JP2009290194A - 硬化性電磁波シールド性接着性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

硬化性電磁波シールド性接着性フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化後において柔軟性に富み、耐屈曲性に優れながら、貼着時には、硬化性導電性接着剤層がはみ出しにくく、段差部において、導電性ポリウレタンポリウレア接着層が露出しない、電磁波シールド性接着性フィルムを提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂とエポキシ樹脂と特定量のアジリジン系硬化剤とを含有する、硬化性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成された硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層と、同様の組成物から形成されたフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物とを有する、硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は,繰り返し屈曲を受けるフレキシブルプリント配線板などに貼着して、電気回路から発生する電磁ノイズを遮蔽する用途に好適に用いられる硬化性電磁波シールド性接着性フィルム及びその製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板は、屈曲性を有することから、近年のOA機器、通信機器、携帯電話などの更なる高性能化、小型化の要請に応えるべく、その狭く複雑な構造からなる筐体内部に電子回路を組み込むために多用されている。そうした電子回路のダウンサイズ化・高周波化に伴い、そこから発生する不要な電磁ノイズに対する対策がますます重要になってきている。そこで、フレキシブルプリント配線板に、電子回路から発生する電磁ノイズを遮蔽する電磁波シールド性接着性フィルムを貼着することが従来よりおこなわれている。
この電磁波シールド性接着性フィルム自体には、電磁波シールド性に加えて、貼り合わせたフレキシブルプリント配線板全体の耐屈曲性を損なわないよう、薄さと優れた耐屈曲性が要求される。そのため、電磁波シールド性接着性フィルムとしては、厚さの薄い基材フィルム上に導電層を設けてなる基本的構造を有するものが広く知られている。
従来の電磁波シールド性接着性フィルムとしては、カバーフィルムの片面に、導電性接着剤層及び必要に応じて金属薄膜層からなるシールド層を有し、他方の面に接着剤層と離型性補強フィルムとが順次積層されてなる補強シールドフィルムが知られている(特許文献1参照)。
また、導電性接着剤層及び/または金属薄膜を有するシールド層と芳香族ポリアミド樹脂からなるベースフィルムを有するシールドフィルムが知られている(特許文献2参照)。
また、セパレートフィルムの片面に樹脂をコーティングしてカバーフィルムを形成し、前記カバーフィルムの表面に金属薄膜層と接着剤層とで構成されるシールド層を設けてなるシールド性接着フィルムが知られている(特許文献3)。
そして、従来の電磁波シールド性接着性フィルムの接着剤層には、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキッド系などの熱硬化性樹脂が用いられていた。しかし、従来の接着剤層には耐屈曲性及び耐熱性を兼ね備えたものがなく、特にフレキシブルプリント配線板用途に用いるためには、繰り返しの折り曲げに対する耐性が完全でなかった。
特許文献4には、カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、導電性フィラーとを含有する接着剤組成物を用いてなる電磁波シールド性接着性フィルムは、耐屈曲性及び耐熱性に優れる旨、開示されている。
しかし、特許文献4に開示される電磁波シールド性接着性フィルムは、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと略すこともある)や、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを含有してなる硬化性フィルム状組成物を硬化したフィルムを、絶縁性の基材フィルムとして用いていた。このような基材フィルムを用いた電磁波シールド性接着性フィルムでは、耐屈曲性に対するより厳しい要求に応えられなくなった。さらに、電磁波シールド性接着性フィルムを被着体に貼着した後、高温高湿度下に曝すと、導電性が低下してしまうという新たな問題が生じた。
特開2003−298285号公報 特開2004−273577号公報 特開2004−95566号公報 WO2006−088127号公報
本発明は、フレキシブルプリント配線板などに貼付して電磁ノイズを遮蔽する用途に好適に用いられる電磁波シールド性接着性フィルムであって、フレキシブルプリント配線板に貼着した後、十分な電磁波シールド性に加えて、鉛フリーハンダリフロー時の高温に耐え得る耐熱性を有し、従来よりも耐屈曲性に優れると共に、高温高湿度下に曝されても(具体的には、プレッシャークッカーテスト(以下、PCT)を経ても)導電性が低下せず、被着体に加熱圧着する際に、硬化性導電性接着剤層がはみ出しにくく、且つ、段差を有する回路基板に加熱圧着した際にも、段差部において、導電性ポリウレタンポリウレア接着層が透けて見えることがない、電磁波シールド性接着性フィルムを提供することを目的とする。硬化後において導電性ポリウレタンポリウレア接着層を覆う、硬化後のポリウレタンポリウレア絶縁層は柔軟性に富む必要があるが、硬化前ないし硬化の最中に柔軟性に富みすぎると、加熱圧着の際に段差部において、硬化過程のポリウレタンポリウレア絶縁層が過度に伸長し、圧着後の導電性ポリウレタンポリウレア接着層が透けて見えてしまう。そこで、本発明は、硬化後において柔軟性に富み、耐屈曲性に優れながら、貼着後には段差部において、導電性ポリウレタンポリウレア接着層が透けて見えることがない、電磁波シールド性接着性フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、このような優れた性能を有する電磁波シールド性接着性フィルムを安価かつ安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の電磁波シールド性接着性フィルムは、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを有する、ゲル分率が30〜90重量%である、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムであって、
前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤から形成されてなり、
前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成されてなる、ことを特徴とする。硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層及びフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物中に、アジリジン硬化剤を加えることにより、加熱圧着時の硬化性導電性接着剤層の染み出しがなく、且つ、電磁波シールド性接着性フィルムを、段差を有する回路基板に加熱圧着する際に、ポリウレタンポリウレア絶縁層の過度の伸びを抑制し、絶縁性の基材フィルムとしての機械的強度を発現することができる。
前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)100重量部に対して,エポキシ樹脂(B)3〜200重量部を含有し、更にポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計100重量部に対して、導電性フィラー10〜700重量部を含有することが好ましい。このような組成の導電性接着剤層(I)は、薄くても加熱・圧着時において十分なクッション性を発揮してグランド回路上の絶縁フィルム除去部分へ流入する。また、加熱・圧着により、鉛フリーハンダリフローにも十分耐え得る耐熱性を有する。さらに、優れた耐屈曲性を有し、フレキシブルプリント配線板に貼着した際に、回路基板全体としての耐屈曲性を損なわない。
また、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)100重量部に対して,エポキシ樹脂(D)3〜200重量部を含有することが好ましい。
本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムは、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)の、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が接触していない表面上に、剥離性フィルム1が積層されていることが好ましい。
また、本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムは、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)の、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が接触していない表面上に、剥離性フィルム2が積層されていることが好ましい。
本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法は、剥離性フィルム1の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、
剥離性フィルム2の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、及び
前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)と前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを重ね合わせる工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法の別の態様は、剥離性フィルム1の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、
前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、及び
前記硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)上に剥離性フィルム2を重ね合わせる工程を含むことを特徴とする。
さらに別の態様は、剥離性フィルム2の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、
前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、及び
前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に剥離性フィルム1を重ね合わせる工程を含むことを特徴とする。
本発明の被着体の電磁波遮蔽方法は、
剥離性フィルム1、
前記剥離性フィルム1の一方の表面に設けられた、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成され、ゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)、
前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に設けられた、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤から形成され、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)、及び
前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に設けられた剥離性フィルム2を含む硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから、
前記剥離性フィルム2を剥離し、露出した前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を被着体に重ね合わせ、加熱し、前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)及び前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を硬化させた後に、前記剥離性フィルム1を剥離することを特徴とする。
アジリジン系硬化剤(E)を含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)と、アジリジン系硬化剤(F)を含有するフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを有することにより、被着体に加熱圧着する際に接着剤が過度にはみ出すことがなく、加熱圧着した際に段差のコーナー部において、導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層が透けて見えないような耐延性を発揮する一方、硬化後においては柔軟で屈曲特性に優れた電磁波シールド性接着性フィルムであって、PCTを経ても導電性が低下しない、電磁波シールド性接着性フィルムを提供することが可能となった。
PCT耐性評価を説明するための図。(1)回路2A上に、回路2Aの一部が露出するように、スルーホールを有するカバーフィルムが積層されたフレキシブルプリント配線板の模式的平面図。(2)D−D’における断面図。(3)C−C’ における断面図。(4)前記(1)に示されるカバーフィルム及び回路2B上に、回路2A、2Bの一部が露出するように、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを重ね、圧着、硬化した状態の模式的平面図。(5)D−D’における断面図。(6)C−C’ における断面図。
まず、本発明の電磁波シールド性接着性フィルムについて説明する。
本発明の電磁波シールド性接着性フィルムは、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を有する、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムである。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)(以下、「硬化性導電性接着剤層(I)」とも表記する。)は、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜700重量部の導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤から形成されるものである。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有する接着樹脂組成物は、導電性フィラーを良く分散し、導電性フィラーが含まれていても十分な接着力を発揮し、さらに、熱圧着時の接着剤層のしみ出しが少なく、鉛フリーハンダリフローに耐え得る、優れた耐熱性及び耐屈曲性を得ることができる。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤に含有されるポリウレタンポリウレア樹脂(A)は、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)及び有機ジイソシアネート(a3)とを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるものである。
カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。特に反応性、溶解性点から、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。
数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)は、一般にポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分として知られている、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)以外のポリオールである。前記ポリオール(a2)の数平均分子量(Mn)は、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の耐熱性、接着強度、溶解性等を考慮して適宜決定されるが、好ましくは1000〜5000である。Mnが500未満であると、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のウレタン結合が多くなり過ぎ、ポリマー骨格の柔軟性が低下してフレキシブルプリント配線板への接着性が低下する傾向があり、また、Mnが8000を越えると、ジオール化合物(a1)由来のカルボキシル基の、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中における数が減少する。その結果、エポキシ樹脂との反応点が減少するため、得られる導電性硬化接着剤層の耐ハンダリフロー性が低下する傾向にある。
数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)としては、各種のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類等が使用できる。
ポリエーテルポリオール類としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、もしくはダイマージオール等の飽和または不飽和の低分子ジオール類とアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、もしくはセバシン酸等のジカルボン酸類、またはこれらの無水物類を反応させて得られるポリエステルポリオール類や、n−ブチルグリシジルエーテル、又は2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と上記のジカルボン酸類の無水物類とをアルコール類などの水酸基含有化合物の存在下で反応させて得られるポリエステルポリオール類、または環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、例えば、
1)グリコールまたはビスフェノールと炭酸エステルとの反応生成物、あるいは
2)グリコールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを反応させて得られる反応生成物等が使用できる。
上記1)または2)の場合に用いられるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカンが挙げられる。
また、上記1)または2)の場合に用いられるビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類や、これらのビスフェノール類にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させた化合物等が挙げられる。
また、上記1)の場合に用いられる炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)として例示した各種ポリオールは、単独で用いても、2種類以上併用してもよい。
更に、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の性能が失われない範囲内で、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)及び有機ジイソシアネート(a3)とを反応させる際に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)以外の低分子ジオール類を併用しても良い。併用可能な低分子ジオール類としては、たとえば、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)の製造に用いられる各種低分子ジオール等が挙げられる。
ウレタンプレポリマー(a4)を合成する際に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)とは、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)1モルに対して、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)0.1モル〜4.0モルとなる比率で用いることが好ましく、0.2モル〜3.0モルとなる比率で用いることがより好ましい。(a2)1モルに対する(a1)の使用量が0.1モルより少ないと、エポキシ樹脂(B)と架橋可能なカルボキシル基が少なくなり、耐ハンダリフロー性が低下する傾向にある。また、4.0モルより多いと、接着性が低下する傾向にある。
有機ジイソシアネート(a3)としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族イソシアネート、またはこれらの混合物を使用できるが、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、またはキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイシシアネートとしては、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、またはリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、またはメチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)は、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)及び有機ジイソシアネート(a3)とを反応させることにより得られる。末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)を合成する際の条件は、イソシアネート基が過剰になるようにする他にとくに限定はないが、イソシアネート基/水酸基の当量比が1.2/1〜3/1の範囲内になるような割合で、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)及び有機ジイソシアネート(a3)とを反応させることが好ましい。また、反応温度は通常常温〜120℃であるが、更に製造時間、副反応の制御の面から好ましくは60〜100℃である。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られる。
ポリアミノ化合物(a5)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミンの他、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するアミン類も使用することができる。なかでも、イソホロンジアミンが好適に使用される。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)とポリアミノ化合物(a5)とを反応させてポリウレタンポリウレア樹脂(A)を合成するときには、分子量を調整する為に反応停止剤を併用することができる。反応停止剤としては、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、ジエタノールアミン等のジアルカノールアミン類や、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が使用できる。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)、ポリアミノ化合物(a5)及び必要に応じて反応停止剤を反応させる際の条件は、とくに限定はないが、ウレタンプレポリマー(a4)が有するイソシアネート基に対する、ポリアミノ化合物(a5)及び反応停止剤中のアミノ基の合計の当量比が0.5〜1.3の範囲内であることが好ましい。当量比が0.5未満の場合には、耐ハンダリフロー性が不十分になりやすく、1.3より多い場合には、ポリアミノ化合物(a5)や反応停止剤が未反応のまま残存し、臭気が残りやすくなる。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)を合成する際に用いられる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の重量平均分子量は、5000〜100000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が5000に満たない場合には、耐ハンダリフロー性が劣る傾向にあり、100000を越える場合には、接着性が低下する傾向にある。
また、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これより形成される硬化性導電性ポリウレタンウレア接着剤層(I)に含有されるエポキシ樹脂(B)は、2個以上のエポキシ基を有する樹脂であり、液状であっても固形状であってもよい。
エポキシ樹脂(B)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち高接着性、耐熱性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いられる硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、および、これより形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)において、エポキシ樹脂と(B)とポリウレタンポリウレア樹脂(A)との比率は、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)100重量部に対して、エポキシ樹脂(B)3〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であることがより好ましい。(A)100重量部に対して(B)が3重量部より少ないと、耐ハンダリフロー性が低くなる傾向がある。一方、(B)が200重量部より多いと、接着性が低下する傾向がある
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これから形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)には、耐熱性や耐屈曲性等の性能を損なわない範囲で、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ユリア系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などを含有させることができる。
また、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これから形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)に含有される導電性フィラーは、接着剤層に導電性を付与するものであり、導電性フィラーとしては、金属フィラー、カーボンフィラー及びそれらの混合物が用いられる。
金属フィラーとしては、銀、銅、ニッケル等の金属粉、ハンダ等の合金粉、銀メッキされた銅粉、金属メッキされたガラス繊維やカーボンフィラーなどが挙げられる。なかでも、導電率の高い銀フィラーが好ましく、特にフィラー同士の接触を得やすい比表面積0.5〜2.5m2/gである銀フィラーが好ましい。また、導電性フィラーの形状としては、球状、フレーク状、樹枝状、繊維状などが挙げられる。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これから形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)における導電性フィラーの含有量は、必要とする電磁波シールド効果の度合いによって異なるが、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して、導電性フィラー10〜700重量部の割合にすることが好ましい。導電性フィラーの含有量が10重量部を下回ると、導電性フィラー同士が十分に接触せず、高い導電性が得られず、電磁波シールド効果が不十分となりやすい。また、導電性フィラーの含有量が700重量部を超えても、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層の表面抵抗値は下がらなくなり、電導率が飽和状態に達する上に、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層中の導電性フィラーの量が過多となり、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層の基材フィルムへの密着性や接着力が低下する。
また、本発明で硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤に用いられるアジリジン系硬化剤(E)としては、アジリジニル基を2つ以上有する化合物であることが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N‘−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N‘−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
アジリジン系硬化剤(E)を使用することにより、アジリジニル基とポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基との高い反応性を利用して、特別なエージングを必要とせず、両者を反応させ、半硬化状態にさせる。つまり、両者を反応させ、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率を30〜90重量%とすることによって、加熱圧着時の接着剤層のはみ出しを低減することができる。硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)のゲル分率は、50〜85重量%であることが好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率が30重量%未満、即ちポリウレタンウレア樹脂(A)の大半が未反応で残っている場合、加熱圧着工程における接着剤層のはみ出しの低減をほとんど期待できない。一方、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率が90重量%を超える場合、加熱圧着工程に至る前にポリウレタンウレア樹脂(A)の大半がアジリジン系硬化剤(E)と既に反応・硬化してしまっているので、被着体との接着性を確保しにくくなる。
ゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層を得るためには、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤において、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対して、アジリジニル基が0.05〜4モルの範囲でアジリジン系硬化剤(E)を含有することが重要であり、0.2〜2モルの範囲で含有することが好ましく、0.4〜1モルの範囲で含有することがより好ましい。
ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対して、アジリジン系硬化剤(E)のアジリジニル基が0.05モル倍未満の場合、加熱圧着工程時の接着剤層のはみ出しを効果的に低減するほどには、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層を得る際に、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)の硬化・架橋が進行しない。他方、カルボキシル基1モルに対して、アジリジニル基が4モルより多いと、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)の反応・硬化が過度に進行してしまうので、加熱圧着工程の際に硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層が被着体を十分に濡らすことができず、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応も期待できず、被着体に対する接着性が確保できない。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これから形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)には、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応や、エポキシ樹脂(B)の単独での反応を促進させる目的で、硬化促進剤、硬化剤を含有させることができる。エポキシ樹脂(B)の硬化促進剤としては、3級アミン化合物、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物等が使用でき、硬化剤としては、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド、酸無水物等が使用できる。
