JP2009289962A - 不揮発性記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な動作特性を有するとともに加工が容易な多層型の相変化型、あるいは抵抗変化型の不揮発性記憶装置、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の単位メモリ層2Aを積層した不揮発性記憶装置において、単位メモリ層2Aのそれぞれは、第1の方向に延在する第1の配線10と、第1の方向に対して非平行な第2の方向に延在する第2の配線40と、第1の配線10と第2の配線40との間に挟持され、第1の配線10と第2の配線20間の電圧により特性が変化する相変化層や可変抵抗層などによる記録部30と、を有し、隣接する単位メモリ層2Aの境界において、絶縁層50と、絶縁層50を上下方向から挟持する、第1の配線10及び第2の配線40から選択される一対の配線と、を有する境界部2Tを有する。境界部2Tに含まれる絶縁層50、並びに第1の配線10及び第2の配線40から選択される2つの配線は、一括して加工される。
【選択図】図1

Description

本発明は、不揮発性記憶装置及びその製造方法に関する。
NAND型フラッシュメモリに代表される不揮発性メモリは、大容量データ格納用として、携帯電話、デジタルスチルカメラ、USB(Universal Serial Bus)メモリ、シリコンオーディオ等に広く用いられており、急速な微細化によるビット当たりの製造コストの削減によってさらに市場の拡大を続けている。また、新規のアプリケーションも急速に立ち上がってきており、微細化及び製造コスト低減が新たな市場を発掘するという好循環を実現している。
特にNAND型フラッシュメモリは、複数のアクティブエリア(「AA」)がゲートコネクト(「GC」)を共有することで実質的なクロスポイントセルを実現しており、そのシンプルな構造ゆえに急速な微細化が進められている。このため、近年NAND型フラッシュメモリは半導体の微細加工を先導するようになっており、最小加工寸法は量産レベルでも60nm以下に達している。
しかしながら、NAND型フラッシュメモリは、しきい値変動によって情報を記録するトランジスタ動作を利用しており、今後のさらなる特性の高均一化、高信頼性化、高速動作化、高集積化に限界があるといわれており、新しい不揮発性メモリの開発が望まれている。
その中で、例えば、相変化メモリ素子や抵抗変化素子は、抵抗材料の可変抵抗状態を利用して動作するために、書込み/消去動作にトランジスタ動作が不要であり、また、抵抗材料のサイズを微細化するほど素子特性が改善することから、今後の要求に応える、特性の高均一化、高信頼性化、高速動作化、及び高密度化を実現するものとして期待されている。
相変化メモリや抵抗変化メモリは、複数の記録部を積層することができるため微細化が容易であるという利点を有し、かかる形態のメモリ素子がいくつか提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−311322号公報
本発明は、良好な動作特性を有するとともに加工が容易な不揮発性記憶装置及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、複数の単位メモリ層を積層した不揮発性記憶装置であって、前記単位メモリ層のそれぞれは、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の方向に対して非平行な第2の方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟持され、前記第1の配線と前記第2の配線とを介して供給される電流により、第1の状態と第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録部と、を有し、隣接する前記単位メモリ層の境界において、前記隣接する前記単位メモリ層のそれぞれが有する前記第1の配線と、これら一対の第1の配線に挟持された絶縁層と、を有する境界部が設けられ、前記境界部に含まれる前記絶縁層と、前記絶縁層を挟持する前記一対の第1の配線と、が一括して加工されてなることを特徴とする不揮発性記憶装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の方向に対して非平行な第2の方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟持され、前記第1の配線と前記第2の配線とを介して供給される電流により、第1の状態と第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録部と、を有する単位メモリ層を複数積層した不揮発性記憶装置であって、基板の上に、第1の単位メモリ層の前記第1の配線となる第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜の上に絶縁層を形成し、前記絶縁層の上に、前記第1の単位メモリ層とは別の第2の単位メモリ層の前記第1の配線となる第2の導電膜を形成し、前記第1の導電膜と前記絶縁層と前記第2の導電膜とを、一括加工して前記第1の方向に延在する積層体を形成することを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、良好な動作特性を有するとともに加工が容易な不揮発性記憶装置及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本願明細書及び各図面において、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
まず、本発明の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一例(具体例1)について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
図1は、具体例1に係る不揮発性記憶装置2の構成を例示する模式図である。すなわち、同図(a)は、不揮発性記憶装置2を第1の方向(X軸方向)から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図であり、同図(c)は、不揮発性記憶装置2の模式平面図である。また、図2は、不揮発性記憶装置2の構成を例示する模式回路図である。
図1に表したように、本実施形態に係る不揮発性記憶装置は、第1の方向(X軸方向)に延在する第1の配線10(ワード線WL)と、第1の方向に対して非平行な第2の方向(Y軸方向)に延在する第2の配線40(ビット線BL)と、第1の配線10と第2の配線40との間に挟持され、第1の配線10と第2の配線40とを介して供給される電流により、第1の状態と第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録部30と、を有する単位メモリ層2Aを、第1の配線10、記録部30、第2の配線40等の積層方向(図において、上下方向、Z軸方向)に複数積層してなる不揮発性記憶装置である。
また、第1の配線10と記録部30との間には、これらによって挟持される整流素子20が設けられていてもよい。
本実施形態では、複数の単位メモリ層2Aにおいて、単位メモリ層2Aの構成要素(第1の配線10、整流素子20、記録部30等)の上下方向の配置関係は、同じであっても、異なっても(特に、上下方向に隣接する単位メモリ層2A間で上下対称であっても)よい。
具体例1では、複数の単位メモリ層2Aにおいて、配線L(第1の配線10及び第2の配線40)の上下方向の配置関係が同じである。また、整流素子20及び記録部30の上下方向の配置関係も同じである。
ここで、本実施形態に係る不揮発性記憶装置は、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界において、絶縁層50と、絶縁層50を上下方向から挟持する、第1の配線10及び第2の配線40から選択される一対の配線と、を有する境界部を有する。すなわち、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界において、配線L(第1の配線10及び第2の配線40)が共有されない境界部を有する。かかる境界部を、「境界部2T」ということとする。また、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの間で配線Lが共有される境界部(1つの配線のみが存在する境界部)を、「一配線境界部S」ということとする。
具体例1では、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界において、絶縁層50と、絶縁層50を上下方向から挟持する、第1の配線10及び第2の配線40とを有する境界部2Tが存在する。
ここで、本実施形態では、境界部2Tに含まれる絶縁層50並びに第1の配線10及び第2の配線40から選択される2つの配線は、一括して加工されている。この結果、境界部2Tの構成要素は、全て同じ方向に延在する。さらに、境界部2Tの構成要素の側面(基板に垂直な面であり、配線の延在方向と直交する面)は、実質的に同一の面上に配置される。すなわち、複数の配線が一括加工された場合、それらの配線は、同じ方向に延在し、それらの配線の側面は実質的に同じ面上にある。
すなわち、図1に表したように、具体例1では、境界部2Tを構成する第2の配線40、絶縁層50、及び第1の配線10は、一括して加工されている。この結果、第2の配線40、絶縁層50、及び第1の配線10は、同じ方向に延在している。
なお、これに伴い、具体例1では、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの間で、第1の配線10及び第2の配線40は、延在方向が異なる。例えば、第1の配線10については、2層目の単位メモリ層2AにおいてはY軸方向に延在しているが、3層目の単位メモリ層2AにおいてはX軸方向に延在している。同様に、第2の配線40については、2層目の単位メモリ層2AにおいてはX軸方向に延在しているが、3層目の単位メモリ層2AにおいてはY軸方向に延在している。
また、セルの位置を基準として配線L(ワード線WL及びビット線BL)の配線延在方向外側には、図示しないコンタクトプラグが取り付けられている。コンタクトプラグは、データの書込み及び読出しを行うための読出し/書込み回路等の周辺回路と接続している(図示せず)。記録部30には、コンタクトプラグ及び配線L(ワード線WL及びビット線BL)を通じて電流が流され、これにより記録部30の書込みや消去等の各種動作を行うことが可能となる。
1つの第1の配線10と1つの第2の配線40とが交叉する領域に設けられた1つの記録部30が1つの記録用単位要素であり、これを「セル」という。
第1の配線10と第2の配線40とに与える電位の組み合わせによって、各記録部30に印加される電圧が変化し、その時の記録部30の特性(例えば、抵抗値)によって、情報を記録したり消去したりすることができる。なお、各セルの間には、図示しない素子間絶縁層が設けられている。
このように、不揮発性記憶装置2は、ワード線WLとビット線BLとが交叉する部分に記録部30が設けられた不揮発性記憶装置を複数積層してなる、いわゆる多層型クロスポイント型不揮発性記憶装置(メモリ)である。
なお、図1において、単位メモリ層2Aは上下方向に4層積層されているが、別の数だけ積層されていてもよい。また、図1では、主面において第1の配線10及び第2の配線40がそれぞれ2本設けられており、セルは4つ設けられているが、これらは別の数だけ設けられていてもよい。ここで、「主面」とは、第1の配線10、整流素子20、記録部30などが積層する方向(同図において、Z軸方向)に対して垂直な面(同図において、XY面)をいう。
また、具体例1では、第1の配線を「ビット線BL」、第2の配線を「ワード線WL」として用いているが、逆に、第1の配線を「ワード線WL」、第2の配線を「ビット線BL」として用いてもよい。
次に、各構成要素について説明する。
まず、配線L(第1の配線10及び第2の配線40)について説明する。
配線Lには、導電性を有する材料を用いることができ、例えば、タングステン(W)等の金属や、窒化タングステン、炭化タングステン等のタングステン化合物を用いることができる。配線Lに用いられる材料については、さらに後述する。
次に、記録部30について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、記録部30の構成を例示する模式断面図である。図3に表したように、この記録部30は、記録層34と、記録層34を上下方向から挟持する電極層32、36とを有する。
電極層32、36は、記録層34に対して電気的な接続を得るために設けられている。また、電極層32、36は、例えば、記録層34とその上下の構成要素との間の元素の拡散などを防止するバリア層としての機能を併有していてもよい。これら電極層32、36は、他の層(以下に説明する各種のバリア層や整流素子20を構成する層等)と兼用されても良く、必要に応じて設ければ良い。
また、リセット(消去)動作において記録層34の加熱を効率よく行うために、記録層34の陰極側(ここでは、ビット線BL側)に、ヒータ層を設けてもよい。この場合、ヒータ層とビット線BLとの間にバリア層が設けられていてもよい。
次に、記録層34について説明する。
前述したように、本具体例に係る不揮発性記憶装置2は、第1の配線10と第2の配線40とに与える電位の組み合わせによって、各記録部30に印加される電圧が変化し、その時の記録部30の特性(例えば、抵抗値)によって、情報を記録したり消去したりすることができる。このため、記録層34には、印加される電圧によって特性が変化する任意の材料を用いることができる。例えば、印加される電圧によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆的に遷移可能な相変化層や、抵抗値が可逆的に遷移可能な可変抵抗層などが挙げられる。
このような材料の具体例としては、例えば、電圧を印加することによって結晶状態と非晶質状態との間で変化する、カルコゲナイド系(Se、Te等のVIB族元素を含む化合物)の可変抵抗材料が挙げられる。記録層34に用いられる材料については、さらに後述する。
次に、整流素子20について説明する。
第1の配線10(ワード線WL)及び第2の配線40(ビット線BL)は、互いに直接接続することなく、独立して存在している。しかし、ある第1の配線10は、セルを介して全ての第1の配線10及び第2の配線40と電気的に接続し得る。このため、任意のセルを、第1の配線10及び第2の配線40の組み合わせによって選択できるようにするためには、配線Lと記録部30(抵抗変化素子)との間に、整流特性を有する素子を設けて、電流の方向を規制する必要がある。このため、各メモリセルに、整流素子20が設けられる。
整流素子20には、例えば、ツェナーダイオード、PN接合ダイオード、ショットキーダイオード等を用いることができる。 整流素子20に用いることができる材料については、後述する。
なお、第1の配線10と整流素子20との間には、両構成要素間の元素の拡散などを防止するバリア層が設けられていてもよい。なお、このバリア層は省略可能である。
(本実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について、図4〜図10を参照しつつ説明する。
具体例1に係る不揮発性記憶装置2は、(1)加工が容易である、及び(2)良好な動作特性が得られる、という効果を有する。以下、それぞれについて比較例と対比しつつ説明する。
まず、(1)加工が容易である、という効果について、比較例1と対比し、図4及び図5を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態と対比される比較例(比較例1)に係る不揮発性記憶装置4の構成を例示する模式断面図である。すなわち、同図(a)は、不揮発性記憶装置4を第1の方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図5は、不揮発性記憶装置4の構成を例示する模式回路図である。
図4に表したように、不揮発性記憶装置4は、単位メモリ層4Aを複数積層してなる多層型クロスポイント型不揮発性記憶装置であるが、具体例1に係る不揮発性記憶装置2に対して、境界部4Tを構成する第2の配線40、絶縁層50、及び第1の配線10は、一括して加工されていないことが異なっている。それ以外は、不揮発性記憶装置2と同様である。すなわち、不揮発性記憶装置4においては、第2の配線40及び絶縁層50と、第1の配線10とは別の方向に延在しており、境界部4Tを構成要素であるこれらの配線は一括して加工されていない。
これに対して、本実施形態では、前述したように、境界部4Tの構成要素は一括して加工される。このため、本実施形態に係る不揮発性記憶装置2は、境界部の構成要素を形成する工程数が比較的少なく、比較例1に係る不揮発性記憶装置4に比べて加工が容易であるといえる。
次に、(2)良好な動作特性が得られる、という効果について、比較例2と対比し、図6〜図10を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態と対比される別の比較例(比較例2)に係る不揮発性記憶装置6の構成を例示する模式断面図である。すなわち、同図(a)は、不揮発性記憶装置6を第1の方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図7は、不揮発性記憶装置6の構成を例示する模式回路図である。
図6に表したように、不揮発性記憶装置6は、単位メモリ層6Aを複数積層してなる多層型クロスポイント型不揮発性記憶装置であるが、具体例1の不揮発性記憶装置2に対して、上下方向に隣接する単位メモリ層6Aの間で、全て配線Lが共有されていることが異なっている。それ以外は、不揮発性記憶装置2と同様である。すなわち、不揮発性記憶装置6においては、上下方向に隣接する単位メモリ層6Aの境界部は全て一配線境界部6Sであり、境界部は存在しない。例えば、2層目の単位メモリ層6Aと3層目の単位メモリ層6Aとの間で第2の配線40(ビット線BL)が共有されており、3層目の単位メモリ層6Aと4層目の単位メモリ層6Aとの間で第1の配線10(ワード線WL)が共有されている。
前述した比較例1のような従来型の配線Lが共有されない構造では、配線Lの本数が比較的多く、必然的に加工工程数が増大してしまう。このため、比較例2に係る不揮発性記憶装置6のようなシェアードワード線/ビット線構造が考えられている。これによれば、例えば4層積層の場合に、各セルへのランダムアクセスが可能でありながら配線数や配線の加工工程数が削減されるという利点がある。
しかし、シェアードワード線/ビット線構造の場合、これから詳述するように、1本の配線Lに接続するセルの数が増加するにつれて、ダイオードの整流方向と逆方向に流れるダイオードの接合リーク電流に起因する迷走電流が増大して、メモリ素子としてのセンシングマージンが低下する。ここで、「迷走電流」とは、例えば整流方向と逆の方向に流れる電流等の、意図に反した電流をいう。以下、これについて図8〜図9を参照しつつ説明する。
最初に、具体例1に係る不揮発性記憶装置2において発生し得る迷走電流について、図8を参照しつつ説明する。
まず、迷走電流を惹起し得る、非選択セルNに係る印加電圧について、図8を参照しつつ説明する。
図8は、具体例1に係る不揮発性記憶装置2の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。この例では、抵抗素子/ダイオード(整流素子)R33のセルが選択セル(選択セルS)であり、これ以外のセルは非選択セル(非選択セルN)である。
図8に表したように、読出し時においては、選択セルSに係る第1の配線10(ワード線WL)と第2の配線40(ビット線BL)との間に電圧が印加される。具体的には、選択セルSにおいて、第1の配線10(ワード線WL3)には「Vread」の電位が与えられる。選択セルSに係るビット線BL3は、周辺回路に接続され電位はほぼ0Vになる。この結果、選択セルSには「Vread」の電圧が印加され、セル中の抵抗値等が読み取られる。
一方、非選択セルNにおいては、これらセルの抵抗値等が検出されないようにするためには、例えば、第1の配線10(ワード線WL)と第2の配線40(ビット線BL)との双方に同値の電位が与えられ、電圧が印加されない状態にする方策が考えられる。これにより、選択セルSに印加される電圧Vreadと非選択セルNに印加される電圧0Vとは二値的に差別化され、これにより選択セルSに係る抵抗等は検出され非選択セルNの抵抗値等は検出されない構成にすることができる。しかしながら、このように非選択セルNに係る配線Lを全て等電位にすることは、以下に説明するように技術的に困難である。
まず、ワード線WLに与えられる電位について説明する。ワード線WL3以外のワード線WL1、WL2、WL4、WL5、WL6、WL7、及びWL8については、差別化のためワード線WL3に与えられる電位(Vread)とは異なる電位が与えられる。例えば、図示したように「0V」の電位が与えられる。
次に、ビット線BLに与えられる電位について考える。図8に表したように、読出し時においては、非選択セルNと接続する全てのビット線BL(BL1、BL2、BL4、BL5、BL6、BL7、及びBL8)に、Vreadや0Vに比べて十分高い電位である「Vpass」が与えられる。これにより、非選択ビット線BLに接続される非選択セルNのダイオード(例:N6)には「Vpass」または「Vpass−Vread」の逆方向電圧、選択ビット線BLに接続される非選択セルNのダイオード(例:N5)にはほぼ0の電圧が印加される。これにより、選択セルSに係る抵抗値を選択ワード線WLから選択セルSを通って選択ビット線BLに流れる電流量によって検出し、非選択セルNを流れる電流は殆ど検出しない構成にすることができる。このとき周辺回路に非選択ビット線BLから流れる、ノイズとなる電流は、主にダイオードの逆方向リーク電流である。
次に、迷走電流発生の機序について、再度図8を参照しつつ説明する。
具体例1では、次に説明するように、非選択セルN7を起点として迷走電流が発生し得る。
上記のように整流素子20に起因するリーク電流が発生し得る状況下で、非選択のビット線BL4に高電圧のVpassが印加されると、抵抗素子/ダイオード(整流素子)R44(非選択セルN7)に、整流方向と逆方向の迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL4、及び抵抗素子/ダイオードR34(非選択セルN5)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
この迷走電流により、センシングマージン(sensing margin)等の、抵抗変化型メモリの書込み/消去/読出しにおける動作マージンが低下するおそれがある。ここで、「センシングマージン」とは、抵抗値等を検出する際の、選択セルSに印加する電圧の許容範囲のことである。すなわち、迷走電流が存在すると、選択セルSにはこの迷走電流に係る電圧と十全に差別化できる電圧を印加することが求められ、これにより選択可能な印加電圧値の範囲が狭くなると考えられる。
同様の現象は、書込みや消去の場合にも発生し得る。
このように、具体例1においては、非選択セルN7を起点として迷走電流の経路が形成され得るが、それ以外のセルを起点とした迷走電流の経路が形成される可能性は低いと考えられる。
なお、比較例1に係る不揮発性記憶装置4においても、具体例1に係る不揮発性記憶装置2において発生し得るのと同様の迷走電流が発生する。これについて、図9を参照しつつ説明する。
図9は、比較例1に係る不揮発性記憶装置4の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。この例でも、抵抗素子/ダイオードR33のセルが選択セルSであり、これ以外のセルは非選択セルNである。
具体例1に係る不揮発性記憶装置2における迷走電流に関して前述した論拠により、不揮発性記憶装置4においては、非選択セルN7を起点として迷走電流が発生し得る。具体的には、整流素子20に起因するリーク電流が発生し得る状況下で、非選択のビット線BL4に高電圧のVpass(a)が印加されると、抵抗素子/ダイオードR44(非選択セルN7)に、整流方向と逆方向の迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL4、及び抵抗素子/ダイオードR43(非選択セルN6)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
同様の現象は、書込みや消去の場合にも発生し得る。
このように、比較例1においても、非選択セルN7を起点として迷走電流の経路が形成され得るが、それ以外のセルを起点とした迷走電流の経路が形成される可能性は低いと考えられる。換言すれば、具体例1は、比較例1と同等の迷走電流の抑制効果を有している。
次に、比較例2に係る不揮発性記憶装置6において発生し得る迷走電流について、図10を参照しつつ説明する。
図10は、比較例2に係る不揮発性記憶装置6の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。この例でも、抵抗素子/ダイオードR33のセルが選択セルSであり、これ以外のセルは非選択セルNである。
具体例1に係る不揮発性記憶装置2における迷走電流に関して前述した論拠により、不揮発性記憶装置6においても迷走電流が発生し得る。ただし、迷走電流の起点となるセルは、具体例1や比較例2では1つ(非選択セルN7)であるのに対し、比較例2では複数存在する。具体的には、図10において太い丸で囲んだ非選択セルN1、N2、N4、N5、N6、N8、N13、N14、及びN15である。以下、個々の迷走電流について説明する。
まず、非選択セルN1を起点とした迷走電流について説明する。整流素子20に起因するリーク電流が発生し得る状況下で、非選択のビット線BL1に高電圧のVpass(a)が印加されると、抵抗素子/ダイオードR11(非選択セルN1)に、整流方向と逆方向の迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL1、及び抵抗素子/ダイオードR13(非選択セルN3)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
次に、非選択セルN2を起点とした迷走電流について説明する。整流素子20に起因するリーク電流が発生し得る状況下で、非選択のビット線BL2に高電圧のVpass(a)が印加されると、抵抗素子/ダイオードR12(非選択セルN2)に、整流方向と逆方向の迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL1、及び抵抗素子/ダイオードR13(非選択セルN3)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
非選択セルN4を起点とした迷走電流についても、同様に非選択のワード線WL1、及び抵抗素子/ダイオードR13(非選択セルN3)を介して、迷走電流の経路が形成され得る。
次に、非選択セルN5を起点とした迷走電流について説明する。上記と同様の論拠により、抵抗素子/ダイオードR21(非選択セルN5)に迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL2、及び抵抗素子/ダイオードR23(非選択セルN7)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
非選択セルN6及び非選択セルN8を起点とした迷走電流についても、同様に非選択のワード線WL2、及び抵抗素子/ダイオードR23(非選択セルN7)を介して、迷走電流の経路が形成され得る。
次に、非選択セルN13を起点とした迷走電流について説明する。上記と同様の論拠により、抵抗素子/ダイオードR44(非選択セルN13)に迷走電流が発生し得る。その後、この電流は、非選択のワード線WL4、及び抵抗素子/ダイオードR43(非選択セルN12)を介して、選択のビット線BL3に流れ込み得る。これにより、迷走電流の経路が形成され得る。
非選択セルN14及び非選択セルN15を起点とした迷走電流についても、同様に非選択のワード線WL4、及び抵抗素子/ダイオードR43(非選択セルN12)を介して、迷走電流の経路が形成され得る。
同様の現象は、書込みや消去の場合にも発生し得る。
このように、比較例2では、考えられる迷走電流の経路は9本存在する。一般に、配線Lを共有する構造(シェアードワード線/ビット線構造。以下、「共有配線構造」という)を有する不揮発性記憶装置では、迷走電流の経路は比較的多くなる。共有配線構造においては、同一レイヤー(層)内でワード線WLを共有するビット線BLの本数を「m」、ビット線BLを共有するワード線WLの本数を「n」とすると、迷走電流の経路は(m−1)×(n−1)本存在する。比較例2では、ワード線WLを共有するビット線BLの本数は実質的に4本であり、ビット線BLを共有するワード線WLの本数は4本である。このため、(4−1)×(4−1)=9本の迷走電流の経路が存在し得る。
以上のように、具体例1、比較例1、及び比較例2において、迷走電流は、それぞれ図8、図9、及び図10の太い丸で囲まれたセルで発生し得る。
すなわち、境界部2Tを有する具体例1に係る不揮発性記憶装置2では、迷走電流の経路の数は、構成が複雑で加工工程数が多い比較例1と同等であり、比較例2に比べて大幅に少なくできる。すなわち、具体例1(及び比較例1)では、想定し得る迷走電流の経路は、1本である。これに対し、共有配線構造の比較例2では、9本である。
本実施形態では、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界部の形成に要する工程数は、比較例2(共有配線構造)における共有配線の形成に要する工程数と同程度でありながら、共有配線の本数を低減(例えば、約1/2に)することができるため、迷走電流の経路本数を、大幅に削減することができる。
このように、本実施形態に係る不揮発性記憶装置2は、比較例2に係る不揮発性記憶装置6に比べて、迷走電流の発生が抑制される。これにより、センシングマージン等の、抵抗変化型メモリの書込み/消去/読出しにおける動作マージンが向上し、もって良好な動作特性が得られる。
さらに、本実施形態に係る不揮発性記憶装置2においては、既に説明したように、 境界部2Tの構成要素の配線は、一括して加工されるので、境界部2Tの構成要素の配線の側面は、実質的に同一の面となる。これにより、境界部2Tの構成要素の配線の線幅及び位置は同一となる。これにより、境界部2Tに接続される記憶部への印加電圧の不均一性を低下させることができる。例えば、境界部2Tの第1の配線10と第2の配線40との間の位置ずれによるこれらの配線の容量カップリングのばらつきを各層で同じにすることができ、異なる層で発生し得る不均一性を可及的に抑制することができる。
さらに、境界部2Tと共に、境界部2Tと積層される上下の記憶部(及び整流素子)も一括加工することができ、積層される複数の層の記憶部(及び整流素子)の側面も実質的に同じ面とすることができる。これにより、一括加工される複数の層の記憶部及び整流素子の特性を均一にすることができる。この特性としては、上記のリーク電流に関する特性も含む。
これら一括加工による各種の特性の均一化は、例えば、各層の配線を別々に加工する比較例1では不可能であったことである。
以上のように、本実施形態(具体例1)によれば、迷走電流が抑制され良好な動作特性を有するとともに、加工が容易な不揮発性記憶装置が提供される。
本実施形態により、抵抗変化型メモリの積層による高層化を進めることを通じて、不揮発性記憶装置の集積度の向上が図られるため、今後さらに不揮発性記憶装置の応用範囲が広がることが期待される。
なお、具体例1のように、配線L(第1の配線10及び第2の配線40)の上下方向の配置関係が複数の単位メモリ層2Aにおいて同じである場合には、上述した効果の他、実施例3に関して後述するように、(3)セルと周辺回路との接続が容易になる、という効果が得られる。また、整流素子20の整流方向が複数の単位メモリ層2Aにおいて同じである場合には、実施例3に関して後述するように、(4)整流特性が良好になるとともに整流素子20の加工が容易になる、という効果が得られる。
(他の具体例)
次に、本実施形態に係る他の具体例(具体例2)について、図11及び図12を参照しつつ説明する。
図11は、具体例2に係る不揮発性記憶装置2Cの構成を例示する模式断面図である。同図(a)は、不揮発性記憶装置2CをX軸方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図12(a)は、不揮発性記憶装置2Cを例示する模式回路図であり、図12(b)は、不揮発性記憶装置2Cの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。
図11、図12(a)に表したように、具体例2に係る不揮発性記憶装置2Cは、具体例1に係る不揮発性記憶装置2に対し、境界部と一配線境界部との両方を有し、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの間で、単位メモリ層2Aの構成要素の上下方向の配置関係が上下対称であることが異なっている。それ以外は、不揮発性記憶装置2と同様である。すなわち、不揮発性記憶装置2Cでは、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界部のうち、第1の配線10(ワード線WL)を介して接続する境界部は一配線境界部2Sであり、第2の配線40(ビット線BL)を介して接続する境界部は境界部2Tである。
このような構成にしても、具体例1に関して前述した効果、すなわち、(1)加工が容易である、及び(2)良好な動作特性が得られる、という効果が得られる。
まず、具体例2では、具体例1と同様に境界部2Tを有し、境界部2Tの構成要素は一括して加工されるため、比較的加工が容易である。
また、具体例2では、上下のWL(WL1、2とWL3、4)がBL3、4、5、6とセルを介して接続されていないために、WL1または2とWL3または4との間の迷走電流の発生が抑制される。
すなわち、図12(b)に表したように、例えば、ワード線WL3とビット線BL6とが交叉する領域に設けられたセルが選択セルSとすると、これ以外のセルは非選択セルNである。具体例1に関して前述した論拠により、不揮発性記憶装置2Cにおける迷走電流の起点となるセルは、非選択セルN12、N14、及びN15の3つであり、比較例2の9つに比べて少ない。
すなわち、不揮発性記憶装置2Cは、迷走電流の経路の数は、構成が複雑で加工工程数が多い比較例1よりは多くなるものの、加工工程数が比較的少ない共有配線構造の比較例2に比べて大幅に少なくできる。
次に、本実施形態に係る他の具体例(具体例3)について、図13〜図15を参照しつつ説明する。
図13は、具体例3に係る不揮発性記憶装置2Dの模式断面図である。同図(a)は、不揮発性記憶装置2DをX軸方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図14は、不揮発性記憶装置2Dの構成を例示する模式回路図である。図15は、不揮発性記憶装置2Dの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。
図13に表したように、具体例3に係る不揮発性記憶装置2Dは、具体例2に係る不揮発性記憶装置2Cに対して、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界部のうち、第2の配線40(ビット線BL)を介して接続する境界部は一配線境界部2Sであり、第1の配線10(ワード線WL)を介して接続する境界部は境界部2Tであることが異なっている。それ以外は、不揮発性記憶装置2Cと同様である。
具体例3でも、具体例1と同様に境界部2Tを有し、境界部2Tの構成要素は一括して加工されるため、比較的加工が容易である。
また、具体例3も、境界部2Tの存在により、迷走電流の発生が抑制される。
すなわち、図15に表したように、例えば、ワード線WL3とビット線BL3とが交叉する領域に設けられたセルが選択セルSとすると、これ以外のセルは非選択セルNである。具体例2と同様に、不揮発性記憶装置2Dにおける迷走電流の起点となるセルは、非選択セルN7、N9、及びN11の3つであり、比較例2の9つに比べて少ない。
次に、本実施形態に係る他の具体例(具体例4)について、図16及び図17を参照しつつ説明する。
図16は、具体例4に係る不揮発性記憶装置2Eの構成を例示する模式断面図である。同図(a)は、不揮発性記憶装置2EをX軸方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図17(a)は、不揮発性記憶装置2Eの模式回路図であり、図17(b)は、不揮発性記憶装置2Eの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。
図16に表したように、具体例4に係る不揮発性記憶装置2Eは、具体例2に係る不揮発性記憶装置2Cに対し、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの境界部のうち、第2の配線40(ビット線BL)を介して接続する境界部は一配線境界部2Sであり、第1の配線10(ワード線WL)を介して接続する境界部は境界部2Tであることが異なっている。それ以外は、不揮発性記憶装置2Cと同様である。
このような構成の具体例4でも、具体例1と同様に境界部2Tを有し、境界部2Tの構成要素は一括して加工されるため、比較的加工が容易である。
また、具体例4においては、上下のBL(BL1、2とBL3、4)がセルを介してWL3、4、5、6と接続されていないために、BL1または2とBL3または4との間の迷走電流の発生が抑制される。
すなわち、図17(b)に表したように、例えば、ワード線WL3とビット線BL2とが交叉する領域に設けられたセルが選択セルSとすると、これ以外のセルは非選択セルNである。そして、この場合も、迷走電流の起点となるセルは、非選択セルN1、N3、及びN6の3つであり、比較例2の9つに比べて少ない。
次に、本実施形態に係る他の具体例(具体例5)について、図18〜図20を参照しつつ説明する。
図18は、具体例5に係る不揮発性記憶装置2Fの構成を例示する模式断面図である。すなわち、同図(a)は、不揮発性記憶装置2FをX軸方向から見た模式断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。また、図19は、不揮発性記憶装置2Fの構成を例示する模式回路図である。図20は、不揮発性記憶装置2Fの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。
図18に表したように、具体例5に係る不揮発性記憶装置2Fは、具体例1に係る不揮発性記憶装置2に対し、上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの間で、単位メモリ層2Aの構成要素の上下方向の配置関係が上下対称であることと、境界部2Tは、絶縁層50と、絶縁層50を上下方向から挟持する2つの同種配線L(2つの第1の配線10、または2つの第2の配線40)とを有することが異なっている。
このような構成の具体例5でも、具体例1と同様に境界部2Tを有し、境界部2Tの構成要素は一括して加工されるため、比較的加工が容易である。
また、具体例5においても、境界部2Tの存在により、迷走電流の発生が抑制される。
すなわち、図20に表したように、例えば、ワード線WL3とビット線BL3とが交叉する領域に設けられたセルが選択セルSとすると、これ以外のセルは非選択セルNである。この場合も、迷走電流の起点となるセルは、非選択セルN7の1つであり、比較例2の9つに比べて少ない。
以上のように、上記の不揮発性記憶装置2D、2E、2Fでも、迷走電流の経路の数は、構成が複雑で加工工程数が多い比較例1と同等またはそれよりも多くなるものの、加工工程数が比較的少ない共有配線構造の比較例2に比べて大幅に少なくできる。
このように、不揮発性記憶装置2D、2E、2Fも、具体例1に関して前述した効果、すなわち、(1)加工が容易である、及び(2)良好な動作特性が得られる、という効果が得られる。
(実施例)
(実施例1)
次に、本実施形態に係る不揮発性記憶装置の実施例(実施例1)について、図21〜図26を参照しつつ説明する。
まず、本実施例に係る不揮発性記憶装置について、図26を参照しつつ説明する。
図26は、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの構成を例示する模式断面図である(また、後述するように模式工程断面図でもある)。図26(a)は、ワード線WL方向(X軸方向)から見た模式断面図(ワード線WLが延在する方向に垂直な平面で切断した断面図)であり、図26(b)は、ビット線BL方向(Y軸方向)から見た模式断面図(ビット線BLが延在する方向に垂直な平面で切断した断面図)である。
本実施例に係る不揮発性記憶装置2Pは、具体例5に係る不揮発性記憶装置2F(図18)と同様の構造を有する4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置である。ただし、ワード線WLとビット線BLは、逆に配置されている。また、主面上において、具体例5に係る不揮発性記憶装置2Fより多数のセルが存在する。
図26に表したように、本実施例に係る不揮発性記憶装置2Pは、X軸方向に延在する1層目のワード線(タングステン膜110)、2層目のワード線(タングステン膜122)、3層目のワード線(タングステン膜124)、及び4層目のワード線(タングステン膜137)と、Y軸方向に延在する1層目のビット線(タングステン膜115)、2層目のビット線(タングステン膜117)、3層目のビット線(タングステン膜129)、及び4層目のビット線(タングステン膜131)と、各層においてこれら配線の間に挟持される抵抗変化素子(記録層)及びダイオード(整流素子)と、を有する。上下方向に隣接する単位メモリ層の境界には、絶縁層と、これを上下方向から挟持する2つの同種配線(2つのワード線WL、または2つのビット線BL)とを有する境界部2Tが存在する。
以下、不揮発性記憶装置2Pの製造方法について説明する。
不揮発性記憶装置2Pを含め、本実施形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法においては、境界部2Tの構成要素である絶縁層50並びに第1の配線10及び第2の配線40から選択される2つの配線(すなわち、n層目の配線L、絶縁層50、及び(n+1)層目の配線L。ただし、「n」は自然数)は、一括して加工される。
図21〜図26は、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。図21〜図26において、(a)は、ワード線WL方向(X軸方向)から見た模式工程断面図であり、(b)は、ビット線BL方向(Y軸方向)から見た模式工程断面図である。
まず、図21に表したように、半導体基板101上に、抵抗変化型メモリの周辺回路となるトランジスタ102、STI(Shallow Trench Isolation)103、ワード線WL/ビット線BLと接続することになるコンタクトプラグ(基板上に設けられたコンタクトプラグ)104、105、106、M0配線(ソース配線)107、及びM1配線(ビット配線)108を、公知の半導体製造技術によって形成する。特に、コンタクトプラグ104、105、106は、ワード線WL及びビット線BLと接続できるような形態であらかじめ形成しておく。
その後、各構成要素間に存在する空間に層間絶縁膜109を埋め込んだ後、加工体上面を平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、1層目のワード線WLとコンタクトプラグ106とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、メモリ素子の1層目のワード線となるタングステン膜110、抵抗変化素子111、ダイオード112、及びCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)ストッパー層となるタングステン膜113を、下からこの順番で形成する。
次に、図21(a)に表したように、上記の積層膜(タングステン膜110、抵抗変化素子111、ダイオード112、及びタングステン膜113)を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、第1の方向(X軸方向)に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)114を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、1層目のビット線BLとコンタクトプラグ106とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、1層目のビット線となるタングステン膜115を形成する。
次に、図22に表したように、加工体上面に、層間絶縁膜(絶縁層)116、2層目のビット線となるタングステン膜117、ダイオード118、抵抗変化素子119、及びCMPストッパー層となるタングステン膜120を、下からこの順番で形成する。
次に、図22(b)に表したように、抵抗変化素子111、ダイオード112、タングステン膜113、タングステン膜115、層間絶縁膜116、2タングステン膜117、ダイオード118、抵抗変化素子119、及びタングステン膜120の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、第2の方向(Y軸方向)に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、1層目と2層目との境界において、境界部2Tの構成要素である1層目のビット線(なるタングステン膜115)、層間絶縁膜116、及び2層目のビット線(タングステン膜117)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に、層間絶縁膜(素子間絶縁層)121を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、2層目のワード線WLとコンタクトプラグ106とを接続するためのコンタクトホール、及び2層目のビット線となるタングステン膜117を周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、2層目のワード線となるタングステン膜122を形成する。
次に、図23に表したように、加工体上面に、層間絶縁膜(絶縁層)123、3層目のワード線となるタングステン膜124、抵抗変化素子125、ダイオード126、及びCMPストッパー層となるタングステン膜127を、下からこの順番で形成する。
次に、図23(a)に表したように、ダイオード118、抵抗変化素子119、タングステン膜120、タングステン膜122、層間絶縁膜123、タングステン膜124、抵抗変化素子125、ダイオード126、及びタングステン膜127の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、2層目と3層目との境界において、境界部2Tの構成要素である2層目のワード線(タングステン膜122)、層間絶縁膜123、及び3層目のワード線(タングステン膜124)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)128を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、3層目のビット線BLとコンタクトプラグ106とを接続するためのコンタクトホール、及び3層目のワード線となるタングステン膜124を周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、3層目のビット線となるタングステン膜129を形成する。
次に、図24に表したように、加工体上面に、層間絶縁膜130、4層目のビット線となるタングステン膜131、ダイオード132、抵抗変化素子133、及びCMPストッパー層となるタングステン膜134を、下からこの順番で形成する。
次に、図24(b)に表したように、抵抗変化素子125、ダイオード126、タングステン膜127、タングステン膜129、層間絶縁膜130、タングステン膜131、ダイオード132、抵抗変化素子133、及びタングステン膜134の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、Y軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、3層目と4層目との境界において、境界部2Tの構成要素である3層目のビット線(タングステン膜129)、層間絶縁膜130、及び4層目のビット線(タングステン膜131)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)135を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、図25(a)に表したように、4層目のビット線となるタングステン膜131とコンタクトプラグ106とが接続できるようにするため、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、ダイオード132、抵抗変化素子133、及びタングステン膜134の一部を除去する。その後、この除去した空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)136を埋め込み、加工体上面をCMP技術で再度平坦化する。
その後、図25に表したように、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、4層目のビット線となるタングステン膜131及び4層目のワード線WLを周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、4層目のワード線となるタングステン膜137を形成する。この材料としては、例えばタングステンが挙げられる。
次に、図26(a)に表したように、ダイオード132、抵抗変化素子133、タングステン膜134、及びタングステン膜137からなる積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、4層目のビット線となるタングステン膜131を周辺回路に接続するための配線を形成する。その後、エッチングにより生じた空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)138を埋め込む。
以上の工程により、4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置のセル部が作製される。その後、上層の配線層を形成して不揮発性記憶装置2Pが完成するが、詳細は省略する。
なお、本実施例に用いる抵抗変化素子としては、例えばMIM(Metal-Insulator-Metal:金属−絶縁体−金属)積層膜が挙げられる。この絶縁体の層は、両端に印加された電圧によりその抵抗状態が変わる任意の物質を含むことができる。例えば、NbO、CrドープSrTiO3−x、PrCaMnO、ZrO、NiO、TiドープNiO膜、ZnO、TiO、TiO、CuO、GdO、CuTe、HfO、ZnMn、ZnFe、両端に印加された電圧で発生するジュール熱により抵抗状態が変わるカルコゲナイド系のGST(GeSbTe)、GSTにドーピングを施したNドープトGST、OドープトGST、GeSb、InGeTe等からなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
また、上記のMIM積層膜の金属材料については、上記抵抗変化材料と反応して可変抵抗性を損なわない材料を用いることができる。具体的には、例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、ニッケル白金シリサイド、白金、ルテニウム、白金ロジウム、イリジウム等が挙げられる。
また、ダイオード材料としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体の他、NiO、TiO、CuO、InZnO等の金属酸化物半導体を組み合わせて用いることもできる。
なお、ワード線、ビット線及びCMPストッパー層に用いる材料は、種々の変形が可能である。
次に、本実施例の効果について説明する。
表1は、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの構造と、前述した比較例1に係る不揮発性記憶装置4(境界部2Tにおいて構成要素が一括加工されない)と、比較例2に係る不揮発性記憶装置6(シェアードワード線/ビット線構造)とに係る各工程数を表した表である。比較例1では、1層ごとにコンタクトプラグが形成されることとした。

Figure 2009289962

表1から、実施例1に関して次のことがいえる。
まず、実施例1では、比較例1と比較して、ワード線、ビット線、及びコンタクトプラグの全てに係る工程についてリソグラフィ工程数が削減されることがわかる。
また、迷走電流については、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pは、具体例1に係る不揮発性記憶装置2と同様に上下方向に隣接する単位メモリ層2Aの全ての境界に境界部2Tが配置されていることから、具体例1に関して前述したように比較例1に係る不揮発性記憶装置4と同等の迷走電流抑制効果を有する。
これらから、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pは、比較例1に係る不揮発性記憶装置4と比較して、同等の迷走電流抑制効果を有しつつ、より加工が容易であるといえる。
次に、実施例1では、比較例2と比較して、工程数はコンタクトプラグに係るリソグラフィ工程数が1つ多いだけである(最小加工寸法のリソグラフィ工程数は同じ)。
また、迷走電流については、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pは、上述したように具体例1と同様に境界部2Tが配置されていることから、具体例1に関して前述したように比較例2に係る不揮発性記憶装置6と比較して迷走電流の発生は抑制される。
これらから、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pは、比較例2に係る不揮発性記憶装置6と比較して、ほぼ同等の加工容易性を有しつつ、より迷走電流が抑制されるといえる。
このように、本実施例の構造及び製造方法を採用することにより、迷走電流抑制効果を発現しつつ、積層された高集積度の抵抗変化型メモリを少ない工程数で製造することができるようになるため、さらに高集積な抵抗変化型メモリを提供することが可能になる。
(実施例2)
次に、本実施形態に係る不揮発性記憶装置の他の実施例(実施例2)について、図27〜図30を参照しつつ説明する。
まず、本実施例に係る不揮発性記憶装置について、図30を参照しつつ説明する。
図30は、実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの構成を例示する模式断面図である(また、後述するように模式工程断面図でもある)。図30(a)は、ワード線WL方向(X軸方向)から見た模式断面図であり、図30(b)は、ビット線BL方向(Y軸方向)から見た模式断面図である。
本実施例に係る不揮発性記憶装置2Qは、具体例4に係る不揮発性記憶装置2E(図16)と同様の構造を有する4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置である。ただし、各セル内において、整流素子20及び記録部30は、不揮発性記憶装置2Eと比較して上下方向に逆に配置されている。また、主面上において、不揮発性記憶装置2Eより多数のセルが存在する。
図30に表したように、本実施例に係る不揮発性記憶装置2Qは、X軸方向に延在する1層目のワード線(タングステン膜210)、2層目のワード線(タングステン膜220)、3層目のワード線(タングステン膜222)、及び4層目のワード線(タングステン膜232)と、Y軸方向に延在する1及び2層目共有ビット線(タングステン膜215)並びに3及び4層目共有ビット線(タングステン膜227)と、各層においてこれら配線の間に挟持される抵抗変化素子(記録層)及びダイオード(整流素子)とを有する。1層目と2層目の境界及び3層目と4層目の境界には、ビット線BLからなる一配線境界部2Sが存在する。また、2層目と3層目の境界には、絶縁層と、これを上下方向から挟持する2つのワード線WLとを有する境界部2Tが存在する。
以下、不揮発性記憶装置2Qの製造方法について説明する。
図27〜図30は、実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの製造方法を表す模式工程断面図である。図27〜図30において、(a)は、ワード線WL方向(X軸方向)から見た模式工程断面図であり、(b)は、ビット線BL方向(Y軸方向)から見た模式工程断面図である。
まず、図27に表したように、半導体基板201上に、抵抗変化型メモリの周辺回路となるトランジスタ202、STI203、ワード線WL/ビット線BLと接続することになるコンタクトプラグ204、205、206、M0配線207、及びM1配線208を、公知の半導体製造技術によって形成する。特に、コンタクトプラグ204、205、206は、ワード線WL及びビット線BLと接続できるような形態であらかじめ形成しておく。
その後、各構成要素間に存在する空間に層間間絶縁膜209を埋め込んだ後、加工体上面を平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、1層目のワード線WLとコンタクトプラグ206とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、メモリ素子の1層目のワード線となるタングステン膜210、抵抗変化素子211、ダイオード212、及びCMPストッパー層となるタングステン膜213を、下からこの順番で形成する。
次に、図27(a)に表したように、上記の積層膜(タングステン膜210、抵抗変化素子211、ダイオード212、及びタングステン膜213)を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた上記の積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)214を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、上層の配線とコンタクトプラグ206とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面に、1層目と2層目とで共有されるビット線(以下、「1及び2層目共有ビット線」という)となるタングステン膜215、ダイオード216、抵抗変化素子217、及びCMPストッパー層となるタングステン膜218を、下からこの順番で形成する。
次に、図27(b)に表したように、抵抗変化素子211、ダイオード212、タングステン膜213、タングステン膜215、ダイオード216、抵抗変化素子217、及びタングステン膜218の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、Y軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた上記の積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)219を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、2層目のワード線WLとコンタクトプラグ206とを接続するためのコンタクトホール、及び3層目と4層目とで共有されるビット線BL(以下、「3及び4層目共有ビット線BL」という)を周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、2層目のワード線となるタングステン膜220を形成する。
次に、図28に表したように、加工体上面に、層間絶縁膜(絶縁層)221、3層目のワード線となるタングステン膜222、抵抗変化素子223、ダイオード224、CMPストッパー層となるタングステン膜225を、下からこの順番で形成する。
次に、図28(a)に表したように、ダイオード216、抵抗変化素子217、タングステン膜218、タングステン膜220、層間絶縁膜221、タングステン膜222、抵抗変化素子223、ダイオード224、及びタングステン膜225の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、2層目と3層目との境界において、境界部2Tの構成要素である2層目のワード線(タングステン膜220)、層間絶縁膜(絶縁層)221、及び3層目のワード線(タングステン膜222)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記の積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)226を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、3及び4層目共有ビット線BLとコンタクトプラグ206とを接続するためのコンタクトホール、及び3層目のワード線となるタングステン膜222を周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、3及び4層目共有ビット線となるタングステン膜227を形成する。
次に、図29に表したように、加工体上面に、ダイオード228、抵抗変化素子229、及びCMPストッパー層となるタングステン膜230を、下からこの順番で形成する。
次に、図29(b)に表したように、抵抗変化素子223、ダイオード224、タングステン膜225、タングステン膜227、ダイオード228、抵抗変化素子229、及びタングステン膜230の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、Y軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)231を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、4層目のワード線WLを周辺回路に接続するためのコンタクトホール、及び3層目のワード線となるタングステン膜222と周辺回路とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、4層目のワード線となるタングステン膜232を形成する。この材料としては、例えばタングステンが挙げられる。
次に図30(a)に表したように、ダイオード228、抵抗変化素子229、タングステン膜230、及びタングステン膜232の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、3及び4層目共有ビット線となるタングステン膜227を周辺回路に接続するための配線を形成する。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)233を埋め込む。
以上の工程により、4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置のセル部が作製される。その後、上層の配線層を形成して不揮発性記憶装置2Qが完成するが、詳細は省略する。
なお、本実施例に用いる抵抗変化素子としては、例えばMIM(Metal-Insulator-Metal:金属−絶縁体−金属)積層膜が挙げられる。この絶縁体の層は、両端に印加された電圧によりその抵抗状態が変わる任意の物質を含むことができる。例えば、NbO、CrドープSrTiO3−x、PrCaMnO、ZrO、NiO、TiドープNiO膜、ZnO、TiO、TiO、CuO、GdO、CuTe、HfO、ZnMn、ZnFe、両端に印加された電圧で発生するジュール熱により抵抗状態が変わるカルコゲナイド系のGST、GSTにドーピングを施したNドープトGST、OドープトGST、GeSb、InGeTe等からなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
また、上記のMIM積層膜の金属材料については、上記抵抗変化材料と反応して可変抵抗性を損なわない材料を用いることができる。具体的には、例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、ニッケル白金シリサイド、白金、ルテニウム、白金ロジウム、イリジウム等が挙げられる。
また、ダイオード材料としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体の他、NiO、TiO、CuO、InZnO等の金属酸化物半導体を組み合わせて用いることもできる。
なお、ワード線、ビット線及びCMPストッパー層に用いる材料は、種々の変形が可能である。
次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例の構造及び製造方法を採用することにより、上下方向に隣接する単位メモリ層の全ての境界部において配線Lが共有されるシェアードワード線/ビット線構造に比べて、約1/2まで迷走電流の抑制が可能になる(迷走電流の経路を約1/2に抑制することができる)。一方、リソグラフィ工程の数は、工程が大幅に削減されるシェアードワード線/ビット線構造と同じである。
このように、本実施例の構造及び製造方法を採用することにより、迷走電流抑制効果を発現しつつ、積層された高集積度の抵抗変化型メモリを少ない工程数で製造することができるようになるため、さらに高集積な抵抗変化型メモリを提供することが可能になる。
(実施例3)
次に、本実施形態に係る不揮発性記憶装置の他の実施例(実施例3)について、図31〜図35を参照しつつ説明する。
まず、本実施例に係る不揮発性記憶装置について、図35を参照しつつ説明する。
図35は、実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの構成を例示する模式断面図である(また、後述するように模式工程断面図でもある)。図35(a)は、第1の方向(X軸方向)から見た模式断面図であり、図35(b)は、図35(a)のA−A’線断面図であり、第2の方向(Y軸方向)から見た模式断面図である。
本実施例に係る不揮発性記憶装置2Rは、具体例1に係る不揮発性記憶装置2(図1)と同様の構造を有する4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置である。ただし、1層目及び3層目において、整流素子20及び記録部30は、不揮発性記憶装置2と比較して上下方向に逆に配置されている。また、主面上において、不揮発性記憶装置2より多数のセルが存在する。
図35に表したように、本実施例に係る不揮発性記憶装置2Rは、1層目及び3層目において、それぞれ、X軸方向に延在する1層目のワード線(タングステン膜310)及び3層目のワード線(タングステン膜324)と、Y軸方向に延在する1層目のビット線(タングステン膜315)及び3層目のビット線(タングステン膜329)と、これら配線の間に挟持される抵抗変化素子(記録層)及びダイオード(整流素子)とを有する。また、2層目及び4層目において、それぞれ、Y軸方向に延在する2層目のワード線(タングステン膜317)及び4層目のワード線(タングステン膜331)と、X軸方向に延在する2層目のビット線(タングステン膜322)及び4層目のビット線(タングステン膜337)と、これら配線の間に挟持される抵抗変化素子及びダイオードとを有する。
上下方向に隣接する単位メモリ層の境界には、絶縁層と、これを上下方向から挟持する異種配線L(異なる働きをする配線。ワード線WL及びビット線BL)と、を有する境界部2Tが存在する。
以下、不揮発性記憶装置2Rの製造方法について説明する。
図31〜図35は、実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。図31〜図35において、(a)は、第1の方向(X軸方向)から見た模式断面図であり、(b)は、各図(a)のA−A’線断面図であり、第2の方向(Y軸方向)から見た模式断面図である。
まず、図31に表したように、半導体基板301上に、抵抗変化型メモリの周辺回路となるトランジスタ302、STI303、ワード線WL/ビット線BLと接続することになるコンタクトプラグ304、305、306、M0配線307、及びM1配線308を、公知の半導体製造技術によって形成する。特に、コンタクトプラグ304、305、306は、ワード線WL及びビット線BLと接続できるような形態であらかじめ形成しておく。
その後、各構成要素間に存在する空間に層間絶縁膜309を埋め込んだ後、加工体上面を平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、各層の配線とコンタクトプラグ306とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、メモリ素子の1層目のワード線となるタングステン膜310、抵抗変化素子311、ダイオード312、及びCMPストッパー層となるタングステン膜313を、下からこの順番で形成する。
次に、図31(a)に表したように、上記の積層膜(タングステン膜310、抵抗変化素子311、ダイオード312、及びタングステン膜313)を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)314を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、各層の配線とコンタクトプラグ306とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、1層目のビット線となるタングステン膜315を形成する。
次に、図32に表したように、層間絶縁膜(絶縁層)316、2層目のワード線となるタングステン膜317、ダイオード318、抵抗変化素子319、及びCMPストッパー層となるタングステン膜320を、下からこの順番で形成する。
次に、図32(b)に表したように、抵抗変化素子311、ダイオード312、タングステン膜313、タングステン膜315、層間絶縁膜316、タングステン膜317、ダイオード318、抵抗変化素子319、及びタングステン膜320の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、Y軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、1層目と2層目との境界において、境界部2Tの構成要素である1層目のビット線(タングステン膜315)、層間絶縁膜(絶縁層)316、及び2層目のワード線(タングステン膜317)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)321を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、各層の配線とコンタクトプラグ306とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、2層目のビット線となるタングステン膜322を形成する。
次に、図33に表したように、加工体上面に、層間絶縁膜(絶縁層)323、3層目のワード線となるタングステン膜324、抵抗変化素子325、ダイオード326、及びCMPストッパー層となるタングステン膜327を、下からこの順番で形成する。
次に、図33(a)に表したように、ダイオード318、抵抗変化素子319、タングステン膜320、タングステン膜2322、層間絶縁膜323、タングステン膜324、抵抗変化素子325、ダイオード326、及びタングステン膜327の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。これにより、2層目と3層目との境界において、境界部2Tの構成要素である2層目のビット線(タングステン膜322)、層間絶縁膜(絶縁層)323、及び3層目のワード線(タングステン膜324)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)328を埋め込みし、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、各層の配線とコンタクトプラグ306とを接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、3層目のビット線となるタングステン膜329を形成する。
次に、図34に表したように、加工体上面に、絶縁層330、4層目のワード線となるタングステン膜331、ダイオード332、抵抗変化素子333、及びCMPストッパー層となるタングステン膜334を、下からこの順番で形成する。
次に、図34(b)に表したように、抵抗変化素子325、ダイオード326、タングステン膜327、タングステン膜329、層間絶縁膜330、タングステン膜331、ダイオード332、抵抗変化素子333、及びタングステン膜334の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、Y軸方向に延在する帯状に一括してパターニング加工する。これにより、3層目と4層目との境界において、境界部2Tの構成要素である3層目のビット線(タングステン膜329)、層間絶縁膜(絶縁層)330、及び4層目のワード線(タングステン膜331)は、一括して加工される。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に、層間絶縁膜(素子間絶縁層)335を埋め込み、加工体上面をCMP技術で平坦化する。
その後、図34(a)に表したように、4層目のワード線となるタングステン膜331とコンタクトプラグ306とが接続できるようにするため、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、ダイオード332、抵抗変化素子333、及びタングステン膜334の一部を除去する。その後、この除去した空間に層間絶縁膜(素子間絶縁層)336を埋め込み、加工体上面をCMP技術で再度平坦化する。
次に、図35に表したように、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、4層目のビット線BLを周辺回路に接続するためのコンタクトホール、並びに3層目のワード線となるタングステン膜324及び4層目のワード線となるタングステン膜331を周辺回路に接続するためのコンタクトホールを形成する。
次に、加工体上面及びコンタクトホールに、4層目のビット線となるタングステン膜337を形成する。
次に、図35(a)に表したように、ダイオード332、抵抗変化素子333、タングステン膜334、及びタングステン膜337の積層膜を、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング技術により、X軸方向に延在する帯状に、一括してパターニング加工する。その後、エッチングにより生じた上記積層膜の間の空間に、層間絶縁膜(素子間絶縁層)338を埋め込む。
以上の工程により、4層積層型のクロスポイント型不揮発性記憶装置のセル部が作製される。その後、上層の配線層を形成して不揮発性記憶装置2Rが完成するが、詳細は省略する。
なお、本実施例に用いる抵抗変化素子としては、例えばMIM(Metal-Insulator-Metal:金属−絶縁体−金属)積層膜が挙げられる。この絶縁体の層は、両端に印加された電圧によりその抵抗状態が変わる任意の物質を含むことができる。例えば、NbO、CrドープSrTiO3−x、PrCaMnO、ZrO、NiO、TiドープNiO膜、ZnO、TiO、TiO、CuO、GdO、CuTe、HfO、ZnMn、ZnFe、両端に印加された電圧で発生するジュール熱により、その抵抗状態が変わるカルコゲナイド系のGST、GSTにドーピングを施したNドープトGST、OドープトGST、GeSb、InGeTe等からなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
また、上記のMIM積層膜の電極材料については、上記抵抗変化材料と反応して可変抵抗性を損なわない材料を用いることができる。具体的には、例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化タンタル、窒化チタンシリサイド、タンタルカーバイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、ニッケル白金シリサイド、白金、ルテニウム、白金ロジウム、イリジウム等が挙げられる。
また、ダイオード材料としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体以外にNiO、TiO、CuO、InZnO等の金属酸化物半導体を組み合わせて用いることもできる。
なお、ワード線、ビット線及びCMPストッパー層に用いる材料は、種々の変形が可能である。
次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例に係る不揮発性記憶装置2Rは、具体例1に係る不揮発性記憶装置2と同様の構造を有することから、具体例1に関して前述した効果、すなわち、(1)配線Lの加工が容易である、(2)迷走電流が抑制され良好な動作特性が得られる、という効果を有する。また、不揮発性記憶装置2Rは、以下に説明するように、(3)セルと周辺回路との接続が容易になる、及び(4)ダイオード特性が良好になるとともにダイオード加工が容易になる、という効果も有する。
まず、(3)セルと周辺回路との接続が容易になる、という効果について説明する。すなわち、本実施例によれば、セルと周辺回路との間に介在する配線の構成が簡素化される。
本実施例では、異種配線であるワード線WLとビット線BLとが一括加工された境界部2Tを有する構造を複数層積層している。また、各境界部2Tにおいて、ワード線WLとビット線BLの上下方向の配置関係は同じであり、ワード線WLは常に上側(最上層)に存在し、ビット線BLは常に下側(最下層)に存在する。これにより、次に説明するように、配線L、特にビット線BLの周辺回路への接続が比較的容易になる。
実施例1及び実施例2においては、境界部2Tは、絶縁層と、これを上下方向から挟持する2つの同種配線L(同じ働きをする配線。2つのワード線WL、または2つのビット線BL)と、を有する。
以下、実施例1を取り上げて説明する。実施例1においては、1層目と2層目の境界及び3層目と4層目の境界において、ビット線BL/絶縁層/ビット線BLの積層構造を有する境界部2Tが存在する。
ここで、境界部2Tの最下層に位置するビット線BLについては、比較的容易に周辺回路に接続することができる。すなわち、図26(a)に表したように、境界部2Tの最下層に位置する1層目のビット線(タングステン膜115)及び3層目のビット線(タングステン膜129)は、直接下側に延在するコンタクトプラグを通じてコンタクトプラグ106に接続することができる。
一方、境界部2Tの最上層に位置するビット線BLについては、周辺回路への接続は比較的複雑な配線経路を介して行われる。すなわち、図26(a)に表したように、境界部2Tの最上層に位置する2層目のビット線(タングステン膜117)及び4層目のビット線(タングステン膜131)については、その下側には既に別のビット線BL、すなわち、1層目のビット線(タングステン膜115)や3層目のビット線(タングステン膜129)が存在するため、下方に延在するコンタクトプラグを設置することが困難である。このため、2層目のビット線(タングステン膜117)及び4層目のビット線(タングステン膜131)は、ともにその右端から上方に延在するコンタクトプラグを通じ、上層配線層を経由して下方に延在するコンタクトプラグを通じて、コンタクトプラグ106に接続することになる。すなわち、これら境界部2Tの最上層に位置するビット線BLは、迂回してコンタクトプラグ106に接続される。
これに対し、本実施例では、境界部2Tにおいてビット線BLが常に下側に配置されるため、ビット線BLは全て、下方に延在するコンタクトプラグを通じて直接コンタクトプラグ306に接続することができる。
すなわち、図35(a)に表したように、1層目のビット線(タングステン膜315)及び3層目のビット線(タングステン膜329)は、それぞれ右端及び左端から下方に延在するコンタクトプラグを通じて、直接コンタクトプラグ306に接続される。また、図35(b)に表したように、2層目のビット線(タングステン膜322)及び4層目のビット線(タングステン膜337)は、ともに左端から下方に延在するコンタクトプラグを通じて、直接コンタクトプラグ306に接続される。
ここで、本実施例においては、ワード線WLについては、境界部2Tにおいて常に上側に配置されることから、上層配線層を経由して(すなわち、迂回して)コンタクトプラグ306に接続することになる。しかし、ワード線WL及びビット線BLのそれぞれの機能を適宜選択し、例えば、ワード線WLはコンタクトプラグを共有し、ビット線BLのみが独立に周辺回路に接続するような構成にすれば、ワード線WLについても、比較的簡素な形態でコンタクトプラグ306に接続する配線を構築することができる。
このように、本実施例によれば、セルと周辺回路との間に介在する配線の構成を簡素化することができる。すなわち、周辺回路への接続が容易になる。これにより、加工が容易になるとともに、配線の電気的接続点(面)の数が低減され、比較的良好な電気接続が得られる。
次に、(4)ダイオード特性が良好になるとともにダイオード加工が容易になる、という効果について説明する。
本実施例に係る不揮発性記憶装置2Rでは、ダイオードの整流方向が各層で一定である。このため、各層においてダイオードの成膜工程が同一にできる。これにより、ダイオード特性を揃えやすく、また、実際の製造工程においてダイオード形成工程の流れ(flow)が一種類になり製造工程管理が行いやすい。すなわち、本実施例によれば、ダイオード特性が良好になるとともに、製造工程の管理が容易である。
以上説明したように、本実施形態によれば、良好な動作特性を有するとともに加工が容易な不揮発性記憶装置及びその製造方法が提供される。
すなわち、本実施形態によれば、個々のメモリセルに接続されるワード線及びビット線のいずれか、あるいは両方が絶縁層を介して2層積層して(二重化して)加工された構造とすることにより、最小加工寸法で行うリソグラフィ工程等の加工工程数はシェアードワード線/ビット線構造と同等まで抑制しながらも、セルを介して相互に接続されるワード線/ビット線の本数を減らすことで迷走電流を抑制することができるセル構造、及びその製造方法が提供される。
本実施形態は、さらに積層数を増やした場合にも適用可能であり、コンタクトの規則的な引き出しが可能であることは明らかである。従って、本実施形態により、抵抗変化型メモリの積層化による高集積化が比較的容易に実現できることになる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
その他、本発明の実施の形態として上述した不揮発性記憶装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての不揮発性記憶装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
具体例1に係る不揮発性記憶装置2の構成を例示する模式図である。 不揮発性記憶装置2の構成を例示する模式回路図である。 記録部30の構成の一例を表す模式断面図である。 本実施形態と対比される比較例(比較例1)に係る不揮発性記憶装置4の構成を例示する模式断面図である。 不揮発性記憶装置4の構成を例示する模式回路図である。 本実施形態と対比される別の比較例(比較例2)に係る不揮発性記憶装置6の構成を例示する模式断面図である。 不揮発性記憶装置6の構成を例示する模式回路図である。 具体例1に係る不揮発性記憶装置2の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 比較例1に係る不揮発性記憶装置4の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 比較例2に係る不揮発性記憶装置6の「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 具体例2に係る不揮発性記憶装置2Cの構成を例示する模式断面図である。 図12(a)は、不揮発性記憶装置2Cの構成を例示する模式回路図であり、図12(b)は、不揮発性記憶装置2Cの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 具体例3に係る不揮発性記憶装置2Dの構成を例示する模式断面図である。 不揮発性記憶装置2Dの構成を例示する模式回路図である。 不揮発性記憶装置2Dの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 具体例4に係る不揮発性記憶装置2Eの構成を例示する模式断面図である。 図17(a)は、不揮発性記憶装置2Eの構成を例示する模式回路図であり、図17(b)は、不揮発性記憶装置2Eの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 具体例5に係る不揮発性記憶装置2Fの構成を例示する模式断面図である。 不揮発性記憶装置2Fの構成を例示する模式回路図である。 不揮発性記憶装置2Fの「読出し」時の電圧印加状態の一例を表す模式回路図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの構成を例示する模式断面図であり、実施例1に係る不揮発性記憶装置2Pの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの構成を例示する模式断面図であり、実施例2に係る不揮発性記憶装置2Qの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。 実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの構成を例示する模式断面図であり、実施例3に係る不揮発性記憶装置2Rの製造方法を表す模式工程断面図である。
符号の説明
2、2C、2D、2E、2F、2P、2Q、2R、4、6 不揮発性記憶装置
2A、4A、6A 単位メモリ層
2S、6S 一配線境界部
2T、4T 境界部
10 第1の配線
20 整流素子
20A 側面(加工面)
30 記録部
32 電極層
34 記録層
36 電極層
40 第2の配線
50 絶縁層
101 半導体基板
102 トランジスタ
103 STI
104、105、106 コンタクトプラグ
107 M0配線
108 M1配線
109 層間絶縁膜
110 タングステン膜(1層目のワード線となる膜)
111 抵抗変化素子
112 ダイオード
113 タングステン膜
114 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
115 タングステン膜(1層目のビット線となる膜)
116 層間絶縁膜(絶縁層)
117 タングステン膜(2層目のビット線となる膜)
118 ダイオード
119 抵抗変化素子
120 タングステン膜
121 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
122 タングステン膜(2層目のワード線となる膜)
123 層間絶縁膜(絶縁層)
124 タングステン膜(3層目のワード線となる膜)
125 抵抗変化素子
126 ダイオード
127 タングステン膜
128 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
129 タングステン膜(3層目のビット線となる膜)
130 層間絶縁膜(絶縁層)
131 タングステン膜(4層目のビット線となる膜)
132 ダイオード
133 抵抗変化素子
134 タングステン膜
135、136 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
137 タングステン膜(4層目のワード線となる膜)
138 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
201 半導体基板
202 トランジスタ
203 STI
204、205、206 コンタクトプラグ
207 M0配線
208 M1配線
209 層間絶縁膜
210 タングステン膜(1層目のワード線となる膜)
211 抵抗変化素子
212 ダイオード
213 タングステン膜
214 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
215 タングステン膜(1及び2層目共有ビット線となる膜)
216 ダイオード
217 抵抗変化素子
218 タングステン膜
219 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
220 タングステン膜(2層目のワード線となる膜)
221 層間絶縁膜(絶縁層)
222 タングステン膜(3層目のワード線となる膜)
223 抵抗変化素子
224 ダイオード
225 タングステン膜
226 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
227 タングステン膜(3及び4層目共有ビット線となる膜)
228 ダイオード
229 抵抗変化素子
230 タングステン膜
231 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
232 タングステン膜(4層目のワード線となる膜)
233 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
301 半導体基板
302 トランジスタ
303 STI
304、305、306 コンタクトプラグ
307 M0配線
308 M1配線
309 層間絶縁膜
310 タングステン膜(1層目のワード線となる膜)
311 抵抗変化素子
312 ダイオード
313 タングステン膜
314 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
315 タングステン膜(1層目のビット線となる膜)
316 層間絶縁膜(絶縁層)
317 タングステン膜(2層目のワード線となる膜)
318 ダイオード
319 抵抗変化素子
320 タングステン膜
321 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
322 タングステン膜(2層目のビット線となる膜)
323 層間絶縁膜(絶縁層)
324 タングステン膜(3層目のワード線となる膜)
325 抵抗変化素子
326 ダイオード
327 タングステン膜
328 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
329 タングステン膜(3層目のビット線となる膜)
330 層間絶縁膜(絶縁層)
331 タングステン膜(4層目のワード線となる膜)
332 ダイオード
333 抵抗変化素子
334 タングステン膜
335、336 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
337 タングステン膜(4層目のビット線となる膜)
338 層間絶縁膜(素子間絶縁層)
BL ビット線
N 非選択セル
R 抵抗素子/ダイオード
S 選択セル
WL ワード線

Claims (5)

  1. 複数の単位メモリ層を積層した不揮発性記憶装置であって、
    前記単位メモリ層のそれぞれは、
    第1の方向に延在する第1の配線と、
    前記第1の方向に対して非平行な第2の方向に延在する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟持され、前記第1の配線と前記第2の配線とを介して供給される電流により、第1の状態と第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録部と、
    を有し、
    隣接する前記単位メモリ層の境界において、前記隣接する前記単位メモリ層のそれぞれが有する前記第1の配線と、これら一対の第1の配線に挟持された絶縁層と、を有する境界部が設けられ、
    前記境界部に含まれる前記絶縁層と、前記絶縁層を挟持する前記一対の第1の配線と、が一括して加工されてなることを特徴とする不揮発性記憶装置。
  2. 前記境界部に含まれる前記一対の第1の配線は、いずれもワード線であるかまたはいずれもビット線であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
  3. 前記境界部に含まれる前記一対の第1の配線の一方はワード線であり、他方はビット線であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
  4. 前記単位メモリ層のそれぞれは、前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟持され、前記第1の配線と前記第2の配線とを介して供給される電流に対して整流作用を及ぼす整流素子をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  5. 第1の方向に延在する第1の配線と、
    前記第1の方向に対して非平行な第2の方向に延在する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟持され、前記第1の配線と前記第2の配線とを介して供給される電流により、第1の状態と第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録部と、
    を有する単位メモリ層を複数積層した不揮発性記憶装置であって、
    基板の上に、第1の単位メモリ層の前記第1の配線となる第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜の上に絶縁層を形成し、
    前記絶縁層の上に、前記第1の単位メモリ層とは別の第2の単位メモリ層の前記第1の配線となる第2の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜と前記絶縁層と前記第2の導電膜とを、一括加工して前記第1の方向に延在する積層体を形成することを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
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WO2011030916A1 (ja) * 2009-09-11 2011-03-17 国立大学法人東北大学 相変化材料および相変化型メモリ素子
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