JP2003065243A - ガス排出機構および往復動ポンプ - Google Patents

ガス排出機構および往復動ポンプ

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JP2003065243A
JP2003065243A JP2001259945A JP2001259945A JP2003065243A JP 2003065243 A JP2003065243 A JP 2003065243A JP 2001259945 A JP2001259945 A JP 2001259945A JP 2001259945 A JP2001259945 A JP 2001259945A JP 2003065243 A JP2003065243 A JP 2003065243A
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gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送
するのに適し、搬送流体を往復動ポンプ外に排出するこ
となく、往復動ポンプ内のガスを排出可能なガス排出機
構を提供する。 【解決手段】 液体を搬送する搬送流路11a,11
b,11c中に混入あるいは発生したガスを排出するた
めのガス排出機構であって、内部空間20aが前記搬送
流路11a,11b,11cに連通したベローズ20を
備え、前記ベローズ20の外部を押圧することによって
前記ガスの排出が可能であるべく構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を搬送する搬
送流路中に混入あるいは発生したガスを排出するための
ガス排出機構および往復動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】往復駆動する部位に弾力性を有するダイ
ヤフラムを用いた往復動ポンプ(以下、単に「往復動ポ
ンプ」という。)は、往復動部分における液体の漏洩が
構造上殆ど皆無であるため、従来から、強酸性・強アル
カリ性の液体を搬送するためのポンプとして用いられて
いる。
【0003】そして、上記用途に用いられる往復動ポン
プを成すダイヤフラムは、一般的に、耐薬品性、耐摩耗
性および耐食性等に優れた材料を用いて形成されてい
る。このようなダイヤフラムは、例えば、ポリ四フッ化
エチレン等を用いて形成される。
【0004】また、従来技術にかかる往復動ポンプにお
いては、ダイヤフラムの駆動状態(往復動の幅、および
時間当たりの往復動回数等)を制御することにより、液
体を、容易に定量的に搬送させることが可能となる。例
えば、ダイヤフラムの駆動状態は、ソレノイド等を用い
て比較的容易に制御可能であるので、従来から、液体を
搬送させる際の定量性の維持が必要である場合には、上
述した構成の往復動ポンプが用いられている。
【0005】すなわち、強酸性・強アルカリ性の液体を
定量的に搬送させる場合には、上記ダイヤフラムを用い
て構成された往復動ポンプが一般的に用いられている。
【0006】さて、ポンプを組み立てる際およびポンプ
を駆動させる際においては、どのようなポンプでも、通
常はポンプヘッド部あるいは配管継ぎ手部等からエアが
混入することがある。また、搬送させる流体の種類によ
っては、ポンプ内でガスが発生することもある。つま
り、流体を搬送させるポンプにおいては、ポンプ(の搬
送流路等)内におけるガス(エア等)の混入・発生は避
け難く、このことは、上述した往復動ポンプも同様であ
る。このように、ポンプ内にエア等のガスが混入する
と、ガスロック等が発生して、液体を定量的に搬送する
ことができない。
【0007】したがって、従来技術にかかる往復動ポン
プにおいては、上記ガスを排出するために、エア抜き弁
等が設けられている。そして、このようなエア抜き弁を
有する往復動ポンプにおいては、エアが混入等した場合
には、適宜エア抜き弁を用いて混入等したエアを往復動
ポンプの外部に排出させ、ガスロック等を防止してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にかかる往復動ポンプは、以下のような問題を有
していた。
【0009】すなわち、ダイヤフラムを用いて構成され
た往復動ポンプは、上述した種々の理由から、強酸性・
強アルカリ性の液体を定量的に搬送させる場合に用いら
れることが多いため、エア抜き時の液体の飛び出しには
十分な注意が必要であるという問題があった。つまり、
エア抜き時にこれらの液体がポンプ外に排出されて、ポ
ンプ外周部およびポンプの周囲に付着すると、付着部分
が腐食等するという問題があった。
【0010】そこで、本発明は上記従来技術にかかる問
題を解決するためになされたものであって、強酸性・強
アルカリ性の液体を定量的に搬送するのに適し、搬送流
体を往復動ポンプ外に排出することなく、往復動ポンプ
内のガスを排出可能なガス排出機構を提供することを課
題とする。また、このようなガス排出機構を備えた往復
動ポンプを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するための本発明にかかるガス排出機構は、液体を搬
送する搬送流路中に混入あるいは発生したガスを排出す
るためのガス排出機構であって、内部空間が前記搬送流
路に連通したガス排出手段を備え、前記ガス排出手段に
より前記搬送流路に対して圧力を作用させることによっ
て、前記ガスの排出が可能であることを特徴としてい
る。
【0012】このように構成されたガス排出機構によれ
ば、エア抜き弁を用いる場合のようにエア(およびこれ
に伴う流体)をポンプ外に抜き出す作業なしに、前記ガ
ス排出手段により圧力を作用させること(例えばベロー
ズの外部を押圧すること)のみによってガスの排出が可
能である。したがって、この構成によれば、従来問題で
あったエア抜き時の液体排出をなすことにより、この液
体の付着による腐食等の問題を解決した上で、適切にガ
スの排出を実現することができる。
【0013】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、往復動する可動部にて前記液体が搬送されてお
り、前記可動部の上流側の前記搬送流路に連通すべく、
前記ガス排出手段が設けられている構成が好ましい。
【0014】ポンプ内にガスが混入等した場合、ガス
は、流体の搬送を妨げつつも、前記可動部の往復動に
て、通常はこの可動部の下流側に搬送され、可動部の下
流側に滞留した状態で圧縮あるいは膨張している。した
がって、仮に、このガスが滞留した部位のさらに下流側
にて前記ガス排出手段による加圧を行うと、ガスは可動
部側に押しやられて、適切なガス排出を行うことができ
ない。また、仮に、可動部の下流側にガス排出手段を設
けて、このガス排出手段の吸引によってガス排出を行う
とすれば、下流側の配管圧以上の加圧力がガス排出手段
にないと、ガスを吸引することができない。さらに、可
動部の下流側に前記ガス排出手段を設けると、正常運転
時、常に下流側配管圧力がガス排出手段に作用するた
め、ガス排出手段の寿命が短くなる。したがって、前記
ガス排出手段は、上述したように、前記可動部の上流側
に設けられることが好ましい。この好ましい構成によれ
ば、前記可動部の上流側から前記ガス排出手段によって
加圧されるため、ガスが前記可動部の下流側に適切に排
出される。
【0015】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記
搬送流路中には逆止弁が設けられており、前記逆止弁の
上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段
が設けられている構成が好ましい。
【0016】この好ましい構成によれば、前記逆止弁の
上流側から前記ベローズによる加圧(ボールチャッキを
押し上げる方向への加圧)が行われるため、ガスを効果
的に排出することができる。
【0017】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記
搬送流路中には複数の逆止弁が設けられており、前記可
動部の上流に位置する逆止弁の上流側の前記搬送流路に
連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている構成が
好ましい。
【0018】この好ましい構成によれば、前記ガス排出
手段が設けられている流路は、通常のポンプ運転時には
加圧されないため(可動部による加圧力は前記逆止弁に
てシャットアウトされるため)、耐久性が向上し、寿命
が長くなる。
【0019】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記
搬送流路中における前記可動部の下流側および上流側に
はそれぞれ二つずつの逆止弁が設けられており、上流側
に設けられた前記逆止弁間の前記搬送流路に連通すべ
く、前記ガス排出手段が設けられている構成が好まし
い。
【0020】この好ましい構成によれば、前記可動部を
駆動させながら、前記ガス排出手段による圧力を作用さ
せることによって、前記可動部下流側の圧力を除々に上
昇させることができるので、ガス排出手段を可動部の下
流側に配するのと比べれば、ガス排出手段にて生じさせ
る圧力は少なくてすむ。また、前記可動部の正常運転時
において、前記ガス排出手段には可動部による加圧力が
作用しないため、耐久性が向上する。さらに、ガス排出
手段の上流側にも逆止弁が設けられているため、このガ
ス排出手段をバッファタンクとして利用することも可能
となる。
【0021】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、前記ガス排出手段が、前記液体を吸引する方向に
付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプラン
ジャの少なくとも一つを用いて構成されていることが好
ましい。
【0022】また、本発明にかかるガス排出機構におい
ては、前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフ
ラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを
用いて構成されていることが好ましい。
【0023】さらに、上記課題を解決するための本発明
にかかる往復動ポンプは、往復動する可動部を用いて構
成された往復動ポンプであって、前記可動部を用いて搬
送される液体の搬送流路に連通すべくガス排出手段が設
けられており、前記ガス排出手段により前記搬送流路に
対して圧力を作用させることによって、前記搬送流路中
のガスが排出可能であることを特徴としている。
【0024】このように構成された往復動ポンプによれ
ば、エア抜き弁を用いる場合のようにエア(およびこれ
に伴う流体)をポンプ外に抜き出す作業なしに、前記ガ
ス排出手段により圧力を作用させること(例えばベロー
ズの外部を押圧すること)のみによってガスの排出が可
能である。したがって、この構成によれば、従来問題で
あったエア抜き時の液体排出をなすことにより、この液
体の付着による腐食等の問題を解決した上で、適切にガ
スの排出を実現する往復動ポンプを得ることができる。
【0025】また、本発明にかかる往復動ポンプにおい
ては、前記ガス排出手段が、前記液体を吸引する方向に
付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプラン
ジャの少なくとも一つを用いて構成されていることが好
ましい。
【0026】さらに、本発明にかかる往復動ポンプにお
いては、前記ガス排出手段が、バッファタンクとして機
能する構成が好ましい。
【0027】また、本発明にかかる往復動ポンプにおい
ては、前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフ
ラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを
用いて構成されていることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0029】図1は、本発明の実施形態にかかる往復動
ポンプを構成するポンプヘッド部の概略断面図を示した
ものである。ここで示された往復動ポンプは、往復駆動
する部位にダイヤフラムを用いた、強酸性・強アルカリ
性の液体を搬送するために用いられる往復動ポンプであ
る。
【0030】図1に示されたポンプヘッド部10におい
ては、プランジャ13を駆動させてダイヤフラム12
(本発明の「可動部」に相当)を往復動させることによ
って、流体の搬送が可能であるべく構成されている。ま
た、プランジャ13を駆動させる駆動源(図示省略)の
方式は、特定の方式に限定されるものではなく、機械
式、エア式、油圧式、電気式、あるいはマグネット式等
のいずれの方式でも適用可能であり、さらに、直接的で
あっても間接的であってもよい。
【0031】ポンプヘッド部10を成すポンプヘッド本
体11には、ダイヤフラム12の接液面12aとの間に
形成される流体の第一搬送流路11a、この第一搬送流
路11aの上流側に形成された流入側搬送流路11b、
および第一搬送流路11aの下流側に形成された流出側
搬送流路11cが形成されている。また、このポンプヘ
ッド本体11の流入側および流出側には、それぞれ逆止
機構14,15が設けられており、流入側逆止機構14
の上流側には流入側配管部(図示省略)が接続され、流
出側逆止機構15の下流側には流出側配管部(図示省
略)が接続されている。ここで、第一搬送流路11a、
流入側搬送流路11b、流出側搬送流路11c、および
その他の流体が搬送される流路(例えば、流出側逆止機
構15内の流路等)が、本発明の「搬送流路」に相当す
る。
【0032】ダイヤフラム12は、ポンプヘッド本体1
1と、ダイヤフラム押さえ部16との間に挟持して設け
られている。具体的には、ダイヤフラム12の外周縁部
12bが、ポンプヘッド本体11とダイヤフラム押さえ
部16とによって挟持され、ダイヤフラム12の中央部
およびその近傍が、中央部に取り付けられたプランジャ
13によって往復動可能であるべく設けられている。
【0033】流入側逆止機構14は、流入側の逆止弁と
して機能する第一チャッキボール141および第二チャ
ッキボール142と、これらのチャッキボール141,
142に対応すべく設けられた弁座143,144およ
びストッパ145,146等とを用いて構成されてい
る。また、この流入側逆止機構14およびポンプヘッド
本体11には、ポンプ外部に設けられたベローズ20
(本発明の「ガス排出手段」に相当)に連通すべく、連
通孔19が形成されている。このベローズ20等につい
ては、後に詳細に説明する。
【0034】流出側逆止機構15は、流出側の逆止弁と
して機能する第一チャッキボール151および第二チャ
ッキボール152と、これらのチャッキボール151,
152に対応すべく設けられた弁座153,154およ
びストッパ155,156等とを用いて構成されてい
る。
【0035】以上のように構成された往復動ポンプにお
いては、プランジャ13を介してダイヤフラム12を矢
印A方向に動かすことにより、各搬送流路11a,11
b,11c内に負圧が発生し、この負圧の影響が各チャ
ッキボール141,142,151,152に及ぶこと
となる。具体的には、このダイヤフラム12によって生
じた負圧により、流入側チャッキボール141,142
が持ち上げられ(矢印B方向に持ち上げられ)、流出側
チャッキボール151,152が弁座153,154側
に引きつけられることとなって、流入部140を介して
搬送流路11a,11b,11c内に流体が流入する
(以下、この行程を「流入行程」という。)。
【0036】次に、本実施形態においては、プランジャ
13を介してダイヤフラム12を矢印Aの反対方向に動
かすことにより、各搬送流路11a,11b,11c内
に正圧が発生し、この正圧の影響が各チャッキボール1
41,142,151,152に及ぶこととなる。具体
的には、このダイヤフラム12によって生じた正圧によ
り、流出側チャッキボール151,152が持ち上げら
れ(矢印C方向に持ち上げられ)、流入側チャッキボー
ル141,142が弁座143,144側に押さえつけ
られることとなって、流出部150を介して搬送流路1
1a,11b,11c内の流体が流出する(以下、この
行程を「流出行程」という。)
【0037】すなわち、本実施形態にかかる往復動ポン
プにおいては、上述した流入行程および流出行程を繰り
返すことによって(ダイヤフラム12を往復動させるこ
とにより正圧および負圧が交互に作用することによっ
て)、流体の搬送処理を実現することが可能となる。
【0038】なお、本実施形態においては、強酸性・強
アルカリ性の液体を搬送するという目的を達成するため
に、ダイヤフラム12、ベローズ20、および液体と接
するその他の構成要素(すなわち「接液部」)について
は、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素含有樹脂を用いて
構成することが好ましい。
【0039】さて、上述した本実施形態にかかる往復動
ポンプにおいても、先に説明したように(「従来の技
術」参照)、往復動ポンプ内にエア等のガスが混入・発
生して、往復動ポンプを用いた流体の搬送に不具合(搬
送不良、搬送量の低下等)が生ずる場合がある。具体的
には、ガスが混入等することによって、搬送流路11
a,11b,11c内には液体とガスとが混在する状態
となる。そして、ガスは液体よりも圧力および温度の変
動等により圧縮・膨張しやすい。したがって、ガスは、
搬送流路11a,11b,11c内において、ダイヤフ
ラム12の往復動による圧力を液体に的確に作用させる
際の妨げとなる。
【0040】上記不具合を解消するために、従来技術に
おいてはエア抜き弁等が設けられていたが、これには問
題があった(「発明が解決しようとする課題」参照)。
そこで、本実施形態においては、従来の問題点を解決す
ると共に、ガスを効果的に排出すべく、ベローズ20を
用いたガス排出機構が設けられている。
【0041】本実施形態にかかるガス排出機構は、内部
空間20aが搬送流路11a,11b,11cに連通す
べく、ベローズ20が設けられている。より具体的に
は、ポンプヘッド本体11と流入側逆止機構14とを貫
通して、ポンプ外部に設けられたベローズ20の内部空
間20aと、流入側のチャッキボール141,142間
とを連通させるべく、連通孔19が形成されている。つ
まり、ベローズ20の内部空間20aに連通した連通孔
19が、流入側のチャッキボール141,142間の搬
送流路および流入側の第二チャッキボール142を介し
て、搬送流路11a,11b,11cに連通している。
【0042】以上のように構成された本実施形態にかか
る往復動ポンプ(ガス排出機構)においては、搬送流路
11a,11b,11c内にガスが混入等してガスロッ
ク等が発生した場合には、ベローズ20を矢印D方向に
押し込む(押圧する)ことによってポンプヘッド本体1
1に形成されている搬送流路11a,11b,11c内
の圧力を強制的に高めて、混入等していたガスを流出部
150の下流側に排出させることが可能となる。つま
り、本実施形態によれば、ベローズ20の外部から押圧
力を作用させることによって、ガスの排出が可能である
ため、従来問題であったポンプ内部の液体の外部への飛
び出し等をなくしつつ、往復動ポンプ内のガスを排出で
きる。すなわち、本実施形態にかかるベローズ20を用
いたガス排出機構によれば、従来のエア抜き弁と異な
り、エア等のガスをポンプ外部に抜き出す作業が不要と
なるため、エア抜き時の液体排出もなくなり、この液体
の付着による腐食等の問題を解決することができる。
【0043】また、本実施形態においては、ベローズ2
0が液体を吸引する方向に付勢力を有しているため、こ
のベローズ20は自給能力(自己吸引能力)を有するこ
ととなる。したがって、ポンプ駆動時においては、常に
ベローズ20内に搬送流体が貯留された状態となるた
め、このベローズ20がバッファタンクとして機能す
る。一般に、ポンプの流入側に接続された配管が細い時
や長い時には、キャビテーションが発生するおそれがあ
る。したがって、このような場合には、キャビテーショ
ンを防止するために、新たにバッファタンク等の他の構
成要素を追加して設ける必要がある。しかしながら、本
実施形態によれば、ガス排出機構を成すベローズ20が
バッファタンクとしての機能も兼ね備えるため、流入部
140に接続される流入側の配管(図示省略)が細い
時、あるいは長い時であっても、キャビテーションの発
生を抑えることができる。
【0044】また、本実施形態にかかる往復動ポンプに
おいては、ベローズ20が搬送される流体の脈動によっ
て、若干ではあるが往復動(矢印D方向および矢印Dの
反対方向の往復動)を繰り返すこととなる。よって、本
実施形態にかかる往復動ポンプによれば、このベローズ
20を見知することにより、流体が搬送されているか否
かを容易に判断することができる。すなわち、本実施形
態によれば、このベローズ20を、流体の流れ表示器と
しても機能させることが可能となる。
【0045】また、本実施形態にかかる往復動ポンプに
おいては、上記ベローズ20の往復動状態を見知するこ
とにより、ポンプ内のエア噛み状態を認識することもで
きる。そして、本実施形態にかかる往復動ポンプにおい
ては、エア噛みを認識するのみではなく、上述したよう
に、ベローズ20に押圧力を作用させて、エア噛み状態
を容易に解消することができる。
【0046】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上
述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0047】本実施形態においては、ベローズ20を用
いて構成されたガス排出機構が往復動ポンプに設けられ
た場合について説明したが、本発明はこの構成に限定さ
れるものではなく、ベローズを用いたガス排出機構は往
復動ポンプ以外にも適用可能である。したがって、例え
ば、ガスの混入等が予想される配管部等に、上述したよ
うなベローズを有するガス排出機構を設けてもよい。
【0048】また、本実施形態においては、ガスロック
等が発生した際に、ベローズ20に対して押圧力を加え
て強制的にガスの排出を行う場合について説明したが、
この「押圧力を加える」際の方法は、手動あるいは自動
のいずれをも含むものである。さらに、自動的に処理す
る場合であっても、必要に応じて、定期的にあるいはガ
スロックを自動的に検知等して、ベローズ20の外部か
ら押圧力を付加すべく構成してもよい。例えば、モータ
等にて回転駆動する偏心カムと、このモータ等に定期的
に電力を供給するためのタイマ等とを設けて、定期的に
回転する偏心カムによって、ベローズ20を外部から押
圧し、定期的にガス排出を行うべく構成してもよい。ま
たは、流量計等からの検知信号に基づいてガスロックを
検知する検知装置と、この検知装置の検知信号によって
ベローズ20を押圧すべく回転駆動する偏心カム等とを
設けて、ガスロックが検知された時に回転する偏心カム
によって、ベローズ20を外部から押圧し、ガスロック
発生時に自動的にガス排出を行うべく構成してもよい。
なお、先に述べたように、ベローズ20の動きを見知し
てガスの混入等を判断し、これに基づいてベローズ20
の外部から押圧力を加えてもよい。
【0049】また、本実施形態においては、流入側のチ
ャッキボール141,142間にベローズ20に連通し
た連通孔19を設けた場合について説明したが、本発明
はこの構成に限定されるものではなく、搬送流路内のガ
スが適切に排出可能であれば、連通孔19を設ける位置
はこの箇所に限られない。したがって、例えば、この連
通孔19は、流入側の第一チャッキボール141の上流
側に設けてもよい。
【0050】また、本実施形態においては、「ガス排出
手段」が、搬送流路内の液体を吸引する方向(矢印Dの
反対方向(図1参照))に付勢力を有するベローズ20
を用いて構成されている場合について説明したが、本発
明はこの構成に限定されるものではない。したがって、
例えば、ガス排出手段を、プランジャ、あるいは特に付
勢力を有しないベローズ等を用いて構成してもよい。こ
のようなものを用いてガス排出手段を構成した場合に
は、液体を吸引するためにベローズ等を引っ張った後に
押圧することによって、適切にガスの排出を行うことが
できる。さらに、特に付勢力を有しないベローズと、ス
プリング等の付勢手段とを組み合わせて、「ガス排出手
段」を構成してもよい。
【0051】また、本実施形態においては、往復動する
「可動部」がダイヤフラムである場合について説明した
が、本発明はこの構成に限定されない。したがって、こ
の可動部は、例えば、プランジャ、ベローズ等であって
もよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、強
酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送するのに適
し、搬送流体を往復動ポンプ外に排出することなく、往
復動ポンプ内あるいは配管内のガスを排出可能なガス排
出機構を得ることができる。また、このようなガス排出
機構を設けることによって、強酸性・強アルカリ性の液
体を定量的に搬送し、搬送流体を装置外部に排出するこ
となく、混入等したガスを排出可能な往復動ポンプを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる往復動ポンプを構成
するポンプヘッド部の概略断面図
【符号の説明】
10…ポンプヘッド部 11…ポンプヘッド本体 11a…第一搬送流路 11b…流入側搬送流路 11c…流出側搬送流路 12…ダイヤフラム 13…プランジャ 14…流入側逆止機構 15…流出側逆止機構 16…ダイヤフラム 19…連通孔 20…ベローズ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を搬送する搬送流路中に混入あるい
    は発生したガスを排出するためのガス排出機構であっ
    て、 内部空間が前記搬送流路に連通したガス排出手段を備
    え、 前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作
    用させることによって、前記ガスの排出が可能であるこ
    とを特徴とするガス排出機構。
  2. 【請求項2】 往復動する可動部にて前記液体が搬送さ
    れており、 前記可動部の上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記
    ガス排出手段が設けられている請求項1に記載のガス排
    出機構。
  3. 【請求項3】 往復動する可動部にて前記液体が搬送さ
    れ、前記搬送流路中には逆止弁が設けられており、 前記逆止弁の上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記
    ガス排出手段が設けられている請求項1に記載のガス排
    出機構。
  4. 【請求項4】 往復動する可動部にて前記液体が搬送さ
    れ、前記搬送流路中には複数の逆止弁が設けられてお
    り、 前記可動部の上流に位置する逆止弁の上流側の前記搬送
    流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている
    請求項1に記載のガス排出機構。
  5. 【請求項5】 往復動する可動部にて前記液体が搬送さ
    れ、前記搬送流路中における前記可動部の下流側および
    上流側にはそれぞれ二つずつの逆止弁が設けられてお
    り、 上流側に設けられた前記逆止弁間の前記搬送流路に連通
    すべく、前記ガス排出手段が設けられている請求項1に
    記載のガス排出機構。
  6. 【請求項6】 前記ガス排出手段が、前記液体を吸引す
    る方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およ
    びプランジャの少なくとも一つを用いて構成されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載のガス排出機構。
  7. 【請求項7】 前記可動部の前記液体に接する部分が、
    ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少なくと
    も一つを用いて構成されている請求項1から6のいずれ
    か1項に記載のガス排出機構。
  8. 【請求項8】 往復動する可動部を用いて構成された往
    復動ポンプであって、 前記可動部を用いて搬送される液体の搬送流路に連通す
    べくガス排出手段が設けられており、 前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作
    用させることによって、前記搬送流路中のガスが排出可
    能であることを特徴とする往復動ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記ガス排出手段が、前記液体を吸引す
    る方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およ
    びプランジャの少なくとも一つを用いて構成されている
    請求項8に記載の往復動ポンプ。
  10. 【請求項10】 前記ガス排出手段が、バッファタンク
    として機能する請求項8または9に記載の往復動ポン
    プ。
  11. 【請求項11】 前記可動部の前記液体に接する部分
    が、ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少な
    くとも一つを用いて構成されている請求項8から10の
    いずれか1項に記載の往復動ポンプ。
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