JP2009288587A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009288587A
JP2009288587A JP2008142032A JP2008142032A JP2009288587A JP 2009288587 A JP2009288587 A JP 2009288587A JP 2008142032 A JP2008142032 A JP 2008142032A JP 2008142032 A JP2008142032 A JP 2008142032A JP 2009288587 A JP2009288587 A JP 2009288587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fixing
fixing film
film
recording material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008142032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5305742B2 (ja
Inventor
Shinichiro Hosoi
慎一郎 細井
Takeshi Fukuda
福田  剛士
Naoki Hashimoto
直樹 橋本
Seiichiro Kameda
誠一郎 亀田
Keisuke Mogi
佳祐 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008142032A priority Critical patent/JP5305742B2/ja
Publication of JP2009288587A publication Critical patent/JP2009288587A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5305742B2 publication Critical patent/JP5305742B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】定着装置を記録材が通過するときに記録材の分離性能を高くすると共に分離ガイドとの干渉を減少させる。
【解決手段】温度検知素子40によって検出された加圧ローラ35の温度が所定の温度に基づいて加圧ローラ35の正転及び逆転を制御する。温度検知素子40によって検出された温度が所定の温度よりも高ければ、加圧ローラ35を記録材の搬送方向側に回転(R2)させ、所定の温度よりも低ければ、加圧ローラ35を記録材の搬送方向とは逆の方向(R1)に回転させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、複合機、複写機、プリンタ、ファックス等の記録材上に画像形成する際に用いられる加熱装置に関する。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、記録材上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、内部にヒータを有する定着ロールに加圧ロールを圧接して定着ニップを形成し、定着を行うロール定着方式が従来採用されている。
ところで、近年では省エネルギー推進の観点から、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりが速いオンデマンド方式として、熱容量の小さい定着フィルムを介して加熱するフィルム加熱方式の定着装置、すなわちフィルム定着装置が提案されている。
フィルム定着装置は、固定支持された加熱体としての例えばセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)を有している。また、前記ヒータと摺動する伝熱部材としての耐熱性の金属フィルム(以下、定着フィルムと記す)をさらに有する。さらに前記定着フィルムを介して前記ヒータに圧接してトナー像加熱定着領域としての定着ニップ部を形成する加圧部材としての弾性加圧ロールをさらに有する。
そして、定着ニップ部の定着フィルムと加圧ロールとの間で未定着トナー像を担持した記録材を挟持搬送させて定着フィルムを介したヒータからの熱により未定着トナー像を記録材上に加熱溶融定着させるものである。
上記のようなフィルム定着装置は、定着フィルムは、薄肉で熱容量が小さく、かつ熱応答性が良いため、ヒータの熱応答をほぼそのまま定着ニップ内に反映することができる。よって、ヒータ−オン時より短時間の定着温度到達が達成され(オンデマンド方式)、これに伴う省電力が実現される。
フィルム定着装置としては、定着フィルムの搬送に専用の搬送ロールと従動ロールとを用いてテンションを加えながら、加圧ロールとの間で定着フィルムを搬送する方法と、円筒形の定着フィルムを加圧ロールの搬送力で駆動させるテンションレスの方法とがある。後者は前者に比べて装置構成を簡略化して低コストの定着装置を実現できる利点がある。
このテンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置は、耐熱性フィルムとして円筒状のエンドレスフィルムを用いている。そして前記フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー、すなわちフィルムにテンションが加わらない状態とし、フィルムは加圧回転部材としての加圧ロールの回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
図8はフィルム加熱方式の加熱装置の一例である。54は後述するヒータ51を断熱支持するホルダであり、横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材で、フィルム内面のガイド部材と装置の補強部材としてのステー(以下、ステー)を兼ねている。
ヒータ51は横長の低熱容量の線上加熱体であり、上記ステー54の外側下面に長手に沿って設けた溝に嵌め込んで接着して固定させてある。
53はヒータ51を含むステー54に外嵌させた円筒状の耐熱性フィルム(以下、定着フィルム)である。この定着フィルム53の内周長と、ヒータ51を含むステー54の外周長は、定着フィルム53の方を例えば3mmほど大きくしてあり、従って定着フィルム53はヒータ51を含むステー54に対し周長が余裕を持ってルーズに外嵌している。
57は定着フィルム53の寄り移動規制手段として、ステー54の左右両端部に配設した定着フィルム53を受け止めるフランジ部材である。
55はヒータ51との間に定着フィルム53を挟んで圧接ニップ部を形成し、且つ定着フィルム53を回転駆動させる加圧回転体としての加圧ロールであり、金属軸55aと、シリコーンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層55bよりなる。そして、加圧ロール55は、不図示の軸受け手段、付勢手段56により所定の押圧力をもって定着フィルム53を挟ませてヒータ51の表面に圧接させて配設してある。そして駆動手段Mにより不図示の動力伝達系を介して回転駆動力が伝達され、矢示の反時計方向に回転駆動される。
テンションレスタイプのフィルム加熱方式の装置は、フィルム回転駆動状態時に定着ニップ部と、この定着ニップ部よりも定着フィルム53の回転方向の上流側のステー54の外面部分と定着フィルム53との接触部領域のフィルム部分にのみテンションが作用する。そして、残余の大部分のフィルム部分にはテンションが作用しない。そのため、フィルム回転駆動状態時における定着フィルム53のステー54長手に沿う寄り移動力が小さく、定着フィルム53の寄り移動規制手段ないしはフィルム寄り移動手段を簡単化することができる。例えば定着フィルム53の寄り移動規制手段としてはフィルム端部を受け止めるフランジ部材のような簡単なものにすることができ、フィルム寄り制御手段は省略して装置のコストダウンや小型化を図ることができる。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平2005−63730号公報
しかしながら、上記のようなテンションレスの定着方式では回転時に回転ムラを生じやすい。さらに、本体電源投入直後など比較的定着器が十分に温まっていない状態では、定着器が温まっている場合と比較して、図9の定着フィルム軌跡53c、53dのように、定着フィルムは回転ムラを生じやすい。そして定着フィルムは記録材搬送方向にふくらみバタツク回転軌道をたどる。
定着器が温まると記録材搬送方向にばたつきにくくなる現象の原因としては、温度上昇によるヤング率の低下に起因する定着フィルムの曲げ剛性の低下があげられる。 (原因を一つにしました)
また上記のように定着フィルムが、記録材搬送方向下流側にふくらみバタつくと記録材の定着フィルムへの巻きつきを防止するための分離部材と定着フィルムの干渉が起こる。分離部材との干渉で定着フィルム表層に傷がつくと傷跡が記録材の画像面に出てしまうために、分離部材は定着器が十分に暖まっていない状態、つまり立上げ時でも定着フィルムに対して接触しない位置(図10の矢印方向)に配置せざるをえない。
しかし定着器に温調がかかり定着フィルムの軌道が安定してくると、図10のように定着フィルム53と分離ガイド59の間のギャップが広く空いてしまうことになる。これにより、トナーの載り量が比較的多いフルカラー画像定着時や、比較的コシの弱い薄紙や吸湿紙の定着時は、記録材の巻き付きジャムが発生してしまうことがあった。
そこで、本発明では、定着フィルム53のばたつきによる分離ガイド59と定着フィルム53の接触を回避しつつ、記録材の分離性能を高める構成を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、無端ベルトと、前記無端ベルトの一部と圧接するように設けられた回転可能な加圧体と、前記無端ベルトと前記加圧体とが圧接するニップ部を加熱する加熱手段と、前記加圧体を回転させる駆動手段と、前記加圧体を回転させることによって前記無端ベルトを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱及び加圧する定着装置であって、前記無端ベルト、前記加熱手段、及び前記加圧体のうちのいずれか一つの温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に応じて前記加圧体が正転又は逆転するように前記駆動手段を制御する駆動制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明においては、温度検知手段によって検知された温度に応じて加圧体が正転又は逆転をするように駆動手段が制御されるので、無端ベルトの搬送方向へのふくらみを減少させることができる。このため、分離ガイドのギャップを狭くすることが可能となり、記録材の分離性能を高めることが可能となる。また、分離ガイドとの干渉を防止することができる。
次に本発明の一実施形態に係る画像定着装置について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る加熱装置である定着装置を用いた画像形成装置の縦断面模式図である。なお、本実施形態ではフルカラープリンタを例示している。
[画像形成装置の全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。
本実施形態のプリンタは、制御回路部(駆動制御手段)100と通信可能に接続した外部ホスト装置200からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。
