JP2009507763A - アルキル化アリールアミンの改良された合成法 - Google Patents

アルキル化アリールアミンの改良された合成法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般にアリールアミン及びアルキル化剤の組合せ物を含んでなるアリールアミンを、トリアルキルアルミニウム及びハロゲン化水素の存在下にアルキル化するための改良された方法並びに新規な触媒系に関する。本改良された方法並びに新規な触媒系は、置換生成物の選択率を犠牲にしないでアリールアミン原料のより高い転化率を可能にし、そして循環されたアルキレン原料の反応も可能にする。

Description

関連特許願
本特許願は、2005年6月2日付け米国暫定特許願第60/687182号及び2005年9月14日付け第60/717322号に基づき且つ優先権を主張する。
本発明は、一般に温度傾斜(ramp)法または穏やかな反応条件のいずれかにより、新鮮な原料または新鮮な及び循環された組合せ原料であるアルキレンをアリールアミンと反応させる、そしてトリアルキルアルミニウム及びハロゲン化水素を含んでなる新規な触媒系を利用する、ことを含んでなる改良されたアルキル化アリールアミンの製造法に関する。
アルキル化アリールアミンは種々の異なった用途がある。1つのそのような用途は、自動車及び工業用潤滑剤、合成、半合成、または天然ポリマー、特に熱可塑性プラスチック材料及び弾性体、油圧流体、金属加工流体、燃料、循環油、ギア油、及びエンジン油に対する酸化防止添加剤としてである。このような用途において、アルキル化アリールアミンは典型的には約0.05−約2重量%の濃度で添加剤として存在する。アルキル化アリールアミンは有機材料の、酸化、熱及び/または光により誘導される劣化に対する安定化に寄与する。特別なアルキル化アリールアミン、ノニル化ジフェニルアミン、は酸化劣化にさらされる有機製品を安定化させる添加剤として使用される。ノネン類(nonenes)はノニル化ジフェニルアミンの製造のためにジフェニルアミンと反応せしめられる。時にトリプロピレンとして言及されるノネン類は、異性体C9オレフィンの混合物である。それはジフェニルアミンと反応して、置換生成物、即ちモノー、ジー、及びトリーアルキル化ジフェニルアミンの混合物を与え、その他に反応溶液中にはいずれかの未反応のジフェニルアミンが残留する。しかし、ノニル化ジフェニルアミンの場合のように、ある特別な置換生成物がしばしば所望される。ジアルキル化アリールアミンはその例である。
アルキル化アリールアミンの製造法は多く知られている。その殆どは、アルケンを触媒の存在下にアリールアミンと反応させ、出発原料(アリールアミン)の転化率と特別な置換生成物の生成の両方を最大にすることを試みている。
ジフェニルアミンのアルキル化に三塩化アルミニウムを触媒として使用することは、技術的に確立されている。例えば特許文献1は、三塩化アルミニウム触媒を用いるノニル化ジフェニルアミン(nDPA)の製造を記述している。特許文献2及び3を参照。しかしながら、三塩化アルミニウムは、それが固体であるがゆえに、工業的規模での取り扱いが困難である。
同様に、ジフェニルアミンのアルキル化における粘土触媒の使用は技術的に公知である。例えば特許文献4は、酸性土触媒、特に酸性粘土を遊離のプロトン酸の不在下に用いるノニル化ジフェニルアミン、特にジノニル化ジフェニルアミンの混合物の製造法を記述している。特許文献5及び6も参照のこと。しかしながら、酸性粘土の固体触媒としての使用は、一般に効率が悪く、高温を必要とする。
米国特許第3,496,230号 米国特許第2,776,994号 米国特許第4,739,121号 米国特許第6,315,925号 米国特許第6,204,412号 米国特許第4,824,601号
発明の概略
通常のアルキル化アリールアミンへの合成ルートは、アリールアミンの、所望の置換生成物への高転化率を最大化する試みである。しかしながら、転化率の最大化は、しばしば所望の生成物の選択率を犠牲にして起こる。例えばアルキル化ジフェニルアミンの場合、より高い転化率は、典型的にはより高濃度のトリアルキル化置換生成物をもたらす。本明細書に開示される改良された方法及び新規な触媒系は、生成物の選択率を犠牲にしないでアリールアミン原料の転化率をより高くする。
これらの利点のほかに、本改良された方法及び新規な触媒系は、循環されたアルキレン原料の反応も可能にする。アルキレン原料は、典型的には異性体オレフィンの混合物を含んでなる。異性体オレフィン中の二重結合の位置は、その反応性を決定付ける。例えばビニル型(2,2−ジ置換)及び1,2,3−トリ置換型オレフィンの混合物において、ビニル型オレフィンはより速くアリールアミンと反応すると予測される。アルキレン原料は過剰に仕込まれるから、アルキレン供給物の未反応部分は、新鮮な原料よりも反応性の低い1,2,3−トリ置換型アルキレンをより高濃度で有するであろう。かくして、過剰のアルキレンを回収して循環する場合、その低反応性はより長い反応時間を必要とし、結果として望ましくない置換生成物を増大させる。
本発明の改良された方法は、一般にアルキレン供給物、完全に新鮮な供給物または新鮮な及び循環されたアルキレンの組合せ物のいずれかを仕込み、そしてこのアルキレン供給物を、トリアルキルアルミニウム及びハロゲン化水素を添加してアリールアミンと反応させることを含んでなる。全新鮮なアルキレン供給原料に対して置換生成物の全転化率を、選択率を犠牲にしないで最大化するためには、穏やかな反応温度、減少せしめたトリアルキルアルミニウム付加量、及び過剰のハロゲン化水素量が使用される。この過剰なハロゲン化水素は、触媒系のルイス酸性度を向上させる。新鮮な及び循環されたアルキレンの両方を含んでなるアルキレン供給物の場合、同様の結果は供給物の仕込み量を検討することによって達成される。最初に減じたトリアルキルアルミニウム付加量及び過剰のハロゲン化水素を用いて循環されたアルキレンを、初期のより高い反応温度で仕込んで、触媒系のルイス酸性を向上させる。循環されたアルキレンの最初の仕込みに続いて、新鮮なアルキレン供給物を添加し、先ずこれを最初の仕込み物の反応温度で反応させ、続いてより穏やかな反応温度に減じて望ましくない置換生成物の生成を抑制する。
本発明の新規な触媒系は、一般にトリアルキルアルミニウム化合物(Al(アルキル))及びハロゲン化水素の反応物への添加を含んでなる。他にハロゲン化ナトリウムまたは同様の化合物をハロゲン化物に対する原料として使用できるが、ハロゲン化水素は好適である。適当なトリアルキルアルミニウム化合物は独立に選択されるC−C直鎖または分岐鎖アルキル基を有する化合物を含む(即ち特別なトリアルキルアルミニウム化合物のアルキル基は同一である必要はない)。しかしながら、C−Cアルキル基を有するトリアルキルアルミニウム化合物は取り扱いが容易なために好適である。本新規な触媒系は、好ましくは炭素数4−28のアルキレン供給原料を反応させるために使用される。
発明の詳細な記述
以下の詳細な記述は一般にジフェニルアミンのアルキル化を記述するが、本明細書に記述される方法及び触媒系が他のアリールアミン、例えばアニリン類及び他の同様の化合物のアルキル化にも使用できることは同業者にとって明白であろう。
ジフェニルアミンのアルキル化に対する一般的な反応式をスキーム1に示す。これは、
トリアルキルアルミニウム化合物及びHClを添加してジフェニルアミンをアルキル化剤(アルキレン)と反応させるアルキル化ジフェニルアミンの生成例を示す。本発明の触媒系及び方法は4,4’−ジアルキルジフェニルアミンを主に生成させ、オルト−アルキル化生成物の量は少量に過ぎない。本発明に従って生成する生成物中の高度のパラ−アルキル化は、酸化、熱、及び/または光で誘導される劣化条件下において改良された使用性能を示す。ジアルキル化生成物のほかに、少量のトリアルキル化及びモノアルキル化ジフェニルアミンが生成する。
パラ−異性体生成の有利性は、立体電子的根拠に基づくと推定される。反応混合物で生成する活性触媒種は、1つまたはそれ以上のクロロ−ジアニリド型構造であると考えられる。機構はアニリンのオルトアルキル化に提案された機構に同様であってよい[G.エッケ(Ecke)ら、J.Org.Chem.,第22巻、639ページ、1957年]。
Figure 2009507763
一般に、アルキル化ジフェニルアミンは、ジフェニルアミン及びアルキル化剤(アルキレン)を、塩化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1、好ましくは少なくとも約4:1であるトリアルキルアルミニウム及びハロゲン化水素を添加して反応させることによって製造される。アルキル化剤とジフェニルアミンのモル比も変えることができるが、好ましくは約2:1−約4:1である。Al(アルキル)とジフェニルアミンのモル比も反応において変えることができるが、好ましくは約0.05:1−約0.25:1の範囲である。R,R’及びR”は、アルキル化剤のオレフィン異性体に対応して、好ましくは炭素数4−28の直鎖または分岐鎖アルキル基であってよい。
反応物を好ましくは約100−180℃で攪拌させる。約150℃において、約95%以上のジフェニルアミン転化率が約1時間以内に観察される。ジアルキル化生成物の濃度が上昇するにつれて、そのトリアルキル化生成物への反応が、事実上より減少するジフェニルアミンと競合し、特に時間及び/または温度上昇と共に顕著になる。
上述したように、新鮮な及び循環されたアルキレンの両方を含んでなるアルキル化剤を使用する場合、循環されたアルキル化剤が非常に低反応性であり、高い全転化率のために反応時間が長くなり及び/または必要な温度が高くなるために、望ましくない置換生成物がより多く生成する傾向がある。かくして、適当な生成物仕様を確実に維持するために、循環されるアルキレンが好ましくは全アルキレン供給物の約40%に制限される。この循環されたアルキレンは新鮮なアルキレンの添加前にジフェニルアミンと反応させ、このようにして芳香族環を反応性の低いオレフィンと強制的に反応せしめる。
本触媒系のある好適な具体例は、トリアルキルアルミニウム化合物及び気体HClをジフェニルアミンに添加することによって得られる。この気体HClは発熱するトリアルキルアルミニウム化合物及びジフェニルアミン混合物中へバブリングされる。効果的には、次の種の1つまたはそれ以上を含んでなる混合塩化アルキル触媒誘導体をその場で生成させる:AlCl,Al(アルキル)Cl,Al(アルキル)Cl,Al(アルキル)Cl,[Al(アルキル)Cl,[Al(アルキル)Cl,[Al(アルキル)Cl,及び[Al(アルキル)Cl。このイオン種の存在は、特に過剰のHClの存在下においてルイス酸性を高めることにより、反応速度を加速する。上記の種は反応機構において重要であるから、モノー及び/またはジーアルキル/ハライドアルミニウム化合物は触媒系におけるトリアルキルアルミニウム化合物に対する代替物として使用しうる。
ノニル化ジフェニルアミンの製造には次の一般的な方法を使用した。
反応ガラス容器を使用前に窒素でパージし、反応を窒素下に行った。一般的なモル供給物比は、C:DPA=2.89;TEA:DPA=0.157;Cl:Al(触媒)=〜3.3−3.5であった。
500mlの沸騰するフラスコに、ジフェニルアミン(DPA)85gを添加した。フラスコを窒素で5分間パージし、60℃まで加熱してDPAを溶融した。フラスコに取り付けた滴下カラムに、ノネン類(C)183gを添加した。適切に注意し且つ移しかえ技術を用いて、トリエチルアルミニウム(TEA)9gを反応フラスコに移し、次いで直ぐに滴下カラムからノネン類を添加した。激しく攪拌した後、意図する量のHCl(気体)をフラスコ中の反応混合物にバブリングした。反応物を3時間150℃に加熱し、サンプルを時間=0,1.5,及び3時間において採取した。次いで反応器を冷却し、粗生成物を傾斜し、秤量した。
実施例1A−1Lは、TEA+HClを触媒系として使用して、一般法に従った。これらの反応物量及び反応時間における変化を表1に要約する。各反応は僅かな窒素の正圧下に150℃で行った。
Figure 2009507763
ドライボックスにおいて、循環されたノネン類36.0g(0.28モル、全ノネン類必要量の〜20%)及び新鮮なオレフィン(全体で78g、〜0.62モル)42.0g(0.33モル)の混合物を含む1リットルの丸底フラスコにTEA(10g、0.088モル)を仕込んだ。フラスコをフードに移し、すばやくDPA(85.0g、0.50モル)を添加し、窒素雰囲気下にHClをバブリングしつつ攪拌した。反応器は攪拌棒、熱電対を備え、冷却コンデンサーに連結されていた。
HCl約30g(0.82モル、Cl/Al比=〜9.3)を10分間にわたって仕込んだ。このとき発熱(136℃)が見られた。加熱を150℃に設定した。反応温度が150℃に達したとき、GC分析はDPAの、殆どモノノニル化された物質混合物への転化率〜67%を示した。トリアルキル化生成物は生成しなかった。
次いで必要とされる2.9当量のノネン類(新鮮なオレフィン105g、0.83モル、全仕込みノネン類=〜183g、〜2.9当量)の残りを、150℃に加熱しながら17分間にわたって添加した。すべてのノネン類添加1時間後、GC分析はDPAの生成物への転化率〜98%を示した。加熱2時間後、DPAの転化率は僅かに〜98.4%まで増加した。ここで加熱を停止した。
反応混合物を、25重量%の苛性ソーダ150g上に注いで急冷した。この有機層を、水性溶液と共に激しく振とうした後に分離し、次いで受器に連結され且つ熱電対と磁気攪拌子を備えた1リットルの丸底フラスコに移した。この粗混合物を、真空下にマントルヒーターを用いて約0.5時間徐々に加熱(150℃)し、過剰のノネン類及び残存水を除
去した。ドライアイスで冷却した受器で、乾燥ノネン類(MgSO)約56gを集めた。
NDPAを、熱い間に活性の塩基性酸化アルミニウム床20gを通して真空ろ過し、NDPA172gを淡褐色の油として得た。NDPA(ノニル化ジフェニルアミン)の窒素分析は3.86重量%であった。
単離した生成物をGCで分析した。表2の生成物分布は、本発明の触媒系及び方法を用いたときの高度パラーアルキル化を示した。
Figure 2009507763
ノネン類120g(0.95モル)を含む1リットルの丸底フラスコ(磁気攪拌子、熱電対、及び冷却コンデンサーを装備)にTEA(7.0g、61ミリモル)を仕込んだ。このノネン類/TEA混合物に固体のDPA(85.0g、0.50モル)を添加し、窒素雰囲気下にHClをバブリングしつつスラリーを攪拌した。
HCl約11.7g(0.32モル、Cl/Al比=〜5.2)を15分間にわたって仕込み、加熱温度を125℃に設定した。GC分析は加熱2時間以内にDPAの生成物への転化率が〜67%であることを示した。第3のノネン類(61g、全181g)を添加した。反応の経過を監視し、表3に要約する。すべてのノネン類の添加後、>99%のDPA転化率に対しては、加熱全15時間が必要であった。
機械的攪拌機を備えた別の1リットルの丸底フラスコにおいて、粗反応物を、25重量%の苛性ソーダ125g上にゆっくりと注ぎ、激しく混合(320rpm、25分間)し、そして2層に分離させた(30分間)。
有機層を、水性溶液と共に激しく振とうした後に分離し、次いでドライアイス冷却の受器に連結された短いコンデンサー及び磁気攪拌子を備えた1リットルの丸底フラスコに移した。淡褐色の反応物を、15mmHgの真空下に約0.5時間150℃まで徐々に加熱(マントルヒーター)し、過剰のノネン類及び残存水を除去した。43gの乾燥ノネン類(MgSO)を集めた。
Figure 2009507763
NDPAを活性な塩基性酸化アルミニウム(20g)を通して熱(130℃)時真空ろ過して、痕跡量の固体塩を除去した。単離したNDPA(179g)をGCで分析した。この結果を表4に示す。
Figure 2009507763
蒸留してリサイクルされたノネン類70.0g(0.55モル)を含む1リットルの丸底フラスコにTEA(7.0g、61mmol)を仕込んだ。DPA(85g、0.50モル)を添加し、スラリーを窒素雰囲気下に攪拌した。反応器は攪拌棒、熱電対を備え、これを冷却コンデンサーに連結した。
HCl約10.7g(0.466モル、Cl/Al比=〜7.6)を22分間にわたって仕込んだ。このとき発熱(101℃)が見られた。加熱温度を最初0.5時間150℃に設定し、循環されたオレフィンの反応を保障した。次いで新鮮なノネン類(113g、全オレフィン183g)を14分間にわたって穏やかに還流する反応混合物へ添加した。GC分析はノネン類の添加終了直後DPAの転化率が92.1%であることを示した。
直ぐに加熱を125℃に設定し、反応の経過を上記実施例のようにGCで監視した。この結果を表5に示す。DPA転化率99%以上には、すべてのノネン類の添加後加熱全15時間が必要であった。
Figure 2009507763
機械的攪拌機を備えた別の1リットルの丸底フラスコにおいて、粗反応物を、25重量%の苛性ソーダ125g上にゆっくりと注ぎ、激しく混合した(320rpm、40分間)。30分間放置して、2層に分離させた。
有機層を、磁気攪拌子及びドライアイス冷却の受器に連結された短いコンデンサーを備えた1リットルの丸底フラスコに移した。この反応物を、12mmHgの真空下に約0.5時間150℃まで徐々に加熱し、過剰のノネン類及び残存水を除去した。43gの乾燥ノネン類(MgSO)を集めた。
NDPAを活性な塩基性酸化アルミニウム(20g)を通して熱(125℃)時真空ろ過して、痕跡量の固体塩を除去した。単離したNDPA(182g)をGCで分析した。この結果を表6に示す。
Figure 2009507763
ノネン類61g(0.48モル)を含む1リットルの丸底フラスコ(磁気攪拌子、熱電対、及び冷却コンデンサーを装備)にTEA(10.0g、61ミリモル)を仕込んだ。このノネン類/TEA混合物にDPA(85.0g、0.50モル)を添加し、窒素雰囲気下に気体HClを間断的にバブリングしつつ攪拌した。
HCl約11.9g(0.32モル、Cl/Al比=〜3.7)を最初30分間にわたって仕込んだ。加熱温度を最初150℃に設定し、その温度に約11分間加熱した。第2
の当量のノネン類(61g、全122g)を10分間にわたって添加し、150℃での加熱を1時間続けた。この時点で添加した全HClは13.5g(Cl/Al=〜4.2)であった。粗反応混合物のGC分析は転化率〜94%を示した。第3のノネン類(61g、全183g)を迅速に添加し、温度を140℃に再設定し、1時間加熱した。GC分析は転化率〜98.1%を示した。トリアルキル化DPAが少量生成した。次いで更にHClの2.1g(全15.6g、Cl/Al=〜4.9)をバブリングしつつ140℃での加熱を第2の時間継続した。DPAの転化率は98.6%まで上昇した。
第4の、最後のノネン類部分(61g、全244g、当量〜3.86)を8分間にわたって添加した。反応温度を130℃に再設定し、約2時間加熱し、転化率99%超を得た(加熱6時間以下)。
機械的攪拌機を備えた別の1リットルの丸底フラスコにおいて、粗反応物を、25重量%の苛性ソーダ125g上にゆっくりと注ぎ、激しく混合(320rpm、30分間)した。そして2層に分離させた。有機層を、磁気攪拌子及びドライアイス冷却の受器に連結された短いコンデンサーを備えた1リットルの丸底フラスコに移した。
褐色の反応物を、11mmHgの真空下に約0.5時間150℃まで徐々に加熱(マントルヒーター)し、過剰のノネン類及び残存水を除去した。
粗NDPAを活性な塩基性酸化アルミニウム(20g)を通して熱(85℃)時真空ろ過して、痕跡量の固体塩を除去した。単離したNDPA(178g)をGCで分析した。DPAの濃度は0.49重量%であり、トリアルキル化DPAの濃度は9.56%であった。
ジフェニルアミン85g(DPA,0.50モル)、プロピレンテトラマー(C12オレフィン)210g(〜1.25モル)、TEA1.0Mヘプタン溶液80ml(0.08モル)を、窒素雰囲気下に三つ口フラスコへ仕込んだ。HClガス(6g、0.16モル)を混合物中へバブリングし、反応物を150℃で4時間加熱した。GC分析で、DPA約90%の転化率が決定された。更にHCl(4g、0.11モル)をバブリングし、反応物を更に3時間加熱した。GC分析はDPAの転化率約94%を示した。過剰なプロピレンテトラマー40gを添加し、混合物を8時間加熱した。未反応のDPA約3%が反応混合物中に残存した。
25%水性NaOH溶液に注ぐことにより反応物を急冷し、次いで水(3x100ml)で洗浄した。有機層を180℃まで徐々に加熱して、水分、ヘプタン及び過剰のオレフィンを減圧下に除去して粘ちょうな褐色の油219gを得た。
マスターフレックス(Masterflex)供給ポンプを用いて水(2リットル)を加熱した(150℃)油の表面に0.5ml/分の速度でゆっくり供給することにより該油を真空下に水蒸気で追出して、DPAを殆ど除去した。DPAを、ドライアイスで冷却した受器フラスコ中に、凝縮した水と共に集めた。プロピレンテトラマー−DPAをGCで分析し、表7に示すデータを得た。
Figure 2009507763
ジフェニルアミン85g(DPA,0.50モル)、プロピレンテトラマー217g、EtAlCl(1.0Mヘプタン溶液50ml,0.05モル)及びAlCl(7.0g,0.05モル)の混合物を、窒素雰囲気下に三つ口フラスコへ仕込んだ。この反応物を2時間加熱したが、生成物は検知できなかった。HClガス(14gの全部、0.38モル)を混合物中へバブリングし、反応物を150℃で全9時間加熱した。苛性での処理及び過剰オレフィンの真空下での除去後、得られた油を、セライトを通してろ過した。得られた褐色油のGC分析の結果を表8に示す。
Figure 2009507763
上記実施例は、本発明の種々の観点及び具体例を限定するものではなく、単なる例示である。同業者は、本発明が言及した対象を遂行し且つその目的及び利点並びに固有のそれらを得るのに十分適当であることを容易に認識するであろう。同業者はある改変や他への転用を想定するであろうが、これらは特許請求の範囲で定義されるような本発明の精神に包含されるものである。

