JP2009501053A - 適合性が改善された吸収用品 - Google Patents

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Abstract

本発明は前部(12)と股部(14)と後部(16)とを有する吸収用品(10)に関する。本用品は単一組成であってかつ均一密度の吸収コア(18)を具備するが、コア(18)は一対の向き合う長手方向縁部(20;22)と横方向縁部(24;26)とによって画定される。コア(18)は少なくとも第1の領域(28)および第2の領域(30)を有するが、領域(28,30)におけるコア(18)の平均厚みは領域(28;30)を取り囲むコア(18)の平均厚みよりも小さく、この小厚み領域(28;30)は用品の長手方向中心線Aを中心として対称に配置され、領域(28;30)のそれぞれは吸収コアのそれぞれの長手方向縁部(20;22)まで延在している。横方向における領域(28;30)間の距離axは用品の長手方向に沿って変化する。横方向における小厚み領域(28;30)間の最小距離a1は少なくとも股部(14)と前部(12)の間の移行部(32)に置かれている。本用品によって、着用者には、良好で、しっかりした密着状態および優れた快適性がもたらされる。

Description

本発明は、使用時に特定の形態をとるよう設計された、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドあるいはおむつのような吸収用品に関する。他の領域よりも厚みが小さい用品のある領域によって、当該用品は所望の形態をとることが可能となり、しかも用品が使用者の体の本来の場所からずれることに関係する問題が最小限に抑えられる。
吸収用品の主要な要件は、良好な吸収特性に加えて、良好な適合性(装着具合)と快適性である。用品が使用者の体の輪郭に追従しかつ使用中にそれが本来の場所からずれないように、吸収用品の設計および製造には、さまざまな手法が採用されてきた。
特許文献１〜８ならびに関連出願は吸収用製品を開示しているが、当該製品は、使用時にその三次元的な形状に寄与するよう意図された補強材を具備してなる。
特許文献９には、吸収体の各側方縁部に沿った矩形領域である低剛性領域を有する、使い捨て可能なおむつが開示されている。この領域の曲げ剛性は低いので、使用者のウエスト周りで接合するために、おむつを簡単に上方に曲げることが可能となっている。
特許文献１０には、前部吸収領域および後部クッション領域を有する吸収用品が開示されている。剛性は前部吸収領域においては高く、この結果、隆起した領域の形状が維持されるようになっている。
特許文献１１には生理用ナプキンが開示されているが、その長手方向中央領域は、他の部分よりも大きな曲げ抵抗性を有する。このようにして側方領域は、生理用ナプキンが着用者の生殖器の下方でカップ状のトラフ(窪み)を形成するのに十分なほどフレキシブルなものとなっている。
特許文献１２には剛性が変化する領域を有する吸収用品が開示されている。当該用品は、使用時にヒダが寄ったり、捩れたりするのを阻止する。特許文献１３には生理用ナプキンが開示されているが、その縁部は快適さのために中央部よりも軟らかくなっている。
引用文献１４および引用文献１５には、空気成形単一吸収コアを有する吸収用品が開示されている。当該コアは、用品の非均一な横方向圧縮剛性および所定の撓みをもたらすが、これは、コアが縁部に厚みの小さな領域を有するからである。コアは、側方縁部におけるのと同様、前方／後方縁部に向かって厚みが小さくなっている。
国際公開第03/053301号パンフレット 欧州特許第0 956 844号明細書 国際公開第03/047484号パンフレット 国際公開第02/087484号パンフレット 国際公開第02/085270号パンフレット 国際公開第03/059222号パンフレット 国際公開第02/087483号パンフレット 国際公開第02/085269号パンフレット 欧州特許第1 458 718号明細書 欧州特許第1 275 358号明細書 米国特許出願公開第2004/0122407号明細書 欧州特許第0 572 033号明細書 欧州特許第1 102 824号明細書 米国特許出願公開第2004/0204698号明細書 米国特許出願公開第2003/0119401号明細書
生理用ナプキンのような吸収用品の快適性および適合性(装着具合)には、依然として改善の余地がある。特に、こうした問題に対する初期のアプローチの多くは、吸収用品の吸収コアの切断あるいはさもなければその一部の除去を伴うものである。だが、これは、存在する吸収材の総量を減少させ、したがって漏れに対する安全性を低下させる。さらに、吸収コアの切断あるいはさもなければその一部の除去は、たいてい材料の無駄を生じる。なぜなら、切り取られた部分は常に使用できるわけではないからである。さらに、多くの公知の製品は付加的な補強要素を必要とする。
本発明は、当該分野の従来技術に関連する問題を解決しようとするものである。特に本発明によって、柔らかくかつ快適であるという特徴を有すると共に、着用者に対して良好に適合しかつ正しく確実な配置が可能な吸収用品が提供される。吸収用品の切断あるいはさもなければその一部の除去を回避でき、より多くの吸収材を(したがってより優れた吸収能力を)提供し、そして着用者に、より「完全な」用品であるとの心証を与える(したがって着用者の信頼を改善する)。本発明の効果は、もっぱら本用品の吸収コアによって実現され、こうして付加的な補強要素の使用が回避される。本発明に係る用品はまた、現在用いられているプロセスにわずかな変更を施すだけで、既存の設備を用いて製造可能である。
第１実施形態によれば、本発明は生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドあるいはおむつのような吸収用品に関係し、本用品は横方向および長手方向を有する。本用品はさらに前部、股部および後部を有する。本用品は、単一組成であってかつ均一な密度の吸収コアを具備してなるが、当該吸収コアは、一対の向き合う長手方向縁部および一対の向き合う横方向縁部によって画定される。吸収コアは、少なくとも第１の領域および第２の領域を有し、第１および第２の領域における吸収コアの平均厚みは、第１および第２の領域を取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さい。第１および第２の小厚み領域は、用品の長手方向中心線を中心として対称に配置される。第１および第２の小厚み領域は吸収コアのそれぞれの長手方向縁部まで延在しており、かつ横方向における第１および第２の小厚み領域間の距離は用品の長手方向に沿って変化する。本発明によれば、横方向における第１および第２の小厚み領域間の最小距離は、少なくとも、用品の股部と前部との間の移行部に位置させられる。
さらなる実施形態においては、本用品はさらに第３の領域を具備してなり、この第３の領域はそれを取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さな平均厚みを有し、第３の小厚み領域は用品の後部に配置される。この第３の小厚み領域は、吸収コアの横方向縁部まで延在している。第３の小厚み領域は、用品の長手方向中心線上に存在する対称軸線を有する。
第３の実施形態においては、本吸収用品は横方向中心線を中心として対称であり、かつ横方向における第１および第２の小厚み領域間の距離は、股部と後部との間の移行部に位置させられたさらなる最小値を有する。本用品はさらに第６の領域を具備してなり、この第６の領域は、それを取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さな平均厚みを有する。第６の領域は用品の第１の部分に配置され、かつ吸収コアの横方向縁部まで延在している。第６の小厚み領域は本用品の長手方向中心線上に存在する対称軸線を有する。そうした用品は、使用者の周りに、いずれの方向にでも配置可能である。
第４の実施形態においては、本吸収用品は横方向中心線を中心として対称であり、かつ吸収コアは付加的に第４の領域および第５の領域を有する。第４および第５の領域における吸収コアの平均厚みは、この第４および第５の領域を取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さなものである。第４および第５の小厚み領域は用品の長手方向中心線を中心として対称に配置されておりかつ吸収コアのそれぞれの長手方向縁部まで延在している。横方向における第４および第５の小厚み領域間の距離は用品の長手方向に沿って変化し、かつ横方向における第４および第５の小厚み領域間の最小距離は、少なくとも、股部と後部との間の移行部に位置させられている。本用品はさらに第６の領域を具備し、この第６の領域はそれを取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さな平均厚みを有し、この第６の小厚み領域は用品の前部に配置されかつ吸収コアの横方向縁部まで延在している。第６の小厚み領域は用品の長手方向中心線上に存在する対称軸線を有する。
好ましくは、長手方向における第１および第２の小厚み領域の最大長さ(最大延長範囲)は、長手方向における吸収用品の全長(全延長範囲)よりも小さなものである。長手方向における第１および第２の小厚み領域ｂｘの最大長さ(最大延長範囲)は３〜１０ｃｍ、さらに好ましくは４〜８ｃｍ、最も好ましくは５〜７ｃｍであることが好都合である。
同様に、横方向における第３の小厚み領域の最大長さ(最大延長範囲)は、横方向における吸収用品の全長(全延長範囲)よりも小さなものであってもよい。横方向における第３の小厚み領域の最大長さ(最大延長範囲)は、横方向における吸収用品の全長(全延長範囲)の７５％未満であることが好都合であり、さらに好ましくは５０％未満であり、最も好ましくは２５％未満である。
本発明による吸収用品にあっては、用品の横方向における第１および第２の小厚み領域間の距離は、好ましくは、用品の股ポイントにおいて、股部と前部との間の移行部におけるよりも大きなものである。
ある実施形態では、第１、第２、第３およびさらなる小厚み領域は最小厚みを有し、この厚みは、これらの領域を取り囲む吸収コアの厚みよりも、少なくとも２０％小さく、さらに好ましくは少なくとも３０％小さく、最も好ましくは少なくとも５０％小さなものである。他の実施形態では、第１、第２、第３およびさらなる小厚み領域の厚みは、当該領域の縁部に向かって漸増するように変化し、かつ、それが吸収コアの残部と出会う当該領域の縁部において、当該領域を取り囲む吸収コアの厚みの１００％に達する。
股部と前部との間の移行部に配置された、横方向における第１および第２の小厚み領域間の最小距離は、好ましくは１５〜４５ｍｍ、さらに好ましくは２０〜３０ｍｍである。
本発明による吸収用品はさらに、吸収コアの水分に面する側に、小厚み領域の位置を指し示すラインあるいはマーキングを備えていてもよい。
吸収コアに加えて、吸収用品はさらに、内側カバーシートおよび外側カバーシートを具備してなることができる。吸収コアは、小厚み領域のいかなる箇所においても、外側カバーシートに対して接合されないことが好都合である。本用品の最小総厚みは、好ましくは、少なくとも３ｍｍ、さらに好ましくは少なくとも５ｍｍである。
以下、図面を参照して、本発明についてさらに詳しく説明する。
上述したように、本発明は、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドあるいは、おむつのような吸収用品１０に関する。好ましくは、本用品は生理用ナプキンである。そうした用品は、通常、尿、ふん便あるいは月経液体のような身体排出物の吸収および貯留のために使用される。本吸収用品は、好ましくは使い捨てが可能である。すなわち、それは、洗濯して再利用されるのではなく、一度だけ使用され、その後に廃棄されることになる。
図１には、生理用ナプキンである、本発明の一実施形態を示す。本用品は、図示するように、横方向ｘおよび長手方向ｙを有する。横方向における用品の全長は長さａであり、一方、長手方向における用品の全長は長さｂである。
本用品はさらに、その長手方向に配置された前部１２と、股部１４と、後部１６とを有する。使用時、用品の前部１２は、着用者の下腹部領域を覆うよう意図されている。前部１２は用品の前側横方向縁部によって画定されており、かつ用品に沿って長手方向にある長さｂ１だけ延在している。図示するタイプの生理用ナプキンにおいては、前部１２は長手方向の長さｂ１を有するが、これは用品の全長ｂの１０〜５０％、さらに好ましくは２５〜４０％、最も好ましくは３０〜３５％である。
本用品の股部１４は長手方向に関して前部１２に隣接して配置されている。使用時、この股部は使用者の脚間に存在し、そして使用者の生殖器部分および会陰を覆う。図示するタイプの生理用ナプキンにおいては、股部１４は長手方向に関する長さｂ２を有するが、この長さは、用品の全長ｂの１０〜５０％、さらに好ましくは２５〜４０％、最も好ましくは３０〜３５％である。通常、長手方向における股部１４の長さｂ２は、４０〜１１０ｍｍであり、さらに好ましくは５０〜１０５ｍｍであり、最も好ましくは８５〜１００ｍｍである。前部１２と股部１４との間の移行部３２は、前部と股部との間の境界領域である。
