JP2009507474A - 抗菌活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、配列表を含んで成る。
発明の分野:
本発明は、抗菌活性を有する単離されたポリペプチド及び前記ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、前記ポリヌクレオチドを含んで成る、核酸構造体、ベクター及び宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生成及び使用方法にも関する。
抗菌活性を有するポリペプチド及び前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを供給することが本発明の目的である。
本発明は、
(a)配列番号2のアミノ酸1〜21と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
(b)(i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(c)配列番号2のアミノ酸1〜21の1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る変異体;及び
(d)抗菌活性を有する(a)又は(b)のフラグメント;
から成る群から選択された、抗菌活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
(a)配列番号2のアミノ酸1〜21と、少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号1のヌクレオチド496〜558と、少なくとも60%の同一性を有するポリヌクレオチド;及び
(c)(i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドから成る群から選択された、抗菌活性を有するポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
本発明はまた、抗菌活性を有するそのようなポリペプチドの生成方法に関し、ここで前記方法は、(a)前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとする条件下で増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る。
本発明はまた、本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドの使用方法にも関する。
抗菌活性:用語“抗菌活性”とは、微生物細菌を殺害するか、又はその増殖を阻害できる活性として本明細書において定義される。本発明においては、用語“抗菌”とは、殺細菌及び/又は静菌、及び/又は殺真菌及び/又は静真菌効果、及び/又はウィルス効果が存在することを意味し、ここで用語“殺菌”とは、細菌細胞を殺害できるものとして理解されるべきである。用語“静菌”とは、細菌増殖を阻害でき、すなわち細菌細胞の増殖を阻害できるものとして理解されるべきである。用語“殺真菌”とは、真菌を阻害でき、すなわち真菌細胞の増殖を阻害できるものとして理解されるべきである。用語“殺ウィルス”とは、ウィルスを不活性化できるものとして理解されるべきである。用語“微生物細胞”とは、細菌又は真菌細胞(酵母を包含する)を示す。
本発明のためには、抗菌活性は、Lehrer など., Journal of Immunological Methods, Vol. 137 (2) pp. 167-174 (1991)により記載される方法に従って決定され得る。他方では、抗菌活性は、CLSI (Clinical and Laboratory Standards Institute; formerly known as National Committee for Clinical and Laboratory Standardsとして以前は知られている)からのNCCLSガイドラインに従って決定され得る。
同一性:2種のアミノ酸配列間の又は2種のヌクレオチド配列間の関連性が、パラメーター“同一性”により記載される。
用語“ポリペプチドフラグメント”とは本明細書においては、配列番号2、又はその相同配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1又は複数のアミノ酸を有するポリペプチドとして定義され、ここで前記フラグメントは抗菌活性を有する。1つの態様においては、フラグメントは、配列番号2の少なくとも15個、好ましくは。少なくとも16個、より好ましくは少なくとも17個、さらにより好ましくは少なくとも18個、最も好ましくは少なくとも19個、及び特に少なくとも20個の連続したアミノ酸を含む。
用語“副配列”(subsequence)とは本明細書においては、配列番号1、又はその相同配列の5’及び/又は3’末端から欠失される1又は複数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列として定義され、ここで前記副配列は抗菌活性を有するポリペプチドフラグメントをコードする。
本明細書においては、用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の他の形のいずれかを示す。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して発生し、そして集団内の多形現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異はサイレントであり得るか(コードされるポリペプチドの変化が存在しない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子によりコードされるポリペプチドである。
