JP2009300349A - アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009300349A
JP2009300349A JP2008157469A JP2008157469A JP2009300349A JP 2009300349 A JP2009300349 A JP 2009300349A JP 2008157469 A JP2008157469 A JP 2008157469A JP 2008157469 A JP2008157469 A JP 2008157469A JP 2009300349 A JP2009300349 A JP 2009300349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
avidin
binding
functional group
compound
biotin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008157469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5559465B2 (ja
Inventor
Osamu Ozawa
理 小澤
Hiroko Tada
博子 多田
Norito Kuno
範人 久野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008157469A priority Critical patent/JP5559465B2/ja
Publication of JP2009300349A publication Critical patent/JP2009300349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5559465B2 publication Critical patent/JP5559465B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

【課題】 タンパク質等の夾雑物の非特異的吸着を低減し、優れた安定性を達成する。
【解決手段】 担体表面に存する表面官能基に対してビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物をそれぞれ結合させ、当該担体表面に結合した上記ビオチン化合物にアビジン類を結合させる。非イオン性かつ親水性の化合物としては、ポリエチレンオキシド及び上記表面官能基と結合しうる官能基を有する化学構造を有するものであることが好ましい。なお、上記ポリエチレンオキシドは、エチレンオキシドの繰り返し数が4以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体物質の分離精製や免疫計測などに用いられるリンカー付きの微粒子、特にアビジンなどをリンカーとして備えた担体、その製造方法及びその使用方法に関する。
アビジンやストレプトアビジンなどビオチンに結合する分子(以下、アビジン類)とビオチンとの強い親和性と特異性は、生体構造や機能の様々な研究に利用されている。特に、アビジン類を表面に有する微粒子(以下ビーズ)、例えば磁気ビーズは、生体物質の分離精製や免疫計測における固相分離の担体として幅広く用いられている。アビジン類はビオチンと強固かつ選択的に結合するため、ビオチン標識した抗体などと組み合わせることにより、アビジン類がリンカーとして機能し、抗体などを表面に備えたビーズを容易に作成することができる。したがって、アビジン類をリンカーとして備えた磁気ビーズは、細胞、細胞内器官、蛋白、イムノグロブリン、核酸、などの生体物質の分離精製や、免疫計測の前処理における分離や検出における担体として幅広く用いられている。
アビジン類を表面に有する磁気ビーズ(以下アビジン化磁気ビーズ)の代表的な製品として、例えばダイナル社のダイナビーズM-280ストレプトアビジンや、ポリサイエンス社のバイオマグプラス ストレプトアビジン パーティクルズなどがある。カタログの記載によると、前者は磁性体を含有させたポリスチレンビーズ(粒径2.8ミクロン)の疎水性表面に単層のストレプトアビジンを共有結合したものであり、1mg当たり約700pmolのビオチンを結合するとされている。後者はシランコートした酸化鉄(磁性体)ビーズ(粒径約1ミクロン)の表面に、ストレプトアビジンを結合したものであり、1mg当たり約1500pmolのビオチンを結合するとされている。後者の方がビオチン結合量が高いのは、ビーズ粒径が小さく、また不定形であるために有効表面積が大きいためと説明されている。
これらのアビジン化ビーズ製品の製法は明示されていないが、ポリサイエンス社からバイオマグプラス アミン プロテインカップリングキットという試薬キットが販売されている。その説明書(非特許文献1:テクニカルデータシート617)に、同社のアミノ型ビーズの表面に蛋白質をクロスリンクする方法が記載されている(以下第1の従来例)。その手順概要は以下の通り。先ず、表面にアミノ基をもつビーズをクロスリンカー(グルタルアルデヒド)で処理することによりビーズ表面に化学的に活性な官能基(アルデヒド基)を結合する。活性化したビーズと、目的の蛋白質を混合することにより、ビーズ上の活性官能基(アルデヒド基)が蛋白質上の官能基(アミノ基)と反応し、共有結合を形成する。洗浄後、クエンチング剤(グリシン)と反応させて未反応の活性官能基を不活性化し、洗浄する。
ところで、ストレプトアビジンには天然型と遺伝子組み換え型があり、天然型はストレプトマイセス アビジニと呼ばれる放線菌が産生する。この菌を培養し、培養液あるいは菌体からストレプトアビジンを抽出、精製することにより、精製したストレプトアビジンが得られる。上記のポリサイエンス社のカップリングキットにおいて、蛋白質として精製したストレプトアビジンを用いることにより、ストレプトアビジンを表面に被覆したビーズが形成されると考えられる。
ビーズに関する方法ではないが、プレート表面に対しアビジンを結合するための異なるアプローチが特許文献1に記載されている(以下第2の従来例)。第2の従来例の第72段落によれば、高分子化合物(各種ビオチン化剤)を用いて表面をビオンチン化し、次いで、アビジン又はストレプトアビジンを第2層としてコートし、高分子化合物に付着させたビオチンリンカーとの結合を介して保持させるとの記載がある。即ち、ビオチン化高分子化合物を基板に物理吸着させ、このビオチン化高分子の上にアビジン類をコートすることにより、アビジンを基板上に間接的に保持する構成が記載されている。また同第74段落には「非多孔質基板の表面をアビジン又はストレプトアビジンでコートし、次いで結合に不必要な領域は、例えばウシ血清アルブミン(BSA)の添加などにより、ブロックする」旨の記載がある。
特表2004-532024 ポリサイエンス社 テクニカルデータシート 617
上記第1の従来例に開示された方法によれば、第1に、グルタルアルデヒドが両端に同一の活性基(アルデヒド)を有するホモバイファンクショナルなクロスリンカーであるため、ビーズ上のアミノ基同士を結合してしまう可能性がある。同一のビーズ上の異なるアミノ基と反応する場合は、有効なアミノ基が減少し、十分な蛋白結合量が得られない虞がある。また、異なるビーズ上のアミノ基と反応する場合は、ビーズ同士の凝集を引き起こし、反応性の低下や非特異吸着の増大の原因となる虞がある。第2に、ビーズとクロスリンカーとの反応は100%進行するとは限らないため、ビーズ表面のアミノ基の一部が未反応のまま残留することがある。また、蛋白質と反応しなかったクロスリンカーのアルデヒド基の残りをクエンチングするとカルボキシ末端が生じる。従って、ビーズの表面には目的蛋白以外にこれらアミノ基、カルボキシル基の正負の電荷が多数形成されることがある。このような電荷を有するイオン性の表面には目的以外の物質が静電的な相互作用により吸着し、非特異的な結合や反応の阻害などの原因となり、ビーズの性能低下をきたす虞がある。第3に、グルタルアルデヒドの活性基であるアルデヒド基は反応の選択性が低いため、アビジン類(例えばストレプトアビジン)の精製が十分でない場合、例えばアミノ基を有する不純物が共存するとその不純物とも結合し、結果的に表面被覆の純度が低下し、非特異的反応や反応阻害などの原因となり、結果的にビーズの性能低下をきたす虞がある。
