JP2009295467A - 捲回式二次電池およびその製造方法 - Google Patents

捲回式二次電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009295467A
JP2009295467A JP2008149050A JP2008149050A JP2009295467A JP 2009295467 A JP2009295467 A JP 2009295467A JP 2008149050 A JP2008149050 A JP 2008149050A JP 2008149050 A JP2008149050 A JP 2008149050A JP 2009295467 A JP2009295467 A JP 2009295467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
core
wound
negative electrode
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008149050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5222030B2 (ja
Inventor
Mikio Oguma
幹男 小熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Vehicle Energy Japan Inc
Original Assignee
Hitachi Vehicle Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Vehicle Energy Ltd filed Critical Hitachi Vehicle Energy Ltd
Priority to JP2008149050A priority Critical patent/JP5222030B2/ja
Publication of JP2009295467A publication Critical patent/JP2009295467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5222030B2 publication Critical patent/JP5222030B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】体積効率および耐震性を向上させることができる捲回式二次電池を提供する。
【解決手段】扁平形リチウム二次電池20は、直方体状の電池缶11を有している。電池缶11の内部には、捲回群1と非水電解液とが収容されている。電池缶11は、中央部に電池蓋10を配した上蓋12で封口されている。捲回群1は、板状で不導体の捲芯4を有している。捲芯4には、正極板と負極板とがセパレータを介して扁平状に捲回されている。捲回群1の捲回時には、捲芯4の捲回軸方向両端部に形成された開孔5にピンを挿入することで捲芯4が捲回装置に装着される。正負極板とセパレータとにそれぞれ張力を掛けるとともに、捲芯4に捲回軸方向の張力を掛けながら正負極板およびセパレータが捲回される。捲回時の捲芯4の変形が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は捲回式二次電池およびその製造方法に係り、特に、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した捲回群と、捲回群を浸潤する電解液と、捲回群と電解液とを収容する電池容器とを備えた捲回式二次電池およびその製造方法に関する。
従来、捲回式二次電池では、正極板と負極板とをセパレータを介して断面渦巻状に捲回した捲回群が円筒形の容器に収容されている。一般に、捲回群は、捲きズレを防止するために正負極板およびセパレータにそれぞれ張力を掛けながら捲芯に捲回される。このような捲回式二次電池の中でも、円柱状リチウム二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活かして、VTRカメラ、ノート型パソコンまたは携帯電話等のポータブル機器に広く使用されている。また、大電流充放電用途の二次電池として、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の車載電源等にも使用されている。
大電流充放電用途の二次電池では、通常、多数個(例えば、40〜100個)の円柱状電池を直列に接続したモジュールが用いられている。ところが、隣り合う円柱状電池の間に隙間が形成されるため、モジュールの体積効率を損なう、という問題があった。この問題を解決するために、例えば、正極板と負極板とをセパレータを介して扁平状に捲回した捲回群を直方体状の容器に収容した捲回式二次電池が開示されている(特許文献1参照)。
ところで、電池単体の体積効率を向上させるためには、捲芯を薄くすることや捲芯を使わないことが有効である。この点、特許文献1では、捲芯を使わない、いわゆる空芯の捲回群が作製され直方体状の容器に収容されている。
特開2003−249423号公報
しかしながら、特許文献1の捲回式二次電池では、捲芯を使わないため、捲回群を支持することが難しくなる。例えば、電気自動車等の電源に用いられる電池では、振動により捲回群に捲きズレや破損が生じる可能性が高くなり、正負極板間の短絡等を起こす場合も考えられる。このため、電気自動車等の振動を考慮すれば、電池内部に捲回群を支持するための部材を有していることが望ましいが、新たな支持部材を使用すると電池単体の体積効率が低下することとなる。捲回群に用いられる捲芯を支持部材として機能させることができれば、体積効率を低下させることなく耐震性を向上させることができる。一方、上述したように、電池単体の体積効率を向上させるために捲芯を薄くすると、捲回時に正負極板およびセパレータに掛けられる張力に耐えられず捲芯が反ってしまい、適正な扁平状の捲回群が得られなくなる。捲回時に正負極板およびセパレータに掛けられる張力を弱くすれば、捲芯の反りを抑制することができるが、この場合は、振動等により捲きズレが生じる可能性が高くなる。
本発明は上記事案に鑑み、体積効率および耐震性を向上させることができる捲回式二次電池およびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、捲回式の二次電池であって、板状で不導体の捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら前記捲芯に正極板と負極板とをセパレータを介して扁平状に捲回した捲回群と、前記捲回群を浸潤する電解液と、前記捲回群と前記電解液とを収容する電池容器とを備えたことを特徴とする。
第1の態様では、捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら正極板と負極板とがセパレータを介して扁平状に捲回されているので、捲回時の捲芯の変形が抑制されるため、捲芯を薄くして体積効率を向上させることができるとともに、捲芯に対する正負極板およびセパレータの捲きズレが抑制されるため、耐震性を向上させることができる。
第1の態様において、捲芯の捲回軸方向両端部に捲回装置に捲芯を装着するための被装着部が形成されていてもよい。また、捲回群は、正負極板およびセパレータにそれぞれ張力を掛けながら捲回されており、捲芯に掛けられる張力の大きさが正負極板およびセパレータにそれぞれ掛けられる張力の合計以上であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の捲回式二次電池の製造方法であって、捲回装置に板状で不導体の捲芯を装着する装着ステップと、前記正負極板および前記セパレータにそれぞれ張力を掛けるとともに、前記捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら該捲芯に前記正極板と負極板とを前記セパレータを介して扁平状に捲回する捲回ステップと、を含むことを特徴とする。この場合において、装着ステップで、捲芯の捲回軸方向両端部に形成された被装着部と、捲回装置に設けられた装着部とを当接させ装着してもよい。
本発明によれば、捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら正極板と負極板とがセパレータを介して扁平状に捲回されているので、捲回時の捲芯の変形が抑制されるため、捲芯を薄くして体積効率を向上させることができるとともに、捲芯に対する正負極板およびセパレータの捲きズレが抑制されるため、耐震性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した扁平形リチウム二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
本実施形態の扁平形リチウム二次電池20は、図1に示すように、直方体状でアルミニウム合金製の電池缶(電池容器の一部)11を有している。電池缶11の内部には、捲回群1が収容されている。
図2に示すように、捲回群1は、板状で不導体の捲芯4を有している。捲芯4の中央部には、正負極板がセパレータを介して扁平状に捲回されている。この正負極板およびセパレータが電極群2を構成している。電極群2の最外周に位置するセパレータの端部は、捲き解けを防ぐために捲止めテープ3で固定されている。捲回群1の捲回時には、正負極板とセパレータとにそれぞれ張力を掛けるとともに、捲芯4に捲回軸方向の張力を掛けながら捲回されている。このとき、捲芯4に掛けられる張力の大きさは、正負極板とセパレータとにそれぞれ掛けられる張力の合計以上に設定されている。捲芯4は、本例では、捲回軸方向の長さが100mm、捲回方向の幅が74mm、厚さが2mmの板状で、ポリプロピレン製の電気絶縁性部材が用いられており、捲回方向端部にはセパレータ等の破断を防止するためにR付けがなされている。捲芯4の捲回軸方向両端部には、捲回装置に装着するための円形状の開孔(被装着部)5がそれぞれ2箇所ずつ、計4箇所に形成されており、いずれも捲芯4を貫通している。2箇所の開孔5は、捲回軸に対して線対称の位置にそれぞれ形成されている。
図1に示すように、電池缶11の内底面には、アルミニウム合金製の図示を省略した正極集電板が接合されている。正極集電板の中央部上面には、捲芯4の捲回軸方向下端が接着固定されている。また、一端部が正極板に接合された正極リード板15の他端部が正極集電板の周縁部上面に接合されている。従って、電池缶11が正極外部端子を兼ねている。
また、電池缶11の上部には、断面ハット状で銅製の電池蓋10が配置されている。電池蓋10の外縁部上側には矩形状の平板で中央部に矩形状の開孔が形成されたアルミニウム合金製の上蓋12が配置され、上蓋12の外縁が電池缶11と溶接されている。電池蓋10は、上蓋12の内縁部と、その内縁部の下側に固定された断面L字状の部材とに、プロピレン樹脂製のインシュレータ13を介して挟まれている。換言すると、電池蓋10はインシュレータ13、上蓋12を介して電池缶11上部に固定されている。捲芯4の捲回軸方向上端には、電池蓋10の中央部下面が接着固定されており、電池蓋10の周縁部下面には、一端部が負極板に接合された負極リード板14の他端部が接合されている。従って、電池蓋10の上部に突出した突出部が負極外部端子を兼ねている。
電極群2を構成する正極板は、帯状で厚さ20μmのアルミニウム合金箔の両面に正極活物質のマンガン酸リチウムを含む合剤が塗着されている。アルミニウム合金箔の長手方向に沿う一側には、合剤の無塗着部が形成されている。この無塗着部には、正極リード板15が接合されている。一方、負極板には、帯状で厚さ10μmの銅箔の両面に負極活物質の非晶質炭素粉末を含む合剤が塗着されており、長手方向に沿う一側に合剤の無塗着部が形成されている。この無塗着部には、正極板と同様に負極リード板14が接合されている。セパレータには、帯状で厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔膜が用いられている。正極リード板15および負極リード板14は、電極群2の互いに反対側に配設されている。
上蓋12の外縁が電池缶11の上端面に溶接されており、リチウム二次電池20は密封されている。また、電池缶11内には、電極群2全体を浸潤可能な量の図示しない非水電解液が注液されている。非水電解液には、有機溶媒のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比1:2の割合で混合した混合溶媒中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものが用いられている。
(リチウム二次電池の製造)
リチウム二次電池20は、正負極合剤を調製し正負極板を作製する準備工程と、捲回装置に捲芯4を装着し正負極板をセパレータを介して捲回する捲回工程と、捲回群1を電池缶11に収容しリチウム二次電池20を完成する組み立て工程とで製造される。以下、工程順に説明する。
準備工程では、正極活物質のマンガン酸リチウム粉末と、導電材の鱗片状黒鉛と、結着剤のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)とを質量比85:10:5の割合で混合して正極合剤を調製する。粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)を用い、正極合剤を略均一に混練して合剤スラリーを調製する。アルミニウム合金箔の両面に合剤スラリーを塗布する。乾燥後、プレスし、合剤の塗着部の幅を86mm、無塗着部の幅を17mmに切断して正極板を作製する。また、負極活物質の非晶質炭素粉末と、結着剤のPVDFとを質量比90:10の割合で混合して負極合剤を調製する。NMPを用い負極合剤を略均一に混練して合剤スラリーを調製する。帯状の銅箔の両面に合剤スラリーを塗布し、乾燥後、プレスし、塗着部の幅を88mm、無塗着部の幅を15mmに切断して負極板を作製する。作製した正負極板をそれぞれフープ状に捲き取る。
捲回工程は、捲回装置に捲芯4を装着する装着ステップと、セパレータの捲回始端部を捲芯4に固定して、正負極板をセパレータを介して捲回する捲回ステップとで構成される。
ここで、捲回装置について説明する。捲回装置は、捲芯4を捲回軸方向両端部で固定するための一対の治具を有している。図3に示すように、治具6は、捲芯4の捲回軸方向両端部を挿入するための間隙が形成された断面コ字状に形成されている。間隙の間隔は、捲芯4の厚さに応じて任意に設定可能である。また、治具6には、間隙に捲芯4を挿入したときに、捲芯4に形成された開孔5の位置に合うように開孔5と同形状の開孔が形成されている。捲芯4を治具6に固定するときには、ピン7が用いられる。ピン7は、捲芯4の開孔5および治具6の開孔に合った形状の突部と治具6に固定するための固定部とを有する断面T字状に形成されている。ピン7の固定部は、突部より大きい径で形成されている。治具6の一側の開孔部には、ピン7の固定部を嵌合可能なくぼみが設けられている。また、捲回装置は、捲芯4に捲回軸方向Tの張力を掛ける機構と治具6を捲回方向Rに回転させる機構とを備えている。捲回軸方向Tに掛ける張力や捲回方向Rの回転速度は、任意に設定可能である。
装着ステップでは、上述した捲回装置の治具6の間隙に捲芯4の捲回軸方向両端部を挿入する。捲芯4の開孔5および治具6の開孔にピン7の突部を挿入する。このとき、ピン7の固定部を治具6のくぼみに嵌合させる。
捲回ステップでは、2枚のセパレータの捲回始端部を捲芯4に熱溶着などで固定する。2枚のセパレータにそれぞれ5Nの張力を掛けるとともに、捲芯4に捲回軸方向Tに10〜100Nの範囲で張力を掛けながらセパレータを捲芯4に2〜3周程度捲回する。捲芯4の捲回軸方向反対側に正負極板の合剤無塗着部がそれぞれ位置するように、正極板および負極板の捲回始端部をそれぞれセパレータ間に挟み込む。正極板および負極板にそれぞれ8N、2枚のセパレータにそれぞれ5Nの張力を掛けるとともに、捲芯4に捲回軸方向Tに10〜100Nの範囲で張力を掛けながら正極板および負極板をセパレータを介して捲芯4に捲回する。所望の長さの正極板および負極板を捲回した後、正極板および負極板を切断する。セパレータのみを2〜3周程度捲回した後、セパレータを切断する。セパレータの捲回終端部を捲止めテープ3で固定する。
組み立て工程では、電極群2の捲回軸方向両端に位置する正極板および負極板の合剤無塗着部にそれぞれ、正極リード板15および負極リード板14の一端部を接合する。図示を省略した正極集電板の中央部上面に捲芯4の捲回軸方向下端を接着固定する。正極集電板の外縁部上面に正極リード板15の他端部を接合する。同様に負極リード板14の他端部を電池蓋10の外縁部下面に接合する。捲回群1を電池缶11に収容し、正極集電板の下面を電池缶11の内底面に接合する。非水電解液を注液後、電池蓋10をインシュレータ13を介して電池缶11の上部に配置するとともに、電池蓋10の中央部下面を捲芯4の捲回軸方向上端に接着固定する。上蓋12の外縁を電池缶11の上端面に溶接して、リチウム二次電池20を密封して完成させる。
次に、本実施形態に従い作製したリチウム二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても併記する。
(実施例1〜実施例6)
実施例1〜実施例6では、下表1に示すように、捲芯4に掛ける捲回軸方向Tの張力の大きさ(以下、捲芯張力と呼称する。)を変化させてリチウム二次電池20を作製した。捲芯張力は、それぞれ、実施例1では10N、実施例2では20N、実施例3では30N、実施例4では50N、実施例5では70N、実施例6では100Nに設定した。
Figure 2009295467
(比較例)
比較例では、実施例3と同様にして捲回群を作製した後、捲芯を抜き取ってからリチウム二次電池を作製した。
(評価)
各実施例および比較例のリチウム二次電池をそれぞれ50個ずつ作製して、それぞれ満充電状態まで充電した。各実施例および比較例のリチウム二次電池について、振動試験機(エミック株式会社製、F1400BDH/LA−E型)を用いて、10G・100時間の振動試験を行い、振動試験時の短絡発生率、発煙発生率および発火発生率を測定した。各測定結果を表1に合わせて示す。各発生率は、それぞれ、実施例および比較例のリチウム二次電池50個に対する短絡、発煙および発火の割合を表す。
比較例の電池では、捲芯を持たないため、捲回群を支えることが困難になり、振動試験中に全てのリチウム二次電池に短絡が発生し、発煙または発火に至った。一方、実施例1のリチウム二次電池20では、捲芯4の反りが大きく、著しい捲きズレが発生して捲回を行えなかった。これは、捲芯張力が小さすぎたためと考えられる。実施例2のリチウム二次電池20では、捲きズレが発生しており、このため振動試験中に28%に短絡が発生して、12%(8%+4%)が発煙または発火に至った。これに対して、実施例3〜実施例6のリチウム二次電池20では、振動試験終了時においても全く異常が認められなかった。
比較例および実施例2〜実施例6の結果から、捲芯張力を掛けることで捲きズレが抑制されることが明らかになった。しかしながら、実施例2のリチウム二次電池20では、捲芯張力が小さいため捲きズレが発生した。これに対して、実施例3〜実施例6のリチウム二次電池20では、捲きズレが発生しなかった。従って、捲芯張力を30N以上、すなわち、正極板と負極板とセパレータとにそれぞれ掛けられる張力の合計(8+8+5+5=26N)以上に設定することで、振動に対して捲回群1の捲きズレや破損が生じにくい高耐震性のリチウム二次電池20を製造できることが明らかになった。また、捲芯4を薄くしても適正な扁平状の捲回群が得られ、リチウム二次電池20の体積効率を向上できることが明らかになった。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウム二次電池20の作用等について説明する。
本実施形態のリチウム二次電池20では、捲回群1の捲回時に正負極板およびセパレータにそれぞれ張力を掛けるともに、捲芯4に捲回軸方向Tの張力を掛けながら捲回されている。このため、捲回時に捲芯4の変形が抑制され、捲芯4を薄くしても適正な扁平状の捲回群1が得られる。この結果、リチウム二次電池20の体積効率を向上させることができる。
また、本実施形態のリチウム二次電池20では、捲芯4に掛けられる捲回軸方向Tの張力の大きさが、正負極板およびセパレータにそれぞれ掛けられる張力の合計以上に設定されている。捲芯に対する正負極板およびセパレータの捲きズレが抑制されるため、耐震性を向上させることができる(実施例3〜実施例6参照)。
更に、本実施形態のリチウム二次電池20では、捲芯4に不導体が用いられている。このため、捲芯4の捲回軸方向両端をそれぞれ電池蓋10および図示を省略した正極集電板に接着固定しても、短絡を防止することができる。従って、捲芯4の上部と下部とが電池缶11内で固定されるので、捲芯4で捲回群1を支持することができ、振動が加わっても捲回群1の捲きズレや破損が抑制される。この結果、リチウム二次電池20の耐震性を一層向上させることができる。
また更に、本実施形態のリチウム二次電池20では、捲芯4の捲回軸方向両端部に被装着部としての開孔5が形成されている。このため、捲芯4の開孔5および捲回装置の治具6の開孔にピン7を挿入することで容易かつ確実に捲芯4を捲回装置に装着できる。これにより、捲芯4に捲回軸方向Tの張力を掛けるときに、捲芯4が捲回装置から外れることなく、略均等に張力をかけることができる。従って、薄板状の捲芯4を用いても捲芯4が反るなどの変形を起こすことなく、振動が加わっても捲回群1に捲きズレが生じないように正負極板およびセパレータに適切な張力を掛けることができる。この結果、リチウム二次電池20の耐震性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、捲芯4の捲回軸方向両端部に被装着部として円形状の開孔5が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、捲芯4に形成された被装着部と捲回装置に設けられた装着部とを当接させ装着することができればよい。例えば、図4に示すように、開孔5に代えて捲芯4の捲回軸方向両端部に溝8を形成してもよい。この場合、捲回装置の治具6には、突部9を形成しておく。突部9と溝8とを嵌合させることで捲回装置に捲芯4を装着することができる。
また、本実施形態では、捲芯4として厚さ2mmのポリプロピレン製で板状の不導体を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。捲芯4としては、非水電解液に耐性があり、正極と負極とを短絡させないような不導体が好ましい。このような材質として、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエチレン等を挙げることができる。リチウム二次電池20の軽量化および体積効率の向上を考慮すると、軽量で、可能な限り薄い捲芯を用いることが望ましい。
更に、本実施形態では、正極板と負極板とセパレータとに掛ける張力および捲芯4に掛ける張力の一例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。正極板と負極板とセパレータとに掛ける張力は、正負極板およびセパレータの破損を考慮すると、捲きズレの発生を抑えることができる適切な張力にすることが望ましい。また、捲芯4の破損を考慮すると、捲芯4の捲回軸方向Tに掛ける張力は、正極板と負極板とセパレータとに掛ける張力の合計以上の大きさの適切な張力にすることが望ましい。
また更に、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リチウム含有複酸化物であればよい。本実施形態以外で使用することができる正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム、また、結晶中のマンガンやリチウムの一部をそれら以外の元素、例えば、Fe、Co、Ni、Cr、Al、Mg、等の元素で置換又はドープした組成の異なるリチウム含有複酸化物を用いてもよい。また、結晶構造についても特に制限はなく、スピネル型、層状型、オリビン型のいずれの結晶構造を有していてもよい。また、本実施形態では、負極活物質に非晶質炭素材を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リチウム二次電池に使われるものであればよい。本実施形態以外で使用することができる負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維等の黒鉛系炭素材などを使用することができる。また、非水電解液、導電材および結着剤等についても特に制限はなく、通常、リチウム二次電池に使用される材料を用いてもよいことはもちろんである。
更にまた、本実施形態では、電気自動車用等の電源に用いられる比較的大型のリチウム二次電池20を例示したが、本発明は正負極板をセパレータを介して扁平状に捲回した捲回式二次電池であれば適用可能である。例えば、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等に適用することもでき、電池の種類や電池容量、サイズ、形状等にも制限されるものではない。更に、本発明の適用可能な電池の構造としては、上述した電池蓋10が負極端子、電池缶11が正極端子をそれぞれ兼ねる構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として、例えば、電池蓋10が正極端子、電池缶11が負極端子をそれぞれ兼ねる電池構造を挙げることができる。
本発明は、体積効率および耐震性を向上させることができる捲回式二次電池およびその製造方法を提供するため、捲回式二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の扁平形リチウム二次電池の断面図である。 実施形態の扁平形リチウム二次電池の捲回群の斜視図である。 扁平形リチウム二次電池の捲回群を作製するときの捲回装置の治具に対する捲芯の装着状態を模式的に示す断面図である。 扁平形リチウム二次電池の捲回群を作製するときの捲回装置の治具に対する捲芯の装着状態の別の態様を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 捲回群
4 捲芯
5 開孔(被装着部)
10 電池蓋(電池容器の一部)
11 電池缶(電池容器の一部)
12 上蓋(電池容器の一部)
20 扁平形リチウム二次電池(捲回式二次電池)

Claims (5)

  1. 板状で不導体の捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら前記捲芯に正極板と負極板とをセパレータを介して扁平状に捲回した捲回群と、
    前記捲回群を浸潤する電解液と、
    前記捲回群と前記電解液とを収容する電池容器と、
    を備えたことを特徴とする捲回式二次電池。
  2. 前記捲芯は、捲回軸方向両端部に捲回装置に装着するための被装着部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の捲回式二次電池。
  3. 前記捲回群は、前記正負極板および前記セパレータにそれぞれ張力を掛けながら捲回されており、前記捲芯に掛けられる張力の大きさが前記正負極板および前記セパレータにそれぞれ掛けられる張力の合計以上であることを特徴とする請求項1に記載の捲回式二次電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の捲回式二次電池の製造方法であって、
    捲回装置に板状で不導体の捲芯を装着する装着ステップと、
    前記正負極板および前記セパレータにそれぞれ張力を掛けるとともに、前記捲芯に捲回軸方向の張力を掛けながら該捲芯に前記正極板と負極板とを前記セパレータを介して扁平状に捲回する捲回ステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  5. 前記装着ステップでは、前記捲芯の捲回軸方向両端部に形成された被装着部と、前記捲回装置に設けられた装着部とを当接させ装着することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
JP2008149050A 2008-06-06 2008-06-06 捲回式二次電池およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5222030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008149050A JP5222030B2 (ja) 2008-06-06 2008-06-06 捲回式二次電池およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008149050A JP5222030B2 (ja) 2008-06-06 2008-06-06 捲回式二次電池およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009295467A true JP2009295467A (ja) 2009-12-17
JP5222030B2 JP5222030B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=41543468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008149050A Expired - Fee Related JP5222030B2 (ja) 2008-06-06 2008-06-06 捲回式二次電池およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5222030B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102064346A (zh) * 2010-12-02 2011-05-18 上海唐一新能源科技有限公司 锂动力电池卷绕芯板
CN107244584A (zh) * 2017-04-17 2017-10-13 苏州杰锐思自动化设备有限公司 一种卷绕成型装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06168736A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 渦巻電極体の製造方法
JPH11297347A (ja) * 1998-04-07 1999-10-29 Sony Corp 電極体の巻取り装置
JP2002270213A (ja) * 2001-03-14 2002-09-20 Shimane Jidoki Kk 扁平型電子部品用帯状素子の巻取方法及び巻取装置
JP2003068350A (ja) * 2001-08-29 2003-03-07 Denso Corp 扁平型電極体の製造装置
JP2003118896A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Ckd Corp 巻取装置及び巻取方法
JP2003146538A (ja) * 2001-11-15 2003-05-21 Sony Corp 巻取方法および巻取装置
JP2003297413A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電 池
JP2005190697A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Matsushita Battery Industrial Co Ltd 二次電池
JP2007026939A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Toyota Motor Corp 捲回型電池とその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06168736A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 渦巻電極体の製造方法
JPH11297347A (ja) * 1998-04-07 1999-10-29 Sony Corp 電極体の巻取り装置
JP2002270213A (ja) * 2001-03-14 2002-09-20 Shimane Jidoki Kk 扁平型電子部品用帯状素子の巻取方法及び巻取装置
JP2003068350A (ja) * 2001-08-29 2003-03-07 Denso Corp 扁平型電極体の製造装置
JP2003118896A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Ckd Corp 巻取装置及び巻取方法
JP2003146538A (ja) * 2001-11-15 2003-05-21 Sony Corp 巻取方法および巻取装置
JP2003297413A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電 池
JP2005190697A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Matsushita Battery Industrial Co Ltd 二次電池
JP2007026939A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Toyota Motor Corp 捲回型電池とその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102064346A (zh) * 2010-12-02 2011-05-18 上海唐一新能源科技有限公司 锂动力电池卷绕芯板
CN107244584A (zh) * 2017-04-17 2017-10-13 苏州杰锐思自动化设备有限公司 一种卷绕成型装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5222030B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8119277B2 (en) Stack type battery
JP5165482B2 (ja) 捲回式二次電池
JP6202347B2 (ja) 非水電解液二次電池
US9935339B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
WO2013080966A1 (ja) 非水電解質二次電池
US10424816B2 (en) Lithium-ion secondary battery and manufacturing method thereof
KR101787254B1 (ko) 이차 전지
WO2011155060A1 (ja) リチウム二次電池およびその製造方法
WO2007142040A1 (ja) 二次電池
JP7262605B2 (ja) 内部短絡誘導のための電気化学素子及びそれを用いた安全性評価方法
KR101707335B1 (ko) 비수 전해액 2차 전지
WO2016163404A1 (ja) 電極、電極群及び非水電解質電池
JP2009289672A (ja) 捲回型蓄電デバイス
JP2010186683A (ja) 捲回型電極電池とその製造方法及び機器及び車両
WO2012053556A1 (ja) 非水電解質二次電池
US10431846B2 (en) Energy storage device
JP2011070932A (ja) リチウム二次電池
JP2004127541A (ja) 電池用電極群およびそれを用いた非水電解液二次電池
JPWO2018100853A1 (ja) 円筒形電池
JP2009266706A (ja) リチウムイオン二次電池
JP4055307B2 (ja) 円筒形リチウムイオン電池
JP5337418B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2011222128A (ja) 二次電池
JP5222030B2 (ja) 捲回式二次電池およびその製造方法
JP2008243704A (ja) 円筒型非水電解質電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130308

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees