JP2009291720A - 触媒組成物および触媒組成物の製造方法 - Google Patents
触媒組成物および触媒組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009291720A JP2009291720A JP2008148513A JP2008148513A JP2009291720A JP 2009291720 A JP2009291720 A JP 2009291720A JP 2008148513 A JP2008148513 A JP 2008148513A JP 2008148513 A JP2008148513 A JP 2008148513A JP 2009291720 A JP2009291720 A JP 2009291720A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide
- particles
- heat
- aqueous solution
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
【解決手段】触媒組成物において、セリウム、ジルコニウムおよび/または希土類元素(セリウムを除く。)を含む耐熱性酸化物にPdを固溶および/または担持し、さらに、アルカリ土類金属を担持する。そして、この触媒組成物におけるPdの含有量を、0.3〜0.8重量%に調節する。
【選択図】なし
Description
また、白金などの貴金属は、一般的に高価であるため、コストパフォーマンスの向上が望まれる。
また、本発明の触媒組成物の製造方法は、Pdを含有し、セリウム、ジルコニウムおよび/または希土類元素(セリウムを除く。)を含む耐熱性酸化物を有する触媒組成物の製造方法であって、セリウムの塩、ジルコニウムの塩および/または希土類元素の塩を混合して混合塩水溶液を調製する工程と、前記混合塩水溶液に中和剤を加えて共沈物を得る工程と、前記共沈物を、400〜1200℃で1次焼成して前駆体酸化物を得る工程と、前記前駆体酸化物とPd塩とを、前記耐熱性酸化物においてPdの含有量が0.3〜0.8重量%となる量で混合し、300〜800℃で2次焼成する工程と、2次焼成された前記前駆体酸化物とアルカリ土類金属塩とを混合し、400〜1200℃で最終焼成することにより、前記耐熱性酸化物を得る工程とを備えることを特徴としている。
そして、本発明の触媒組成物によれば、耐熱性酸化物に固溶および/または担持されるPdの含有量、すなわち、触媒組成物に含有されるPdの含有量が、0.3〜0.8重量%であるので、優れたコストパフォーマンスで、長期にわたって、Pdの粒成長による触媒活性低下を防いで、高い触媒活性を保持することができる。
本発明の触媒組成物において、耐熱性酸化物は、セリウムと、ジルコニウムおよび希土類元素(セリウムを除く。)の少なくとも一方とを、必須成分として含んでおり、好ましくは、セリウム、ジルコニウムおよび希土類元素(セリウムを除く。)を含んでいる。
また、上記耐熱性酸化物において、ジルコニウムの原子割合は、セリウム、ジルコニウムおよび希土類元素の総和を100とした場合に、例えば、10〜90であり、好ましくは、30〜80である。
また、上記耐熱性酸化物の比表面積(BET比表面積)は、固溶および/または担持されるPdの量(Pdの含有量)により異なるが、例えば、120〜20m2/gであり、好ましくは、100〜20m2/gである。
アルカリ土類金属としては、例えば、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)などが挙げられる。アルカリ土類金属として、好ましくは、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられ、さらに好ましくは、Baが挙げられる。これらアルカリ土類金属は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用することもできる。
そして、上記耐熱性酸化物には、Pdが固溶および/または担持、つまり含有されている。上記耐熱性酸化物にPdが固溶されているとは、Pdが上記耐熱性酸化物の結晶格子中に配位することにより、上記耐熱性酸化物とPdとが固溶体を形成していることである。
なお、Pdの固溶率(単位:%)は、例えば、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定することができる。具体的には、上記耐熱性酸化物からなる粒子を、例えば、PdOが不溶、かつ、上記耐熱性酸化物が可溶である溶液に浸漬し、この溶液を濾過し、濾液をICP発光分光分析法により測定する。これにより、濾液に含有されるPdの含有量を算出し、得られた算出値から、Pdの固溶率を算出する。
共沈法では、例えば、上記した各元素の塩(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)を上記した化学量論比で含む混合塩水溶液を調製し、この混合塩水溶液に中和剤を加えて共沈させた後、得られた共沈物を乾燥後、熱処理する。
その後、この混合塩水溶液に、中和剤を加えて共沈させる。中和剤としては、例えば、アンモニア、例えば、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン類などの有機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウムなどの無機塩基が挙げられる。中和剤として、好ましくは、水酸化アンモニウム塩が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化アンモニウム水溶液が挙げられる。なお、中和剤は、その中和剤を加えた後の溶液のpHが6〜10程度となるように加える。
1次焼成するときの焼成温度および焼成時間は、前駆体酸化物のBET比表面積により異なり、例えば、BET比表面積100m2/gの前駆体酸化物を得るには、400〜600℃で0.5〜5時間である。また、例えば、BET比表面積70m2/gの前駆体酸化物を得るには、500〜900℃で0.5〜5時間である。さらに、例えば、BET比表面積30m2/gの前駆体酸化物を得るには、800〜1200℃で0.5〜5時間である。
その後、例えば、300〜800℃、好ましくは、400〜600℃で熱処理(2次焼成)することにより、パラジウム塩水溶液に含有されるPdの全量を前駆体酸化物に担持させる。
次いで、Pdが担持された前駆体酸化物にアルカリ土類金属を担持させる。
吸着担持法では、例えば、Pd担持前駆体酸化物を、アルカリ土類金属塩水溶液に添加してスラリーを調製し、このスラリーを濾過する。
そして、得られた濾過ケーキを、例えば、真空乾燥や通風乾燥などにより乾燥させた後、例えば、400℃〜1200℃、好ましくは、600℃〜1100℃で熱処理(最終焼成)することにより、Pdが担持された前駆体酸化物にアルカリ土類金属を担持させる。こうして、Pdが固溶および/または担持され、さらにアルカリ土類金属が担持された耐熱性酸化物からなる粒子を得る。
また、クエン酸錯体法では、例えば、クエン酸と上記した各元素の塩(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)とを、上記した各元素(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)に対し化学量論比よりやや過剰のクエン酸水溶液を加えてクエン酸混合塩水溶液を調製し、このクエン酸混合塩水溶液を乾固させて、上記した各元素(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)のクエン酸錯体を形成させた後、得られたクエン酸錯体を仮焼成後、熱処理する。
その後、このクエン酸混合塩水溶液を乾固させて、上記した各元素のクエン酸錯体を形成させる。乾固は、形成されるクエン酸錯体が分解しない温度、例えば、室温〜150℃程度で、水分を除去する。これによって、上記した各元素(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)のクエン酸錯体を形成させることができる。その後、形成されたクエン酸錯体を仮焼成する。仮焼成は、例えば、真空または不活性雰囲気下において、250〜350℃で加熱する。
次いで、得られた前駆体酸化物を、共沈法と同様に、パラジウム塩水溶液に分散させ、この分散液を蒸発乾固する。そして、例えば、300〜800℃、好ましくは、400〜600℃で熱処理(2次焼成)することにより、パラジウム塩水溶液に含有されるPdの全量を前駆体酸化物に担持させる。
また、アルコキシド法では、例えば、上記した各元素(パラジウム塩およびアルカリ土類金属塩を除く)のアルコキシドを、上記した化学量論比で含む混合アルコキシド溶液を調製し、この混合アルコキシド溶液に、水を加えて加水分解することにより、沈殿物を得る。
E[OCH(R1)−(CH2)i−OR2]j (1)
(式中、Eは、各元素を示し、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、iは、1〜3の整数、jは、2〜4の整数を示す。)
アルコキシアルコラートは、より具体的には、例えば、メトキシエチレート、メトキシプロピレート、メトキシブチレート、エトキシエチレート、エトキシプロピレート、プロポキシエチレート、ブトキシエチレートなどが挙げられる。
有機溶媒としては、各元素のアルコキシドを溶解できれば、特に制限されないが、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類などが挙げられる。好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。
次いで、得られた前駆体酸化物を、共沈法と同様に、パラジウム塩水溶液に分散させ、この分散液を蒸発乾固する。そして、例えば、300〜800℃、好ましくは、400〜600℃で熱処理(2次焼成)することにより、パラジウム塩水溶液に含有されるPdの全量を前駆体酸化物に担持させる。
また、アルコキシド法において、例えば、混合アルコキシド溶液と、パラジウムの有機金属塩とを、上記した化学量論比となるように含む均一混合溶液を調製し、これに水を加えて沈殿させた後、得られた沈殿物を乾燥させて、熱処理(例えば、400〜800℃)することにより、Pdが担持された前駆体酸化物を得ることもできる。
(式中、R3は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基またはアリール基を示し、R4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
R7CH(COR6)2 (3)
(式中、R6は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R7は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
上記一般式(2)および上記一般式(3)中、R3、R4およびR6の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、t−アミル、t−ヘキシルなどが挙げられる。また、R5およびR7の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどが挙げられる。
また、β−ジカルボン酸エステル化合物は、より具体的には、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。
上記によって得られる耐熱性酸化物からなる粒子は、そのBET比表面積が、例えば、20〜120m2/gであり、好ましくは、30〜100m2/gである。
触媒担体としては、例えば、コージェライトなどからなるハニカム状のモノリス担体など、公知の触媒担体が挙げられる。触媒担体上に担持させるには、例えば、まず、上記により得られた耐熱性酸化物の粒子(粉末)に、水を加えてスラリーとした後、これを触媒担体上にコーティングし、乾燥させ、その後、300〜800℃、好ましくは、300〜600℃で熱処理する。
本発明の触媒組成物は、優れた排ガス浄化性能を長期にわたって実現することができるので、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関やボイラなどから排出される排気ガスを浄化するための排気ガス浄化用触媒として、有効に使用することができる。
実施例1(粒子A Pd含有量:0.3重量% BET比表面積100m2/g)
硝酸セリウム Ce換算で0.050モル
オキシ硝酸ジルコニウム Zr換算で0.045モル
硝酸イットリウム Y換算で0.005モル
上記の成分を、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて攪拌溶解させることにより、混合塩水溶液を調製した。次いで、この混合塩水溶液に、10重量%の水酸化アンモニウム水溶液を室温で徐々に滴下して、混合塩水溶液中に共沈物を生じさせた。次いで、共沈物が生じた混合塩水溶液を60分間攪拌し、その後、この水溶液を濾過することにより共沈物を得た。
次に、この粒子50gを、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて10分間攪拌することにより、脱イオン水中に分散させてスラリーを調製した。
その後、スラリー(前駆体酸化物)を添加した溶液を、蒸発乾固し、大気雰囲気、500℃で1時間焼成することにより(2次焼成)、硝酸パラジウム水溶液に含有されるPdの全量が担持された前駆体酸化物の粒子を得た。なお、硝酸パラジウム水溶液に含有されるPdの全量のうち、前駆体酸化物に対して吸着担持された割合(Pdの担持効率)は、100%であった。
そして、大気雰囲気中、1000℃で3時間焼成(最終焼成)することにより、Pdが固溶および/または担持され、Baが担持された、Ce、ZrおよびYを含む複合酸化物粒子Aを得た(Pd含有量:0.3重量% BET比表面積100m2/g)。
実施例2(粒子B Pd含有量:0.6重量% BET比表面積100m2/g)
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Bにおいて、Pdの含有量が0.6重量%となる量で添加する以外は、実施例1と同様の方法により、粒子Bを得た(Pd含有量:0.6重量% BET比表面積100m2/g)。なお、実施例2において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、100%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Cにおいて、Pdの含有量が0.8重量%となる量で添加する以外は、実施例1と同様の方法により、粒子Cを得た(Pd含有量:0.8重量% BET比表面積:100m2/g)。なお、実施例3において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、99%だった。
実施例1と同様の成分を、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて攪拌溶解させることにより、混合塩水溶液を調製した。次いで、この混合塩水溶液に、10重量%の水酸化アンモニウム水溶液を室温で徐々に滴下して、混合塩水溶液中に共沈物を生じさせた。次いで、共沈物が生じた混合塩水溶液を60分間攪拌し、その後、この水溶液を濾過することにより共沈物を得た。
次に、この粒子50gを、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて10分間攪拌することにより、脱イオン水中に分散させてスラリーを調製した。
その後、スラリー(前駆体酸化物)を添加した溶液を、蒸発乾固し、大気雰囲気、500℃で1時間焼成することにより(2次焼成)、硝酸パラジウム水溶液に含有されるPdの全量が担持された前駆体酸化物の粒子を得た。なお、硝酸パラジウム水溶液に含有されるPdの全量のうち、前駆体酸化物に対して吸着担持された割合(Pdの担持効率)は、100%であった。
そして、大気雰囲気中、1000℃で3時間焼成(最終焼成)することにより、Pdが固溶および/または担持され、Baが担持された、Ce、ZrおよびYを含む複合酸化物粒子Dを得た(Pd含有量:0.3重量% BET比表面積70m2/g)。
実施例5(粒子E Pd含有量:0.6重量% BET比表面積70m2/g)
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Eにおいて、Pdの含有量が0.6重量%となる量で添加する以外は、実施例4と同様の方法により、粒子Eを得た(Pd含有量:0.6重量% BET比表面積70m2/g)。なお、実施例5において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、100%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Fにおいて、Pdの含有量が0.8重量%となる量で添加する以外は、実施例4と同様の方法により、粒子Fを得た(Pd含有量:0.8重量% BET比表面積70m2/g)。なお、実施例6において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、89%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Gにおいて、Pdの含有量が1.1重量%となる量で添加する以外は、実施例1と同様の方法により、粒子Gを得た(Pd含有量:1.1重量% BET比表面積100m2/g)。なお、比較例1において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、91%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Hにおいて、Pdの含有量が1.6重量%となる量で添加する以外は、実施例1と同様の方法により、粒子Hを得た(Pd含有量:1.6重量% BET比表面積100m2/g)。なお、比較例2において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、68%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Iにおいて、Pdの含有量が2.6重量%となる量で添加する以外は、実施例1と同様の方法により、粒子Iを得た(Pd含有量:2.6重量% BET比表面積100m2/g)。なお、比較例3において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、42%だった。
セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物の粒子(前駆体酸化物)のスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述する粒子Jにおいて、Pdの含有量が1.2重量%となる量で添加する以外は、実施例4と同様の方法により、粒子Jを得た(Pd含有量:1.2重量% BET比表面積70m2/g)。なお、比較例4において、前駆体酸化物に対するPdの担持効率は、68%だった。
硝酸セリウム Ce換算で0.050モル
オキシ硝酸ジルコニウム Zr換算で0.045モル
硝酸イットリウム Y換算で0.005モル
上記の成分を、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて攪拌溶解させることにより、混合塩水溶液を調製した。次いで、この混合塩水溶液に、10重量%の水酸化アンモニウム水溶液を室温で徐々に滴下して、混合塩水溶液中に共沈物を生じさせた。次いで、共沈物が生じた混合塩水溶液を60分間攪拌し、その後、この水溶液を濾過することにより共沈物を得た。
次に、この粒子50gを、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて10分間攪拌することにより、脱イオン水中に分散させてスラリーを調製した。
その後、スラリー(前駆体酸化物)を添加した溶液を、蒸発乾固し、大気雰囲気、500℃で1時間焼成することにより(2次焼成)、ジニトロジアミン白金硝酸水溶液に含有されるPtの全量が担持された前駆体酸化物の粒子を得た。なお、ジニトロジアミン白金硝酸水溶液に含有されるPt全量のうち、前駆体酸化物に対して吸着担持された割合(Ptの担持効率)は、95%であった。
そして、大気雰囲気中、1000℃で3時間焼成(最終焼成)することにより、Ptが固溶および/または担持され、Baが担持された、Ce、ZrおよびYを含む複合酸化物粒子Kを得た(Pt含有量:0.5重量% BET比表面積90m2/g)。
試験例1(Pdの担持効率の評価)
各実施例および比較例1〜4において、前駆体酸化物のスラリーが添加された溶液を60℃で120分間放置した後、この溶液の上澄みを採取し、ICP発光分光分析法により測定することによって溶液中に残存するPdの量を算出した。得られた算出値から、Pdの担持効率(%)を算出した。結果を図1に示す。すなわち、図1に示すグラフは、BET比表面積100m2/gおよび70m2/gの複合酸化物粒子A〜Jに関して、Pdの含有量を変化させたときの、担持効率の変化を表わしている。
試験例2(活性評価)
1)耐久試験
不活性雰囲気3分、酸化雰囲気3分、不活性雰囲気3分および還元雰囲気3分の計12分を1サイクルとし、このサイクルを250サイクル、合計50時間繰り返して、各実施例および各比較例で得られた粒子を、酸化雰囲気と還元雰囲気とに交互に暴露した後、還元雰囲気のまま室温まで冷却した。
なお、各雰囲気は、高温水蒸気を含む表1に示した組成のガスを、300×10-3m3/hrの流量で供給することによって調製した。また、雰囲気温度は、約1050℃に維持した。
耐久試験後の実施例1〜3および比較例1〜3の粒子におけるPdの粒子サイズ(粒径)を、COパルス法により測定した。結果を図2に示す。すなわち、図2に示すグラフは、BET比表面積100m2/gの複合酸化物粒子A〜C、G〜Iに関して、Pdの含有量を変化させたときの、Pdの粒子サイズの変化を表わしている。
3)20%浄化温度(実施例1〜3および比較例1〜3,5)
耐久試験後の実施例1〜3および比較例1〜3,5の粒子(粉末)を、0.5mm〜1.0mmのサイズのペレットに成型して試験片を調製した。表2に示すモデルガス組成を用いて、このモデルガスの燃焼によって排出される排気ガスの温度を、室温から450℃まで、20℃/分の割合で上昇させつつ、モデルガスを各試験片に供給し、排ガス中のHC、NOxおよびCOが、20%浄化されるときの温度(20%浄化温度:℃)を測定した。結果を表3および図3に示す。なお、図3に示すグラフは、表3に示される結果のうち、実施例1〜3および比較例1〜3の結果を表わしている。すなわち、図3に示すグラフは、BET比表面積100m2/gの複合酸化物粒子A〜C、G〜Iに関して、Pdの含有量を変化させたときの、HC、NOxおよびCOそれぞれの20%浄化温度の変化を表わしている。
図2に示すように、実施例1〜3の粒子では、耐久試験後のPdの粒子サイズが、それぞれ8nm、9nmおよび10nmであった。一方、比較例1〜3の粒子では、耐久試験後のPdの粒子サイズが、それぞれ18nm、25nmおよび30nmであった。これにより、Pdの含有量が0.3〜0.8重量%である複合酸化物粒子では、長期使用においても、パラジウムの粒成長が効果的に抑制され、パラジウムの複合酸化物に対する分散状態が、良好に保持されることが確認された。
表3および図3により、含有される貴金属がPdであり、かつ、その含有量が0.3〜0.8重量%である複合酸化物粒子では、優れたコストパフォーマンスで、長期使用においても、パラジウムの粒成長が効果的に抑制され、パラジウムの複合酸化物に対する分散状態が、良好に保持されることが確認された。
Claims (2)
- セリウム、ジルコニウムおよび/または希土類元素(セリウムを除く。)を含む耐熱性酸化物にPdが固溶および/または担持され、
さらに、アルカリ土類金属が担持されており、
Pdの含有量が、0.3〜0.8重量%であることを特徴とする、触媒組成物。 - Pdを含有し、セリウム、ジルコニウムおよび/または希土類元素(セリウムを除く。)を含む耐熱性酸化物を有する触媒組成物の製造方法であって、
セリウムの塩、ジルコニウムの塩および/または希土類元素の塩を混合して混合塩水溶液を調製する工程と、
前記混合塩水溶液に中和剤を加えて共沈物を得る工程と、
前記共沈物を、400〜1200℃で1次焼成して前駆体酸化物を得る工程と、
前記前駆体酸化物とPd塩とを、前記耐熱性酸化物においてPdの含有量が0.3〜0.8重量%となる量で混合し、300〜800℃で2次焼成する工程と、
2次焼成された前記前駆体酸化物とアルカリ土類金属塩とを混合し、400〜1200℃で最終焼成することにより、前記耐熱性酸化物を得る工程と
を備えることを特徴とする、触媒組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008148513A JP4997176B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | 排ガス浄化用触媒組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008148513A JP4997176B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | 排ガス浄化用触媒組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009291720A true JP2009291720A (ja) | 2009-12-17 |
JP4997176B2 JP4997176B2 (ja) | 2012-08-08 |
Family
ID=41540405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008148513A Expired - Fee Related JP4997176B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | 排ガス浄化用触媒組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4997176B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010012397A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Mazda Motor Corp | 排気ガス浄化用触媒材、その製造方法、及び排気ガス浄化用触媒 |
JP2016135484A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | 窒素酸化物を還元するための方法および三元触媒材料 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0368451A (ja) * | 1989-08-09 | 1991-03-25 | Toyota Motor Corp | 排気浄化用触媒の製造方法 |
JPH05115780A (ja) * | 1991-04-22 | 1993-05-14 | Nippon Shokubai Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JPH10235192A (ja) * | 1997-02-24 | 1998-09-08 | Nissan Motor Co Ltd | 排ガス浄化用触媒 |
JP2006346587A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Cataler Corp | 排ガス浄化用触媒 |
-
2008
- 2008-06-05 JP JP2008148513A patent/JP4997176B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0368451A (ja) * | 1989-08-09 | 1991-03-25 | Toyota Motor Corp | 排気浄化用触媒の製造方法 |
JPH05115780A (ja) * | 1991-04-22 | 1993-05-14 | Nippon Shokubai Co Ltd | 排気ガス浄化用触媒 |
JPH10235192A (ja) * | 1997-02-24 | 1998-09-08 | Nissan Motor Co Ltd | 排ガス浄化用触媒 |
JP2006346587A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Cataler Corp | 排ガス浄化用触媒 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010012397A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Mazda Motor Corp | 排気ガス浄化用触媒材、その製造方法、及び排気ガス浄化用触媒 |
JP2016135484A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド | 窒素酸化物を還元するための方法および三元触媒材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4997176B2 (ja) | 2012-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4311918B2 (ja) | ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法 | |
JP5290572B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
KR101115297B1 (ko) | 페로브스카이트형 복합 산화물, 촉매 조성물 및 페로브스카이트형 복합 산화물의 제조방법 | |
US20090131252A1 (en) | Catalyst Composition | |
JP2004041868A (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP4916173B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒組成物 | |
WO2006064809A1 (ja) | 耐熱性酸化物 | |
JP5166245B2 (ja) | 触媒組成物 | |
JP2004041867A (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP2004041866A (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP4647406B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP5235686B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
US7625836B2 (en) | Heat-resistant oxide | |
JP4812359B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒組成物 | |
JP4771681B2 (ja) | 貴金属含有耐熱性酸化物の製造方法 | |
JP4263542B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒の製造方法 | |
JP4997176B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒組成物 | |
JP4969496B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP5506286B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP2009160556A (ja) | 排ガス浄化用触媒および排ガス浄化用触媒の製造方法 | |
JP2011046567A (ja) | 酸素吸蔵放出材 | |
JP5822682B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP5607891B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120124 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120323 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120501 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120514 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |