JP2009292531A - タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋 - Google Patents

タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋 Download PDF

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Abstract

【課題】口頸部(46)の開封の際にはタンパーエビデント裾部(12)を含む容器蓋(2)全体が口頸部から離脱されるが、タンパーエビデント裾部がスカート壁(6)の主部に接続された部位から下方に螺旋状に延びて口頸部への容器蓋の再装着操作がタンパーエビデント裾部によって阻害されることが確実に回避される、タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋を提供する。
【解決手段】タンパーエビデント裾部(12)に形成されている軸線方向破断手段(44)の配設位置と周方向破断手段(8)における非破断領域(30)の配設位置とを特定関係、即ち周方向に少なくとも160度以上離隔せしめる。
【選択図】図2

Description

本発明は、口頸部の外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている、飲料等を収容する容器に適用される、タンパーエビデント特性(不正を加えるために容器蓋が操作されると、その痕跡が残留する特性)を備えた合成樹脂製容器蓋に関する。
下記特許文献1及び2には、口頸部の外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋として、天面壁とこの天面壁から垂下するスカート壁とを具備し、スカート壁には周方向に延在する周方向破断手段が形成されており、スカート壁は周方向破断手段よりも上方の主部と周方向破断手段よりも下方のタンパーエビデント裾部と区画されており、スカート壁の主部の内周面には口頸部の雄螺条と協働する雌螺条が形成され、タンパーエビデント裾部の内周面には口頸部の係止あご部と協働する係止手段が形成されている合成樹脂製容器蓋が開示されている。周方向破断手段は周方向に間隔をおいて配設されタンパーエビデント裾部をスカート壁の主部に接続している複数個の橋絡部を含み、タンパーエビデント裾部にはタンパーエビデント裾部の上端から下端まで実質上連続して延びるスリットから構成された軸線方向破断手段が形成されている。軸線方向破断手段に隣接した軸線方向破断手段の周方向両側に位置する橋絡部は、横断面積が他の橋絡部よりも大きい高強度橋絡部である。
容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封する際には、口頸部に容器蓋を被嵌して閉方向に回転せしめ、かくして口頸部の雄螺条に容器蓋の雌螺条を螺合せしめる。雄螺条と雌螺条との螺合に応じて口頸部に対して容器蓋は下降され、容器蓋の係止手段は容器蓋の係止あご部を弾性的に乗り越えてその下面に係止せしめられる。容器の口頸部を開封する際には、容器蓋を開方向に回転せしめる。かくすると、容器蓋の雌螺条が口頸部の雄螺条に沿って移動せしめられて両者の螺合が解除される故に、容器蓋は開方向への回転と共に口頸部に対して上昇される。然るに、タンパーエビデント裾部に形成されている係止手段は口頸部の係止あご部に係止されている故に、タンパーエビデント裾部は上昇が阻止され、これに起因して周方向破断手段に応力が生成される。かかる応力に応じて、軸線方向破断手段の両側に配設されている高強度橋絡部のいずれか一方を残留せしめて残りの橋絡部の全てが破断され、かくしてタンパーエビデント裾部は高強度橋絡部の一方のみを介してスカート壁の主部に接続された有端帯状に展開される。しかる後においては、タンパーエビデント裾部もスカート壁の主部と共に上昇せしめられ、容器蓋の全体が口頸部から離脱される。
特許第3847868号公報 特許第3939808号公報
上述したとおりの合成樹脂製容器蓋は、口頸部の開封の際に周方向破断手段が周方向全周に渡って破断されてタンパーエビデント裾部がスカート壁から分離され、タンパーエビデント裾部は口頸部から離脱されることなく口頸部に残留せしめられる形態の合成樹脂製容器蓋に比較して、タンパーエビデント特性が優れている(タンパーエビデント裾部が口頸部に残留せしめられる形態の場合には、口頸部から離脱された容器蓋のタンパーエビデント裾部以外の部分を再び口頸部に装着した時に、周方向破断手段が既に破断されたことが必ずしも明確に表示されない傾向がある)、所謂ごみの分別収集のためにタンパーエビデント裾部をナイフ等によって切り裂いて口頸部から離脱する必要がない、等の利点を有する。しかしながら、本発明者等の経験によれば、次のとおりの解決すべき問題点を有する。即ち、容器の口頸部から容器蓋を離脱せしめると、タンパーエビデント裾部はスカート壁に接続された部位から下方に螺旋状に延びる形態になる。それ故に、容器の口頸部に容器蓋を再装着して口頸部を仮密封する際に螺旋状に延びるタンパーエビデント裾部が再装着操作を阻害する。口頸部に容器蓋を再装着するためには、スカート壁の主部からタンパーエビデント裾部を切り離す或いはタンパーエビデント裾部を適宜の方向に変位せしめるという煩雑な操作が必要である。切り離したタンパーエビデント裾部は所謂ごみとして投棄されてしまう傾向がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、口頸部の開封の際にはタンパーエビデント裾部を含む容器蓋全体が口頸部から離脱されるが、タンパーエビデント裾部がスカート壁の主部に接続された部位から下方に螺旋状に延びて口頸部への容器蓋の再装着操作がタンパーエビデント裾部によって阻害されることが確実に回避される、新規且つ改良された合成樹脂製容器蓋を提供することである。
本発明者等は、鋭意研究の結果、タンパーエビデント裾部に形成されている軸線方向破断手段の配設位置と周方向破断手段における非破断領域の配設位置とを特定関係にせしめることによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋として、口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋であって、
天面壁と該天面壁から垂下するスカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に延在する周方向破断手段が形成されており、該スカート壁は周方向破断手段よりも上方の主部と該周方向破断手段よりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該スカート壁の該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条と協働する雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には該口頸部の該係止あご部と協働する係止手段が形成され、該周方向破断手段は周方向に間隔をおいて配設され該タンパーエビデント裾部を該スカート壁の該主部に接続している複数個の橋絡部を含み、該タンパーエビデント裾部には該タンパーエビデント裾部の上端から下端まで実質上連続して延びるスリットから構成された軸線方向破断手段が形成されている合成樹脂製容器蓋において、
該周方向破断手段は1個の高強度橋絡部又は周方向に間隔をおいて配設された複数個の高強度橋絡部から構成された非破断領域を含み、
該軸線方向破断手段は該非破断領域の周方向中心から少なくとも160度以上周方向に離間して配置されており、該軸線方向破断手段の周方向両側には該軸線方向破断手段に隣接して該非破断領域を構成する該高強度橋絡部の合計横断面積よりは小さいが他の橋絡部の横断面積よりは大きい中強度橋絡部が配設されており、
該雌螺条を該雄螺条に螺合せしめて該係止手段を該係止あご部に係止せしめることによって該口頸部に装着され、該雌螺条と該雄螺条との螺合を解除して該口頸部から離脱される際には、該非破断領域は破断されることなく維持され、該中強度橋絡部の少なくとも一方は他の橋絡部と共に破断される、
ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
好ましくは、該雌螺条と該雄螺条との螺合を解除して該口頸部から離脱される際には、該中強度橋絡部の双方共破断される。該軸線方向破断手段は該非破断領域に対して直径方向に対向した部位に配置されており、該軸線方向破断手段の周方向両側に配設されている該中強度橋絡部の横断面積は実質上同一であるのが好適である。
本発明の合成樹脂製容器蓋においては、容器の口頸部から容器蓋を離脱せしめる際には、タンパーエビデント裾部は軸線方向破断手段において2個の弧状片に分割され、2個の弧状片の少なくとも一方、好ましくは双方共、スカート壁の主部に接続されている非破断領域を支点として半径方向外方に変位して口頸部のあご部から離脱される。タンパーエビデント裾部が螺旋状に延在することはなく、少なくとも1個、好ましくは2個の弧状片としてスカート壁の主部から半径方向外方に変位する故に、スカート壁の主部に接続されているタンパーエビデント裾部によって容器蓋の再装着操作が阻害されることはない。タンパーエビデント裾部に形成されている軸線方向破断手段の両側に配置されている中強度橋絡部は、容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封する際に、タンパーエビデント裾部の上端から下端まで実質上連続して延びるスリットから構成されている軸線方向破断手段が周方向に過剰に開かれ、幾つかの橋絡部が破断されてしまうことを確実に防止する。
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
図1は、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態を図示している。ポリプロピレン又はポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成することができる、全体を番号2で示す容器蓋は、円形天面壁4とこの天面壁4の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁6とを具備している。スカート壁6には周方向破断手段8(この周方向破断手段8については後に更に詳細に説明する)が形成されており、スカート壁6は周方向破断手段8よりも上方の主部10と周方向破断手段8よりも下方のタンパーエビデント裾部12とに区画されている。
スカート壁6の主部10の外周面は、その下端部を除いて円筒形状であり、その下端部は外径が漸次増大する円錐台筒形状である。主部10の円筒形状部には、そこに掛けられる指の滑りを防止するための凹凸形状14が形成されている。主部10の内周面には雌螺条16が形成されている。かかる雌螺条16は周方向に間隔をおいた部位にて螺条高さ及び幅が低減された所謂保持螺条18を有する。かかる補助螺条18は容器の口頸部が開封される際の所謂通気路を構成する。主部10の上端部には、周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット19も形成されている。タンパーエビデント裾部12の上端部は円筒形状であるが、上端部に続く部分は下方に向かって外径が漸次増大する円錐台筒形状である。タンパーエビデント裾部12の内周面には、周方向に間隔をおいて半径方向内方及び上方に延出する複数個の係止片20が形成されている。かかる係止片20は、後に更に言及する如く、容器の口頸部に形成されている係止あご部と協働する係止手段を構成する。天面壁4の内面周縁部には2条の環状シール突条、即ち外側シール突条22及び内側シール突条24が一体に形成されている。
而して、図示の容器蓋2における上述したとおりの形態は、本発明が適用される容器蓋の典型例における形態を例示するものであり、本発明に従って構成された容器蓋の新規な特徴を構成するものではない。それ故に、本明細書においてはこれらについての詳細な説明は省略する。
図1と共に図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態においては、スカート壁6の主部10の内周面下端部には下方を向いた環状肩面26が形成されている。そして、主部10の下端内周面及びタンパーエビデント裾部12の上端内周面には、環状肩面26から下方にタンパーエビデント裾部12の上端部まで垂下する突条28a及び28bが周方向に等間隔をおいて形成されている。突条28aと突条28bとは交互に配置されており、突条28aの周方向幅は突条28bの周方向幅より幾分小さい。上記周方向破断手段8は、突条28a及び28bが形成されている領域において、スカート壁6を外周面から部分的に切断することによって形成されている。更に詳述すると、図2を参照することによって明確に理解される如く、周方向における番号30、32及び34で示す領域においては、スカート壁6の外周面からの切り込み深さが比較的浅く、スカート壁6の厚さの略半分であるのに対して、上記領域30、32及び34以外の領域においては、スカート壁6の外周面からの切り込み深さが比較的深く、スカート壁6はその厚さ全体に渡って切り込まれており、突条28a及び突条28bのみが切断されることなく残留せしめられている。かくして、領域30においては、横断面積が大きい1個の高強度橋絡部36が配設され、領域32及び34においては横断面積が高強度橋絡部36よりは小さい中強度橋絡部38及び40が配設されている。そして、上記領域30、32及び34以外においては、突条28a及び突条28bに対応して横断面積が小さい橋絡部42a及び42bが配設されている。高強度橋絡部36が配設されている領域30は、後の説明から明らかになるとおり非破断領域を構成している。
図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態においては、上記高強度橋絡部36に対して直径方向に対向する部位、即ち高強度橋絡部36の周方向中心に対して180度の間隔をおいた部位に軸線方向破断手段44が配設されている。この軸線方向破断手段44は、タンパーエビデント裾部12の上端から下端まで連続して延びるスリット(所謂完全切断)によって構成されているのが好適であるが、上端から下端まで実質上連続して延びるスリット(即ち中間部位或いは上端又は下端に若干の非切断部が残留するが残留部の長さ及び/又は残留厚さは極めて僅かである形態)でもよい。上記中強度橋絡部38及び40は、軸線方向破断手段44の周方向両側に軸線方向破断手段44に隣接して位置していることが重要である。軸線方向破断手段44と中強度橋絡部38及び中強度橋絡部40の離間角度α及びβは0乃至12度程度であるのが好都合である。角度αと角度βとは同一であるのが好適である。また、中強度橋絡部38の横断面積と中強度橋絡部40の横断面積とも同一であるのが好ましい。
図示の実施形態においては、軸線方向破断手段44は非破断領域を構成する高強度橋絡部36に対して直径方向に対向して位置せしめられているが、所望ならば、図2において時計方向或いは反時計方向に幾分かの角度だけ変位せしめることもできる。しかしながら、非破断領域を構成する高強度橋絡部36の周方向中心に対して軸線方向破断手段44は少なくとも160度以上である角度θだけ周方向に離間して配設されていることが重要である。
図3には容器の口頸部46に容器蓋2を所要とおりに装着した状態が図示されている。ガラス又はポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成することができる容器の口頸部46は、全体として円筒形状であり、その外周面には、雄螺条48とこの雄螺条48の下方に位置する環状係止あご部50とが形成されている。清涼飲料の如き適宜の内容物を容器に充填した後に、口頸部46に容器蓋2が装着される。この際には、口頸部46に容器蓋2が被嵌され、容器蓋2が閉回転方向、即ち図3において上方から見て時計方向に回転され、かくして容器蓋2における雌螺条16が口頸部46の雄螺条48に螺合せしめられ、容器蓋2は回転に応じて下降せしめられる。容器蓋2のタンパーエビデント裾部12に形成されている係止片20は、弾性的に変形せしめられて口頸部46の係止あご部50を通過し、しかる後に弾性的に復元して係止あご部50に係止される。係止片20が係止あご部50を通過する際には、タンパーエビデント裾部12には半径方向外向きの力が作用し、かかる力に起因してタンパーエビデント裾部12における軸線方向破断手段44を構成するスリットが拡張されんとする。しかしながら、本発明に従って構成された容器蓋2においては周方向に見てスリットの片側には中強度橋絡部38(図2)が存在し、他側には中強度橋絡部40(図2)が存在し、かかる中強度橋絡部38及び40による保持作用によってスリットの望ましくない拡張が充分確実に防止され、従って容器蓋2の装着時に橋絡部42a及び42b(図2)が破断されてしまうことが充分確実に防止される。容器蓋2における天面壁4の内面に形成されている外側シール突条22及び内側シール突条24は、夫々、口頸部46の外周面及び内周面に密接せしめられ、これによって口頸部46が密封される。
容器の口頸部46を開封する際には、容器蓋2を開回転方向、即ち図3において上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、容器蓋2におけるスカート壁6の主部10に形成されている雌螺条16が容器の口頸部46に形成されている雄螺条48に沿って移動せしめられる故に、容器蓋2は回転と共に上昇せしめられる。然るに、容器蓋2のタンパーエビデント裾部12は、その内周面に形成されている係止片20が口頸部46の係止あご部50に係止せしめられているので、上方への移動が阻止される。従って、スカート壁6に配設されている周方向破断手段8における中強度橋絡部38、40並びに橋絡部42a及び42b(図2)に相当な応力が生成され、かかる応力に起因して中強度橋絡部38、40並びに橋絡部42a及び42bが破断される。しかしながら、高強度橋絡部36(図2)は破断されることなく維持される。かくして、図4に図示する如く、タンパーエビデント裾部12は、軸線方向破断手段44によって分割された2個の弧状片12a及び12bの形態になり、2個の弧状片12a及び12bの各々は高強度橋絡部36の周方向両側部を支点として半径方向外側に変位せしめられる。そして、タンパーエビンデト裾部12のかような変形乃至変位によって係止あご部50に対する係止片20の係止が解除される。しかる後においては、タンパーエビデント裾部12を含む容器蓋2の全体が開回転方向への回転と共に上昇して口頸部46から離脱され、口頸部46が開封される。図示の実施形態においては、高強度橋絡部36に対して直径方向に対向した部位に軸線方向破断手段44を配設し、2個の弧状片12a及び12bを対称形状として、開封の際には2個の中強度橋絡部38及び40の双方とも破断せしめられることを意図しているが、特に高強度橋絡部36に対して直径方向に対応した部位から周方向に幾分変位した部位に軸線方向破断手段44を配設し、2個の弧状片12a及び12bの一方を比較的長くし他方を比較的短くした場合には、短い方の弧状片12a又は12bに配設されている中高度橋絡部38又は40は破断されることなく維持されたままでも特に問題が発生することはない。
容器の内容物を全て消費することなく幾分かの内容物を残留せしめた場合には、口頸部46から離脱された容器蓋2を再び口頸部46に被嵌し、閉回転方向に回転せしめる。閉回転方向への回転に応じて容器蓋2の雌螺条16が口頸部46の雄螺条48に螺合され、容器蓋2は回転と共に下降せしめられる。容器蓋2が充分に下降せしめられると、天面壁4の内面に形成されている外側シール突条22及び内側シール突条24が再び口頸部46の外周面及び内周面に密接せしめられ、これによって口頸部46が仮密封される。容器の口頸部46から一旦離脱せしめられた容器蓋2におけるタンパーエビデント裾部12は、図4に図示する如く、軸線方向破断手段44によって分割された2個の弧状片12a及び12bの形態であり、高強度橋絡部36の周方向両側部を支点として半径方向外側に変位せしめられている。それ故に、口頸部46を仮密封するために口頚部46に容器蓋2を再装着する際に、タンパーエビデント裾部12によって容器蓋2の再装着操作が阻害されることはない。
図5及び図6には、非破断領域を構成する領域30に形成されている高強度橋絡部の変形例を図示している。図5に図示する変形例においては、領域30においてはスカート壁6には全く切り込みが生成されておらず、高強度橋絡部36はスカート壁6の厚さ全体に渡って存在せしめられている。図6に図示する変形例においては、非破断領域を構成する領域30には周方向に間隔をおいて2個の高強度橋絡部36a及び36bが配設されている。更に詳述すると、領域30a及び30bにおいてはスカート壁6には全く切り込みが生成されておらず、スカート壁6の厚さ全体に渡って存在する2個の高強度橋絡部36a及び36bが形成されている。一方、領域30aと領域30bとの間の領域においてはスカート壁6はその厚さ全体に渡って切断されており、橋絡部が存在しない。図6に図示する変形例の如く、非破断領域を構成する領域30に複数個の高強度橋絡部を配設する場合には、複数個の高強度橋絡部の横断面積の合計横断面積は中強度橋絡部38及び40(図2)の各々の横断面積よりも大きい、換言すれば中強度橋絡部38及び40の各々の横断面積は複数個の高強度橋絡部の合計横断面積よりも小さいことが重要である。
図7は中強度橋絡部38及び40の変形例を図示している。図7に図示刷る変形例においては、2個の中強度橋絡部38及び40は軸線方向破断手段44に対して間隔をおくことなく軸線方向破断手段44の両側に配設されており、軸線方向破断手段と中強度橋絡部38及び40との離間角度α及びβハ実質上零である。
本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す正面図。 図1の線II−IIに沿った断面図。 図1に示す容器蓋を容器の口頚部に装着した状態を、一部を断面図で示す正面図。 図1の容器蓋を、容器の口頚部に装着し次いで口頚部から離脱した後の状態で示す斜面図。 非破断領域の変形例を示す部分断面図。 非破断領域の他の変形例を示す部分断面図。 中高度橋絡部の変形例を示す部分断面図。
符号の説明
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
8:周方向破断手段
10:スカート壁の主部
12:タンパーエビデント裾部
16:雌螺条
20:係止片(係止手段)
30:領域(非破断領域)
36:高強度橋絡部
38:中強度橋絡部
40:中強度橋絡部
42a:橋絡部
42b:橋絡部
44:軸線方向破断手段
46:容器の口頚部
48:雄螺条
50:係止あご部

Claims (3)

  1. 口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋であって、
    天面壁と該天面壁から垂下するスカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に延在する周方向破断手段が形成されており、該スカート壁は周方向破断手段よりも上方の主部と該周方向破断手段よりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該スカート壁の該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条と協働する雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には該口頸部の該係止あご部と協働する係止手段が形成され、該周方向破断手段は周方向に間隔をおいて配設され該タンパーエビデント裾部を該スカート壁の該主部に接続している複数個の橋絡部を含み、該タンパーエビデント裾部には該タンパーエビデント裾部の上端から下端まで実質上連続して延びるスリットから構成された軸線方向破断手段が形成されている合成樹脂製容器蓋において、
    該周方向破断手段は1個の高強度橋絡部又は周方向に間隔をおいて配設された複数個の高強度橋絡部から構成された非破断領域を含み、
    該軸線方向破断手段は該非破断領域の周方向中心から少なくとも160度以上周方向に離間して配置されており、該軸線方向破断手段の周方向両側には該軸線方向破断手段に隣接して該非破断領域を構成する該高強度橋絡部の合計横断面積よりは小さいが他の橋絡部の横断面積よりは大きい中強度橋絡部が配設されており、
    該雌螺条を該雄螺条に螺合せしめて該係止手段を該係止あご部に係止せしめることによって該口頸部に装着され、該雌螺条と該雄螺条との螺合を解除して該口頸部から離脱される際には、該非破断領域は破断されることなく維持され、該中強度橋絡部の少なくとも一方は他の橋絡部と共に破断される、
    ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。
  2. 該雌螺条と該雄螺条との螺合を解除して該口頸部から離脱される際には、該中強度橋絡部の双方共破断される、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。
  3. 該軸線方向破断手段は該非破断領域に対して直径方向に対向した部位に配置されており、該軸線方向破断手段の周方向両側に配設されている該中強度橋絡部の横断面積は実質上同一である、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。
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