後部１６は、用品の前部１２とは反対側の端部に配置されており、かつ長手方向に関して股部１４に隣接して配置されている。使用時、後部１６は使用者の背中まで延在する。後部１６は用品の後側横方向縁部によって画定され、かつ長手方向に用品に沿ってある長さｂ３だけ延在している。図示するタイプの生理用ナプキンにおいては、後部１６は長手方向の長さｂ３を有するが、この長さは、用品の全長ｂの１０〜５０％、さらに好ましくは２５〜４０％、最も好ましくは３０〜３５％である。
ここで説明する吸収コア１８に加えて、吸収用品は通常は内側カバーシート４８および外側カバーシート５０を具備してなる。内側カバーシート４８は着用者の体に直に接触した状態に置かれ、したがって柔らかく、快適でありかつ液体透過性を有しているべきである。内側カバーシートは不織布材(たとえばスパンボンド、メルトブローン、毛羽立て、水中絡み合い(hydroentangled)、湿式積層(wetlaid)など)を具備してなることができる。適当な不織布材は、木材パルプまたはコットン繊維のような天然繊維から、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビスコースなどのような人工繊維から、あるいは天然繊維と人工繊維の混合物から形成できる。内側カバーシート材はさらにトウ繊維から形成されてもよく、このトウ繊維は、たとえば欧州特許出願公開第1 035 818号明細書(EP-A-1 035 818)に開示されるように、ある接合パターンで互いに接合できる。内側カバーシート材のさらなる例は、多孔質フォーム、穿孔プラスチックフィルムなどである。内側カバーシート材に適した素材は、柔軟でかつ肌を刺激せず、しかも体液、たとえば尿または月経液が容易に浸透するようになされたものであるべきである。内側カバーシートはさらに、吸収用品の別の部分においては異なっていてもよい。
外側カバーシート５０は着用者の衣類と接触した状態に置かれ、そして液体不透過性を有する。外側カバーシートは吸収用品の外側カバーを形成する液体不透過性材を意味する。外側カバーシートは薄いプラスチックフィルム、たとえばポリエチレンあるいはポリプロピレンフィルム、液体不透過性物質で覆われた不織布材、疎水性の不織布材(これは液体の浸透に抗する)あるいはプラスチックフィルムおよび不織布材からなるラミネート(積層体)から形成できる。外側カバーシートとして使用するのに適したその他の積層材は、不織布および高ロフトワッディング(high-loft wadding)材からなる積層材である。外側カバーシート材は通気性を有していてもよく、これによって吸収コアから蒸気を逃がすことが可能となり、その一方で液体がそれを通過するのは依然として阻止される。通気性を有する外側カバーシート材の例としては、多孔質高分子フィルム、スパンボンドおよびメルトブローン層からなる不織布ラミネート、多孔質高分子フィルムおよび不織布からなるラミネートが挙げられる。好ましくは、外側カバーシートは、少なくともその衣類に面する面に不織布材を具備してなる。
代替実施形態においては、吸収用品１０は外側カバーシートを具備してなるだけでもよい。さらに、吸収用品の吸収コア１８は、内側および外側カバーシートの両方として機能することができる単一のカバーシート内に包み込まれてもよい。
ある実施形態では、吸収コア１８は、小厚み領域のいずれにおいても外側カバーシート５０に対して接合されない。これによって、吸収コア１８と、用品の内側および外側カバーシートとが互いに別個に変形することが可能となっている。内側および外側カバーシートは、それゆえ、吸収コアの変形を妨害しない。本用品は使用者の体の輪郭に追従し、そしてより優れた柔軟性を用品に付与する。
本吸収用品はさらに、吸収コアの上に配置され、かつ放出された液体が吸収コアに吸収される前にそれを素早く受け止め、そしてそれを一時的に蓄えるよう構成された獲得物分配層(図示せず)を含んでいてもよい。そうした獲得物分配層は従来公知であり、かつ多孔質繊維ワッディング、ＳＤプラスチックフィルム、ＬＤＡ(小厚みエアレイド)、マルチボンド(multibond)、固着ラテックスあるいはフォーム材から形成可能である。
本発明に係る吸収用品１０は単一組成の吸収コア１８を具備してなる。「吸収コア」は、体液を獲得しかつそれを蓄える用品の吸収構造体である。吸収コアは一般的な種類のものであってもよい。普通に見られる吸収材料の例は、セルロース系綿毛パルプ、ティッシュ層、高吸収ポリマー(いわゆる超吸収体)、吸収発泡材料、吸収不織材料などである。セルロース系綿毛パルプを吸収コア内の高吸収ポリマーと組み合わせることは普通のことである。高吸収ポリマーは、その重量の少なくとも約２０倍の、０.９重量パーセントの塩化ナトリウムを含む水溶液を吸収することが可能な水膨張可能な水不溶性の有機または無機材料である。高吸収材料として使用するのに適切な有機材料としては、多糖類、ポリペプチドなどの天然材料、および合成ヒドロゲルポリマーなどの合成材料を挙げることができる。このようなヒドロゲルポリマーとしてはたとえば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどのアルカリ金属塩が挙げられる。他の適切なポリマーとしては、加水分解されたアクリロニトリルグラフト化でんぷん、アクリル酸グラフト化でんぷん、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、およびその混合物が挙げられる。ヒドロゲルポリマーは、材料を実質的に不溶性にするように容易に架橋されることが好ましい。好ましい高吸収材料はさらに、表面架橋され、それによって高吸収性粒子、繊維、薄片、球体などの外側表面または外郭は、高吸収体の内部より高い架橋密度を有する。高吸収材料は、粒子、繊維、薄片、球体などを含む吸収複合物で使用するのに適切なあらゆる形態をしていてもよい。高い吸収能力は大量の超吸収材を使用することで実現される。
厚みの小さな吸収体(これはたとえば幼児用おむつおよび失禁用ガードにおいては一般的である)は、たいてい、セルロース綿毛パルプおよび超吸収体からなる、圧縮された混合あるいは積層構造体を具備してなる。吸収コアのサイズおよび吸収能力は、幼児あるいは成人失禁症者のような、さまざまな用途に適合するように変更可能である。
