JP2009287500A - マイクロポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中に気泡が含まれていても安定した液送を行うことが可能なマイクロポンプを提供する。
【解決手段】マイクロポンプ1は、ポンプ室110と、外部からポンプ室110に液体を吸入するための吸入口103と、ポンプ室110の容積を変化させるための振動板130と、吸入口103を閉塞または開放可能にするために上流側に配置される第1吸入側逆止弁500と下流側に配置される第2吸入側逆止弁600とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、一般的にはマイクロポンプに関し、特定的には微小な流量を吐出するマイクロポンプに関する。
従来、微量の液体を吐出するマイクロポンプには、毎秒1〜200μL程度の液送を行なうものがある。マイクロポンプは、ある程度の流量を確保するように設計される。マイクロポンプを駆動する振動板に用いられる圧電素子のサイズとしては、一般に、直径20mm程度以上のものが多く用いられている。電源としては、多くの場合、商用交流電源が使用されている。このようなマイクロポンプの実際の商品の例では、マイクロポンプは、60Hz駆動で、1分間あたり36mL(ミリリットル)程度(交流電圧の一周期当たり10μL(マイクロリットル)程度)の流量を持つことになる。このようなマイクロポンプは各分野で使用されているが、医療や芳香の分野等において微量な薬品を扱う場合には、管理すべき流量はさらに少なくなり、1μL単位の流量を制御することが要求される。そのため、さらにポンプのサイズや振動板を小型化し、超低流量で、かつ、安定した流量を実現することができるポンプが必要となっている。
このようなマイクロポンプとしては、例えば、特開2007−71070号公報(特許文献1)には、圧電素子を振動させてポンプ室の容積を変化させて、液送を行なうダイヤフラムポンプが記載されている。このダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム(圧電素子)の上下両方に、それぞれ別個にポンプ室が形成され、それぞれのポンプ室には、吸入ポートと吐出ポートが1つずつ形成されている。1つの吸入ポートには1つの吸入側逆止弁が配置されている。
特開2007−71070号公報
しかしながら、特開2007−71070号公報(特許文献1)に記載されているような、圧電素子を用いる従来のマイクロポンプでは、液体に気泡が含まれていると、気泡周辺の液体の表面張力により、吸入口を気泡が容易に通過せず、安定した液送ができなくなってしまう。
そこで、この発明の目的は、液体中に気泡が含まれていても安定した液送を行うことが可能なマイクロポンプを提供することである。
この発明に従ったマイクロポンプは、ポンプ室と、外部からポンプ室に液体を吸入するための吸入口と、ポンプ室の容積を変化させるための振動板と、吸入口を閉塞または開放可能にするために上流側に配置される第1の弁体と下流側に配置される第2の弁体とを備える。
吸入口に第1の弁体と第2の弁体の2つの弁体が配置されることによって、第1の弁体と第2の弁体との間に気泡が入り込んだ場合に、気泡の大きさは、最大でも第1の弁体と第2の弁体との間の空間の大きさになる。そのため、気泡が圧縮されることで生じる、液体にかかる圧力のロスが低減されて、液送を円滑に行なうことができる。
また、第1の弁体と第2の弁体の2つの弁体が配置されることによって、吸入口において液体にかかる圧力を増大させて、確実に液送を行なうことができる。
また、吸入口において逆流が発生することを防ぐことができる。
このようにすることにより、液体中に気泡が含まれていても安定した液送を行うことが可能なマイクロポンプを提供することができる。
この発明に従ったマイクロポンプにおいては、第1の弁体は、第2の弁体よりも弾性変形しにくいように形成されていることが好ましい。
このようにすることにより、第1の弁体と第2の弁体との間において液体にかかる圧力を高めることができるので、液体中に気泡が含まれていても液送を確実に行なうことができる。
この発明に従ったマイクロポンプにおいては、吸入口の大きさは、第1の弁体が配置されている位置において相対的に大きく、第2の弁体が配置されている位置において相対的に小さいことが好ましい。
このようにすることにより、液体中に気泡が含まれていても、外部から吸入口に液体を吸入しやすくなる。
この発明に従ったマイクロポンプにおいては、第1の弁体および/または第2の弁体は、凸面を有し、凸面がポンプ室の内部に対向するように配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、弁体を固定するために、ポンプ室の内部から外部に向かう方向に弁体を押圧しても、弁体が反り返って吸入口を閉塞しなくなることがなく、安定した液送を行なうことができる。
この発明に従ったマイクロポンプにおいては、第1の弁体と第2の弁体は、互いの間隔が1mm以下であるように配置されていることが好ましい。
このようにすることにより、第1の弁体と第2の弁体との間に気泡が入り込んだ場合に、気泡の厚みは、最大でも1mmとなる。そのため、気泡が圧縮されることで生じる、液体にかかる圧力のロスが低減されて、液送を円滑に行なうことができる。
以上のように、この発明によれば、液体中に気泡が含まれていても安定した液送を行うことが可能なマイクロポンプを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態として、マイクロポンプの全体を示す断面図である。図2は、図1のマイクロポンプに組み込まれたバルブシートを上方向から見た図(A)と、下方向から見た図(B)である。