用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において使用される場合、他の外来性の又は所望しないヌクレオチドを有さず、そして遺伝子構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在するポリヌクレオチド調製物を言及する。従って、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、それが天然において結合される他のポリヌクレオチド材料を、多くとも10重量%、好ましくは多くとも8重量%、より好ましくは多くとも6重量%、より好ましくは多くとも5重量%、より好ましくは多くとも4重量%、より好ましくは多くとも3重量%、さらにより好ましくは多くとも2重量%、最も好ましくは多くとも1重量%、及びさらに最も好ましくは多くとも0.5重量%含む。
用語“cDNA”とは、本明細書において使用される場合、真核細胞から得られた成熟した、スプライシングされたmRNA分子から逆転写により調製され得るDNA分子として定義される。cDNAは、その対応するゲノムDNAに通常存在するイントロン配列を欠いている。初期の一次RNA転写体はmRNAへの前駆体であり、そしてそれは、成熟したスプライシングされたmRNAとして出現する前、一連の段階を通してプロセッシングされる。それらの段階は、スプライシングと呼ばれる工程によるイントロン配列の除去を包含する。従って、mRNA由来のcDNAは、いずれのイントロン配列をも欠いている。
本明細書において使用される場合、用語“核酸構造体”とは、天然に存在する遺伝子から単離され、又は他方では、天然に存在しない態様で核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖又は二本鎖核酸分子として定義される。用語“核酸構造体”とは、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされるすべての制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。
用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
用語“作用可能に連結される”とは、制御配列が、ポリペプチドのコード配列の発現を指図するようポリヌクレオチド配列のコード配列に対する位置で適切に配置されている配置として本明細書において定義される。
本明細書において使用される場合、用語“コード配列”とは、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドン又は他の開始コドン、例えばGTG及びTTGにより通常開始する読取枠により決定される。コード配列は、DNA、cDNA、又は組換えヌクレオチド配列であり得る。
用語“発現”とは、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌(但し、それらだけには制限されない)を包含する。
本明細書においては、用語“発現ベクター”とは、本発明のポリペプチドとコードするポリヌクレオチドを含んで成り、そしてその発現を提供する追加のヌクレオチドに作用可能に連結される線状又は環状DNA分子を包含する。
用語“宿主細胞”とは、本明細書において使用される場合、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体による形質転換、トランスフェクション、トランスダクション及び同様のものに対して感受性であるいずれかの細胞型を包含する。
用語“修飾”とは本明細書において、配列番号2のアミノ酸1〜21から成るポリペプチドのいずれかの化学的修飾、及び前記ポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作を意味する。前記修飾は、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入、及びアミノ酸側鎖の置換;又はアミノ酸配列における類似する特徴を有する異常アミノ酸の使用であり得る。特に、修飾は、アミド化、例えばC-末端のアミド化であり得る。
本明細書において使用される場合、用語“人工変異体”とは、配列番号1の修飾されたヌクレオチド配列を発現する生物により生成される抗菌活性を有するポリペプチドを意味する。修飾されたヌクレオチド配列は、配列番号1に開示されるヌクレオチド配列の修飾により、ヒト介在を通して得られる。
抗菌活性を有するポリペプチド:
第1の観点においては、本発明は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、及びさらに最も好ましくは少なくとも97%の配列番号2のアミノ酸1〜21(すなわち、成熟ポリペプチド)に対する同一性の程度を有し、そして抗菌活性を有する、アミノ酸配列を有する単離されたポリペプチド(この後、“相同ポリペプチド”)に関する。もう1つの好ましい観点においては、相同ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸1〜21とは、10個のアミノ酸、好ましくは5個のアミノ酸、より好ましくは4個のアミノ酸、さらにより好ましくは3個のアミノ酸、最も好ましくは2個のアミノ酸、及びさらに最も好ましくは1個のアミノ酸により異なるアミノ酸配列を有する。
1つの態様においては、本発明のポリペプチドは、少なくとも4個のシステイン残基を包含し、好ましくは前記ポリペプチドは、正確に4個のシステイン残基を包含する。もう1つの態様においては、本発明のポリペプチドは、環状ポリペプチドである。
本発明のポリペプチドのN−末端延長は適切には、1〜50個のアミノ酸、好ましくは2〜20個のアミノ酸、特に3〜15個のアミノ酸から成る。1つの態様においては、N−末端ペプチド延長は、Arg(R)を含まない。もう1つの態様においては、N−末端延長は、下記にさらに定義されるように、kex2又はkex2−様分解部位を含んで成る。好ましい態様においては、N−末端は、少なくとも2個のGlu(E)及び/又はAsp(D)アミノ酸残基を含んで成るペプチド、例えば次の配列:EAE、EE、DE及びDDの1つを含んで成るN−末端延長である。