Claims (65)

  1. アリールアミン、アルキル化剤、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲン化水素を含んでなる材料から反応物を作り、そしてアルキル化アリールアミンを生成させる工程を含んでなる、アリールアミンのアルキル化法。
  2. ハロゲン化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1である、請求項1の方法。
  3. アルキル化剤とアリールアミンのモル比が約2:1−約4:1である、請求項1の方法。
  4. トリアルキルアルミニウムとアリールアミンのモル比が約0.05:1−約0.25:1である、請求項1の方法。
  5. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項1の方法。
  6. アルキル化剤炭素数4−28のアルキレンである、請求項1の方法。
  7. アルキル化剤が炭素数4−28の異性体オレフィンの混合物である、請求項1の方法。
  8. アルキル化剤がノネンの異性体混合物である、請求項7の方法。
  9. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項8の方法。
  10. トリアルキルアルミニウムのアルキル基が炭素数1−8である、請求項1の方法。
  11. トリアルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムである、請求項10の方法。
  12. ハロゲン化水素が塩化水素である、請求項1の方法。
  13. アリールアミン、アルキル化剤、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲン化水素を含んでなる材料から反応物を作り、
    この反応物を、約100−約180℃の温度に加熱しながら少なくとも約1時間混合せしめ、
    未反応のアルキル化剤の本質的にすべてを除去し、そして
    得られるアルキル化アリールアミンを単離する、
    工程を含んでなる、アリールアミンのアルキル化法。
  14. アルキル化剤が新鮮な、未反応のアルキレンである、請求項13の方法。
  15. トリアルキルアルミニウム及び全量の一部分のアルキル化剤を最初に組合せ、続いてアリールアミンを添加し、次いでハロゲン化水素を反応物中にバブリングさせる、請求項14の方法。
  16. アリールアミンをアルキル化剤及びトリアルキルアルミニウムと組合せ、続いてハロゲン化水素を反応物中にバブリングさせる、請求項14の方法。
  17. 反応物を最初の反応温度まで加熱し、続いてより低い反応温度まで冷却する、請求項14の方法。
  18. 反応物を約140−約180℃の最初の反応温度まで加熱する、請求項17の方法。
  19. 反応物を続いて約120−約140℃のより低い反応温度まで冷却する、請求項18の方法。
  20. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項19の方法。
  21. アルキル化剤がノネンの異性体混合物である、請求項20の方法
  22. トリアルキルアルミニウムのアルキル基が炭素数1−8である、請求項13の方法。
  23. トリアルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムである、請求項22の方法。
  24. ハロゲン化水素が塩化水素である、請求項13の方法。
  25. アルキル化剤が新鮮な、未反応のアルキレン及び循環されたアルキレンを含んでなる、請求項13の方法。
  26. トリアルキルアルミニウム及び全量の一部分のアルキル化剤を最初に組合せ、続いてアリールアミンを添加し、次いでハロゲン化水素を反応物中にバブリングさせる、請求項25の方法。
  27. アルキル化剤及びトリアルキルアルミニウムをアリールアミンと組合せ、続いてハロゲン化水素を反応物中にバブリングさせる、請求項25の方法。
  28. 最初に組合わせられるアルキル化剤の全量の一部分が循環されたアルキレンを含んでなる、請求項26の方法。
  29. 反応物を循環されたアルキレンと組み合わせる時、最初の反応温度まで加熱する、請求項28の方法。
  30. 反応物を約140−約180℃の最初の反応温度まで加熱する、請求項29の方法。
  31. 新鮮な、未反応のアルキレンを、最初の反応温度まで加熱した後の反応物と組み合わせる、請求項29の方法。
  32. 反応物を、新鮮な未反応のアルキレンと組み合わせる時、より低い反応温度まで冷却する、請求項31の方法。
  33. 反応物を約120−約140℃のより低い反応温度まで冷却する、請求項32の方法
  34. トリアルキルアルミニウム及びハロゲン化水素を含んでなる、反応物中においてアリールアミンのアルキル化剤によるアルキル化を接触させるための組成物。
  35. ハロゲン化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1である、請求34の組成物。
  36. トリアルキルアルミニウムとアリールアミンのモル比が約0.05:1−約0.25:1である、請求項34の組成物。
  37. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項34の組成物。
  38. トリアルキルアルミニウムのアルキル基が炭素数1−8である、請求項34の組成物。
  39. トリアルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムである、請求項38の組成物。
  40. ハロゲン化水素が塩化水素である、請求項34の組成物。
  41. アリールアミン、アルキル化剤、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲン化水素を含んでなる材料から反応物を作り、この反応物を、約100−約180℃の温度に加熱しながら少なくとも約1時間混合せしめ、未反応のアルキル化剤を本質的にすべて除去し、そして得られるモノー、ジー、及びトリーアルキル化アリールアミン成分を含んでなるアルキル化アリールアミン混合物を単離することによって製造される、但しモノーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4−位にありそしてジーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4,4’−位にある、アルキル化アリールアミン混合物。
  42. 反応物中のハロゲン化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1である、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  43. 反応物中のアルキル化剤とアリールアミンのモル比が約2:1−約4:1である、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  44. 反応物中のトリアルキルアルミニウムとアリールアミンのモル比が約0.05:1−約0.25:1である、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  45. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  46. アルキル化剤が炭素数4−28のアルキレンである、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  47. トリアルキルアルミニウムが炭素数4−28の異性体オレフィンの混合物である、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  48. トリアルキルアルミニウムがノネンの異性体混合物である、請求項41のアルキル化アリールアミン混合物。
  49. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項48のアルキル化アリールアミン混合物。
  50. アリールアミン、アルキル化剤、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲン化水素を含んでなる材料から反応物を作り、この反応物を、約100−約180℃の温度に加熱しながら少なくとも約1時間混合せしめ、未反応のアルキル化剤を本質的にすべて除去し、そして得られるモノー、ジー、及びトリーアルキル化アリールアミン成分を含んでなるアルキル化アリールアミン混合物を単離することによって製造される、但しモノーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4−位にありそしてジーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4,4’−位にある、適当量のアルキル化アリールアミン混合物を流体に添加する工程を含んでなる、酸化、熱及び/または光により誘導される劣化に対して流体を安定化させる方法。
  51. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項50の方法。
  52. アルキル化剤が炭素数4−28のアルキレンである、請求項50のアルキル化アリールアミン混合物。
  53. アルキル化剤が炭素数4−28の異性体オレフィンの混合物である、請求項50のアルキル化アリールアミン混合物。
  54. アルキル化剤がノネンの異性体混合物である、請求項50のアルキル化アリールアミン混合物。
  55. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項54のアルキル化アリールアミン混合物。
  56. 酸化、熱及び/または光で誘導される劣化にさらされる流体、並びにアリールアミン、アルキル化剤、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲン化水素を含んでなる材料から反応物を作り、この反応物を、約100−約180℃の温度に加熱しながら少なくとも約1時間混合せしめ、未反応のアルキル化剤を本質的にすべて除去し、そして得られるモノー、ジー、及びトリーアルキル化アリールアミン成分を含んでなるアルキル化アリールアミン混合物を単離することによって製造される、但しモノーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4−位にありそしてジーアルキル化アリールアミン成分のアルキル基が主に4,4’−位にある、アルキル化アリールアミン混合物、を含んでなる組成物。
  57. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項56の組成物。
  58. アルキル化剤が炭素数4−28のアルキレンである、請求項56の組成物。
  59. アルキル化剤が炭素数4−28の異性体オレフィンの混合物である、請求項56の組成物。
  60. アルキル化剤がノネンの異性体混合物である、請求項56の組成物。
  61. アリールアミンがジフェニルアミンである、請求項60の組成物。
  62. ジフェニルアミン、ノネン類、トリエチルアルミニウム、及び塩化水素を含んでなる材料から反応物を作り、但しノネン類とジフェニルアミンのモル比が約2:1−約4:1であり、トリエチルアルミニウムとジフェニルアミンのモル比が約0.05:1−約0.25:1であり、そして塩化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1である、そしてノニル化ジフェニルアミンを生成させる工程を含んでなる、ジフェニルアミンのノニル化法。
  63. ノネン類が新鮮なノネン類である、請求項62の方法。
  64. ノネン類が新鮮な及び循環されたノネン類である、請求項62の方法。
  65. ジフェニルアミン、循環されたノネン類、トリエチルアルミニウム、及び塩化水素を含んでなる材料から反応物を作り、但しトリエチルアルミニウムとジフェニルアミンのモル比が約0.05:1−約0.25:1であり、そして塩化物とアルミニウムのモル比が少なくとも約3:1である;
    この反応物を、約140−約180℃の最初の反応温度に加熱しながら少なくとも約1
    時間混合せしめ;
    新鮮なノネン類を反応物に、全ノネン類とジフェニルアミンのモル比が約2:1−約4:1になるように添加し、そして反応物を、反応温度を約120−約140℃に低下させつつ少なくとも1時間混合し;
    未反応のノネン類を本質的にすべて除去し;そして
    得られたノニル化ジフェニルアミンを単離する、
    工程を含んでなるジフェニルアミンのノニル化法。
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