JP2009293836A - 除加湿装置 - Google Patents

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学 前田
Akito Namikawa
晃人 並河
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Abstract

【課題】簡単な構成で加湿通風路での結露を防止することができる除加湿装置を提供する。
【解決手段】除加湿装置100は、ケーシング1と、送風機2と、ペルチェ素子30を有する吸着モジュール3と、流路を切替る流路切替部4と、加湿風通路80内に設けられ、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出する吸着部25と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気を取り込んで除湿された空気と加湿された空気とを吹き出す除加湿装置に関する。
従来技術の除加湿装置として、熱電変換素子の両面に吸放熱板を取り付け、片面に吸着材を取り付けた構成の装置がある。このような除加湿装置では、熱電変換素子に印加する直流電圧の極性を切り替え、吸着作動時は吸着材を冷やし、脱湿作動時には吸着材を温め、除加湿を行っている(たとえば特許文献1参照)。
特開平7−103504号公報
前述の従来技術では、空気通路のうち加湿風通路は加湿風が通過するので、除加湿装置が停止後に加湿風通路内に残存している水分が加湿風通路で結露し、除加湿装置を再び起動した加湿風が通過するときに結露した水の飛散、臭いの発生、およびカビ菌が発生するという問題がある。このような問題を解決する手段として、加湿風通路が露点温度以上となるように加湿風通路を加熱する加熱手段を新たに追加する方法があるが、加熱手段を新たに追加すると除加湿装置の体格が大きくなり、また除加湿装置の構成が複雑になるという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で加湿通風路での結露を抑制することができる除加湿装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明は、加湿風が通過する加湿風通路(80)と、除湿風が通過する除湿風通路(90)とが形成されるケーシング(1)と、
ケーシング内に空気を送風する送風手段(2)と、
ケーシング内に設けられ、送風手段によって送風される空気を加湿および除湿する空調手段(3)であって、板状に形成され、厚み方向両方の面部のうち、いずれか一方の面部が吸熱部として機能し、いずれか他方の面部が放熱部として機能するペルチェ素子(30)、ペルチェ素子の一方の面部に設けられ一方の面部の温度に基づいて水分を吸着および放出する第1の吸着素子(31A)、およびペルチェ素子の他方の面部に設けられ他方の面部の温度に基づいて水分を吸着および放出する第2の吸着素子(31B)を有する空調手段と、
第1の吸着素子を通過した空気を加湿風通路に導き、かつ第2の吸着素子を通過した空気を除湿風通路に導く状態と、第1の吸着素子を通過した空気を除湿風通路に導き、かつ第2の吸着素子を通過した空気を加湿風通路に導く状態と、にわたって切替る流路切替手段(4)と、
加湿風通路に設けられ、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出する吸着部(25)と、を含むことを特徴とする除加湿装置である。
本発明に従えば、空調手段によって加湿された加湿風は、流路切替手段によって加湿風通路を通過する。このような加湿風通路には、吸着部が設けられる。吸着部を設けることによって、加湿風通路に発生する結露を吸着することができる。これによって加湿風通路が結露することによる異臭の発生、およびカビ菌の繁殖を抑制することができる。また新たに加熱手段を設けることなく、加湿風通路に電気的および機械的に動作させる必要のない手段である吸着部を設けるという簡単な構成で本発明の除加湿装置を実現することができる。
また本発明は、第1の吸着素子、第2の吸着素子および吸着部が同じ絶対湿度において、
吸着部の水分を放出する放出温度域の最低温度である放出下限温度は、第1の吸着素子および第2の吸着素子の放出下限温度より低いことを特徴とする。
本発明に従えば、第1の吸着素子および第2の吸着素子(以下、これら2つの吸着素子を総称して「空調用吸着素子」ということがある)の放出下限温度は、ペルチェ素子によって加熱される面部の温度に基づいて設定される。したがって空調用吸着素子によって加湿された空気は、空調用吸着素子の放出下限温度以上となる。また吸着部は、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出するが、吸着部の放出下限温度を、空調用吸着素子の放出下限温度より低くすることによって、加湿風通路を通過する加湿風によって吸着部を放出下限温度以上にすることができる。このように加湿風が加湿風通路を通過することによって吸着部が暖められ、吸着部が吸着した水分を放出する。したがって吸着部は、除加湿装置が停止後は水分を放出した状態であるので、停止後から除加湿装置が再び起動するまでの間に加湿風通路に発生する結露を効率よく吸着することができる。これによって除加湿装置の起動時に加湿風通路に結露が発生することを抑制することができる。
さらに本発明は、吸着部の水分を吸着する吸着温度域の最高温度である吸着上限温度は、加湿風通路を通過する加湿風の露点より高いことを特徴とする。
本発明に従えば、吸着部の吸着上限温度は、加湿風通路を通過する加湿風の露点より高いので、加湿風通路の温度が露点以下で発生する水分を吸着部によって確実に吸着することができる。これによって加湿風通路にて結露が発生することを確実に防ぐことができる。
さらに本発明は、吸着部の放出下限温度は、加湿風通路を通過する加湿風の温度より低いことを特徴とする。
本発明に従えば、吸着部の放出下限温度は、加湿風通路を通過する加湿風の温度より低いので、加湿風が加湿風通路を通過することによって吸着部が吸着した水分を確実に放出させることができる。これによって除加湿装置の起動時に加湿風通路に結露が発生していることを確実に防止することができる。
さらに本発明は、吸着部は、加湿風通路を形成するケーシングの部位の内壁部(1a)に設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、吸着部は、加湿風通路を形成するケーシングの部位の内壁部に設けられるので、内壁部に発生する結露を逃すことなく確実に吸着することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図8を用いて説明する。図1は、第1実施形態の除加湿装置100を示す平面断面図である。図2は、除加湿装置100の側面断面図である。本実施形態の除加湿装置100は、たとえば車両の車室内に搭載され、車室内空気を取り込んで除湿風と加湿風とを吹き出す車両用の除加湿装置100に適用される。除加湿装置100は、たとえば外気が乾燥する冬季において、車両前面窓ガラスの内面側に防曇用の除湿風を供給するとともに、乗員側には加湿風を供給するために使用される。除加湿装置100は、たとえば車室内の天井部分に設置される。除加湿装置100は、ケーシング1、吸着部25、送風機2、吸着モジュール3、流路切替部4、アクチュエータ7および制御装置(図示せず)を含む。
ケーシング1は、空気が流通する流路を形成する。ケーシング1は、空気が流通する流通方向に沿って延びるように長手状に形成される。ケーシング1内には、吸着モジュール3および流路切替部4が、空気の流通方向に沿って順次配設されている。ケーシング1は、設置場所に応じて各種の形状に設計できるが、たとえば車室内の天井に設置するため、高さに相当する厚さ部分が薄く設計された扁平な略直方体の箱状に形成される。またケーシング1は、天井形状に応じて、外郭形状を曲線状に形成してもよい。ケーシング1は、たとえば樹脂からなる。
以下、ケーシング1が延びる方向であって、空気が流通する方向を長さ方向Y(図1における左右方向)と称し、長さ方向Yに直交する方向を幅方向X(図1における上下方向)と称し、長さ方向Yおよび幅方向Xに垂直な方向を厚さ方向Z(図1の紙面に垂直な方向)と称することがある。
ケーシング1には、送風機2から送風される空気が流通する通路として、メイン通路26、加湿風通路80および除湿風通路90が形成される。メイン通路26は、加湿風通路80および除湿風通路90の上流側に設けられる。メイン通路26を通過した空気は、加湿風通路80および除湿風通路90にそれぞれ送られる。ケーシング1の長さ方向Y一方の端部には、メイン通路26に空気を送るために、外方に開口する吸込口10が形成される。
加湿風通路80は、ケーシング1の内壁によって形成され、除湿風通路90とは別に空気が流通する通路である。換言すると、加湿風通路80および除湿風通路90は、ケーシング1の内壁によって、それぞれ独立した通路として形成される。したがって加湿風通路80を流通する加湿風は、除湿風通路90には流通しない。ケーシング1の空気流れ下流端である長さ方向Y他方の端部(図1における左方)には、加湿風通路80を流下した加湿風が吹き出す加湿風吹出口8と、除湿風通路90を流下した除湿風が吹き出す除湿風吹出口9とが、幅方向Xに並んでそれぞれ設けられる。これらの加湿風吹出口8と除湿風吹出口9とは、ケーシング1に一体成形した仕切り壁11によって区画形成されており、本実施形態では除湿風吹出口9に対して加湿風吹出口8を小さく形成している。加湿風吹出口8には、たとえば乗員側へ向けられたフェイス吹出ダクト(図示せず)が接続され、除湿風吹出口9には、たとえば車両前面窓ガラスなどへ向けられたデフロスタ吹出ダクト(図示せず)が接続される。
送風機2は、送風手段であって、ケーシング1の長さ方向Y一方(図1の右方)の端部に設けられる。送風機2は、たとえば多翼ファン21、ラジアルファンおよびターボファンなどを含む遠心式の送風機2であって、回転軸線方向から吸入した空気を径方向外方に吹き出すように構成される。本実施の形態の送風機2は、樹脂で成形した扁平なスクロールケーシング20と、その内部に配設された多翼ファン21と、その多翼ファン21を駆動する送風モータ22とを備えている。
スクロールケーシング20は、多翼ファン21が空気を送り出すための吹出口24を形成する。スクロールケーシング20は、多翼ファン21の半径方向に臨む壁部である。スクロールケーシング20は、多翼ファン21を半径方向外方から取り囲み、吹出口24に向けて徐々に拡がる渦巻状の流路を形成する。
スクロールケーシング20の厚さ方向Z他方(図2における下方)の下面部は、外部からの空気をスクロールケーシング20内に流入させるための開口23が形成される。これによって開口23からスクロールケーシング20内に流入した空気は、渦巻状の流路によって径方向および周方向に整流されて吹出口24から長さ方向Y他方に向かって送られる。送風機2の吹出口24は、ケーシング1の長さ方向Y一方に形成される吸込口10に接続され、吸い込んだ空気をケーシング1内に供給する。
次に、吸着モジュール3について、図3を用いて説明する。図3は、吸着モジュール3を示す斜視図である。吸着モジュール3は、メイン通路26に設けられる。吸着モジュール3は、空気が通過することができるように構成される。吸着モジュール3は、空調手段であって、送風機2によって送風される空気を加湿および除湿する。吸着モジュール3は、ペルチェ素子30、第1の吸着素子31Aおよび第2の吸着素子31Bを含む。
ペルチェ素子30は、ペルチェ効果を利用した板状の熱電素子であり、通電されるとその厚さ方向Z一端面側で吸熱作用を果たし、厚さ方向Z他端面側で放熱作用を果たす熱電素子である。ペルチェ素子30は、2種の金属板の間にP型半導体とN型半導体とを多数配置するとともに、一方の金属板によってN−P接合を構成し、かつ他方の金属板によってP−N接合を構成した素子であり、係る素子においては、PN接合部分に電流を流すことにより熱移動が起こり、一方の金属板で吸熱現象が生じ、他方の金属板で放熱現象が生じる。ペルチェ素子30は、板状に形成され、厚さ方向Zに直交する2つの板面部30a,30bが吸熱部および放熱部として機能する。
第1の吸着素子31Aは、ペルチェ素子30の厚さ方向Z一方の板面部30aに設けられる。第2の吸着素子31Bは、ペルチェ素子30の厚さ方向Z他方の板面部30bに設けられる。第1の吸着素子31Aと第2の吸着素子31Bとは構成が略同一であるので、第1の吸着素子31Aに関して説明し、第2の吸着素子31Bに関しては説明を省略する。第1の吸着素子31Aは、ペルチェ素子30の一方の板面部30aの温度に基づいて水分を吸着および放出する。第1の吸着素子31Aは、冷却されると吸着量が増え水分を吸収し、通過する空気を除湿する。また第1の吸着素子31Aは、加熱されると吸着量が減り水分を放出し、通過する空気を加湿する。
第1の吸着素子31Aは、基板32およびフィン33を含み、基板32およびフィン33の表面には空調用吸着材が塗布される。基板32およびフィン33は、アルミニウムなど熱伝導率に優れる金属で形成される。基板32は、平板状であって、ペルチェ素子30の板面部30aに積層するように設けられる。フィン33は、基板32から厚さ方向Z外方に突出して複数設けられる。フィン33は、長さ方向Yに沿って延びるように複数設けられ、幅方向Xに離間するように設けられる。
空調用吸着材は、低い湿度で水分を容易に吸着し、かつ低い温度で容易に脱離し得る材料、たとえばゼオライトが好ましい。吸着モジュール3において各吸着素子31A,31Bは、ペルチェ素子30の各板面部30a,30bに対し、空気層や他の断熱要素が介在することなく、ペルチェ素子30で生成された温熱および冷熱が熱伝導によって伝わるように配置されていれば良く、銀ペーストや伝熱グリスなどの熱伝導材料を介して配置されても良い。
吸着モジュール3は、各吸着素子31A,31Bの吸着および脱離操作に準じた時間間隔、たとえば5分以上10分以下の間隔でペルチェ素子30に流れる電流の方向が逆転され、ペルチェ素子30の板面部30a,30bにおける吸熱機能と放熱機能とが入れ替えられるように制御される。吸着モジュール3は、加熱側の吸着素子が水分を放出しきる前に、電流の方向が逆転される。
次に、吸着部25に関して説明する。吸着部25は、加湿風通路80に設けられ、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出する。吸着部25は、吸着性を有し、加湿風が通過できるように加湿風通路80内に設けられる。吸着部25の周囲の温度は、たとえば除加湿装置100が動作している状態では通過する加湿風の温度であり、除加湿装置100が動作していない状態では加湿風通路80を形成するケーシング1の部位の温度である。したがって除加湿装置100が動作していない状態では吸着部25の周囲の温度は、車室内の温度と略等しい。またこのような周囲の温度と吸着部25の温度とは略等しくなる。したがって吸着部25の温度は、たとえば車室内温度が低い冬季では、除加湿装置100が停止している状態では車室内温度と略等しく、除加湿装置100が動作すると徐々に温度が上昇し、動作開始後予め定める時間経過後では加湿風通路80を通過する加湿風の温度と略等しくなる。
吸着部25は、周囲の温度が低いと吸着量が増え水分を吸収する。また吸着部25は、周囲の温度が高くなると吸着量が減り水分を放出し、通過する空気を加湿する。吸着部25は、たとえば除湿用吸着材(図示せず)が塗布され、長さ方向Yに沿って延びる複数の貫通孔(図示せず)が形成されるハニカム構造で構成される。
次に、吸着部25の吸着特性に関して説明する。吸着部25の吸着特性は、除湿用吸着材が塗布された構成の場合、除湿用吸着材の吸着特性によって決定される。図4は、予め定める絶対湿度(0.013kg/kg)における除湿用吸着材と空調用吸着材との吸着特性を示すグラフである。図4に示すグラフの横軸は温度(℃)を示し、縦軸は吸着材乾燥重量1gあたりの吸着量(g)を示す。
図4に示すように、除湿用吸着剤の波形(図4の左方側の波形)および空調用吸着材の波形(図4の右方側の波形)は、ともに変曲点を有する波形である。除湿用吸着材および空調用吸着材は、変曲点を含む遷移温度域を基準として、遷移温度域より温度が低い場合は吸着量が多い状態、たとえば吸着量が0.15g以上である。また除湿用吸着材および空調用吸着材は、遷移温度域の温度を基準として、遷移温度域より温度が高い場合は吸着量が少ない状態、たとえば吸着量が0.03g以下である。このように遷移温度域より低い温度は、水分を吸着する吸着温度域であり、遷移温度域より高い温度は、水分を放出する放出温度域となる。遷移温度域の最低温度は、水分を多量に吸着する吸着温度域の最高温度である吸着上限温度である。また遷移温度域の最高温度は、水分を多量に放出する放出温度域の最低温度である放出下限温度である。
除湿用吸着材は、図4に示すように、同じ絶対湿度において吸着放出の変曲点が空調用吸着材より低い温度に位置する。変曲点は、遷移温度域の中央の温度である。したがって除湿用吸着材の吸着上限温度は、空調用吸着材の吸着上限温度より低く、かつ除湿用吸着材の放出下限温度は、空調用吸着材の放出下限温度より低い。
また除湿用吸着材の変曲点の温度は、加湿風通路を通過する加湿風の露点より高い。また除湿用吸着材の吸着上限温度は、加湿風通路を通過する加湿風の露点より高い。加湿風通路を通過する加湿風の露点は、絶対湿度が0.013g/gの加湿風の場合、約18度である。さらに除湿用吸着材の変曲点は、加湿風通路80を通過する加湿風の温度より低い。また除湿用吸着材の放出下限温度は、加湿風通路80を通過する加湿風の温度より低い。
このような除湿用吸着材は、前述の空調用吸着材と同様の材料、たとえばゼオライトが好ましい。ゼオライトの成分を適宜選択することによって、変曲点の温度、吸着量および放出量が適宜設定される。
次に、図4のグラフに沿って、たとえば車室内温度が低い冬季における除湿用吸着材および空調用吸着材の温度変化に関して説明する。加湿風通路80は、除加湿装置100が動作する前の状態では、除湿用吸着材の変曲点より低い第1温度T1(約10度)である。第1温度T1では、第2温度T2(露点=約18度)より低いので、加湿風通路80には結露が発生する可能性がある。しかしながら、加湿風通路80には除湿用吸着材が設けられている。除湿用吸着材は、第1温度T1では吸着温度域であり、吸着量が約0.18gであるので、第2温度T2以下の第1温度T1で発生する水分を吸着する。したがって加湿風通路80では、結露が発生しない。
次に、除加湿装置100が動作すると、加湿風通路80に加湿風が通過する。加湿風の温度は、ペルチェ素子30の放熱部として機能する板面部30a,30bの温度に近似しているので、空調用吸着材の変曲点の第6温度T6(約42度)より高い第7温度T7(約50度)である。これによって車室内温度が上昇し、車室内温度は第3温度T3(除湿用吸着材の変曲点)よりも高い第4温度T4となる。車室内温度の上昇にともなって、加湿風通路80の温度も上昇し、第4温度T4よりも高い第5温度T5となる。除湿用吸着材は、第5温度T5は変曲点より高い温度である放出温度域であり、吸着量が約0.02gであるので、第1温度T1にて吸着した水分を放出する。
次に、除加湿装置100が再び停止すると、除湿用吸着材が水分を放出した状態であり、加湿風通路80の温度が低下するのにともなって除湿用吸着材の温度が低下する。したがって除湿用吸着材は、前述の除加湿装置100が動作する前の状態に戻り、たとえば第1温度T1(約10度)となる。これによって前述のような動作が繰り返される。
このように除湿用吸着材、加湿風の絶対湿度において、加湿風通路80の温度が低いときは水分を吸着し、結露を防止することができる。また除加湿装置100の動作によって、加湿風通路80の温度が変曲点T3以上になると吸着していた水分を放出する。これによって除加湿装置100は再生され、低温時に再度水分を吸着できるようになる。
次に、流路切替部4に関して説明する。図5は、流路切替部4を示す斜視図である。図6は、流路切替部4を示す側面図である。除加湿装置100は、吸着モジュール3の各吸着素子31A,31Bの吸着操作および脱離操作を、5〜10分位毎で交互に切り替える。したがって本実施形態においては、加湿された空気を加湿風吹出口8から連続的に吹き出し、除湿された空気を除湿風吹出口9から連続的に吹き出すため、図1に示すように、吸着モジュール3の下流側に流路切替部4が配置される。
流路切替部4は、流路切替手段であって、吸着モジュール3を通過した空気の振り向け先を切り替えるように構成される。流路切替部4は、第1の吸着素子31Aを通過した空気を加湿風通路80に振り分け、第2の吸着素子31Bを通過した空気を除湿風通路90に振り分ける状態と、第1の吸着素子31Aを通過した空気を除湿風通路90に振り分け、第2の吸着素子31Bを通過した空気を加湿風通路80に振り分ける状態とを切り替える。
流路切替部4は、図2に示すように、吸着モジュール3の下流側に配設された仕切り板40により、第1の吸着素子31Aを通過した空気が流入する第1流入空間3Aと、第2の吸着素子31Bを通過した空気が流入する第2流入空間3Bとに区画されている。
仕切り板40の下流側は、図2に示すように、ケーシング1に一体成形した仕切り壁11により、加湿風吹出口8に連なる加湿風通路80と、除湿風吹出口9に連なる除湿風通路90とに区画されており、除湿風通路90に対して加湿風通路80の通路断面積が小さくなっている。これにより、除湿風吹出口9から吹き出される除湿風の風量に対して、加湿風吹出口8から吹き出される加湿風の風量が少なくなっている。
流路切替部4は、複数の流路切替ドア6およびシャフト60を含む。流路切替ドア6は、仕切り板40と仕切り壁11との間に配設される。シャフト60は、流路切替ドア6が一体に設けられる。シャフト60は、ケーシング1の幅方向Xに沿って、回転可能に設けられる。
シャフト60には、4つの流路切替ドア6であって、2つの加湿側ドア61a,61bと、2つの除湿側ドア62a,62bとが設けられる。流路切替ドア6の回動範囲θ(本実施形態では約60度)を小さくするために、加湿側ドア61a,61bと除湿側ドア62a,62bとをそれぞれ2つずつ設けられる。加湿側ドア61a,61bは、その角度位置に応じて、加湿風通路80と第1流入空間3Aとを連通し、加湿風通路80と第2流入空間3Bとを閉塞する状態と、これとは逆に、加湿風通路80と第2流入空間3Bとを連通し、加湿風通路80と第1流入空間3Aとを閉塞する状態と、を切り替える。また除湿側ドア62a,62bは、加湿側ドア61a,61bと同様にその角度位置に応じて、除湿風通路90と第1流入空間3Aとを連通し、除湿風通路90と第2流入空間3Bとを閉塞する状態と、これとは逆に、除湿風通路90と第2流入空間3Bとを連通し、除湿風通路90と第1流入空間3Aとを閉塞する状態と、を切り替える。
加湿側ドア61a,61bと除湿側ドア62a,62bとのドア面積は、両流通路80,90の通路断面積に略比例して、除湿側ドア62a,62bが大きく、加湿側ドア61a,61bが小さくなっている。また、シャフト60の一端側には、この流路切替ドア6を回動させるためのレバープレート63が設けられ、このレバープレート63がケーシング1の外部に突出するように構成される。ケーシング1の外面には、レバープレート63の端部と接続され、流路切替ドア6を切替駆動するサーボモータなどのアクチュエータ7が配設されている。
次に、流路切替部4の動作に関して説明する。図7および図8は、流路切り替えのしくみを説明する図であり、それぞれの(a)は図1のa−a断面図、(b)は図1のb−b断面図である。図7は、流路切替部4が第1の流路切替位置にある状態を示す。図8は、流路切替部4が第2の流路切替位置にある状態を示す。
流路切替部4が第1の流路切替位置にある状態では、加湿側ドア61a,61bは、加湿風通路80と第1流入空間3Aとを閉塞し、加湿風通路80と第2流入空間3Bとを連通する状態である。また除湿側ドア62a,62bは、除湿風通路90と第1流入空間3Aとを連通し、除湿風通路90と第2流入空間3Bとを閉塞する状態である。
したがって図7(a)に示すように加湿風吹出口8側では、第2流入空間3Bに流出した加湿風がそのまま加湿風吹出口8へ流出するとともに、第1流入空間3Aに流出した除湿風は、加湿風吹出口8への流路が加湿側ドア61bで閉塞されているため、第1流入空間3A内を幅方向X他方(図7の紙面手前側)へ流れて除湿風通路90側へ移動し、そこから除湿風吹出口9へ流出するようになる。
同様に、図7(b)の除湿風吹出口9側では、第1流入空間3Aに流出した除湿風がそのまま除湿風吹出口9へ流出するとともに、第2流入空間3Bに流出した加湿風は、除湿風吹出口9への流路が除湿側ドア62bで閉塞されているため、第2流入空間3B内を幅方向X一方(図7の紙面奥側)へ流れて加湿風通路80側へ移動し、そこから加湿風吹出口8へ流出するようになる。
流路切替部4が第2の流路切替位置にある状態では、前述の第1の流路切替位置とは逆の状態であって、加湿側ドア61a,61bは、加湿風通路80と第1流入空間3Aとを連通し、加湿風通路80と第2流入空間3Bとを閉塞する状態である。また除湿側ドア62a,62bは、除湿風通路90と第1流入空間3Aとを閉塞し、除湿風通路90と第2流入空間3Bとを連通する状態である。
したがって図8(a)の加湿風吹出口8側では、第1流入空間3Aに流出した加湿風がそのまま加湿風吹出口8へ流出するとともに、第2流入空間3Bに流出した除湿風は、加湿風吹出口8への流路が加湿側ドア61aで閉塞されているため、第2流入空間3B内を幅方向X他方(図8の紙面手前側)へ流れて除湿風通路90側へ移動し、そこから除湿風吹出口9へ流出するようになる。
同様に、図8(b)の除湿風吹出口9側では、第2流入空間3Bに流出した除湿風がそのまま除湿風吹出口9へ流出するとともに、第1流入空間3Aに流出した加湿風は、除湿風吹出口9への流路が除湿側ドア62aで閉塞されているため、第1流入空間3A内を幅方向X一方(図8の紙面奥側)へ流れて加湿風通路80側へ移動し、そこから加湿風吹出口8へ流出するようになる。
制御装置(図示せず)は、制御手段であって、送風機2の制御、吸着モジュール3におけるペルチェ素子30の電流の制御、および流路切替部4におけるアクチュエータ7の制御を行う。制御装置は、たとえばマイクロコンピュータによって実現される。
制御装置は、ペルチェ素子30の電流の逆転に応じて流路切替ドア6を回動するように制御し、吸着モジュール3で処理された各空気の振り向け先が、一方の空気は加湿風吹出口8から除湿風吹出口9へ、他方の空気は除湿風吹出口9から加湿風吹出口8へ切り替える。流路切替ドア6の作動するタイミングは、ペルチェ素子30の電流を逆転させて以降、ペルチェ素子30の各板面部30a,30bの温度が高低逆転するまでの間であり、通常は電流の逆転以降約30秒以上60秒以下の時間が経過するまでの間である。制御装置は、電流逆転後しばらくしてから流路切替ドア6を作動させて振り向け先を切り替えることで、より一層効率的に除湿風および加湿風を生成することができる。
次に、除加湿装置100の動作に関して説明する。除加湿装置100は、たとえば外気が乾燥している冬季において次のように動作する。送風機2は、車室内の空気を吸い込み、これを吸着モジュール3の第1の吸着素子31Aおよび第2の吸着素子31Bにそれぞれ送風する。吸着モジュール3においては、たとえば、ペルチェ素子30の一方の板面部30aが吸熱部として機能し、他方の板面部30bが放熱部として機能する。
このため、一方の板面部30aによって第1の吸着素子31Aが冷却され、そのフィン33に設けられた空調用吸着材の吸着操作が進行し、フィン33を通過する空気中の水分を吸着する。第2の吸着素子31Bは、ペルチェ素子30の他方の板面部30bによって加熱され、その第2の吸着素子31Bのフィン33に設けられた空調用吸着材の脱離操作が進行し、フィン33を通過する空気に水蒸気を放出する。
吸着モジュール3の第1の吸着素子31Aを通過して除湿された空気は第1流入空間3Aに流出し、第2の吸着素子31Bを通過して加湿された空気は第2流入空間3Bに流出し、流路切替ドア6により、加湿された空気は加湿風通路80に振り向けられ、吸着部25で前述のように放出された水分とともに加湿風吹出口8から吹き出され、除湿された空気は除湿風通路90に振り向けられて除湿風吹出口9から吹き出される。
吸着モジュール3において、吸着操作および脱離操作が所定時間行われると、ペルチェ素子30に印加される電圧が逆転され、ペルチェ素子30の吸熱部と放熱部とが入れ替えられる。換言すれば、一方の板面部30aが放熱部として機能し、他方の板面部30bが吸熱部として機能する。そして、ペルチェ素子30の各板面部30a,30bの機能の入れ替わることによって、各吸着素子31A,31Bにおいては、各々、空調用吸着材の吸着操作および脱離操作が反転する。
したがって第1の吸着素子31Aは、冷却されていたそのフィン33が加熱されることにより、それまで吸着した水蒸気を脱離する。また第2の吸着素子31Bは、加熱されていたそのフィン33が冷却されることにより、水蒸気の吸着を開始する。その結果、第1の吸着素子31Aは、これを通過する空気に水蒸気を放出して加湿し、第2の吸着素子31Bは、これを通過する空気中の水蒸気を吸着して除湿する。これにより、加湿された空気は第2流入空間3Bに流出し、除湿された空気は第1流入空間3Aに流出する。
また、ペルチェ素子30に印加される電圧が逆転されると、流路切替ドア6が第1の流路切替位置から第2の流路切替位置に回動して流路が切り替えられる。したがって流路切替ドア6が、たとえば図7に示す状態から図8に示す状態に切り替えられる。このため、吸着モジュール3の第1の吸着素子31Aを通過して加湿された空気は第1流入空間3Aに流出し、第2の吸着素子31Bを通過して除湿された空気は第2流入空間3Bに流出し、流路切替ドア6により、加湿された空気は加湿風通路80に振り向けられ、吸着部25で前述のように放出された水分とともに加湿風吹出口8から吹き出され、除湿された空気は、除湿風通路90に振り向けられて除湿風吹出口9から吹き出される。
除加湿装置100は、前述のような吸着モジュール3で吸着操作および脱離操作を一定のタイミングで反転させるとともに、これに応じて、除湿された空気と加湿された空気との吹出流路を流路切替ドア6によって切り替える。これにより、除湿風吹出口9から除湿された空気を連続して吹き出し、加湿風吹出口8から加湿された空気を連続して吹き出すことができる。そして、除湿された空気を窓ガラスの防曇用に使用し、加湿された空気を快適性向上のために使用する。
以上説明したように本実施の形態の除加湿装置100は、加湿風通路80に吸着部25が設けられる。水分を吸着する吸着部25を設けることによって、加湿風通路80に発生する結露を吸着することができる。これによって加湿風通路80が結露することによる異臭の発生、およびカビ菌の繁殖を抑制することができる。また新たに加熱手段を設けることなく、加湿風通路80に電気的および機械的に動作させる必要のない手段である吸着部25を設けるという簡単な構成で除加湿装置100を実現することができる。
本実施の形態では、吸着部25は、長さ方向Xの延び、除湿風通路90に対して通路断面積が小さい加湿風通路80に設けられる。このような加湿風通路80では、除湿風通路90より風量が小さい分、加湿風の風速が速く、また加湿風は車室内の乗員に向けられているので、結露による水分が勢いよく飛散し、乗員が濡れるおそれがあるが、このような加湿風通路80であって、吸着部25を設けることによって結露の発生を抑制することができる。
本実施の形態では、空調用吸着材の変曲点の温度は、ペルチェ素子30によって加熱される板面部30a,30bの温度に基づいて設定される。したがって吸着モジュール3によって加湿された空気は、空調用吸着材の変曲点の温度以上となる。また除湿用吸着材は、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出するが、除湿用吸着材の変曲点の温度を、空調用吸着材の変曲点の温度より低くすることによって、加湿風通路80を通過する加湿風によって除湿用吸着材を変曲点の温度以上にすることができる。このように加湿風が加湿風通路80を通過することによって除湿用吸着材が暖められ、除湿用吸着材が吸着した水分を放出する。したがって除湿用吸着材は、除加湿装置100が停止後は水分を放出した状態であるので、停止後から除加湿装置100が再び起動するまでの間に加湿風通路80に発生する結露を効率よく吸着することができる。これによって除加湿装置100の起動時に加湿風通路80に結露が発生していることを防止することができる。
本実施の形態では、除湿用吸着材の変曲点の温度は、加湿風通路80を通過する加湿風の露点より高いので、加湿風通路80の温度が露点以下で発生する水分を除湿用吸着材によって確実に吸着することができる。これによって加湿風通路80にて結露が発生することを確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、空調用吸着材を塗布などによって設けた固定方式の一対の吸着素子31A,31Bをペルチェ素子30の吸熱部および放熱部として機能する各板面部30a,30bにそれぞれ直接配置して吸着モジュール3が構成される。吸着モジュール3は、ペルチェ素子30へ流す電流の逆転によって吸熱部と放熱部を機能的に入れ替え、各吸着素子31A,31Bに対する冷却と加熱を切り替えて吸着操作と脱離操作を反転させるとともに、流路切替ドア6を使用し、吸着操作と脱離操作の反転に応じて、第1の吸着素子31Aを通過した空気と第2の吸着素子31Bを通過した空気の振り向け先を切り替える。
したがって除加湿装置100は、吸着ローター方式のような回転駆動部を設ける必要がなく、しかも、ペルチェ素子30に各吸着素子31A,31Bが直接配置されており、吸着素子31A,31Bを加熱および冷却する際のペルチェ素子30と吸着素子との間の熱伝導性が高いため、吸着素子31A,31Bおよびペルチェ素子30を一層小型化できる。その結果、装置構成を簡素化でき、装置全体を一層小型化することができる。
また流路切替部4は、アクチュエータ7によって回動することによって、各空気の振り向け先を切り替えることができる。したがって簡単な構成で流路の切替を実現できるので、流路切替部4を小形化することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図9を用いて説明する。図9は、第2実施形態の除加湿装置100Aを示す平面断面図である。本実施の形態の除加湿装置100Aは、吸着部25Aの構成が前述の第1実施形態の除加湿装置100と異なる。
吸着部25Aは、加湿風通路80を形成するケーシング1の内壁部1aに設けられる。内壁部1aは、ケーシング1の内周面部と同義である。吸着部25Aは、粘着性を有するペースト状であって、内壁部1aに塗布されることによって設けられる。吸着部25Aの長さ方向Y他方の端部は、加湿風通路80の加湿風吹出口8まで位置する。
このように本実施の形態では、吸着部25Aは、加湿風通路80を形成するケーシングの部位の内壁部1aに設けられるので、内壁部1aに発生する結露を逃すことなく確実に吸着することができる。
また本実施の形態では、吸着部25Aの長さ方向Y他方の端部は、加湿風吹出口8を形成するケーシングの部位に位置する。したがって水分が車室内に飛散される飛び出し部分である加湿風吹出口8まで確実に除湿するので、結露に基づく水分が加湿風吹出口8から飛散されることを防止することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の実施の各形態では、吸着部25は加湿風通路80に設けられ、除湿風通路90には設けられていないが、除湿風通路90に設けてもよい。これによって除湿風通路90における結露を防止することができる。
前述の実施の各形態では、流路切替ドア6の回動範囲を小さくするために、加湿側ドア61a,61bと除湿側ドア62a,62bとをそれぞれ2枚ずつ形成しているが、加湿側ドアと除湿側ドアとを対向する位置に1枚ずつ形成し、それぞれのドアが閉塞する位置が入れ替わるように180度回動させる構造としても良い。ドアの回動範囲は大きくなるが、ドアの形状を簡単にすることができる。
また流路切替部4の構成は、前述のドアを回動させる構成に限ることはなく、空気の流路を切り替える他の機構として、たとえば2つの可撓性管路を移動させてその接続先を変更するような機構、およびリンクなどによって同期作動する2つのシャッターを交互に開閉してその接続先を変更する機構なども使用できる。
またフィン33は、小型化を図ることができ、大きな吸着面積を確保でき、かつ一層多量の粉体状の空調用吸着材を保持し得る限り、前述の実施の各形態のフィン33の形状に限ることはなく、各種の構造のものを使用できる。フィンの構造としては、たとえば波板状の基材シートによって通気セルの開口形状が略三角形に形成されたコルゲート型、通気セルの開口形状が略六角形に形成されたハニカム型、および通気セルの開口形状が四角形に形成された格子型などの構造であってもよい。
また除加湿装置100は、外気が高湿度となる状況においては、電気回路の接続変更により、乗員側に除湿風を供給するようにしてもよい。また除加湿装置100は、既設の空調装置に組み込んでもよい。
前述の実施の各形態では、除加温装置を車両に搭載して用いたものであるが、通常の室内で用いても良く、加湿を必要とする空間(たとえば、寝室)内の所定空間(たとえば、寝具の枕元周り)に加湿した空気を吹き出し、除湿を必要とする空間(たとえば、結露し易い窓や壁)側には除湿された空気を吹き出すように使っても良い。
また除加湿装置100は、流路切替ドア6の作動設定を切り替えることにより、たとえば夏季において、加湿風吹出口8から除湿された空気を乗員側へ吹き出すこともできる。また、車室内の臭気成分を捕捉するため、吸着モジュール3の上流側または下流側に脱臭用フィルターを配置してもよい。
第1実施形態の除加湿装置100を示す平面断面図である。 除加湿装置100の側面断面図である。 吸着モジュール3を示す斜視図である。 除湿用吸着材と空調用吸着材との吸着特性を示すグラフである。 流路切替部4を示す斜視図である。 流路切替部4を示す側面図である。 流路切替部4が第1の流路切替位置にある状態を側面断面図である 流路切替部4が第2の流路切替位置にある状態を側面断面図である。 第2実施形態の除加湿装置100Aを示す平面断面図である。
符号の説明
1…ケーシング
2…送風機(送風手段)
3…吸着モジュール(空調手段)
3A…第1流入空間
3B…第2流入空間
4…流路切替部(流路切替手段)
6…流路切替ドア
8…加湿風吹出口
9…除湿風吹出口
25…吸着部
30…ペルチェ素子
30a,30b…板面部
31A…第1の吸着素子
31B…第2の吸着素子
33…フィン
80…加湿風通路
90…除湿風通路
100,100A…除加湿装置

Claims (5)

  1. 加湿風が通過する加湿風通路(80)と、除湿風が通過する除湿風通路(90)とが形成されるケーシング(1)と、
    前記ケーシング内に空気を送風する送風手段(2)と、
    前記ケーシング内に設けられ、前記送風手段によって送風される空気を加湿および除湿する空調手段(3)であって、板状に形成され、厚み方向両方の面部のうち、いずれか一方の面部が吸熱部として機能し、いずれか他方の面部が放熱部として機能するペルチェ素子(30)、前記ペルチェ素子の一方の面部に設けられ一方の面部の温度に基づいて水分を吸着および放出する第1の吸着素子(31A)、および前記ペルチェ素子の他方の面部に設けられ他方の面部の温度に基づいて水分を吸着および放出する第2の吸着素子(31B)を有する空調手段と、
    前記第1の吸着素子を通過した空気を前記加湿風通路に導き、かつ前記第2の吸着素子を通過した空気を前記除湿風通路に導く状態と、前記第1の吸着素子を通過した空気を前記除湿風通路に導き、かつ前記第2の吸着素子を通過した空気を前記加湿風通路に導く状態と、にわたって切替る流路切替手段(4)と、
    前記加湿風通路に設けられ、周囲の温度に基づいて水分を吸着および放出する吸着部(25)と、を含むことを特徴とする除加湿装置。
  2. 前記第1の吸着素子、前記第2の吸着素子および前記吸着部が同じ絶対湿度において、
    前記吸着部の水分を放出する放出温度域の最低温度である放出下限温度は、前記第1の吸着素子および前記第2の吸着素子の放出下限温度より低いことを特徴とする請求項1に記載の除加湿装置。
  3. 前記吸着部の水分を吸着する吸着温度域の最高温度である吸着上限温度は、前記加湿風通路を通過する加湿風の露点より高いことを特徴とする請求項1または2に記載の除加湿装置。
  4. 前記吸着部の前記放出下限温度は、前記加湿風通路を通過する加湿風の温度より低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の除加湿装置。
  5. 前記吸着部は、前記加湿風通路を形成する前記ケーシングの部位の内壁部(1a)に設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の除加湿装置。
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