kex2部位(例えば、Methods in Enzymology Vol 185, ed. D. Goeddel, Academic Press Inc. (1990), San Diego, CA, "Gene Expression Technology"を参照のこと)及びkex2−様部位は、プロペプチドコード領域といくつかのタンパク質の成熟領域との間に見出される二塩基性認識部位(すなわち、分解部位)である。
kex2部位又はkex2−様部位の挿入は、ある場合、高められたタンパク質分泌レベルをもたらすプロペプチド分解部位での正しいエンドペプチダーゼプロセッシングを改良することが示されている。
本発明のポリペプチドはまた、もう1つのポリペプチドが本発明のポリペプチド又はそのフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合されたポリペプチド又は分解できる融合ポリペプチドを包含する。融合されたポリペプチドは、本発明のヌクレオチド配列(又はその一部)に、もう1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(又はその一部)を融合することにより生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、ポリペプチドをコードするコード配列を連結することを包含し、その結果、それらは読み取り枠を整合し、そして融合されたポリペプチドの発現は、同じプロモーター及びターミネーターの制御下にある。
本発明のポリペプチドは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドが前記源により、又はその源からのヌクレオチド配列が挿入されている細胞により生成されることを意味する。好ましい態様においては、ポリペプチドは細胞外に分泌される。
前述の種に関しては、本発明は完全及び不完全状態の両者、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを、それらが知られている種の名称にかかわらず、包含することが理解されるであろう。当業者は適切な同等物の正体を容易に理解するであろう。
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチドにも関する。好ましい観点においては、ヌクレオチド配列は、配列番号1により示される。もう1つの好ましい観点においては、ヌクレオチド配列は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード領域である。本発明はまた、遺伝子コードの縮重により、それぞれ配列番号1とは異なる、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はそれらの成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も包含する。本発明はまた、抗菌活性を有する、配列番号2のフラグメントをコードする配列番号1の副配列にも関する。
本発明はまた、制御配列と適合できる条件下で、適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明の単離されたポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体にも関する。
本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ポリヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてポリヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明のヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組み合わせ、及びARS4及びCEN6の組み合わせである。
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る組換え宿主にも関する。本発明のポリヌクレオチドを含んで成るベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。用語“宿主細胞”とは、複製の間に生じる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
宿主細胞は、真核生物、例えば哺乳類、昆虫、植物、又は菌類細胞であり得る。
本発明はまた、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でポリペプチドを生成することができる細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドの生成方法にも関する。好ましくは、細胞は、アレニコラ属及びより好ましくは、アレニコラ・マリナのものである。
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
得られるポリペプチドは、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の方法、例えば遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
本発明はまた、ポリペプチドを、回収できる量で発現し、そして生成するために、本発明の抗菌活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列により形質転換されているトランスジェニック植物、その植物部分又は植物細胞にも関する。ポリペプチドは、植物又は植物部分から回収され得る。他方では、組換えポリペプチドを含む植物又は植物部分は、食物又は飼料の品質を改良し、例えば栄養価値、嗜好性及び流動性質を改良するために、又は抗栄養因子を破壊するために使用され得る。
本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は、当業界において知られている方法に従って構成され得る。手短には、植物又は植物細胞は、本発明のポリペプチドをコードする、1又は複数の発現構造体を、植物宿主ゲノム中に導入し、そして得られる修飾された植物又は植物細胞をトランスジェニック植物又は植物細胞中に成長せしめることによって構成される。