図1と図2に示すように、マイクロポンプ1は、主に、液体を収容する液タンク101と、液タンク101の下に配置される吸入吐出側ケース(IOプレート)200と、吸入吐出側ケース200の下に配置されるバルブシート300と、バルブシート300の下に配置される振動板側ケース400(バックプレート)と、バルブシート300と振動板側ケース400との間に挟まれる振動板130と、振動板130とバルブシート300とによって形成されるポンプ室110と、第1の弁体として第1吸入側逆止弁500と、第2の弁体として第2吸入側逆止弁600と、吐出側逆止弁700とを備える。
マイクロポンプ1の上部には、液タンク101が配置されており、液タンク101の内部には液体102が貯留される。液タンク101の下部と吸入吐出側ケース200の上部は吸入口103によって連結されている。
吸入吐出側ケース200には、第1吸入側逆止弁500を配置するための第1吸入側弁座210が形成されている。第1吸入側弁座210には、第1吸入側逆止弁500の脚部502を受容するための受容部212を取り囲むようにして、第1吸入口211が複数形成されている。
吸入吐出側ケース200の下に配置されるバルブシート300には、第2吸入側逆止弁600を配置するための第2吸入側弁座310と、ポンプ室110の内部からポンプ室110の外部の吐出管202に液体を吐出するための吐出口321と、吐出口321を閉塞または開放可能に吐出側逆止弁700を配置するための吐出側弁座320が形成されている。第2吸入側弁座310には、第2吸入側逆止弁600の脚部702を受容するための凹部312を取り囲むようにして複数の第2吸入口311が形成されている。また、吐出側弁座320には、吐出側逆止弁700の脚部702を受容するための凹部322を取り囲むようにして複数の吐出口321が形成されている。
第2吸入口311は、第1吸入口211の下方に配置されている。第1吸入口211と第2吸入口311との間には、液体が一時的に貯められる中間部220が形成されている。吸入口103は、第1吸入口211と中間部220と第2吸入口311を含む。
第2吸入側逆止弁600を介して液体が吸入され、吐出側逆止弁700を介して液体が吐出されるまでの空間がポンプ室110である。第2吸入側逆止弁600と吐出側逆止弁700はそれぞれ、バルブシート300に形成された第2吸入側弁座310と吐出側弁座320に取り付けられている。ポンプ室110の底面は振動板130によって形成されている。振動板130は、ポンプ室110の容積を変化させる。バルブシート300と振動板130は、それぞれ、ポンプ室110の上面側の壁と下面側の壁を形成している。振動板130の端部は、バルブシート300と振動板側ケース400との間に挿入されて固定されている。
圧電素子120の下部には、空間が設けられ、圧電素子120は上下に振動することができる。バルブシート300の上部には、吸入吐出側ケース200が取り付けられており、吸入吐出側ケース200の内部に吐出管202が形成されている。バルブシート300と吸入吐出側ケース200との間には8の字Oリング301が配置されて密閉され、バルブシート300と振動板側ケース400との間にはOリング302が配置されて密閉されている。Oリング302は、バルブシート300の下面に形成された凹部にはめ込まれている。吸入吐出側ケース200とバルブシート300、バルブシート300と振動板側ケース400は、それぞれ、ねじ等で互いに密接するようにして固定されている。
第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600と吐出側逆止弁700は、弁の軸を含む縦断面が、相対的に断面積が大きい頭部と相対的に断面積が小さい脚部を有し、開いた傘のような形状をしている。
第1吸入側逆止弁500は、扁平な頭部501を下に向け、棒状の脚部502を上に向けて、脚部502が第1吸入側弁座210に取り付けられていることによってマイクロポンプ1に組み込まれている。脚部502は、頭部501と反対側の先端の径が、頭部501と先端との間の脚部502の径よりも大きく形成されており、第1吸入側弁座210の受容部212から抜け落ちないように保持されている。第1吸入側逆止弁500の頭部501の頂部503は、頭部501から突出して形成された突起である。第1吸入側逆止弁500は、ゴム等の樹脂素材によって形成されている。第1吸入側逆止弁500がマイクロポンプ1に組み込まれると、頭部501の周辺部は、第1吸入側弁座210の下面213に密着する。
第2吸入側逆止弁600は、扁平な頭部601を下に向け、棒状の脚部602を上に向けて、脚部602がバルブシート300の第2吸入側弁座310に取り付けられていることによってマイクロポンプ1に組み込まれている。脚部602は、先端がほぼ平らであり、バルブシート300に形成された凹部312に受容されて保持されている。第2吸入側逆止弁600の頭部601の頂部603は、頭部601から突出して形成された突起であり、振動板130に接している。第2吸入側逆止弁600は、ゴム等の樹脂素材によって形成されている。振動板130が、第2吸入側逆止弁600の頂部603を下方から押圧するようにして、第2吸入側逆止弁600を固定している。頭部601の周辺部は、第2吸入側弁座310の下面313に密着する。
吐出側逆止弁700は、扁平な頭部701を上に向け、棒状の脚部702を下に向けて、脚部702がバルブシート300に取り付けられていることによって、ポンプ室110に組み込まれている。脚部702は、先端がほぼ平らであり、バルブシート300に形成された吐出側弁座320の凹部322に受容されて保持されている。吐出側逆止弁700の頭部701の頂部703は、吐出管202の壁部を形成する吸入吐出側ケース200の内壁に形成された突起201に接している。吐出側逆止弁700は、ゴム等の樹脂素材によって形成されている。
この実施の形態では、例えば、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600と吐出側逆止弁700の直径は5.5mm、厚さは0.3〜0.5mmとする。圧電素子120としては、直径が17mm、厚さ0.4mmの圧電素子120を用い、この圧電素子120を、直径24mm、厚さ0.09mmの銅板等によって形成される振動板130に接着して、マイクロポンプ1に組み込む。マイクロポンプ1の長さは30mm、幅は30mm、高さは10mmとする。このようなマイクロポンプ1の液送量は、1〜200μL/秒程度の微小な液送量となる。
また、第1吸入側逆止弁500の頭部501は、第2吸入側逆止弁600の頭部601よりも、弾性変形しにくいように形成されている。例えば、第1吸入側逆止弁500としては、第2の吸入側逆止弁600よりも、若干硬度が高いものを用いる。第1吸入側逆止弁500の頭部501の硬度は、50以上であることが好ましい。硬度は、ジュロメータ硬度で表した硬度である。また、例えば、第1吸入側逆止弁500の頭部501としては、第2吸入側逆止弁600の頭部601よりも厚みの厚いゴムを使用することによって、第1吸入側逆止弁500の頭部501を、第2吸入側逆止弁600の頭部601よりも弾性変形しにくくすることができる。
液タンク101内の液体102は、吸入口103の第1吸入口211、中間部220、第2吸入口311を通ってポンプ室110に入る。吸込口103においては、液体102の流れの上流から、第1吸入口211、中間部220、第2吸入口311が順番に並んでいる。
圧電素子120に交流電圧を印加することによって、交流電圧の周波数に対応する周波数で圧電素子120が振動する。この圧電素子120の振動と連動して、圧電素子120に接着されている振動板130が振動し、ポンプ室110の容積を変化させる。振動板130が上下どちらにも変位していないときには、第1吸入側逆止弁500の頭部501が第1吸入口211を閉じ、第2吸入側逆止弁600の頭部601が第2吸入口311を閉じ、吐出側逆止弁700の頭部701が吐出口321を閉じている。
図3は、この発明の第1実施形態のマイクロポンプに用いられる突起(A)と、吐出側逆止弁(B)と、吐出側弁座の上面(C)を示す図である。
図3の(A)に示すように、吐出管202(図1)の壁部を形成する吸入吐出側ケース200(図1)の内壁に形成された突起201は、円柱状の部分と円錐台状の部分とを有し、円柱の下面と円錐台の上面を互いに接合した形状である。突起201の円錐台状の部分においては、円柱と接合している上面の径が相対的に大きく、下面の径が相対的に小さい。吐出側逆止弁700がマイクロポンプに組み込まれると、突起201の下面が吐出側逆止弁700の頂部703を押圧する。
図3の(B)に示すように、吐出側逆止弁700は、扁平な頭部701と棒状の脚部702を有し、頂部703を含む頭部701の上面は平らである。
図3の(C)に示すように、吐出側弁座320には、吐出側逆止弁700の脚部702を受容するための凹部322と、凹部322を取り囲むようにして複数の吐出口321が形成されている。
図4は、この発明の第1実施形態のマイクロポンプに用いられる吐出側逆止弁と吐出側逆止弁の周辺の断面を示す断面図である。図4の(A)は、吐出側逆止弁が吐出側弁座に挿入される前の状態を示し、図4の(B)は、吐出側逆止弁が吐出側弁座に挿入されてバルブシートに組み込まれた状態を示す。
図4の(A)に示すように、吐出側逆止弁700は、扁平な頭部701と棒状の脚部702を有し、頭部701の上面は平らである。吐出側弁座320は、バルブシート300(図1)内に形成されており、吐出側逆止弁700の脚部702を受容するための凹部322を有する。吐出側弁座320の上面には、凹面323が形成されている。凹面323は、吐出側逆止弁700の脚部702を受容するための凹部322側で凹んだ球の内面のような傾斜に形成されている。
図4の(B)に示すように、吐出側逆止弁700の脚部702が吐出側弁座320の凹部322に上方から挿入されて、吐出側逆止弁700が吐出側弁座320に組み込まれる。また、吐出管202(図1)の内壁に形成された突起201が、吐出側逆止弁700の頭部701の中心を上方から押圧するようにして、吐出側逆止弁700を固定している。このようにすることにより、吐出側逆止弁700の頭部701が弾性変形し、頭部701においては、吐出側弁座320の上面に形成された凹面323に沿って、吐出管202の突起201側に凹面が形成され、吐出側弁座320側に脚部702を中心にして凸面が形成されて、頭部701の周辺部は、吐出側弁座320に密着する。
図5は、この発明の一つの実施の形態として、振動板を振動させてポンプ室の容積を変化させたときのマイクロポンプの動作を順に示す図である。
まず、図5(A)は、ポンプ室内に液体を吸入するときのマイクロポンプのポンプ室周辺を示す断面図である。
図5(A)に示すように、振動板130が下方向に変位すると、ポンプ室110の容積が大きくなる。ポンプ室110の容積が大きくなると、第1吸入側逆止弁500の頭部501と第1吸入口211との間と、第2吸入側逆止弁600の頭部601と第2吸入口311との間に隙間ができて、液タンク101に溜められている液体102(図1)が、吸入口103、すなわち、第1吸入口211、中間部220、第2吸入口311を通ってポンプ室110内に流入する。このとき、吐出側逆止弁700の頭部701によって吐出口321はふさがれており、ポンプ室110内に流入した液体が吐出口321から流出することはない。
次に、図5(B)は、ポンプ室内に吸入した液体を外部に吐出するときのマイクロポンプのポンプ室周辺を示す断面図である。
図5(B)に示すように、振動板130が上方向に変位すると、ポンプ室110の容積が小さくなる。ポンプ室110の容積が小さくなると、第1吸入側逆止弁500の頭部501と第1吸入口211との間の隙間と、第2吸入側逆止弁600の頭部601と第2吸入口311との間の隙間がふさがれて、液タンク101からポンプ室110には液体が流入しない。一方、吐出側逆止弁700と吐出口321との間に隙間ができて、ポンプ室110内の液体が吐出口321から吐出管202に流出し、吐出端203を通って外部に吐出される。