硬化促進剤のうち、3級アミン化合物としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5等が挙げられる。また、ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられ、更にはイミダゾール化合物とエポキシ樹脂を反応させて溶剤に不溶化したタイプ、またはイミダゾール化合物をマイクロカプセルに封入したタイプ等の保存安定性を改良した潜在性硬化促進剤が挙げられるが、これらの中でも、潜在性硬化促進剤が好ましい。
硬化剤としてのカルボン酸ヒドラジドとしては、コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等が挙げられる。また、酸無水物としては、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
これらの硬化促進剤または硬化剤としては、それぞれ2種類以上を併用してもよく、その使用量は合計で(硬化促進剤または硬化剤のどちらか一方のみを使用する場合も含まれる)、エポキシ樹脂(B)100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲であることが好ましい。
また、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、ひいては、これから形成される硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)には、導電性、接着性、耐ハンダリフロー性を劣化させない範囲で、シランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤,充填剤,難燃剤等を添加してもよい。
続いて、本発明で用いるフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)について説明する。
フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)(以下、「フィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)」とも表記する。)は、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムに、貼着・硬化時における機械的強度を与える役割を担う。即ち、特許文献4における基材フィルムに当たる。
フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)は、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)とアジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成される。
導電層を覆う絶縁層が、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成されることによって、貼着・硬化後においては柔軟性に富むと共に、PCTを経ても導電層の導電性を低下させない。そして、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物が、上記の範囲でアジリジン系硬化剤(F)を含有することによって、貼着・硬化時の過度な伸びを抑制することができる。アジリジン系硬化剤(F)は、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.2〜2モルの範囲で含有することが好ましく、0.4〜1モルの範囲で含有することがより好ましい。
ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対して、アジリジン系硬化剤(F)のアジリジニル基が0.05モル倍未満の場合、ポリウレタンポリウレア樹脂中のカルボン酸の多くが未反応で存在するため、回路基板に加熱貼付する際に、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物が過度に伸びることによって、機械的強度の低下、及び段差部において、硬化した導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層が透けて見えてしまうといった不良を発生させる。他方、カルボキシル基1モルに対して、アジリジニル基が4モルより多いと、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物の流動性が過度に抑制され、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを製造する際、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物と剥離性フィルム1との密着性、およびフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物と硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)との密着性が低下する。
フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物、ひいては、これから形成されるフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)に含有されるポリウレタンポリウレア樹脂(C)としては、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤に含有されるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と同様のものを挙げることができる。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)についても、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と同様のものを挙げることができる。また、アジリジン系硬化剤(F)についても、アジリジン系硬化剤(E)と同様のものを挙げることができる。
エポキシ樹脂(D)とポリウレタンポリウレア樹脂(C)との比率も、エポキシ樹脂(B)とポリウレタンポリウレア樹脂(A)との比率と同様に、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)100重量部に対して、エポキシ樹脂(D)3〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であることがより好ましい。
さらに硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤と同様に、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物、ひいては、これから形成されるフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)には、耐熱性や耐屈曲性等の性能を損なわない範囲で、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ユリア系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などを含有させることができる。
また、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とエポキシ樹脂(D)との反応や、エポキシ樹脂(D)の単独での反応を促進させる目的で、硬化促進剤、硬化剤を含有させることができる点についても、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤の場合と同様である。
また、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物、ひいては、これから形成されるフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)には、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤の場合と同様に、接着性、耐ハンダリフロー性を劣化させない範囲で、シランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤,充填剤,難燃剤等を添加してもよい。
本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムは、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを構成層として有する。本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムのゲル分率は30〜90重量%であり、50〜85重量%であることが好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。
このような硬化性電磁波シールド性接着性フィルムは、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)と、ゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを構成層とすることが好ましく、各層のゲル分率は、それぞれ50〜85重量%であることが好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。
つまり、アジリジン系硬化剤(E)を使用し、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)のゲル分率を30〜90重量%とすることによって、加熱圧着時の接着剤層のはみ出しを低減することができる。硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率が30重量%未満、即ちポリウレタンウレア樹脂(A)の大半が未反応で残っている場合、加熱圧着工程における接着剤層のはみ出しの低減をほとんど期待できない。一方、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率が90重量%を超える場合、加熱圧着工程に至る前にポリウレタンウレア樹脂(A)の大半がアジリジン系硬化剤(E)と既に反応・硬化してしまっているので、被着体との接着性を確保しにくくなる。
また、アジリジン系硬化剤(F)を使用し、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)のゲル分率を30〜90重量%とすることによって、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを回路基板に加熱貼付する際の、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物の過度の伸びを抑制し、機械的強度を保持することができる。即ち、回路基板の段差部分などに貼着した際、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)の過度の伸びにより、硬化した導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層が透けて見えてしまうといった不良を防ぐことができる。
ゲル分率が30重量%未満、即ちポリウレタンウレア樹脂(C)の大半が未反応で残っている場合、回路基板に加熱貼付する際に、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物が過度に伸びることによって、機械的強度の低下、及び段差部において、硬化した導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層が透けて見えてしまうといった不良を発生させる。一方、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)のゲル分率が90重量%を超える場合、該フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)の流動性が過度に抑制され、製造工程において、剥離性フィルム、および硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)との密着性が低下する。
尚、本発明でいう「ゲル分率」とは以下のようにして求めることができる。
100メッシュの金網を幅30mm、長さ100mmに裁断し、重量(W1)を測定する。
続いて、剥離性フィルム1上に形成したフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)から剥離性フィルム1を除去した幅10mm、長さ80mmのフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)、又は
剥離性フィルム2上に形成した硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)から剥離性フィルム2を除去した幅10mm、長さ80mmの硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)、又は
剥離性フィルム1、2で両面を覆われた硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから剥離性フィルム1、2を除去した幅10mm、長さ80mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルム(本体)を、それぞれ前述の金網で包み試験片とし、重量(W2)を測定する
。作製した試験片をメチルエチルケトン(以下、MEKという)中に浸漬させ室温で1時間振後、試験片をMEKから取り出し、150℃で10分間乾燥した後、重量(W3)を測定する。下記計算式[I]を用いて、溶解せずに金網に残った成分の重量分率をゲル分率として算出する。
(W3−W1)/(W2−W1)×100 [%] [I]
次に本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法の具体的態様について説明する。
例えば、一の剥離性フィルム(以下、剥離性フィルム1という)の一方の面に、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とエポキシ樹脂(D)とアジリジン系硬化剤(F)を含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を塗工・乾燥し、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成し、
別途、他の剥離性フィルム(以下、剥離性フィルム2という)の一方の面に、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とアジリジン系硬化剤(E)と導電性フィラーとを含有する、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤を塗工・乾燥し、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成し、
次いで、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを重ね合わせる。
あるいは、剥離性フィルム1の一方の面に、前記フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を塗工・乾燥し、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成し、
該フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に、前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤を塗工・乾燥し、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成し、該硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に剥離性フィルム2を重ね合わせる。
あるいは、剥離性フィルム2の一方の面に、前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤を塗工・乾燥し、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成し、
該硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に、前記フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を塗工・乾燥し、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成し、該フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に剥離性フィルム1を重ね合わせる。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成するための塗工方法としては、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等により行うことができ、任意の塗工方式を用いることができる。
硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)、及びフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)のゲル分率が30〜90重量%の半硬化状態となるように、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)やフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を得る際の乾燥条件、及び(I)と(II)とを重ね合わせる条件を選択することができる。
例えば、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)やフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を得る際の乾燥条件としては、溶剤が十分に揮発し、且つ、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)のカルボン酸とアジリジン系硬化剤(E)とが、および、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)のカルボン酸とアジリジン系硬化剤(F)とが反応可能な条件であり、50℃〜150℃で10秒〜5分程度加熱乾燥することが好ましく、70℃〜120℃で30秒〜3分程度加熱乾燥することがより好ましい。
また、アジリジン系硬化剤(E)により半硬化状態にした硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)の硬化状態を維持し易いという点で、それぞれ別個に形成した硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを重ね合わせて硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを得る場合、(I)と(II)とは、温度が40℃〜120℃、圧力が0.1〜5MPa、時間が0.5秒〜60秒間程度の条件で重ね合わせて一体化することが好ましい。
例示したような製造方法により、剥離性フィルム2/硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)/フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)/剥離性フィルム1/という積層状態の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを得ることができる。
次に本発明にて使用する剥離性フィルムについて説明する。
剥離性フィルム1および剥離性フィルム2は、片面あるいは両面に離型処理をしたフィルムや、片面あるいは両面に粘着剤を塗布したフィルムなどを使用することができる。
離型フィルムの基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシート等、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、各種の不織布、合成紙、金属箔や、これらを組み合わせた複合フィルムなどが挙げられる。
離型処理方法としては、離型剤をフィルムの片面あるいは両面に塗布したり、物理的にマット化処理する方法がある。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系樹脂、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸石鹸、ワックス、動植物油脂、マイカ、タルク、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂、フッ素含有シリコーン樹脂などが用いられる。
離型剤の塗布方法としては、従来公知の方式、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等により行うことができる。
最後に本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの使い方の具体的態様を説明する。
前記硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから、剥離性フィルム2を剥がし、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を露出させる。その硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を被着体に重ね合わせ、加熱することにより、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)中の、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とエポキシ樹脂(D)、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とアジリジン系硬化剤(E)、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とアジリジン系硬化剤(F)を反応させ、両層(I)(II)を硬化させる。接触界面近傍において、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(D)、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とエポキシ樹脂(B)、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)とアジリジン系硬化剤(E)、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とアジリジン系硬化剤(F)の反応も生じる場合もある。そして、両層(I)(II)の硬化後に、剥離性フィルム1を剥がすことによって、被着体を電磁波から遮蔽することが可能となる。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例及び比較例において、「部」及び「%」とあるのは、「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味するものとする。
なお、実施例中に記載したポリウレタンポリウレア樹脂の重量平均分子量、及びポリエステル樹脂の数平均分子量は、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量、及び数平均分子量であり、GPC測定の条件は、以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工製)
カラム:Shodex KF−802、KF−803L、KF−805L
(昭和電工製)の合計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.3重量%
試料注入量:100μl
[ポリウレタンポリウレア樹脂(A)、(C)の合成]
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸とテレフタル酸及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下、「Mn」という)=1006であるジオール414部、ジメチロールブタン酸8部、イソホロンジイソシアネート145部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン27部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液816部を添加し、70℃で3時間反応させ、重量平均分子量(以下、「Mw」という)=54,000、酸価5mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)(又は(C−1))を得た。
[合成例2]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンカーボネートジオールとから得られるMn=981であるジオール390部、ジメチロールブタン酸16部、イソホロンジイソシアネート158部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン29部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液814部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=43,000、酸価10mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−2)(又は(C−2))を得た。
[合成例3]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるMn=1002であるジオール352部、ジメチロールブタン酸32部、イソホロンジイソシアネート176部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン32部、ジ−n−ブチルアミン4部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液810部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=35,000、酸価21mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−3)(又は(C−3))を得た。
[合成例4]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンカーボネートジオールとから得られるMn=981であるジオール432部、イソホロンジイソシアネート137部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン25部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液818部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=48,000、酸価0mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−4)(又は(C−4))を得た。
[ポリエステル樹脂(P−1)の合成]
[合成例5]
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び還流脱水装置を備えたフラスコに、テレフタル酸ジメチル184.4部、ネオペンチルグリコール94.8部、エチレングリコール94.2部、2−メチル−1,3−プロパンジオール54.7部及び酢酸亜鉛0.035部を仕込んだ。原料を加熱溶融して撹拌できるようになったら撹拌を開始して、留出するメタノールを常圧下で反応系外に除きながら170℃から220℃まで3時間かけて徐々に昇温し、220℃で1時間保持した。内温を一旦170℃まで冷却し、アジピン酸92.6部、イソフタル酸65.8部、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸113.6部を加え、留出する水を常圧下で反応系外に除きながら240℃まで3時間かけて昇温し、さらに240℃で保持して、生成物の酸価が15mgKOH/gになるまで反応を続けた。
次に、装置を真空減圧装置に替えて、テトラブチルチタネート0.06部を加え、240℃の温度で2トールの減圧下で6時間反応を続けた後、ポリフッ化エチレン樹脂製の容器に取り出した。
この樹脂の数平均分子量は18000、ガラス転移温度は27℃であった。
続いて、得られたポリエステル樹脂100部に対して、トルエン100部を加えて溶解した。次いでそれぞれのフラスコにエチレングリコールビストリメリテート二無水物を5部添加し、100℃の温度で5時間反応させ、Mw=24,000、酸価14mgKOH/gであるポリエステル樹脂の溶液を得た。これにトルエンを加え希釈して、固形分が30%である、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂の溶液(P−1)を得た。
[実施例1]
ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。さらに、この接着樹脂組成物353部に対して、導電性フィラー(福田金属箔粉工業製「AgXF−301」)180部、アジリジン系硬化剤(日本触媒製「ケミタイトPZ−33」)1部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電性フィラー150部を含有する、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤を得た。
別途ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部、アジリジン系硬化剤(日本触媒製「ケミタイトPZ−33」)1.5部を加えて硬化性絶縁性樹脂組成物1を得た。
次いで、剥離性フィルム2として厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に剥離処理を施したフィルムの剥離処理面上に、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤を塗工し、電気オーブンを用い、100℃で2分、乾燥し、乾燥膜厚が8μmの硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成した。
別途、剥離性フィルム1として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に剥離処理を施したフィルムの剥離処理面に、硬化性絶縁性樹脂組成物1を塗工し、電気オーブンを用い、100℃で2分、乾燥し、乾燥膜厚が15μmのフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成した。
剥離性フィルム2に設けた硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)面と剥離性フィルム1に設けたフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)面とを貼り合わせて硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを作製した。
[実施例2〜17]
実施例1と同様にして、表1に示す種類及び量のポリウレタンポリウレア樹脂溶液、エポキシ樹脂、導電性フィラーを用いて硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤、及びフィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を調製し、電磁波シールド性接着性フィルムを作製した。
[比較例1〜12]
実施例1と同様にして、表1に示す種類及び量のポリウレタンポリウレア樹脂溶液、エポキシ樹脂及び導電性フィラーを用いて導電性接着剤を調製し、電磁波シールド性接着性フィルムを作製した。
〔比較例13〜14〕
ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部の代わりに、合成例5で得たカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の溶液(P−1)333部を用い、比較例13ではアジリジン系硬化剤を用いずに、比較例14ではアジリジン系硬化剤を用い、剥離性フィルム1の剥離処理面上に、15μmの厚みのフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物を設けた以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド性接着性フィルムを作製した。
〔比較例15〜16〕
実施例1で用いたフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)の代わりに、ポリフェニレンサルファイドフィルム(比較例15)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(比較例16)を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドフィルムを作製した。
各実施例及び各比較例で得られた剥離性フィルム付き硬化性電磁波シールド性接着性フィルムについて、ゲル分率、ポリイミドフィルム接着性、耐熱性、耐屈曲性、プレッシャークッカー(以下PCT)耐性、接着剤層のはみ出し性、延性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
(1)硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層のゲル分率
100メッシュの金網を幅30mm、長さ100mmに裁断し、重量(W1)を測定する。続いて、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層を幅10mm、長さ80mmに裁断し、前述の金網で包み試験片とし、重量(W2)を測定する。作製した試験片をMEK中に浸漬させ室温で1時間振後、試験片をMEKから取り出し、150℃で10分間乾燥した後、重量(W3)を測定する。下記計算式[I]を用いて、溶解せずに金網に残った成分の重量分率をゲル分率として算出する。
(W3−W1)/(W2−W1)×100 [%] [I]
(2)フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物のゲル分率
100メッシュの金網を幅30mm、長さ100mmに裁断し、重量(W1)を測定する。続いて、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を幅10mm、長さ80mmに裁断し、前述の金網で包み試験片とし、重量(W2)を測定する。作製した試験片をMEK中に浸漬させ室温で1時間振後、試験片をMEKから取り出し、150℃で10分間乾燥した後、重量(W3)を測定する。下記計算式[I]を用いて、溶解せずに金網に残った成分の重量分率をゲル分率として算出する。
(W3−W1)/(W2−W1)×100 [%] [I]
(3)硬化性電磁波シールド性接着性フィルムのゲル分率
100メッシュの金網を幅30mm、長さ100mmに裁断し、重量(W1)を測定する。続いて、剥離性フィルム1、2で挟まれた硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから剥離性フィルム1、2を除去した幅10mm、長さ80mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルム(本体) を、前述の金網で包み試験片とし、重量(W2)を測定する。作製した試験片をMEK中に浸漬させ室温で1時間振後、試験片をMEKから取り出し、150℃で10分間乾燥した後、重量(W3)を測定する。下記計算式[I]を用いて、溶解せずに金網に残った成分の重量分率をゲル分率として算出する。
(W3−W1)/(W2−W1)×100 [%] [I]
(4)ポリイミドフィルム接着性の評価
幅10mm、長さ70mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを用意し、剥離性フィルム2を剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)に、厚さが50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、1.0MPa、30minの条件で圧着し、導電性接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)を硬化させた。
圧着後、剥離性フィルム1を除去し、測定用の補強のために、露出した硬化したフィルム状絶縁層に、ポリウレタンポリウレア系の接着シートを用い、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を、150℃、1MPa、30minの条件で圧着した。
23℃相対湿度50%の雰囲気下、引っ張り速度50mm/min、剥離角度90°で、硬化した導電性接着剤層とポリイミドフィルムとの間を剥離し、剥離力の中心値をポリイミドフィルム接着強度(N/cm)とした。
なお、比較例15、16の場合は、測定用の補強はしなかった。
(5)耐熱性の評価
幅10mm、長さ60mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを用意し、剥離性フィルム2を剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)に、厚さが50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、1MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)を硬化させた。
圧着後、剥離性フィルム1を除去し、180℃の電気オーブンで3min、次いで280℃の電気オーブンで90sec加熱処理した。加熱処理後の試料の外観を目視で観察し、発泡、浮き、剥がれ等の外観不良の有無を評価した。
それぞれ5回づつ試験をおこない、外観不良が発生した回数で評価した。
○:外観不良発生せず
△:外観不良発生が2回以内
×:外観不良発生が3回以上
(6)耐屈曲性の評価
幅6mm、長さ120mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから剥離性フィルム2を剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)を、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム上に、厚み12μmの銅箔からなる回路パターンが形成されており、さらに回路パターン上に、接着剤付きの、厚み40μmのカバーフィルムが積層されてなる配線板)のカバーフィルム面に150℃、1MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)を硬化させた。
剥離フィルム1を除去し、曲率半径0.38mm、荷重500g、速度180回/minの条件でMIT屈曲試験機にかけ、回路パターンが断線するまでの回数により耐屈曲性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:3000回以上
△:1500回以上3000回未満
×:1500回未満
(7)硬化性電磁波シールド性接着性フィルムのPCT耐性の評価
幅20mm、長さ50mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから剥離性フィルム2を剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)を、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み12.5μmのポリイミドフィルム上に、厚み18μmの銅箔からなり、電気的に接続されてはいない回路2A、2Bが形成されており、回路2A上に、接着剤付きの、厚み37.5μm、直径1.6mmのスルーホールを有するカバーフィルムが積層されてなる配線板)に150℃、1MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)を硬化させた(図1参照)。
圧着後、剥離フィルム1を除去し、図1−(3)に示す2A−2B間の抵抗値を三菱化学製「ロレスターGP」の四探針プローブを用いて、PCT(121℃、100%RH、2気圧)の前後で測定した。評価基準は以下の通りである。
○:500mΩ未満
△:500mΩ以上1000mΩ未満
×:1000mΩ以上
(8)接着剤層のはみ出し性の評価
厚さが50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)の一方の面に、各実施例及び各比較例に記載の各硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤組成物を塗工し、電気オーブンを用い、100℃で2分、乾燥し、乾燥膜厚が8μmの硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成し、穴あけ機で直径5mmの穴を、前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)及びポリイミドフィルムに貫通させて形成した。
別途、厚さが50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)の一方の面に、各実施例及び各比較例に記載の各硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物を塗工し、電気オーブンを用い、100℃で2分、乾燥し、乾燥膜厚が15μmのフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア組成物(II)を形成した。
次いで、穴の開いた硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを重ね、150℃、1.0MPa、30minの条件で圧着処理をした。圧着処理後、硬化後の導電性接着剤層の穴部分を、拡大鏡を用いて観察し、硬化時の導電性接着剤層のはみ出し量を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:導電性接着剤層のはみ出し量が0.1mm未満、すなわち、硬化後の接着剤層の穴の直径が4.8mmを超えていた。
×:導電性接着剤層のはみ出し量が0.1mm以上、すなわち、硬化後の接着剤層の穴の直径が4.8mm以下であった。
(9)延性試験
厚さが125μm、幅20mm、長さ30mmの「小」ポリイミドフィルムを、幅50mm、長さ50mmの「大」ポリイミドフィルムのほぼ中央に置いた。
幅50mm、長さ60mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルム(又は電磁波シールドフィルム)を用意し、剥離性フィルム2を剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)で、前記「小」ポリイミドフィルムの全体を含めて前記「大」ポリイミドフィルムの全面を覆い、150℃、1MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及びフィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)を硬化させた。
圧着後、剥離性フィルム1を除去し、硬化後の電磁波シールドフィルムと前記「大」ポリイミドフィルムとの間に挟まれた前記「小」ポリイミドフィルムの各辺部分(段差による突起部分)を、硬化後の電磁波シールドフィルムの絶縁層を通して、肉眼で及び50倍のマイクロスコープで観察し、段差による突起部分の硬化後の導電性接着剤層が透けて見える程度を評価した。
○:肉眼及びマイクロスコープのいずれにおいても、導電性接着剤層が透けて見えることはなかった。
△:肉眼では導電性接着剤層が透けて見えることはなかったが、マイクロスコープでは導電性接着剤層が透けて見えた。
×:肉眼及びマイクロスコープのいずれにおいても、導電性接着剤層が透けて見えた。
Figure 2009290194
Figure 2009290194
各表中の記号は下記の通りである。
*)ポリウレタンポリウレア樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対する割合。
B−1、D−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製「JER828」、エポキシ当量=189g/eq。
B−2、D−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製「JER1002」、エポキシ当量=650g/eq。
B−3、D−3:テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製「JER1031」、エポキシ当量=190g/eq。
B−4、D−4:単官能エポキシ樹脂、ダウ・ケミカル製「UVR−6216」、エポキシ当量=240g/eq。
PPS:ポリフェニレンサルファイドフィルム。
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
1:ポリイミドフィルム
2:銅箔回路
3:カバーレイ(接着剤層は図示せず)
4:スルーホール
5:硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの硬化物。
5a:フィルム状硬化性絶縁性樹脂組成物(II)の硬化層
5b:硬化性導電性接着剤層(I)の硬化層

Claims (9)

  1. 硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)とフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを有する、ゲル分率が30〜90重量%である、硬化性電磁波シールド性接着性フィルムであって、
    前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して導電性フィラー:10〜700重量部と、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤から形成されてなり、
    前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成されてなる、ことを特徴とする、硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
  2. 硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が、ポリウレタンポリウレア樹脂(A)100重量部に対して,エポキシ樹脂(B)3〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
  3. フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)100重量部に対して,エポキシ樹脂(D)3〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
  4. フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)の、硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)が接触していない表面上に、剥離性フィルム1が積層されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
  5. 硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)の、フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)が接触していない表面上に、剥離性フィルム2が積層されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の硬化性電磁波シールド性接着性フィルム。
  6. 剥離性フィルム1の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、
    剥離性フィルム2の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜700重量部の導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、及び
    前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)と前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)とを重ね合わせる工程
    を含む、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
  7. 剥離性フィルム1の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する、フィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、
    前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜700重量部の導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、及び
    前記硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)上に剥離性フィルム2を重ね合わせる工程を含む、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
  8. 剥離性フィルム2の一方の表面に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜700重量部の導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤からゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレウレタンポリウレア接着剤層(I)を形成する工程、
    前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有するフィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物からゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を形成する工程、及び
    前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に剥離性フィルム1を重ね合わせる工程を含む、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
  9. 剥離性フィルム1、
    前記剥離性フィルム1の一方の表面に設けられた、カルボキシル基を有するジオール化合物(c1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(c2)および有機ジイソシアネート(c3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(c4)と、ポリアミノ化合物(c5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(D)と、アジリジン系硬化剤(F)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(C)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有するフィルム形成能を有するフィルム形成能を有する硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物から形成され、ゲル分率が30〜90重量%のフィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)、
    前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)上に設けられた、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)、数平均分子量500〜8000の他のポリオール(a2)および有機ジイソシアネート(a3)を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(a4)と、ポリアミノ化合物(a5)とを反応させて得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜700重量部の導電性フィラーと、アジリジン系硬化剤(E)を、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)中のカルボキシル基1モルに対し、アジリジニル基を0.05〜4モルの範囲で含有するフィルム形成能を有する硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤から形成され、ゲル分率が30〜90重量%の硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)、及び
    前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)上に設けられた剥離性フィルム2を含む硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから、
    前記剥離性フィルム2を剥離し、露出した前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)を被着体に重ね合わせ、加熱し、前記硬化性導電性ポリウレタンポリウレア接着剤層(I)及び前記フィルム状硬化性絶縁性ポリウレタンポリウレア樹脂組成物(II)を硬化させた後に、前記剥離性フィルム1を剥離することを含む、被着体の電磁波遮蔽方法。
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