上記第2の従来例に開示された方法によれば、第1に、高分子化合物が物理吸着により基板表面にコーティングされているため、結合力が不十分であり、保管条件や使用条件によって剥離する可能性があり、安定性が低い虞がある。第2に、未反応の表面領域のブロックのためにBSA添加を行うが、BSAは物理吸着で表面に付着するのみであるため、結合力が不十分であり、保管条件や使用条件によって剥離する可能性があり、非特異吸着の防止効果やその安定性が低い虞がある。第3に、BSA添加によるブロッキングの工程をストレプトアビジンコートの後に行うため、ストレプトアビジンそのものの精製が十分でない場合、ストレプトアビジンと共存する不純物がビーズ表面に非特異吸着するなどしてビーズ表面の純度が低下し、非特異的反応や反応阻害などの原因となり、結果的にビーズの性能低下をきたす虞がある、という課題があった。
本発明は、上述したような従来の実情に鑑み、非特異的吸着が低減され安定性に優れるアビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、担体表面に存する表面官能基に対してビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物をそれぞれ結合させた後、当該担体表面に結合した上記ビオチン化合物にアビジン類を結合させることで、非特異的吸着を防止しながらアビジン類を結合できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るアビジン類結合担体は、担体表面に存する表面官能基と、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物とが結合し、上記ビオチン化合物にアビジン類が結合したものである。また、本発明に係るアビジン類結合担体の製造方法は、表面官能基を有する担体における当該表面官能基に、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物を結合させる工程と、上記表面官能基を介して上記担体に結合したビオチン化合物にアビジン類を結合させる工程とを有するものである。ここで、上記非イオン性かつ親水性の化合物としては、ポリエチレンオキシドと上記表面官能基に結合しうる官能基とを有する化学構造を有するものであることが好ましい。なお、上記ポリエチレンオキシドは、エチレンオキシドの繰り返し数が4以上であることが好ましい。
また、上記ビオチン化合物は、上記表面官能基と結合しうる官能基、及び、ビオチンの基本構造(アビジン類との結合活性を示す基本構造、以下ビオチン構造と略す)を有する化学構造を有するものであることが好ましい。なお、上記表面官能基と結合しうる官能基としては、N-ヒドロキシスクシンイミド又はN-ヒドロキシ-スルフォスクシンイミドを挙げることができる。
さらに、担体表面に存する表面官能基とビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物との結合は共有結合である。また、表面官能基とビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物とを結合させる際には、上記表面官能基に対する上記ビオチン化合物の仕込みモル比が0.1〜1の範囲であり、上記表面官能基に対する上記非イオン性かつ親水性の化合物の仕込みモル比が10以上とすることが好ましい。
特に、本発明においてアビジン類結合担体は、粒子状の磁性体であることを好ましい。
本発明に係るアビジン類結合担体においては、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物が担体表面の表面官能基と共有結合しているため、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物ともに強固に安定に維持することができる。また、化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物ともにヘテロバイファンクショナルであるため、同一のあるいは異なる担体表面の表面官能基に反応する虞はなく、結合量の低下といった問題は生じない。また、アビジン類は4量体で、一分子当たり4つのビオチン結合部位を有するため、本発明に係るアビジン類結合担体においてはアビジン類の1つのビオチン結合部位を介して担体に結合しても、残り3つのビオチン結合部位が残る。したがって本発明に係るアビジン類結合担体においては十分高いビオチン結合活性を示すこととなる。
特に、本発明に係るアビジン類結合担体においては、ポリエチレンオキシドに代表される非イオン性かつ親水性の化合物を表面に備えた担体に対して、アビジン類とビオチン化合物の結合を行う。したがって、仮にアビジン類の純度が低く不純物が含まれていたとしても、非イオン性かつ親水性の化合物の作用により、不純物の非特異的な吸着や汚染を効果的に防止でき、アビジン類を選択的に結合したものとなる。
なお、本発明に係るアビジン類結合担体は、ビオチン化物質に対する特異的結合能を示すため、当該結合能を利用して種々の分野に使用することができる。すなわち、本発明に係るアビジン類結合担体の使用方法は、上述した本発明に係るアビジン類結合担体に、ビオチン化物質を含有する溶液を接触させる工程と、上記アビジン類結合担体に結合したビオチン化物質を検出する工程と有するものである。ここで、上記溶液は、上記アビジン類結合担体におけるアビジン類に対して約0.4倍モル以下のビオチン化物質を含有することが好ましい。
本発明によれば、アビジン類の結合量が高くかつ結合が安定であり、非特異的結合が少ないアビジン類結合担体を提供することができる。これにより、本発明に係るアビジン類結合担体は、ビオチン化抗体などと組み合わせて例えば免疫磁気分離や免疫計測に応用することにより、非特異吸着を防止でき反応性が高く、ビオチン化抗体や抗原などを高精度に捕捉、検出することができる。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るアビジン類結合担体は、担体表面に表面官能基を介して結合されたビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物を有しており、表面に結合したビオチン化合物に結合したアビジン類を有している。本発明に係るアビジン類結合担体は、その形状、大きさ、材質は特に制限はない。例えば、粒子状、板状又は繊維状等いずれでもよく、メンブレン、マイクロタイタープレート、試験管、又はスティック等の形状の不溶性担体を使用できる。また、材質は、磁性材料、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ガラス、金属、ラッテクス、ニトロセルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド及びアガロースであることができる。特に、本発明に係るアビジン類結合担体は、磁性ビーズ(磁性粒子とも称される)を使用したものであることが好ましい。
図1は、本発明に係るアビジン類結合担体の作製工程の一例を模式的に示すフロー図である。なお、図1において担体としてビーズ状の担体を用いた場合を例示している。すなわち、図1に示すように、先ず、ビーズ状の担体1の表面にビオチン化合物2及び非イオン性かつ親水性の化合物3を結合させて活性化ビーズ4を作製し、その後、活性化ビーズ4にアビジン類含有溶液5を作用させて、アビジン類結合担体6を作製している。
