの混合物;
炭水化物、とりわけ単糖、二糖、オリゴ糖、多糖およびこれらの混合物;
可溶性および/または不溶性のバラスト物質、とりわけプレバイオティクスおよび/またはブチロジェニックバラスト物質、特に難消化性デンプン、加工デンプン、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、トランスガラクトシル化オリゴ糖、例えば6’ガラクトシルラクトースまたは4’ガラクトシルラクトース、ラクツロース、ラクトビオン酸、マルトビオン酸、キシロオリゴ糖、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、グルコシルスクロース、ダイズオリゴ糖、キトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、ペクチン、ペクチンオリゴ糖、縮合オリゴ糖、カラメル製品、ガラクトマンナンオリゴ糖、フコース含有オリゴ糖、フコース誘導体含有オリゴ糖、ピロデキストリン、部分水解グァーガム、糖類の部分加水分解、水素化、酸化、酵素的、かたは化学的改質によって得られるその変型、および特にカラスムギ、コムギ、野菜(例えばトマトまたはエンドウマメ)、果実(例えばリンゴおよびブドウ)、イナゴマメの実の繊維素またはセルロース;
短鎖脂肪酸、とりわけ酪酸、プロピオン酸、酢酸、乳酸;
酪酸グリセリンエステル、とりわけ三酪酸グリセリン、二酪酸グリセリン、一酪酸グリセリン;および
アシル化デンプン、とりわけブチリル化デンプン。
別の変型では、組成物は上記の成分の少なくとも2つ、特に少なくとも1つの炭水化物と少なくとも1つの炭水化物ポリオールの混合物を含む。
下記から選ばれたこのような食品も本発明の対象である。すなわち、
乳製品およびミルク製品、例えばチーズ、バター、ヨーグルト、ケフィア、クオーク、サワーミルク、バターミルク、クリーム、コンデンスミルク、ドライミルク、ホエー、乳糖、乳タンパク質、混合乳、半脂乳、ホエーミックスまたは乳脂製品または調理品;
乳脂製品、混合脂肪製品、食用脂および食用油;
プリン、クリーム、ムースおよびその他のデザート;
ベーキング製品、例えばクッキーをはじめとするパンおよびケーキ類、保存ベーキング製品、ビスケット製品およびワッフル;
スプレッド、特に脂肪含有スプレッド、マーガリン製品およびショートニング;
インスタント製品および醸造品;
果実製品または調理品、例えばジャム、マーマレード、ゼリー、果物缶詰、果実パルプ、果実ピューレ、果汁、濃縮果汁、果肉飲料および果実粉末;
シリアル、ミューズリーおよびシリアル混合物ならびに調理済みシリアル含有製品、例えばミューズリーバーおよびブレックファースト製品;
非アルコール飲料、飲料素材および粉末飲料;
菓子、例えばチョコレート、ハードキャラメル、ソフトキャラメル、チューインガム、キャンディー、フォンダン製品、ゼリー製品、甘草エキス、マシュマロ、フレーク、糖果、圧縮製品、砂糖漬け果実、クロカン、ヌガー製品、アイスキャンデー、マルチパン、アイスクリーム。
それらから誘導されたダイエット特殊食および経腸栄養も、本発明の対象である。
最後に、上記の酪酸エステルの少なくとも1つを含む、飼料例えば動物食餌、動物食餌の予備混合物、高デンプン飼料、濃厚飼料および強力飼料としての組成物も本発明の目的である。こうして特に畜産および食肉産業で、ヒトや動物に無害で腸疾患の予防および治療を可能にし、または促進することができる。
本発明は好ましくは、酪酸エステルまたはその混合物の、経腸栄養のための製品での、およびサプリメントまたは栄養補充剤としての使用を提供する。
下記の実施例と図面に基づき発明を詳述する。但しこれを限定的と解すべきでない。
実施例1:ソルビトールをベースとする酪酸エステル(置換度3)
攪拌容器で、100gのソルビトール(0.55モル)を、260.6gの無水酪酸(1.65モル)に懸濁した。懸濁液を160℃に加熱した後、混合物を2時間さらに攪拌した。反応の終了後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例2:ソルビトールをベースとする酪酸エステル(置換度4)
攪拌容器で、100gのソルビトール(0.55モル)を、347.4gの無水酪酸(2.2モル)に懸濁した。懸濁液を160℃に加熱した後、混合物を2時間さらに攪拌した。反応の終了後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例3:ソルビトールをベースとする酪酸エステル(置換度6)
攪拌容器で、100gのソルビトール(0.55モル)を、521.1gの無水酪酸(3.3モル)に懸濁した。懸濁液を160℃に加熱した後、混合物を4時間さらに攪拌した。反応の終了後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例4:ソルビトールをベースとする酪酸エステル(置換度4)
攪拌容器で、100gのソルビトール(0.55モル)を、290.2gの酪酸(3.3モル)に懸濁し、160℃に加熱した。この温度で混合物に0.6gのシュウ酸スズを混合し、さらに6時間還流のもとで攪拌した。反応が終了し、触媒を除去した後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例5:ソルビトールをベースとする酢酸−酪酸エステル(置換度6)
攪拌容器で、100gのソルビトール(0.55モル)を、290.2gの酪酸(3.3モル)に懸濁し、160℃に加熱した。この温度で混合物に0.6gのシュウ酸スズを混合し、さらに6時間還流のもとで攪拌した。次に調合物に112.1gの無水酢酸(1.1モル)を混合し、さらに1時間還流した。反応が終了し、触媒を除去した後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例6:イソマルトをベースとする酪酸エステル(置換度5)
攪拌容器で、50gのイソマルト(0.14モル)を、131gの無水酪酸(0.83モル)に懸濁した。懸濁液を160℃に加熱した後、混合物を2時間さらに攪拌した。反応の終了後に、過剰の酸を減圧下で除去した。生成物として透明な淡黄色のシロップを得た。
実施例7:キシリトールをベースとする酪酸エステル(置換度3)
攪拌容器で、100gのキシリトール(0.66モル)を、312.2gの無水酪酸(1.97モル)に懸濁し、160℃に加熱した。160℃で2時間の反応時間の後に、過剰の酸を減圧下で除去し、生成物はほぼ無色のシロップとして単離された。
実施例8:炭水化物および炭水化物ポリオールの酪酸エステルのin vitro消化率
炭水化物ポリオールの酪酸エステルの小腸安定性の研究のために、以下に列挙する酪酸エステルを膵臓および小腸のリパーゼおよびエステラーゼとともにインキュベートした:
a.トリブチリルキシリトール
b.テトラブチリルキシリトール
c.ペンタブチリルキシリトール
d.トリブチリルソルビトール
e.テトラブチリルソルビトール
f.テトラブチリルジアセチルソルビトール
g.ヘキサブチリルソルビトール
h.ペンタブチリルイソマルト
i.ヘプタブチリルジアセチルイソマルト
j.オクタブチリルイソマルト。
小腸粘膜の酵素調製物
ブタの小腸から小腸エステラーゼを単離した。そのために、屠殺したばかりのブタの長さ18mの小腸を6×3mの部分に分割し、個々の部分の粘膜を細切し、Ultraturraxでホモジナイズした。続いて遠心した後、溶解した上清中にエステラーゼを得た。全小腸にわたってエステラーゼ活性を検出することができ、最高の活性は部分4(9〜12m)に所在した。
小腸安定性の研究
20mgのトリブチリン(対照物質)または酪酸エステルを、1680μLの100mMリン酸緩衝液、pH7.5中で4mgのタウロコール酸とともに乳化し、220μLの0.06%パンクレアチン溶液および100μLのエステラーゼ活性を有する粘膜上清(上記を参照)と混合し、37℃で3時間攪拌しつつインキュベートした。反応終了時に、放出されたブチラートをガスクロマトグラフィーで測定した。
結果
対照トリブチリンはインキュベーション条件のもとで最大限、すなわちモノブチラート段階まで分解された。
図1に、個々の酪酸エステルの、標準偏差(n=2)を含む加水分解率を示す。完全にエステル化したポリオール(ヘキサブチリルソルビトール、テトラブチリルジアセチルソルビトール、オクタブチリルイソマルトおよびヘプタブチリルジアセチルイソマルト)は0〜2.1%しか加水分解されなかった。それとともにペンタブチリルイソマルトおよびトリブチリルソルビトールも酵素分解に対して耐性があることが証明された。テトラブチリルソルビトールならびにトリブチリルキシリトール、テトラブチリルキシリトールおよびペンタブチリルキシリトールから10.7〜22.4%のブチラートが放出された。全体として結果が示すところでは、炭水化物ポリオールの酪酸エステルは小腸通過時にまったくまたはわずかしか加水分解されず、従って小腸で安定である。
胃通過の際の酸安定性をpH2.0、37℃で3.5時間のインキュベーションによって決定した。
乳化剤としてタウロコール酸を加えた1%懸濁液から、最大利用可能なブチラートの0〜0.43%が放出されたに過ぎない。従って酪酸エステルは胃でも安定である。
実施例9:キシリトール、ソルビトールまたはイソマルトの酪酸エステルのin vitro発酵
ヒトの大腸の腸内細菌によるin vitro発酵実験で、上記の酪酸エステルが大腸細菌またはその酵素によって加水分解され、代謝されるか、および大腸でブチラートが放出されるかを調べた。
培地
in vitro発酵実験のために次の培地を使用した。
トリプトン 1.5 g/L
酵母抽出物 1.0 g/L
KHPO 0.24 g/L
NaHPO 0.24 g/L
(NHSO 1.24 g/L
NaCl 0.48 g/L
MgSO×7HO 0.10 g/L
CaCl×2HO 0.06 g/L
FeSO×7HO 2 mg/L
レサズリン 1 mg/L
システイン/HCl 0.5 g/L
ビタミン溶液(DSM141による) 0.5 ml/L
微量元素溶液(DSM141による) 9.0 ml/L
NaHCO 2.0 g/L
pH7.0。
酪酸エステルによる腸内細菌の培養
9mLの上記の嫌気性培地に0.5%(w/v)の被検酪酸エステルおよび0.2%(w/v)のタウロコール酸を混合した。続いて還元剤として0.5g/Lのシステイン/HClを加えた嫌気性50mmol/Lリン酸緩衝液、pH7.0中の1mLの10%糞便懸濁液(3人の被験者の混合糞便)をこの培地に接種した。Hungate試験管を37℃で振とうしつつ72時間インキュベートし、様々な時点で試料を採取し、その短鎖脂肪酸、乳酸およびpH値を調べた。被検物質の代謝の計測はブチラートの放出を測定することによって行った。
結果
表1:in vitro発酵試験でのブチラート生成の収支
物質 エステル化度 gブチラート/g基質 x倍勾配
イソマルト − 0.2 −
ペンタブチリルイソマルト 55% 0.2 1.3
オクタブチリルイソマルト 88% 0.1 0.5
ヘプタブチリルジアセチルイソマルト 100% 0.1 0.4
ソルビトール − 0.3 −
ヘキサブチリルソルビトール 100% 0.2 0.8
テトラブチリルソルビトール 67% 0.7 2.7
テトラブチリルジアセチルソルビトール 100% 0.3 1.0
トリブチリルソルビトール 50% 0.7 2.8
キシリトール − 0.3 −
ペンタブチリルキシリトール 100% 0.4 1.5
テトラブチリルキシリトール 80% 0.7 2.5
トリブチリルキシリトール 60% 0.6 2.2
Noverlose 240の難消化性デンプン − 0.2 −
*=発酵培地と、非エステル化炭水化物または炭水化物ポリオールとのブチラート濃度上昇の比較
(a)イソマルトの酪酸エステルの発酵
表1で明らかなように、イソマルトの発酵で約0.2gブチラート/g基質が生成された。オクタブチリルジアセチルイソマルトまたはヘプタブチリルジアセチルイソマルトの発酵では、それぞれ約0.1gブチラート/g基質が得られた。すなわち、これらの物質からは追加のブチラートがほとんど放出されなかった。ペンタブチリルイソマルトの発酵では、0.2gブチラート/g基質が生成された。
(b)ソルビトールの酪酸エステルの発酵
トリブチリルソルビトールまたはテトラブチリルソルビトールの発酵では、短い発酵時間の後に、すでに発酵液中のブチラートの急激な増加を観察することができた。72時間後に、0.7gブチラート/g基質の値が検出されたが、非エステル化ソルビトールの発酵では0.3gブチラート/g基質が生じたに過ぎない(表1)。こうしてトリブチリルソルビトールまたはテトラブチリルソルビトールのブチラート生成は、非エステル化ソルビトールの発酵の2倍以上であった。
ヘキサブチリルソルビトールは、腸内細菌による代謝がトリブチリルソルビトールまたはテトラブチリルソルビトールより少なかった。このことは0.2gブチラート/g基質のわずかなブチラート生成で証明される。
(c)キシリトールの酪酸エステルの発酵
テトラブチリルキシリトールの腸内細菌による発酵は、非エステル化キシリトールの発酵の場合の0.3gに対して、0.7gブチラート/g基質のブチラート生成をもたらした。この値はブチラート生成の2倍以上の増加に相当する。トリブチリルキシリトールまたは完全にエステル化したペンタブチリルキシリトールからも、非エステル化炭水化物ポリオールに比して多量のブチラートが放出された(表1)。
結果が示すところでは、ヒト腸内細菌によるin vitro発酵実験で炭水化物ポリオールの酪酸エステルを使用すれば、非エステル化炭水化物または難消化性デンプンの発酵で得られるブチラート生成に対して、ブチラート生成を3倍以上に高めることができる。炭水化物または炭水化物ポリオールの酪酸エステルは大腸のための小腸安定性ブチラート担体として適しており、トリブチリルソルビトール、テトラブチリルソルビトールおよびテトラブチリルキシリトールは、高いブチラート生成に基づき特に好適である。
実施例10:トリブチリルソルビトールのアルギン酸ナトリウムカプセル封入
攪拌容器の中で、3gのアルギン酸ナトリウムを82gの完全脱塩水中に激しく攪拌して溶解した。この溶液に15gのトリブチリルソルビトールを加え、均質に混合した。アルギン酸ナトリウム・酪酸エステル混合物をジェットカッターで100mmol/LのCaCl溶液に注入した。直径50μm以下のビーズが生じた。再架橋のためにビーズを液中に2時間放置し、続いてふるい分けし、水で洗浄した。ビーズは湿ったまままたは流動床乾燥装置での乾燥の後に使用することができる。
実施例11:トリブチリルソルビトールのペクチン酸カプセル封入
75gの3%(w/w)ペクチン酸ナトリウム溶液を完全な溶解のために沸騰するまで熱した。続いて溶液を40℃に冷却した。冷却した溶液に15gのトリブチリルソルビトールを加え、均質に混合した。この混合物を噴霧装置により2%6水和塩化マグネシウム溶液中に細かく吹き込んだ。球(スフェア)が生じた。球をMgCl溶液中に1時間放置した。続いて球をふるい分けし、水で洗浄した。
実施例12:テトラブチリルソルビトールのアルギン酸ナトリウムカプセル封入
攪拌容器の中で、3gのアルギン酸ナトリウムを82gの完全脱塩水に激しく攪拌して溶解した。この溶液に15gのトリブチリルソルビトールを加え、均質に混合した。アルギン酸ナトリウム・酪酸エステル混合物をジェットカッターで100mmol/lのCaCl溶液に注入した。直径50μm以下のビーズが生じた。再架橋のためにビーズを液中に2時間放置し、続いてふるい分けし、水で洗浄した。ビーズは湿ったまままたは流動床乾燥装置での乾燥の後に使用することができる。
実施例13:テトラブチリルソルビトールのペクチン酸カプセル封入
75gの3%(w/w)ペクチン酸ナトリウム溶液を完全な溶解のために沸騰するまで熱した。続いて溶液を40℃に冷却した。冷却した溶液に15gのテトラブチリルソルビトールを加え、均質に混合した。この混合物を噴霧装置により2%6水和塩化マグネシウム溶液中に細かく吹き込んだ。生じた球をMgCl溶液中に1時間放置した。続いて球をふるい分けし、水で洗浄した。
実施例14:流動床アグロメレーション
流動床アグロメレーターで5kgの微粉砕したイソマルトSTを壁部材料(粒度90%<50μm)として導入し、流動化する。続いてジブチリルソルビトール、トリブチリルソルビトールおよびテトラブチリルソルビトールからなる1200gの噴霧液(エステル800gおよび水400g)を1時間にわたってかける。次に噴霧液を替えて、500gの20%イソマルト溶液を外側の層構造として噴霧により塗布する。生成物を含水量5.4%まで乾燥させる。
実施例15:酪酸エステル入りスプレッド
マーガリンの配合表
95gのマーガリンをシェーカーの中に室温で2時間静置する。5gの酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステルを加え、ミキシングバーで均質な生地が生じるまで2分間混合する。続いて生地を6〜10℃で保存する。
ヘーゼルナッツスプレッドの配合表
45g 砂糖
10g ヘーゼルナッツペースト
7.5g 脱脂粉乳
7.5g ココア粉末
24g 脂肪
5g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
1g レシチン
レシチンおよび酪酸エステルを除く配合材料を混合する。生地を3段ロール装置で20〜25μmの粉末度が得られるまで練る。レシチンと酪酸エステルを生地に加える。均質な、塗り広げ可能な生地が生じるまで混合する。
実施例16:プリンおよびクリーム
ビスケットクリームの配合表
50g 砂糖
25g 硬化植物脂肪
5g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
0.47g 塩
0.03g バニリン
3g 粉乳
6g ココア
10.1g マルトデキストリン(エステル化度10)
脂肪と酪酸エステルを柔軟なペーストになるまで混合する。粉末状の配合材料をこれに加え、均質なペーストが生じるまで、約10〜12分間混合する。
デザートクリームの配合表
310g 砂糖
110g 脱脂粉乳
37g コーンスターチ
25g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
13g カラギーナン
5g バニラ香料
2500ml 全乳
酪酸エステルを除くすべての成分をよく混ぜ合わせる。全乳の一部に粉末をなめらかにかき混ぜ、酪酸エステルを加える。残りの牛乳を煮立てる。粉末混合物を沸騰する牛乳にかき混ぜ、煮立てる。容器に入れて、食べるまで冷蔵する。
実施例17:牛乳産品および製品
ラズベリー入りヨーグルトクリームの配合表
450g 全乳ヨーグルト
300g ラズベリー
10g ゼラチン
50g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
50g 砂糖
20g レモンジュース
20g 全乳
100g クリーム
ゼラチンを軟化する。ヨーグルト、砂糖、酪酸エステル、レモンジュースおよび全乳をなめらかにかき混ぜる。ゼラチンを溶かして加える。クリームを硬く泡立て、生地の下に敷く。ラズベリーを深皿に入れ、その上にヨーグルト生地を加える。
実施例18:菓子
ミルクチョコレートの配合表
40g 砂糖
12g カカオマス
20g カカオバター
5g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
20g 全粉乳
2g ヘーゼルナッツペースト
0.9g レシチン
0.1g バニリン
砂糖とカカオマス、カカオバターの半量、全粉乳およびヘーゼルナッツペーストをチョコレートミキサーで均質な混合物に加工する。混合物を所望の粉末度に粉砕する。コンシェで残りのカカオバターおよびふるったココア粉末を最高70℃で約18〜24時間コンチングする。レシチン、酪酸エステルおよびバニリンをコンチングの終了の1時間前に加える。生地をテンパリングして板状にする。
実施例19:ベーキング製品
クロワッサンの配合表
25g 酵母
250g クリーム
50g 酪酸エステルまたはマイクロカプセル入り酪酸エステル
50g 砂糖
400g 小麦粉、550型
0.15g 塩
200g マーガリン
50g 卵黄
酵母、微温のクリーム、ひとつまみの塩およびひとつまみの小麦粉をかき混ぜる。練粉を10分間静置する。その他の配合材料をこね混ぜ、20分間静置する。練粉をよくこねて延ばし、15個の三角形を切り取り、巻いてクロワッサンにする。短時間の間膨張させ、200℃で10分間焼成する。
文献
Figure 2009509999
Figure 2009509999
Figure 2009509999
種々の酪酸キシリトール、ソルビトールまたはイソマルトエステルの消化率のグラフを示す。 種々の基質を使用した腸内細菌によるin vitro発酵時のブチラート生成と時間の関係のグラフを示す。

Claims (23)

  1. ヒトまたは動物の身体の胃腸管のブチラート源としての、炭水化物、炭水化物ポリオールまたは炭水化物/炭水化物ポリオール混合物の酪酸エステルもしくは酪酸エステル混合物の使用。
  2. ヒトまたは動物の身体の胃腸管の疾患の治療または予防のための、請求項1に記載の使用。
  3. ヒトまたは動物の身体の大腸のブチラート源としての、請求項1に記載の使用。
  4. ヒトまたは動物の身体の後部大腸のブチラート源としての、請求項1に記載の使用。
  5. 少なくとも1つの酪酸エステルが3〜4の置換度(DS)を有する、請求項1に記載の使用。
  6. 少なくとも1つの酪酸エステルが部分的にエステル化されている、請求項1に記載の使用。
  7. 部分的にエステル化された酪酸エステルが50〜80%のエステル化度を有する、請求項6に記載の使用。
  8. 炭水化物および/または炭水化物ポリオールが、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の使用。
  9. 炭水化物ポリオールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト、1,6−GPS、1,1−GPS、1,1−GPM、水素化デンプン水解物、水素化グルコ−スシロップおよびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の使用。
  10. 炭水化物ポリオールが、1,6−GPS、1,1−GPS、1,1−GPMおよびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の使用。
  11. 酪酸エステルが、トリブチリルソルビトール、テトラブチリルソルビトール、トリブチリルキシリトールおよびテトラブチリルキシリトールならびにペンタブチリルイソマルトから選択される、請求項1に記載の使用。
  12. 酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物が、経口的または経腸的にヒトまたは動物の身体の胃腸管に投与される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物が、マイクロカプセルに封入した形で投与される、請求項12に記載の使用。
  14. マイクロカプセル封入法が、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、流動床アグロメレーション、押出しおよび微粒化から選択される、請求項13に記載の使用。
  15. 酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物がマクロカプセルに封入した形で投与される、請求項12に記載の使用。
  16. ヒトまたは動物の身体の胃腸管の疾患の治療または予防用の薬剤の製造のための、場合によってはマイクロカプセルまたはマクロカプセルに封入した形の、請求項1〜15に記載の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物の使用。
  17. 場合によってはマイクロカプセルまたはマクロカプセルに封入した形の、請求項1〜15に記載の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物の、ヒトまたは動物の身体への、とりわけ経口的または経腸的投与を含む、胃腸管の疾患の治療または予防のための方法。
  18. ヒトまたは動物の身体の疾患の治療または予防のための作用物質として、場合によってはマイクロカプセルまたはマクロカプセルに封入した形の、請求項1〜15に記載の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物を含む医薬組成物。
  19. 場合によってはミクロまたはマクロカプセルに封入した形の、請求項1〜15に記載の酪酸エステルまたは酪酸エステル混合物の、食品の製造のための使用。
  20. 以下のもの:
    (a)場合によってはマイクロカプセルまたはマクロカプセルに封入した形の、請求項1〜15に記載の少なくとも1つの酪酸エステル、
    (b)i. 炭水化物ポリオール
    ii. 炭水化物
    iii.可溶性および/または不溶性のバラスト物質
    iv. 短鎖脂肪酸
    v. 酪酸グリセリンエステルおよび
    vi. アシル化デンプン
    から選択される少なくとも1つの別の成分
    を含む組成物、特に食品。
  21. 別の成分が
    i. マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト、1,6−GPS、1,1−GPS、1,1−GPM、水素化デンプン水解物、水素化グルコースシロップおよびこれらの混合物
    ii. 単糖、二糖、オリゴ糖、多糖およびこれらの混合物
    iii.可溶または不溶のバラスト物質、特にプレバイオティクスおよび/またはブチロジェニックバラスト物質、難消化性デンプン、加工デンプン、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、トランスガラクトシル化オリゴ糖、例えば6’ガラクトシルラクトースまたは4’ガラクトシルラクトース、ラクツロース、ラクトビオン酸、マルトビオン酸、キシロオリゴ糖、ラクトサッカロース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、グルコシルサッカロース、大豆オリゴ糖、キトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、ペクチン、ペクチンオリゴ糖、縮合オリゴ糖、カラメル製品、ガラクトマンナンオリゴ糖、フコース含有オリゴ糖、フコース誘導体含有オリゴ糖、ピロデキストリン、部分水解グァーガム、糖類の部分加水分解、水素化、酸化、酵素的、化学的改質によって得られるその変型および特にカラスムギ、コムギ、野菜例えばトマトまたはエンドウマメ、果実例えばリンゴおよびブドウ、イナゴマメの実の繊維素またはセルロース
    iv. 酪酸、プロピオン酸、酢酸、乳酸
    v. グリセリントリブチラート、グリセリンジブチラート、グリセリンモノブチラートおよび
    vi. ブチリル化デンプン
    から選択される、請求項20に記載の組成物。
  22. 組成物が食品であり、
    乳製品およびミルク製品、例えばチーズ、バター、ヨーグルト、ケフィア、クオーク、サワーミルク、バターミルク、クリーム、コンデンスミルク、ドライミルク、ホエー、乳糖、乳タンパク質、混合乳、半脂乳、ホエー混合物または乳脂製品または調理品
    プリン、クリーム、ムースおよびその他のデザート、
    乳脂製品、混合脂肪製品、食用脂肪、食用油
    ベーキング製品、例えばクッキーを含むパンおよびケーキ類、保存ベーキング製品、ビスケット製品およびワッフル
    スプレッド、特に脂肪含有スプレッド、マーガリン製品およびショートニング
    インスタント製品および醸造品
    果実製品または調理品、例えばジャム、マーマレード、ゼリー、果物缶詰、果実パルプ、果実ピューレ、果汁、濃縮果汁、果肉飲料および果実粉末
    シリアル、ミューズリーおよびシリアル混合物ならびに調理済みシリアル含有製品、例えばミューズリーバーおよび朝食用製品
    非アルコール飲料、飲料素材および粉末飲料
    菓子、例えばチョコレート、ハードキャラメル、ソフトキャラメル、チューインガム、キャンディー、フォンダン製品、ゼリー製品、甘草エキス、マシュマロ、フレーク、糖果、圧縮製品、砂糖漬け果実、クロカン、ヌガー製品、アイスキャンデー、マルチパン、アイスクリーム
    およびこれから誘導されたダイエット特殊食および経腸栄養
    から選択される、請求項20または21に記載の組成物。
  23. 組成物が、特に動物食餌、動物食餌の予備混合物、高デンプン飼料、濃厚飼料および強力飼料から選択される飼料である、請求項20または21に記載の組成物。
JP2008532674A 2005-09-28 2006-09-28 炭水化物および炭水化物ポリオールの酪酸エステル Withdrawn JP2009509999A (ja)

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