本発明は、画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、マクロを利用した操作性の向上を図った画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体に関する。
各種機器、特に、プリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像処理装置においては、該機器に意図する動作を行わせるために種々の設定操作を行うが、この設定操作においては、通常、複数の設定値を取りうる設定機能(設定項目)が複数用意されており、これらの複数の設定機能がその設定値に対して複雑に関係している。また、近年、画像処理装置は、多機能化、高機能化してきており、これらの備えている複数の機能を利用するための操作手順も複雑化し、ユーザの操作上の負担が大きくなってきている。
そこで、従来から簡単な手順で複数の機能設定を一括して設定することのできるマクロ機能を搭載している画像処理装置が出現している。
ところが、従来のマクロ機能は、ユーザが設定しうる機能の設定内容とその手順を全てマクロとして保存するために、画像処理装置が多機能化するほどマクロ一件当たりのマクロ容量が大きくなり、マクロ保存用メモリの容量を圧迫することとなり、マクロ一件当たりの容量が大きくなった分だけ、同じマクロ保存用メモリに登録することのできるマクロ件数が少なくなるという問題が発生するようになってきている。
そこで、従来、機能の設定内容のうち、設定値が初期値と異なる機能のみをプログラム(マクロ)として保存することで、マクロ一件あたりに要するメモリ保存容量を抑制する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術にあっては、マクロ機能の利用性を向上させる上で、改良の必要があった。すなわち、画像処理装置においてマクロを利用する場合、画像処理装置の全機能の設定内容をマクロに保存する必要がないことが多く、全機能のうち任意の数個程度の設定内容がマクロに保存されていれば、それ以外の大半の機能は、初期値(初期設定値:規定設定値)のままで利用することができる。
そして、上記特許文献記載の従来技術にあっては、初期値と差分のある機能のみを登録することで、その機能をマクロによって有効利用することはできるが、ユーザが登録しておきたい機能の設定値が初期値と同じでった場合には、その機能の設定内容はマクロとしては登録されず、また、マクロ登録時の初期値と、マクロ呼び出し時の初期値との間にずれがあった場合には、ユーザがマクロ登録時の初期値で呼び出しを行いたくても、マクロ呼び出し時の初期値で呼び出されてしまい利用性を向上させる上で、改良の必要があった。例えば、コピー印刷の場合、初期値で片面⇒片面印刷が設定されていて、ユーザがそれを期待してマクロ登録したとしても、マクロ呼び出し時に初期値が変更されて片面⇒両面印刷に設定されていると、ユーザが期待していた片面⇒片面印刷ではなく、片面⇒両面印刷で画像処理装置が動作することとなり、利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
そこで、本発明は、マクロ記憶手段の容量を有効利用してマクロ登録件数を増やしつつ、マクロの利用性を向上させることのできる画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、予め設定されている各機能をその機能の規定設定値または該規定設定値から変更されているときには変更後の設定値に応じて機能動作させて画像処理を制御するが、機能の設定値を設定変更するための各種設定画面が開かれると、該設定画面に設定されている機能の設定値を取得し、任意の画像処理に対する一連の機能動作における各機能に対して前記設定値取得手段の取得した取得設定値と該規定設定値との差分を抽出して、マクロの登録が指示操作されると、一連の機能動作手順及び該一連の機能動作手順に属する機能の設定値のうち該差分のみをマクロとしてマクロ記憶手段に登録することを特徴としている。
また、本発明は、予め設定されている各機能をその機能の規定設定値または該規定設定値から変更されているときには変更後の設定値に基づいて機能動作させて画像処理を制御するが、マクロ登録が指示操作されると、マクロとして登録させる一連の機能を指定する登録対象機能指定手段で登録指定された機能の変更前後の設定値の差分を抽出し、マクロとして登録指定された一連の機能動作手順及び該機能動作手順に属する機能のうち該差分のみをマクロとしてマクロ記憶手段に登録することを特徴としている。
これらの場合、本発明は、前記規定設定値を変更する規定設定値変更手段と、該規定設定値変更手段による規定設定値の変更が前記マクロ記憶手段に記憶されているマクロの動作に影響する旨を通知する通知手段と、を備えていることを特徴としてもよい。
また、本発明は、前記規定設定値を変更する規定設定値変更手段と、該規定設定値変更手段による規定設定値の変更によってその機能動作に影響を受けるマクロが前記マクロ記憶手段に記憶されていると、該マクロの影響を受ける該機能の変更前後の差分を該機能に対して追加登録してマクロを修正するマクロ修正手段と、を備えていることを特徴としてもよい。
さらに、本発明は、前記規定設定値を変更する規定設定値変更手段と、該規定設定値変更手段による規定設定値の変更によってその機能動作に影響を受ける機能を複数含むマクロが前記マクロ記憶手段に記憶されていると、該マクロの機能動作に影響を受ける該機能の変更後の設定値と規定設定値との差分を該機能に対して追加登録する機能修正手段と、を備えていることを特徴としてもよい。
また、本発明は、前記マクロ修正手段によるマクロ修正の要否の選択を該規定設定値変更の影響を受ける前記マクロ毎に選択するマクロ修正選択手段と、前記機能修正手段による機能修正の要否の選択を該規定設定値変更の影響を受ける機能毎に選択する機能修正選択手段と、のうち少なくともいずれかを備えていることを特徴としてもよい。
さらに、本発明は、前記マクロ記憶手段に記憶されているマクロを所定の外部装置に出力するマクロ出力手段を備えていることを特徴としてもよい。
また、本発明は、前記マクロを受信するマクロ受信手段と、該マクロ受信手段の受信したマクロを前記記憶手段に登録する外部マクロ登録手段と、を備えていることを特徴としてもよい。
さらに、本発明は、前記マクロ受信手段の受信したマクロと前記マクロ記憶手段に記憶されているマクロを照合して、マクロの有無及び機能設定に差異のあるマクロについて該差異の部分のみを前記外部マクロ登録手段に前記記憶手段へ登録させる照合手段を備えていることを特徴としてもよい。
本発明によれば、機能の設定値を設定変更するための各種設定画面が開かれると、該設定画面に設定されている機能の設定値を取得して、任意の画像処理に対する一連の機能動作における各機能に対して取得した該取得設定値と該規定設定値との差分を抽出し、マクロの登録が指示操作されると、一連の機能動作手順及び該一連の機能動作手順に属する機能の設定値のうち該差分のみをマクロとしてマクロ記憶手段に登録するので、マクロ用のメモリであるマクロ記憶手段の容量を有効活用してマクロ登録件数を増やすことができるとともに、マクロの利用性を向上させることができる。
また、本発明によれば、マクロ登録が指示操作されると、規定設定値と同じ設定値の機能についても、マクロとして登録させる一連の機能を指定する登録対象機能指定手段で登録指定された機能の変更前後の設定値の差分を抽出し、マクロとして登録指定された一連の機能動作手順及び該機能動作手順に属する機能のうち該差分のみをマクロとしてマクロ記憶手段に登録するので、マクロ用のメモリであるマクロ記憶手段の容量を有効活用してマクロ登録件数を増やすことができるとともに、マクロの利用性を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図10は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した複合装置1のブロック構成図である。
図1において、複合装置1は、CPU(Central Processing Unit )10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、操作表示部13、不揮発性メモリ14、通信I/F(インターフェイス)15、記録媒体I/F16及びエンジン17等を備えており、操作表示部13操作に応じてスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複合機能を実行する。
ROM11は、複合装置1としての基本プログラムや後述する操作パネルのマクロ制御処理を実行するマクロ制御プログラム及び必要な各種データを格納しており、CPU(制御手段、設定値取得手段、差分抽出手段、マクロ登録手段、マクロ修正手段、機能修正手段)11は、ROM11内のプログラムに基づいて、RAM12をワークメモリとして利用して、操作表示部13での操作に応じた複合装置1としての各種機能を実行するとともに、後述するマクロ制御処理を実行する。
そして、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の操作制御方法を実行する操作制御プログラムを読み込んでROM11や後述する記録媒体I/F16に接続されるハードディスク等に導入することで、後述するマクロを用いた操作制御を効率的にかつ有効利用可能に制御する操作制御方法を実行する複合装置1として構築されている。この操作制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
操作表示部(設定値変換操作手段、登録指示手段、登録対象機能指定手段、規定設定値変更手段、通知手段、機能修正選択手段、マクロ修正選択手段)13は、図2に示すように、液晶タッチパネル21、テンキー22、スタートキー23、リセットキー24、マクロ登録キー25及びマクロキー26等が設けられており、複合装置1の各種動作を行わせるのに必要な操作、特に、後述するマクロを利用した機能の設定内容の入力操作等に使用される。
テンキー22は、コピーモードでのコピー枚数、ファクシミリモードでの宛先入力等に使用される。スタートキー23は、各種機能モードでの処理の開始や各種設定指示等に使用され、リセットキー24は、入力内容を取り消したり、現在の設定モードをデフォルト設定モードに復帰させたりするのに使用される。
マクロ登録キー(登録指示手段)25及びマクロキー26は、後述するマクロ機能に関するキーであり、マクロ登録キー25は、押下された時点で設定されている機能の設定内容をマクロとして登録・保存させるためのキーであり、マクロキー26は、登録されているマクロの呼び出し等の登録済みのマクロに対する操作を行うためのキーである。
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ上にタッチパネルが配設されており、表示部21には、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、複合装置1からオペレータに通知する現在の画像処理装置1の動作状態や各種機能設定画面として、設定項目と設定機能キー等を表示する。なお、図3(a)は、基本画面であり、コピーモードで、自動用紙選択と等倍コピーが選択されている状態を示しており、図3(b)は、図3(a)の基本画面で、両面印刷/集約/分割の設定項目が選択されたときの両面印刷/集約/分割の設定画面で、自動用紙選択はそのままで、片面原稿を両面印刷する機能設定が選択されている状態を示しており、図3(c)は、図3(b)の両面/集約/分割の設定画面で、「OK」の機能キーが操作されて、自動用紙選択、等倍及び片面原稿の両面印刷が設定された状態のコピー基本画面を示している。また、図3(b)の両面/集約/分割設定画面で、上記説明では、両面印刷を設定している状態について説明を行っているが、集約ボタン、または、分割ボタンを選択することで、次の設定画面として、集約または分割の設定画面を表示して、集約または分割に対して設定を行うことができる。
この表示部21は、液晶ディスプレイに表示されている各表示機能キー部分のタッチパネルをタッチ操作することで、設定操作等の各種操作を行うことができる。
不揮発性メモリ(マクロ記憶手段)14は、複合装置1の電源がオフの場合にも記憶しておくべき情報、特に、後述するマクロ制御処理における設定マクロ内容等がCPU10の制御下で格納され、また、読み出される。
通信I/F15は、コンピュータのクライアント端末や他の画像形成装置等の接続されているネットワークが接続され、コンピュータ等のネットワーク上の機器との通信を行う。
記録媒体I/F16には、ハードディスク等の記録媒体が接続または装着され、これらの記録媒体には、フォントデータ、プログラム及び印字データ等の種々のデータが記録され、また、記録媒体へのデータやプログラムの書き込み及び読み出しをCPU10が記録媒体I/F16を介して行う。
エンジン17は、プリンタエンジン、スキャナエンジン、ファクシミリ通信エンジン等を総称したものであり、スキャナエンジンは、スキャナ(画像読取部)2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したイメージスキャナ等が利用されていて、原稿を走査して、原稿の画像を所定の解像度で読み取る。ファクシミリ通信エンジンは、電話回線等が接続されており、該電話回線等を介して相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換して、ファクシミリ通信手順を実行して、スキャナエンジンの読み取った画像データのファクシミリ送信や相手ファクシミリ装置からの画像データの受信を行う。プリンタエンジンは、例えば、インク噴射方式、電子写真方式、熱転写方式等の印刷方式で、スキャナエンジンの読み取った原稿の画像データ、通信I/F15を介してクライアント端末等から受信した印刷データ、ファクシミリ通信エンジンの受信したファクシミリ画像データに基づいて画像を用紙に記録出力する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、機能画面設定を開いた機能については、その機能の設定値の規定設定値(初期値)との差分のみをマクロとして登録することで、マクロを登録する不揮発性メモリ14の容量の圧迫を抑制しつつ、ユーザの意図するマクロを登録して実行させる。
なお、マクロの登録においては、マクロ登録の時点で、該マクロ登録に関わる機能については、その全ての機能が、以下の3つのマクロパターンに分類される設定値のいずれかで起動動作する。
機能パターンa:ユーザが機能の設定値の変更を行ってマクロ登録した機能については、マクロ呼び出し時には、マクロ登録時の設定値で機能動作する機能パターン。
機能パターンb:ユーザが機能の設定変更を行わなかったが、該機能の規定設定値である初期値(以下、必要に応じて、初期設定値ともいう。)でマクロ登録された機能については、マクロ呼び出し時には、マクロ登録時の初期値で機能動作する機能パターン。
機能パターンC:ユーザが設定値の変更を行わず、マクロ登録もされていない機能をマクロ呼び出ししたときには、呼び出したときの機能の初期値で機能動作する機能パターン。
上記図3に示した両面印刷設定をマクロ登録する場合について説明する。いま、図3に示したように、図3(a)の基本画面で両面/集約/分割設定が選択され、図3(b)に示した両面/集約/分割の設定画面で片面⇒両面が選択設定されて、「OK]が操作されると、図(b)に示した片面原稿を両面印刷するコピー画面となるが、この片面・原稿両面印刷の画面が、図4(a)に示されており、図4(a)の片面・原稿両面印刷画面で、マクロ登録キー(図2参照)25が押下されると、CPU10は、マクロを記録・保管するマクロ記憶手段である不揮発性メモリ14のマクロ登録領域の空き容量があるかチェックする(ステップS101)。
すなわち、開いた機能画面で設定値の変更(初期設定値のまま)を行っていない場合であっても、マクロ登録を行う画面を提供して、マクロ登録を可能とする。
ステップS101で、空き容量があるときには、CPU10は、該片面⇒両面の印刷設定を入力された名前(図4では、「片面から両面」)を付与して不揮発性メモリ14にマクロ登録処理し(ステップS102)、登録が完了すると、その旨を操作表示部13の表示部21に表示して(ステップS103)、元の片面⇒両面のコピー画面を表示部21へ表示する状態に復帰する。
ステップS101で、不揮発性メモリ14にマクロを登録する空き容量がないときには、CPU10は、マクロが登録できない旨を表示部21に表示して(ステップS104)、元の片面⇒両面のコピー基本画面を表示部21へ表示する状態に復帰する。
したがって、各種機能設定画面を開いて初期値から変更した機能設定値を、ユーザがマクロ登録キー25を押下することで、ユーザの必要とするマクロのみを簡単かつ容易にマクロ登録を行うことができる。
そして、このマクロ登録では、内部処理をメモリ容量を削減しつつ高速処理を容易なものとするために、図5に示すように、ユーザの設定可能な各機能名(用紙トレイ選択設定、部数設定、変倍設定、両面設定・・・・)と、機能ナンバNo(0〜N−1)が機能テーブルとして、例えば、不揮発性メモリ14等に登録されており、マクロ登録では、各マクロ毎に、不揮発性メモリ14に、例えば、図6に示すような、マクロ登録を特定する登録マクロ変数count毎に、それぞれ登録マクロ内容が設定登録され、図5の機能ナンバを格納する変数である機能ナンバNo[count]、機能ナンバNo[count]に対応する機能の設定値を格納するvalue[count]からなる。すなわち、マクロ登録エリアは、各マクロ毎に、Value[i](i=0〜count−1、countもマクロ登録エリアより読み出す)に、No[i]で示す機能番号の機能の設定値が格納される。No[i]で示された機能番号の機能の設定値をValue[i]の値に設定する。
そして、CPU10は、上記マクロ登録処理を、図7に示すマクロとして登録する機能の機能番号と設定値を取得する機能番号・設定値取得処理及び図8に示すように登録する機能数に従ってマクロテーブルのマクロ登録エリアを不揮発性メモリ14に確保してマクロテーブルに該マクロの設定値を保存するマクロテーブル登録処理を実行する。まず、図7の機能番号・設定値取得処理について説明する。すなわち、CPU10は、マクロ登録処理においては、まず、登録すべき機能数をカウントする変数cを「0」に初期化し(ステップS201)、操作表示部13の操作によって機能の設定変更を検知すると(ステップS202)、該変更された機能の機能番号を機能番号変数keyに登録する(ステップS203)。この機能番号・設定値取得処理では、CPU10は、例えば、RAM12等に図7の右側に示すようなMap型変数表を作成して、該Map型変数表に、順次上記機能番号変数key及び後述する該機能番号変数keyに対応する機能設定値valueを登録する。
CPU10は、変数keyへの機能番号の登録を行うと、該機能番号keyに対応させて変更後の機能設定値を変数valueに登録(例えば、図5でトレイ選択設定機能を示す機能ナンバ「0」の機能番号keyに対しては、選択された機能の機能設定値である「自動用紙選択」(実際には、コード)を登録する(ステップS204)。
次に、該変数keyと変数valueの対を図7の右に示すMap型の一時変数(map)に追加登録し(ステップS205)、変数cを「1」だけインクリメントして(ステップS207)、ステップS202に戻って上記同様に処理を行って、ユーザによって変更された機能設定値を全てMap型一時変数mapに登録する(ステップS202〜ステップS207)。
上記機能番号・設定値取得処理を完了すると、CPU10は、次に、図8に示すマクロテーブル登録処理を実行する。すなわち、マクロ登録の開始を行い(ステップS301)、不揮発性メモリ14に今回登録するマクロのマクロ登録エリアを確保する(ステップS302)。マクロ登録エリアを確保すると、CPU10は、変数countに「0」を設定し(ステップS303)、一時変数mapの全要素にアクセスして(ステップS304)、mapに要素が残っているかチェックする(ステップS305)。
ステップS305で、一時変数mapに要素が残っているときには、CPU10は、配列の機能番号変数no[i]に対応させて変数keyを設定し(ステップS306)、該変数keyも紐付けられている設定値valueを一時変数mapから取得して、マクロテーブルのvalueに登録する(ステップS307)。CPU10は、変数keyのマクロテーブルのvalueへの登録を行うと、次の変数keyを変数keyに設定し(ステップS308)、ステップS305に戻って、一時変数mapに変数が残っているかチェックする処理を上記同様に行って(ステップS305〜S308)、一時変数mapの変数(機能番号変数noと変数key)のマクロテーブルへの登録を完了して、ステップS305で、一時変数mapに残っている要素がなくなると、処理を終了する。したがって、マクロ呼び出しを行った結果、No[i]に登録されていた機能番号の機能の設定値が、マクロ登録値に設定されていた設定値に設定され、それ以外の機能番号の機能の設定値は初期値の値が維持される。
次に、上述のようにしてマクロが不揮発性メモリ14のマクロテーブルに登録されている状態で、該登録されているマクロを読み出して利用・修正等を行う処理について説明する。
図9(a)に示すように、例えば、コピー基本画面を表示している状態で、操作表示部13のマクロキー26が押下されると、図9(b)に示すように、CPU10は、不揮発性メモリ14のマクロテーブルからマクロ名を読み出して、マクロメニュー画面を表示する。マクロメニュー画面には、マクロの呼び出し、登録、名称変更、消去及び初期値として登録のマクロに対する処理操作ボタンとマクロ名が表示されている。このマクロメニュー画面で対象となるマクロが指定されて、呼び出しボタンが操作されると、後述するマクロ呼び出し処理を行って、マクロを呼び出した旨を表示または音声によって通知して、図9(c)に示すように、該マクロによる操作画面(図9(c)では、自動用紙選択、等倍及び片面⇒両面印刷の設定されたコピー画面)を表示する。
すなわち、CPU10は、図10に示すように、操作表示部13のマクロキー26が押下されて、呼び出し対象のマクロ名が選択されて呼び出しが指示操作されると、複合装置1の全機能の設定値を初期値に設定し(ステップS401)、登録する機能数を示す変数countを読み出すためのインデックス変数i(i=0〜count−1)を初期化(「0」に設定)して(ステップS402)、機能ナンバno[i]を変数nに設定する(ステップS403)。
CPU10は、該選択されたマクロに設定されている変数value[i]から設定値を読み出し(ステップS404)、読み出した設定値を機能番号nの機能として設定する(ステップS405)。次に、CPU10は、インデックス変数iをインクリメント(i+1)して(ステップS406)、インデックス変数iが登録されている機能数の変数countに達していないかチェックし(ステップS407)、インデックス変数iが変数countに達していないときには、ステップS403に戻って、機能ナンバno[i]を変数nに設定する処理から上記同様に処理する(ステップS403〜S407)。
ステップS407で、インデックス変数iが変数countになると、処理を終了する。すなわち、マクロ呼び出しが行われると、複合装置1の機能設定を、該呼び出されたマクロの設定値に基づいて設定する。
このように、本実施例の複合装置1は、予め設定されている各機能をその機能の規定設定値である初期設定値または該初期設定値から変更されているときには変更後の設定値に応じて機能動作させて画像処理を制御する際に、機能の設定値を設定変更するための各種設定画面が開かれると、該設定画面に設定されている機能の設定値を取得して、任意の画像処理に対する一連の機能動作における各機能に対して取得した取得設定値と該規定設定値との差分を抽出し、マクロの登録が指示操作されると、一連の機能動作手順及び該一連の機能動作手順に属する機能の設定値のうち該差分のみをマクロとしてマクロ記憶手段である不揮発性メモリ14に登録している。この場合、一度でも設定画面が開かれると、該設定画面の機能については、設定値が規定設定値から変更されていない場合であっても、マクロとして登録する。
したがって、登録対象のマクロの一連の機能手順とその設定値を全て記録することなく、規定設定値である初期設定値とマクロ登録時の設定値との差分のみを記録するとともに、設定画面の開かれた機能については、ユーザがその機能について利用意思があるものとして、該マクロ登録方式で、マクロ登録するので、マクロ用のメモリである不揮発性メモリ14の容量を有効活用してマクロ登録件数を増やすことができるとともに、マクロの利用性を向上させることができる。
図11は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第2実施例を適用した複合装置による初期設定値と同じ設定値のマクロの登録処理を示す画面付きフロー図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例のプリンタ装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
複合装置1は、図11(a)に示すような初期設定のコピー画面で、マクロ登録キー25が押下されると、図11(b)に示すようなマクロ登録画面に移行し、マクロ名が入力されて、設定ボタンが押下(タッチ操作)されると、CPU10が、マクロの登録メモリである不揮発性メモリ14にマクロを登録するだけの空き容量があるかチェックする(ステップS501)。ステップS501で、空き領域がないときには、マクロ登録を行うことができない旨を報知した後、初期設定のコピー画面に戻る。
ステップS501で、マクロ名が入力されたときに、直ぐに、登録処理を行うのではなく、図11(c)に示す初期値と同じ設定値の機能をマクロとして選択する可能な初期値マクロ選択画面を操作表示部13の表示部21に表示し、選択が行われて「OK」ボタンが押下されると、不揮発性メモリ14の空き容量の確認を行う(ステップS502)。
なお、図11(c)の初期値マクロ選択画面では、各機能は、カテゴリー(例えば、「編集/カラー」)毎にまとめられており、カテゴリーの左横の「+」ボタンが押されると、そのカテゴリーに含まれるサブカテゴリー及び機能の設定項目が展開される(図10では、「編集/カラー」、「両面/編集/分割」のカテゴリーが展開され、かつ、「両面/編集/分割」のカテゴリーの「両面」のカテゴリーが展開されている状態を示している。)。すなわち、ユーザは、機能の横の「+」ボタンを押して、その機能カテゴリーを展開すると、その機能において設定しうる設定値と現在設定されている値が分かるようになっている。また、各機能やカテゴリーの横には□のチェックボックスがあり、マクロ登録する場合はチェックを入れることができ、チェックが入れられると、□を■に変更して、チェックボックスを黒で塗りつぶす。さらに、カテゴリーにチェックが入れられたり外されたりした場合は、CPU10は、その下に配置されているサブカテゴリー及び機能のチェックボックスも同様に変更し、カテゴリーの下にある一部のサブカテゴリー、または、機能にのみチェックが入っている場合は、図11(c)の両面/編集/分割の欄に示すように、その上位のカテゴリーのチェックボックスを、灰色等で塗りつぶして、下位カテゴリーチェックが入っていることを明示する。
ステップS502で、不揮発性メモリ14の空き容量が充分にないときには、CPU10は、マクロ登録を行うことができない旨を報知した後、基本画面に戻る。
ステップS502で、不揮発性メモリ14の空き容量があるときには、CPU10は、上記同様にして、マクロ登録処理を行い(ステップS503)、マクロ登録処理が完了すると、登録が完了した旨を報知して(ステップS504)、基本画面に戻る。
このように、本実施例の複合装置1は、予め設定されている各機能をその機能の規定設定値または該規定設定値から変更されているときには変更後の設定値に基づいて機能動作させて画像処理を制御するが、マクロ登録が操作表示部13のマクロ登録キー25で指示操作されると、マクロとして登録させる一連の機能を登録指定された機能の変更前後の設定値の差分を抽出し、マクロとして登録指定された一連の機能動作手順及び該機能動作手順に属する機能のうち該差分のみをマクロとして不揮発性メモリ14に登録している。
したがって、登録対象の機能の設定値が規定設定値(初期設定値)のままであってもユーザの意図するマクロを不揮発性メモリ14の容量を有効活用しつつ登録することができ、利用性を向上させることができる。
すなわち、マクロ登録の際に、初期値と差分のある機能以外にも保存しておきたい機能をユーザが選択することで、マクロとして保存することができ、ユーザがマクロとして登録しておきたい機能の抜け漏れをなくすことができ、利便性をより一層向上させることができる。
図12は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第3実施例を適用した複合装置による一旦登録したマクロを初期設定値として再登録するマクロ初期値変更登録処理を示す画面付きフロー図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例のプリンタ装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
複合装置1は、図12(a)に示すような基本画面(例えば、図11(a)のような画面)で、マクロキー26が押下されると、CPU10は、図12(b)に示すようなマクロメニュー画面を表示部21に表示させ、マクロメニュー画面には、マクロに関する各種操作ボタンと読み出すマクロが表示されていて、この操作ボタンの1つに、「初期値として登録」ボタンが設けられている。
このマクロメニュー画面で、「初期値として登録」ボタンが押下されると、CPU10は、図12(c)に示すような初期値変更登録画面を表示し、この初期値変更登録画面では、現在のマクロの設定内容を該マクロの初期値として設定登録する「登録」ボタン、複合装置1の工場出荷時のマクロの初期設定値に戻す「工場出荷時に戻す」ボタン、及び、画面を閉じるのに使用する「閉じる」ボタンがある。なお、「工場出荷時に戻す」ボタンは、機能設定を複合装置1の工場出荷時に設定されていた設定値に戻すことを意味し、初期値(規定設定値)は、工場出荷時のままであることもあるが、その後にユーザが初期値として設定操作した設定値が初期値となることもありユーザが適宜に所定値として設定することのできる規定値である。
図12(c)で、「登録」ボタンが押されると、CPU10は、図12(d)に示すような初期値登録確認画面を表示部21に表示させる。
この初期値登録確認画面では、「登録しない」と「登録する」のボタンを表示するとともに、「現在の設定を初期画面に登録します。この登録を行うと、登録済みマクロの動作が変更される可能性がありますが、よろしいですか?」の確認表示を行う。
CPU10は、初期値登録確認画面で「登録する」ボタンが押下されると、マクロ情報の登録処理を行って、基本画面に復帰する。
このように、本実施例の複合装置1は、規定設定値である初期設定値が操作表示部13の操作で変更された後に、マクロ登録する場合に、初期設定値の変更が不揮発性メモリ14に記憶されているマクロの動作に影響する旨を通知している。
したがって、不揮発性メモリ14にマクロとして、初期設定値との設定値の差分のみを記録していることによって、初期設定値が変更されることで、マクロ実行時にその機能の実行に影響が発生することをユーザに周知させることができ、利用性を向上させつつ、不揮発性メモリ14の有効利用を図ってマクロ登録件数を増やすことができる。
この場合、図13に示すように、既に、マクロの設定値が初期値から変更されているときには、変更後の設定値のマクロと、初期値のマクロの両方を登録するか否かをユーザに選択させるようにしてもよい。
すなわち、複合装置1は、図13(a)に示すような基本画面(例えば、図11(a)のような画面)で、マクロキー26が押下されると、CPU10は、図13(b)に示すようなマクロメニュー画面を表示部21に表示させ、マクロメニュー画面には、マクロに関する各種操作ボタンと読み出すマクロが表示されていて、この操作ボタンの1つに、「初期値として登録」ボタンが設けられている。
このマクロメニュー画面で、「初期値として登録」ボタンが押下されると、CPU10は、図13(c)に示すような初期値変更登録画面を表示し、この初期値変更登録画面では、現在のマクロの設定内容を該マクロの初期値として設定登録する「登録」ボタン、複合装置1の工場出荷時のマクロの初期設定値に戻す「工場出荷時に戻す」ボタン、及び、画面を閉じるのに使用する「閉じる」ボタンがある。
図13(c)で、「登録」ボタンが押されると、CPU10は、図13(d)に示すような初期値登録確認画面を表示部21に表示させる。
この初期値登録確認画面では、「登録しない」と「登録する」のボタンを表示するとともに、「現在の設定を初期画面に登録します。この登録を行うと、登録済みマクロの動作が変更される可能性がありますが、よろしいですか?」の確認表示を行う。
CPU10は、初期値登録確認画面で「登録する」ボタンが押下されると、機能設定値に変更のあった機能をマクロとして追加登録するかを問い合わせる追加登録問い合わせ画面を、図13(e)に示すように行い、追加登録問い合わせ画面には、上記追加登録の有無を問い合わせるメッセージ(「初期値が変更されました。変更のあった初期値を既に登録されているマクロに対して追加で登録しますか? 登録する場合はもともと初期値で動くことを想定していた機能はマクロ登録時の初期値で動作し、登録しない場合は、変更後の初期値で動作します。」)と、「登録しない」ボタンと、「登録する」ボタンとを表示する。
そして、追加登録問い合わせ画面で、「登録する」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更前の初期値を参照して機能動作するマクロ設定にマクロ情報変更処理を行って(ステップS601)、基本画面に戻る。また、追加登録問い合わせ画面で、「登録しない」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更後の初期値(設定値)を参照して機能動作するマクロ登録状態のまま、基本画面に戻る。
このようにすると、初期値変更による影響を考慮して、初期設定値の変更の有無を選択することができ、利用性をより一層向上させることができる。すなわち、ユーザの気づかないうちにマクロの動作が変更されてしまうことを適切に防止して、マクロ動作がユーザの意図する状態で動作するように設定可能とすることができ、信頼性を向上させることができる。
図14〜図17は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第4実施例を示す図であり、図14は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第4実施例を適用した複合装置による一旦登録したマクロの設定値の確認と変更を行うマクロ情報確認・変更処理を示すフローチャートである。
なお、本実施例は、上記第1実施例のプリンタ装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
複合装置1は、図14に示すように、一旦不揮発性メモリ14に登録したマクロを適時に呼び出して確認を可能とするとともに、該確認の結果による変更を可能とする。
すなわち、CPU10は、基本画面でマクロキー26が押下されると、マクロメニュー画面を表示部21に表示して、図14に示すように、まず、不揮発性メモリ14に登録済みのマクロのインデックス変数k(k=0〜M−1)を、「0」に初期化して、インデックス変数kのマクロkの読み出しを行う(ステップS702)。すなわち、不揮発性メモリ14に格納されているマクロには、図15に示すように、マクロインデックスであるマクロNo(0〜M−1)とマクロ名(片面から両面、2ページ集約等)が対となったマクロテーブルが登録されており、このマクロテーブルに登録されているマクロを調査するために、インデックス変数kを設定している。
次に、CPU10は、変数nに「0」をセットし(ステップS703)、インデックスlに「0」をセットして(ステップS704)、変数nが機能ナンバno[l]と異なるか、すなわち、機能番号nがマクロとして登録されていないかチェックする(ステップS705)。ステップS705で、変数nが機能ナンバno[l]と異なるときには、インデックスlを「1」だけインクリメント(l=l+1)して、(ステップS706)、インデックスlが変数countよりも小さいか、すなわち、全てのマクロについて調べたかチェックし(ステップS707)、全てのマクロについて調べていないときには、ステップS705に戻って、上記同様に処理する(ステップS705〜S707)。
ステップS707で、CPU10は、インデックスlがcount変数に到達すると、すなわち、全てのマクロについて調べると、変更前の初期値と変更後の初期値に相異があるかチェックし(ステップS708)、変更前の初期値と変更後の初期値に相異がないときには、該機能の初期値の変更が行われないと判断して、ステップS705に戻って上記同様に処理する(ステップS705〜S708)。
ステップS708で、変更前の初期値と変更後の初期値が相異するときには、CPU10は、機能の初期値に変更が加えられたと判断して、機能番号を示す変数nを変数keyに入れ(ステップS709)、変更前の初期値を変数valueに設定して(ステップS710)、変数keyと変数valueの対をMap側一時変数mapに追加する(ステップS711)。
次に、CPU10は、変数nを「1」だけインクリメントして(ステップS712)、該変数nが機能数を示す変数Nよりも小さいかチェックし(ステップS713)、変数nが変数Nよりも小さいときには、ステップS704に戻って、変数lに「0」を設定する処理から上記同様に処理する(ステップS704〜S713)。ステップS713で、変数nが機能数を示す変数Nに到達すると、一時変数mapから変数keyと変数valueを取得して、変数kのマクロ(マクロk)の登録情報を更新し(ステップS714)、マクロのインデックスkを「1」だけインクリメントして(ステップS715)、インデックスkがマクロの総数Mに達したかチェックする(ステップS716)。
ステップS716で、マクロのインデックスkがマクロ総数Mに到達していないときには、CPU10は、全てのマクロについて処理を完了していないと判断して、ステップS702に戻ってインクリメントしたインデックスkのマクロを不揮発性メモリ14から読み出す処理から上記同様に処理を実行する(ステップS702〜S716)。
そして、ステップS716で、インデックスkがマクロ総数Mに到達すると、全てのマクロについて更新処理を完了したと判断して、処理を終了する。
このように、本実施例の複合装置1は、不揮発性メモリ14に登録されているマクロの内容を確認して適宜変更することができ、特に、初期値(規定設定値)の変更によるマクロ動作への影響を確認することができ、マクロを適切な状態として利用性を向上させることができるとともに、不要なマクロの削除等を行うことで、不揮発性メモリ14の有効利用をより一層向上させることができる。
すなわち、初期値の変更時に、既に登録されたマクロに変更前の初期値を追加で登録することができ、変更前の初期値で動作することを想定していた機能を、ユーザが意図した内容で確実に動作させることができ、利用性及び信頼性を向上できる。
なお、上記登録マクロ変更処理においては、図16に示すように、マクロとして保存する機能の選択を可能としてもよい。すなわち、図16(a)に示すように、基本画面(例えば、図11(a)のような画面)を表示中に、マクロキー26が押下されると、CPU10は、図16(b)に示すようなマクロメニュー画面を表示部21に表示させ、マクロメニュー画面には、上記同様に、マクロに関する各種操作ボタンと読み出すマクロが表示されていて、この操作ボタンの1つに、「初期値として登録」ボタンが設けられている。 このマクロメニュー画面で、「初期値として登録」ボタンが押下されると、CPU10は、図16(c)に示すような初期値変更登録画面を表示し、この初期値変更登録画面では、現在のマクロの設定内容を該マクロの初期値として設定登録する「登録」ボタン、「工場出荷時に戻す」ボタン及び「閉じる」ボタンがある。
図16(c)で、「登録」ボタンが押されると、CPU10は、図16(d)に示すような初期値登録確認画面を表示部21に表示させる。
この初期値登録確認画面では、「登録しない」と「登録する」のボタンを表示するとともに、「現在の設定を初期画面に登録します。この登録を行うと、登録済みマクロの動作が変更される可能性がありますが、よろしいですか?」の確認表示を行う。
CPU10は、初期値登録確認画面で「登録する」ボタンが押下されると、機能設定値に変更のあった機能をマクロとして追加登録するかを問い合わせる追加登録問い合わせ画面を、図16(e)に示すように行い、追加登録問い合わせ画面には、上記追加登録の有無を問い合わせるメッセージ(「初期値が変更されました。変更のあった初期値を既に登録されているマクロに対して追加で登録しますか?、登録する場合はもともと初期値で動くことを想定していた機能はマクロ登録時の初期値で動作し、登録しない場合は、変更後の初期値で動作します。」)と、「登録しない」ボタン、「登録する」ボタン及び「機能選択」ボタンを表示する。
そして、追加登録問い合わせ画面で、「登録する」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更前の初期値を参照して機能動作するマクロ設定にマクロ情報変更処理を行って(ステップS801)、基本画面に戻る。また、追加登録問い合わせ画面で、「登録しない」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更後の初期値(設定値)を参照して機能動作するマクロ登録状態のまま、基本画面に戻る。
そして、この追加登録問い合わせ画面で、「機能選択」ボタンが押下されると、CPU10は、図16(f)に示す機能選択画面を表示部21に表示させる。この機能選択画面には、変更前の初期値で追加登録を行うことのできる機能が表示され、追加登録する機能を適宜選択することができる。ユーザがこの機能選択画面で追加登録する機能の前の□のチェックボックスにチェックを入れると、該チェックボックスが黒く変化し、追加機能の選択が行われて、「OK」ボタンが押下されると、上記図16(e)の追加登録問い合わせ画面に戻って、「登録する」ボタンと「登録しない」ボタンの選択押下に応じて、上述のように、初期内容での登録と変更追加後の登録を行う。
このようにすると、初期値が変更される場合にも、該初期値の変更に伴って動作の変更する機能を適切修正することができ、ユーザの意図する状態でマクロを動作させることができる。
また、マクロ初期値変更登録処理においては、図17に示すように、マクロの追加登録を可能としてもよい。すなわち、図17(a)に示すように、基本画面(例えば、図11(a)のような画面)を表示中に、マクロキー26が押下されると、CPU10は、図17(b)に示すようなマクロメニュー画面を表示部21に表示させ、マクロメニュー画面には、上記同様に、マクロに関する各種操作ボタンと読み出すマクロが表示されていて、この操作ボタンの1つに、「初期値として登録」ボタンが設けられている。このマクロメニュー画面で、「初期値として登録」ボタンが押下されると、CPU10は、図17(c)に示すような初期値変更登録画面を表示し、この初期値変更登録画面では、現在のマクロの設定内容を該マクロの初期値として設定登録する「登録」ボタン、「工場出荷時に戻す」ボタン及び「閉じる」ボタンがある。
図17(c)で、「登録」ボタンが押されると、CPU10は、図17(d)に示すような初期値登録確認画面を表示部21に表示させる。
この初期値登録確認画面では、「登録しない」と「登録する」のボタンを表示するとともに、「現在の設定を初期画面に登録します。この登録を行うと、登録済みマクロの動作が変更される可能性がありますが、よろしいですか?」の確認表示を行う。
CPU10は、初期値登録確認画面で「登録する」ボタンが押下されると、機能設定値に変更のあった機能をマクロとして追加登録するかを問い合わせる追加登録問い合わせ画面を、図17(e)に示すように行い、追加登録問い合わせ画面には、上記追加登録の有無を問い合わせるメッセージ(「初期値が変更されました。変更のあった初期値を既に登録されているマクロに対して追加で登録しますか? 登録する場合はもともと初期値で動くことを想定していた機能はマクロ登録時の初期値で動作し、登録しない場合は、変更後の初期値で動作します。」)と、「登録しない」ボタン、「登録する」ボタン及び「マクロ選択」ボタンを表示する。
そして、追加登録問い合わせ画面で、「登録する」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更前の初期値を参照して機能動作するマクロ設定にマクロ情報変更処理を行って(ステップS901)、基本画面に戻る。また、追加登録問い合わせ画面で、「登録しない」ボタンが押下されると、CPU10は、次にマクロキー26が押下されて該機能のマクロが呼び出されたときに、該機能については、該マクロを呼び出したときの初期値で動作することが想定されていた機能(上記機能パターンc)であったものが、変更後の初期値(設定値)を参照して機能動作するマクロ登録状態のまま、基本画面に戻る。
そして、この追加登録問い合わせ画面で、「マクロ選択」ボタンが押下されると、CPU10は、図17(f)に示すマクロ選択画面を表示部21に表示させる。このマクロ選択画面には、変更のあった初期値を追加登録することのできるマクロが表示され、追加登録するマクロを適宜選択することができる。ユーザがこのマクロ選択画面で追加登録するマクロの選択が行われて、「OK」ボタンが押下されると、上記図17(e)の追加登録問い合わせ画面に戻って、「登録する」ボタンと「登録しない」ボタンの選択押下に応じて、上述のように、初期内容での登録と変更追加後の登録を行う。
このようにすると、初期値が変更された際に、登録済みマクロに追加登録させたい機能をユーザが選択することができ、ユーザが意図した動作を適切に実行させて、利便性及び信頼性を向上させることができる。
図18及び図19は、本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第5実施例を示す図であり、図18は、本発明の本発明の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体の第5実施例を適用した複合装置によるマクロのエクスポート処理を示すフローチャート、図19は、複合装置によるマクロのインポート処理を示すフローチャートである。
なお、本実施例は、上記第1実施例のプリンタ装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
まず、複合装置1の不揮発性メモリ14に格納されているマクロを外部メディア(例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等の携帯性、移植性に富んだメディア)にエクスポートする場合には、例えば、操作表示部13のマクロキー26が押下されると、例えば、図9(b)に示したようなマクロメニューを表示するが、このマクロメニューに、「マクロエクスポート」や「マクロインポート」が設けられており、このマクロメニューの「マクロエクスポート」ボタンが押下されることで、図18に示すマクロエクスポート処理を実行する。このマクロキー26の押下前、または、押下後の所定タイミングに、記憶媒体I/F16等にマクロをエクスポートする外部メディアを接続する。
CPU10は、図18に示すように、まず、複合装置1の全ての機能の初期値を取得して、エクスポート先の外部メディアに書き込み(ステップS1001)、不揮発性メモリ14に登録されているマクロ数を算出する変数iに初期値「0」を設定して(ステップS1002)、不揮発性メモリ14のマクロ登録エリア(マクロテーブル)の先頭のマクロから機能番号と設定値を読み出し、外部メディアに書き込む(ステップS1003)。
1つのマクロの機能番号と設定値の外部メディアへの書き出しを行うと、CPU10は、変数iをインクリメント(i=i+1)して(ステップS1005)、変数iが、エクスポートするマクロの数に達したかチェックし(ステップS1006)、ステップS1006で、変数iがエクスポートするマクロ数に達していないときには、CPU10は、ステップS1003に戻って、次のマクロについて、該マクロの外部メディアへの書き出しを上記同様に行う(ステップS1003〜S1006)。
上記マクロの外部メディアへの書き出しを順次行って、ステップS1006で、変数iが全ての書き出しマクロ数に達すると、マクロのエクスポート処理を終了する。
次に、外部メディアに保存しておいたマクロを複合装置1にインポートしたり、他の同様の機能を有する複合装置等の画像処理装置に該外部メディアのマクロをインポートするマクロインポート処理について、図19に基づいて説明する。
すなわち、CPU10は、記憶媒体I/F16にマクロの記録された外部メディアが接続され、操作表示部13の表示部21に基本画面が表示されている状態で、マクロキー26が押下されると、図9(b)に示したようなマクロメニューを表示するが、このマクロメニューに、「マクロインポート」が設けられており、このマクロメニューの「マクロインポート」が押下されると、図19に示すマクロインポート処理を実行する。このマクロキー26の押下前、または、押下後の所定タイミングに、記憶媒体I/F16等にマクロをエクスポートする外部メディアを接続する。
CPU10は、図19に示すように、まず、インポートするマクロ数のインデックス変数kに初期値「0」を設定し(ステップS1101)、インポート元(例えば、上記外部メディア)からマクロkの読み出しを行って(ステップS1102)、変数n及び変数lにそれぞれ初期値「0」を設定する(ステップS1103、S1104)。
次に、CPU10は、変数nが機能ナンバno[l]と異なるか、すなわち、機能番号nがマクロとして登録されていないかチェックする(ステップS1105)。ステップS1105で、変数nが機能ナンバno[l]と異なるときには、インデックスlを「1」だけインクリメント(l=l+1)して、(ステップS1106)、インデックスlが変数countよりも小さいか、すなわち、全てのマクロについて調べたかチェックし(ステップS1107)、全てのマクロについて調べていないときには、ステップS1105に戻って、上記同様に処理する(ステップS1105〜S1107)。
ステップS1107で、CPU10は、インデックスlがcount変数に到達すると、すなわち、全てのマクロについて調べると、インポート元の初期値とインポート先の初期値に相異があるかチェックし(ステップS1108)、インポート元の初期値とインポート先の初期値に相異があると、機能番号を示す変数nを変数keyに入れ(ステップS1109)、インポート元の初期値を変数valueに設定して(ステップS1110)、変数keyと変数valueの対をMap側一時変数mapに追加する(ステップS1111)。
次に、CPU10は、変数nを「1」だけインクリメント(n←n+1)して(ステップS1112)、該変数nが機能数を示す変数Nよりも小さいかチェックし(ステップS1113)、変数nが変数Nよりも小さいときには、ステップS1104に戻って、変数lに「0」を設定する処理から上記同様に処理する(ステップS1104〜S1113)。ステップS1113で、変数nが機能数を示す変数Nに到達すると、一時変数mapから変数keyと変数valueを取得して、インストール先の変数kのマクロ(マクロk)の登録情報を更新し(ステップS1114)、マクロのインデックスkを「1」だけインクリメントして(ステップS1115)、インデックスkがマクロの総数Mに達したかチェックする(ステップS1116)。
ステップS1116で、マクロのインデックスkがマクロ総数Mに到達していないときには、CPU10は、全てのマクロについて処理を完了していないと判断して、ステップS1102に戻ってインクリメントしたインデックスkのマクロを外部メディアから読み出す処理から上記同様に処理を実行する(ステップS1102〜S1116)。
そして、ステップS1116で、インデックスkがマクロ総数Mに到達すると、全てのマクロについてインポート処理を完了したと判断して、処理を終了する。
このように、本実施例の複合装置1は、1つの複合装置1で構築されたマクロを外部メディア等にエクスポートすることができ、マクロを有効利用したり、バックアップとして保管することができ、利用性をより一層向上させる。
また、複合装置1は、外部メディア等から記録媒体I/F16を介してマクロを受信し、受信したマクロを不揮発性メモリ14に登録する。
したがって、他の複合装置1で構築されたマクロやバックアップとして保存しておいたマクロを有効利用することができ、利用性をより一層向上させることができる。
さらに、複合装置1は、受信したマクロと不揮発性メモリ14に記憶されているマクロを照合して、マクロの有無及び機能設定に差異のあるマクロについて該差異の部分のみを不揮発性メモリ14に登録している。
したがって、適切なマクロのみを不揮発性メモリ14に登録することができ、不揮発性メモリ14の有効利用を図りつつ、より一層利用性を向上させることができる。
なお、上記説明では、マクロのエクスポート先及びインポート元を外部メディアとして説明したが、エクスポート先とインポート元がネットワーク等で接続されているときには、該ネットワークを介して、直接エクスポート元からインポート先にマクロを転送してエクスポート及びインポートを行ってもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、一連の操作設定をマクロとして登録して利用するプリンタ装置、複写装置、複合装置、スキャナ装置等の画像処理装置、操作制御方法、操作制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
本発明の第1実施例を適用した複合装置のハードウェアのブロック構成図。
操作表示部の概略平面図。
液晶タッチパネルによる機能設定変更処理の画面フロー図。
マクロ登録処理を示す画面フロー図。
マクロ登録で用いる機能番号と機能名のマクロテーブルの一例を示す図。
1件分のマクロ登録エリアのデータ構成の一例を示す図。
機能番号・設定値取得処理を示すフローチャート。
マクロテーブル登録処理を示すフローチャート。
マクロ呼び出し処理の一例を示す画面フロー図。
マクロ呼び出し処理を示すフローチャート。
マクロ初期値登録可能処理の一例を示す画面フロー図。
マクロ初期登録処理の一例を示す画面フロー図。
マクロ初期値変更選択登録処理の一例を示す画面フロー図。
マクロ情報確認変更処理を示すフローチャート。
マクロテーブルの一例を示す図。
追加機能登録を伴う登録済みマクロ情報変更処理の一例を示す画面フロー図。
マクロ追加を伴う登録済みマクロ情報変更処理の一例を示す画面フロー図。
マクロエクスポート処理を示すフローチャート。
マクロインポート処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 複合装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 操作表示部
14 不揮発性メモリ
15 通信I/F
16 記録媒体I/F
17 エンジン
21 液晶タッチパネル
22 テンキー
23 スタートキー
24 リセットキー
25 マクロ登録キー
26 マクロキー