本明細書中での「単一組成」との語句は、吸収コア１８が本質的に一種類の素材から構成されることを意味するものである(これは、吸収コア全体にわたって本質的に同じ素材であるか、あるいは二つ以上の素材の同じ組み合わせである)。素材の密度および密集度を変化させてもよいが、これらは、別個に形成されかつその後互いに物理的に接合される部位の組み込みを伴わずに得ることができるものに限定される。たとえば、吸収コアが親水性繊維のマトリックスおよび上述したような超吸収材を具備してなる場合、この超吸収材および繊維の相対的な密集度はコアのさまざまな部分においては異なっていてもよい。だが吸収コアは、たとえば、異なる組成の層またはラミネートから構成されるべきではない。同様に、吸収コアの長手方向あるいは横方向にわたるさまざまなコンポーネントの密度または密集度が変化することも許容される。それでもコアは、別個に形成されかつその後に互いに接合される、異なる組成の部位または層を具備してなるべきではない。
本発明に係る吸収コアを形成するための好適技術は、図５ａ〜５ｃに示しかつ欧州特許出願公開第1 253 231号明細書(EP-A2-1 253 231)にさらに詳しく開示されるような、空気積層プロセスによるマットフォーミングである。所望の形状を有する空気透過性型枠５２が提供される。型枠の深さは、図５ａの断面から分かるように、各ポイントにおいて必要とされる材料の量に応じて変化し得る。繊維素材５４が型枠内に空気積層され、そしてコアの均一な密度が実現されるように型枠が満たされる(図５ｂ参照)。個々の領域において型枠深さが異なることに起因して、各ポイントにおける繊維素材の量が変化することになる(図５ｃ)。吸収コアが製造された後、さまざまな領域においてコアの所望の厚みが得られるように、それは圧縮される。圧縮は、コアが型枠から取り出された後に、あるいはそれが依然としてその場所に存在する間に行うことができる。このようにして、厚みの異なる領域を吸収コアに形成することができる。もし望むならば、マスクあるいはバッフルをマット形成プロセスにおいて導入でき、これによってマスクされていない領域における繊維堆積は、マスクされた領域におけるよりも高いものとなる。これによって素材厚みのさらなる制御が可能となる。
最近の効率のよいマット形成プロセスにおいては、米国特許第4,765,780号明細書、スウェーデン国特許第9401542-7号明細書(SE9401542-7)、欧州特許出願公開第1 253 231号明細書に開示されるように、マット形成ホイールが使用される。空気透過性型枠は、マット形成ホイールの周面を中心として均一に離間させられる。繊維素材は(所望されるであろうその他の素材とともに)、ブロアによってミルから、マット形成カバーを介してマット形成ホイール上に供給される。一つの形成ホイールあたり一つ以上のマット形成カバーが存在してもよい。
マット形成ホイールによる形成の代わりに、本発明の吸収コアは、素材ウエブの異なる部分に厚みの差を最終的に提供するプロファイルを有するウエブ上に繊維素材を(所望されるであろうその他の素材とともに)敷き詰めることによって製造することができる。素材は予め製造し、巻き上げてロールとすることができる。
本発明による吸収コア１８はまた、図６ａおよび図６ｂに示す手順に従って製造できる。その隅々まで均一密度および同一厚みの素材がもたらされる(図６ａ)。この素材は、それを取り出したとき、容易に砕けたり裂けたりしないような内部強度を有することが好ましい。発泡素材は好適な素材の例である。コンパクトなワッディング素材もまた考えられる。この場合、素材は、微細な多孔質ワッディング構造体中に一つにとけ込むことが可能な結束繊維を具備してなる。多数の結束繊維を有する薄いエアレイド素材もまた使用可能である。
次のステップ(図６ｂ)において、素材はコア１８から切断あるいは機械加工され、これによって所望の範囲に厚みの小さな領域がもたらされる。
本発明による吸収コア１８はまた図７ａおよび図７ｂに示す手順に従って製造可能である。均一な密度を持つが所望の領域においてはさまざまな厚みを有する吸収コア１８が提供される。これは、上記方法のいずれかによって得ることができる。コアは続いて、所望の領域に対応する輪郭を有する輪郭取りされたプレスロールを用いて圧縮される。圧縮はコア全体にわたって同じようになされるべきであり(コアは圧縮が行われる間、その型枠内に留まっていてもよい)、これによってコア全体にわたる密度は同一となり、しかもコアのプロファイルが維持される。そうした均一な圧縮を実現するために、圧縮は、コアが型枠内に依然として存在している間に行うことができる。
本発明に基づく吸収コア１８は均一な密度を有するものである。これは、吸収コアの密度がいかなる方向においても(用品の長手方向、横方向、あるいはその厚みにわたって)著しくは異なっていないことを意味する。
吸収コア１８は、一対の向き合う長手方向縁部２０;２２および一対の向き合う横方向縁部２４;２６によって画定される。吸収コアは必ずしも平行四辺形状を有するとは限らず、たとえば丸みを帯びた縁部あるいはドッグボーン形状を有していてもよい。この場合、横方向および長手方向間の移行部は、横方向に対する用品の横方向縁部の曲率が最も大きくなる、用品の縁部上のポイントとして規定される。好ましい実施形態では、用品の長手方向縁部は実質的に平行である。
吸収コア１８は、少なくとも第１の領域２８および第２の領域３０の厚みが小さなものとなっている。すなわち、第１および第２の領域２８,３０は、当該領域を取り囲む吸収コアの平均厚みよりも小さい平均厚みを有する。
第１および第２の小厚み領域２８;３０は、用品の長手方向中心線Ａを中心として対称に配置されている。これは、使用時に、用品を使用者の体に対称的に配置するために重要である。「対称的に配置される」とは、第１の小厚み領域２８における各ポイントが、第２の小厚み領域３０に対応するポイントを有すること、すなわち二つのポイントは用品の長手方向中心線Ａ上に配置された平面内における鏡映によって互いに関係付けられていることを意味する。第１および第２の小厚み領域２８;３０はそれゆえ互いに鏡像をなし、しかも長手方向中心線Ａの両側の対応する位置に配置されている。
第１および第２の小厚み領域２８;３０は、吸収コアのそれぞれの長手方向縁部２０;２２へと延在している。本吸収用品の横方向における第１および第２の小厚み領域２８;３０間の距離ａｘは、当該用品の長手方向に沿って変化する。すなわち、本用品の長手方向中心線Ａに最も近接して存在する第１および第２の小厚み領域２８;３０の縁部は長手方向中心線Ａと平行ではない。したがって距離ａｘは、用品の長手方向に沿った最大値および最小値を示す。好ましくは、距離ａｘは、用品の長手方向に沿って連続的に変化する。
本発明によれば、横方向における上記第１および第２の小厚み領域２８;３０間の最小距離ａ１は、少なくとも、股部１４と前部１２との間の移行部３２に置かれている。小厚み領域２８;３０間の距離は最小値を一つ以上有していてもよいが、一つの最小距離ａ１(これは移行部３２に置かれる)が存在することが好ましい。
吸収用品が位置する股の周りの領域は、特に、鼠径部の両側下方に位置する二つの筋腱によって規定される。これら筋腱は、骨盤隔膜の内側において始まり、かつ大腿部に沿ったその取り付け部を有する筋群の一部を形成する。この筋群は、内転筋ブレビス(brevis)、内転筋ロンガス(longus)、薄筋および内転筋マグヌス(magnus)筋からなる。したがって、使用時、吸収用品はこれら筋腱間に配置され、そして第１および第２の小厚み領域２８;３０はこの腱間に配置され、そしてこれによって圧縮される。したがって、「股部と前部との間の移行部」との用語は、本明細書では、用品の意図された使用時に上記二つの筋腱間に配置される領域として規定される。
横方向における上記第１および第２の小厚み領域２８;３０間の最小距離ａ１は、少なくとも、股部１４と前部１２との間の移行部３２に配置されるので、移行部３２は、これら腱間で正確に保持される。用品の前部１２は、それゆえ、これら腱の前方で、当該領域において保持され、その一方で、本用品の股部１４は着用者の生殖器に面して正確に配置される。これは、吸収用品の正しくない配置、あるいは装着中の用品のズレに関連する問題を回避するのに役立つ。特に、着用者の脚の動きによって、しばしば、一般的な生理用ナプキンは後方に移動するが、これは本発明によって軽減可能である。
限界距離は、着用者の股の二つの筋腱間の距離である(これはあらゆる人々に関して比較的一定であることが分かっている：約２５〜４５ｍｍ)。女性の約８０％に関して、上記二つの腱間の距離は概ね３０〜３２ｍｍである。横方向における上記第１および第２の小厚み領域２８;３０間の最小距離ａ１は、したがって、好ましくは１５ないし４５ｍｍ、さらに好ましくは２０ないし３０ｍｍである。距離ａ１が約３５ｍｍを超過すると、大多数の着用者は用品を不快に感じると思われる。距離ａ１が４５ｍｍを超過すると、不快さを非常に感じやすく、しかも擦過が非常に起きやすくなる。横方向における上記第１および第２の小厚み領域２８;３０間の最小距離ａ１はゼロより大きなものであるべきことが好ましい点に留意されたい。すなわち、第１および第２の小厚み領域は横方向にオーバーラップするべきではない。
着用者の内ももの腱間の横方向における吸収用品１０の第１および第２の小厚み領域２８;３０の圧縮はまた、用品の正確な三次元形状の形成を促進する。特に、小厚み部分における長手方向縁部２０;２２の横方向の圧縮によって、用品の前部１２が使用者に向かって上方に屈曲することが可能となり、そして「容器(ボール)」形状を実現することができる。これによって用品の、より密着した、より確実な装着が可能となる。吸収用品が予め決められたような形状となることはまた、望ましくない様式(これはたとえば漏れを引き起こすかもしれない溝を形成する)で用品が折り込まれるリスクを低減する。
製造後、本明細書で説明した種類の吸収用品は、たいてい折り込まれて、包装される。本発明に係る吸収用品のさらなる利点は、折り込みおよび包装時には明らかである。使用されていないとき、本用品は実質的に平面状であるので、吸収用品の折り込みおよび包装は、三次元的な用品に比べて簡素化される。さらに、用品が包装される際に生じたシワあるいは折り目は、用品が包装材から取り出された後でも、そのまま残ることがある。これは用品を装着する際に問題を提起する。なぜなら、包装プロセス由来の残存する、こうしたシワあるいは折り目によって、使用時に用品が望ましくない様式で折れ曲がることがあり、しかもさらに、それに沿って液体が容易に流れる溝を用品に形成し得るからである。小厚み領域を付与したことによって、包装材から取り出された後に、包装プロセスに起因するシワあるいは折り目が残ったままとなる用品の性状が緩和され、しかもこれら小厚み領域が用品の吸収コアの縁部に存在するので、輸送勾配は液体が縁部から離れるように流れるのを促進するのに役立つ。実際、包装材を開封した後に用品に存在している折り目は小厚み領域によって限度内に抑えられる。
小厚みの領域のさらなる効果は、それが大きな空隙および毛細管を有し、したがって周囲の領域よりも弱い毛管作用を有するということである。それゆえ、毛管勾配が用品中に存在し、その結果、液体はより厚みの大きな(柔軟ではない)領域に、より優先的に吸収される。これは、漏れに対する安全性が改善された用品をもたらす。なぜなら液体は小厚み領域には大厚み領域ほど多くは分配されないからである。
図２に示す実施形態において、本用品はさらに第３の領域３４を具備してなるが、この第３の領域３４はそれを取り囲む吸収コア１８の平均厚みよりも小さい平均厚みを有する。この小厚みの第３の領域３４は用品の後部１６に配置されており、しかも吸収コアの横方向縁部２６へと延在している。上述したように吸収コアは均一な密度を有する。繰り返すが、用品の対称性を維持するために、第３の小厚み領域３４は、用品の長手方向中心線Ａの上に存在する対称軸線Ａ１を有しているべきである。第３の小厚み領域３４は、それが用品の長手方向中心線Ａを中心として対称である限りは、いかなる形状を有することもできる。図２に示すような三角形状が第３の小厚み領域３４にとって特に好適である。
この実施形態によって、吸収用品の快適性と適合性(装着具合)がさらに向上する。吸収用品は、後部の長手方向中心線Ａに沿って折れ曲がり、そしてこれによって使用者の臀部間の窪みに収まる。これによって、用品の後方からの漏れのリスクが低減される。さらに、第３の小厚み領域３４は、用品の後部に、当該後部を通って液体が流れるのを阻止する吸収勾配をもたらす。後部に、ある折り込みラインを形成することによって用品の快適性が向上するが、これは、臀部間での用品の望ましくない捩れ、シワの生成、あるいはＺ字形の折れ曲がりが抑えられるからである。使用者の臀部間で後部１６が折れ曲がることはまた確実な装着を促進するが、これは、装着中の用品の横方向および長手方向のズレが低減されるからである。後部１６における第３の小厚み領域３４は第１および第２の小厚み領域２８;３０と協働し、着用者の体の輪郭にさらに一層密接に追従する形状を用品に付与する。
図３に示す実施形態によれば、本用品は横方向中心線Ｂを中心として対称である(すなわち前部および後部１２;１６は同じサイズであってかつ同じ形状であり、しかも長手方向に関して同じ長さを有している)。本用品はそれゆえ、いずれの方向ででも着用者に装着できる。これを行えるように、横方向における第１および第２の小厚み領域２８;３０間の距離ａｘは、股部１４と後部１６との間の移行部３２に位置させられた、さらなる最小値ａ３を持つ。本用品はさらに第６の領域３８を具備してなるが、この第６の領域３８は、それを取り囲む吸収コア１８の平均厚みよりも小さい平均厚みを有する。第６の小厚み領域３８は本用品の前部１２に配置され、かつ吸収コアの横方向縁部２４まで延在している。上述したように吸収コアは均一な密度を有する。第３の小厚み領域３４の場合と同様、上記第６の小厚み領域３８はまた、用品の長手方向中心線Ａ上に存在する対称軸線Ａ１を有している必要がある。本用品はそれゆえ、いずれの方向ででも装着可能であって、同じような優れた効果が得られる。
図４には、使用者の周りでいずれの方向にも配置可能な用品を得るための代替策を示す。股部１４と後部１６との間で移行部３２内に延在する第１および第２の小厚み領域２８;３０の代わりに、当該用品は第４の領域４０および第５の領域４２をさらに有し、この第４および第５の領域４０,４２における吸収コア１８の平均厚みは、この第４および第５の領域４０;４２を取り囲む吸収コア１８の平均厚みよりも小さなものである。第４および第５の小厚み領域４０;４２は用品の長手方向中心線Ａを中心として対称に配置されており、しかも吸収コア１８の個々の長手方向縁部２０;２２まで延在している。上述したように吸収コアは均一な密度を有する。先と同じようにして、横方向における上記第４および第５の小厚み領域４０;４２間の距離ａｙは、用品の長手方向に沿って変化する。横方向における上記第４および第５の小厚み領域４０;４２間の最小距離ａ４は、少なくとも、股部１４と後部１６との間の移行部３２に位置させられている。上述したように、本用品はさらに第６の領域３８を具備してなり、この第６の領域３８は、それを取り囲む吸収コア１８の平均厚みよりも小さな平均厚みを有する。この第６の小厚み領域３８は、用品の前部１２に配置されており、かつ吸収コアの横方向縁部２４まで延在している。上述したように吸収コアは均一な密度を有する。第６の小厚み領域３８は、用品の長手方向中心線Ａ上に存在する対称軸線Ａ１を有する。この実施形態による用品はいずれの方向にも装着でき、同じような優れた効果が得られる。
本発明による第１および第２の小厚み領域２８;３０は、長手方向における用品に沿った延長範囲を有する。これら小厚み領域の長手方向の延長範囲を増大させることによって、柔軟な縁部(これは快適さをさらに向上させる)を備えた用品が実現される。だが、横方向における第１および第２の小厚み領域２８;３０間の最小距離ａ１が、少なくとも股部１４と前部１２との間の移行部３２に位置させられるという条件は、依然として満たさなければならない。好ましくは、第１および第２の小厚み領域２８;３０は、用品の全長に沿って長手方向に延在していない。すなわち、長手方向ｙにおける第１および第２の小厚み領域２８;３０の最大長さ(最大延長範囲)ｂｘは、長手方向ｙにおける本吸収用品の全長(全延長範囲)ｂよりも小さなものである。好都合なことを言えば、長手方向ｙにおける第１および第２の小厚み領域２８;３０の最大長さ(最大延長範囲)ｂｘは、３〜１０ｃｍであり、さらに好ましくは４〜８ｃｍであり、最も好ましくは５〜７ｃｍである。
同様にして、横方向ｘにおける第３の小厚み領域３４の最大長さ(最大延長範囲)ａ２は、横方向ｘにおける吸収用品の全長(全延長範囲)よりも小さなものであるべきである。横方向ｘにおける第３の小厚み領域３４の最大長さ(最大延長範囲)ａ２は、横方向ｘにおける本吸収用品の全長(全延長範囲)の７５％よりも小さく、さらに好ましくはその５０％よりも小さく、最も好ましくはその２５％よりも小さい。
本用品の吸収コア１８は、好ましくは、用品の「股ポイント」において小さな厚みを持たない。なぜなら、そうした小さな厚みは通常は(望ましくない)吸収特性に帰着するからである。この場合、用品の横方向における上記第１および第２の小厚み領域２８;３０間の距離ａｘは、股部１４と前部１２との間の移行部３２におけるよりも、用品の股ポイント４４において、より大きくなっている。「股ポイント」は欧州特許第0 969 784号明細書(EP-B1-0 969 784)に規定されるようなものであり、そして国際出願PCT/SE2004/001759の明細書にさらに詳しく開示されている。それは、立った状態の着用者に本用品を装着し、続いて着用者の脚の周りに八の字状に伸長可能な糸を配置することによって特定される。糸の交点に対応する用品上のポイントが股ポイント４４とみなされる。この股ポイントは、意図した様式で着用者に吸収用品を配置し、そして糸の交点が用品／コアと交わることになる場所を特定することによって決定されることを理解されたい。
好ましくは、第１の小厚み領域２８、第２の小厚み領域３０、第３の小厚み領域３４およびその他の小厚み領域は、当該領域を取り囲む吸収コアの厚みよりも、少なくとも２０％小さい、さらに好ましくは少なくとも３０％小さい、最も好ましくは少なくとも５０％小さい最小厚みを有する。
上記小厚み領域を取り囲む吸収コアの厚みは、通常、３.５〜１２ｍｍ、好ましくは４.５〜１０ｍｍである。
吸収コアの密度は、通常、４０〜２００ｋｇ／ｍ３、好ましくは５０〜２００ｋｇ／ｍ３、さらに好ましくは７０〜９０ｋｇ／ｍ３であるべきである。これによって、吸収能力を維持したままで、所望の効果を得ることが可能となる。
小厚み領域の厚みは、当該領域の縁部に向かって漸増するように変化していてもよく、これによってそれは、当該領域が吸収コアの残部と出会う領域の縁部において１００％に達するようになる。このようにして、第１および第２の領域２８;３０の応力に対する抵抗は、それらが圧縮された際に増大する。これによって、より広い適合範囲がもたらされる。なぜなら、股の幅が狭い使用者は小厚み領域をさらに圧縮することができ、一方、股の幅が広い使用者は小厚み領域をそれほど圧縮しないからである。本用品はしたがって、上記範囲の二つの筋腱間距離を持たない少数の人々にも適合するであろう。さらに、上記領域における厚み勾配によって吸収勾配がもたらされるが、これは、厚みの小さな素材は毛管作用が弱いからである。これによって、漏れに対するさらなる安全性が実現されるが、なぜなら、本用品の吸収特性は縁部に向かって小厚み領域において減少し、そして液体は用品の中心に向かって案内されるからである。
さまざまな小厚み領域２８,３０,３４,３８,４０,４２は全て同じ厚みを有していてもよい。あるいは、横方向縁部まで延在する小厚み領域(すなわち第３の小厚み領域３４および第６の小厚み領域３８)が他の領域よりも小さい厚みを有している吸収用品によって、より優れた快適性が実現可能である。使用時、第３および第６の小厚み領域３４,３８は、使用者の臀部間に配置され、それゆえ、この領域の柔軟性が高いことが望ましい。
小厚み領域にも素材は存在すべきである。小厚み領域の厚みがゼロという状況は、本発明の範疇には含まれない。
吸収コアの密度、またはサンプルの平均密度を測定するための、さまざまな手法が文献に開示されている。特に、吸収コアのサンプルの平均厚みは、以下の手順に従って測定可能である。
・吸収コアを構成している層を慎重に分離させる：ただ単一コアが残るように内側または外側カバーシートを除去する。
・密度が測定される吸収コアのサンプルの領域に面積に関して対応する吸収コアに対して足で０.５ｋＰａの圧力を加える。
・サンプルの厚みを、この圧力を受けている状態で測定する。
本方法によって製造された吸収コア１８は均質であるように見える。これによって着用者には安全性に係るより大きな価値が提供される。だが、吸収コア１０はさらに、吸収コア１８の着用者に面する側にラインまたはマーキング４６を備えていてもよい。これは用品を正しく装着する際の助けとなり、しかも小厚み領域の位置を指し示す。ラインまたはマーキング４６は圧縮されたラインであってもよく、このラインは、用品の折り込みラインを形成するとともに、着用時に本用品の正しい折り込みを助ける。
本発明に係る生理用ナプキンは、着用者の下着への固定を可能とするために、従来公知の取り付け手段を具備していてもよい。そうした手段としては、用品の衣類に面する面上の接着剤の被覆物あるいは摩擦被覆物、あるいは用品の横方向に延在するとともに使用者の下着の股部の上に折り重なる取り付けフラップ(「ウイング」)が挙げられる。だが、そうした取り付け手段の特性および配置が使用時に本用品の機能を著しく妨害しないことが重要である。
本発明は特に、比較的厚みのある生理用ナプキンなどのような、比較的厚みのある吸収用品に関係する。なぜなら、それは初めから厚手であり、かつ身体に密着した状態で装着できるからである。そうした「厚みのある」用品は、約３ｍｍないし約１２.５ｍｍの間の、好ましくは５〜１１ｍｍの厚みを有する。だが、それは常に所要の様式で折り畳めるわけではない。本発明の小厚み領域によって、嵩張る不快なエッジが形成されないように、用品の折り込みを案内することが可能となる。本発明による「厚みのある」用品の最小厚みは、少なくとも３ｍｍ、好ましくは少なくとも５ｍｍであるべきである。
以上、生理用ナプキンを例に挙げて説明してきたが、本発明はまた、おむつ、失禁用パッドあるいはパンティーライナーなどのような、その他の吸収用品にも応用可能である。たとえば、おむつへ本発明を適用することで、快適性、密着具合および漏れ防止に関して、同様の利益がもたらされるであろう。
上記説明を本発明の限定として考えるべきではなく、本発明の範囲および限界は特許請求の範囲によって規定される。
生理用ナプキンである本発明の実施形態を示す図である。 吸収用品における小厚み領域の代替構成を示す図である。 吸収用品における小厚み領域の他の構成を示す図である。 吸収用品における小厚み領域の他の構成を示す図である。 本発明に係る吸収コアを製造することができる方法を示す断面図である。 本発明に係る吸収コアを製造することができる方法を示す断面図である。 本発明に係る吸収コアを製造することができる方法を示す断面図である。
符号の説明
１０ 吸収用品
１２ 前部
１４ 股部
１６ 後部
１８ 吸収コア
２０,２２ 長手方向縁部
２４,２６ 横方向縁部
２８ 第１の小厚み領域
３０ 第２の小厚み領域
３２ 移行部
３４ 第３の小厚み領域
３６ 移行部
３８ 第６の小厚み領域
４０ 第４の小厚み領域
４２ 第５の小厚み領域
４４ 股ポイント
４６ ライン(マーキング)
４８ 内側カバーシート
５０ 外側カバーシート
５２ 空気透過性型枠
５４ 繊維素材

Claims (16)

  1. 生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドあるいはおむつのような吸収用品(１０)であって、
    前記用品は横方向(ｘ)および長手方向(ｙ)を有し、
    前記用品はさらに、前部(１２)、股部(１４)および後部(１６)を有し、
    前記用品は単一組成および均一な密度の吸収コア(１８)を具備してなり、
    前記吸収コア(１８)は、一対の向き合う長手方向縁部(２０;２２)および一対の向き合う横方向縁部(２４;２６)によって画定され、
    前記吸収コア(１８)は、少なくとも第１の領域(２８)および第２の領域(３０)を有し、
    前記第１および第２の領域(２８,３０)における前記吸収コアコア(１８)の平均厚みは、前記第１および第２の領域(２８;３０)を取り囲む前記吸収コア(１８)の平均厚みよりも小さく、
    前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)は、前記用品の長手方向中心線(Ａ)を中心として対称に配置され、かつ前記吸収コアのそれぞれの長手方向縁部(２０;２２)まで延在しており、
    前記横方向における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)間の距離(ａｘ)は、前記用品の前記長手方向に沿って変化し、
    前記横方向における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)間の最小距離(ａ１)は、少なくとも、前記用品(１０)の前記股部(１４)と前記前部(１２)との間の移行部(３２)に位置させられていることを特徴とする吸収用品(１０)。
  2. 前記用品はさらに第３の領域(３４)を具備してなり、この第３の領域(３４)はそれを取り囲む前記吸収コア(１８)の平均厚みよりも小さな平均厚みを有し、
    前記第３の小厚み領域(３４)は前記用品の前記後部(１６)に配置され、かつ前記吸収コアの前記横方向縁部(２６)まで延在しており、
    前記第３の小厚み領域(３４)は、前記用品の長手方向中心線(Ａ)上に存在する対称軸線(Ａ１)を有することを特徴とする請求項１に記載の吸収用品。
  3. 前記吸収用品(１０)は横方向中心線(Ｂ)を中心として対称であり、かつ横方向における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)間の距離(ａｘ)は、前記股部(１４)と前記後部(１６)との間の移行部(３６)に位置させられたさらなる最小値(ａ３)を有し、かつ前記用品はさらに第６の領域(３８)を具備してなり、この第６の領域(３８)は、それを取り囲む前記吸収コア(１８)の平均厚みよりも小さな平均厚みを有し、前記第６の小厚み領域(３８)は前記用品の前記前部(１２)に配置され、かつ前記吸収コアの前記横方向縁部(２４)まで延在しており、前記第６の小厚み領域(３８)は前記用品の前記長手方向中心線(Ａ)上に存在する対称軸線(Ａ１)を有することを特徴とする請求項２に記載の吸収用品。
  4. 前記吸収用品(１０)は前記横方向中心線(Ｂ)を中心として対称であり、かつ前記吸収コア(１８)は第４の領域(４０)および第５の領域(４２)を有し、前記第４および第５の領域(４０,４２)における前記吸収コア(１８)の平均厚みは、この第４および第５の領域(４０;４２)を取り囲む前記吸収コア(１８)の平均厚みよりも小さなものであり、前記第４および第５の小厚み領域(４０;４２)は前記用品の長手方向中心(Ａ)を中心として対称に配置されかつ前記吸収コアのそれぞれの長手方向縁部(２０;２２)まで延在しており、前記横方向における前記第４および第５の小厚み領域(４０;４２)間の距離(ａｙ)は前記用品の前記長手方向に沿って変化し、かつ前記横方向における前記第４および第５の小厚み領域(４０;４２)間の最小距離(ａ４)は、少なくとも、前記股部(１４)と前記後部(１６)との間の前記移行部(３２)に位置させられており、かつ前記用品はさらに第６の領域(３８)を具備し、この第６の領域(３８)はそれを取り囲む前記吸収コア(１８)の平均厚みよりも小さな平均厚みを有し、前記第６の小厚み領域(３８)は前記用品の前記前部(１２)に配置され、かつ前記吸収コアの前記横方向縁部(２４)まで延在しており、前記第６の小厚み領域(３８)は前記用品の長手方向中心線(Ａ)上に存在する対称軸線(Ａ１)を有することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の吸収用品。
  5. 前記長手方向(ｙ)における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)の最大長さ(ｂｘ)は、前記長手方向(ｙ)における前記吸収用品の全長(ｂ)よりも小さなものであることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載の吸収用品。
  6. 前記長手方向(ｙ)における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)の最大長さ(ｂｘ)は、３〜１０ｃｍ、さらに好ましくは４〜８ｃｍ、最も好ましくは５〜７ｃｍであることを特徴とする請求項４に記載の吸収用品。
  7. 前記横方向(ｘ)における前記第３の小厚み領域(３４)の最大長さ(ａ２)は、前記横方向(ｘ)における前記吸収用品の全長(ａ)よりも小さなものであることを特徴とする請求項２ないし請求項６のいずれか１項に記載の吸収用品。
  8. 前記横方向(ｘ)における前記第３の小厚み領域(３４)の最大長さ(ａ２)は、前記横方向(ｘ)における前記吸収用品の全長(ａ)の７５％未満であり、さらに好ましくは５０％未満であり、最も好ましくは２５％未満であることを特徴とする請求項６に記載の吸収用品。
  9. 前記用品の前記横方向における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)間の距離(ａｘ)は、前記用品の股ポイント(４４)において、前記股部(１４)と前記前部(１２)との間の前記移行部(３２)におけるよりも大きなものであることを特徴とする請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載の吸収用品。
  10. 前記第１(２８)、第２(３０)、第３(３４)およびさらなる小厚み領域は最小厚みを有し、この厚みは、これら領域を取り囲む吸収コアの厚みよりも、少なくとも２０％小さく、さらに好ましくは少なくとも３０％小さく、最も好ましくは少なくとも５０％小さなものであることを特徴とする請求項２ないし請求項９のいずれか１項に記載の吸収用品。
  11. 前記第１(２８)、第２(３０)、第３(３４)およびさらなる小厚み領域の厚みは、それが前記領域の縁部に向かって漸増するように変化し、かつそれらが前記吸収コアの残部と出会う前記領域の縁部において、前記領域を取り囲む前記吸収コアの厚みの１００％に達するようになっていることを特徴とする請求項１ないし請求項１０のいずれか１項に記載の吸収用品。
  12. 前記股部(１４)と前記前部(１２)との間の移行部(３２)に配置された、前記横方向における前記第１および第２の小厚み領域(２８;３０)間の前記最小距離(ａ１)は、好ましくは１５〜４５ｍｍ、さらに好ましくは２０〜３０ｍｍであることを特徴とする請求項１ないし請求項１１のいずれか１項に記載の吸収用品。
  13. 吸収用品(１０)はさらに、前記吸収コア(１８)の水分に面する側に、ラインあるいはマーキング(４６)を具備してなることを特徴とする請求項１ないし請求項１２のいずれか１項に記載の吸収用品。
  14. 吸収用品(１０)はさらに、内側カバーシート(４８)および外側カバーシート(５０)を具備してなることを特徴とする請求項１ないし請求項１３のいずれか１項に記載の吸収用品。
  15. 前記吸収コア(１８)は、前記小厚み領域のいかなる箇所においても、前記外側カバーシート(５０)に対して接合されていないことを特徴とする請求項１ないし請求項１４のいずれか１項に記載の吸収用品。
  16. 用品の最小厚みは、少なくとも３ｍｍ、さらに好ましくは少なくとも５ｍｍであることを特徴とする請求項１ないし請求項１５のいずれか１項に記載の吸収用品。
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