このように、結合要素を円錐の両移動面に押しつけることができる結果、こうしてこの圧力により十分な力の伝達を提供できる。静的油圧上、及び/又は、動的油圧上の目的の優れた効果に関して、油圧比、及び/又は、静的油圧比、あるいは動的油圧比を変えるだけで他は一切変異無しでもある変動を提供できる一方で、機械上の目的の優れた効果により、トルクを伝達する2つの組立部品がお互いに噛み合って、アプローチランプに備える結果、これらの2つの組立部品は、トルクの作用として相互に捩れることができ、このトルクを通して、当該圧力装置が軸方向に伸びたり、及び/又は、トルクの働きとしてその軸方向の寸法が縮んだりする。このように、他に何もせずとも、トルクが大きいほど圧力もまた大きく作用し、これらの力は、テーパー付きローラー軸受けのような適切な補強軸受けを通じて反力がとられる結果、最終的には、より大きな補強力が結合要素、及び/又は、摩擦リングについて生ずる。
2つの回転変速要素を有する変速装置を提供することが本発明の目的であり、そのそれぞれは回転結合要素用の少なくともひとつの移動面を持ち、少なくともひとつの移動面が結合要素用の異なる移動半径を持つ少なくとも2つの移動面を持つとともに、2つの変速要素を結合要素に可変な圧力で押しつける補強装置により2つの変速要素を補強し、さらに、結合要素を組込み、この中で、トルクの作用として、しかし、また、その他の運転パラメータの作用として、より確実に、及び/又は、より再生可能な形で圧力を加えることができる。
この目的を達成するため、本発明は、その種類に応じた変速装置を提案するもので、その中の補強装置には圧力装置を含み、これが2つの変速要素のひとつの移動面を結合要素に押しつけるとともに、補強軸受け上で自らを可変な圧力で支えるとともに、さらにバネ要素も含んでおり、これは圧力装置と連結して作用するようその位置が決められる。
本例の場合において、補強装置はこのように、十分な圧力を確保する本発明による変速組立部品のすべてを含むとともに、それに対応して少なくともその部品類も包含され、さらに、本発明による圧力装置は可変の圧力に耐えられる組立部品を有する。バネ要素と圧力装置とを連結して同一圧力で接続することにより、当然ながら、バネ要素のバネ常数の作用として、これを関連技術による圧力装置の場合と同じ寸法に納めることができ、この圧力装置はかなり大きな動きについても有効であり、これにより、圧力装置に本質的に一様な作動をさせることができる。この点は特に、特定の圧力の再現性の増加につながる。さらに、本発明は、クランク、回転体あるいは同様のものに関する経路の傾斜を変えることによって、作用力‐圧力、及び/或いは、トルク圧力特性曲線の変動を許容する結果、許容誤差の平準化をはかることができる。
第2の目的の成果では、バネ要素が可変な圧力並びに第1変速要素の移動面と補強装置との間、および/または、第1変速要素の移動面と圧力装置との間のトルクの両方を、累加して、及び/又は、交互に、好ましく伝達する。
このように、少なくとも部分的に、第1変速要素の移動面、及び/又は、この移動面に接続されると同時にこの組立部品についてギアを変える必要のある組立部品の両方に直接、トルクを伝達するという二重の負荷から圧力装置を解放できる。できるだけ再現可能な形で可変な圧力を加えるという上述の目的もまたこうして達成できる。この実施例はこのように、種類に応じた変速装置に関する上述の目的の実現にとって、累加して有利であるか、あるいは代替えと
して有利であり、欧州特許EP0980993A2では、単にバネ要素を表現しているだけで、このバネは圧力装置に平行に接続されていて、トルクを伝達することはない。
目的の第3の成果として、本発明は、種類に応じた変速装置を提案しており、この中で、補強装置は2つの圧力要素と少なくともひとつの回転要素を有する圧力装置を含み、回転要素は少なくともひとつの回転要素経路上で、トルクの作用として回転し、回転要素がトルクの作用として回転要素上の位置を変える時、第2の圧力要素に関して第1の圧力要素を圧力の方向に変位させるようにトルクが与えられる。
このように、トルクに起因する第2の圧力要素の変位を比較的小さい摩擦力で確保できる結果、この目的の成果においてもまた同様に、トルクの作用として、かつ/又は、トルクに起因する圧力の再現性を確保できる。
好ましい実施例では、トルクのセンサーを駆動側、及び/又は、出力側に設け、トルクの作用として選択される圧力装置の圧力が決定される。このように、圧力、つまり、接触力、及び/又は、結合要素と変速要素のひとつとの間に生じる摩擦力を現存するトルク比に合わせて対応できる。特に、連続変速装置、及び/又は、摩擦力あるいは油圧反応により作用する変速装置においてもまた、特に、圧力を現存の比に合わせるよう、例えば、ありうるちょっとした損失によるすべりさえも防ぎ、あるいは、例えば、変速比を適切に選択するように、本変速装置のその他の残りの特徴とは関係なく、このタイプのセンサーを有利に作用させることできることがはっきりしている。歪ゲージ、及び/又は、引張り計、あるいはねじり計、及び/又は、類似の測定装置類をセンサーとして利用できる。
上述の後者の装置は、特に静的油圧または動的油圧の軸受けに関する場合であるので、圧力装置を外部から作動する場合であれば、特に都合が良い。加えて、また、特に、もし機械的に提供される場合には、例えば、それに作用するトルクによって、この圧力装置をトルクの作用として内部的に作動できる。特に、このタイプのある実施例においては、トルク、及び/又は、トルクによって生じる圧力装置の構成部品の移動によって生じる圧力を、トルクを測定するために利用できる。このように、高価なトルクセンサーを余分に使わずに済むので、トルクの測定を、特に、コスト的に無駄なく行える。圧力装置が変速装置の駆動変速要素に設けられる場合には、この装置は特に都合が良い。この装置は、また、本変速装置の他の残りの特徴とは関係なく、目的とするコスト効率の良い成果をもたらすことがはっきりしている。
ある圧力装置では、本発明のその他残りの特徴とは関係なく、これらの2つの変速要素を開放して第3の変速要素から交互に解放し、かつ/あるいは、閉合によりそれらをこの第3の変速要素に噛合するクラッチ部品を設けると、特定の変速経路を全体の変速装置に交互に噛合でき有利にできる。このタイプの装置では、クラッチ部品の閉合に必要な力はこの圧力装置によって好ましい形で加えられる。このように、もしクラッチ部品を作用力の経路内に位置させると有利である。
このタイプの装置では、適当な点で圧力を補うためにクラッチを十分に開放してやると、圧力により、もはや当該クラッチに負荷がかからなくなる。このように、当該クラッチが開かれ、これにより、2つの変速要素が解放される。特に、もし、圧力装置がトルクの作用として作動するならば、これにより、クラッチの開放のためトルクがもはや伝達されないので、直ちに圧力が減少することになる。このように、開放のために加えられる力は、かなりの程度まで一気に減少する。加えて、また、恐らく自由に回転できる変速要素によって引き起こされる可能性のある損失の減少もまたこの圧力の減少が引き起こす。クラッチを閉じるには、対応する反力が小さくならなくてはならないだけで、圧力装置は再び作動状態となる。従って、クラッチを閉じるための追加の組立部品は不要である。
特に好ましい実施例のある変型例では、間隙は少なくとも、回転変速要素のひとつと運転中の結合要素との間に設けられる。このタイプの非接触式の運転によって、本発明による変速装置の他の残りの特徴とは無関係に、このタイプの変速を極端に少ない摩耗で行うことができ、適切な相互作用機構が、当該変速要素と作用力、及び/又は、トルクの伝達に関する結合要素との間で設けられる。結合は、圧力にもかかわらず間隙に残留し、必要な作用力、及び/又は、トルクを伝達するある種の流体、及び/又は、液体を通じて行われるのが好ましい。さらに、静電気又は磁気を装置するような他の相互作用機構が設けられても良い。
このタイプの間隙は円錐摩擦リング変速装置にとって特に適切であり、この変速装置では、少なくとも運転中は、間隙、及び/又は、液体が円錐面と摩擦リングとの間に位置する。このように、リングは特に何もせずに希望の変速比に沿うようその位置を決めることができる。しかしながら、このタイプの間隙は、また、変速要素が摩擦を通じてお互いに相互作用する連続的可変変速装置にも適切なものである。
本明細書において、変速要素間の「摩擦相互関係」の概念は、この目的のためにこれらの変速要素間に現存する固定した形ではなく、トルクがある変速要素から別の変速要素へ伝達される相互関係を説明している。典型的には、少なくとも、比較的大きな限界トルクを越えると、摩擦相互関係にはあるすべりが存在し、このタイプのすべりは非破壊的に頻繁に生じて、当該変速装置はこれらの限界トルクより低いトルクで運転されるのが普通である。
上述の間隙に対する代替え案として、かつ/又は、追加案として、ある液体、特にシリコンオイル、これはメチルシロクサン、ジメチルジフェニルシロクサン、及び/又は、フェニル群を持つメチルフェニルシロクサンを、少なくとも回転変速要素のひとつ、及び/又は、結合要素を摩擦リングのように濡らす液体として用いることができる。特に、ジメチルポリシロクサン、これは例えば、フェニルアルキル群あるいはフルロアルキル群を含むものを用いることができる。この場合には、ジフェニルシロキシ群とジメチルシロキシ群とを特にこの中で、単独に、あるいは、シロクサン塊として入れ替えることができる。
このタイプの液体は一般的に、「シリコンオイル」という用語で知られており、これは、また、連続的可変変速の回転変速要素を濡らすための液体として、詳しくは無いにしても、その概略が欧州特許0878641A1に開示されている。
シリコンオイルは比較的軽度の潤滑特性を持っていて、実用テストでは、特に、結合ローラーあるいは、摩擦リングといった回転結合要素との反応に具合が悪いことが判明したため、運転中に、既知のシリコンオイルが原因で液体の膜が破れるものと思われている。しかしながら、シリコンオイルは、他の液体と比較して、高温でそれらの特性能力を特に際だって発揮するものである。
これらの提案された液体類には、メチルシロクサン、ジメチルジフェニルシロクサン、及び/又は、フェニル群を有するメチルフェニルシロクサンが含まれており、特に、もし、例えば、ジフェニルシロクサン塊がポリメチルシロクサンと混合すると、他の液体類と比較して高度な圧縮性が際だつようになり、このことが恐らく膜の破壊を防ぐことになる。このように、それらの温度/粘性、及び/又は、温度/圧縮性の性質において、回転結合要素を持つ変速装置にとって有利な性質を持つ油を提供することができ、このタイプの装置に関して、粘性、及び/又は、圧縮性が、鉱物油の粘性勾配、及び/又は、圧縮性勾配と、ジメチルシロクサンの粘性勾配、及び/又は、圧縮性勾配との間にある温度依存性粘性勾配、及び/又は、圧縮性勾配とともに変化するどのタイプの液体類も、非常に広く、変速装置のために都合良く利用できるということが判明した。これらの特性を用いて、ある液体、及び/又は、ある油により、運転温度が高すぎることがないように、当該変速装置を、十分、注油できる。しかし、注油は結合要素と当該変速要素間の十分な結合が妨げられるほど強くはない。さらに、上述の圧縮性の窓が液体の一様な分布を妨げること無く、圧力下においても構成部品を取り囲む液体膜の十分な安定性を作り出す。
特に、ポリジメチルシロクサン、ポリジメチルジフェニルシロクサン、及び/又は、フェニル群を持つポリメチルフェニルシロクサン、及び/又は、アルキル置換ガンマトリフロプロピル置換ポリジメチルシロクサンを有する液体類を利用できる。10〜25%のフェニル群あるいは、ガンマトリフロプロピル群、あるいは、その他のアルキル群のような有機置換基が使用されるポリジメチルシロクサンに置換基として含まれている「シリコン」も、また、用いることができる。
さらに、もし、当該液体がその温度に関して安定していて、その特性に関して、鉱物油よりも出来る限り小さく変動する場合には、累加案として、及び/又は、代案として特に有利である。このように、当該液体はあまり劣化しないので、変速装置の就役寿命を長く確保できる。さらに、極端な高負荷にあるか、あるいは、極端な高速、あるいは、例えば、冬季の起動中といった違った運転状態においてすらも、液体の物理特性は極力一定を維持する。
ポリジメチルシロクサンにおけるフェニルシロクサンの単位量に関して、及び/又は、シロクサン全般におけるフェニルシロクサンの単位量に関して、望む結果を生むようこれらを2単位1組にしても、塊にしても使用できる。さらに、上述の圧縮性は、結合要素と回転変速要素との間に残る間隙と協働するのに特に、有利であり、これにより、間隙が当該液体で満たされるとともに、高圧力の時でも液体によって安定してブリッジされる。この例の場合、液体は作用力の伝達のために使わるので、これにより生ずる剪断力が結合要素と当該変速要素とを非確実動作式に接続できる。さらに、高度な圧縮性により、大きなトルク、及び/又は、より大きなトルク時でもこの変速が可能であり、この場合、わずかな間隙だけで十分な大きさの剪断力と破壊しないだけの液体膜を提供することが可能で、その他の場合には、間隙はこの高圧力に対抗する大きな圧力と耐力とをも有する液体によってのみ維持できるものである。
間隙、及び/又は、液体に関する上述の考察は、それらの温度安定性、圧縮性、及び/或いは、粘性のいずれに関連するにせよ、本発明による変速装置の、連続的な変速に関して、個別にせよ、あるいは全体にせよ、特に、相互に回転する2つの変速要素を有する変速装置に関しては、その他の特徴とは関係なく、有利であり得ることがはっきりしている。
特に、摩擦ロックによる、又は、油圧、静的油圧、又は、動的油圧、磁気あるいはその他の非接触反応、及び/又は、その他の非確実動作的相互作用により本質的に結合された変速要素に関して、もし、結合要素に関する変速要素の2つの移動経路を含む変速装置で、相互作用、例えば、表面圧力、又は、同様な何かを適切な方法で提供できるよう、及び/又は、それに適応できるよう、これらの移動経路が異なる面に設けられるならば有利にできる。この場合に、例えば、異なる幅の横溝、又は、突起類、及び/或いは、変化する表面肌合い、及び/又は、表面処理を、回転変速要素の少なくともひとつに沿って施せる。この方法で、例えば、変速要素の半径が異なっていても表面圧力を適応させることができる。このタイプの表面の変型は、たとえ、本発明による変速装置のその他の特徴とは関係なくとも、変速要素上の移動経路において都合が良いことははっきりしている。
移動経路とは独立した相互作用についてのある実施例に関して、結合要素の表面もまた肌合いをつけることができる。特に、その表面は、油圧反応の場合に、適切な方法で剪断力及び圧縮力に影響を与えるために、横溝かあるいはその他の同様のものを持つようにできる。さらに、結合要素は、また、接触している変速要素に関して違う表面を持つことができる。
良好な剪断力分布を確保するため、特に、結合要素の移動面、及び/又は、当該変速要素の当該移動表面を濡らす液体との相互作用で、液体膜を破ることなく、直線からそれた断面を有する、好ましくは、凸面状の、及び/又は、王冠状の断面を持つ少なくともひとつの移動面を結合要素に持たせることができる。このように、高圧力においても、十分な剪断力を伝達する連続液体膜を、確保できる。断面の選択はこの場合における液体に合わせて行うのが好ましい。累加案として、及び/又は、代案として、保持装置によって片側に保持されるだけの結合要素用の直線から横断面を適当に逸らすことができ、特に次に述べるように、このタイプの片側保持装置は結合要素に比較的大きな量の自由を残しているけれども、直線からずれる移動面のため比較的不安定である結合要素とこの装置を安定する形で相互作用させることもできるので、特に、移動経路の変更の際には装置全体を低消費の動力で運転することもできる。
本発明による変速装置のその他の特徴と関係なく、結合要素、及び/又は、回転変速要素のこのタイプの表面の設計を、変速要素と結合要素との間の相互作用を設計するために都合良く利用できることは明らかである。
既に、欧州特許0980993A2、及び/又は、欧州特許0878641A1により知られているように、特に、もし、回転摩擦リングとして結合要素を提供するならば、一連の角度調整の作用として自力で、結合要素の移動経路を変えることができる。この場合に、結合要素の角度を特定の移動経路が規制されるように設定するのが好ましい。正確には、この角度は、調整の点で、及び/或いは、選択された移動経路の安定性の点で極めて重要であるので、もし、保持装置、及び/又は、保持装置自体の角度に関する当該作動装置が、プリテンションによる働き無しに、例えば、バネを通じて、提供されるならば、有利である。このタイプのプリテンションは、結合要素の角度調整を行うこのタイプとは関係なくても、特に、本変速装置のその他の特徴とは関係がなくても都合が良いことははっきりしている。
特に、例えば、独国特許3835052A1に開示されているように、結合要素を強制的に適合させることもできる。このタイプの装置では、特に、もし、結合要素が接近領域で単に保持装置と接触しているだけであって、それゆえ、誘導されているだけであれば、変速装置のその他の特徴とは関係なく都合が良いことが示されてきた。結合要素の捩れに加えて、摩擦リングのような確実動作的制御が原因で結合要素の変位もまた生じるので、このことが、もし、それが離脱領域に作用する場合には装置全体を不安定にするので、離脱領域における結合要素の誘導装置が、全体装置に不安定性をもたらすことが示されてきた。このため、回転結合要素が単に接近領域において保持装置に接触しているだけのものが提案され、このことを通じて、このタイプの不安定性を避けることが可能となる。
本明細書において「摩擦リング」という用語の背景には、また、摩擦リングが直接的な摩擦上の相互反応はなく、確実動作的接続とは違う相互作用により当該変速要素とむしろ接触している結合要素を明らかに含んでいる。
このタイプの装置では、結合要素の回転軸の回転面に垂直な軸廻りの回転自由度は、例えば、スピンドルあるいはロッド組立品によって提供される保持装置に関する作動装置と結合要素との間にとどまるのが好ましい。このように、確実動作的制御調整による影響を最小限に抑えることができるので、摩擦リング、及び/又は、結合要素は殆ど自動的にその適切な位置を感知することができる。最も小規模な実施例では、それが結合要素の方向を指す結合要素の回転面に直角方向に並ぶ支持台を持つ必要があるだけであるので、特に、保持装置を極めてコスト効率良く提供できるという可能性がこのタイプの配置の中に存在する。また他の実施例では、保持装置が本質的に遊び無しに結合要素を保持できるとともに、関節のような当該回転自由度を作動装置における保持装置との間に設けることができる。この代わりに、保持装置が結合要素の回転自由度に関して十分な遊びを持つことも可能である。
代わりに、及び/又は、付加して、定置保持装置を結合要素のために設けることができ、これを通じて結合要素を定められた移動経路の中で選択されたものとして保持することができる。例えば、このタイプの定置保持装置を通じて、例えば、起動時といった特別な状況のためにだけ原動機によって引き起こされる急加速あるいは急ブレーキを含む可能性のある連続運転状態を提供できる。
さらに、2つの回転変速要素を有する変速装置が提案されており、そのそれぞれは、回転結合要素に関する少なくともひとつの移動面、異なる移動半径を持つ結合要素に関する少なくとも2通りの移動経路を有する少なくともひとつの移動面、および、作動手段を設けていて、これらによって結合要素を、2通りの移動経路のひとつからこの2通りの移動経路のもうひとつまで適合させることができ、これには作動可能な作動装置が含まれ、変速装置が作動可能な作動装置の故障の際に、作動手段が結合要素を安全な移動経路へと適合させる安全装置を含むことを特徴とする。
付加して、及び/又は、代わりに、安全装置が、定義された速度を利用して好ましくは、安全移動経路内に結合要素を適合させることが提案される。
さらに、付加して、及び/又は、代わりに、安全装置には、少なくとも作動手段の少なくともひとつ以上の組立部品にプリテンションをかけることを含むことが提案される。
前述の手段によって、装置が故障した際でも、特に、制御装置の故障の際でも、変速装置が制御された運転状態に留まることが確保される。このように、作動ブリッジ、ケージ、あるいは、その他類似のもののように、組立部品にプリテンションをかけることによって、もしも、作動可能な作動装置の適合能力が不足した場合には、プリテンション導入のおかげで、この組立部品は望む位置に到達することが確保できて、結合要素を適切な方法で適合させる。特に、もし、結合要素を安全移動経路に適合させるならば、変速装置を有する車両、及び/又は、回転力伝達機構は、その機能が保たれたままであり、装置全体のエラーのために結合要素が移動面から離れることはないことを確保できる。原動機が起動できる変速比に合わせて安全作動経路が選択されるのが好ましい。このように、たとえゆっくりにせよ、駐車場所のような目標地点にまでより車両が近づくことが確保される。そうでない場合には、車両は一時停車の際に、もはや発進することができないであろう。しかしながら、もし、変速装置が、回転変速要素および結合要素に加えて、第1ギアのような変速比を規制する変速要素をさらに持つならば、より速い行程を許す変速比を持つ移動経路を安全作動経路として選択することができる。その後、この第1ギアによって発進手順が取られ、さらに、行程をより速くするために安全移動経路が利用される。
このタイプの変速装置では、可能なすべての移動経路にわたり、及び/又は、当該変速要素の数回転内にある全移動面にわたり、この結合要素を適合させることができる装置が可能であるので、結合要素を定められた速度で安全移動経路へと適合させるのが好ましい。このタイプの装置では、不都合な運転条件下で制御されて、適合不可能な事態があまりに急に生ずると、駆動原動機自らを変化した運転条件に適応させることができない。このことは、原動機の急停止、その破損、及び/又は、変速装置の破損につながる可能性があり、これが原因で、原動機車両は、例えば、急に制御不能となる。定められた適合速度により運転条件が制御不可能なほど変化しないで、特に、装置全体の故障、例えば、電気制御装置の故障中でさえも、速すぎるほどには変化しないため、原動機は変化に追随できることが確保される。このタイプの定められた適合速度を、例えば、適切なプリテンションにより確保できる。安全移動経路は、例えば、当該抑制具によって定められ得るが、この装置は恐らくバネ付きで提供される。2つのバネ装置を設けることも可能であり、そのうちのひとつは、少なくともひとつの適合方向の適合速度を決定的に制御し、残りのひとつは、少なくとも、もう一方の方向の適合速度を制御して定める結果、これら2つの故障対策の相互作用により難しい抑制具なしでも、当該結合要素を任意の運転位置から安全移動経路へと誘導できる。
固定抑制具の代わりに、及び/又は、バネ荷重固定抑制具の代わりに、安全装置が適合可能な抑制具、及び/又は、適合可能かつバネ荷重抑制具を持つことができ、追加の作動装置によりこれを置き換えることが可能である。この方法では、変更不可能に直接的に定められた安全移動経路は生じない。むしろ、移動経路を追加の作動装置によって事前に設定できる。
さらに、もし、結合要素の最後の位置がセンサーによって、特に電気的に、検知されると都合が良い。この方法では、変速装置の欠陥のような特殊運転状態を速く、確実に検知できる。好ましくは、変速装置は、結合要素の接近領域で少なくともひとつの機械的端部抑制具を持つのが良く、移動経路の変更の際に、この装置と反対に、結合要素が移動でき、かつこの装置は、もし、結合要素が端部抑制具のひとつと反対に移動する場合に、これらの位置は、結合要素の回転軸が定位置に来るようにその位置が決まる。この目的の成果は安定したリング誘導が接近領域で最も確実に行われるという知見に基づいて用いる結果、この点で、結合要素の適合角度、つまり、例えば、もし保持装置が故障した場合の端部抑制具が変速装置全体の損傷を防ぐためのある移動経路から別の経路への行程に積極的に関与できる。
この保持装置に関する上述の特徴は、特に、組立部品の数を、ひいては、変速装置全体のコストをかなり減らすので、本変速装置のその他の特徴とは関係なく都合が良い点でもある。特に、このタイプの保持装置においては、保持装置自身がかなり軽量に製造できるので、一連の必要な動きがより速やかに行え、及び/又は、原動機による駆動をより少なく利用して行える。この点に関して、強制適合の保持装置は、さらに、結合要素の位置を保持装置の位置をベースにして直接、決定できるので、センサー類をもっと少なくできるという利点を有している。
連続可変部分変速装置を持つ変速装置において、特定の走行状況の問題、例えば、後進ギアの低速走行中の問題、及び/或いは、一定の安定した負荷中の問題を確実に減らすため、平行に接続した2つの変速経路によって区別された連続可変部分変速装置を持つ変速装置が提案されて、連続可変部分変速装置が2通りの変速経路のうちの最初のものに設けられている。
このタイプの装置は特殊走行、及び/或いは、第2変速経路によって与えられる負荷状況を可能にし、そのうえ、第1変速経路が連続可変変速の利点をもたらすことができる。本明細書において、「2変速経路の平行接続」という用語は2変速経路が、原動機の駆動軸あるいはクラッチ板、あるいは類似のもののような入側部共有部分変速装置と、原動機車両の主差動装置のような出側部共有部分変速装置との間に「行方不明の語」があること指している。入側部共有部分変速装置、出側部共有部分変速装置との間では、このように異なる要件を満たすために、2つの変速経路を、同時に、交互に、追加して、及び/又は、変更して操作できる。このタイプの装置は、本発明のその他の特徴と関係無く有利な点であることは明らかである。
例えば、もし、後進ギア、第1ギア、及び/或いは、回転力伝達機構が、2つの変速経路の第2のものに設けられていると有利である。これらの状況に関して、連続的可変変速装置は、限られた方法で、かつ比較的大きな出費を伴って、利用可能なだけであり、及び/又は、特に回転力伝達機構の、つまり、高速、低トルク時には大きな損失を被る。
もし、少なくとも、ひとつの自由歯車が2つの変速経路間に設けられるならば、複雑な切替装置の出費無しでも、及び/或いは、複雑な切替装置および適合技術が無くてもこれらの変速経路を一緒に誘導できる。
累加して、及び/又は、代替えとして、連続的可変部分変速装置を含む変速装置において、後者を、差動ギア部品、又は、遊星運動ギア部品のように、2つの動力分配器間に配置することができ、少なくとも、連続的可変部分変速装置のひとつの入力部が少なくともひとつの入力側動力分配器の出力部に機械的に接続されて、さらに、少なくとも、連続的可変部分変速装置のひとつの出力部が少なくともひとつの出力側動力分配器の入力部に機械的に接続される。このタイプの装置により、トルク伝達を、これが大きくなるように、及び/又は、連続的可変部分変速装置の適合範囲を大きくできるように提供できるが、この点は、当然のことながら2つの動力分配器の損失につながるので、現状の知見によると効率を犠牲にして行われるものである。しかしながら、このタイプの装置により、連続変速装置に関する応用の幅をかなり拡げることができる。さらに、連続的可変変速装置の低トルクが、特にもし、それが円錐摩擦リング伝達であれば、そこでの低い損失につながり、このことが動力分配器の損失を減少させることができるので、連続的可変部分変速装置自体により伝えなくてはならないトルクを減少させることができ、これにより、損失を実装の適切な限界内に納めることができる。
累加的に、及び/又は、代替えとして、前進ギアの少なくともひとつと後進ギアの少なくともひとつを含む変速装置において、連続変速装置の存在とは関係なく、前進ギアと後進ギアを提供する差動ギアを設けることができ、少なくともひとつの差動ギア部品の組立部品を、ハウジングに、及び/又は、もうひとつの差動ギア部品の組立部品に交互に取付けることができる。このように、前進ギアと後進ギアを持つ変速装置を非常にコンパクトに提供することができ、この中で、例えば、差動ギアの差動組立部品は入力部として利用される。もし、差動装置の主組立部品がその後第2差動組立部品に接続されるならば、ある回転方向を提供できる。他と比べると、もし、差動装置の第2の差動組立部品、及び/又は、主組立部品がハウジングに接続されて、かつ、このように取付けられているならば、固定されていない他の組立部品はその回転方向を変えて、これにより上述のギア反転を提供できる。こうして、前進ギアと後進ギアを持つ変速装置を特別コンパクトに提供できる。
さらに、ギア切替部品により変速経路に交互に切替えることができる少なくとも2つの変速経路を含む変速装置で、2つの変速経路のうちの最初のものが連続的可変部分変速装置を有するものを、累加的に、及び/又は、代替え的に提案する。このタイプの装置は、連続変速装置がどのようなタイプの切替装置も無しに済ませるために設けられているので、最初は、全体の装置と矛盾するように見える。しかし、このタイプの装置は、その利点が実際に卓越する時にのみ連続変速装置を利用できる。例えば、起動中に比較的大きなトルクが頻繁に生じて、連続変速装置に相当な負荷がかかる場合、及び/又は、連続変速装置が過大な設計を要する場合である。例えば、第1ギアを分離して提供して、そして連続的可変部分変速装置を起動後に接続するだけであるのが有利な点である。この例では、連続的可変部分変速装置は、2つの変速経路のひとつからもうひとつに手順を切替える前に、第2変速経路の速度が、連続的可変変速装置によって、第1変速経路の速度に順応し、その結果、第1変速経路から第2変速経路へ、及び/又は、第2変速経路から第1変速経路へでもその推移が本質的に連続的に行われるように特別に寸法を定めることができる。このように、例えば、起動中に生じうる欠点を受入れる必要なしにでも連続的部分変速装置の利点を最大限に活用することができる。
この点はまた、本質的に一定の出力、及び/又は、本質的に一定のトルクを持つ状態についてもまた真実であり、この状態では速度変更を原動機の速度変更によって与えることができるので、連続的可変部分変速装置が必ずしも本質的に絶対に必要とは限らない。このタイプの運転状態では、連続的可変変速装置には、通常、例えば、すべりに起因する大きな損失があり、接続される変速経路によってこのすべりを避けることができて、ここでこのタイプの段変更がないか、あるいはあっても車両の乗員に殆ど気が付かない程度の運転時点でこの切替を行うこともできる。特に、この目的で連続的可変変速装置を適切な運転状況に至らせることができる。例えば、自由歯車によりこのタイプの変速経路に噛合させたり、及び/又は、これを解放させたりすることも考えられる。
さらに、連続的可変部分変速装置を含む変速経路に追加して、例えば、起動ギア用に前進および後進ギア間の切替えのため、及び起動ギアのために用いる差動ギア要素を噛合できる変速経路に含めることができる。特に、このタイプの実施例では、もし、前進及び後進ギア間の切替に必要な差動ギア要素の組立部品類を摩擦クラッチにより取付けるならば、これにより最大限可能な限りの丁寧かつ均一な変換を行うことができる。
2つの変速経路を含む変速装置において、ギア切替部によりこの段を変速経路に交互に切替えることができ、2つの変速経路のうち最初のものは連続的可変変速装置を含み、ギア部の切替により連続的可変部分変速装置をトリロックコンバータのポンプ歯車か、または、原動機出力シャフトに直接接続されたもうひとつの組立部品に結合することができるとともに、第2変速経路をトリロックコンバータのタービン歯車か、又はもうひとつの接続可能な原動機出力組立部品に結合できる。このように、特に、通常の運転状態で、原動機出力部を連続的可変部分変速装置に直接誘導することができ、さらに、特に、起動手順中に、大きなトルクを第2変速経路に伝達できるので、連続的可変部分変速装置についてはその負荷が除かれる。この点は、トリロックコンバータのタービン歯車との相互作用において特に正しく、この中で当然、過負荷のトルクが生じ、これが生じない場合には、連続的可変部分変速装置にかなりの負荷がかかる。
このタイプの装置では、ハウジングに作用するトルクを特にコンパクトな方法で最小化できるので、特に、電動原動機と組み合わせると、同軸で配置された駆動部と出力部を持つ連続的可変部分変速装置は本発明による変速装置のその他の特徴とは関係なくても有利なものである。差動ギア部品を同軸の出力部に設ける事が好ましく、これは、今度は連続変速装置の出力部によって駆動される。連続変速装置の出力部は、さらに中間の段階無しでも、特に原動機車両ではいずれにしても設けねばならない差動ギアに作用するので、この装置は特にコンパクトである。さらに、同軸の駆動部及び出力部を設けるためには、ギア歯車あるいはその他の変速装置類が通常、いずれにしても、必要なので、差動ギア部品により必要となる追加の構成部品は無い。上述の装置を特に電動原動機駆動に接続すると適切であるが、電動原動機を連続可変変速装置に接続することは、電動原動機の速度がいずれにしても殆ど任意に適合可能であるため、最初はシステム全体と矛盾するように見える。しかしながら、連続的可変変速装置により、好ましいトルク/電流強度比を持つ速度で電動原動機を運転することが可能となる。このような方法で、当該回転力伝達機構の全体効率を上げることができ、及び/又は、特に低速度において、必要な電流量を減らすことができる。
本発明による変速装置を、またこれと別の連続的可変変速装置をも、駆動側或いは出力側で、例えば、起動クラッチ、コンバータ、摩擦ディスク、油圧クラッチのような解放点に、及び/又は、同期をとって、機械的に接続できる。この装置は、連続的可変変速装置そのものと矛盾しているが、起動手順時に連続変速装置、及び/又は、駆動装置を手入れできるため、就役寿命が延びるという利点を有している。このタイプにおける装置では、停止調整は原動機が稼働したままでも可能であるので起動クラッチ、及び/又は、出力側に設けられた解放点は特に都合が良い。さらに、もし、それらが、必要であれば、駆動側上の起動クラッチ、及び/又は、解放点を別の変速要素類に接続できる。
2つの部分変速装置の出力部を次の変速経路の駆動装置で噛合させるのが好ましいとともに、部分変速装置をこのように再度一緒に誘導するのが好ましい。もし、次の変速経路のこの駆動装置が主差動装置、つまり、駆動原動機車両車軸の2輪を接続し、駆動する差動装置であるならば、変速装置は、特にコンパクトに組立てられる。このタイプのコンパクトな構造は、部品数が低いことに反映されており、これにより、コストを減らすことができる。さらに、このタイプのコンパクトな構造は、全体の容積がより小さくて済み、これにより、原動機車両の全体的なコストをさらに減らすことができる。
具体的な実装次第では、もし、2つの部分変速装置のひとつが恐らくは第1ギアを有している後進ギアを含む場合、さらに、第2部分変速装置が連続的可変変速装置、特に、円錐摩擦リング変速装置を持つ場合には都合がよい。特に、もし、これらの部分変速装置の最初の装置が、分離した第1ギアが無くて済む場合、これは上述の利点を持つ特にコンパクトな構造を生む。
2つの部分変速装置をそれぞれ噛合、及び/又は、解放できるのが好ましい。これは、特に、クラッチにより特定の部分変速経路に割り込むことによって行われる。最初の接近において、この割り込みが行われる時点ではそれはこの目的のためには何の役割も果たさず、駆動側、出力側の両方の側にあることができ、変速要素類がこの解放点を越える位置にくると、他に何もせずに除荷された状態で走行を続けることができるので、2つの部分変速経路にそれぞれクラッチを2つ設ける必要はない。しかしながら、変速要素の自由回転が原因の損失を避けるため、複数のクラッチを部分変速経路に設けることが好ましい。しかし、後者は構成部品の数、そして必要な取付け空間も同様に増やし、これがひいてはコストの点で影響を与える。
平行部分変速装置を持つ連続変速装置のこのタイプの構造は、本発明のその他の特徴とは関係なくても明らかに有利である。こうして円錐摩擦リング変速装置によって引き起こされる回転方向の反転の利点を、その他の部分変速装置とともに、コンパクトな方法で極めて効果的に提供できるので、このことは連続変速装置としての円錐摩擦リング変速装置に関連して特にあてはまる点である。
コンパクトな構造に関して、連続的可変変速装置、特に、円錐摩擦リング変速装置では、連続的可変変速装置を含む変速経路の噛合、及び/又は、解放のために利用されるクラッチ要素を、連続的可変変速要素のひとつの内部、例えば、特定の連続的可変変速装置の、ある円錐内部に設けることをさらに提案する。連続的可変変速装置では、比較的大きな相互作用面を必須の変速装置要素上に設けなくてはならないので、多様性への対応を確保できる。これらの変速要素内部で使わなければ未使用となる全体空間を利用できるので、これらの広い相互作用面を含む変速要素内にこのタイプのクラッチ要素を配置することにより、かなりの全体空間を節約できる。クラッチ要素のこのタイプの装置は、本発明のその他の特徴と関係なくとも、連続的可変変速装置の当該利点を示していることは明らかである。
さらに、累加案として、及び/又は、代替案として、連続的可変変速装置が、特に、円錐摩擦リング変速装置が、後進ギアをその他の変速装置と連結している出力部の背後に設けることを提案する。このタイプの装置は、変速装置が一定の回転方向を利用して運転できるという利点を持っており、この点は、その作動の点で、及び/又は、摩擦リングの調整の点で連続的可変変速装置のために都合が良い。さらに、この装置はまた、後進ギアを連続的に変化させることができる。
後進ギアの配置の点で、「連結して」、「前面に」、及び/又は、「背後に」といった用語は、連続変速装置を含む回転力伝達機構における作用力の流れに関係がある。このように、本発明によれば、後進ギアを回転力伝達機構の原動機とは横を向いている連続的可変変速装置の横側に連結して設けなくてはならない。
後進ギアは、少なくとも、ひとつの回転ギア台座を持つ周転円ギアを含む事が好ましく、これは、周転円歯ギアの少なくともひとつの変速装置要素に取付くとともに、ハウジング、及び/又は、回転変速装置要素と一緒に交互に固定できる。このタイプの装置により、回転駆動中でも、すなわち、円錐摩擦リング、及び/又は、連続的可変変速装置の回転駆動中でも切替できる後進ギアが設けられ、交互に固定する当該回転変速要素によって、適切なクラッチ、及び/又は、同期をとることによりこのタイプの固定をほどほど慎重に行える。このタイプの変換能力は円錐摩擦リング変速装置の必要条件に特に合わせられるもので、これは回転状態でその変速比が変化するだけで良い。
後進ギアは、遊星歯車、太陽歯車、及び外側歯車を有する遊星運動ギアを特別に含んでいて、その第1変速装置要素は、連続的可変変速装置の出力部に機械的に接続されおり、第2変速装置要素は連続的可変変速装置及び後進ギアからなる装置全体の出力部に機械的に接続され、さらに、ハウジングに関する自由度の少なくとも1つについて第3の変速装置要素を固定できる。変速装置要素のひとつが外側歯車、太陽歯車又は遊星歯車に固定されている場合、後者がそれらの本来の回転能力を有利に維持し、特定のその他の変速装置要素がさらに回転できて、そこから生ずる変速比に応じて相互に反応できるという有利な特性を遊星運動ギアは有する。特に、変速装置の当該固定は、特に、自由度の点で、他の2つの変速要素間の相対速度の実質的変化を引き起こすため、この相対速度の変化を後進ギアの作動のために利用できる。
最後の点は、もし、遊星歯車が第3の変速要素である場合には特に確実である。もし、遊星歯車自体が、遊星運動ギアにおける当該太陽歯車の廻りに関してそれらの回転自由度内で固定されている場合には、方向の反転が外側歯車と太陽歯車との間で直ちに起こり、これにより、当該後進ギアを提供できて、もし、特定の前進ギアが対応して同様に走行する遊星歯車と一緒に提供される場合には、もし、必要なら、遊星運動ギアにより適切な方法で変速比を選択できる。
連続的可変変速装置、及び/又は、特に、円錐摩擦リング変速装置及び後進ギアからなる装置全体は、もし、第1変速要素を円錐摩擦リング変速装置の出力円錐とともに回転する小歯車によって駆動するようにすると、特にコンパクトに組立てられる。このタイプの装置は、即座のかつ直接の作用力、及び/又は、円錐摩擦リング変速装置と後進ギアとの間のトルクフローを確保するので、装置全体を極めてコンパクトに、かつ、それゆえ、特に現代の原動機車両にとって極めて無駄のないコストで組立できる。
最後の要件については、もし、第2変速要素が差動装置の回転台座に接続されて回転するならば、累加案として、及び/又は、代替え案として、有利にできる。特に、原動機車両の利用に関連して、主差動装置はこのように有利に利用できるので、後進ギアが即座にかつ直接に差動装置に組込まれて、後進ギアの駆動側の実施例とは関係なく、特に円錐摩擦リング変速装置と関連してコンパクトな組立が行われる。
特に、通常の運転については、もし、第1と第2の変速要素がお互いに固定し合うことができるならば都合が良い。後進ギアに関する切替えプロセスの具体的実施例によっては、遊星運動ギアを望む運転状態に固定するために、このタイプの適合を別の方法で有利に利用できる。第1及び第2変速要素をお互いに固定しあうことができるので、遊星運動ギアを経由した直接の作用力の流れが確保される結果、この運転状態では、遊星運動ギアが本質的に損失無しで作動するとともに、装置全体が特に前進ギアについては、極めて高効率で作動する。第3の変速装置及び2つの第1変速要素の交互の固定が好ましく適切に結合されると、遊星歯車がその各々の状態で確実に回転する。このように、変速要素間に必要な相互作用が非常に簡潔にかつコンパクトに提供されるので、もし、第1及び第2の変速要素が外側歯車及び遊星運動ギアの太陽歯車によって形成されるとともに、第3の要素が遊星歯車によって形成されるならば、この点についてそのことは特に有利である。この点は、もし、第2の変速要素が、差動装置の回転台座に直接接続される場合、及び/又は、それと一体の1部品で提供される場合、及び/又は、第1変速要素が出力円錐とともに移動する小歯車によって直接駆動される場合には、特に当てはまる。このタイプの実施例では、特に、通常の原動機車両の駆動装置において、そのそれぞれは部品数の多さと補充用原動機車両等級の変型の多さのため、等方向駆動装置と一緒に提供されて、装置全体が、極めてコンパクトでかつそれ故、コストに無駄の無い変速装置につながり、この点は極小型車両においてさえ利用可能である。
摩擦ロック又は形状合わせ接合のような非常に多様な取付けのタイプは、回転変速装置取付け、及び/又は、遊星運動ギア又は、例えば自由度の点で、ハウジングに関連する第3変速要素の取付けのために便利に応用できる。摩擦ロック接続、これが滑らかな転移を可能にし、かつこれは、具体的な実施例によれば、回転中に後進ギアに切替えることも可能にし、特に便利であることが示されてきた。しかしながら、この点は、比較的大きな力と摩擦損失のため、すべての応用例について有利というわけではなく、原動機と円錐摩擦リング変速装置との間の起動クラッチは特にこのタイプの場合に有利にできる。具体的応用例によると、クラッチ類には、よく知られた変速装置全般に関連して普通にあるものの通り、傾斜付きブレーキ装置、同期装置、及び類似の装置を適切に取付けできる。
後進ギアのこのタイプの装置もまた、上述の当該利点を変速装置に提供するために、本発明の特徴に累加する案として、及び/又は、本発明の特徴に代わる案として、有利であることがはっきりしている。この場合では、コンパクトさの度合い及びそれ故、利用される組立部品数、及び/又は、これにより生ずるコストの削減、及び/又は、原動機の回転方向などが特に、最重要である。
より大きなトルクを、確実にかつ少ない損失で伝達できる連続的可変変速装置を提供するためには、上述の特徴に対する累加案として、及び/又は、代替案として、変速経路に平行に位置する少なくとも2つの連続的可変部分変速装置とともに、このタイプの変速装置が設けられて、この2つの連続的可変部分変速装置が入力要素部、及び/又は、出力要素部で統合ギアにより切替えることを提案する。
統合ギアの利用は、万能ギアとも呼ばれ、関連する技術で必要とされるものと同様に、一様な速度、及び/又は、部分変速装置の変速要素のひとつに関する正確に一定な速度を必要としないという利点を有する。むしろ、両方の部分変速装置は、統合ギアが生み出す速度に対し、それら装置自身の速度に応じた貢献をなす。本発明による装置は、こうして、両方の部分変速装置が作動し、また別々に調整されることを可能にし、それ故、これが原因の摩擦損失、又は、増分の調整コストのような、強制される速度から生ずる不利益を被る必要無しに、トルクを2つの部分変速装置に分配するといった、ひとつの連続的可変変速装置を分解して2つの連続的可変部分変速装置に分けることから生ずる利点を利用している。
統合ギアによる2つの部分変速装置の切替えは、このギアが非対称かつそれ故、本来自由であり、それ故、変速装置の概念、及び/又は、取扱いの点で、特に、効率の点について、及び、制御器の要件の点について、意外なほど利点を生むが、この点は、遊星運動ギアの遊星歯車の結合によって必要とされるので、対称の場合にはありえない。
本発明による統合ギアの代表例は、例えば、遊星運動ギアは、3つの歯車構成要素(遊星歯車、太陽歯車、外側歯車)の2つが、2つの部分変速装置に接続されるとともに、第3のギア構成要素が出力部、及び/又は、駆動部として利用され、遊星運動ギアは歯車構成部品、及び/又は、差動装置として一緒に利用され、この中で2つの部分変速装置がそれぞれ、差動装置の差動要素のひとつに接続される。
2つの連続可変部分変速装置は、統合ギアの横側に横向きに設置された共有する変速要素を持つことができる。これは、例えば、共有の入力シャフト又は、共有の出力シャフトでよい。これは、また、特に、2つの連続的可変変速装置の直接変速要素であっても良く、これは部分変速装置によって一緒に利用される。この目的で、円錐摩擦リング変速装置では、例えば、円錐のひとつがそれ自体で共有の変速要素として考えられる。このタイプの実施例により、当該変速装置の要素の全数を、この二重利用により最小にすることができるので、このタイプの変速装置は比較的コンパクトに、かつコスト効率良く組立てられる。
本明細書において、「統合ギアの横側」という用語は、変速装置による作用力の流れによって限定される変速経路における方向を指し、幾何的、及び/又は、空間上の関係と絶対的に符合する必要は必ずしもない。
多重の連続的可変変換装置は、ひとつの主変速面を有し、その中に入出力シャフト、入出力円錐、又は、類似の対称回転体といった必須の組立部品類が配置されて、このように変速面を定める。本発明による変速装置は、もし、2つの部分変速装置の2つの主変速面がお互いに平行に位置していれば、特にコンパクトに組立てられる。もし、2つの部分変速面が同じものであれば特に凹凸のない平たい構造にできる。このようにして実現された本発明による変速装置は、非常に薄く組立てられるとともに、さらに、比較的大きなトルクに対してでも対抗できる。とりわけ、このタイプの変速装置は、負荷がかかる面のもとにある付属品用のその全体空間の点で、特に良好に設計されるとともに、特に何も追加せずに、現代のジーゼル機関の大きなトルクに対抗できるので、例えば、特に、ジーゼル機関を積んだ小型トラックには適切なものである。
さらに、さらに、歯車、及び/又は、後進ギアを切替えるといった適合可能な部分変速装置を、少なくとも、連続的可変部分変速装置のひとつと統合ギアとの間に設けることができる。このタイプの装置により、かなり広い運転具合を有する変速装置を、特に、連続前進及び後進駆動装置の可能性とともに提供できる。特に、駆動部を稼働させたままでさえ出力部がトルク無しでも停止するように、このタイプの変速装置にフィードバックすることが可能である。
たとえ、関連技術に応じた変速装置に関連して、本発明により変速装置全体の効率がかなり上がるにしても、連続的可変変速装置は、起動手順後、或いは幹線道路上或いは高速道路上といった特に、比較的一定の条件のもとで比較的大きな損失を示す。このタイプの損失を避けるため、特に、連続的可変変速装置が必ずしも絶対に必要ではないという運転条件のもとで、もし、少なくとも、連続的可変変速装置にバイパスを設けることができれば、これは都合が良い。このように、例えば、上述の運転条件のもとで、その比較的大きな損失を有する連続的可変部分変速装置にパイパスを設けることができると、これらの運転条件下では、効率が上がる。このタイプの2つの連続的可変変速装置の利用は本発明の他の特徴とは関係なくても有利であることははっきりしている。
さらなる利点、目標、及び本発明の特性は添付図面に関する次の説明を基礎にして説明する。
図1から図3に例示した変速装置は必ず2つの変速経路1,2を含み、これは同期させた切替えギア3により回転力伝達機構に交互に切替えできる。この場合では、第1変速経路1は、間隙6が円錐4,5の間に残るように対向して位置する2つの円錐4,5を有する円錐摩擦リング変速装置を持ち、この中で摩擦リング7が円錐5を取り囲む間に、この円錐摩擦リング変速装置がトルクを伝達できるように動き、円錐4は圧力装置8を含むとともに、これは、可変圧力が加わる間、補強軸受け9,10間で2つの円錐4及び5を補強する。
図1及び図4から特に明らかなように、円錐4は移動面12とさらに補強要素11を有するとともに、それらの間で、圧力装置8が動いており、圧力装置が、移動面12に関する軸上で補強要素11に取って代わることができる結果、補強要素11は補強軸受け9上に配置され、さらに、摩擦リング7に移動面12を押しつけ、この圧力は第2の円錐4及び補充の補強軸受け10によって支えられる。詳細には、圧力装置8は、2つの圧力要素15,16及び圧力要素間に位置する2つのローラー要素17と同様に2つのディスクバネ13,14を含む。
図2から即座に明らかなように、ディスクバネ13,14及び圧力要素15,16は圧力装置に関して連結して配置される結果、トルクの変化の際には、関連技術におけるものよりかなり大きな移動の役割が圧力要素15に残り、これがより正確でかつ再生可能な圧力の設定につながる。さらに、ディスクバネ13は放射状凹み18,19を持ち、これは移動面12及び/又は圧力要素15を持つ組立部品の当該突起部に噛合する。このように、ディスクバネ13は移動面12を有する組立部品と圧力要素15間のトルクを伝達し、これにより圧力要素15は移動面12を含む組立部品に関連するトルク負荷のかかったすべり移動から負荷を開放し、これが今度はより高い再現性で、トルクに応じた圧力を生じさせることにつながる。
回転体17は特定の圧力要素15,16の経路中を移動し、この代表的実施例ではこの要素は奥行きが変化しやすい。このように、圧力要素間にトルクに応じた距離を生じさせることができて、回転体17は圧力要素15,16がトルクの発生によって周辺付近で変位する時に発生する圧力の高い再現性を確保する。上述の特徴によりお互いに独立して発生する圧力の再現性を有利に確保できることがはっきりする。さらに、球17の代わりに、ローラー、及び/又は、圧縮要素上に定位置で固定された回転体のようなその他の回転体を利用できることが明らかである。さらに、駆動円錐5にこのタイプの圧力装置を設けることも考えられる。しかしながら、機械的な装置の代わりに、ある代替え実施例では、原動機駆動の作動装置を圧力装置用に設けることができ、これは動的油圧あるいは静的油圧の軸受けのように、トルクに依存する圧力を提供するには測定されたトルクを元に駆動される。さらに、圧力要素15,16の変位、及び/又は、移動面12を含む構成要素及び補強要素11の周辺の変位のみ、又は、例えば、補強軸受け9,10上の軸方向力を、発生させるトルクを決定するのに利用できることもはっきりしている。
図1から図5までに示した代表実施例は、さらに、起動クラッチを含み、このクラッチは連続的可変円錐摩擦リング変速装置2に関連する駆動側上にトリロックコンバータとして提供される。この目的のため、円錐摩擦リング変速装置1を含む変速経路は、切替ギア3、及び/又は、駆動ギア歯車35及び同期のギア歯車34を経由して、トリロックコンバータ20のポンプ歯車21に直接、接続が可能であるとともに、起動はトリロックコンバータのタービン歯車22により、また差動ギア部23により行うことができる。後者の差動ギア部23の差動装置側24は、タービン歯車22に剛に接続され、一方、第2差動装置側25はこの変速経路の出力部から利用されるとともに、ギア歯車26を経て変速装置全体の出力小歯車33を含む主出力シャフト28のギア歯車27まで接続され、このギア歯車27はまた円錐摩擦リング部分変速装置1の出力部29と噛合する。
例えば、出力小歯車33を電動機車両の主差動装置と噛合できる。差動ギア部23は2つの摩擦クラッチ30,31を含み、これらは交互に差動ギア部23の主入力部をハウジング32上あるいは出力部25上に固定できる。このように、すぐ分かるように、出力部の回転方向を変えることができ、これにより、前進及び後進のギアをこれ以上何もせずに提供できる。クラッチ30,31を解放している時、差動及びタービン歯車22がこれと一緒に自由に回転して、出力部が結合されていても円錐摩擦リング変速装置を利用できる。この装置は、起動のため、及び/又は、後進ギアにおいて、トリロックコンバータ20の種々の利点を利用できるという利点を有する。さらに、前進及び後進ギアは差動装置23によって極めてコンパクトな方法で提供される。さらに、切替装置3によりタービン歯車22を迂回できるとともに、円錐摩擦リング部分変速装置1はポンプ歯車21により直接駆動されるので、大きな出力損失及び通常運転時のすべりによるトルクの過度な増加を引き起こすというトリロックコンバータ20の短所を避けることができる。
2つの変速経路1及び2の同期もまた入力側で取られるように、2つの変速経路1及び2間の切替手順の前に、2つの変速経路1及び2の出力側の結合により、さらに、円錐摩擦リング部分変速装置1の変速比についての設定が可能となる。切替ギア3自身によってその他残りの同期化を行うことができ、トリロックコンバータ20もまたこれを支援するよう作用できる。図6に示した変速装置の装置において、同軸上で対向して位置する2つの回転する円錐91及び92は、また、摩擦リング93によりお互いに機械的に接続され、このリングは円錐91及び92の棚面間に残る間隙に沿って変位できるので異なる変速比を提供できる。
この装置において、駆動円錐91及び出力円錐92は両方共、同期装置94により主出力シャフト95の方へ切替が可能であり、このシャフトは、今度は小歯車96により原動機車両の主差動装置97と噛合できる。この装置において、駆動円錐91及び出力円錐92は同一数の回転方向反転で主出力シャフト95に接続されると、回転方向の反転を同期装置94によって直ちに確保できる。この装置は、組立部品数を最大限に少なくできる、つまりは極めてコストに無駄のない方法で前進及び後進ギアを提供できる。この場合では、円錐91,92のどちらかと同期装置94との間に、回転方向の反転を交互に生じさせることができるので、もし、必要であれば、この装置によって、第1ギア又は、オーバードライブ装置を無駄のないコストで製造できる。
駆動装置の回転方向に応じて、小歯車91a、及び/又は、92a、及び歯車91b、及び92bをベルト装置により接続するか、又は直接噛合できる。さらに、小歯車96及び主差動装置97間に回転方向を反転させるギア歯車を設けることが考えられる。同期装置が停止設定の位置、及び/又は、中間の位置に好ましく設けられると、円錐91,92が自由に回転できる。このように、摩擦リング93、及び/又は、他の結合要素は車両が停止している場合でも適合できる。
図6に示す装置は、前進及び後進ギアをコスト効率の良い方法で設けるため、円錐摩擦リング変速装置の回転方向反転の機能を特に利用している。この点はこのように、その他のすべての回転方向を反転する連続的可変変速装置についても適切である。さらに、図6に示す装置は、図1から図5までの装置のように、出力及び駆動の両方の側に変速要素を有しており、これを利用して、トルクを円錐摩擦リング変速装置91,92,93の廻りに誘導できる。
図7に示す回転力伝達機構もまた、連続的可変部分変速装置として円錐摩擦リング変速装置40を含み、これが、図1から図5に示す代表実施例におけるように、駆動側上の動力分配装置41と出力側の動力分配装置42とに割り当てられる。この場合では、第1ギア43は、動力分配装置41及び42により円錐摩擦リング変速装置40に平行に接続され、これらは、既に述べた通り駆動側上で同期が取られるとともに、これらを摩擦クラッチ44,45により、駆動部46と出力部47との間の回転力伝達機構に交互に切替えることができる。
図8に示す代表実施例では、駆動部と出力部の同軸上の装置を示し、これは連続変速装置の特に、円錐摩擦リング変速装置の両側にある同軸の出力部を有利な形で提供する。この点は、ハウジングの荷重が比較的小さくなることにつながるとともに、さらに、極めてコンパクトに組立てられ、特に、この代表実施例では、出力シャフト50は、円錐摩擦リング変速装置52の駆動円錐51を貫通するのが好ましい。この装置は、連続変速装置の他のタイプでも特に、電動原動機と組み合わせると都合が良く、後者の場合には出力シャフトもまた電動原動機の電機子シャフトを貫通できる。この代表実施例では、原動機(図示せず)がこのように駆動部53により駆動円錐51を駆動し、これが今度は摩擦リング54を通じて出力円錐55上にも作用する。この円錐は小歯車56により出力歯車57に機械的に接続され、この歯車は出力シャフト50上に据付けられる。
図9に示される変速装置は、そのハウジング60が電動原動機のハウジング61上に配置され、類似の構造を有する。この代表実施例ではまた、電機子シャフト53は中空のものとして提供され、出力シャフト50によって貫通される。しかしながら、出力小歯車56は、差動装置59の駆動歯車58と噛合し、これが今度は2部品の駆動シャフト50に接続される。ギア歯車をこの点にいずれにしても設けなくてはならないので、この装置は極めてコンパクトに組立てられる。さらに、この装置は、原動機と連続変速装置間の補充装置としてトルク低減用の遊星運動ギア62を有しているので、連続可変変速装置は過負荷とはならない。
図10に示された円錐摩擦リング装置80は、特に、図7、8,9の装置と組合わせて応用できるとともに、後進ギアを極めてコンパクトに提供でき、2つの円錐81及び82を含む変速装置80は、これらの円錐はリング83を通じて相互に作用し合う。円錐82は、標準円錐領域(D)に加えて、反対方向に回転する領域(R)を有し、この代表実施例では、これは遊星運動ギア85廻りに回転する円錐リング84によって提供され、これらの歯車は、今度は変速装置ハウジング86に固定して取付けられるとともに、その内部は円錐82の円錐シャフト87上で回転する。このように、円錐リング84は円錐82の残りの部分と反対に回転する。
さらに、円錐82は中立領域(N)も持ち、この領域がリング88を含み、このリングは、今度は自由に回転するよう円錐シャフト87上に取付けられる。この装置では、摩擦リング83は最初、主領域(D)から中立領域(N)に変位することができ、円錐リング88は自らを主円錐82及び摩擦リング83によって事前設定された回転に順応させる。もし、摩擦リング83はさらに後進領域(R)の方向に変位する場合には、それは主領域(D)を離れて、中立領域(N)の回転方向が反転リング84の回転方向に順応できる。このように、後進ギアは非常にコンパクトに提供される。
このように、もし、動力、及び/又は、速度分配器、及び/又は、添加器41又は42が適切に切替えられるとともに、変速比が適切に選択される場合には、円錐摩擦リング変速装置40及びシャフト43は回転するけれども、出力シャフト47の停止を行えるので、このタイプの後進ギア80、及び/又は、それ自身が既知の方法で提供される回転方向反転用装置でも、図7に示される代表実施例について特に有利にできる。このように、すべての運転状況すなわち、後進行程、前進行程、及び停止が、変わり目無しに、かつ、追加のクラッチ無しに車両で、提供できるか、あるいはそれでも尚、満載又は連続積荷運転のような追加の運転状況向けに、クラッチ類、又は追加の変速装置段を設けることができる。
図11から図18までに示す装置で、この装置は本質的に図1から図5までの装置と同じであるため説明の繰り返しを避けるが、2つの変速経路101、102が設けられており、これらは同期の切替ギア123、及び/又は、円錐クラッチ134を経由して回転力伝達機構に交互に切替えできる。この場合では、第1変速経路101が、間隙6が円錐104、105間に残るように2つの円錐104、105を有する円錐摩擦リング変速装置を再び対向して配置させ、円錐105を取り囲む間にこの中で摩擦リング107が移動する。
この円錐摩擦リング変速装置がトルクを伝達できるように、円錐104は圧力装置108を含み、それ自体既知の、及び/又は、上述の方法に、さらに可変の圧力を加えて、この装置が補強軸受け109、110間の2つの円錐104及び105を補強する。この目的で、圧縮装置は2つの回転要素117及び誘導体118及び119をもち、これらはディスクバネ120により補強されるとともに、次に説明されるように、これにより圧力装置108がトルクの作用として拡がるにつれて、それに応じて自らを軸受け109,110に押しつけて支持する中で、トルクの作用である圧力が加わる。
図11から特に明らかなように、後進ギアは駆動歯車124を含み、これを利用して変速経路102は主変速経路から分岐する。切替歯車125は中間歯車130及び133により駆動され、このギアは同期をとった切替ギア123により小歯車126に結合されることができ、この小歯車は、次は主差動装置115の外歯車127と直接噛合する。全体装置は、極めてコンパクトに組立てられるとともに、もし、駆動歯車124が同期をとった切替ギアにより駆動シャフト121に接続可能であり、かつ外歯車127と直接噛合する場合には、さらにコンパクトに提供されることができる。
この後進ギア102に加えて、装置が前進ギアを含み、これは連続変速装置101によって提供される。前進ギアは小歯車129により外歯車127に、そして例えば後進ギア102に結合されるとともに、クラッチ134により噛合できたり、解放できたりする。直ちに明らかなように、解放状態では、部分変速経路101及び102の特定の変速要素もまた自由に回転する。既に、上で示した通り、圧力装置108はクラッチ134と一緒に稼働する。
運転方式は図15から図18を参考にほぼはっきり理解できる。図15及び図16に示すように、圧力装置108を伝達されたトルクの作用として拡張できる。この場合では、図15は大きなトルク、つまりは圧力が大きな時の装置を示すとともに、図16は圧力が小さい時の装置を示す。支持体119自身をもうひとつの同じ装置150及び出力シャフト151を通じて補強軸受け109上に支持する中で、圧力は本質的にトルクの作用として発生する。出力小歯車129はまたシャフト151上に坐る。さらに、シャフト151は針軸受け152により主本体153上に放射状に取付けられる。トルクは、歯状物154(図18参照)及び155を通じて出力小歯車129へと出力円錐104から伝達される。圧力装置108で、これらのトルクは円錐117の変位を引き起こすと、図15及び図16で明らかなように、圧力が望む方法で変化できる。
図15から図18までで直ちに明らかなように、2つの本体119及び150は、お互いに、円錐面156,157を通じて押し合う。(図18参照)最後には2つの円錐面156,157は手動のクラッチ134を形成し、これは圧力装置108によって閉合される。クラッチ134を開放するため、全体装置はハウジングに固定したシリンダー158を有し、この中で、油圧系統160によりそれに圧力を加えることができるピストン159が移動する。
ピストン159は軸上の軸受け161及び支持体162により支持体119上に取付けられる。もし、ピストン159がそれに圧力を加えると、それはクラッチ134の本体150を圧力装置108の圧力から除荷する。クラッチ134が開放するにつれて、トルクはもはや伝達されず、圧力装置108が緩和されるとともに、クラッチ134を解放するか、あるいはそれを解放させ続けるために、ごく小さな圧力を加えなくてはならない。クラッチ134が解放される時、図18で分かるように間隙163は円錐面156,157間に留まる。
ピストン159及び油圧系統160の代わりに、別の手段を設けることもでき、これにより、本体119を除荷できるとともに、クラッチ134を解放できることが明らかである。いずれの手段も、それを利用してクラッチ134を迂回する一方で、本体119を全体変速装置のハウジング上に支えることができるものが特に適している。図15から図18までに示す装置は特にピストン159が回転することもなく、比較的コスト効率が良くシールできると言う点で際だっている。その装置は特に、クラッチを閉合するのに追加の装置が一切不要という利点を有する。さらに、いずれの場合もこの点について圧力装置を同様に装備しているので、閉合力は伝達されるトルクの作用であり、トルクとともに大きくなる。
それとともに図19及び20に示す装置はそれぞれ接続される円錐摩擦リング変速装置201及び後進ギア202を含む。これらの代表実施例では、円錐摩擦リング変速装置201は本質的には一様に組立てられるとともに、それぞれは入力円錐203及び出力円錐204を有し、これらはシャフト上で平行に、かつ互いに向き合って配置されて、これらの間で摩擦リング205が間隙206で変位可能となっており、可変変速比を摩擦リング205の位置の関数として設定できる。摩擦リング205はこれらの代表実施例では駆動円錐203を取り囲み、一方で出力円錐204は出力小歯車207を持ち運ぶ。円錐摩擦リング変速装置を具体的な実施例に応じて別々の異なる形で提供できることは明らかである。
図19に示す代表実施例では、出力小歯車207は組立部品208と直接噛合し、この部品が遊星運動ギア210の太陽歯車209を持ち運ぶ。図20に示す装置はまた、太陽歯車212を有する遊星運動ギア211を含み、太陽歯車は出力小歯車207によって駆動される。これはベルト213及び太陽歯車212と一緒に回転する歯車214により行われる。既知のベルトすべて、及び/又は、十分に信頼できる力の伝達を確保できるチェーン装置類をベルト213として利用できる。遊星運動ギア210及び211は両方とも遊星歯車215及び216を有し、それぞれの歯車はある片側では特定の太陽歯車209及び212とそれぞれ噛合するとともに、反対側では特定の外歯車217及び218とそれぞれ噛合する。
図19の実施例では、外歯車217が差動装置220の回転台座219に直接接続されている。この装置では遊星運動ギア210つまり後進ギア202は例えば差動装置220上に直接ある。回転力伝達機構の中で数多くの変速要素が最小化されるので、極めてコンパクトな構造を有するとともに、この理由でこの装置が極めて効率が良いということが示された。差動装置220上に直接に位置する後進ギア202は、コンパクトな構造のため、本発明のその他の特徴とは関係なくても、有利であることが明らかである。その他の点では、このタイプの装置は変速要素を最小限しか必要とせず、かつそれ故極めて高い効率を有するので、出力小歯車207が後進ギアの入力歯車と直接噛合するとともに、後進ギアの出力歯車が差動装置の回転台座に直接接続される装置は、円錐摩擦リング変速装置によって引き起こされる直接反転の故に、電動原動機車両機関用に有利である。
これに比較して、図20の実施例では、外歯車218は出力歯車221に接続されこれとともに回転し、これが今度は、差動装置223の回転台座222と噛合する。これによって起こる方向の反転はベルト装置213によって補償され、後進ギアが、図20の代表実施例の中間シャフト224の上に、及び/又は、周囲に配置される。中間シャフト224上の装置は、図20の装置全体の空間配置をより柔軟に行うことができるという図19に提案された差動装置220上に直接のる装置を超える利点を有する。この点は差動装置のごく近接部での空間上の相対関係が第3者の組立部品で制限されるという環境条件にとって特に有利である。
中間シャフト224上の後進ギアの配置は、特にまたそれにより起こる回転方向の変化故に、本発明のその他の特徴と関係無しでも有利であることが明らかである。後者の点は特に、円錐摩擦リング変速装置が逆の回転方向を持つ外国品原動機と組み合わせて用いなければならない場合には特に正しい。このタイプの場合には、ベルト装置213を無くしても済ますことができ、小歯車207をカラー214と噛合できる。さらに、もし、出力円錐204がシャフト224にじかに配置される場合これは有利になることができ、独立した出力小歯車207及びベルト装置213を完全に無くして済ませる。
さらに、技術に熟練した人には、円錐摩擦リング変速装置201から生ずる駆動力を外歯車217、及び/又は、218、及び/又は、太陽歯車209及び/又は212の代わりに、後進ギアのその他の変速要素により生じさせることもできることがすぐに明らかである。後進ギアの出力もまた、外歯車217及び/又は218により生じさせる必要はない。この目的のためには、むしろ太陽歯車、及び/又は、その他の変速要素を利用しても良い。
図19及び図20に示された代表実施例類をそれらの状態を「前進」、及び/又は、「後進」に確実に維持でき、固定装置類が各場合に設けられており、これを利用して変速要素をしっかり固定でき、これらの代表実施例では台座225、及び/又は、226の上に遊星歯車215、及び/又は、216が取付けられているとともに、これが遊星歯車とともに回転する。さらに、特定の遊星運動ギア210、及び/又は、211の2つの変速要素の相互固定を可能にする固定装置類が設けられる。
この場合では、図19の代表実施例において、太陽歯車209及び外歯車217はお互いに交互に固定されるとともに、図20の代表例では、外歯車218及び遊星歯車216の回転台座226がお互いに交互に固定される。変速要素をハウジングに、及び/又は、お互いに固定するためにクラッチ類、傾斜付きブレーキ装置類、及び/又は、同期装置類のような異なる固定装置類を利用できる。これらの3つは代表実施例で例として示されており、具体的な要件に応じて特に何も付け加えなくてもこれを置換できる。
図19に示す代表実施例では、遊星歯車215の台座225は電磁気制動装置227を利用して固定され、この装置は制動小歯車228を交互に制動でき、この小歯車は、今度は遊星歯車215の台座225と噛合する。それ故、もし、この装置で回転方向を変更しなくてはならない場合、それが最終的に停止するようになり、その後、方向を変えるまでに、太陽歯車209及び外歯車217に関連する台座225が減速される程度にまで、出力の行程、及び/又は、速度が減るように制動装置が作動する。外歯車217及び太陽歯車209は制動装置229を経由して取付けられ、このように遊星歯車215はまた外歯車217及び太陽歯車209と関連して取付けされる。
この状態では、遊星運動ギア210は極めて少ない損失で作動するので、この状態を前進ギアとして選択するのが好ましく、制動装置229と同じ制動装置を、例えば、台座225及び太陽歯車209、及び/又は、外歯車217間に設けることもできることが直ちに分かる。また、遊星運動ギア210自体を一致して停止させて、これを全体として回転させるためには、単に遊星歯車215が台座225に関連して回転するのを防ぐだけで十分である。
図20の代表実施例では、同期装置230により交互の固定が行われ、これを用いて台座226は、これが遊星歯車216を運搬するとともにそれらと一緒に回転し、外歯車218とともに、又は固定歯車231に関連して交互に同期をとることができ、この代表実施例では、この固定歯車はハウジング232に取付けられる。この場合で生ずる機構は図19の代表実施例で既に説明したものと同様であり、台座226を外歯車218の代わりに太陽歯車212と同期をとることができるのもはっきりしている。
図21で示される連続的可変変速装置はひとつの入力円錐301及び2つの出力円錐302、303を有し、そのそれぞれは、摩擦リング304,305により結合され、この面は入力円錐301に対し、特定の出力円錐302、303の廻りを回転する。摩擦リング304,305を円錐301,302,303間に残る間隙に沿って変位させることによって、それぞれ円錐301及び302または301及び303によって形成される部分変速装置306及び307をそれぞれ連続して変更できる。出力側で、2つの部分変速装置306,307、及び/又は、2つの出力円錐302,303は統合ギア308により出力シャフト309上に切替えられる。
図21に示された代表実施例では、統合ギア308は外カラー311、遊星歯車312、及び太陽歯車313を持つ遊星運動ギアを含む。外カラー311はさらにカラー314に固定されて接続され、これが今度は円錐303の出力シャフト316上に位置する小歯車315に噛合する。太陽歯車313はまた歯車317に固定して接続されるとともに、これと一緒に回転し、これが今度は円錐302の出力シャフト319上に位置する小歯車318と噛合する。さらに、遊星歯車312は出力シャフト309に接続された台座320に取付けられて、出力シャフト309及び遊星歯車312と一緒に回転する。
それ故、小歯車315、318、及び/又は、出力円錐302,303の速度が、変速比及び摩擦リング304,305の位置に応じて、シャフト309の全速度まで加えられる統合ギア308が設けられる。摩擦リング304,305の同一の位置、すなわち、2つの出力円錐302,303の同一の速度で、遊星歯車312は台座320でのその本来の回転に関して静止したままで、外カラー311及び太陽歯車313と一緒に単に回転するだけであるように変速比を選択するのが好ましい。
これにより、連続運転における損失を最小にすることができる。さらに、クラッチ321は損失を最小化するように使用され、これを利用して出力シャフト309を直接、あるいは具体的実施例次第では、速度変更ギアを通じて駆動円錐301に接続できる結果、特に、比較的一様な高速時の速度では連続的可変変速装置の利点を利用することはどんな場合でも不可能で、このタイプの連続的可変変速装置が不必要な損失につながるので、2つの部分変速装置306,307に迂回することができる。すぐに分かるように、統合ギア308は2つの円錐302、303とともに速度が加わるとともに、これらの円錐302,303に加わるトルクに関するトルクバランスとして利用される。
図22に示す代表実施例は本質的に図21の代表実施例と同じで、同一に作用する組立部品にはまた同一の参照番号をつけるとともに、同一機能の繰り返しは省かれている。図21における代表実施例の特徴に加えて、図22の代表実施例もまた固定クラッチ322を有し、これを用いて遊星歯車312の回転台座320を外カラー311に固定できるとともに、さらに、クラッチ323は、これを用いて台座320及び出力シャフト309を固定クラッチハウジング(これ以上の詳細は示さず)に固定できる。
第1クラッチ322は、ある運転状態での遊星歯車312の本来の回転の停止をさせる目的で利用される結果、遊星歯車312による損失が回避されるともに、ハウジング320及びシャフト309は外カラー311及び太陽歯車313と一緒に回転する。第2クラッチ323は遊星歯車312を所定の位置に固定しながら、それら自身の軸廻りの回転を可能にする目的で用いられる。この装置は、変速装置が外カラー及び太陽歯車313が反対方向に回転できる、及び/又は、回転するように設計される変速装置との相互作用のために特に設けられる。
例えば、追加して挿入されるギア歯車又は部分変速装置306,307の少なくともひとつと統合ギア308の間の変速経路にある別個の後進ギアによってもこれを提供できる。このタイプの装置では、駆動円錐301が回転していてもシャフト309上で速度がゼロになるように、2つの部分変速装置306,307により統合ギア308を作動できる。この状態で、変速装置を固定するのにクラッチ323を利用できる。
次に、このタイプの装置では、摩擦リング304、305を適合させる、及び/又は、部分変速装置306,307を適合させるだけで出力シャフト309を起動させることができる。図23に示す装置はまた図21の装置と本質的に同じである。例えば、この2つの装置の部分変速装置306,307は同一である。図23の装置では統合ギア308だけが、図21の装置と違って提供されている。この理由で、当該構成部品及びそれらの運転方式の持つと詳細な説明はここではまた省かれている。
図23に示す連続的可変変速装置では、出力シャフト309は遊星運動ギアの外カラー324に直接接続され、それと一緒に回転する。さらに、遊星歯車312は遊星歯車312及び歯車326と一緒に回転できる台座325に取付けられ、歯車326は円錐303の出力シャフト306上の小歯車315と噛合する。比較すると、太陽歯車313は、図21及び22の代表実施例の通り、円錐2の出力シャフト319上の小歯車318と噛合する歯車317に接続される。図23に示すギア308は、例えばまた統合ギアとして作用し、2つの部分変速装置306,307の速度を増したり、及び/又は、減らしたりする。
図24に示す装置は、また、その部分変速装置306、307に関する図21から図23までに示す装置と本質的に同じである。本質的に、ギア308だけが違って提供されている。この場合には、統合ギア308は傘歯車327及び328により駆動され、そのそれぞれは、それぞれ円錐303及び302のそれぞれ出力シャフト316及び319上に位置する。
この目的で、傘歯車327及び328は傘歯車329及び330とそれぞれ噛合し、これらは、今度は差動装置の固定傘歯車331及び332にそれぞれ接続され、この装置はそれら自身の軸廻りに回転する。図24のギアの出力は差動装置の回転する傘歯車333及び334のシャフト上の軸受けに接続されるギア歯車310により生じ、これが今度は差動装置の傘歯車331及び332とそれぞれ噛合する。すぐ分かるように、統合ギアもまたこの装置によって設けられる。
図25の代表実施例の基本的な構造は図24の代表実施例と同じであり、ここでは統合ギア308もまた本質的に差動装置335によって形成され、これは出力歯車336を利用して傘歯車337により出力シャフト309を駆動する。さらに、出力歯車336は傘歯車338と噛合し、これが今度は同期をとったクラッチ339を通じて駆動円錐301に接続可能であるので、この2部分変速装置306,307を必要に応じて迂回できる。
さらに、この装置では、出力円錐302、303の出力シャフト316、319は同期がとられたクラッチ、それぞれ340及び341を経由してそれぞれ傘歯車342,343及び344,345に交互に切替え可能であり、これらが今度はそれぞれ傘歯車346及び347と噛合し、そのそれぞれは差動装置の傘歯車に接続され、この装置が固定軸廻りに回転する。部分変速装置306、307を例えば,クラッチ340、及び/又は、341によって容易に変更できるので、図25の変速装置は極めて多様な変速様態を持つ。示された円錐摩擦リング変速装置306,307の代わりに、別の連続的可変変速装置を、本発明によるこのタイプの連続的可変変速装置向けの部分変速装置として有利に利用できることははっきりしている。
図21から図25までからすぐ分かるように、部分変速装置306,307は円錐軸348、349、350によって定義される部分変速平面を有し、これらはそれぞれお互いに平行に並んでいて、これらすべては当該図面の平面内にある。このように、これらの変速装置は、これらを例えば積載面の下部に設けることができるので、極めて薄く組立てられるとともに、トラック、及び/又は、小型トラック用に特に向くものである。本発明による変速装置は大きなトルク時でも2つの部分変速装置を利用して効率良く運転できるので、尚一層適するものであり、これは、2つの部分変速装置を利用して極端な高圧を避けることができるため現代のジーゼル機関で利用されて通りである。
基本的な説明及び図21から図24までの代表実施例に基づき既に示したように、そして、図25の顕著な代表例に基づき代表的な目的に関して説明したように、部分変速装置306,307は統合ギア308上に作用する回転方向の選択により、変速装置全体の特徴にかなり影響を及ぼすことができる。特に、回転方向を変更できるこのタイプの後進ギア、及び/又は、部分変速装置は有利である。この点に関する代案は図10で上述の部分変速装置80に関する例として説明されている。
図21から図25までに示された変速装置において、作用力の流れもまた反対方向に選択できるので、出力要素309,310は入力要素として利用され、かつ、入力円錐301は出力円錐として利用されることがはっきりしている。
図1,図4,図8、及び図9、さらに図14から図17から推定できるように、これらに示された連続的可変変速装置はこれらの軸受けの方向にそれぞれシール70(例として明らかにするのみ)によってシールされている。このように関連技術から知られているように、独立した液体空間が生じ、その中に円錐及び結合要素が配置される。本代表実施例では、「シリコンオイル」が液体として利用されるのが好ましく、この中で、およそモルで10〜30%のポリジメチルシロクサンのメチル群がフェニル群に置き換えられるのが好ましく、その粘性は25℃で約200mm2/secであるのが好ましい。
しかしながら、その他の液体でも、その物理的及び化学的変数の温度依存度が鉱物油のそれについて安定しており、及び/又は、対温度圧縮勾配、及び/又は、対温度粘性勾配に関して鉱物油の成分とシリコンオイルとの間に位置するものであれば利用できる。代表的流体類、及び/又は、上述の液体類の温度依存度は対数形式により図26で例として示されていて、白線89aは鉱物油を表すとともに、白線89bはシリコンオイルを表している。
これらの液体類は、液体によってブリッジがかかった間隙を、円錐4,5;51,55,81,82,91,92,104,105,203,204,301,302,303と、結合要素7;54,83,93,107,205,304,305の間に形成できるという運転条件のもとで確実となる。この間隙の存在を電圧測定により金属成分中で検出でき、例えば、この間隙は数回転後にしか、つまり、液体が分布している場合にしか形成できないので、間隙規模についての圧縮性及び粘性が適切に選択されるはずである。この場合では、補強装置、及び/又は、圧縮装置は運転状態の間、当該間隙が維持されるよう寸法が決められる。
異なる作動回路つまり円錐4,5;51,55,81,82,91,92,104,105,203,204,301,302,303の様々な半径に関し一様な面圧を確保するため、各円錐の作動面12は軸方向に異なるものとして提供されるのが好ましい。本代表実施例では、これが幅の異なる横溝(示されず)を通じて提供される。その他には、軸方向に変化する表面粗度、又は何か類似のものを設けることができる。
摩擦リング7;54,83,93,107,205,304,305の表面は、摩擦リング71に基づいた図27の代表的な目的に示すように、円錐4,5;51,55,81,82,91,92,104,105,203,204,301,302,303と、7;54,83,93,107,205,304,305との間に残る間隙における摩擦リング液体の剪断力に影響を及ぼすために横溝を設けるのが好ましい。摩擦リング71は2つの回転面72,73を持ち、そのそれぞれは、摩擦リング7;54に基づいて説明される通り、円錐4,5;51,55,81,82,91,92,104,105,203,204,301,302,303の表面と相互に作用する。
この場合に、面72,73は様々な表面の設計ができる。例えば台形ウェブ74(図27b参照)は、これらがリング71の残りの材料と特に良くなじむことができるので特に有利である。累加的に、及び/又は、代案的に、丸溝導入口(図27b及び図27c参照)を設けることができ、これにより直径が対向する面の内側フランジを避けることができる。丸溝導入口75はまた油薄膜の分布、及び/又は、面圧にとって有利のようである。丸溝底部(76,図27b,27c,及び27d参照)は、比較して、溝底部における負荷時のV字切り込み効果を避けることができる。本質的に、立方形ウェブ77(図27c参照)をも設けることができる。
図27d,及び27eに示すように、丸型外断面型79を有するウェブ78をも用いることができる。このタイプの横溝を円錐上に、また具体的実施例次第では、摩擦リング上に、一様な形で、及び/又は、様々に設けることができる。特に、横溝、及び/又は、ウェブの配置を面上にわたり、特に、軸方向に変化させることができる。面圧、及び/又は、面圧分布を、例えば、今度は、変化させたり、及び/又は、円錐、及び/又は、油膜厚に沿ってでも適切に設定したりできる。溝断面は、この場合、特定の変速要素の接触域からの油の排出量を特に大きく決定するさらに、摩擦リングは王冠歯型断面を有するのが好ましく、間隙の存在にもかかわらず、最大接触可能面積をヘルツの応力により提供できる。
図28及び図29に示す円錐摩擦リング変速装置はお互いに対向する位置にあるとともに、同じ円錐角度を有する放射方向の距離にある平行軸401,402上に位置する2つの傘摩擦歯車403,404を含む。傘摩擦歯車403,404間に、摩擦リング405は位置し、これはそれらの間隙を埋め、傘摩擦歯車403を取り囲むとともに、ケージ406内に保たれる。ケージ406は2つのクロスヘッド407,408及びそこに受けられた2つの平行心棒409、410によって形成される骨組を含む。これらの心棒409,410は、心棒401、402にかつ同時に、円錐角度で傾斜した傘摩擦歯車403,404の母線に平行に位置し、お互いの方を向いた2つのピン412を持つ作動ブリッジ411を運搬し、そのそれぞれの上に誘導ロール413が坐る。
誘導ロール413は両側で摩擦リング405と噛合し、これに必要な軸方向の誘導を与える。クロスヘッド407の中間部は回転部14の垂直軸を有し、その廻りにケージ406全体が回転可能である。この目的で、下部クロスヘッド408はそこに(もっと詳しい詳細は示されず)噛合する横断駆動装置415及び作動原動機416に接続される。回転部414の軸は、この代表実施例及び次に説明される代表実施例では、摩擦傘歯車403,404の回転軸によって定義される面内にある。これはまたそれに平行な面内にあるか、あるいは前者の面と鋭角に交差する。
もし、ケージ406が小さな角度で回転する場合には、摩擦駆動は作動ブリッジ411の軸方向の適合、つまり円錐摩擦リングの変速比の変更を引き起こす。この目的には極めて小さなエネルギーで十分である。プリテンションを与えるには、バネ417が横断駆動部415上に位置し、これがプリテンションをケージ406に加える。このプリテンションにより、作動原動機416の故障時、及び/又は、作動原動機416を駆動する電気系統の故障時に、ケージ406が傘摩擦歯車403、404の回転軸によって定義される平面について定義される適合角度だけ回転することが確保される。これにより、既に知られているように、2つの傘摩擦歯車403,404の回転により摩擦リングが円錐棚面に沿って移動するようになる。
この場合、バネ417は事前設定の角度つまり、事前移動速度、及び/又は、適合速度が確保されるように設定されて、装置全体の故障時でも作動原動機416に関しては駆動原動機を過負荷状態にすることはない。
さらに、傾斜スロープ418が代表実施例における作動ブリッジ411に設けられて、これはバネ420により変速装置ハウジングに取付けられたくさび419に相当する。もし作動原動機416、及び/又は、作動装置の別の要素が運転上の故障状態ならば、バネ420により反発力がバネ417の力に対して加えられて、摩擦リングを定められた安全作動経路内に保つ。別の実施例では、この装置、及び/又は、バネ417を省略できる。
この代表実施例では、バネ417、420は作動原動機416、及び/又は、傘摩擦歯車403、404の摩擦力が他に何もしないでもこれらのバネに打ち克つことができるように選ばれる。
図30に示される変速装置は図28及び29の変速装置と本質的には同じであるので、より詳細な説明を省略できる。この変速装置はまた2つの傘摩擦歯車を含み、そのうちのひとつだけを傘摩擦歯車421として塗りつぶして示す。
ケージ422はこの変速装置でも設けられ、これは摩擦リング(示されず)用の作動ブリッジ(示されず)を保持し、回転装置423の軸廻りに回転可能である。この代表実施例において、回転装置423の軸はおよそ傘摩擦歯車421の円錐の中程の高さに位置する。
この装置はまた作動手段を持ち、これが作動原動機、及び/又は、油圧作動器、又は類似の駆動部及び安全装置の形で作動可能な作動器を含んでいる。この場合、安全装置はバネ424をもち、これが、作動可能な作動器が何らかの理由で動かない場合に、傘摩擦歯車421の軸廻りに多少の角度で調整するように、変速装置ハウジング425に取付けられるとともに、ケージ422にプリテンションがかかる。このように、ケージ422は今度は通常の運転条件でプリテンションのかかった状態に保たれる。
図28及び図29に示す代表実施例から外れた一例として、この装置はバネ426によってバネ荷重がかかった抑制具427を有する。このバネ426は摩擦リングが抑制具427と反対に作動した場合に対向する力をつくって、ケージ422がバネ力424に反発して適合して、摩擦リングは定められた安全作動経路内で作動する。
図31に示す装置は図30の装置と本質的に同であるが、抑制具427は省略できる。この理由のため、この代表実施例では同一参照番号がまた選ばれた。この代表実施例の具体的実施例によっては、ケージ422を抑制具として利用できる。しかし、リングの適切な応用により、摩擦リング類は2つの傘摩擦歯車の回転運動によるトルクを受けて、これが傘摩擦歯車の回転軸によって決まる面内にある軸廻りに摩擦リングを捻りやすくなるとともに、傘摩擦歯車間の間隙に直角に位置することが示された。このトルクは摩擦リングと特定の傘摩擦歯車間の接触面積の違い及びこれらの接触面積の半径の違いによって生ずるということがはっきりしているとともに、その回転方向は傘摩擦歯車の回転方向の関数である。
このトルクのため、誘導されない摩擦リングは2つの傘摩擦歯車間の間隙に沿って特定の方向に移動しやすくなる。この点は、ケージ、及び/又は、作動ブリッジが十分滑らかに作動するとともに、そうでない場合は作用力類から拘束されないように取付けられている限り、ケージ、及び/又は、作動ブリッジにより誘導された摩擦リングについてもあてはまる。摩擦リングの表面の具体的実施例に応じて、このトルクの強さは適合経路に沿って変化する。
図31に示された実施例では、バネ424をバネ力が特定の移動経路上で定められた速度でのトルクを補償するように選ぶことができ、この経路がその後安全移動経路として利用される。摩擦リングによって加えられたトルクがこの安全移動経路を超えて卓越すると、摩擦リングは安全移動経路の方に移動し、さらに反対側ではバネ424のバネ力が卓越する結果、摩擦リングが安全移動経路のほうに移動するという点についてもまた確保される。安全移動経路428の一例を図31に示す。
図32は図31に図式的に示された代表実施例の具体的実績を示す。これは車両の後輪駆動用に利用されている当該変速装置である。油圧クラッチ、及び/又は、油圧コンバータ430は実際の円錐摩擦リング変速装置429の前面に位置しているとともに、遊星運動ギア431は円錐摩擦リング変速装置429の背後に位置している。同時に、出力シャフト432は傘摩擦歯車433駆動のシャフトを形成し、これが摩擦リング434により出力傘摩擦歯車435を駆動し、この出力シャフト436上に小歯車437が座り、これが変速出力シャフト439上で自由に回転するギア歯車440と噛合する。変速出力シャフト439はシャフト432と直線に並ぶとともに、自由に回転できるようにそこに受け止められる。
ギア歯車440と一体部品に接続された小歯車441は遊星運動ギア歯車431の太陽歯車を形成する。これは遊星運搬具443に保持された遊星ギア歯車442と噛合し、これが変速出力シャフト439の廻りを動く。遊星運搬具453は円筒状の突起物をもち、これが遊星ギア歯車442を噛合する磁気歯車444を取り囲むとともに、長さ方向の歯445により変速出力シャフト439に固定されて接続される。
さらに、葉状クラッチ446が遊星運動ギア431に設けられ、これが変速出力シャフト439を内ギア歯車444に接続できる。最後に、制動装置446が遊星運搬具443の円筒状突起物に割当てられる。葉状クラッチを作動することにより、前進駆動に切替えられる。もし、制動装置446が作動されれば、遊星運搬具443は固定されるとともに、変速出力シャフト439の方向の変更、すなわち、後進駆動が生ずる。
図32からすぐ明らかなように、傘摩擦歯車駆動部433は摩擦リング434によって取り囲まれ、その内棚面が傘摩擦歯車駆動部433の移動面415と摩擦により噛合し、その外棚面は出力傘摩擦歯車435の移動面451と摩擦で噛合する。
示してあるように、2つの傘摩擦歯車433、435は様々な直径を持っており、もし必要ならこれにより変速経路を次の出力部で省くことができる。重量を理由に2つの傘摩擦歯車433、435を中空として提供もでき、つまり、それらは単にそれらの棚面を含めるだけで良い。
摩擦リング434はケージ422内に保たれ、このケージは位置452での回転軸423の廻りに回転可能なように位置する。2つの平行する心棒453はケージ422の中に保たれ、その傾斜角度は傘摩擦歯車433,435の円錐角度に等しい。作動ブリッジ454はその中で摩擦リング434が滑動するように取付けられて、これらの心棒453上に誘導される。
作動スピンドル455は、これはハウジング425上に取付けられるとともに、これが作動原動機、又は磁石(図示せず)に接続され、そしてケージ422上で噛合するもので、ケージ422の適合用に設けられる。バネ424は作動スピンドル455とは横を向いたケージ422の端部に設けられる。
作動ブリッジがブリッジのように絶対に必要というわけではないことは明らかである。むしろ、この点については、円錐軸に平行に変位可能であり、かつ摩擦リングを誘導する組立部品であればどれも利用できる。この点はケージについても当てはまり、ケージの代わりに作動ブリッジを保持する他のいずれの組立部品も利用できる。さらに、この変速装置にはまた液体空間を分離するためのシール70がある。さらに、この例でも、間隙は円錐433及び435と、運転状態にある摩擦リング434との間にも同様に設けられる。
これまでに既に指摘した通り、バネ荷重のかかった抑制具を省略できる。代わりに、例えば、図33の代表実施例に基づいて示したように、剛な抑制具を用いることができる。その他には、この代表実施例の構造は上述の変速装置の構造と本質的に同じなので、この点についてはより詳細な説明を省略する。この変速装置でも同様、摩擦リング460が傘摩擦歯車461を取り囲むとともに、作動ブリッジ462及び2本の心棒463を持つケージを経由して取付けられ、このケージは上の代表実施例におけるように回転部464の軸廻りに回転可能である。運転方式及び/又は変速装置の構造はその他の点では図1から図5まで、図28及び図29及び/又は32に示される変速装置と本質的に同一である。
図30に示す代表実施例と比較すると、図33の変速装置はバネ荷重抑制具を含まない。この代表実施例では、ハウジング465上に設けられた固定抑制具466を、安全移動経路を定めるのに利用する。この場合には、安全装置はケージ上に矢印467の方向に回転部464の軸廻りにトルクを働かせる手段(図示せず)を有する。例えば、これは図30に示す代表実施例のバネ424又は、傘摩擦歯車、及び/又は、摩擦リング460の回転によって生ずるトルクに相当するバネで良い。抑制具466に届くなり、トルク467が緩衝される結果、摩擦リング460は円錐軸によって形成される面に垂直に並ぶ。もし、逆トルクがトルク467を越える場合、摩擦リング460はこの安全移動経路を離れて、この経路により逆トルクがゼロまで減り、つまり摩擦リング460をその安全移動経路に運搬するトルク467が再び活発になる。
図34に示した装置は図33の装置と本質的に同じであるので、同一参照番号がまた対応して使用されている。しかしながら、図34の変速装置はスピンドル468により適合可能な抑制具469を有しているので、安全移動経路を自由に選択することができる。抑制具469の代わりに、図35に示すように保持器470を設けることができ、これは、通常運転時に摩擦リング460の変位に自由に追随するとともに、摩擦リング460の調整、及び/又は、位置決めの安全に必要とされる場合にだけ利用される。このタイプの保持装置470は、特定の運転状態時に摩擦リング460を所望の位置に固定するため通常運転時の追加支保持装置として利用もできる。このように、一定の変速比を確実に設定かつ維持でき、この点は例えばオーバードライブ装置向け(高速)、及び/又は、起動手順向けに有利にできる。
このタイプの抑制具は、これらがハウジング上に固定されようと、あるいは変位可能であろうと、及び/又は、このタイプの追加の起動器であろうと、及び/又は、このタイプの追加の保持装置であろうとも、他の特徴とは関係なく有利であることが分かっている。さらに、結合要素の端部位置、及び/又は、摩擦リングを、センサーを用いて、特に電気的に探知できる。こうして、変速装置の欠陥のように、特に、特殊な運転状態においても速やかにかつ確実に示すことができる。特に、また、このタイプの抑制具は、摩擦リング、又は作動ブリッジとの代わりにケージ、又は類似の装置と相互に作用できる。このタイプの抑制具を別の移動経路を定めるために利用することもできる。さらに、スピンドル468及び当該抑制具、及び/又は、保持器469及び470により、図34及び35の代表実施例の作動ブリッジ462を積極的に誘導することも可能である。この目的のために、それぞれの場合に作動器469、470と作動ブリッジ462との間に十分な遊びが設けられているので、作動器469,470の変位は最初にケージ463の角度変更につながり、この後、リング460はこれに対応して回転軸を変位させるとともに、その後、作動器469、470の作動へと続く。
リング460のその自らの動力のもとでの適合のための角度が重要であり、この代表実施例ではケージ463の角度に関するプリテンションは、例えば、図31の装置と同じようにハウジングとケージの間のバネによって与えられる事が好ましく、作動ブリッジ463と作動器469,470間の遊びがケージ463の角度の意図せぬ変化につながることはありえない。
さらに、端部抑制具を図33の装置と対応してハウジング465上に設けることができ、これらの端部抑制具はリング460もこの代表実施例のその回転軸に関する円錐軸に平行に並ぶように配置されて、つまり、もはやそれ以上移動しない。このように、もしリングに関する位置決め装置が故障する場合でも変速装置の完全破壊を食止めることができる。センサー類もまた、作動ブリッジ462の当該位置を示すこの場所に設けることができる。
図36は代案としての適合可能性を示しており、この実施例の変型は極めてコスト効率良く組立てられている。この実施例の変型では、リング480が保持装置481によって片側のみに誘導される。この装置は接近側に設けられるので、選択された図例では、リング480は、保持装置481から出発し、最初に円錐482,483間の間隙を通り、その後、それが保持装置481に再び達する前に円錐482の廻りを回転する。保持装置481はスピンドル484上に取付けられるとともに、この装置が円錐軸によって形成される平面からのその回転軸の角度だけ変位できるように十分な遊びをもってリングを取り囲み、これにより、それが移動の動きをなすとともに、その自らの動力の下で保持装置481の動きに追随する。保持装置481の遊びに代わって、これが作動器484に関連する図36の面の回転自由度を与えることができ、スピンドルとして提供され、本質的に遊び無しでリングを誘導できる。
もし、リング480をその回転軸に垂直なトルクを有するようにこれを設けるならば、支持台485上のリング480をある側に誘導するだけの保持装置を設けることができ、これがこのトルクを相殺するとともに、所望の変位に応じて、リングがその自らの円錐軸によって形成される面を通ってその回転軸の回転運動を終えるようにリングから遠ざかって移動し、これが誘導部に届くまで移動を始め、この中でこれが再び適度に並ぶか、あるいはこれがこの方向に移動する中でリングの回転軸が回転する結果、これがもはやこれに追随しなくなるまで誘導部から遠ざかって移動するとともに、これは、これが再び誘導部に到達するまでその自らのトルクによりその回転軸の方に回転仕返す。
後者の装置は、リング480から離れて特に大きな遊び量を残すので、これにより極めて自由にかつ自己安定するように移動でき、これにより摩擦損失を最小限にできる。