マイクロポンプ1は、図1に示すように振動板130の変位がない状態と、図5(A)に示すようにポンプ室110の容積を大きくする方向に振動板130が変位している状態と、図5(B)に示すようにポンプ室110の容積を小さくする方向に振動板130が変位している状態と、を繰り返すことによって、液タンク101内の液体102をポンプ室110内に吸入し、外部に吐出する。
ここまでの例では、振動板130の変位が0の状態(図1)から、振動板130がポンプ室110の容積を大きくする方向に変位した状態(図5(A))に変化し、振動板130の変位が0の状態(図1)に戻り、続いて振動板130がポンプ室110の容積を小さくする方向に変位した状態(図5(B))に変化し、振動板130の変位が0の状態(図1)に戻るまでの一連の動作の場合、すなわち1サイクル動作の場合を示したが、振動板130の変位が0の状態(図1)から、振動板130がポンプ室110の容積を大きくする方向に変位した状態(図5(A))に変化し、振動板130の変位が0の状態(図1)に戻る動作、すなわち半サイクル動作でも、マイクロポンプ1による液体の吸入と吐出が可能である。この場合は、1サイクルの半分程度の吐出量となる。同様に振動板130の変位が0の状態(図1)から、振動板130がポンプ室110の容積を小さくする方向に変位した状態(図5(B))に変化し、振動板130の変位が0の状態(図1)に戻る動作、すなわち半サイクル動作でも、マイクロポンプ1による液体の吸入と吐出が可能であり、この場合も1サイクル動作の半分程度の吐出量となる。
図6は、この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図6の(A)に示すように、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位するときには、吸入側逆止弁910の頭部911と吸入口920の間に隙間ができて、ポンプ室の外部の液体が吸入口920を通ってポンプ室の内部に流入する。液体に気泡801が入っている場合には、気泡801は、液体とともにポンプ室に向かって流れるように力を受けて、吸入口920に入りかけるが、気泡801の周辺の液体の表面張力があるために、吸入口920を通過しにくい。気泡801は、吸入口920の上端付近に留まる。
図6の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位すると、吸入側逆止弁910と吸入口920との間の隙間がふさがれて、ポンプ室の内部には液体が流入しない。吸入口920に入りかけていた気泡801は、吸入側逆止弁910の頭部911が吸入口920を下方向から閉じることによって上向きに圧力を受けて、吸入口920から出て、吸入口920の上端に戻ってしまう。
振動板が振動すると、気泡801は、図6の(A)と図6の(B)の状態を繰り返す。このように、気泡801は、吸入口920の上端をふさいだままで、吸入口920からポンプ室の内部に入りにくい。
このように、気泡801が吸入口920の上端をふさいだままで、吸入口920を通過しない場合には、液体にかかる圧力を気泡801が吸収してしまうので、安定した液送ができない。
図7は、第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図7の(A)に示すように、中間部220に気泡801が入り込んでいるときに、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位すると、第1吸入側逆止弁500の頭部501と第1吸入口211の間に隙間ができ、第2吸入側逆止弁600の頭部601と第2吸入口311の間に隙間ができて、ポンプ室の外部の液体が第1吸入口211、中間部220、第2吸入口311を通ってポンプ室の内部に流入する。中間部220の気泡801は、液体とともにポンプ室に向かって流れるように力を受けて、第2吸入口311に入りかけるが、気泡801周辺の液体の表面張力があるために、第2吸入口311を通過しにくい。気泡801は、第2吸入口311の上端付近に留まる。
図7の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位すると、第1吸入側逆止弁500と第1吸入口211との間の隙間がふさがれ、第2吸入側逆止弁600と第2吸入口311との間の隙間がふさがれて、ポンプ室の内部には液体が流入しない。第2吸入口311に入りかけていた気泡801は、第2吸入側逆止弁600の頭部601が第2吸入口311を下方向から閉じることによって上向きに、逆流方向に圧力を受ける。しかしながら、第1吸入側逆止弁500が第1吸入口211を閉じているので、第2吸入口311から中間部220に戻ってしまうことができない。
図7の(C)に示すように、振動板が再びポンプ室の容積を大きくする方向に変位すると、ポンプ室の外部の液体が、第1吸入口211、中間部220、第2吸入口311を通ってポンプ室に流入する。第2吸入口311に入りかけている気泡801には、さらに下向きに力がかかり、第2吸入口311の内部をポンプ室の方に流される。
このように、第1吸入側逆止弁500と、第1吸入側逆止弁500の下流側に配置される第2吸入側逆止弁600の2つの弁を吸入口103に備えることによって、第2吸入口311において気泡801を逆流させずにポンプ室に流入させることができる。
逆流動作は非常に微細であるが、マイクロポンプ1(図1)の液送量は非常に微量であるので、小さな動作がマイクロポンプの性能に大きな影響を与える。
マイクロポンプ1のように第1吸入側逆止弁500と、第1吸入側逆止弁500の下流側に配置される第2吸入側逆止弁600の2つの弁を吸入口103に備えることにより、液体に気泡801が含まれていても、気泡801を液体とともに徐々に送り出すことができる。このようにして、確実に液送を行なうことができる。
図8は、この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口から気泡が流出するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図8の(A)に示すように、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位するときには、吸入口920に気泡801が入っている場合には、気泡801は、液体とともにポンプ室に向かって流れるように力を受けるが、気泡801周辺の液体の表面張力があるために、吸入口920から流出しにくい。気泡801は、吸入口920の下端と吸入側逆止弁910の頭部911との間に留まる。
図8の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位すると、吸入口920の下端部にあった気泡801は、吸入側逆止弁910の頭部911が吸入口920を下方向から閉じることによって上向きに圧力を受けて、吸入口920の下端から上方向に戻って、吸入口920の内部に戻ってしまう。
振動板が振動すると、気泡801は、図8の(A)と図8の(B)の状態を繰り返す。このように、気泡801は、吸入口920の内部をふさいだままで、吸入口920からポンプ室の内部に入りにくい。
このように、気泡801が吸入口920の内部に入っても、吸入口920をふさいだままで吸入口920から流出しない場合には、液体にかかる圧力を気泡801が吸収してしまうので、安定した液送ができない。
図9は、第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口から気泡が流出するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図9の(A)に示すように、第2吸入口311に気泡801が入り込んでいるときに、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位すると、第2吸入口311の気泡801は、液体とともにポンプ室に流出するように力を受けるが、気泡801周辺の液体の表面張力があるために、第2吸入口311から流出しにくい。
図9の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位して、変位が0になると、まず、弾性変形しにくい第1吸入側逆止弁500が、もとの形状、すなわち、振動板の変位がないときの形状に戻り、頭部501が第1吸入口211をふさぐ。第1吸入側逆止弁500の頭部501が第1吸入口211をふさぐと、中間部220と第2吸入口311の内部には圧力がかかり、第2吸入口311の内部に留まっている気泡801は、上方向に戻ることができない。気泡801は、第2吸入口311の下端に留まる。
図9の(C)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向にさらに変位すると、第2吸入側逆止弁600ももとの形状に戻って、第2吸入側逆止弁600が第2吸入口311を閉じると、第2吸入口311を第2吸入側逆止弁600が下方向からふさぐ。第1吸入口211は既に第1吸入側逆止弁500によってふさがれているので、第2吸入口311の気泡801には、下向きの圧力がかかっており、上方向に戻ることはできない。そのため、第2吸入側逆止弁600が第2吸入口311を閉じると、第2吸入口311の下端にあった気泡801は、一部がポンプ室の内部に送りだされる。
このように、第1吸入側逆止弁500と、第1吸入側逆止弁500の下流側に配置される第2吸入側逆止弁600の2つの弁を吸入口103に備えることによって、第2吸入口311からポンプ室に、気泡801を円滑に流出させることができる。
図6と図8に示すように、吸入側逆止弁910が1つだけ備えられているマイクロポンプでは、吸入口920の上端部や、吸入口920の下端部では、気泡801を形成する液体の表面張力によって、気泡801が吸入口920の外部から内部に流入しにくく、また、吸入口920の内部から外部に流出しにくい。振動板が振動することによって、気泡801に下方向の力が加わっても、すぐに逆向きの力が加わることになり、気泡801が上方向に押し戻される。このように、吸入口920の開口部付近では、逆流動作が生じる。そのため、気泡801が吸入口920の上端や、吸入口920の下端に停滞してしまう。このように、気泡801が吸入口920に停滞したまま、次に新たな気泡801が吸入口920に停滞すると、気泡801が重なってより大きな気泡801になり、さらに液送されにくくなる。
図10は、この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口に大きな気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図10の(A)に示すように、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位するときには、吸入側逆止弁910の頭部911と吸入口920の間に隙間ができる。しかし、吸入口920の上端部にある大きな気泡802の一部が吸入口920の内部に吸い込まれて、液体が吸入口920に吸入されない。
図10の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位すると、吸入側逆止弁910と吸入口920との間の隙間がふさがれて、吸入口920の内部には、上方向に圧力がかかる。そのため、吸入口920の内部に入り込んでいた気泡の一部が吸入口920の上端部から吸入口920の外部に戻る。大きな気泡802は、表面張力によって、そのまま吸入口920の上端部付近に停滞する。
振動板が振動すると、大きな気泡802は、図10の(A)と図10の(B)の状態を繰り返す。このように、気泡802は、吸入口920の上端をふさいだままで、吸入口920からポンプ室の内部に入りにくい。
このように、小さな気泡801が停滞して、大きな気泡802になり、大きな気泡802が吸入口920の上端をふさぐと、液送を行うことができなくなる。
図11は、第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。
図11の(A)に示すように、中間部220に大きな気泡802が入り込んでいるときに、振動板がポンプ室の容積を大きくする方向に変位すると、第2吸入側逆止弁600の頭部601と第2吸入口311の間に隙間ができるが、大きな気泡802の一部が第2吸入口311の内部に吸い込まれて、第2吸入口311がふさがれる。
図11の(B)に示すように、振動板がポンプ室の容積を小さくする方向に変位すると、第1吸入側逆止弁500と第1吸入口211との間の隙間がふさがれ、第2吸入側逆止弁600と第2吸入口311との間の隙間がふさがれる。第2吸入口311に入りかけていた大きな気泡802は、第2吸入側逆止弁600の頭部601が第2吸入口311を下方向から閉じることによって上向きに圧力を受ける。しかしながら、第1吸入側逆止弁500が第1吸入口211を閉じているので、第2吸入口311に入っている大きな気泡802の一部は、中間部220に戻ってしまうことができない。
図11の(C)に示すように、振動板が再びポンプ室の容積を大きくする方向に変位すると、第2吸入口311に入りかけている大きな気泡には、さらに下向きに力がかかり、小さな気泡801になって完全に第2吸入口311の内部に入り、第2吸入口311の内部をポンプ室の方に流される。
このように、第1吸入側逆止弁500と、第1吸入側逆止弁500の下流側に配置される第2吸入側逆止弁600の2つの弁を吸入口103に備えることによって、大きな気泡802も徐々に第2吸入口311からポンプ室に送出することができる。
また、図11に示すように、中間部220からポンプ室に確実に気泡が送出されることによって、第1吸入口211の上端部に大きな気泡802があるときにも、第1吸入口211から中間部220に気泡が送出される。
以上のように、マイクロポンプ1は、ポンプ室110と、外部からポンプ室110に液体を吸入するための吸入口103と、ポンプ室110の容積を変化させるための振動板130と、吸入口103を閉塞または開放可能にするために上流側に配置される第1吸入側逆止弁500と下流側に配置される第2吸入側逆止弁600とを備える。
吸入口103に第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600の2つの弁体が配置されることによって、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間に気泡が入り込んだ場合に、気泡の大きさは、最大でも第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間の空間の大きさになる。そのため、気泡が圧縮されることで生じる、液体にかかる圧力のロスが低減されて、液送を円滑に行なうことができる。
また、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600の2つの弁体が配置されることによって、吸入口103において液体にかかる圧力を増大させて、確実に液送を行なうことができる。
また、吸入口103において逆流が発生することを防ぐことができる。
このようにすることにより、液体中に気泡が含まれていても安定した液送を行うことが可能なマイクロポンプ1を提供することができる。
また、マイクロポンプ1においては、第1吸入側逆止弁500は、第2吸入側逆止弁600よりも弾性変形しにくいように形成されている。
このようにすることにより、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間において液体にかかる圧力を高めることができるので、液体中に気泡が含まれていても液送を確実に行なうことができる。
(第2実施形態)
図12は、この発明の第2実施形態のマイクロポンプの第1吸入側弁座(A)と第2吸入側弁座(B)の上面図と、第1吸入口の側断面図(C)と、比較のために示す第1実施形態の第1吸入口の側断面図(D)である。
図12に示すように、第2実施形態のマイクロポンプが第1実施形態のマイクロポンプと異なる点としては、第1吸入側弁座210bの第1吸入口211bの大きさが、第2吸入側弁座310の第2吸入口311よりも大きく形成されている。また、第2実施形態の第1吸入側弁座210bの第1吸入口211bは、第1実施形態の第1吸入側弁座210の第1吸入口211よりも大きく形成されている。
第1吸入口211bは、上端部が液タンク内に開かれており、中間部220や第2吸入口311と比較して圧力がかかりにくい。そのため、気泡が第1吸入口211bの上端部ではじかれて、第1吸入口211b内に吸入されにくい。
そこで、第1吸入口211bの大きさが大きく形成されることによって、小さな気泡はそのまま通過し、大きな気泡も、第1吸入口211bの上端部において気泡を形成する液体の表面張力の影響が弱くなり、液タンクから第1吸入口211b内に吸入されやすくなる。
中間部220から第2吸入口311、ポンプ室の間においては、第1実施形態で図6から図11を用いて説明したように、液体に気泡が含まれていても、液送を行なうことができる。第1吸入口211bを第2吸入口311よりも大きくして、液タンクから第1吸入口211bに気泡が吸入されやすくすることによって、液タンクからポンプ室まで、確実に円滑に液送を行なうことができる。
以上のように、第2実施形態のマイクロポンプにおいては、第1吸入口211bの大きさは、第1吸入側逆止弁500が配置されている位置において相対的に大きく、第2吸入側逆止弁600が配置されている位置において相対的に小さい。
このようにすることにより、液体中に気泡が含まれていても、外部から第1吸入口211bに液体を吸入しやすくなる。
第2実施形態のマイクロポンプのその他の構成と効果は、第1実施形態のマイクロポンプと同様である。
なお、この実施の形態においては、第1吸入口211bと第2吸入口311の形状が異なるが、第1吸入口と第2吸入口は、形状が同一で、第1吸入口の径の大きさが第2吸入口の径の大きさよりも大きく形成されていてもよい。
(第3実施形態)
図13は、この発明の第3実施形態として、マイクロポンプの全体を示す断面図である。
図13に示すように、第3実施形態のマイクロポンプ3が第1実施形態のマイクロポンプ1と異なる点としては、第1吸入側逆止弁510が第1吸入側弁座210と第2吸入側弁座310との間に挟まれて、第1吸入側逆止弁510の頂部513が第2吸入側弁座310の上面によって押圧されるように取り付けられている。
図14は、第3実施形態のマイクロポンプが備える第1吸入側逆止弁の側断面図(A)と、第1吸入側逆止弁が第1吸入側弁座に取り付けられたときの状態を示す側断面図(B)と、比較のために示す第1実施形態のマイクロポンプが備える第1吸入側逆止弁の側断面図(C)と、第1実施形態の第1吸入側逆止弁が第3実施形態の第1吸入側弁座に取り付けられたときの状態を示す側断面図(D)である。
図14の(A)に示すように、第3実施形態の第1吸入側逆止弁510は、頭部511に凸面511aを有し、凸面511aがポンプ室の内部側、すなわち、下方向になるように、第1吸入側弁座210に取り付けられる。
図13と図14の(B)に示すように、第1吸入側逆止弁510が第1吸入側弁座210に取り付けられると、第1吸入側逆止弁510は、第1吸入側弁座210と第2吸入側弁座310とによって挟まれて、頂部513が第2吸入側弁座310の上面に密着して押圧される。頂部513が押圧されると、頭部511が波打ったような形状に変形するが、頭部511には凸面511aが形成されているので、頭部511は下面が凹面になるほどには反り返らない。そのため、頭部511の周辺部は第1吸入側弁座210の下面に接したままになる。
一方、図14の(C)に示すように、第1実施形態の第1吸入側逆止弁500は、頭部501が平らに形成されている。
図14の(D)に示すように、第1実施形態の第1吸入側逆止弁500を第3実施形態のマイクロポンプ3に取り付けて、第1吸入側逆止弁500の頂部503が強く押圧されると、頭部501が反り返ってしまう。そのため、振動板に変位がなくても頭部501の周辺部が第1吸入側弁座210の下面から離れてしまい、第1吸入口211が閉塞されず、安定した液送が困難になる。
第2吸入側逆止弁600も第1吸入側逆止弁510と同様に形成されていてもよい。第1吸入側逆止弁510が第1吸入側弁座210と第2吸入側弁座310との間に挟まれて強く圧着されない場合には、第2吸入側逆止弁600だけを図14の(A)に示す第1吸入側逆止弁510のように、凸面511aを有する形状に構成し、凸面511aがポンプ室の内部に対向するように配置されてもよい。
以上のように、第3実施形態のマイクロポンプ3においては、第1吸入側逆止弁510および/または第2吸入側逆止弁600は、凸面511aを有し、凸面511aがポンプ室の内部に対向するように配置されている。
このようにすることにより、第1吸入側逆止弁510および/または第2吸入側逆止弁600を固定するために、ポンプ室の内部から外部に向かう方向に、第1吸入側逆止弁510および/または第2吸入側逆止弁600を押圧しても、第1吸入側逆止弁510および/または第2吸入側逆止弁600が反り返って第1吸入口211および/または第2吸入口311を閉塞しなくなることがなく、安定した液送を行なうことができる。
第3実施形態のマイクロポンプ3のその他の構成と効果は、第1実施形態のマイクロポンプと同様である。
(第4実施形態)
図15は、この発明の第4実施形態として、マイクロポンプの吸入口から吐出口までを示す断面図である。
図15の(A)〜(C)に示すように、第4実施形態のマイクロポンプ4a,4b,4cでは、第1吸入側逆止弁500の下面と第2吸入側逆止弁600の上面との間隔dが1mm以下になるように、バルブシートの厚みが1mm以下に形成されている。また、第1吸入側逆止弁500は、第1吸入側弁座210と第2吸入側弁座310との間に挟まれて、第1吸入側逆止弁500の頂部が第2吸入側弁座310の上面に密着するように配置されている。
通常のマイクロポンプのバルブシートは、吸入側逆止弁と吐出側逆止弁を固定したり、吸入口や吐出口が形成したりするために、1.5〜2mm程度の厚みを有する。このような厚みをもたせることによって、バルブシートの強度を保つことができる。
しかしながら、本発明のマイクロポンプにおいては、第1吸入側逆止弁500と、第1吸入側逆止弁500の下流に配置される第2吸入側逆止弁600の2つの弁を吸入口103に備える。第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間の中間部220に気泡が入ると、振動板130の振動によって気泡が空気バネのように圧縮されて、液体にかかる圧力が低減されてしまう。液体にかかる圧力が低減されることによって、液体を気泡とともに送り出すことができなくなることがある。
第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間隔dが1mm以下になるようにすることによって、中間部220に入る気泡の量を少なくすることができる。中間部220に入る気泡の量が少ないので、気泡が圧縮されても、液体にかかる圧力を低減させにくくなる。このようにして、気泡が液送に与える影響を小さくすることができる。
図15の(A)に示すマイクロポンプ4aでは、第1吸入側逆止弁500の頭部501の上面と吐出側逆止弁700の頭部701の上面とがほぼ同じ高さになるように、また、第1吸入側逆止弁500の頭部501の下面と吐出側逆止弁700の頭部701の下面とがほぼ同じ高さになるように構成されている。このようにすることにより、マイクロポンプ4aの全体の厚みを小さくして、マイクロポンプ4aを小型化することができる。
図15の(B)に示すマイクロポンプ4bでは、第1吸入側逆止弁500の頭部501の上面が吐出側逆止弁700の頭部701の下面とほぼ同じ高さになるように構成されている。このようにすることにより、ポンプ室110を吸入口103側よりも吐出口321側で広くすることができる。
図15の(C)に示すマイクロポンプ4cでは、第2吸入側逆止弁600の頭部601の下面が吐出側弁座320の下面とほぼ同じ高さになるように形成されている。このようにすることにより、ポンプ室110の厚みを吸入口103から吐出口321までほぼ一定にすることができて、ポンプ室110内の乱流の発生を防ぐことができる。ポンプ室110内の乱流が発生しにくいので、安定した液送を行なうことが可能なマイクロポンプ4cを提供することができる。
以上のように、第4実施形態のマイクロポンプ4a,4b,4cにおいては、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600は、互いの間隔が1mm以下であるように配置されている。
このようにすることにより、第1吸入側逆止弁500と第2吸入側逆止弁600との間に気泡が入り込んだ場合に、気泡の厚みは、最大でも1mmとなる。そのため、気泡が圧縮されることで生じる、液体にかかる圧力のロスが低減されて、液送を円滑に行なうことができる。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
この発明の第1実施形態として、マイクロポンプの全体を示す断面図である。 図1のマイクロポンプに組み込まれたバルブシートを上方向から見た図(A)と、下方向から見た図(B)である。 この発明の第1実施形態のマイクロポンプに用いられる突起(A)と、吐出側逆止弁(B)と、吐出側弁座の上面(C)を示す図である。 この発明の第1実施形態のマイクロポンプに用いられる吐出側逆止弁と吐出側逆止弁の周辺の断面を示す断面図である。 この発明の一つの実施の形態として、振動板を振動させてポンプ室の容積を変化させたときのマイクロポンプの動作を順に示す図である。 この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口から気泡が流出するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口から気泡が流出するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 この発明の実施の形態と比較するために、吸入側逆止弁を1つだけ備えるマイクロポンプにおいて、吸入口に大きな気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 第1実施形態のマイクロポンプにおいて、吸入口に気泡が流入するときの吸入側逆止弁の動作を順に示す図である。 この発明の第2実施形態のマイクロポンプの第1吸入側弁座(A)と第2吸入側弁座(B)の上面図と、第1吸入口の側断面図(C)と、比較のために示す第1実施形態の第1吸入口の側断面図(D)である。 この発明の第3実施形態として、マイクロポンプの全体を示す断面図である。 第3実施形態のマイクロポンプが備える第1吸入側逆止弁の側断面図(A)と、第1吸入側逆止弁が第1吸入側弁座に取り付けられたときの状態を示す側断面図(B)と、比較のために示す第1実施形態のマイクロポンプが備える第1吸入側逆止弁の側断面図(C)と、第1実施形態の第1吸入側逆止弁が第3実施形態の第1吸入側弁座に取り付けられたときの状態を示す側断面図(D)である。 この発明の第4実施形態として、マイクロポンプの吸入口から吐出口までを示す断面図である。
符号の説明
1,3,4a,4b,4c:マイクロポンプ、103:吸入口、130:振動板、211,211b:第1吸入口、311:第2吸入口、500,510:第1吸入側逆止弁、511a:凸面、600:第2吸入側逆止弁。

Claims (5)

  1. ポンプ室と、
    外部から前記ポンプ室に液体を吸入するための吸入口と、
    前記ポンプ室の容積を変化させるための振動板と、
    前記吸入口を閉塞または開放可能にするために上流側に配置される第1の弁体と下流側に配置される第2の弁体とを備える、マイクロポンプ。
  2. 前記第1の弁体は、前記第2の弁体よりも弾性変形しにくいように形成されている、請求項1に記載のマイクロポンプ。
  3. 前記吸入口の大きさは、前記第1の弁体が配置されている位置において相対的に大きく、前記第2の弁体が配置されている位置において相対的に小さい、請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプ。
  4. 前記第1の弁体および/または前記第2の弁体は、凸面を有し、前記凸面が前記ポンプ室の内部に対向するように配置されている、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のマイクロポンプ。
  5. 前記第1の弁体と前記第2の弁体は、互いの間隔が1mm以下であるように配置されている、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のマイクロポンプ。
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