核酸構造体は、当業界において知られている従来の技法、例えばアグロバクテリウム介在性形質転換、ウィルス介在性形質転換、マイクロインジェクション、粒子衝撃、バイオリステック形質転換及びエレクトロポレーションに従って、植物ゲノム中に組込まれる(Gasserなど., 1990, Science 244: 1293; Potrykus, 1990, BiolTechnology 8 : 535; Shimamoto など., 1989, Nature 338: 274)。
本発明はまた、本発明のポリペプチドを含んで成る組成物、例えば医薬組成物にも関する。好ましくは、組成物は、そのようなポリペプチドにおいて富化されている。用語“富化された”とは、組成物の抗菌活性が、例えば1.1の富化倍率、高められたことを示唆する。
組成物は、適切なキャリヤー材料を含んで成る。組成物はまた、それが医薬として使用される場合、所望する遺伝子座に、本発明の抗菌ポリペプチドを供給できる適切な供給ビークルを含んで成ることができる。
本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用の例は、下記に与えられる。本発明のポリペプチド組成物の用量及び組成物が使用される他の条件は、当業界において知られている方法に基づいて決定され得る。
本発明はまた、抗菌活性を有するポリペプチドの使用方法にも向けられる。抗菌ポリペプチドは、典型的には、細菌、菌類、酵母又は藻類による汚染にさらされるいずれかの遺伝子座で有用である。典型的には、遺伝子座、微生物が殺害される必要があり、又はそれらの増殖が制御される必要がある、水性システム、例えば冷却水システム、洗濯すすぎ水、油システム、例えば切削油、滑剤、油田及び同様のものにおいて存在する。しかしながら、本発明はまた、既知の抗菌組成物が有用であるすべての用途、例えば木材、ラテックス、接着剤、グルー、紙、厚紙、布、革、プラスチック、コーキング及び飼料に使用され得る。
従って、本発明の抗菌ポリペプチドは、消毒液として、例えば眼又は口における感染、皮膚感染の処理において;発汗抑制剤又は脱臭剤において;コンタクトレンズ、及び歯(経口ケアー)の清浄及び殺菌のために有用である。
それはまた、水性ペイントにおける保存剤又は消毒剤としても使用され得る。
用語“有効量”とは、本明細書において使用される場合、問題の微生物の増殖を阻害するのに十分である、本発明の抗菌ポリペプチドの量を意味する。
本発明はまた、創傷治癒組成物又は製品、例えば包帯、医療装置、例えばカテーテル、及び抗−フケ髪用製品、例えばシャンプーにも関する。
本発明の抗菌ポリペプチドの配合物はまた、皮膚感染、例えばアクネ、アトピー性皮膚炎又は脂漏性皮膚炎を有するか、又は素因を有する宿主にも投与され得;好ましくは、皮膚感染は、例えばスタフィロコーカス・エピダーミジス、スタフィロコーカス・アウレウス、プロピオニバクテリウム・アクネ、ピチロスポラム・オバレ又はマラセジア・フルフルにより引起される細菌性皮膚感染である。
本発明の化合物は、治療投与のために種々の配合物中に組込まれ得る。特に、本発明の化合物は、適切な医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤と組合すことにより医薬組成物中に配合され、そして固体、半固体、液体又は気体形、例えば錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、クリーム、発泡体、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、微小球、ローション及びエアロゾルでも調製物中に配合され得る。化合物の投与は、種々の手段、例えば経口、頬内、直腸、非経口、腹膜内、皮膚内、経皮内、鞘内、等の投与で達成され得る。本発明の抗菌ポリペプチドは、投与の後、全身性であるか、又は移植の部位で活性用量を保持するように作用する移植物又は他の配合物の使用により局在化され得る。
化合物は、従来の添加剤、例えば溶解剤、等張剤、沈殿防止剤、乳化剤、安定剤及び保存剤との配合により、熱傷の感染を防ぐために、ローションとして使用され得る。
本発明の方法への使用に関しては、本発明の抗菌ポリペプチドは、他の医薬的活性剤、特に他の抗菌剤により配合され得る。興味ある他の剤は、当業界において知られているような広範囲の種類の抗生物質を包含する。抗生物質の種類は、ペニシリン、例えばペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、カルベニシリン、ナフシリン、アンピシリン、等;β−ラクタマーゼインヒビターと組合してのペニシリン、セファロスポリン、例えばセファクロール、セファゾリン、セフロキシム、モキサラクタム、等;カルバペネム;モノベクタム;アミノグリコシド;テトラサイクリン;マクロリド;リンコマイシン;ポリミキシン;スルホンアミド;キノロン;クロラムフェニコール;メトロニダゾール;スペクチノマイシン;トリメトプリム、バンコマイシン、等を包含する。
本発明の抗菌ペプチドは、当業界において知られている従来の方法を用いて、インビトロ合成により調製され得る。種々の市販の合成装置、例えばApplied Biosystems Inc., Beckman, 等による自動化された合成機は市販されている。合成機を用いることにより、天然に存在するアミノ酸は、不自然なアミノ酸、特にD−異性体(又はD−形)、例えばD−アラニン及びD−イソロイシン、ジアステレオ異性体、異なった長さ又は官能性を有する側鎖、及び同様のものにより置換され得る。特定の配列及び調製の態様は、便利性、経済性、必要とされる純度及び同様のものにより決定されるであろう。
本発明はまた、動物飼料への抗菌活性を有するポリペプチドの使用方法、及び本発明の抗菌ポリペプチドを含んで成る飼料組成物及び飼料添加物にも向けられる。
用語、動物とは、ヒトを包含するすべての動物を包含する。動物の例は、非反芻動物、及び反芻動物、例えば、動物、例えば牛、羊、ヤギ、及び馬である。特定の態様においては、動物は非反芻動物である。非反芻動物は、単一の胃を有する動物、例えばブタ又はイノシシ(子ブタ、成長しているブタ及び雌ブタを包含するが、但しそれらだけには限定されない);家禽類、例えば七面鳥、及び鶏(ブロイラー鶏、産卵鶏を包含するが、但しそれらだけには限定されない);子牛;及び魚(サケを包含するが、但しそれだけには限定されない)を包含する。
本発明に従っての使用においては、抗菌ポリペプチドは、食事の前、後又は同時に動物に供給され得る。後者が好ましい。
しかしながら、動物飼料への使用に関しては、純粋である抗菌ポリペプチドは必要ではなく;それは他の酵素を含むことができ、この場合、それは抗菌ポリペプチド調製物と呼ばれる。
そのような抗菌ポリペプチド調製物はもちろん、他の酵素と共に混合され得る。
特定の態様においては、植物タンパク質源は、1又は複数のマメ科植物、例えば大豆、ルピナス、エンドウ又はインゲン豆からの材料である。
植物タンパク質源の他の例は、ナタネ種子、及びキャベツである。
大豆は、好ましい植物タンパク質源である。
植物タンパク質源の他の例は、穀物、例えば大麦、小麦ライ麦、オート麦、トウモロコシ、イネ、ライコムギ及びモロコシである。
さらなる観点においては、本発明は、動物の飼料への使用のための組成物、例えば動物飼料及び動物飼料添加物、例えばプレミックスに関する。
特定の態様においては、それらの他の酵素は、十分に定義されている(抗菌ポリペプチド調製物について上記に定義されるように)。
脂溶性ビタミンの例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE及びビタミンK、例えばビタミンK3である。
水溶性ビタミンの例は、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸及びパントテネート、例えばCa−D−パントテネートである。
マクロ鉱物の例は、カルシウム、リン及びナトリウムである。
それらの成分(家禽、及び子豚/豚により例示される)の栄養必要条件は、WO01/58275号の表Aに列挙される。栄養必要条件とは、それらの成分が示される濃度で規定食に供給されるべきであることを意味する。
本発明の動物飼料組成物は、50−800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そしてさらに、本明細書に請求されるように、少なくとも1つの抗菌ポリペプチドを含んで成る。
特定の態様においては、本発明の動物飼料組成物は、上記に定義されるような少なくとも1つの植物タンパク質の又はタンパク質源を含む。
抗菌ポリペプチドは、1又は複数の次の量(用量範囲)で投与される:0.01-200 ; 又は0.01-100 ; 又は0.5-100 ;又は0.05-50; 又は0.10-10−すべてのそれらの範囲はmgプロテアーゼタンパク質/kg飼料(ppm)である。
本発明はまた、配列番号2のアミノ酸−165〜−142から成るシグナルペプチドをコードする、配列番号1のヌクレオチド1〜72から成る第1ヌクレオチド配列、及び配列番号2のアミノ酸−141〜−1から成るプロペプチドをコードする、配列番号1のヌクレオチド73〜495から成る第2ヌクレオチド配列の1つ、又は両者に作用可能に連結されるタンパク質をコードする、前記第1及び第2のヌクレオチド配列に対して外来性の遺伝子を含んで成る核酸構造体にも関する。
本発明はまた、(a)そのような組換え宿主細胞を、タンパク質の生成のために適切な条件で培養し;そして(b)タンパク質を回収することを含んで成るタンパク質の生成方法にも関する。
本発明はさらに、次の例により記載されるが、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
配列番号2のアミノ酸1〜21として示される抗菌ペプチドを合成的に調製した。最少阻害濃度(MIC)を、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute; 以前は、 National Committee for Clinical and Laboratory Standardsとして知られている)からのNCCLSガイドライン(プロトコールM7-A6, vol. 20, No. 2: Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically)に従って、アレニシンの抗菌活性について試験するために決定した。
酵母及び菌類に対するアレニシンの最少阻害濃度を、NCCLS/CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)により記載のようにして実質的に決定した。
Claims (27)
- (a)配列番号2のアミノ酸1〜21と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
(b)(i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも中位の緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(c)配列番号2のアミノ酸1〜21の1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る変異体;及び
(d)抗菌活性を有する(a)又は(b)のフラグメント;
から成る群から選択された、抗菌活性を有するポリペプチド。 - 前記アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸1〜21と少なくとも65%の同一性、好ましくは配列番号2のアミノ酸1〜21と少なくとも70%の同一性、より好ましくは少なくとも75%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも80%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも85%の同一性、最も好ましくは少なくとも90%の同一性、又は少なくとも95%の同一性を有する請求項1記載のポリペプチド。
- 配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る請求項1記載のポリペプチド。
- 配列番号2、又は抗菌活性を有するそのフラグメントから成る請求項1記載のポリペプチド。
- 配列番号2から成る請求項4記載のポリペプチド。
- 配列番号2のアミノ酸1〜21から成る請求項4記載のポリペプチド。
- (i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも中位−高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
- (i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる請求項1記載のポリペプチド。
- 前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1〜21の1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る変異体である請求項1記載のポリペプチド。
- 請求項1〜9のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
- 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列に少なくとも1つの突然変異を有し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列が配列番号2のアミノ酸1〜21から成るポリペプチドをコードする請求項10記載の単離されたポリヌクレオチド。
- 発現宿主においてポリペプチドの生成を指図する1又は複数の制御配列に操作可能的に連結される請求項10記載のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体。
- 請求項12記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
- 請求項12記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でポリペプチドを生成することができる細胞を培養するか、又はポリペプチドをコードするヌクレオチドを含んで成る核酸構造体を含んで成る宿主細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
- (a)(i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも中位−高い緊縮条件下で、DNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)抗菌活性を有するポリペプチドをコードする、前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる単離されたポリヌクレオチド。
- (a)(i)配列番号1のヌクレオチド496〜558、(ii)配列番号1のヌクレオチド1〜558に含まれるcDNA配列、又は(iii)前記(i)又は(ii)の相補鎖と、少なくとも高い緊縮条件下で、DNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)抗菌活性を有するポリペプチドをコードする、前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる請求項16記載の単離されたポリヌクレオチド。
- 変異体ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドの生成方法であって、(a)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に少なくとも1つの突然変異を導入し、ここで前記変異体ヌクレオチド配列が配列番号2のアミノ酸1〜21から成るポリペプチドをコードし;そして(b)前記変異体ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドを回収することを含んで成る方法。
- 請求項18記載の方法により生成される変異体ポリヌクレオチド。
- ポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドをコードする請求項19記載の変異体ポリヌクレオチドを含んで成る細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
- (a)本発明の抗菌活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成るトランスジェニック直物又は植物細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、請求項1〜10のいずれか1項記載のポリペプチドの生成方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにより形質転換されている、トランスジェニック植物、植物部分又は植物細胞。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチド及び医薬的に許容できるビークルを含んで成る組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドと微生物細胞とを接触することを含んで成る、微生物細胞を殺害するか又はその細胞の増殖を阻害するための方法。
- 医薬、又は獣医又はヒト抗菌治療又は予防剤として使用するための請求項1〜10のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチド。
- 微生物感染の処理又は予防使用のための獣医又はヒト治療剤の調製への請求項1〜10のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドの使用。
- 動物飼料への少なくとも1つの請求項1〜10のいずれか1項記載の抗菌ポリペプチドの使用。
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