JP2009299827A - 弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルク伝達開始時の過渡特性が良好で、弾性部材26が劣化しにくく、しかもこの弾性部材26が劣化した場合にも不感帯が発生せず、しかも部品管理、組立作業が容易な構造を実現する。
【解決手段】駆動側、被駆動側両伝達部材18、19の、駆動側、被駆動側各突出部22、25同士の間に、上記弾性部材26を配置する。この弾性部材26は、それぞれが1対の圧縮変形部29、29と曲げ変形部30とから成る弾性変形部27、27同士を、外径側連結部28、28により連結して成る。トルク伝達時に上記弾性部材26は(B)の様に弾性変形し、1対の回転軸同士の偏心を補償する際にこの弾性部材26は、(C)の様に弾性変形する。
【選択図】図2

Description

本発明の対象となる弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置のうちの電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。又、弾性軸継手は、例えばこの様な電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸と、減速機のウォーム軸とのトルク伝達部に組み込み、操舵時に運転者に違和感を与える事を防止しつつ、上記出力軸から上記ウォーム軸に上記補助動力を伝達するものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、広く実施されている。この様な電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、上記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図6〜7は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、上記ウォーム軸6の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と上記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、上記押圧駒10を介して、上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合、上記ウォーム歯5と上記ウォームホイール4との噛合部で上記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部とを回転力の伝達を自在に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸12の先端部にスプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事により、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。
上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在する。又、単なるスプライン係合部の場合、上記電動モータ7への通電開始に伴って上記出力軸12から上記ウォーム軸に、突然大きなトルクが伝達され始める。この為、前記ステアリングホイール1の操作開始直後に、突然このステアリングホイール1を操作する為に要する力が急減する。この様な状況は、運転者に違和感を与える為、好ましくない。
特に、前述の図7に示した様に、前記ウォーム8と前記ウォームホイール4との噛合部に存在するバックラッシュを解消する為、前記コイルばね11等の弾性部材により、上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を上記ウォームホイール4に向け押圧する構造の場合には、このウォーム軸6の基端部を上記出力軸12の先端部に対し、揺動可能に結合する事が必須になる。この為、この結合部を単なるスプライン係合により構成する場合には、このスプライン係合部のバックラッシュを大きくせざるを得ず、上記問題が顕著になり易い。
この様な不都合を発生するスプライン係合部に代えて、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部とのトルク伝達部に、弾性部材を介してトルク伝達を行う弾性軸継手を組み込む事が考えられる。そして、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸12の先端部とウォーム軸6の基端部との間に組み込み可能な弾性軸継手として、特許文献4、5に記載されたものが知られている。これら特許文献4、5に記載された弾性軸継手は何れも、軸方向に関して互いに直列に配置された1対の回転軸の端部同士の間でトルクを、このトルクの方向に関して弾性変形可能な弾性部材を介して伝達する。
この為に上記従来の弾性軸継手は、第一、第二両伝達部材と弾性部材とを備える。これら両伝達部材はそれぞれ、上記両回転軸の端部に、これら両回転軸と同心に支持される。又、これら両伝達部材のうちの相手側の回転軸に対向する面に、回転方向に関して間欠的に、それぞれこの相手側の回転軸に向け軸方向に突出する、それぞれ複数の第一、第二各突出部を設けている。そして、上記弾性部材を、各第一、第二突出部の円周方向側面同士の間に挟持している。又、上記特許文献4に記載された従来構造の場合には、弾性部材の一部に上記両回転軸の軸方向に貫通する通孔を形成する事により、この弾性部材の弾性変形状態をチューニングしている。更に、上記特許文献5に記載された従来構造の場合には、上記各第一、第二突出部による上記弾性部材の圧縮状態を2段階に変える事により、この弾性部材の弾性変形状態をチューニングしている。
但し、上記特許文献4、5に記載された従来構造の場合には、長期間に亙る使用に伴って弾性部材の弾性が劣化した(へたった)場合に、中立位置近傍に、この弾性部材の緩衝作用を得られない不感帯(トルク伝達を全く行わない範囲)が発生する。この様な状態では、ステアリングホイールを操作する運転者等に違和感を与える。特に、上記特許文献5に記載された従来構造の場合には、弾性部材の一部が、小さなトルクを伝達するトルク伝達初期から圧縮され、しかもこの一部が、大きなトルクを伝達する際に、更に圧縮量を増大される為、上記弾性部材の一部が劣化し易く、上記不感帯を発生し易いものと考えられる。又、上記特許文献4、5に記載された従来構造は何れも、1対の回転軸の中心軸同士が不一致になる、所謂ミスアライメントを積極的に許容する構造ではない為、ミスアライメントの程度が大きくなると、上記両回転軸同士の間でのトルク伝達を円滑に行えなくなる可能性がある。特に、前述の様なウォーム8とウォームホイール4との噛合部に存在するバックラッシュを解消すべく、前記ウォーム軸6の基端部を前記出力軸12の先端部に対し揺動可能に結合する構造の場合には、上記ミスアライメントが必然的に発生する為、上記問題が顕著になり易い。更に、特許文献4に記載された従来構造の場合には、弾性部材が一体でない為、部品管理、組立作業が面倒になる。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 特開2002−206564号公報 特開2004−148990号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、トルク伝達開始時の過渡特性が良好で、弾性部材が劣化しにくく、しかもこの弾性部材が劣化した場合にも不感帯が発生せず、しかも部品管理、組立作業が容易な弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明の弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載した弾性軸継手の発明は、例えば特許文献4、5に記載される等により従来から知られている弾性軸継手と同様に、軸方向に関して互いに直列に配置された1対の回転軸の端部同士の間でトルクを、このトルクの方向に関して弾性変形可能な弾性部材を介して伝達する為のものである。
この為に本発明の弾性軸継手は、第一、第二両伝達部材と、弾性部材とを備える。
このうちの第一伝達部材は、上記両回転軸のうちの一方の回転軸の端部に、この一方の回転軸と同心に支持されるもので、これら両回転軸のうちの他方の回転軸に対向する面に、回転方向に関して間欠的に、それぞれこの他方の回転軸に向け軸方向に突出する複数の第一突出部を設けている。
又、上記第二伝達部材は、上記他方の回転軸の端部に、この他方の回転軸と同心に支持されるもので、上記一方の回転軸に対向する面に、回転方向に関して間欠的に、それぞれこの一方の回転軸に向け軸方向に突出する複数の第二突出部を設けている。
更に、上記弾性部材は、これら各第二突出部の円周方向側面と上記各第一突出部の円周方向側面との間に挟持されている。
特に、本発明の弾性軸継手に於いては、上記弾性部材は、上記各第一突出部の円周方向側面と上記各第二突出部の円周方向側面との間に挟持された複数の弾性変形部同士を互いに一体に結合して成る。そして、これら各弾性変形部はそれぞれ、1対ずつの圧縮変形部と曲げ変形部とから成る。
このうち、1対ずつの圧縮変形部は、上記トルクの伝達方向に関し、空隙部を介して互いに対向するもので、それぞれが上記両回転軸の回転方向に関して弾性的に圧縮可能である。
又、上記曲げ変形部は、上記両回転軸の径方向に関する上記両圧縮変形部の端部同士を連結して、これら両圧縮変形部同士の間隔の変化に対応して曲がり量が弾性的に変化するものである。
上述の様な本発明の弾性軸継手を実施するのに、例えば請求項2に記載した発明の様に、上記各弾性変形部を、それぞれが板状である1対の圧縮変形部の、上記両回転軸の径方向に関する内端縁同士を、部分円筒状の曲げ変形部により連結して成る、断面V字形とする。又、円周方向に隣り合う上記各弾性変形部の圧縮変形部の、上記両回転軸の径方向に関する外端縁同士を、これら両回転軸の径方向に関して上記第一、第二各突出部よりも外側に存在する、外径側連結部により互いに連結する。
上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項3に記載した発明の様に、上記各弾性変形部を構成する上記曲げ変形部の厚さ寸法を、同じく1対の圧縮変形部の厚さ寸法よりも小さくする。そして、この曲げ変形部の湾曲方向に関して内側に凹部を設ける。
又、これら請求項2〜3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記各弾性変形部を構成する圧縮変形部のうちで、上記両回転軸の回転方向に関して隣り合う弾性変形部を構成する圧縮変形部に対向する面を、これら両回転軸の径方向に関する中間部が最も上記回転方向に関して突出する凸湾曲面とする。
又、前述の様な本発明の弾性軸継手を実施するのに、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記各弾性変形部を、球状若しくは両回転軸と実質的に(製造誤差等により生じる、機能上問題を生じない程度の誤差を除き)平行な円柱状の弾性ブロックとする。又、円周方向に隣り合うこれら各弾性ブロック同士を、連結部により互いに一体に連結する。更に、上記各弾性ブロックの一部で、上記両回転軸の径方向に関する中間部に、これら両回転軸の軸方向に貫通する通孔を形成する事により、上記各弾性ブロックのうち、これら両回転軸の回転方向に関して上記通孔の両側部分を圧縮変形部とし、これら両回転軸の径方向に関して両端部を曲げ変形部とする。
一方、本発明の弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の発明は、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、継手装置とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転する事がない。
又、上記回転軸は、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為のものである。
更に、上記継手装置は、上記電動モータの出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部との間に設けられて、これら両軸同士の間でトルクを伝達するもので、上述の様な、本発明の弾性軸継手である。
この様な請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、上記ウォーム軸の先端部と上記ハウジングとの間に、上記ウォーム歯を上記ウォームホイールに向けて押圧する弾性部材を設ける。
上述の様に構成する本発明の弾性軸継手及び電動式パワーステアリング装置によれば、トルク伝達開始時の過渡特性が良好で、弾性部材が劣化しにくく、しかもこの弾性部材が劣化した場合にも不感帯が発生せず、しかも部品管理、組立作業が容易になる。
先ず、弾性部材が劣化しにくい事、並びに、トルク伝達開始時の過渡特性が良好になる事は、弾性部材を構成する各弾性変形部を、それぞれ1対ずつの圧縮変形部と曲げ変形部とにより構成する事で図れる。1対の回転軸同士の間でトルク伝達を開始する際には、先ず、上記各弾性変形部の曲げ変形部の曲率が変化する。即ち、上記両回転軸同士の間でトルク伝達を行う際には、第一、第二両伝達部材に設けた第一、第二各突出部の円周方向側面同士の間に存在して上記各弾性変形部を配置した隙間部の円周方向に関する幅が変化する。具体的には、これら各隙間部のうちの、1個置きに存在する半分の隙間部の幅が小さくなり、残り半分の隙間部の幅が大きくなる。そして、幅が小さくなった隙間部に配置された各弾性変形部を構成する曲げ変形部の曲率が大きく(曲率半径が小さく)なり、幅が大きくなった隙間部に配置された各弾性変形部を構成する曲げ変形部の曲率が小さく(曲率半径が大きく)なる。
曲率が変化する方向に拘らず(大きくなったものも、逆に小さくなったものも)、上記各曲げ変形部は、元の(中立)状態に戻ろうとする弾力を発生する。そして、この弾力に基づいて、上記両回転軸同士の間でトルクを伝達する。上記各曲げ変形部の曲率を変化させる為に要する力、言い換えれば、これら曲げ変形部の曲率を変化させる事により伝達可能なトルクは小さいので、上記両回転軸同士の間でトルク伝達開始直後に急に大きなトルク伝達を開始する事がない。従って、弾性軸継手を電動式パワーステアリング装置に組み込んだ場合に、ステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与える事を防止できる(過渡特性が良好になる)。尚、トルク伝達開始後、或る程度時間を経過した後であっても、上記両回転軸同士の間で伝達するトルクが小さい間は、上記各曲げ変形部の曲率を変化させる事でこのトルクを伝達する。
これに対して、トルク伝達開始後、上記両回転軸同士の間で伝達するトルクが大きくなると、上記各弾性変形部のうち、幅が小さくなった隙間部に配置された弾性変形部を構成する、1対ずつの圧縮変形部同士が当接する。そして、これら各圧縮変形部同士が当接した後は、上記両回転軸同士の間で伝達するトルクのうちで、上記各曲げ変形部により伝達し切れない部分を、上記各圧縮変形部同士が圧縮方向に弾性変形しつつ伝達する。この様に、トルク伝達開始後、或る程度時間を経過した後、比較的大きなトルクを伝達する際には、上記各曲げ変形部の変形量があまり大きくはならない(上記各圧縮変形部の圧縮量に見合うだけに止まる)。この為、大きなトルクを伝達する際にも、小さなトルクを伝達する為に設けた上記各曲げ変形部の変形量が過大になる事を防止して、弾性部材の劣化を防止できる。
次に、弾性部材が劣化した場合にも不感帯が発生しない様にする事は、上記各弾性変形部を構成する上記各曲げ変形部が、円周方向に隣り合う曲げ変形部同士の間で、逆方向に弾性変形する事で図れる。即ち、或る弾性変形部を構成する曲げ変形部が、曲率が大きくなる方向に弾性変形する際には、円周方向に関して当該弾性変形部と隣り合う弾性変形部を構成する曲げ変形部は、曲率が小さくなる方向に弾性変形する。これら各曲げ変形部の弾性変形に伴って発生する力は、何れも1対の回転軸同士の回転方向に関する位相を中立状態にする方向に加わるので、これら両回転軸同士の間でのトルク伝達に関して緩衝作用が働き、このトルク伝達の開始が急激になる事を防止して、トルク伝達開始時の過渡特性を良好にできる。上記弾性部材が劣化すると、この緩衝作用が低下する事はあっても、喪失する事はない。従って、上記過渡特性が多少悪化するにしても、上記不感帯が発生する事はない。
更に、部品管理、組立作業が容易になる事は、上記弾性部材を構成する上記各弾性変形部同士を、互いに一体に結合した事により図れる。即ち、弾性軸継手を構成する弾性部材を一体として取り扱えるので、部品管理の手間を低減できる。又、上記両回転軸同士の間に上記弾性部材を組み付ける作業も容易になる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1〜3、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸12aの先端部と、ウォーム式減速機を構成するウォーム軸6aの基端部との間に、本例の特徴である弾性軸継手15を設けている。そして、上記出力軸12aから上記ウォーム軸6aにトルクを、起動時に緩衝作用を持たせた状態で(上記電動モータ7の起動時にトルク伝達が急激に開始されない様に、過渡特性を良好にした状態で)、伝達自在としている。上記弾性軸継手15を設ける為に、上記出力軸12aの先端部に駆動側セレーション部16を、上記ウォーム軸6aの基端部に被駆動側セレーション部17を、それぞれ設けている。上記弾性軸継手15を除く、上記電動式パワーステアリング装置の構成及び作用は、前述の図6〜7に示した構造を含め、従来から広く知られている電動式パワーステアリング装置と同様であるから説明を省略し、以下、上記弾性軸継手15の構成及び作用に就いて説明する。又、以下の説明で、径方向、周方向、軸方向とはこの弾性軸継手15(の構成各部材)の径方向、周方向、軸方向を指す。
上記弾性軸継手15は、特許請求の範囲に記載した第一伝達部材に相当する駆動側伝達部材18と、同じく第二伝達部材に相当する被駆動側伝達部材19を備える。このうちの駆動側伝達部材18は、中心部に設けた円筒状の駆動側ボス部20の外周面の径方向複数個所(図示の例では円周方向等間隔3箇所)からそれぞれ駆動側腕部21、21を、放射方向に延出している。そして、これら各駆動側腕部21、21の軸方向片側面に、それぞれが特許請求の範囲に記載した第一突出部に相当する駆動側突出部22、22を、軸方向に突出形成している。周方向に関する、これら各駆動側突出部22、22の幅寸法は、径方向内方で小さく、径方向外方で大きくしている。即ち、軸方向から見た、上記各駆動側突出部22、22の端面形状を、径方向内側程幅が狭くなる扇形としている。又、上記駆動側ボス部20の内周面には、上記駆動側セレーション部16とセレーション係合する、駆動側雌セレーションを形成している。
一方、上記被駆動側伝達部材19は、上記駆動側伝達部材18と同形状の部材を、軸方向に関して反転させた状態で使用する。即ち、上記被駆動側伝達部材19は、上記駆動側ボス部20と同形状の被駆動側ボス部23と、上記各駆動側腕部21、21と同形状の被駆動側腕部24、24と、上記各駆動側突出部22、22と同形状であり、特許請求の範囲に記載した第二突出部に相当する被駆動側突出部25、25とを備える。そして、上記被駆動側ボス部23の内周面に、前記被駆動側セレーション部17とセレーション係合する、被駆動側雌セレーションを形成している。
それぞれが上述の様な構成を有する、上記駆動側伝達部材18と上記被駆動側伝達部材19とは、図1〜2に示す様に、弾性部材26を介して組み合わせ、前記本例の弾性軸継手15とする。この弾性部材26は、ゴム、ビニルの如きエラストマー、或は合成樹脂等の弾性材を射出成形する事により一体成形したもので、上記駆動側伝達部材18を構成する上記各駆動側突出部22、22の倍の数(上記被駆動側伝達部材19を構成する上記各被駆動側突出部25、25の倍の数とも同じで、本例の場合には6個)の弾性変形部27、27同士を、外径側連結部28、28により互いに連結して成る。これら各弾性変形部27、27はそれぞれ、1対の圧縮変形部29、29と曲げ変形部30とから成る。このうちの各圧縮変形部29、29は、それぞれくさび板状で、径方向外側に向かう程、周方向に関する厚さが大きくなる。
一方、上記曲げ変形部30は、部分円筒状で、上述の様な1対の圧縮変形部29、29の径方向内端縁同士を連結している。上記曲げ変形部30の厚さは、これら各圧縮変形部29、29の径方向内端部の厚さよりも小さい。又、これら各圧縮変形部29、29の周方向両側面のうちの互いに反対側の側面と、上記曲げ変形部30の湾曲方向外側面(径方向内側となる凸面)とを、滑らかに連続させている。従って、上記曲げ変形部30の湾曲方向内側面(径方向外側となる凹面)側部分には、上記各圧縮変形部29、29の互いに対向する側面から凹む状態で、凹部31が形成されている。上記各弾性変形部27、27は、この様な構成により、上記弾性部材26の軸方向から見た形状をV字形としている。又、上記各弾性変形部27、27の中立状態(外力が作用しない自由状態)では、図2の(A)に示す様に、上記各圧縮変形部29、29の互いに対向する側面同士がほぼ平行、乃至は、径方向外側に向かう程互いの距離が広くなる方向に、僅かに傾斜している。要するに、上記中立状態で上記圧縮変形部29、29の互いに対向する側面の方向を、前記弾性軸継手15の中心軸を中心とする直径方向に、(製造誤差や組み付け誤差を除いた状態で)実質的に一致させている。
前記各外径側連結部28、28はそれぞれ、円周方向に隣り合う上記各弾性変形部27、27を構成する上記各圧縮変形部29、29の、径方向外端縁同士を連結している。上記各外径側連結部28、28は、前記弾性軸継手15の中心軸をその中心軸とする、単一の仮想円筒状空間内に存在する。又、この仮想円筒状空間の内径は、前記駆動側、被駆動側各突出部22、25の外接円の直径よりも大きくしている。
上述の様な構成を有する弾性部材26は、それぞれが前述の様な構成を有する駆動側、被駆動側両伝達部材18、19と組み合わせて、上記弾性軸継手15とする。即ち、図1及び図2の(A)に示す様に、上記弾性部材26を構成する上記各弾性変形部27、27の内側に、上記両伝達部材18、19を構成する前記各駆動側突出部22、22と前記各被駆動側突出部25、25とを、円周方向に関して交互に内嵌する。この様に、上記各部材18、19、26を組み合わせて上記弾性軸継手15を構成しただけの中立状態では、図2の(A)に示す様に、円周方向に隣り合う弾性変形部27、27の圧縮変形部29、29同士は、互いに離隔した状態になる。上記弾性部材26は一体品である為、上記各部材18、19、26の組み合わせ作業は容易に行える。
この様な弾性軸継手15は、上記駆動側伝達部材18の駆動側ボス部20を前記出力軸12aの駆動側セレーション部16に、上記被駆動側伝達部材19の被駆動側ボス部23を前記ウォーム軸6aの被駆動側セレーション部17に、それぞれ外嵌する事により、上記出力軸12aとこのウォーム軸6aとの間に組み付ける。この状態で、前記電動モータ7への通電に基づいて上記出力軸12aを回転させると、上記駆動側伝達部材18を構成する上記各駆動側突出部22、22が、前記各弾性変形部27、27のうち、円周方向一つ置きに存在する(3個の)弾性変形部27、27の内側で回転方向に変位する。これに伴って、この回転方向前側に存在する圧縮変形部29、29が円周方向に押されると同時に、回転方向後側に存在する圧縮変形部29、29が円周方向に引っ張られる。
そして、上記各弾性変形部27、27の内径側端部に存在する前記各曲げ変形部30、30が、それぞれの曲率を変化させる方向に弾性変形する。具体的には、上記各駆動側突出部22、22の回転方向前側に存在する各曲げ変形部30、30の曲率が大きくなり、同じく後側に存在する各曲げ変形部30、30の曲率が小さくなる。この過程で、これら各曲げ変形部30、30が元に戻ろうとする弾力に基づいて、上記各駆動側突出部22、22から上記各被駆動側突出部25、25にトルクが伝達される。即ち、曲率が大きくなった各曲げ変形部30、30は、これら各被駆動側突出部25、25を円周方向に押圧し、曲率が小さくなった各曲げ変形部30、30は、これら各被駆動側突出部25、25を円周方向に引っ張る。この結果、上記出力軸12aの起動直後、並びに、この出力軸12aと上記ウォーム軸6aとの間で伝達するトルクが小さい場合には、上記各曲げ変形部30、30の弾性変形に基づいて、このトルクが伝達される。
上記出力軸12aの起動後、或る程度(実際には極く短時間)経過し、しかも、上記出力軸12aと上記ウォーム軸6aとの間で伝達するトルクが大きくなると、図2の(B)に示す様に、回転方向前側に存在する各曲げ変形部30、30の曲率が十分に大きくなり、当該曲げ変形部30、30を挟んで存在する圧縮変形部29、29同士が当接する。本例の場合には、前記中立状態でのこれら各圧縮変形部29、29の互いに対向する側面同士の位置関係を、前述の様に、ほぼ平行、乃至は僅かに傾斜させている為、上記大きなトルクを伝達する状態で、上記各圧縮変形部29、29の互いに対向する側面同士がほぼ全面に亙り当接する。この為、上記出力軸12aと上記ウォーム軸6aとの間で、十分に大きなトルクを伝達できる。この場合でも、このトルクが大きくなるに従って、上記各圧縮変形部29、29が周方向に関して弾性的に圧縮されるので、トルク変動に関する緩衝作用を得られる。
又、本例の場合には、上記出力軸12aの中心軸と上記ウォーム軸6aの中心軸とが多少ずれていた場合でも、上記各曲げ変形部30、30の弾性変形に基づき、このずれを吸収できる。例えば、上記ウォーム軸6aの基端部に固定した被駆動側伝達部材19の中心軸が、上記出力軸12aの先端部に固定した駆動側伝達部材18の中心軸に対し、図2の(C)の上方にずれていた場合には、上記各曲げ変形部30、30がこの図2の(C)に示す様に、不均一に弾性変形し、上記ずれを吸収する。この為、ウォーム8とウォームホイール4との噛合部に存在するバックラッシュを解消すべく、コイルばね11により上記ウォーム軸6aに設けたウォーム歯5を上記ウォームホイール4に向け押圧する為、このウォーム軸6aの基端部を上記出力軸12aの先端部に対し、揺動可能に結合しても、この出力軸12aによる上記ウォーム軸6aの回転駆動を円滑に行わせる事ができる。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の弾性軸継手15aの場合には、弾性部材26aの各弾性変形部27a、27aを構成する、各圧縮変形部29a、29aの周方向に関する厚さを、径方向に関して一定としている。この為に本例の場合には、円周方向に隣り合う弾性変形部27a、27aの圧縮変形部29a、29aの側面同士の間隔が、径方向外側程大きくなる。言い換えれば、これら各圧縮変形部29a、29aの側面同士の間に存在する隙間空間32、32が、図3の(A)に示した中立状態であるか、同じく(B)に示したトルク伝達状態にあるかを問わず、径方向内側程円周方向に関する寸法が小さい、くさび状になる。
この様な本例の場合も、駆動側伝達部材18から被駆動側伝達部材19へのトルク伝達開始に伴って、先ず、各駆動側突出部22、22の回転方向前側に存在する各曲げ変形部30、30の曲率が大きくなり、同じく後側に存在する各曲げ変形部30、30の曲率が小さくなる。上記トルク伝達の開始直後、並びに、伝達するトルクが小さい場合には、上述した実施の形態の第1例の場合と同様にして、上記各曲げ変形部30、30の弾性変形に基づいて上記トルクを伝達する。
本例の場合も、上記トルク伝達の開始後、或る程度経過し、しかも、上記伝達するトルクが大きくなると、図3の(B)に示す様に、回転方向前側に存在する各曲げ変形部30、30を挟んで存在する圧縮変形部29a、29a同士が当接する。特に本例の場合には、円周方向に隣り合う弾性変形部27a、27aの圧縮変形部29a、29aの側面同士の間隔を、径方向内側程小さくしている為、上記大きなトルクを伝達する状態で、上記各圧縮変形部29a、29aの互いに対向する側面のうちの径方向内端部同士が互いに当接する。そして、これら各圧縮変形部29a、29aの径方向内端部が弾性変形しつつ、上記トルクを伝達する。これら各圧縮変形部29a、29aの径方向内端部の弾性変形量は、この伝達するトルクが大きくなる程多くなる。この為、トルク変動に関する緩衝作用を、前述した実施の形態の第1例に比べて大きくできる。その他の部分の構成及び作用は、この実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の弾性軸継手15bの場合には、弾性部材26bの各弾性変形部27b、27bを構成する各圧縮変形部29b、29bの周方向両側面のうち、隣り合う弾性変形部27b、27bを構成する各圧縮変形部29b、29bに対向する外側面を、部分円筒状の凸湾曲面としている。これら各圧縮変形部29b、29bの周方向両側面のうち、駆動側、被駆動側各突出部22、25の周方向両側面に当接する内側面は、それぞれ上記弾性部材26bの中心軸を中心とする直径方向に存在する平面としている。従って上記各弾性変形部27b、27bの周方向に関する厚さは、径方向中間部が最も大きく、径方向外方及び内方に向かうに従って漸減している。尚、上記各弾性変形部27b、27bの径方向内端縁同士を連続させる曲げ変形部30a、30aの厚さは、これら各弾性変形部27b、27bの径方向内端の厚さと等しい。
上述の様に構成する本例の構造の場合には、駆動側伝達部材18と被駆動側伝達部材19との間で伝達するトルクが或る程度大きくなると、上記各弾性変形部27b、27bの外側面の径方向中間部同士が当接する。この状態から上記トルクが更に大きくなると、上記各弾性変形部27b、27bが弾性変形している部分が、上記径方向中間部から径方向に関して内方及び外方に漸次拡がる。この為、前述した実施の形態の第2例の場合と同様に、トルク変動に関する緩衝作用を、前述した実施の形態の第1例に比べて大きくできる。特に本例の場合には、大きなトルク変動時に上記各弾性変形部27b、27bの内部で発生する応力の最大値を、上述した第2例の構造よりも低く抑えられて、これら各弾性変形部27b、27bを含む、前記弾性部材26bの耐久性確保を図り易い、その他の部分の構成及び作用は、上記実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図5は、請求項1、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の弾性軸継手15cの場合には、弾性部材26cを構成する各弾性変形部27c、27cを、球状若しくは円柱状の弾性ブロック33、33としている。これら各弾性ブロック33、33を円柱状とする場合には、これら各弾性ブロック33、33の中心軸と、駆動側、被駆動側両伝達部材18a、19aの中心軸(互いの間でトルクを伝達すべき1対の回転軸の中心軸)とを、製造誤差等により生じる、機能上問題を生じない程度の誤差を除き、実質的に平行とする。この様な上記各弾性ブロック33、33は、上記両伝達部材18a、19aの中心軸を中心とする同一円周上に、周方向に関して等間隔に配置している。
上記各弾性ブロック33、33の径方向中間部で周方向中央部分に、上記両伝達部材18a、19aの軸方向に貫通する通孔34、34を形成している。これら各通孔34、34の断面形状は、上記径方向を長径とし上記周方向を短径とした楕円形であり、これら長径と短径との比(長径/短径)を大きくしている。そして、上記各弾性ブロック33、33のうち、周方向に関して上記各通孔34、34の両側部分を圧縮変形部29c、29cとし、径方向両端部を曲げ変形部30b、30bとしている。更に、上記各弾性ブロック33、33の径方向中間部同士を、紐状若しくは帯状の連結部35、35により互いに連結して、一体構造の上記弾性部材26cとしている。
この様な弾性部材26cを組み付け可能にする為に、駆動側、被駆動側両伝達部材18a、19aを構成する、駆動側、被駆動側各突出部22a、25aの径方向中間部に、それぞれ周方向両側面同士を連通させる収納溝36、36を形成している。前記弾性軸継手15cを組み立てるには、上記各連結部35、35をこれら各収納溝36、36に収納しつつ、上記各弾性ブロック33、33を、上記駆動側、被駆動側各突出部22a、25a同士の間に挟持する。この様に、上記弾性部材26cと上記駆動側、被駆動側両伝達部材18a、19aとを組み合わせて、前記弾性軸継手15cとした状態で、上記駆動側、被駆動側各突出部22a、25aの周方向両側面と上記各弾性ブロック33、33の外面とが、図5の(B)のwの範囲で当接する。この様な、各面が当接してトルク伝達が行われる部分の幅wは、上記各弾性ブロック33、33の弾性変形状態に関係なく、これら各段性ブロック33、33の中央部に形成した、上記各通孔34、34の径方向に関する幅Wよりも十分に小さい(w≪W)。そして、上記トルク伝達が行われる部分(幅wの部分)が、上記各通孔34、34よりも、径方向外方や径方向内方にはみ出す事はない。
この様な弾性軸継手15cにより上記駆動側、被駆動側両伝達部材18a、19a同士の間でトルクを伝達する場合、伝達開始直後、並びに、このトルクが小さい場合には、上記各弾性ブロック33、33の曲げ変形部30b、30bが、曲率が変化する方向に弾性変形する。そして、曲率が大きくなった曲げ変形部30b、30bが圧縮方向の力を、同じく小さくなった曲げ変形部30b、30bが引っ張り方向の力を、直接、又は、上記各連結部35、35を介して、それぞれ上記駆動側、被駆動側各突出部22a、25aに伝達し、上記トルクの伝達を行わせる。更に、このトルクが大きくなると、図5の(C)に示す様に、上記各駆動側突出部22a、22aの回転方向前側に存在する上記各弾性ブロック33、33が押し潰されて上記各通孔34、34が消滅する。そして、この状態で、前記圧縮変形部29c、29cを弾性的に圧縮しつつ、上記駆動側、被駆動側両伝達部材18a、19a同士の間でトルクを伝達する。
この様な本例の場合も、トルク伝達開始時の過渡特性が良好で、弾性部材が劣化しにくく、しかもこの弾性部材が劣化した場合にも不感帯が発生せず、しかも部品管理、組立作業が容易になる。
以上の説明は、本発明の弾性軸継手を、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸の先端部とウォーム軸の基端部との間に装着した場合に就いて述べたが、本発明の弾性軸継手は、この様な部分に限らず、1対の回転軸同士の間でトルクを伝達する、各種機械装置に適用できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、弾性軸継手を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の要部断面図。 弾性軸継手のみを取り出して、(A)は中立状態を、(B)はトルク伝達時の状態を、(C)は出力軸とウォーム軸との偏心を補償した状態を、それぞれ示す図1のX−X視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2の(A)(B)と同様の図。 同第3例を示す、図2の(A)と同様の図。 同第4例を示す、図2の(A)と同様の図(A)と、この(A)の右中段部の拡大図(B)と、図2の(B)と同様の図(C)。 自動車用操舵装置の1例を示す部分縦断側面図。 従来構造の1例を示す、図6の拡大Y−Y断面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12、12a 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15、15a、15b、15c 弾性軸継手
16 駆動側セレーション部
17 被駆動側セレーション部
18、18a 駆動側伝達部材
19、19a 被駆動側伝達部材
20 駆動側ボス部
21 駆動側腕部
22、22a 駆動側突出部
23 被駆動側ボス部
24 被駆動側腕部
25、25a 被駆動側突出部
26、26a、26b、26c 弾性部材
27、27a、27b、27c 弾性変形部
28 外径側連結部
29、29a、29b、29c 圧縮変形部
30、30a、30b 曲げ変形部
31 凹部
32 隙間空間
33 弾性ブロック
34 通孔
35 連結部
36 収納溝

Claims (7)

  1. 軸方向に関して互いに直列に配置された1対の回転軸の端部同士の間でトルクを、このトルクの方向に関して弾性変形可能な弾性部材を介して伝達する為、上記両回転軸のうちの一方の回転軸の端部にこの一方の回転軸と同心に支持される、これら両回転軸のうちの他方の回転軸に対向する面に、回転方向に関して間欠的に、それぞれこの他方の回転軸に向け軸方向に突出する複数の第一突出部を設けた第一伝達部材と、この他方の回転軸の端部にこの他方の回転軸と同心に支持される、上記一方の回転軸に対向する面に、回転方向に関して間欠的に、それぞれこの一方の回転軸に向け軸方向に突出する複数の第二突出部を設けた第二伝達部材と、これら各第二突出部の円周方向側面と上記各第一突出部の円周方向側面との間に挟持された、弾性部材とを備えた弾性軸継手に於いて、この弾性部材は、上記各第一突出部の円周方向側面と上記各第二突出部の円周方向側面との間に挟持された複数の弾性変形部同士を互いに一体に結合して成り、これら各弾性変形部はそれぞれ、上記トルクの伝達方向に関し空隙部を介して互いに対向する、それぞれが上記両回転軸の回転方向に関して弾性的に圧縮可能な、上記各弾性変形部毎に1対ずつの圧縮変形部と、上記両回転軸の径方向に関するこれら両圧縮変形部の端部同士を連結して、これら両圧縮変形部同士の間隔の変化に対応して曲がり量が弾性的に変化する曲げ変形部とから成るものである事を特徴とする弾性軸継手。
  2. 各弾性変形部が、それぞれが板状である1対の圧縮変形部の、両回転軸の径方向に関する内端縁同士を、部分円筒状の曲げ変形部により連結して成る断面V字形であり、円周方向に隣り合う各弾性変形部の圧縮変形部の、上記両回転軸の径方向に関する外端縁同士を、これら両回転軸の径方向に関して第一、第二各突出部よりも外側に存在する、外径側連結部により互いに連結している、請求項1に記載した弾性軸継手。
  3. 各弾性変形部を構成する曲げ変形部の厚さ寸法を、同じく1対の圧縮変形部の厚さ寸法よりも小さくして、この曲げ変形部の湾曲方向に関して内側に凹部を設けている、請求項2に記載した弾性軸継手。
  4. 各弾性変形部を構成する圧縮変形部のうちで、両回転軸の回転方向に関して隣り合う弾性変形部を構成する圧縮変形部に対向する面を、これら両回転軸の径方向に関する中間部が最も上記回転方向に関して突出する凸湾曲面とした、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載した弾性軸継手。
  5. 各弾性変形部が、球状若しくは両回転軸と実質的に平行な円柱状の弾性ブロックであり、円周方向に隣り合うこれら各弾性ブロック同士が連結部により互いに一体に連結されており、これら各弾性ブロックの一部で、上記両回転軸の径方向に関する中間部に、これら両回転軸の軸方向に貫通する通孔を形成する事により、上記各弾性ブロックのうち、これら両回転軸の回転方向に関して上記通孔の両側部分を圧縮変形部とし、これら両回転軸の径方向に関して両端部を曲げ変形部とした、請求項1に記載した弾性軸継手。
  6. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータと、この電動モータの出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部との間に設けられた、これら両軸同士の間でトルクを伝達する継手装置とを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、この継手装置が、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載された弾性軸継手である事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  7. ウォーム軸の先端部とハウジングとの間に、ウォーム歯をウォームホイールに向けて押圧する弾性部材を設けた、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置。
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