詳細に、本発明に係るアビジン類結合担体を作製する際には、先ず、担体の表面に表面官能基を導入する。なお、予め表面官能基が導入された担体を使用する場合には本工程を省略することができる。ここで、表面官能基とは、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物を結合しうる官能基であれば何ら限定されるものではない。換言すれば、表面官能基としては、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物との組合せにおいて使用可能な官能基を適宜選択することができる。例えば、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物の残基と表面官能基の組み合わせとしては、当該残基が一級アミノ基又はスルフヒドリル基であり、表面官能基がトシル基である組み合せ、当該残基が一級アミノ基又はスルフヒドリル基であり、表面官能基がエポキシ基である組み合わせ、当該残基がアミノ基であり、表面官能基がカルボキシル基である組み合わせ、当該残基がアルデヒド基又はカルボキシル基であり、表面官能基がアミノ基である組み合わせ、当該残基がスルフヒドリル基であり、表面官能基がマレイミド基である組み合わせ等を挙げることができる。なお、シリカや金属酸化物などの無機材料からなる担体表面に対しては、例えば、シランカップリング剤等を用いてアミノ基を共有結合により導入することができる。
ここで、ビオチン化合物とは、ビオチン構造を有する化合物であって、担体における表面官能基と反応しうる残基を有する化合物を意味する。担体における表面官能基と反応しうる残基としては、上述した組み合わせの官能基を含む残基を挙げることができるが、より具体的にはN-ヒドロキシスクシンイミドエステル残基(以下NHS)及びN-ヒドロキシ−スルフォスクシンイミドエステル残基(以下sNHS)を挙げることができる。また、ビオチン化合物としては、ビオチン構造と上記残基との間にスペーサー構造を有するものを使用することができる。スペーサー構造としては、疎水性の炭化水素鎖、アミノヘキサノイル鎖(以下AC5鎖)、(AC5)2鎖であっても良いし、親水性の例えばポリエチレンオキシド鎖であっても良い。なお、ビオチン構造とは、ビオチンのみならず、アビジンと安定した複合体を形成する点でビオチンと実質的に同様の動態を示すビオチン誘導体、ビオチン類縁体等を含む意味である。具体的にビオチン構造を有する化合物には、ビオシチン、ビスノルビオチン、デスチオビオチン及びオキシビオチン等を含む意味である。
また、非イオン性かつ親水性の化合物とは、非イオン性及び親水性の構造を有する化合物であって、担体における表面官能基と反応しうる残基を有する化合物を意味する。担体における表面官能基と反応しうる残基としては、上述した組み合わせの官能基を含む残基を挙げることができるが、より具体的にはNHS及びsNHSを挙げることができる。非イオン性及び親水性の構造としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド(別称ポリエチレングリコール)鎖(以下、PEOと略称する)を挙げることができる。特に、非イオン性及び親水性の構造としては、エチレンオキシドの繰り返し数が4以上であるPEOであることが好ましい。なお、以下の説明において、非イオン性かつ親水性の化合物を修飾剤と称する場合もある。
なお、本工程では、上記ビオチン化合物を含有する溶液及び上記修飾剤を含有する溶液を担体表面に接触させる(具体的には、担体をこれら溶液に順次浸漬させる)。ここで、上記ビオチン化合物を含有する溶液においては、上記表面官能基に対する上記ビオチン化合物の仕込みモル比が0.1〜1の範囲とすることが好ましく、特に仕込みモル比が0.1〜0.4の範囲とすることがより好ましいい。また、上記表面官能基に対する上記修飾剤の仕込みモル比が10以上であることが好ましい。上記ビオチン化化合物及び上記修飾剤の仕込みモル比を上記範囲内とすることによって、詳細を後述するアビジン類を結合させる際に夾雑物の非特異的な吸着をより効果的に防止することができる。
本発明に係るアビジン類結合担体を作製する際には、次に、アビジン類を含む溶液を担体表面に接触させる。この工程により、担体表面に結合したビオチン化合物とアビジン類との間に特異的な相互作用(ビオチン-アビジン結合)が形成されることとなる。ここで、アビジン類とは、上述したビオチン化合物と安定した複合体を形成する点でアビジンと同様の動態を示すものであれば、特に制限はなく、卵白から単離したもの、Streptomyces avidiniiから単離したストレプトアビジンをも含み、更に、アビジン、ストレプトアビジンの修飾体もしくは断片をも含む意味である。また、アビジン類としては天然由来であっても良いし、組換え体であっても良い。
本工程では、アビジン類とビオチン化合物とを結合させているが、担体表面にビオチン化合物及び修飾剤を結合しているため、アビジン類以外の夾雑物(タンパク質を含む)と担体表面との非特異的結合を顕著に抑制することができる。したがって、仮にアビジン類含有溶液に含まれるアビジン類の純度が低く、アビジン類以外の共存蛋白を含む場合であっても、これら共存蛋白が担体表面に非特異的に吸着することを防止することができる。これにより、本発明に係るアビジン類結合担体は、検出対象のビオチン化物質の検出感度に優れたものとなる。ここで、検出対象のビオチン化物質とは、ビオチン化した抗体、ビオチン化オリゴヌクレオチド、その他、アビジンと結合しうるビオチンを有する如何なる物質も含む意味である。
なお、担体表面に修飾剤を結合していない場合には、アビジン類を高度に精製して極力、共存蛋白を除去しなければ、共存蛋白が担体表面に非特異的に吸着することになる。したがって、担体表面に修飾剤を結合していない場合には、アビジン類を高度に精製してから担体表面に結合させなければならず、アビジン類の精製に時間と手間がかかり、従ってコストが高くなることになる。さらに、精製工程においてアビジン類が変性や失活するといった不都合が生じることもある。しかし、本発明に係るアビジン類結合担体においては、上述した修飾剤によって非特異的吸着が顕著に抑制されているため、アビジン類含有溶液に含まれるアビジン類として必ずしも高純度な精製品を用いる必要がない。したがって、例えば天然型ストレプトアビジンを使用する場合など、ストレプトマイセス アビジニの培養液をそのまま、又は濾過などの簡単な前処理の後、担体表面に作用させればよいこととなる。すなわち、本発明に係るアビジン類結合担体は、アビジン類の精製の時間と手間が不要であり、コストが低く、変性や失活などのリスクも少ない、という特有の効果がある。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔予備実験例1〕
本予備実験例では、図1示したアビジン類結合担体の作製工程において、修飾剤(非イオン性かつ親水性の化合物3)を用いずにビーズ状のアビジン類結合担体を作製し、望ましいビオチン化合物の種類とその表面結合量を検討した。
本実験例では、原料ビーズとしてダイナル社(現インビトロジェン社)の製品であるダイナビーズM-270アミンを購入して使用した。同社のデータシートによると、このビーズは平均粒径約2.7ミクロンの超常磁性微粒子、即ち磁気ビーズである。その構造はポリスチレンの孔に磁性体を含み、表面にグリシジルエステルからなる親水性層を有し、表面は短いリンカーを介して一級アミン官能基によって活性化されている。ビーズ1グラム当たりの活性基の量は0.1ないし0.2ミリモルと記載されている。
本実験例では、ビオチン化合物として、下記の4種類の試薬を比較検討した。具体的にはシグマ社の製品番号B2643、ビオチンアミドカプロレートN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(以下NHS-C6-Btと略す)、ピアス社(現サーモフィッシャー社)の製品番号21329に含まれるNHS-PEO4-ビオチン(以下NHS-PEO4-Bt)、同仁化学社の製品番号B306、ビオチン-(AC5)2-OSU(以下NHS-(AC5)2-Bt)、同社の製品番号B319,ビオチン-スルフォ-OSu(以下sNHS-Bt)を用いた。いずれの試薬も一端にビオチン残基、もう一端にN-ヒドロキシスクシンイミドエステル残基(NHS)、またはN-ヒドロキシ−スルフォスクシンイミドエステル残基(sNHS)を有する点は共通であるが、両端に挟まれる領域の分子構造が異なる。NHSやsNHS残基はアミノ基と反応して共有結合の一種である酸アミド結合を形成するため、アミノ基を表面に有するビーズと上記化合物とを反応すると、ビーズ表面にビオチンを共有結合により結合し、強固に固定することができる。
原料ビーズの表面活性基の量を0.1ミリモル/gと仮定し、その10倍または0.8倍のモル比で各種ビオチン化合物を反応させた。なお、NHS-C6-BtはDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、NHS-PEO4-Btは純水、NHS-(AC5)2-Bt及びsNHS-BtはDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解して原液とした。得られた原液を、結合バッファ(EDTAを10mM含むPBS、pH7.0)中に必要量添加して、予め洗浄した原料ビーズ1mgと混合した。室温(24℃)で、NHS-(AC5)2-Bt及びsNHS-Btについては10分間、NHS-C6-Bt及びNHS-PEO4-Btについては1時間撹拌、反応させた後、バッファで十分洗浄することにより、ビオチン化合物を原料ビーズ表面の一級アミン官能基と共有結合させた。また、比較のため、ビオチン化化合物を用いずに同様の手順を実行することにより、ビオチンを有しない、(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料を作製した。
本実験例では、アビジン類含有溶液におけるアビジン類試薬として、ストレプトアビジン(SA)とフィコエリスリン(PE)との結合体を用いた。この試薬はPEで蛍光標識したSAとしてベックマンコールター社から製品番号733000として販売されているものを購入して使用した。この試薬を以下SA-PEと略す。50ngのSA-PEをPBST(ベックマンコールター社のPBS、製品番号6603369にTween20を0.05%添加したもの)100μL中に溶解したものをアビジン類含有溶液として使用した。活性化ビーズを5μg用い、染色用バッファ(PBST)で洗浄した。この活性化ビーズとアビジン類含有溶液とを混合し、室温で30分間撹拌して反応させ、1mLのPBSTで2回洗浄して、アビジン化ビーズを得た。すなわち、本実験例では、PEで標識されたSAを有するアビジン化ビーズを作製した。
アビジン化ビーズにおけるSAの結合の度合いを評価するために、個々のビーズについて、PEの蛍光強度を指標としてフローサイトメトリにより評価した。具体的には、0.5μgのアビジン化ビーズをPBST500μLに分散した試料について、PEの蛍光をフローサイトメータ(ベックマンコールター社EpicsAltra型)を用いて計測した。結果の一例を図2に示した。図2はPEの蛍光ヒストグラムであり、横軸が蛍光強度(対数目盛)、縦軸は粒子数(相対値)である。引き出し線11に対応するヒストグラムは(ビオチン化剤に関する)陰性対照試料の結果である。また、引き出し線14及び17に対応するヒストグラムは、ビオチン化剤としてNHS-C6-Btをそれぞれビーズ表面活性基の0.8倍及び10倍のモル比となるようにして作製した試料の結果である。引き出し線12に対応するヒストグラムは、ビオチン化剤としてNHS-PEO4-Btをビーズ表面活性基の10倍のモル比となるようにして作製した試料の結果である。引き出し線16に対応するヒストグラムは、ビオチン化剤としてNHS-(AC5)2-Btをビーズ表面活性基の0.8倍のモル比となるようにして作製した試料の結果である。引き出し線15及び13に対応するヒストグラムは、ビオチン化剤としてsNHS-Btをそれぞれビーズ表面活性基の0.8倍及び10倍のモル比となるようにして作製した試料の結果である。
図2から明らかなとおり、12〜17のヒストグラムは陰性対照のヒストグラム11と比較して蛍光強度がピークを示す位置が約2桁高い、即ちPEにより強く染色されている。この事実は、本実験例で得たアビジン化ビーズのうちビオチン化合物を有するものはいずれも、PE標識されたSAを多量に結合していることを示している。したがって、活性化ビーズはSAに対する反応性が高く、ビオチン化反応が期待通り進行したと考えられる。ヒストグラム12〜17の内で最高の蛍光ピーク強度を示し、またピーク波形が鋭い即ち均一性が高かったのはヒストグラム17、即ちビオチン化合物としてNHS-C6-Btをビーズ表面活性基の10倍のモル比で用いた試料であった。従って、この条件を規定条件として採用し、以下の検討を行った。
〔予備実験例2〕
本予備試験例2は、図1示したアビジン類結合担体の作製工程において、ビオチン化合物2及びアビジン類5を用いずに、修飾剤3を結合したビーズ担体を作製し、望ましい修飾剤の種類とその表面結合量を検討した。
本実験例では、原料ビーズとしてポリサイエンス社の製品であるバイオマグ(R)プラスアミンを購入して使用した。同社のテクニカルデータシートによると、このビーズは酸化鉄の表面にアミノ基を有する平均粒径約1ミクロンの超常磁性微粒子であり、粒径の小さな粒子が少ないこと以外は、同社の類似製品であるバイオマグ(R)アミンと類似である。バイオマグ(R)プラスアミンの表面アミノ官能基の量は明記されていないが、バイオマグ(R)アミンについては1グラム当たり約240マイクロモルと記載されているため、本実験例では、バイオマグ(R)プラスアミンの表面アミノ官能基も同じと仮定して実験した。なお、本実験例においてはバイオマグ(R)プラスアミンを主に用いて検討したが、一部の実験はバイオマグ(R)アミンについても並行して行い、同等の結果が得られた。したがって、本実験例の結論は酸化鉄などの無機磁性体表面にアミノ基を有する他の種類のビーズについても適用可能である。
本実験例では、修飾剤として、下記の5種類の試薬を比較検討した。具体的にはピアス社の製品番号22360、スクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレイト(以下SMCCと略す)、同社の製品番号22108、NHS-PEO8-マレイミド(Mal-PEO8-NHS)、同社の製品番号26777、スルフォ-NHS-アセテート(AcO-sNHS)、同社の製品番号22341、メチル-PEO4-NHSエステル(Me-PEO4-NHS)、同社の製品番号22509、メチル-PEO8-NHSエステル(Me-PEO8-NHS)を用いた。いずれの試薬も一端にNHS残基またはsNHS残基を有する点は共通であるが、他端とそれに挟まれる領域の分子構造が異なる。NHSやsNHS残基はアミノ基と反応して共有結合の一種である酸アミド結合を形成するため、アミノ基を表面に有するビーズと上記の化合物とを反応すると、上記化合物のNHSやsNHS以外の部分をビーズ表面に共有結合により結合し、強固に固定することができる。
上記原料ビーズの表面活性基(240マイクロモル/g)に対して20倍のモル比で上記修飾剤を反応させた。なお、AcO-sNHSはPBSに溶解し、その他の化合物はDMSOに溶解して原液とした。得られた原液を結合バッファ中に必要量添加して、予め洗浄したビーズ1mgと混合した。室温(24℃)で1時間撹拌、反応した。マレイミド基を有する修飾剤(SMCCとMal-PEO8-NHS)については、洗浄後システインを4.8マイクロモル添加し、10分間反応することにより、マレイミド基を失活させた。最後にバッファで十分洗浄することにより、修飾剤を共有結合した活性化ビーズを得た。また比較のため、修飾剤を用いずに同様の手順を実行することにより、(修飾剤に関する)陰性対照試料を作製した。
活性化ビーズに対する、蛋白の吸着の度合いを以下の方法により評価した。5マイクログラムの活性化ビーズをPBSTで洗浄した。蛋白の例としてウシ血清アルブミン(BSA)を採用し、蛋白吸着工程としてBSAを0.5%含有するPBS溶液100μLをビーズとともに混合撹拌し、ビーズにBSAを吸着させた。1mLのPBSで2回洗浄後し、吸着しなかったBSAを除去した。蛍光抗体による染色工程として、FITCで蛍光標識した抗BSA抗体(antiBSA-FITC)(ベシルラボラトリーズ社製品番号A10-113F)1μLをPBST100μL中に溶解し、ビーズ試料と混合、室温で30分間撹拌した。1mLのPBSTで2回洗浄後、PBST500μLに分散し、さらにPBSTで1/10濃度に希釈し、予備実験例1と同様にフローサイトメータを用いてFITCの蛍光強度を計測した。結果の一例を図3に示した。図3はFITCの蛍光ヒストグラムである。図3(a)は蛋白吸着工程においてBSAの代わりにPBSを用い、また染色工程においてantiBSA-FITCを用いない(BSAと抗BSA抗体に関する)陰性対照であり、図3(b)はBSAの代わりにPBSを用いるが、染色工程においてantiBSA-FITCを用いた(BSAに関する)陰性対照、図3(c)は蛋白吸着工程においてBSAを用い、染色工程においてantiBSA-FITCを用いた試料に関する結果を示している。図3(a)〜(c)において、引き出し線21に対応するヒストグラムは(修飾剤に関する)陰性対照に関する結果である。引き出し線22〜26に対応するヒストグラムは、それぞれ修飾剤としてSMCC、Mal-PEO8-NHS、AcO-sNHS、Me-PEO4-NHS、Me-PEO8-NHSを用いて作製した試料に関する解析結果である。
