JP2009298236A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】高速走行性能を損ねることなく、偏摩耗を抑制しうる。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを具えた空気入りタイヤ1である。ベルト層7は、タイヤ軸方向の両端部がタイヤ赤道側に向けて折り返され、かつその端縁Fe間を離間させた折返し部14を具えるフォールドプライ10を少なくとも1枚含み、トレッド部2のタイヤ内腔面2iに、少なくとも一部が折返し部14の端縁14e、14e間の内方領域2Cをタイヤ周方向にのびる補強シート11を具える。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速走行性能を損ねることなく偏摩耗を抑制しうる空気入りタイヤ、とりわけレース用に好適な空気入りタイヤに関する。
従来、図6に拡大して示されるように、近年、ベルト層bとして、両端部がタイヤ赤道C側に折り返した一対の折返し部d、dを具えるフォールドプライeを含む空気入りタイヤaが知られている。このようなフォールドプライeは、その折返し部dによってトレッド部の両端側の剛性が高められるので、高速走行時の直進安定性や旋回性能を向上させる。
しかしながら、上述のフォールドプライeを含むタイヤaでは、トレッド部fの折返し部dの端縁g、g間の領域hの剛性が、折返し部dが配される端部側領域に比べて低くなる傾向がある。そのため、領域hのトレッドゴムが相対的に動きやすくなってそこに偏摩耗が発生するという問題があった。
このような偏摩耗を防止するために、トレッドゴムの硬度を高めることも考えられる。しかしながら、トレッドゴムの硬度を上げると、路面に対するグリップ力が低下し、特に高速走行性能が低下するという欠点がある。
関連する文献としては、次のものがある。
特開2006−151328号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ベルト層に、少なくとも1枚のフォールドプライを含ませるとともに、トレッド部のタイヤ内腔面には、フォールドプライの折返し部の端縁間の領域をタイヤ周方向にのびる補強シートを設けることを基本として、高速走行性能を損ねることなく偏摩耗を抑制しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配されたベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、タイヤ軸方向の両端部がタイヤ赤道側に向けて折り返され、かつその端縁間を離間させた一対の折返し部を具えるフォールドプライを少なくとも1枚含み、かつ前記トレッド部のタイヤ内腔面に、少なくとも一部が前記折返し部の端縁間の領域をタイヤ周方向にのびる補強シートを具えることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記補強シートの少なくとも一方のタイヤ軸方向の側縁と、前記折返し部の端縁との間のタイヤ軸方向距離が、前記ベルト層のタイヤ軸方向幅の0.10倍〜0.20倍である請求項1に記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記補強シートの両側の側縁は、いずれも前記折返し部の端縁よりもタイヤ赤道側にある請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記補強シートは、タイヤ軸方向の一方側に寄せて配されている請求項1ないし3の何れかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、補強シートがトレッド部における折返し部の端縁間の内方領域の剛性を向上させる。従って、トレッド部の剛性が均一化され、ひいては偏摩耗を抑制しうる。また、本発明の空気入りタイヤは、トレッドゴムを必要以上に硬くする必要なしに偏摩耗を抑制しうる結果、グリップ力が維持され、高速走行性能の悪化を防止できる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には本実施形態の空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の正規状態の断面図、図2にはそのサイドウォール部の部分拡大図、図3にはそのトレッド部の部分拡大図がそれぞれ示される。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。ただし、レース用のタイヤ等のように、適用される規格がない場合、前記正規リム及び正規内圧には、メーカにより推奨されるリム及び空気圧が適用される。また、特に言及しない場合、タイヤの各部の寸法などは、この正規状態での値が示されている。
前記空気入りタイヤ1は、本実施形態ではレース用のスリックタイヤであって、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたベルト層7とを具える。
前記トレッド部2には、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に溝のないトレッドゴム2Gが配されている。
前記トレッドゴム2Gは、例えば2.0〜5.5mm、より好ましくは3.0〜4.5mmの略均一な厚さt1で形成されている。この厚さt1は、一般の乗用車用タイヤに比べて小さい。これは、サーキット走行時、トレッドゴム2Gの発熱を抑え、高速耐久性を高めるのに役立つ。
また、前記トレッドゴム2GのJIS−A硬さは、例えば30度以上、より好ましくは40度以上が望ましく、また、好ましくは90度以下、より好ましくは85度以下が望ましい。トレッドゴム2Gの硬さが過度に小さくなると、耐摩耗性が悪化する傾向があり、逆に大きすぎると、サーキット走行時など路面との間で十分なグリップ力が得られないおそれがある。
前記カーカス6は、本実施形態では2枚のカーカスプライ、即ち、タイヤ赤道Cの位置を基準としてタイヤ半径方向内側に配された内のカーカスプライ6Aと、その外側に配された外のカーカスプライ6Bとで構成される。各カーカスプライ6A、6Bは、例えば、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90度の角度で配列したラジアル構造で形成されるが、バイアス構造であっても良い。カーカスコードとしては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル又はアラミド等の有機繊維が好適である。
また、図2に拡大して示されるように、本実施形態の各カーカスプライ6A、6Bは、いずれもトレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6a1、6a2と、該本体部6a1、6a2に連なりかつビードコア5の回りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6b1、6b2とを有する。なお、本実施形態では、カーカスプライ6Aの折返し部6b1の外端6beがトレッド部2のタイヤ軸方向両端近傍までのびて終端する。このようなハイターンナップ構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を高め、操縦安定性を向上するのに役立つ。
また、カーカスプライの本体部6a1、6a2と、折返し部6b1、6b2との間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側へ先細状にのびるビードエーペックス8が配される。
前記ビードエーペックス8は、例えばJIS−A硬さが60度以上、より好ましくは70度以上の硬質ゴムからなる。これにより、ビード部4には、十分な曲げ剛性が確保される。なお、周囲のゴムとの接着性などに鑑み、ビードエーペックス8のJIS−A硬さは、好ましくは98度以下、より好ましくは95度以下が望ましい。
また、さらなるビード耐久性の向上を図るために、本実施形態では、ビードエーペックス8とカーカスプライ6A、6Bとの間に、ビード補強層12が配される。
該ビード補強層12は、ビードエーペックス8を包むように断面略U字状にのびる補強コードプライ12Aから構成される。本実施形態において、補強コードプライ12Aは、ビードエーペックス8のタイヤ内腔i側をのびる内片部12aと、ビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側をのびる外片部12bとを含む。
また、好ましくは、カーカスプライ6A、6B、及び補強コードプライ12Aの各端部は、いずれもタイヤ半径方向で位置をずらせて設けられるのが望ましい。本実施形態では、ビードベースラインBLからの各部の高さが次の関係を満足する。
h0>h1>h2>h3
ただし、
h0:内のカーカスプライ6Aの折返し部6b1の高さ
h1:補強コードプライ12Aの内片部12aの高さ
h2:補強コードプライ12Aの外片部12bの高さ
h3:外のカーカスプライ6Bの折返し部6b2の高さ
このように、各プライ等の外端位置をタイヤ半径方向でずらせて配することにより、タイヤのサイド領域に大きな剛性段差が形成されるのを防ぐ。また、該領域の剛性をビード部4側ほど大きくし、コーナリング時の安定性を高めうる。
前記ベルト層7は、タイヤ半径方向で重ねられた内、外2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。なお、内、外はタイヤ赤道Cの位置で区別される。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して例えば15〜40度程度で傾けられたベルトコードを有し、該ベルトコードが互いに交差する向きに重ねられている。前記ベルトコードとしては、例えばアラミドやスチールコードが好適に使用される。
また、本実施形態では、外のベルトプライ7Bのタイヤ半径方向外側に、バンド層9が配されている。本実施形態のバンド層9は、タイヤ赤道Cに対して5度以下の角度で配列されたバンドコードを有する1枚のバンドプライ9Aで構成される。該バンドプライ9Aは、例えば、外のベルトプライ7Bの全幅を覆うフルバンドプライである。前記バンドコードには、例えばナイロン、アラミド又はPENなどの有機繊維コードが好ましく採用される。このようなバンド層9は、高速走行時の内、外のベルトプライ7A、7Bの動きを抑制し、トレッドゴム2Gの摩耗を抑制する他、高速走行時の安定性を高めるのに役立つ。
また、本実施形態のベルト層7では、内のベルトプライ7Aが、フォールドプライ10として形成される一方、外のベルトプライ7Bは、非フォールドプライである。
前記フォールドプライ10は、そのタイヤ軸方向の両端部が外のベルトプライ7B及びバンドプライ9Aを包むようにタイヤ赤道C側に向けて折り返され、かつその端縁14e、14e間を離間させた折返し部14、14を具える。このようなフォールドプライ10は、折返し部14、14によってトレッド部2の両端部の剛性を高め、その動きを抑制することによりコーナリング時の接地性を向上させ、高いコーナリングフォースを発揮させる点で望ましい。
なお、前記フォールドプライ10の折返し部14のタイヤ軸方向の幅FWが小さくなるとトレッド部2の両端部の剛性向上効果が十分に得られないおそれがあり、逆に大きすぎると、タイヤ重量の過度の増加を招くおそれがある。このような観点により、フォールドプライ10の折返し部14の幅FWは、ベルト層7のタイヤ軸方向の幅BWの好ましくは0.05倍以上、より好ましくは0.07倍以上が望ましく、また、好ましくは0.20倍以下、より好ましくは0.18倍以下が望ましい。
なお、本実施形態では、内のベルトプライ7Aがフォールドプライ10として形成されているが、その位置は任意に定めることができる。例えば、外のベルトプライ7Bにフォールドプライ10を用いることもできる。即ち、外のベルトプライ7Bのタイヤ軸方向の両端部がバンドプライ9Aを包むようにタイヤ赤道C側に向けて折り返されても良い。
また、図3に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1では、トレッド部2のタイヤ内腔面2iに、タイヤ周方向にのびる補強シート11が固着されている。また、この補強シート11の少なくとも一部は、前記フォールドプライ10の折返し部14のタイヤ軸方向内側の端縁14e、14e間の領域である内方領域2Cをのびている。
このような補強シート11は、タイヤ内腔面2iに一体化することにより、トレッド部2のうち相対的に剛性の低い内方領域2Cで生じる駆動又は制動時における周方向ないし幅方向の変形を、タイヤ内腔i側から抑制して前記内方領域2Cの剛性を高める。これにより、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2の両端部と内方領域2Cとの剛性差が緩和され、ひいてはトレッドゴム2Gの偏摩耗が抑制される。従って、トレッドゴム2Gのゴム硬さを過度に高めることなく偏摩耗を抑制しうるので、路面に対するグリップ力を維持でき、高速走行性能の悪化を防止しうる。
また、前記補強シート11は、タイヤ周方向に連続して1周以上のびるものが望ましい。これによって、より確実に優れた補強効果を発揮できる。ただし、補強シート11は、タイヤ周方向で途切れても良い。この場合、補強効果の低下を防止するために、トレッド部2の周長の50%以上、より好ましくは80%以上をのびるものが望ましい。
なお、本実施形態において、補強シート11は、一定の幅PWでタイヤ周方向にのびているが、この幅PWがタイヤ周方向で変化しても良い。また、該幅PWは、十分な補強効果を発揮させるために、前記内方領域2Cの幅(ベルト層7のタイヤ軸方向の幅BW− フォールドプライ10の折返し部14の幅FW×2)の25%以上であるのが望ましい。また、補強シート11の側縁11eは、本実施形態ではタイヤ周方向に直線状にのびているが、波状又はジグザグ状にのびるものでも良い。
また、補強シート11には、上述の補強作用を効果的に発揮させるために、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向に沿った十分な引張剛性を有することが望ましい。即ち、前記引張剛性が小さくなると、前記内方領域2Cの剛性を十分に高めることができず、ひいては偏摩耗の抑制効果が低下するおそれがある。逆に、補強シート11の前記引張剛性が過度に大きくなると、トレッド部2に新たに剛性差を生じさせるおそれがある。このような観点より、補強シート11のタイヤ周方向に沿った引張剛性及びタイヤ軸方向に沿った引張剛性は、いずれも、好ましくは13N/10mm以上、さらに好ましくは15N/10mm以上が望ましく、また、好ましくは100N/10mm以下、さらに好ましくは60N/10mm以下が望ましい。
なお、本明細書において、補強シート11の各引張剛性は、各々の方向に単位長さの伸びを生じさせるのに必要な引張荷重を示し、JISZ0237の「粘着テープの引張強さの試験方法」の「引張強さ」に準じて測定されるものとする。
また、補強シート11の厚さt2も特に限定されるものではないが、小さすぎると、例えばタイヤ内腔面2iへの貼り付け施工性が悪化するおそれがあり、逆に大きすぎてもタイヤの質量を増加させるおそれがある。このような観点により、補強シート11の厚さt2は、好ましくは0.02〜2.0mm程度が望ましい。
また、補強シート11は、例えば布材料(不織布を含む)、紙材料又は樹脂シート材料などを用いて形成できる。
前記布材材は、繊維及び/又は糸を織機、編機、フェルト製造法、熱融着又は他の方法によりシート状に形成される。低コストかつ引張剛性が大きいという観点から、スフ布、不織布、綿布等が望ましい。また、前記繊維としては、天然繊維や化学繊維等が採用される。天然繊維としては、例えば木綿、羊毛、絹、麻等が採用される。また、化学繊維としては、アラミド、カーボン繊維、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アセテート等が採用される。
また前記紙材料としては、軽量かつ比較的強度の大きいクラフト紙や薄葉紙等が好適である。
さらに前記樹脂シート材料としては、樹脂をフィルムやシート状に加工したもので、例えば樹脂には、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、セロハン、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ナイロン、アクリルフォーム又はポリウレタンフォーム等種々のものが採用できる。
また補強シート11は、種々の方法、例えば接着剤などでタイヤ内腔面2iに固着されて一体化する。接着剤としては、例えば合成ゴムを有機溶剤に溶解した溶液型、及び水に分散させたラテックス型などの合成ゴム系が挙げられる。特に好ましい態様として、補強シート11は、予め、シート基材と、その少なくとも一方の面に塗布された粘着剤とを含む粘着シート体として準備されるのが良い。これにより、サーキット等の現場にで能率良く補強シート11をタイヤ内腔面2iの所定の位置に貼り付けできる。
前記補強シート11の両側の側縁11e、11eは、いずれも折返し部14の端縁14e、14eよりもタイヤ赤道C側に位置することが好ましい。これにより、補強シート11は、折返し部14が配されるトレッド部2の両端部の剛性を過度に高めることなく、内方領域2Cのみを効果的に補強しうる。
とりわけ、補強シート11の少なくとも一方の側縁11eは、折返し部14の端縁14eとの間のタイヤ軸方向の離間距離CWは、ベルト層7の幅BWの0.10〜0.20倍であることが好ましい。前記距離CWが、ベルト層7の幅BWの0.10倍未満になると、折返し部14の端縁14eと補強シート11の側縁11eとが接近し、それらの間に歪が集中して新たな偏摩耗を招いたり、損傷の起点となりやすいなど、高速耐久性能が低下するおそれがある。逆に、前記離間距離CWが、ベルト層7の幅BWの0.20倍以上になると、折返し部14の端縁14eと補強シート11の側縁11eとの間の領域の剛性低下が顕著になり、そこに摩耗が集中し易くなる。このような観点により、前記離間距離CWは、ベルト層7の幅BWのより好ましくは0.12倍以上が望ましく、また、より好ましくは0.18倍以下が望ましい。
図3には、補強シート11の両側縁がタイヤ赤道Cに関して左右対称に位置する態様を示した。しかし、本発明は、このような態様に限定されるわけではない。例えば、図4及び図5に示されるように、補強シート11は、補強シート11の両側縁がタイヤ赤道Cに関して左右非対称となる位置に設けられても良い。図4の態様では、偏摩耗が発生しやすい領域を集中的に補強しうるよう、補強シート11がタイヤ軸方向の一方側に寄せて配されたものを示す。
図5に示されるように、空気入りタイヤ1が鉛直線Vに対して角度αのネガティブキャンバーで車両に取付けられる場合、直進走行時、トレッド部2の接地圧は、車両内側でより大きくなり、その部分に偏摩耗が生じやすい。従って、このような場合には、補強シート11をタイヤ内腔面2iの車両内側に寄せて配することにより、その部分の剛性を局部的に高め、効果的に偏摩耗を抑制しうる。なお、トレッド部2の車両外側の領域は、接地圧が比較的小さいため、補強シート11を配さなくても偏摩耗を十分に防止できる。
従って、車両内側及び車両外側の装着向きが指定されたネガティブキャンバー車両に装着される空気入りタイヤにあっては、補強シート11は、タイヤ内腔面2iの車両内側に寄せて固着されることが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
図3、図4及び図6のトレッド構造を有するサイズ265/35R18のレース用のラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作し、それらについて各種の性能等が評価された。各タイヤは、表1に記載の構成以外は、図1の基本構成を有しいずれも同一とした。
テスト方法は、次の通りである。
<偏摩耗量>
各タイヤをリム組みし(リムサイズ18×10J、内圧200kPa)、ネガティブキャンバー角2度の状態で、排気量2500ccのレーシングカーの全輪に装着し、サーキットコースを約150km高速走行させた。そして、走行後、タイヤを解体し、ベルト層のタイヤ半径方向外側の領域のトレッドゴムの最大摩耗量と最小摩耗量との差である偏摩耗量を調べた。結果は、比較例1の偏摩耗量を100とする指数で表した。数値が小さいほど良好である。
<ラップタイム>
上記と同じ条件で、サーキットコースを実車走行し、そのときのラップタイムを測定した。結果は、比較例1のラップタイムを100とする指数で表した。数値が小さいほど良好である。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 2009298236
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、高速走行性能を損ねることなく、偏摩耗を抑制し得ることが確認できた。
本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 そのサイドウォール部を拡大して示す断面図である。 そのトレッド部を拡大して示す断面図である。 別実施例の空気入りタイヤ1のトレッド部を拡大して示す断面図である。 図4の空気入りタイヤをリムにリム組みした状態を示す断面図である。 従来の空気入りタイヤのトレッド部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
10 フォールドプライ
14 折返し部
14e 端縁
2C 内方領域
2i タイヤ内腔面

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配されたベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、タイヤ軸方向の両端部がタイヤ赤道側に向けて折り返されかつその端縁間を離間させた一対の折返し部を具えるフォールドプライを少なくとも1枚含み、かつ
    前記トレッド部のタイヤ内腔面に、少なくとも一部が前記折返し部の端縁間の領域をタイヤ周方向にのびる補強シートを具えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強シートの少なくとも一方のタイヤ軸方向の側縁と、前記折返し部の端縁との間のタイヤ軸方向距離が、前記ベルト層のタイヤ軸方向幅の0.10倍〜0.20倍である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強シートの両側の側縁は、いずれも前記折返し部の端縁よりもタイヤ赤道側にある請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強シートは、タイヤ軸方向の一方側に寄せて配されている請求項1ないし3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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