外部ホスト装置200は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置200と信号の授受をする。また各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)であり、二次転写対向ローラ9とテンションローラ10との間に張架されていて、二次転写対向ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成部であり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2とベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部100は外部ホスト装置200から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスはよく知られているので説明を省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面にこれら4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給送タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給送部13A・13B・13Cのうちの選択された段位の給送カセットの給送ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給送カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給送されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給送が選択されているときには、給送ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給送されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録材表面に永久固着像として定着される。定着装置20を出た記録材はフルカラー画像形成物として搬送パス21を通って排出ローラ22により排出トレイ23上に送り出される。
二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排出ローラ22により排出トレイ23上に送り出されていき、後端部が排出ローラ22を通過する直前時点で排出ローラ22の回転が逆転に変換される。これにより、記録材はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、両面プリント画像形成物として排出トレイ23上に送り出される。
[加熱装置]
次に加熱装置としての定着装置20について説明する。
図2は定着装置20の概略構成図である。31はニップ領域を加熱する加熱手段としてのとしてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。このヒータ31は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。
図3は定着フィルム33の摺動部近傍の搬送方向断面図である。また、図4は図2に示す定着装置の長手方向両端部付近の概略構成図である。
図2乃至図4において、32は上記のヒータ31を固定支持させた支持部材である。この支持部材32は横断面略半円弧状樋型で、図面に垂直方向を長手とする耐熱性樹脂等の断熱性部材である。ヒータ31はこの支持部材32の下面に長手に沿って形成具備させた溝部にヒータ表面側を下向きに露呈させて嵌め入れて耐熱性接着剤等により固定して配設してある。
33は熱を伝達する加熱部材としての円筒状(エンドレス)の耐熱性の定着フィルム(無端ベルト)であり、上記のヒータ31を含む支持部材32にルーズに外嵌させてある。
定着フィルム33は三層構造となっている。第一層は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は、100μm以下、好ましくは20〜50μm程度のSUSやNiからなる金属層となっている。第二層として、金属層の外周面にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層を重ねている。さらにその外周面に第三層として、5〜50μm程度のPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用する。定着フィルム33の内面には、ヒータ温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子が配置されているがここでは図示していない。
34は支持部材32の内側に配設したステーであり、支持部材32を支持している。
35は加圧部材としての耐熱性及び弾性を有する加圧ローラ(加圧体)である。芯金35aと、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層35bからなり、芯金35aの両端部を回転可能に軸受け支持させて配設してある。
加圧ローラ35の上側にヒータ31、支持部材32、定着フィルム33、ステー34のアセンブリを、ヒータ31側を下向きにして加圧ローラ35に並行に配置し、ステー34を付勢部材36で下方に押圧させている。これにより、ヒータ31の下面を定着フィルム33を介して加圧ローラ35の上面にローラ弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部を形成させてある。なお、加圧ローラ35を回転させることにより定着フィルム33は従動回転する。
37a、37bは円筒状の支持部材32の手前側と奥側の端部に嵌着して配設したフランジ部材であり、定着フィルム33内周面の端部を受けて、定着フィルム33の支持部材32の長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。
ここで、図3を用いて、定着ニップ部における定着フィルム33の摺動部近傍の横断面側面形状について説明する。
定着フィルム33からの紙分離性を向上させるために、支持部材32に突出部38を設けている。この突出部38は、ヒータ31の定着フィルム33との摺動部よりも記録材Pの搬送方向下流側(以下、下流側と略記する)に位置し、加圧ローラ35側に支持部材32を突出させている。
この突出部38の突出量hは、ヒータ31の定着フィルム33との摺動面を基準に0.1mm以上で1.0mm以下であれば良い。この突出量hが0.1mm未満であると、紙分離性が不十分となり、定着器における巻き付きジャムが発生してしまう問題がある。逆に、この突出量hが1.0mmより大きいと、定着された紙のカール量が非常に大きくなってしまう問題がある。さらに、本実施形態のように、定着フィルム33として金属部材を用いている場合、突出量hが大きいほど定着フィルム33への屈曲応力が増大するため、金属部材の疲労破壊が発生しやすくなる。よって、より好ましくは、突出量hは0.5mm以下とするのが良い。本実施形態においては、突出量hは0.3mmとしている。
39は分離ガイドで、排出搬送された記録材が定着フィルムに巻きつかないように、かつ定着フィルム33に接触して定着フィルム33に傷をつけないように、定着フィルム33とある間隔(隙間)を持って記録材Pを搬送下流側に配置される。この分離ガイド39と定着フィルム33との間隔については後で詳述する。
なお、図2において、40は、温度検知素子(温度検知手段)であり、加圧ローラ35の表面温度を検出する。
[加熱装置の駆動動作]
ここで、加熱装置である本実施形態における定着装置の回転駆動の動作について図5を用いて説明する。
加圧ローラ35は駆動手段Mにより所定の回転周速度V[mm/s]で駆動される。この加圧ローラ35の回転駆動により、定着ニップ部において、加圧ローラ35と定着フィルム33との間の圧接摩擦力が生じる。この摩擦力により定着フィルム33に回転力が作用して定着フィルム33がヒータ31の下向き面に密着して摺動しながら支持部材32の外周を回転する。支持部材32は定着フィルム33のガイド部材でもある。
制御回路部100は、回転動作開始時に温度検知素子40の検知温度が所定の温度T1よりも低いときは、ヒータ31に通電させてヒータ31を昇温させつつ、加圧ローラ35を矢印R1方向に回転させる。これは、記録材Pの定着搬送時における加圧ローラ回転方向とは逆の回転である。このとき、定着フィルム33の軌跡は、図5における定着フィルム軌跡33a(太線)のように記録材搬送方向上流側(以下、上流側と略記する)に大きく膨らみ、搬送下流には膨らまない。
ここで、前記所定の温度T1は、回転動作開始時における温度よりも高く、記録材に形成したトナー像を加熱、加圧して定着可能な温度よりも低い温度である。これにより、ヒータ31の昇温がトナー像定着温度になったときは、記録材を搬送してトナー像定着が可能であり、定着効率を低下させない。
次に、制御回路部100は、所定の温度T1になった段階で、加圧ローラ35の回転を即座に止めて、加圧ローラ35を定着搬送方向である矢印R2方向に回転させる。ヒータ31が昇温して所定の定着可能温度T2に立ち上がり温調される。この状態における定着フィルム33は、定着フィルム軌跡33b(細線)をたどる。このとき、定着フィルム33は前述のように上流側に膨らんでいたために、矢印R2方向に回転したときに下流側への膨らみが抑制される。この状態で、定着ニップ部の定着フィルム33と加圧ローラ35との間に未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入される。そして定着ニップ部において記録材Pのトナー像担持側面が定着フィルム33の外面に密着して定着フィルム33と一緒に挟持搬送される。
この挟持搬送過程においてヒータ31で加熱された定着フィルム33の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー像tが記録材P上に加熱、加圧されて溶融定着される。定着ニップ部を通過した記録材Pは定着フィルム33の面から曲率分離して排出搬送されていく。
上記のようにトナー像定着時に定着フィルム33の下流側への膨らみが抑制されるので、定着フィルム33と分離ガイド39との間隔を小さくすることが可能となる。
ここで、本実施形態において、V=240[mm/s]、T1=160[℃]、T2=230[℃]、としたときに、定着フィルム33の軌跡は、図6に示すように、R1方向回転時(逆回転時)は、R2方向回転時(正回転時)と比べて、定着フィルム33は搬送上流方向に膨らむ。すなわち、温調された状態の軌跡が搬送方向に対して最下流位置をたどることがわかる。
定着フィルム33を上記状態にしてから加圧ローラ35をR2方向に回転させることにより、トナー像定着時の定着フィルム33の下流側への膨らみを抑制することができる。
これを、回転動作開始時に、温度検知素子40の検知温度が所定の温度T1よりも低いときもR2方向回転させた場合の図10の場合と比較してみる。
温調時における定着フィルム33と分離ガイド39との間隔(ギャップ)Gは、本実施形態では0.5[mm]あれば足りるが(図6参照)、上記逆回転駆動動作を行わない時は1.2[mm]必要であった(図10参照)。すなわち、本実施形態のように、加圧ローラ35を所定の温度まで逆回転させることにより、逆回転させない場合に比べて前記間隔Gを搬送方向上流に0.7[mm]狭めることができる。
[実験結果]
ここで、定着フィルム33の軌跡が最下流に膨らんだ位置よりもさらに0.5mm下流に分離ガイド39を配置して、巻きつきジャム発生の有無との関係についてについて確認した。
すなわち、本実施形態における前記間隔G=0.5mm、従来例における間隔G=1.2mmとなる。その結果を図7に示す。なお、図7において、○は巻きつきジャムが発生しなかったことを、×は巻きつきジャムが発生したことを示す。