図3(c)から明らかなとおり、ヒストグラム21、22及び24にそれぞれ対応する、(修飾剤3に関する)陰性対照、SMCC、AcO-sNHSを結合したビーズ担体は、抗BSA抗体によって強く染色された。図3(c)で強い染色を示した修飾剤は、図3(b)においても強い(SMCC)あるいはやや弱い(陰性対照、AcO-sNHS)染色を示した。図3(b)を基準とした図3(c)のピーク位置について検討すると、SMCCでは約0.5桁、陰性対照とAcO-sNHSではいずれも約1.5桁、蛍光強度が相対的に高いことがわかる。両者の条件差はBSAの有無であることから、(修飾剤3に関する)陰性対照やAcO-sNHSを結合したビーズには極めて強く、またSMCCを結合したビーズにはやや弱く、BSAが非特異的に吸着していると考えられる。ちなみに図3(a)を基準とした図3(b)のピーク位置は、SMCCでは約1桁強、陰性対照なしは約半桁、AcO-sNHSは約0.2桁、蛍光強度が相対的に高い。両者の条件差は蛍光標識した抗BSA抗体の有無であることから、SMCCを結合したビーズには強く、また(修飾剤3に関する)陰性対照やAcO-sNHSを結合したビーズには弱く、抗BSA抗体が非特異的に吸着していると考えられる。
一方、図3(c)から明らかなように、ヒストグラム23、25及び26に対応するMal-PEO8-NHS、Me-PEO4-NHS、Me-PEO8-NHSを結合したビーズの蛍光強度は、図3(b)のBSAを除いた系のみならず、図3(a)の無染色のビーズの蛍光強度と同等であり、抗BSA抗体によって全く染色されなかった。したがって、Mal-PEO8-NHS、Me-PEO4-NHS又はMe-PEO8-NHSを結合したビーズにおいては、BSAや蛍光標識抗体の非特異な吸着は極めて少ないか、全く吸着しないことが理解される。ヒストグラム23、25及び26に対応する修飾剤は、共通の分子構造、即ちPEO(ポリエチレンオキサイド、別称ポリエチレングリコール)の構造を有するが、ヒストグラム21、22及び24に対応する修飾剤はこの構造を有していない。したがって、BSAや蛍光標識抗体の非特異吸着を殆どあるいは全く示さないという優れた特性は、PEOの構造に由来すると考えられる。以上の結果から、本実験例により修飾剤としてPEOに代表される非イオン性かつ親水性を示す構造を有する化合物が、タンパク質等の非特異的吸着を防止する観点から好ましいことが明らかとなった。
なお、以上のように、ヒストグラム23、25及び26はいずれも同等の優れた特性を示したが、ヒストグラム23に対応するMal-PEO8-NHSはマレイミド基を末端に有するため、チオール基を有する化合物との反応を望まない場合、前述の通りシステイン等によるマレイミド基の失活処理を必要とする。この工程を省略できる観点から、ヒストグラム25及び26に対応するMe-PEO4-NHS及びMe-PEO8-NHSを修飾剤として使用することが好ましい。図示しない別の検討の結果、ヒストグラム26に対応するMe-PEO8-NHS は、ヒストグラム25に対応するMe-PEO4-NHSよりも非特異吸着防止効果がやや高い場合があった。したがって、以下の実施例では主にMe-PEO8-NHSを採用して検討を行った。
〔実施例1〕
本実施例では、図1示したアビジン類結合担体の作製工程に従ってビーズ状のアビジン類結合担体を作製した。
本実施例では原料ビーズ1としてポリサイエンス社のバイオマグ(R)プラスアミン、ビオチン化化合物としてNHS-C6-Bt、修飾剤としてMe-PEO8-NHSを用い、原料ビーズの表面にNHS-C6-Bt及びMe-PEO8-NHSを結合させて活性化ビーズを作製した。具体的には、予備実験例1に準拠した実験条件下において、原料ビーズの表面アミノ基に対してNHS-C6-Btを反応させた。次に、予備実験例2に準拠した実験条件下において、得られたビオチン化ビーズの表面アミノ基に対して、20倍のモル比でMe-PEO8-NHSを反応させた。以上により、NHS-C6-Bt及びMe-PEO8-NHSを共有結合で結合した活性化ビーズを得た。
図示しない初期検討の結果、NHS-C6-Btの表面アミノ基に対するモル比が0.1〜10倍の範囲において、活性化ビーズのSAに対する反応性が高かった。また、同モル比が0.1倍未満であるか1倍を超えるかによって、活性化ビーズの非特異吸着が極めて低いか極めて高いかの両極端に変化する、換言すると同モル比が0.1倍から1倍までの範囲に吸着特性が急激に変化する特異点があることが確認された。そこで本実施例ではビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比を、0.2〜2倍の範囲で詳細に検討した。
先ず、予備実験例1と同様の手順により、アビジン類含有溶液としてSA-PEのPBST溶液を用いて活性化ビーズと反応させ、PEで標識されたアビジン類結合担体を作製した。アビジン類結合担体におけるSAの結合の度合いを予備実験例1と同様に評価した結果を図4に示す。図4において、引き出し線31に対応するヒストグラムはビオチン化合物を用いずに作製した(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料、また引き出し線32〜35に対応するヒストグラムはそれぞれNHS-C6-Btの原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比を0.2倍、0.4倍、1倍及び2倍として反応させて得た試料に関する結果を示す。図4から明らかなとおり、いずれの試料も陰性対照と比較して約2桁以上の高い蛍光強度を示し、PE即ちSAが多量にビーズに結合していることが示された。また、NHS-C6-Btの使用量が多い方が蛍光が強い傾向が認められたことから、この範囲ではNHS-C6-Btが多い方がSAもビーズに多く結合することが確認された。
次に、アビジン類結合担体の凝集性について以下の通り評価した。図5(b)は上記と同じビーズ状のアビジン類結合担体(NHS-C6-Btの原料ビーズ1の表面アミノ基に対するモル比は0.4倍)についてフローサイトメトリを用いて前方散乱光強度と側方散乱光強度を測定し、それぞれ縦軸、横軸にプロットし(いずれも対数目盛)、そのデータ点の分布密度を等高線図として表示したものである。図5(a)は、Me-PEO8-NHSを使用しなかった以外は上記と同様にして作製したビーズ状のアビジン類結合担体(修飾剤3に関する陰性対照試料)、即ち従来例に関する結果である。図5中、等高線の最高点、即ち最もデータ密度が高い地点に対応する横軸の値を矢印で示した。前方散乱は粒子の大きさの指標とされている。図5から明らかな通り、本実施例によるアビジン類結合担体は前方散乱が最頻となる値が小さく、またその分布も狭いのに対し、陰性対照は前方散乱の最頻値が約6倍大きく、またその分布も広い。図示しない別の実験によると、原料ビーズの散乱光特性も陰性対照と同等であった。即ち本実施例によるアビジン類結合担体は修飾剤を結合することにより、陰性対照や原料ビーズと比較して、約1/6程度に小さくなったことになる。修飾剤がビーズを粉砕する作用を有するとは考えにくい。したがって実際には原料ビーズが凝集しており、修飾剤の作用によりアビジン類結合担体は凝集状態から単離状態に遷移したため、みかけの粒径が(原料ビーズや陰性対照と比較して)小さくなったと考えられる。即ち、本実施例によるアビジン類結合担体は凝集性が低く、単離しやすい、という特有の効果がある。
次に、予備実験例2と同様の手順により、本実施例による活性化ビーズと、修飾剤を用いずに作製した(修飾剤に関する)陰性対照試料に対する蛋白の非特異吸着の度合いを評価した。後者の(修飾剤に関する)陰性対照試料は、修飾剤を用いないことから従来例に相当する。その結果を図6及び図7に示す。図6は本実施例による活性化ビーズ(ビオチン化合物及び修飾剤を結合したビーズ)、図7は(修飾剤3に関する)陰性対照試料に関する結果である。図6(A)、図7(A)は蛋白吸着工程においてBSAの代わりにPBSを用い、染色工程においてantiBSA-FITCを用いない(BSAと抗BSA抗体に関する)陰性対照、図6(B)及び図7(B)はBSAの代わりにPBSを用い、染色工程においてantiBSA-FITCを用いた(BSAに関する)陰性対照、図6(C)及び図7(C)は蛋白吸着工程においてBSA、染色工程においてantiBSA-FITCを用いた試料に関する結果を示す。引き出し線41に対応するヒストグラムはビオチン化合物を用いない(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料、また引き出し線42〜45に対応するヒストグラムはそれぞれビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比を0.2倍、0.4倍、1倍及び2倍として反応させて得た、活性化ビーズに関する結果を示す。引き出し線51に対応するヒストグラムはビオチン化合物を用いない(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料、また引き出し線52〜55に対応するヒストグラムはそれぞれビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比を0.2倍、0.4倍、1倍及び2倍として反応させて得た、(修飾剤に関する)陰性対照試料に関する結果を示す。本実施例による活性化ビーズに関しては図6(C)から明らかなとおり、ヒストグラム44及び45にそれぞれ対応する、ビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比(以下単にモル比)を1倍及び2倍とした試料は、抗BSA抗体によって強く染色された。図6(C)で強い染色を示したと同じ試料は、図6(B)においても強い染色を示した。図6(B)を基準とした図6(C)のピーク位置について検討すると、モル比1倍では約0.4桁、モル比2倍では約0.2桁、蛍光強度が相対的に高い。両者の条件差はBSAの有無であることから、これらの試料にはBSAが非特異的に吸着していると考えられる。図6(A)を基準とした図6(B)のピーク位置は、モル比1倍では約1.7桁、モル比2倍では約2桁、蛍光強度が相対的に高い。両者の条件差は蛍光標識した抗BSA抗体の有無であることから、これらの試料には蛍光標識抗体が非特異的に強く吸着していると考えられる。一方、ヒストグラム41、42及び43に対応する、(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料並びにモル比が0.2倍及び0.4倍の試料について、図6(C)における蛍光強度は、図6(B)のBSAを除いた系のみならず、図6(A)の無染色の系の蛍光強度と同等であり、抗BSA抗体によって全く染色されなかった。即ちモル比が0.4倍以下の試料に対しては蛋白や蛍光標識抗体の非特異な吸着は極めて少ないか、全く吸着しないと考えられる。
一方、従来例に相当する、(修飾剤に関する)陰性対照試料に関しては図7(C)から明らかなとおり、いずれの試料も抗BSA抗体によって極めて強く染色された。また、図7(B)においてもビオチン化合物を用いた系(ヒストグラム52〜55)は強い、またビオチン化合物を用いないヒストグラム51もやや強い染色を示した。図7(B)を基準とした図7(C)のピーク位置について検討すると、ビオチン化合物を用いた系では約0.5桁ないし約0.9桁、またビオチン化合物を用いない系では約1.2桁蛍光強度が相対的に高い。両者の条件差はBSAの有無であることから、これらの試料にはBSAが非特異的に極めて強く吸着していると考えられる。図7(A)を基準とした図7(B)のピーク位置は、ビオチン化合物を用いた系では約2桁、またビオチン化合物を用いない系でも約1.6桁蛍光強度が相対的に高い。両者の条件差は蛍光標識した抗BSA抗体の有無であることから、これらの試料には蛍光標識抗体が非特異的に強く吸着していると考えられる。即ちモル比いかんに関わらず、従来例に相当する、修飾剤を用いない(修飾剤3に関する)陰性対照試料には蛋白や蛍光標識抗体が非特異に極めて強く吸着することが確認された。
以上、本実施例に示したように、担体表面に修飾剤としてMe-PEO8-NHSを結合させることによってBSEや蛍光標識抗体等の物質が、担体表面に結合したビオチン化合物に対して非特異的に吸着することを防止できることが明らかとなった。特に、本実施例においてビオチン化合物のモル比が0.4倍以下で作製した活性化ビーズにはBSAや蛍光標識抗体による非特異な吸着は極めて少ないか、全く吸着しないことが確認された。換言すると、本実施例による活性化ビーズ4に対する蛋白類の非特異吸着現象にはビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比が極めて大きな影響を及ぼすこと、またモル比を0.4倍以下にとどめることにより非特異吸着をより効果的に防止できるという驚くべき事実が見いだされた。
また、上述したように、ビオチン化合物の仕込みモル比を0.4倍以下とする条件を採用して活性化ビーズを作製すれば、これにアビジン類含有溶液を接触させてアビジン類結合担体を作製する場合において、アビジン類含有溶液の純度がたとえ低く、アビジン類以外の共存蛋白を含む場合であっても、共存蛋白の非特異吸着を防止することができ高純度のアビジン類結合担体が得られることが示された。
〔実施例2〕
本実施例では原料ビーズとしてポリサイエンス社のバイオマグ(R)プラスアミン、ビオチン化合物としてNHS-C6-Bt、修飾剤としてMe-PEO8-NHSを用い、原料ビーズの表面にNHS-C6-Bt及びMe-PEO8-NHSを結合させて活性化ビーズを作製した。具体的には、予備実験例1に準拠した実験条件下において、原料ビーズの表面アミノ基に対してNHS-C6-Btを反応させた。次に、予備実験例2に準拠した実験条件下において、得られたビオチン化ビーズの表面アミノ基に対して、20倍のモル比でMe-PEO8-NHSを反応させた。以上により、NHS-C6-Bt及びMe-PEO8-NHSを共有結合で結合した活性化ビーズを得た。次に、活性化ビーズの表面にアビジン類を結合することでアビジン類結合担体を作製した。本実施例では、アビジン類含有溶液におけるアビジン類試薬として、SA(IBA社製品番号2-0203-100、純度95%以上)を購入して使用した。1マイクログラムのSAを含むPBST溶液100μLをアビジン類含有溶液として使用した。活性化ビーズを5マイクログラム用い、染色用バッファ(PBST)で洗浄した。この活性化ビーズとアビジン類含有溶液とを混合し、室温で30分間撹拌して反応させ、1mLのPBSTで2回洗浄して、アビジン類結合担体を得た。即ち、本実施例において、アビジン類として、精製されたSAを使用した。
先ず、本実施例によるアビジン類結合担体におけるSAの結合の度合いを、ビオチンーフルオレセイン(ピアス社製品番号22030)を用いて染色して評価した。図示しない結果によると、実施例1における図4と概ね同等の結果となった。即ち、いずれの試料も陰性対照と比較して高い蛍光強度を示したことから、フルオレセイン即ちビオチンが多量にビーズに結合し、十分な量のSAが活性化ビーズに結合していると考えられた。また、ビオチン化合物の使用量が多い方が一般に蛍光も強い傾向が認められたことから、この範囲ではビオチン化合物が多い方がSAもビーズに多く結合性することが確認された。
したがって、本実施例によるアビジン類結合担体をビオチン化抗体などと組み合わせて免疫磁気分離や免疫計測に応用した場合、反応性が高いという特有の効果がある。なお図示しない結果によると本実施例によるアビジン類結合担体と反応させるビオチン化抗体などのビオチン化物質の使用量は、アビジン類に対して約0.4倍モル以下であれば支障なく使用可能であることが確認された。なおビオチン化物質の使用量をアビジン類に対するモル比として約0.4倍より高くすると、担体に結合するビオチン化物質の量がかえって減少する傾向が確認された。これはビオチン化物質が多すぎると、アビジン類の結合サイトに関して、ビオチン化ビーズと競合して、ビオチン化ビーズを解離する方向に作用するためと考えられる。もっとも本発明によれば十分多量のアビジン類を担体に結合できるため、上記モル比のビオチン化物質をビーズに結合することにより、免疫計測等を行う応用には十分な量のビオチン化抗体などを結合可能であるため実用上問題ない。
次に、実施例1と同様の手順により、本実施例によるアビジン類結合担体に対する蛋白の非特異吸着の度合いを評価した。その結果を図8に示す。図8は、本実施例によるアビジン類結合担体に対するBSAの吸着をantiBSA-FITCにより検出した結果を示している(図3(c)及び図6(C)などと同様)。引き出し線61に対応するヒストグラムはビオチン化合物を用いない(ビオチン化合物に関する)陰性対照試料、また引き出し線62〜65に対応するヒストグラムはそれぞれビオチン化合物の原料ビーズの表面アミノ基に対するモル比を0.2倍、0.4倍、1倍及び2倍として反応させて作製したアビジン類結合担体に関する結果を示す。図8から明らかなとおり、いずれの試料も抗BSA抗体によって全く染色されなかった。即ち本実施例によるアビジン類結合担体はビオチン化合物のモル比にかかわらず、蛋白や蛍光標識抗体による非特異的な吸着はほとんどあるいは全くないといえる。
本実施例で示したように、高純度のSAを用いて作製したアビジン類結合担体に対しては蛋白類による非特異吸着がほとんどあるいは全く無いことから、このアビジン類結合担体をビオチン化抗体等のビオチン化物質などと組み合わせて、免疫磁気分離や免疫計測に応用した場合、ベースラインが低く、極低濃度まで測定が行えるため、感度が高い、また共存物の影響が少なく、計測精度が高い測定系を構築できるといった特有の効果がある。
本発明を実施するための最良の手順を示す概略図である。 予備実験例1によるビオチン化担体に対するSAの結合度合いの評価結果を示す図である。 予備実験例2による活性化ビーズ4に対する蛋白の吸着度合いの評価結果を示す図である。 実施例1によるアビジン類結合担体におけるSAの結合度合いの評価結果を示す図である。 実施例1によるアビジン類結合担体、並びに従来例における凝集度合いの評価結果を示す図である。 実施例1によるアビジン類結合担体に対する蛋白の吸着度合いの評価結果を示す図である。 従来例によるアビジン類結合担体に対する蛋白の吸着度合いの評価結果を示す図である。 実施例2によるアビジン類結合担体に対する蛋白の吸着度合いの評価結果を示す図である。
符号の説明
1 担体
2 ビオチン化合物
3 修飾剤
4 活性化ビーズ
5 アビジン類含有溶液
6 アビジン類結合担体

Claims (18)

  1. 担体表面に存する表面官能基と、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物とが結合し、上記ビオチン化合物にアビジン類が結合したアビジン類結合担体。
  2. 上記非イオン性かつ親水性の化合物は、ポリエチレンオキシド及び上記表面官能基と結合しうる官能基を有する化学構造を有することを特徴とする請求項1記載のアビジン類結合担体。
  3. 上記非イオン性かつ親水性の化合物におけるポリエチレンオキシドは、エチレンオキシドの繰り返し数が4以上であることを特徴とする請求項2記載のアビジン類結合担体。
  4. 上記ビオチン化合物は、ビオチン構造及び上記表面官能基と結合しうる官能基を有する化学構造を有することを特徴とする請求項1記載のアビジン類結合担体。
  5. 上記表面官能基と結合しうる官能基は、N-ヒドロキシスクシンイミド又はN-ヒドロキシ-スルフォスクシンイミドを有することを特徴とする請求項2又は4記載のアビジン類結合担体。
  6. 上記結合は共有結合であることを特徴とする請求項1記載のアビジン類結合担体。
  7. 上記表面官能基に対する上記ビオチン化合物の仕込みモル比が0.1〜1の範囲であり、上記表面官能基に対する上記非イオン性かつ親水性の化合物の仕込みモル比が10以上であることを特徴とする請求項1記載のアビジン類結合担体。
  8. 粒子状の磁性体であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項記載のアビジン類結合担体。
  9. 表面官能基を有する担体における当該表面官能基に、ビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物を結合させる工程と、
    上記表面官能基を介して上記担体に結合したビオチン化合物にアビジン類を結合させる工程と
    を有するアビジン類結合担体の製造方法。
  10. 上記非イオン性かつ親水性の化合物は、ポリエチレンオキシド及び上記表面官能基と結合しうる官能基を有する化学構造を有することを特徴とする請求項9記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  11. 上記非イオン性かつ親水性の化合物におけるポリエチレンオキシドは、エチレンオキシドの繰り返し数が4以上であることを特徴とする請求項10記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  12. 上記ビオチン化合物は、ビオチン構造及び上記表面官能基と結合しうる官能基を有する化学構造を有することを特徴とする請求項9記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  13. 上記表面官能基と結合しうる官能基は、N-ヒドロキシスクシンイミド又はN-ヒドロキシ-スルフォスクシンイミドを有することを特徴とする請求項10又は12記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  14. 上記表面官能基とビオチン化合物及び非イオン性かつ親水性の化合物との結合は共有結合であることを特徴とする請求項9記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  15. 上記表面官能基に対する上記ビオチン化合物の仕込みモル比が0.1〜1の範囲であり、上記表面官能基に対する上記非イオン性かつ親水性の化合物の仕込みモル比が10以上であることを特徴とする請求項9記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  16. 上記担体は粒子状の磁性体であることを特徴とする請求項9乃至15いずれか一項記載のアビジン類結合担体の製造方法。
  17. 請求項1乃至8いずれか一項記載のアビジン類結合担体に、ビオチン化物質を含有する溶液を接触させる工程と、
    上記アビジン類結合担体に結合したビオチン化物質を検出する工程と
    を有するアビジン類結合担体の使用方法。
  18. 上記溶液は、上記アビジン類結合担体におけるアビジン類に対して約0.4倍モル以下のビオチン化物質を含有することを特徴とする請求項17記載のアビジン類結合担体の使用方法。
JP2008157469A 2008-06-17 2008-06-17 アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法 Expired - Fee Related JP5559465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008157469A JP5559465B2 (ja) 2008-06-17 2008-06-17 アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008157469A JP5559465B2 (ja) 2008-06-17 2008-06-17 アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009300349A true JP2009300349A (ja) 2009-12-24
JP5559465B2 JP5559465B2 (ja) 2014-07-23

Family

ID=41547398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008157469A Expired - Fee Related JP5559465B2 (ja) 2008-06-17 2008-06-17 アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5559465B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014126111A1 (ja) * 2013-02-13 2014-08-21 Jsr株式会社 担体、当該担体の製造方法、生体物質の免疫学的測定方法
WO2022050418A1 (ja) 2020-09-07 2022-03-10 三菱瓦斯化学株式会社 バイオチップ、その製造方法及びその使用

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07151759A (ja) * 1993-09-13 1995-06-16 Ciba Corning Diagnostics Corp 反応物を捕捉するための試薬およびその中間体並びに捕捉方法
WO2002016571A1 (fr) * 2000-08-21 2002-02-28 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Particules magnetiques ayant une temperature de solution critique de limite inferieure
JP2004531390A (ja) * 2001-06-26 2004-10-14 アクセルレイト・テクノロジー・コーポレーション 機能性表面コーティング
JP2005528583A (ja) * 2001-09-26 2005-09-22 アマシャム バイオサイエンス ユーケイ リミテッド 接着方法
JP2005535873A (ja) * 2002-07-03 2005-11-24 カイロン コーポレイション プロテオミクス分析を実施するための鏡面仕上げされた表面上のタンパク質マイクロアレイ
JP2006047017A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Toyobo Co Ltd ペプチドの固定化方法
JP2008164488A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Jsr Corp 磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07151759A (ja) * 1993-09-13 1995-06-16 Ciba Corning Diagnostics Corp 反応物を捕捉するための試薬およびその中間体並びに捕捉方法
WO2002016571A1 (fr) * 2000-08-21 2002-02-28 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Particules magnetiques ayant une temperature de solution critique de limite inferieure
JP2004531390A (ja) * 2001-06-26 2004-10-14 アクセルレイト・テクノロジー・コーポレーション 機能性表面コーティング
JP2005528583A (ja) * 2001-09-26 2005-09-22 アマシャム バイオサイエンス ユーケイ リミテッド 接着方法
JP2005535873A (ja) * 2002-07-03 2005-11-24 カイロン コーポレイション プロテオミクス分析を実施するための鏡面仕上げされた表面上のタンパク質マイクロアレイ
JP2006047017A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Toyobo Co Ltd ペプチドの固定化方法
JP2008164488A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Jsr Corp 磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014126111A1 (ja) * 2013-02-13 2014-08-21 Jsr株式会社 担体、当該担体の製造方法、生体物質の免疫学的測定方法
WO2022050418A1 (ja) 2020-09-07 2022-03-10 三菱瓦斯化学株式会社 バイオチップ、その製造方法及びその使用

Also Published As

Publication number Publication date
JP5559465B2 (ja) 2014-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI114341B (fi) Avidiinin tai streptavidiinin käyttö häiriönpoistoaineena immunologisissa määrityksissä ja määritysmenetelmät, joissa käytetään tätä ainetta
JP4293904B2 (ja) タンパク質で負荷された微粒子の製造方法
US5795719A (en) Biotinylated latex microsphere, process for the preparation of such a microsphere and use as agent for biological detection
US6087452A (en) Metal-chelating surfacant
JP5675782B2 (ja) 標識化プローブ−水溶性担体複合体
JPS63243758A (ja) 低pI蛋白質又は炭水化物で被覆された膜構造物並びにその製造及び使用法
JP3363166B2 (ja) 相互に対する極めて高い特異的親和性を有するペプチド対をイン・ビトロ診断分野に使用する方法
WO2022198925A1 (zh) 纳米磁珠包被物及其制备方法、检测试剂和检测试剂盒
EP2192410B1 (en) Nanoparticulate affininty capture for label independent detections system
WO2023124154A1 (zh) 磁珠包被物及其制备方法和检测试剂盒
JPH06503886A (ja) 試験方法およびその試薬キット
JPWO2003066644A1 (ja) フェライト結合有機物質及びその製造方法
JP5885266B2 (ja) 結合系
CN109917128B (zh) 抗降钙素原抗体包被颗粒的方法
WO1987004794A1 (en) Latex agglutination using avidin/biotin system
JP3899029B2 (ja) 免疫学的分析方法
JP5559465B2 (ja) アビジン類結合担体、その製造方法及びその使用方法
Roque et al. Antibody immobilization on magnetic particles
JPH06505340A (ja) 分析的な試薬の生産方法
CN110672836B (zh) 磁珠包被物及其制备方法和应用、检测试剂盒
KR101273453B1 (ko) 효소가 집적된 미세튜브를 이용한 정량분석법
US8669120B2 (en) High capacity solid phase
JPH07229900A (ja) 免疫学的診断試薬
EP4025911B1 (en) Conjugates composed of membrane-targeting peptides for extracellular vesicles isolation, analysis and their integration thereof
EP1702076A1 (en) Method and composition for stabilizing liquid reagents

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140606

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees