JP2009294953A - Rfidスレッド、rfidスレッド付シートおよびrfidスレッド付シート用印刷機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙51などのシートに実装し所定の情報を外部から無線で読み取り可能なRFIDスレッド1であって、所定の情報を記録したICチップ21と、用紙51のサイズに応じた長さを有し、ICチップ21を搭載し電気的に連続する導電体からなる第1のアンテナ11と、絶縁体からなり第1のアンテナを支持するベースフィルム41と、を備えた。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明による第1実施形態のRFIDスレッド1の基本構造を模式的に示す斜視図である。この図では、長さ方向に比較して幅方向の寸法を誇張して示し、また、幅方向に比較して厚さ方向の寸法を誇張して示している。すなわち、RFIDスレッド1は、図1に示した形状よりも、実際には、細長く、かつ、ごく薄い形状を有する。
このRFIDスレッド1は、ICチップ21と、アンテナ11(第1のアンテナ、以下同じ)と、ベースフィルム41と、を含んで構成されている。
図2は、アンテナ11aの給電部にICチップ21を搭載する工程を示す工程図である。図2(a)は、アンテナ11aおよびICチップ21の給電部分を示す透視平面図であり、図2(b)は、アンテナ11aにICチップ21を搭載したときの給電部分を示す透視拡大図であり、図2(c)はアンテナ11aとICチップ21との接合部を示す断面図である。
なお、図2(c)に示すように、ICチップ21の信号入出力電極22a,22bは、超音波接合、金属共晶結合、または異方性導電フィルム(いずれも図示せず)を介してなどの接合方法により、金バンプによってアンテナ11aと電気的に接合されている。
図2(d)に示すように、アンテナ11bのスリット31bをT字型に形成して、スタブ32a,32bをICチップ21とアンテナ11bとの間に直列に接続しても、L字型のスリット31の場合と同様に、アンテナ11bとICチップ21のインピーダンスをマッチングさせることができる。
図3に示すように、本実施形態のRFIDスレッド1を用いると、用紙51の長手方向にわたってアンテナ11が配置されている。アンテナ11の長さは用紙51がA4サイズであれば約300mmとなり、ICチップ21の情報は領域R1の範囲で読み取ることができる。領域R1の長手方向の距離は約380mmとなる。本実施形態のRFIDスレッド1ではアンテナ11に対して、ICチップ21の実装位置にほとんど依存せず、領域R1の範囲でICチップ21の情報を読み取ることが可能である。また、厳密には、用紙51の面に直角な方向、すなわち、アンテナ11に直角な方向の最大通信距離(情報が読み取れる最大の距離)はアンテナ11の長手方向に1/2λの周期で変化するが、実用上は、アンテナ11から近い距離であれば領域R1の範囲で連続的にICチップ21の情報を読み取ることができる。なお、1λは、使用周波数の電磁波の1波長分の長さを意味する。
図4は、本発明による第1実施形態のRFIDスレッド1におけるICチップ21の実装位置例を示す平面図である。
図4に示すように、本実施形態のRFIDスレッド1では、矢印で示す流れ方向(抄紙方向)にRFIDスレッド1が実装されたロール紙が製造される。二点鎖線Lはロール紙から用紙51に加工するときの切断線を示している。まず、用紙51の頭出し位置におおよそICチップ21aが配置されるようにRFIDスレッド1をセットする。連続的にロール紙が製造されるとRFIDスレッド1にかかる張力により、僅かな伸びが発生する。これにより、ICチップ21a,21b,21cの相対的な位置が少しずつずれ、用紙51に対して図示するICチップ21b、ICチップ21cのような位置となってしまう。しかし、図3に示すように、RFIDスレッド1の読み取り可能な領域R1が広いため、RFIDスレッド1の長手方向(つまり、抄紙方向)の読み取り位置のずれが許容され、高精度に位置合わせして高速で動作する製紙装置を精密に制御する必要がない。
図5(a)は用紙33の大きさに適したICチップ21a,21bの間隔を示している。
図5(b)に示すように、このRFIDスレッド1を用紙33よりも大きい用紙34に実装すると、用紙34に2つのICチップ21a,21bが実装された形態となる。これを読取装置でICチップ21a,21bに記録されている情報を読み取るとICチップ21a、21bの2つの情報を読み取ることができる。この2つの情報をデータベース上で相互に結合するとより信頼性の高い管理が可能となる。
図6は、比較例のRFIDスレッド1xの基本構造を模式的に示す斜視図である。
図6に示すように、比較例のRFIDスレッド1xでは、ベースフィルム41の上にアンテナ11xが形成され、このアンテナ11xにICチップ21が実装されている。そして、アンテナ11xが一定間隔で配置されている構造となっている。
図7は、比較例のRFIDスレッド1xの取付け位置を示す平面図である。
図7を参照すると、比較例のRFIDスレッド1xではICチップ21を中心とするアンテナ11xの周辺、すなわち、領域R2の範囲でICチップ21に記録された情報を読み取ることができる。具体的には、例えば、使用周波数を2.4GHz帯とし、リーダ装置(図示せず)のRF出力を200mW、そのアンテナ利得を6dBiとすると、RFIDスレッド1xの長手方向の読取可能距離は約100mmとなる。アンテナ11xは2分の1波長ダイポールアンテナであり、その長さは波長短縮率を考慮すると、約53mmとなる。
図8は、比較例のRFIDスレッド1xを用いた場合のICチップ21の実装位置例を示す平面図である。
図8に示すように、比較例のRFIDスレッド1xを用いた場合、矢印で示す流れ方向にRFIDスレッド1xが実装されたロール紙が製造される。二点鎖線Lはロール紙から用紙51に加工するときの切断線を示している。まず、用紙51の頭出し位置に正確にICチップ21aが配置されるようにRFIDスレッド1xをセットする。連続的にロール紙が製造されるとRFIDスレッド1xにかかる張力により、僅かな伸びが発生する。これにより、ICチップ21a,21b,21cの相対位置が少しずつずれ、用紙51に対して図示するICチップ21b、ICチップ21cのような位置となってしまう。高精度に位置合わせしても高速で動作する製紙装置を制御することは容易ではない。さらに、1つのロール紙に複数列のRFIDスレッド1xを実装する場合は、複数のRFIDスレッド1xの張力を同時に制御する必要があり、さらに制御が複雑となる。
図9(a)は、本発明による第2実施形態のRFIDスレッド2の平面図であり、図9(b)は、本発明による第2実施形態のRFIDスレッド2の側面図である。
図9に示すように、第2実施形態のRFIDスレッド2は、ICチップ21を実装した第3のアンテナ13と、第3のアンテナ13に近接する無給電素子である第4のアンテナ14を組み合わせたものであり、電気的には、ICチップ21を実装し連続するアンテナ11(図1参照)と類似する動作をする。
また、ベースフィルム41として、RFIDスレッド2の実装時に掛かる最大張力に耐える最低限の強度の1軸延伸性フィルムを使用することにより、手で破りやすい用紙51を製造することができる。
第2実施形態のRFIDスレッド2と比較すると、第1実施形態のRFIDスレッド1では、ベースフィルム41に保持された連続するテープ状のアンテナ11に大きな張力が掛かったとき、アンテナ材料である導体、例えばアルミニウムが破断しやすい。これは樹脂製のベースフィルム41に比べアンテナ11の材料である金属の方が伸び率が低いため、金属のアンテナ11が先に破断するためである。また、アンテナ11が破断する位置によっては通信距離が著しく低下する場合がある。
本発明による第2実施形態のRFIDスレッド2によれば、アンテナ素子の破断を抑止し、これによる通信距離の低下のおそれを小さくできる。
スレッドを実装するシート、ここでは紙について説明する。
図11は、本発明による第3実施形態のRFIDスレッド3を実装する製紙工程を示す概略図である。
ワイヤ工程66では、パルプなどを溶解した白水63の中にRFIDスレッド3を挿入する。続いて、プレス工程67では、ローラ64でプレスし、紙の水分を除去する。次に、ドライヤ工程68では、複数のローラ65間を通過し加熱乾燥される。
前記したRFIDスレッド3部分のシワやはげは、プレス工程67やドライヤ工程68で発生しやすい。これはRFIDスレッド3部分のベースフィルム41やアンテナ11と紙の密着性に依存する。RFIDスレッド3の表裏で紙との密着性が異なると、例えば、ベースフィルム41側だけ紙が伸びたような状態となり、最終的にはシワが発生する。
第3実施形態のRFIDスレッド3では、第1実施形態、第2実施形態で説明した構造に新たに表裏面を同一材料でコーティングする。これによりシート、例えば紙の表裏との接触状態を均一化することができる。
図3のような形態でRFIDスレッド1が実装されている用紙51を、その長手方向中央近辺で折りたたんだ場合、ICチップ21の直下にあるインピーダンスマッチング回路が、折りたたんだ先のアンテナ11に重なってしまう。これにより、インピーダンスマッチング回路の特性が変化し、ICチップ21を読み取ることができる範囲が狭くなってしまう。
図13は、本発明による第4実施形態の基本例のRFIDスレッド4の基本構造を模式的に示す平面図である。
第1のアンテナ11dを50〜500μm幅の金属箔や細導線で形成し、ICチップ21は、第1のアンテナ11dより短い第2のアンテナ12bに実装する。第2のアンテナ12bにはインピーダンスマッチング回路となるスリット31が形成されている。第1のアンテナ11dと第2のアンテナ12bは、接触させて電気的に導通させるか、近接させて電磁結合するように配置する。第2のアンテナ12bの長さは1/6λ〜1/2λ長で良好に同調させることができる。具体的には、例えば、第2のアンテナ12bの寸法を、幅2mm、長さ25mmとする。
図14は、本発明による第4実施形態の変形例のRFIDスレッド4a,4b,4cの基本構造を模式的に示す平面図である。
図14(a)に示すように、本発明による第4実施形態の第1変形例のRFIDスレッド4aは、ICチップ21の実装部17aを第1のアンテナ11cのアンテナ中心よりも左右にオフセットし、実装部17aを第1のアンテナ11cから迂回させた形態である。
図14(b)に示すように、本発明による第4実施形態の第2変形例のRFIDスレッド4bは、ICチップ21の実装部17bを第1のアンテナ11cのアンテナ中心よりも直角に左右に突出させ、実装部17bを第1のアンテナ11cから迂回させた形態である。
図14(c)に示すように、本発明による第4実施形態の第3変形例のRFIDスレッド4cは、ICチップ21の実装部17cを第1のアンテナ11cのアンテナ中心よりも左右にラウンドさせ、実装部17cを第1のアンテナ11cから迂回させた形態である。
このように、本発明による第4実施形態によれば、RFIDスレッド4,4a,4b,4cを長軸方向に折りたたんでも読取性の低下を抑制できる。
図15は、本発明による第5実施形態のRFIDスレッド付シート用印刷機150の原理を示す概略縦断面図である。
RFIDスレッド1を実装した用紙51などのシートは、一枚一枚が個性のない一般的な印刷物として利用できるが、各用紙51に個別の情報を記載する印刷物、例えば保険証書などの契約番号や契約者名の識別情報が記載された印刷物として、さらに好適に利用できる。
あらかじめ、RFIDスレッド1を実装した用紙51を給紙装置151に充填しておく。電源を投入し制御装置158にある動作スイッチ(図示せず)をONにすると、制御装置158の制御によって、給紙装置151が印刷部159へ用紙51を搬送する。搬送途中で、RFIDスレッド読取器および読取アンテナ(いずれも図示せず)からなるRFIDスレッド読取装置152が、用紙51に実装されたICチップ21(図1参照)の情報を読み取る。
RFIDスレッド1を実装した用紙51は、スレッド部136と、紙部分135,136とからなる。分別部154は、用紙51を、紙部分135,137とスレッド部136とに裁断し、スレッド部136はストッカ155へ、紙部分135,137はストッカ156へ分別して投入する。
(1)印刷工程でRFIDスレッド1の動作確認を行うため、製紙工程での検査を省略することが可能となり、製紙装置の機能簡略化とスループットの向上を図ることができる。
(2)印刷前にRFIDスレッド1の動作確認を行い、正常でない用紙51を取り除くので、印刷コストを低減できる。
(3)印刷前後にRFIDスレッド1の動作確認を行い、正常でない用紙51を取り除くので、排紙部157に搬送される印刷済みの用紙51の信頼性が向上する。
(4)スレッド部136が分別回収されるので、環境負荷を低減できる。
4,4a,4b,4c RFIDスレッド
11,11a,11b,11c,11d 第1のアンテナ
12,12b 第2のアンテナ
13 第3のアンテナ
14 第4のアンテナ
17a,17b,17c 実装部
21,21a,21b,21c ICチップ
31,31b スリット
32,32a スタブ
33,34 用紙
41 ベースフィルム
42 ギャップ
44,45 接着層
51 用紙
150 RFIDスレッド付シート用印刷機
151 給紙装置
152 RFIDスレッド読取装置
153 読取装置
154 分別部
155,156 ストッカ
157 排紙部
158 制御装置
159 印刷部
160 データベース装置
Claims (20)
- シート状物に実装し所定の情報を外部から無線で読み取り可能なRFIDスレッドであって、
前記所定の情報を記録したICチップと、
前記シート状物のサイズに応じた長さを有し、前記ICチップを搭載し電気的に連続する導電体からなる第1のアンテナと、
絶縁体からなり前記第1のアンテナを支持するベースフィルムと、
を備えたことを特徴とするRFIDスレッド。 - シート状物に実装し所定の情報を外部から無線で読み取り可能なRFIDスレッドであって、
前記所定の情報を記録した複数のICチップと、
前記シート状物のサイズに応じた長さを有し、前記複数のICチップを搭載し電気的に連続する導電体からなる第1のアンテナと、
絶縁体からなり前記第1のアンテナを支持するベースフィルムと、
を備えたことを特徴とするRFIDスレッド。 - 前記ICチップと前記第1のアンテナとの入出力インピーダンスを整合するインピーダンスマッチング回路を前記第1のアンテナに配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRFIDスレッド。
- 前記ICチップは、前記第1のアンテナに配置された前記インピーダンスマッチング回路を介して実装したことを特徴とする請求項3に記載のRFIDスレッド。
- 前記ICチップは、導電体からなる第2のアンテナを介し、前記第1のアンテナに電磁的に結合していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRFIDスレッド。
- 前記ICチップは、前記第2のアンテナに形成され前記ICチップと前記第2のアンテナとの入出力インピーダンスを整合するインピーダンスマッチング回路を介して実装されていることを特徴とする請求項5に記載のRFIDスレッド。
- 前記第1のアンテナは、細線状の導体からなることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のRFIDスレッド。
- 前記第1のアンテナは、直線部と迂回部とからなり、
前記インピーダンスマッチング回路は、前記迂回部に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のRFIDスレッド。 - 前記第1のアンテナに前記ICチップを実装した第3のアンテナと、1つ以上の電気長が使用周波数の1/2波長の無給電の第4のアンテナとからなるアンテナ群を備え、
前記アンテナ群を連続的に配置してなることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のRFIDスレッド。 - その片面または両面に接着層を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のRFIDスレッド。
- 前記接着層は熱可塑性接着材からなることを特徴とする請求項10に記載のRFIDスレッド。
- 請求項11に記載のRFIDスレッドを備え、
前記熱可塑性接着材は、製紙工程のカレンダ工程またはドライヤ工程の処理温度よりも低温で軟化または溶融することを特徴とするRFIDスレッド付シート。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載のRFIDスレッドを備え、
前記ベースフィルムは1軸延伸フィルムであることを特徴とするRFIDスレッド付シート。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載のRFIDスレッドを備え、
前記RFIDスレッドは、その表面が露出しまたは露出しないで実装されていることを特徴とするRFIDスレッド付シート。 - 請求項2に記載のRFIDスレッドが実装されたシートを前記ICチップの実装間隔よりも広い間隔で裁断してなることを特徴とするRFIDスレッド付シート。
- 請求項12から請求項15のいずれかに記載のRFIDスレッド付シートを管理するRFIDスレッド付シート管理方法であって、
同一の前記RFIDスレッド付シートに存在するすべての前記ICチップに記録されたID情報を相互にリンクしてデータベース装置に登録することを特徴とするRFIDスレッド付シート管理方法。 - 給紙部と、第1のリーダ装置部と、印刷部と、第2のリーダ装置部と、排紙部と、分別部と、分別ストッカと、これらを制御する制御部と、情報を記憶するデータベース部を備え、請求項12から請求項15のいずれかに記載のRFIDスレッド付シートを印刷することを特徴とするRFIDスレッド付シート用印刷機。
- 前記第1のリーダ装置部および前記第2のリーダ装置部は、給紙された前記RFIDスレッド付シートに取り付けられた前記ICチップからの情報を読み取ることを特徴とする請求項17に記載のRFIDスレッド付シート用印刷機。
- 前記制御部は前記第1のリーダ装置部が前記RFIDスレッド付シートからICチップの情報を読み取ることができなかった場合、前記印刷部の動作を停止し、前記RFIDスレッド付シートを通過させ、前記分別部に搬送することを特徴とする請求項17に記載のRFIDスレッド付シート用印刷機。
- 前記制御部は前記第1のリーダ装置部または前記第2のリーダ装置部が前記RFIDスレッド付シートから前記ICチップの情報を読み取ることができなかった場合、前記印刷部の動作を停止し、前記RFIDスレッド付シートを通過させ、前記給紙部に給紙する信号を出すことを特徴とする請求項17に記載のRFIDスレッド付シート用印刷機。
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