図7に示す結果より、本実施形態のように、加圧ローラ35に逆回転動作を行わせることで、定着器が暖まっていない状態での定着フィルム33の軌跡の搬送下流方向の膨らみを抑えることができる。このため定着器が暖まっている状態において、分離ガイド39を定着フィルム33に対して近接して設置することができる。これにより、トナー載り量が比較的多いフルカラー画像定着時や、比較的コシの弱い薄紙や吸湿紙の定着時の定着フィルム33への巻き付きジャムの発生を防止することができる。
以上説明したように、温度検知素子の検知温度に応じて加圧ローラを正逆回転させることで、定着器が暖まっていない状態での定着フィルム33の軌跡の搬送下流方向の膨らみを抑えることが出来た。これにより、分離ガイド39を、定着フィルム33のより近傍に配置することが出来、定着フィルムへの巻き付きを防止することができる。
本発明の定着装置を画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタに適用した場合の概略構成を示す縦断面模式図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略構成図(搬送方向断面図)である。 定着フィルムの摺動部の近傍の搬送方向断面図である。 図2に示す定着装置の長手方向両端部付近の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る動作を行わせたときの搬送方向断面における定着フィルムの軌跡を示す図である。 本発明の実施形態に係る、回転動作を行ったときの、搬送方向における、定着フィルムと分離ガイドとの間隔Gを時系列で記録したものであるグラフである。 温調時の定着フィルムと分離ガイドとのの間隔と分離性の関係を示す実験結果の表である。 従来の定着装置の概略構成図である。 従来の定着装置における定着フィルムの軌跡を示す図である。 従来の定着装置での、搬送方向における、定着フィルムと分離ガイドとの間隔を時系列で記録したグラフである。
符号の説明
M …駆動手段
20 …定着装置
31 …ヒータ
32 …支持部材
33 …定着フィルム
34 …ステー
35 …加圧ローラ
38 …突出部
39 …分離ガイド
40 …温度検知素子
100 …制御回路部

Claims (3)

  1. 無端ベルトと、
    前記無端ベルトの一部と圧接するように設けられた回転可能な加圧体と、
    前記無端ベルトと前記加圧体とが圧接するニップ部を加熱する加熱手段と、
    前記加圧体を回転させる駆動手段と、
    前記加圧体を回転させることによって前記無端ベルトを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱及び加圧する加熱装置であって、
    前記無端ベルト、前記加熱手段、及び前記加圧体のうちのいずれか一つの温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段によって検知された温度に応じて前記加圧体が正転又は逆転するように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と
    を具備することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記駆動制御手段は、
    前記温度検知手段によって検知された温度が所定の温度よりも高ければ、前記加圧体が前記記録材の搬送方向に回転するように前記駆動手段を制御し、前記温度検知手段によって検知された温度が前記所定の温度よりも低ければ前記加圧体が前記搬送方向とは逆の方向に回転するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記所定の温度は、記録材に形成したトナー像を加熱、加圧して定着可能な温度よりも低いことを特徴とする請求項2記載の加熱装置。
JP2008142032A 2008-05-30 2008-05-30 加熱装置 Expired - Fee Related JP5305742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008142032A JP5305742B2 (ja) 2008-05-30 2008-05-30 加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008142032A JP5305742B2 (ja) 2008-05-30 2008-05-30 加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009288587A true JP2009288587A (ja) 2009-12-10
JP5305742B2 JP5305742B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=41457841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008142032A Expired - Fee Related JP5305742B2 (ja) 2008-05-30 2008-05-30 加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5305742B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016142824A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置
JP2017009824A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社リコー 分離部材、定着装置及び画像形成装置
JP7433923B2 (ja) 2020-01-16 2024-02-20 キヤノン株式会社 画像形成方法及び画像形成装置
US11947296B2 (en) 2022-03-04 2024-04-02 Ricoh Company, Ltd. Nip forming device and image forming apparatus

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000159407A (ja) * 1998-11-20 2000-06-13 Canon Inc 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP2002132084A (ja) * 2000-10-20 2002-05-09 Canon Inc 画像形成装置
JP2005215458A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Canon Inc 画像形成装置
JP2006163295A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Canon Inc 定着装置
JP2007047357A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2007286352A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000159407A (ja) * 1998-11-20 2000-06-13 Canon Inc 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP2002132084A (ja) * 2000-10-20 2002-05-09 Canon Inc 画像形成装置
JP2005215458A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Canon Inc 画像形成装置
JP2006163295A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Canon Inc 定着装置
JP2007047357A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2007286352A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016142824A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置
JP2017009824A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 株式会社リコー 分離部材、定着装置及び画像形成装置
JP7433923B2 (ja) 2020-01-16 2024-02-20 キヤノン株式会社 画像形成方法及び画像形成装置
US11947296B2 (en) 2022-03-04 2024-04-02 Ricoh Company, Ltd. Nip forming device and image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP5305742B2 (ja) 2013-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5258386B2 (ja) 画像加熱装置
JP2007079033A (ja) 画像加熱装置
JP5339758B2 (ja) 加熱装置
JP2011164132A (ja) 定着装置及びこれを用いる画像形成装置
JP2006023427A (ja) 定着装置及び画像形成装置
US6741825B2 (en) Image forming apparatus and method
JP5305742B2 (ja) 加熱装置
JP2006259299A (ja) 画像形成装置
US8509666B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2013024895A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4898258B2 (ja) 画像形成装置
JP2011253000A (ja) 画像形成装置
US11343400B2 (en) Separating mechanical elements in an image forming apparatus after a predetermined period of time
US20110299897A1 (en) Image forming apparatus and cleaning method
JP6004689B2 (ja) 定着装置、及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP2013105130A (ja) 画像加熱装置、画像形成装置、及び画像加熱システム
JP5177622B2 (ja) 画像形成装置
JP2007293082A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP3605069B2 (ja) 画像形成装置
JP2007310077A (ja) 画像形成装置
JP2004309875A (ja) ベルト定着装置
JP2006209009A (ja) 定着装置、画像形成装置
JP2008051887A (ja) ウェブシートを用いたクリーニング装置
JP2019023681A (ja) 定着装置
JP2011191535A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130625

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees