JP2009298209A - 車両用風向調整装置 - Google Patents

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Takahide Yashiro
卓英 屋代
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Abstract

【課題】より広い範囲に送風できる車両用風向調整装置の提供。
【解決手段】エアーを吹き出すサイドウィンドウSW近傍の車室内の吹出開口104aに設けられ且つ両端が開口した円筒状のケース10と、ケース10内に回転可能に装着され両端が開口した円筒状のハウジング20と、ハウジング20内に径方向の軸線回りに回動可能に保持されるルーバ羽31,32とを備え、吹出開口104aから吹き出すエアーの送風方向をハウジング20の回転とルーバ羽31,32の回動とにより調整する車両用風向調整装置100において、ケース10のサイドウィンドウSW側の周壁部分と、ハウジング20の周壁部分とにそれぞれ穴15c,24を設け、ハウジング20を回転させケース10の穴15cとハウジング20の穴24とを重ね合わせ、穴15c,24を介して、サイドウィンドウSWに向けてエアーを吹き出すようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のエアー吹き出し開口に設けられる車両用風向調整装置に関する。
従来、自動車等の車室内のエアー吹き出し開口に取り付けられ、このエアーの吹き出し開口から吹き出すエアーの送風方向と送風範囲を調整する丸型レジスタ(車両用風向調整装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この丸型レジスタ9は、例えば、図10に示すように、インストルメントパネル7の開口7c内に装着され、インストルメントパネル7内部中央の車両空調装置(不図示)に連通したベントダクト5の吹出口5aに接続される。
また、この丸型レジスタ9は、図11および図12に示すように、ベントダクト5の吹出口5aに接続される両端が開口した筒状の第1リテーナ1と、第1リテーナ1内に回動自在に嵌入され両端が開口した筒状の第2リテーナ2と、第1リテーナ1の前縁部に嵌合固定されるとともに車両インストルメントパネル7の開口7c付近の裏面7bにビス8により固定される第3リテーナ3と、第2リテーナ2に回動自在に枢支され吹き出すエアーの方向を変えるためのバレル(ルーバ羽)4とを有している。
特開2003−127658号公報
ところで、冬場など車室内外の寒暖および乾湿差が大きい場合、運転席隣のサイドウィンドウSW´に曇りが生じ、車両インストルメントパネル7のエアー吹き出し開口7cから吹き出すエアーの方向を丸型レジスタ9のバレル4の方向により調整してエアーをサイドウィンドウの曇った部分に吹き当てることにより、この曇りをとることができるが、エアーの送風範囲L1´に入らないサイドウィンドウSW´の部分K2´の曇りについては除去することができないという問題があった。
すなわち、従来の丸型レジスタ9においては、送風範囲L1´に入らないサイドウィンドウ部分K2´の曇りを取ることができず、狭い範囲でしかサイドウィンドウSW´の曇りをとることができなかった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、より広範囲にサインドウィンドウの曇りを取ることができる車両用風向調整装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車両空調装置からのエアーを吹き出すサイドウィンドウ近傍の車室内の吹出開口に設けられ且つ両端が開口した円筒状のケースと、このケース内に回転可能に装着され両端が開口した円筒状のハウジングと、このハウジング内に径方向の軸線まわりに回動可能に保持されるルーバ羽とを備え、前記吹出開口から吹き出されるエアーの送風方向を前記ハウジングの回転と前記ルーバ羽の回動とにより調整する車両用風向調整装置において、
前記ケースの前記サイドウィンドウ側の周壁の部分と、前記ハウジングの周壁の部分とにそれぞれ穴を設け、
前記ハウジングを回転させ前記ケースの穴と前記ハウジングの穴とを重ね合わせることにより、この重ね合った穴を介して、前記サイドウィンドウに向けて前記エアーを吹き出すことを特徴とする。
本発明の車両用風向調整装置にあっては、より広範囲にサイドウィンドウ部分の曇りを取ることができる。
以下、本発明の車両用風向調整装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
まず、車両用風向調整装置の構成を説明する。
図1は、実施例の車両用風向調整装置が適用された運転席前部を示す図である。
図1に示すように、自動車の車室内前部のインストルメントパネル104の内部中央には、車両用空調装置101が設けられている。この車両用空調装置101により車室内のエアーや取り込まれた車室外のエアーが空調される。
また、このインストルメントパネル104には、エアー吹き出し用の開口(吹出開口)104aと開口104bが形成されており、開口104a内部には、車両用風向調整装置100が装着されている。この開口104bは、開口104aと離れており、サイドウィンドウSWに対向している。
そして、インストルメントパネル104の内部には車幅方向に沿ってベントダクト102が配設され、この車両用空調装置101と車両用風向調整装置100とを連通させている。車両用空調装置101で空調されたエアーは、ベントダクト102および車両用風向調整装置100を介してインストルメントパネル104の開口104aから吹き出るようになっている。
図2は、図1の車両用風向調整装置の分解斜視図である。図3は、図1の車両用風向調整装置を側方からみた図である。
車両用風向調整装置100は、図2に示すように、両端が開口した円筒状のケース10と、両端が開口しこのケース10内に回転可能に装着される円筒状のハウジング20と、このハウジング20内部に設けられ開口104aから吹き出すエアーの方向を変える第1,第2ルーバ羽31,32と、この第1,第2のルーバ羽31,32に架け渡されるリンク部材40とを有している。
ケース10は、ベントダクト102と接続される小径筒部13と、この小径筒部13に連続形成され小径筒部13より大きい径の中径筒部14と、この中径筒部14に連続形成され中径筒部14より大きい径の大径筒部15等とを有している。
小径筒部13は、インストルメントパネル104の開口104aに車両用風向調整装置100を装着した際に、インストルメントパネル104内部奥方に位置し、その開口端13bにはベントダクト102の吹出口102aが接続される(図1参照)。
中径筒部14の外周面14bには、車両用風向調整装置100をインストルメントパネル104の裏面104d(不図示)に取り付けるためのネジ止部16が設けられている。また、中径筒部14の内周面と小径筒部13の内周面との境目には互いの径の違いから段差面13aが形成されている。
また、大径筒部15の開口端15aには、この開口端15aから外側に折り返すようにフランジ15bが形成されている。このフランジ15bは、車両用風向調整装置100を開口104aに装着した際に、フランジ15bの縁部が開口104a近傍のインストルメントパネル104の表面に係止してフィニッシャーの役割を果たす(図9参照)。
上記と同様に、大径筒部15と中径筒部14との境目も互いの径の違いによりケース10内に段差面14aが形成されている。
また、大径筒部15の周壁15dには第1貫通穴15cが形成されている(図3参照)。
ハウジング20の外径は、ケース10の小径筒部13の内径と略同一に設定され、そのハウジング20の外周面20aには周方向に沿って第1〜第3の凸条部21〜23が設けられている。
第2,3の凸条部22,23の外径は、ケース10の大径筒部15の内径と略同一に設定されている。
ハウジング20の周壁20Aには、相対向する一対の扁平された軸受板部27,27が形成され(図5参照)、各軸受板部27には軸孔27a,27bが形成されている。
また、ハウジング20の第1,第2の凸条部21,22間であり、且つ、一対の軸受板部27,27の略中間位置となる周壁20Aには、ケース10の大径筒部15の第1貫通穴15cと略同一形状の第2貫通穴24が形成されている。
ハウジング20の開口端20bからこの第2貫通穴24に至るまでの奥行は、ケース10の大径筒部15の開口端15aから第1貫通穴15cに至るまでの奥行(図3参照)と略同一に設定されている。また、この第2貫通穴24の縁部24aには、ハウジング20の径方向外方に向かって延出部24bが立ち上げられている。
ハウジング20をケース10内に装着したときにこの延出部24bの端部は中径筒部14の内周面14cに密接して、エアーがハウジング20とケース10との間からもれでることがないようになっている。
第1,第2ルーバ羽31,32は、板状を呈し、それぞれの両側端には軸部31ca,31ca,32ca,32ca(一部不図示)が突設されている。
また、第1,第2ルーバ羽31,32の下面31b,32bには、取付孔33a,34aを有するリンク取付部33,34が突設されている。
リンク部材40は、略U字状に形成され、このリンク部材40の一端部(図2において上部)にはネジ穴40aが形成されており、リンク部材40の他端部の左側(図2において)の面40cには係止凸部40bが設けられている。
このリンク部材40の係止凸部40bを第2ルーバ羽32のリンク取付部34の取付孔34aに遊嵌させる。つづいて、ワッシャRを介してリンク部材40の穴40aと第1ルーバ羽31のリンク取付部33の取付孔33aとにネジN1を挿入して、このネジN1にナットN2を螺合させることにより、リンク部材40が第1,2ルーバ羽31,32に架け渡された状態に取り付けられる。
なお、リンク部材40の上下部間に形成されている凹部内には第2ルーバ羽32の縁部が入り込んでいる。
そして、この第1,2ルーバ羽31,32の両端の軸部31ca,31ca,32ca,32caをハウジング20の軸孔27a,27bに挿入させることにより、第1,2ルーバ羽31,32がハウジング20内の軸受板部27,27に回動可能に軸支される。リンク部材40により、いずれか一方のルーバ羽がその方向を変えると他のルーバ羽も同様にその方向を変える。
ハウジング20をケース10内に挿入し、ハウジング20の周壁20Aの右側部分(図2において)をケース10の小径筒部13内に回転可能に嵌入させるとともに、ハウジング20の第1の凸条部21をケース10の段差面13aおよび中径筒部14の内周面14cに当接させ、第2凸条部22をケース10の段差面14aおよび大径筒部15の内周面に当接させて、ハウジング20をケース内に回転可能に装着する。
そして、この車両用風向調整装置100は、図1に示すインストルメントパネル104の開口104a内に装着され、ネジ止部16がインストルメントパネル104の裏面104dにネジ止めされる。このとき、ケース10の第1貫通穴15cは、運転席前部のインストルメントパネル104に設けられた開口104bに連通するように取り付けられる(図9参照)。
つぎに、車両用風向調整装置100の作用を説明する。
図4は、図3の車両用風向調整装置を正面からみた図である。図5は、図3の車両用風向調整装置のB−B線に沿う断面図である。図6は、図3の車両用風向調整装置のハウジングを回転させた状態を示す図である。図7は、図6の車両用風向調整装置の正面図である。図8は、図6の車両用風向調整装置のB´−B´線に沿う断面図である。
車両用風向調整装置100の第1,第2のルーバ羽31,32は、図3に示すように、ケース10の大径筒部15の開口端15aから(図3において)左側に突出している。サイドウィンドウSWは、図1に示すように、開口104aの右斜め上方に位置しているため、冬場など車室内外の寒暖および乾湿差が大きい場合、サイドウィンドウSWの曇りを取る場合は、乗員がこの第1,第2ルーバ羽31,32の突出部分を把持して手をひねる等して、図6〜図8に示すように、ハウジング20をケース10に対して回転させるとともに第1,第2ルーバ羽を、例えば左右や上下に回動させ、図9に示すように、吹き出すエアーの送風方向および送風範囲を変えて、サイドウィンドウSWに向かって吹き出すように操作する。
このとき車両用風向調整装置100は、図6および図8に示すように、上記操作でのハウジング20の回転によってケース10の第1貫通穴15cがハウジング20の第2貫通穴24とが一致して連通し、ハウジング20の内部とケース10の外部とが連通することとなる。
また、第2貫通穴24は、開口104bと連通しているため、この第1,2貫通穴15c,24および開口104bを介して通常の吹き出し口とは別の箇所からエアーが吹き出る。
従って、開口104bから吹き出すエアーは、図9に示すように、開口104aから吹き出すエアーとは異なる送風範囲L2にも送風されサイドウィンドウSWの部分K2の曇りが除去される。従って、より広範囲にサイドウィンドウSWの曇りが除去される。
このように、ルーバ羽31,32の向きによって開口104aから吹き出すエアーの送風方向をサイドウィンドウSWの側に向けることができる回転位置にハウジング20を回転させたときにケース10の第1貫通穴15cとハウジング20の第2貫通穴24とが重なり合って第1貫通穴15cと第2貫通穴24が連通する構成となっているので、サイドウィンドウSWの曇りをとるデフロスト用途の場合とその他通常の空調(例えば、運転手に対して冷暖風を送るなど)の場合とに使い分けることができる。
以上、本発明の車両用風向調整装置100を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
本発明に係る実施例の車両用風向調整装置が適用された運転席前部を示す図である。 図1の車両用風向調整装置の分解斜視図である。 図1の車両用風向調整装置を側方からみた図である。 図1の車両用風向調整装置を正面からみた図である。 図3の車両用風向調整装置のB−B線に沿う断面図である。 図3の車両用風向調整装置のハウジングを回転させた状態を示す図である。 図6の車両用風向調整装置の正面図である。 図6の車両用風向調整装置のB´−B´線に沿う断面図である。 本発明に係る実施例の車両用風向調整装置の作用説明図である。 従来の車両用風向調整装置が適用された車室内前部を示す図である。 従来の車両用風向調整装置の分解斜視図である。 従来の車両用風向調整装置の作用説明図である。
符号の説明
10 ケース
20 ハウジング
31,32 ルーバ羽
100 車両用風向調整装置
104a 吹出開口
SW サイドウィンドウ

Claims (2)

  1. 車両空調装置からのエアーを吹き出すサイドウィンドウ近傍の車室内の吹出開口に設けられ且つ両端が開口した円筒状のケースと、このケース内に回転可能に装着され両端が開口した円筒状のハウジングと、このハウジング内に径方向の軸線まわりに回動可能に保持されるルーバ羽とを備え、前記吹出開口から吹き出されるエアーの送風方向を前記ハウジングの回転と前記ルーバ羽の回動とにより調整する車両用風向調整装置において、
    前記ケースの前記サイドウィンドウ側の周壁の部分と、前記ハウジングの周壁の部分とにそれぞれ穴を設け、
    前記ハウジングを回転させ前記ケースの穴と前記ハウジングの穴とを重ね合わせることにより、この重ね合った穴を介して、前記サイドウィンドウに向けて前記エアーを吹き出すことを特徴とする車両用風向調整装置。
  2. 前記ルーバ羽の向きによって前記エアーの送風方向を前記サイドウィンドウの側に向けることができる位置に、前記ハウジングを回転させたとき前記ハウジングの穴と前記ケースの穴とが重なり合うことを特徴とする請求項1に記載の車両用風向調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112757875A (zh) * 2021-01-27 2021-05-07 宁波均胜群英汽车系统股份有限公司 一种汽车空调电动调节出风口

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