JP3692381B2 - ガス排出機構および往復動ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を搬送する搬送流路中に混入あるいは発生したガスを排出するためのガス排出機構および往復動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
往復駆動する部位に弾力性を有するダイヤフラムを用いた往復動ポンプ(以下、単に「往復動ポンプ」という。)は、往復動部分における液体の漏洩が構造上殆ど皆無であるため、従来から、強酸性・強アルカリ性の液体を搬送するためのポンプとして用いられている。
【0003】
そして、上記用途に用いられる往復動ポンプを成すダイヤフラムは、一般的に、耐薬品性、耐摩耗性および耐食性等に優れた材料を用いて形成されている。このようなダイヤフラムは、例えば、ポリ四フッ化エチレン等を用いて形成される。
【0004】
また、従来技術にかかる往復動ポンプにおいては、ダイヤフラムの駆動状態(往復動の幅、および時間当たりの往復動回数等)を制御することにより、液体を、容易に定量的に搬送させることが可能となる。例えば、ダイヤフラムの駆動状態は、ソレノイド等を用いて比較的容易に制御可能であるので、従来から、液体を搬送させる際の定量性の維持が必要である場合には、上述した構成の往復動ポンプが用いられている。
【0005】
すなわち、強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送させる場合には、上記ダイヤフラムを用いて構成された往復動ポンプが一般的に用いられている。
【0006】
さて、ポンプを組み立てる際およびポンプを駆動させる際においては、どのようなポンプでも、通常はポンプヘッド部あるいは配管継ぎ手部等からエアが混入することがある。また、搬送させる流体の種類によっては、ポンプ内でガスが発生することもある。つまり、流体を搬送させるポンプにおいては、ポンプ(の搬送流路等)内におけるガス(エア等)の混入・発生は避け難く、このことは、上述した往復動ポンプも同様である。このように、ポンプ内にエア等のガスが混入すると、ガスロック等が発生して、液体を定量的に搬送することができない。
【0007】
したがって、従来技術にかかる往復動ポンプにおいては、上記ガスを排出するために、エア抜き弁等が設けられている。
そして、このようなエア抜き弁を有する往復動ポンプにおいては、エアが混入等した場合には、適宜エア抜き弁を用いて混入等したエアを往復動ポンプの外部に排出させ、ガスロック等を防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にかかる往復動ポンプは、以下のような問題を有していた。
【0009】
すなわち、ダイヤフラムを用いて構成された往復動ポンプは、上述した種々の理由から、強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送させる場合に用いられることが多いため、エア抜き時の液体の飛び出しには十分な注意が必要であるという問題があった。つまり、エア抜き時にこれらの液体がポンプ外に排出されて、ポンプ外周部およびポンプの周囲に付着すると、付着部分が腐食等するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記従来技術にかかる問題を解決するためになされたものであって、強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送するのに適し、搬送流体を往復動ポンプ外に排出することなく、往復動ポンプ内のガスを排出可能なガス排出機構を提供することを課題とする。また、このようなガス排出機構を備えた往復動ポンプを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明にかかるガス排出機構は、液体を搬送する搬送流路中に混入あるいは発生したガスを排出するためのガス排出機構であって、内部空間が前記搬送流路に連通したガス排出手段を備え、前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作用させることによって、前記ガスの排出が可能であるガス排出機構である。
【0012】
このように構成されたガス排出機構によれば、エア抜き弁を用いる場合のようにエア(およびこれに伴う流体)をポンプ外に抜き出す作業なしに、前記ガス排出手段により圧力を作用させること(例えばベローズの外部を押圧すること)のみによってガスの排出が可能である。したがって、この構成によれば、従来問題であったエア抜き時の液体排出をなすことにより、この液体の付着による腐食等の問題を解決した上で、適切にガスの排出を実現することができる。
【0013】
そして、本発明にかかるガス排出機構においては、往復動する可動部にて前記液体が搬送されており、前記可動部の上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている。
【0014】
ポンプ内にガスが混入等した場合、ガスは、流体の搬送を妨げつつも、前記可動部の往復動にて、通常はこの可動部の下流側に搬送され、可動部の下流側に滞留した状態で圧縮あるいは膨張している。したがって、仮に、このガスが滞留した部位のさらに下流側にて前記ガス排出手段による加圧を行うと、ガスは可動部側に押しやられて、適切なガス排出を行うことができない。また、仮に、可動部の下流側にガス排出手段を設けて、このガス排出手段の吸引によってガス排出を行うとすれば、下流側の配管圧以上の加圧力がガス排出手段にないと、ガスを吸引することができない。さらに、可動部の下流側に前記ガス排出手段を設けると、正常運転時、常に下流側配管圧力がガス排出手段に作用するため、ガス排出手段の寿命が短くなる。
したがって、前記ガス排出手段は、上述したように、前記可動部の上流側に設けられる。これにより、前記可動部の上流側から前記ガス排出手段によって加圧されるため、ガスが前記可動部の下流側に適切に排出される。
【0015】
詳しくは、本発明にかかるガス排出機構においては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記搬送流路中には逆止弁が設けられており、前記逆止弁の上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている。
【0016】
したがって、前記逆止弁の上流側から前記ベローズによる加圧(ボールチャッキを押し上げる方向への加圧)が行われるため、ガスを効果的に排出することができる。
【0017】
より詳しくは、本発明にかかるガス排出機構においては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記搬送流路中には複数の逆止弁が設けられており、前記可動部の上流に位置する逆止弁の上流側の前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている。
【0018】
したがって、前記ガス排出手段が設けられている流路は、通常のポンプ運転時には加圧されないため(可動部による加圧力は前記逆止弁にてシャットアウトされるため)、耐久性が向上し、寿命が長くなる。
【0019】
さらに詳しくは、本発明にかかるガス排出機構においては、往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記搬送流路中における前記可動部の少なくとも上流側には二つの逆止弁が設けられており、前記上流側の二つの逆止弁間における前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられている。
【0020】
したがって、前記可動部を駆動させながら、前記ガス排出手段による圧力を作用させることによって、前記可動部下流側の圧力を除々に上昇させることができるので、ガス排出手段を可動部の下流側に配するのと比べれば、ガス排出手段にて生じさせる圧力は少なくてすむ。また、前記可動部の正常運転時において、前記ガス排出手段には可動部による加圧力が作用しないため、耐久性が向上する。さらに、ガス排出手段の上流側にも逆止弁が設けられているため、このガス排出手段をバッファタンクとして利用することも可能となる。
【0021】
そして、本発明にかかるガス排出機構においては、前記ガス排出手段が、前記液体を吸引する方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプランジャの少なくとも一つを用いて構成されている。
【0022】
また、本発明にかかるガス排出機構においては、前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを用いて構成されていることが好ましい。
【0023】
さらに、上記課題を解決するための本発明にかかる往復動ポンプは、往復動する可動部を用いて構成された往復動ポンプであって、前記可動部を用いて搬送される液体の搬送流路に連通すべくガス排出手段が設けられており、前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作用させることによって、前記搬送流路中のガスが排出可能である往復動ポンプにおいて、前記搬送流路中における前記可動部の少なくとも上流側には二つの逆止弁が設けられており、前記上流側の二つの逆止弁間における前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられ、しかも、前記ガス排出手段は、前記液体を吸引する方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプランジャの少なくとも一つを用いて構成されることを特徴としている。
【0024】
このように構成された往復動ポンプによれば、エア抜き弁を用いる場合のようにエア(およびこれに伴う流体)をポンプ外に抜き出す作業なしに、前記ガス排出手段により圧力を作用させること(例えばベローズの外部を押圧すること)のみによってガスの排出が可能である。したがって、この構成によれば、従来問題であったエア抜き時の液体排出をなすことにより、この液体の付着による腐食等の問題を解決した上で、適切にガスの排出を実現する往復動ポンプを得ることができる。
【0027】
また、本発明にかかる往復動ポンプにおいては、前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを用いて構成されていることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態にかかる往復動ポンプを構成するポンプヘッド部の概略断面図を示したものである。ここで示された往復動ポンプは、往復駆動する部位にダイヤフラムを用いた、強酸性・強アルカリ性の液体を搬送するために用いられる往復動ポンプである。
【0030】
図1に示されたポンプヘッド部10においては、プランジャ13を駆動させてダイヤフラム12(本発明の「可動部」に相当)を往復動させることによって、流体の搬送が可能であるべく構成されている。また、プランジャ13を駆動させる駆動源(図示省略)の方式は、特定の方式に限定されるものではなく、機械式、エア式、油圧式、電気式、あるいはマグネット式等のいずれの方式でも適用可能であり、さらに、直接的であっても間接的であってもよい。
【0031】
ポンプヘッド部10を成すポンプヘッド本体11には、ダイヤフラム12の接液面12aとの間に形成される流体の第一搬送流路11a、この第一搬送流路11aの上流側に形成された流入側搬送流路11b、および第一搬送流路11aの下流側に形成された流出側搬送流路11cが形成されている。
また、このポンプヘッド本体11の流入側および流出側には、それぞれ逆止機構14,15が設けられており、流入側逆止機構14の上流側には流入側配管部(図示省略)が接続され、流出側逆止機構15の下流側には流出側配管部(図示省略)が接続されている。
ここで、第一搬送流路11a、流入側搬送流路11b、流出側搬送流路11c、およびその他の流体が搬送される流路(例えば、流出側逆止機構15内の流路等)が、本発明の「搬送流路」に相当する。
【0032】
ダイヤフラム12は、ポンプヘッド本体11と、ダイヤフラム押さえ部16との間に挟持して設けられている。具体的には、ダイヤフラム12の外周縁部12bが、ポンプヘッド本体11とダイヤフラム押さえ部16とによって挟持され、ダイヤフラム12の中央部およびその近傍が、中央部に取り付けられたプランジャ13によって往復動可能であるべく設けられている。
【0033】
流入側逆止機構14は、流入側の逆止弁として機能する第一チャッキボール141および第二チャッキボール142と、これらのチャッキボール141,142に対応すべく設けられた弁座143,144およびストッパ145,146等とを用いて構成されている。また、この流入側逆止機構14およびポンプヘッド本体11には、ポンプ外部に設けられたベローズ20(本発明の「ガス排出手段」に相当)に連通すべく、連通孔19が形成されている。このベローズ20等については、後に詳細に説明する。
【0034】
流出側逆止機構15は、流出側の逆止弁として機能する第一チャッキボール151および第二チャッキボール152と、これらのチャッキボール151,152に対応すべく設けられた弁座153,154およびストッパ155,156等とを用いて構成されている。
【0035】
以上のように構成された往復動ポンプにおいては、プランジャ13を介してダイヤフラム12を矢印A方向に動かすことにより、各搬送流路11a,11b,11c内に負圧が発生し、この負圧の影響が各チャッキボール141,142,151,152に及ぶこととなる。
具体的には、このダイヤフラム12によって生じた負圧により、流入側チャッキボール141,142が持ち上げられ(矢印B方向に持ち上げられ)、流出側チャッキボール151,152が弁座153,154側に引きつけられることとなって、流入部140を介して搬送流路11a,11b,11c内に流体が流入する(以下、この行程を「流入行程」という。)。
【0036】
次に、本実施形態においては、プランジャ13を介してダイヤフラム12を矢印Aの反対方向に動かすことにより、各搬送流路11a,11b,11c内に正圧が発生し、この正圧の影響が各チャッキボール141,142,151,152に及ぶこととなる。
具体的には、このダイヤフラム12によって生じた正圧により、流出側チャッキボール151,152が持ち上げられ(矢印C方向に持ち上げられ)、流入側チャッキボール141,142が弁座143,144側に押さえつけられることとなって、流出部150を介して搬送流路11a,11b,11c内の流体が流出する(以下、この行程を「流出行程」という。)
【0037】
すなわち、本実施形態にかかる往復動ポンプにおいては、上述した流入行程および流出行程を繰り返すことによって(ダイヤフラム12を往復動させることにより正圧および負圧が交互に作用することによって)、流体の搬送処理を実現することが可能となる。
【0038】
なお、本実施形態においては、強酸性・強アルカリ性の液体を搬送するという目的を達成するために、ダイヤフラム12、ベローズ20、および液体と接するその他の構成要素(すなわち「接液部」)については、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素含有樹脂を用いて構成することが好ましい。
【0039】
さて、上述した本実施形態にかかる往復動ポンプにおいても、先に説明したように(「従来の技術」参照)、往復動ポンプ内にエア等のガスが混入・発生して、往復動ポンプを用いた流体の搬送に不具合(搬送不良、搬送量の低下等)が生ずる場合がある。
具体的には、ガスが混入等することによって、搬送流路11a,11b,11c内には液体とガスとが混在する状態となる。そして、ガスは液体よりも圧力および温度の変動等により圧縮・膨張しやすい。したがって、ガスは、搬送流路11a,11b,11c内において、ダイヤフラム12の往復動による圧力を液体に的確に作用させる際の妨げとなる。
【0040】
上記不具合を解消するために、従来技術においてはエア抜き弁等が設けられていたが、これには問題があった(「発明が解決しようとする課題」参照)。そこで、本実施形態においては、従来の問題点を解決すると共に、ガスを効果的に排出すべく、ベローズ20を用いたガス排出機構が設けられている。
【0041】
本実施形態にかかるガス排出機構は、内部空間20aが搬送流路11a,11b,11cに連通すべく、ベローズ20が設けられている。より具体的には、ポンプヘッド本体11と流入側逆止機構14とを貫通して、ポンプ外部に設けられたベローズ20の内部空間20aと、流入側のチャッキボール141,142間とを連通させるべく、連通孔19が形成されている。つまり、ベローズ20の内部空間20aに連通した連通孔19が、流入側のチャッキボール141,142間の搬送流路および流入側の第二チャッキボール142を介して、搬送流路11a,11b,11cに連通している。
【0042】
以上のように構成された本実施形態にかかる往復動ポンプ(ガス排出機構)においては、搬送流路11a,11b,11c内にガスが混入等してガスロック等が発生した場合には、ベローズ20を矢印D方向に押し込む(押圧する)ことによってポンプヘッド本体11に形成されている搬送流路11a,11b,11c内の圧力を強制的に高めて、混入等していたガスを流出部150の下流側に排出させることが可能となる。
つまり、本実施形態によれば、ベローズ20の外部から押圧力を作用させることによって、ガスの排出が可能であるため、従来問題であったポンプ内部の液体の外部への飛び出し等をなくしつつ、往復動ポンプ内のガスを排出できる。すなわち、本実施形態にかかるベローズ20を用いたガス排出機構によれば、従来のエア抜き弁と異なり、エア等のガスをポンプ外部に抜き出す作業が不要となるため、エア抜き時の液体排出もなくなり、この液体の付着による腐食等の問題を解決することができる。
【0043】
また、本実施形態においては、ベローズ20が液体を吸引する方向に付勢力を有しているため、このベローズ20は自給能力(自己吸引能力)を有することとなる。したがって、ポンプ駆動時においては、常にベローズ20内に搬送流体が貯留された状態となるため、このベローズ20がバッファタンクとして機能する。
一般に、ポンプの流入側に接続された配管が細い時や長い時には、キャビテーションが発生するおそれがある。したがって、このような場合には、キャビテーションを防止するために、新たにバッファタンク等の他の構成要素を追加して設ける必要がある。
しかしながら、本実施形態によれば、ガス排出機構を成すベローズ20がバッファタンクとしての機能も兼ね備えるため、流入部140に接続される流入側の配管(図示省略)が細い時、あるいは長い時であっても、キャビテーションの発生を抑えることができる。
【0044】
また、本実施形態にかかる往復動ポンプにおいては、ベローズ20が搬送される流体の脈動によって、若干ではあるが往復動(矢印D方向および矢印Dの反対方向の往復動)を繰り返すこととなる。よって、本実施形態にかかる往復動ポンプによれば、このベローズ20を見知することにより、流体が搬送されているか否かを容易に判断することができる。すなわち、本実施形態によれば、このベローズ20を、流体の流れ表示器としても機能させることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態にかかる往復動ポンプにおいては、上記ベローズ20の往復動状態を見知することにより、ポンプ内のエア噛み状態を認識することもできる。そして、本実施形態にかかる往復動ポンプにおいては、エア噛みを認識するのみではなく、上述したように、ベローズ20に押圧力を作用させて、エア噛み状態を容易に解消することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0047】
本実施形態においては、ベローズ20を用いて構成されたガス排出機構が往復動ポンプに設けられた場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、ベローズを用いたガス排出機構は往復動ポンプ以外にも適用可能である。したがって、例えば、ガスの混入等が予想される配管部等に、上述したようなベローズを有するガス排出機構を設けてもよい。
【0048】
また、本実施形態においては、ガスロック等が発生した際に、ベローズ20に対して押圧力を加えて強制的にガスの排出を行う場合について説明したが、この「押圧力を加える」際の方法は、手動あるいは自動のいずれをも含むものである。さらに、自動的に処理する場合であっても、必要に応じて、定期的にあるいはガスロックを自動的に検知等して、ベローズ20の外部から押圧力を付加すべく構成してもよい。
例えば、モータ等にて回転駆動する偏心カムと、このモータ等に定期的に電力を供給するためのタイマ等とを設けて、定期的に回転する偏心カムによって、ベローズ20を外部から押圧し、定期的にガス排出を行うべく構成してもよい。または、流量計等からの検知信号に基づいてガスロックを検知する検知装置と、この検知装置の検知信号によってベローズ20を押圧すべく回転駆動する偏心カム等とを設けて、ガスロックが検知された時に回転する偏心カムによって、ベローズ20を外部から押圧し、ガスロック発生時に自動的にガス排出を行うべく構成してもよい。
なお、先に述べたように、ベローズ20の動きを見知してガスの混入等を判断し、これに基づいてベローズ20の外部から押圧力を加えてもよい。
【0049】
また、本実施形態においては、流入側のチャッキボール141,142間にベローズ20に連通した連通孔19を設けた場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、搬送流路内のガスが適切に排出可能であれば、連通孔19を設ける位置はこの箇所に限られない。したがって、例えば、この連通孔19は、流入側の第一チャッキボール141の上流側に設けてもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、「ガス排出手段」が、搬送流路内の液体を吸引する方向(矢印Dの反対方向(図1参照))に付勢力を有するベローズ20を用いて構成されている場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、ガス排出手段を、プランジャ、あるいは特に付勢力を有しないベローズ等を用いて構成してもよい。このようなものを用いてガス排出手段を構成した場合には、液体を吸引するためにベローズ等を引っ張った後に押圧することによって、適切にガスの排出を行うことができる。さらに、特に付勢力を有しないベローズと、スプリング等の付勢手段とを組み合わせて、「ガス排出手段」を構成してもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、往復動する「可動部」がダイヤフラムである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、この可動部は、例えば、プランジャ、ベローズ等であってもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送するのに適し、搬送流体を往復動ポンプ外に排出することなく、往復動ポンプ内あるいは配管内のガスを排出可能なガス排出機構を得ることができる。また、このようなガス排出機構を設けることによって、強酸性・強アルカリ性の液体を定量的に搬送し、搬送流体を装置外部に排出することなく、混入等したガスを排出可能な往復動ポンプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる往復動ポンプを構成するポンプヘッド部の概略断面図
【符号の説明】
10…ポンプヘッド部
11…ポンプヘッド本体
11a…第一搬送流路
11b…流入側搬送流路
11c…流出側搬送流路
12…ダイヤフラム
13…プランジャ
14…流入側逆止機構
15…流出側逆止機構
16…ダイヤフラム
19…連通孔
20…ベローズ
Claims (4)
- 液体を搬送する搬送流路中に混入あるいは発生したガスを排出するためのガス排出機構であって、内部空間が前記搬送流路に連通したガス排出手段を備え、前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作用させることによって、前記ガスの排出が可能であるガス排出機構において、
往復動する可動部にて前記液体が搬送され、前記搬送流路中における前記可動部の少なくとも上流側には二つの逆止弁が設けられており、
前記上流側の二つの逆止弁間における前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられ、
しかも、前記ガス排出手段は、前記液体を吸引する方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプランジャの少なくとも一つを用いて構成されることを特徴とするガス排出機構。 - 前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを用いて構成されている請求項1に記載のガス排出機構。
- 往復動する可動部を用いて構成された往復動ポンプであって、前記可動部を用いて搬送される液体の搬送流路に連通すべくガス排出手段が設けられており、前記ガス排出手段により前記搬送流路に対して圧力を作用させることによって、前記搬送流路中のガスが排出可能である往復動ポンプにおいて、
前記搬送流路中における前記可動部の少なくとも上流側には二つの逆止弁が設けられており、
前記上流側の二つの逆止弁間における前記搬送流路に連通すべく、前記ガス排出手段が設けられ、
しかも、前記ガス排出手段は、前記液体を吸引する方向に付勢力を有するベローズ、ダイヤフラム、およびプランジャの少なくとも一つを用いて構成されることを特徴とする往復動ポンプ。 - 前記可動部の前記液体に接する部分が、ダイヤフラム、プランジャ、およびベローズの少なくとも一つを用いて構成されている請求項3に記載の往復動ポンプ。
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