JP2009286946A - ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤ - Google Patents

ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムの耐ブロー性能を向上させ、タイヤの高速耐久性を向上させたブレーカークッション用ゴム組成物、およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを10〜60質量部、およびシトラコンイミド化合物を1〜3質量部配合するブレーカークッション用ゴム組成物、ならびにそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤに関する。
近年、環境問題が重視されるようになり、CO2排出抑制の規制が強化され、また、石油原料は有限であって供給量が年々減少していることから将来的に石油価格の高騰が予測され、ブタジエンゴムやカーボンブラックなどの石油資源からなる原材料の使用には限界がみられる。そのため、将来、石油が枯渇した場合を想定すると、天然ゴムや変性天然ゴム(例えばエポキシ化天然ゴム)などのゴム成分、シリカや炭酸カルシウムなどの白色充填剤のような石油外資源を使用していくことが必要となる。
ブレーカーのエッジ部とケースとの間には、ブレーカークッションとよばれる層が設けられており、乗り心地、耐久性などに大きな影響を及ぼす。
しかし、天然ゴム主体のポリマーにシリカを用いると、従来用いられているような合成ゴム主体のポリマーにカーボンブラックを配合した場合に比べて、ゴムの耐熱性が低くなることが知られており、結果、タイヤの耐久性能が低くなるおそれがあった。具体的には、タイヤのブレーカー下方に位置するブレーカークッション部分が、タイヤの高速耐久性試験を実施した場合に耐えられず、ゴムがブローし損傷する場合がある。
つまり、タイヤの高速耐久性を向上させるためには、ゴムの耐ブロー性能を向上させる必要がある。
特許文献1には、操縦安定性を維持しながら老化後の破断時伸び、破断強度を向上させる目的で、ゴム成分に対して、カーボンブラックおよび1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを含むことを特徴とするブレーカークッション用ゴム組成物、および該ゴム組成物をブレーカークッションに用いたタイヤが開示されている。しかし、カーボンブラックを使用している為にtanδが高い、つまり発熱が高いという課題が残されている。
特許文献2には、tanδを低減し、複素弾性率を向上させ、使用中の破断時伸びの低下を抑制する目的で、ジエン系ゴムに対して、硫黄、酸化亜鉛、シトラコンイミド化合物および有機チオスルフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の加硫促進補助剤を配合するブレーカークッション用ゴム組成物、および該ブレーカークッション用ゴム組成物を用いたブレーカークッションを有するタイヤが開示されている。しかし、硫黄量が多く、耐クラック性能に劣るという課題が残されている。
特開2002−146107号公報 特開2008−56801号公報
本発明は、ゴムの耐ブロー性能を向上させ、タイヤの高速耐久性を向上させたブレーカークッション用ゴム組成物、およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを10〜60質量部、およびシトラコンイミド化合物を1〜3質量部配合するブレーカークッション用ゴム組成物に関する。
前記ジエン系ゴムは、天然ゴムであることが好ましい。
前記ジエン系ゴムは、が天然ゴム30〜90質量%およびエポキシ化天然ゴム70〜10質量%からなるゴム成分であることが好ましい。
また、本発明は、前記ブレーカークッション用ゴム組成物を用いたブレーカークッションを有するタイヤに関する。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対して、シリカおよびシトラコンイミド化合物を所定量含有することで、ゴムの耐ブロー性能を向上させ、タイヤの高速耐久性を向上させたブレーカークッション用ゴム組成物、およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤを提供することができる。
本発明のブレーカークッション用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、シリカおよびシトラコンイミド化合物を含有する。
以下に本発明のブレーカークッション用ゴム組成物に使用するジエン系ゴム、シリカおよびシトラコンイミド化合物について説明する。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)およびエポキシ化天然ゴム(ENR)からなることが好ましい。
エポキシ化天然ゴムは、市販のエポキシ化天然ゴムを用いてもよいし、天然ゴムをエポキシ化して用いてもよい。天然ゴムをエポキシ化する方法としては、とくに限定されるものではなく、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行なうことができる。たとえば、天然ゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法などがあげられる。
エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率は12〜50モル%であることが好ましい。エポキシ化率が12モル%未満では、エポキシ化天然ゴムが天然ゴムと相溶化するため効果が少なくなる傾向があり、50モル%をこえると、得られたゴム組成物のゴム強度が充分ではない傾向がある。
ゴム成分中の天然ゴムの含有率は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴムの含有率は70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。ゴム成分中、天然ゴムの含有率が30質量%以上であり、エポキシ化天然ゴムの含有率が70質量%以下であることで、より高い低燃費性能、耐ブロー性能という効果を得ることができる。
また、ゴム成分中の天然ゴムの含有率は、100質量%であっても良いが、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、エポキシ化天然ゴムの含有率は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。ゴム成分中、天然ゴムの含有率が90質量%以下であり、エポキシ化天然ゴムの含有率が10質量%以上であることで、より高い耐クラック性能という効果を得ることができる。
天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴム以外にもポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などのゴムを用いることができるが、石油外資源から得られることから、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムのみからなることが好ましい。
シリカとしてはとくに制限はなく、湿式法または乾式法により作製されたものを用いることができる。
シリカのBET比表面積(BET)は100m2/g以上が好ましく、120m2/g以上がより好ましい。シリカのBETが100m2/g未満では、シリカの配合による補強効果が充分ではない傾向がある。また、シリカのBETは300m2/g以下が好ましく、280m2/g以下がより好ましい。シリカのBETが300m2/gをこえると、シリカの分散性および低発熱性が悪化する傾向がある。
シリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは20質量部以上である。シリカの含有量が10質量部以上であることで、より高い補強性能という効果を得ることができる。
また、シリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、60質量部以下、好ましくは40質量部以下である。シリカの含有量が60質量部以下であることで、より高い耐ブロー性能という効果を得ることができる。
本発明のブレーカークッション用ゴム組成物には、シランカップリング剤をシリカと併用して使用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられ、これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が1質量部未満では、分散性改善などの効果が充分ではない傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が20質量部をこえると、シリカの増量にともなうカップリング効果が得られず、補強性および耐摩耗性が低下し、さらに、コストアップする傾向がある。
シトラコンイミド化合物としては、熱的に安定であり、ゴム中への分散性に優れるという理由から、ビスシトラコンイミド類が好ましい。本発明では、シトラコンイミド化合物を加硫促進補助剤として含有する。具体的には、1,2−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン、1,4−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン、1,6−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン、2,3−ビスシトラコンイミドメチルトルエン、2,4−ビスシトラコンイミドメチルトルエン、2,5−ビスシトラコンイミドメチルトルエン、2,6−ビスシトラコンイミドメチルトルエン、1,2−ビスシトラコンイミドエチルベンゼン、1,3−ビスシトラコンイミドエチルベンゼン、1,4−ビスシトラコンイミドエチルベンゼン、1,6−ビスシトラコンイミドエチルベンゼン、2,3−ビスシトラコンイミドエチルトルエン、2,4−ビスシトラコンイミドエチルトルエン、2,5−ビスシトラコンイミドエチルトルエン、2,6−ビスシトラコンイミドエチルトルエンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、ゴム中への分散性に優れるという理由から、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼンが好ましい。分子構造中に硫黄を含有しないため、熱的に安定であり、さらに、架橋の際に硫黄を放出することなく、初期加硫速度を過度に速くすることがないという理由から、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼンが好ましい。
1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼンとは、下記化学式で表されるものである。
Figure 2009286946
シトラコンイミド化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1質量部以上であり、1.5質量部以上が好ましい。シトラコンイミド化合物の配合量が1質量部以上であることで、ゴムの耐ブロー性能が向上し、タイヤの高速耐久性を向上させることができる。
また、シトラコンイミド化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、3質量部以下であり、2.5質量部以下が好ましい。シトラコンイミド化合物の配合量が3質量部以下であることで、ゴムの耐ブロー性能が向上し、タイヤの高速耐久性を向上させることができ、コストが低減できるという効果を得ることができる。
本発明のブレーカークッション用ゴム組成物には、ジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤、シトラコンイミド化合物以外にも、タイヤ工業で通常使用される配合剤、たとえば、カーボンブラック、硫黄、加硫促進剤、ステアリン酸、ワックス、アロマオイル、老化防止剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
カーボンブラックとしてはとくに制限はなく、通常ゴム工業で使用されるカーボンブラックとすることができ、たとえば、SAF、ISAF、HAF、FEFなどがあげられる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましい。カーボンブラックのN2SAが50m2/g未満では、補強効果が不足する傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは250m2/g以下が好ましく、230m2/g以下がより好ましい。カーボンブラックのN2SAが250m2/gをこえると、分散不良により強度が低下する傾向がある。
カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が2質量部以上であることで、より高い補強性能という効果が期待できる。
また、カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が20質量部以下であることで、より高い耐ブロー性能という効果が期待できる。
硫黄の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して0.7質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。硫黄の含有量が0.7質量部以上であることで、より高い補強性能という効果が期待できる。
また、硫黄の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、2質量部以下が好ましく、1.6質量部以下がより好ましい。硫黄の含有量が2質量部以下であることで、より高い耐クラック性能という効果が期待できる。
酸化亜鉛としては、ゴム工業で従来から使用される酸化亜鉛(東邦亜鉛(株)製の銀嶺R、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛など)や、平均粒子径が200nm以下の微粒子酸化亜鉛(ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2など)などがあげられるが、とくに制限はない。
酸化亜鉛として微粒子酸化亜鉛を使用する場合、微粒子酸化亜鉛の平均粒子径は200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。微粒子酸化亜鉛の平均粒子径が200nmをこえると、従来から使用される酸化亜鉛と比較して、分散性や物性において、改善効果が顕著ではない傾向がある。また、微粒子酸化亜鉛の平均粒子径は20nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましい。微粒子酸化亜鉛の平均粒子径が20nm未満では、酸化亜鉛の平均粒子径が、シリカやカーボンブラックの一次粒子径より小さくなり、分散性の向上が期待できない傾向がある。
酸化亜鉛の配合量は、ゴム成分100質量部に対して1.0質量部以上、好ましくは2.0質量部以上である。酸化亜鉛の配合量が1.0質量部未満では、加硫戻りにより、充分な硬度(Hs)が得られない傾向がある。また、酸化亜鉛の配合量は3.7質量部以下、好ましくは3.0質量部以下である。酸化亜鉛の配合量が3.7質量部をこえると、走行によりゴムが硬化した場合、破断強度が低下しやすい傾向がある。
加硫促進剤を配合する場合、タイヤ工業で通常使用されるN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどを使用することができる。
図面を用いて、本発明のブレーカークッション用ゴム組成物を用いたブレーカークッションを有するタイヤにおけるブレーカークッションについて説明する。図1は、本発明のブレーカークッション用ゴム組成物を用いたブレーカークッションを有する構造を示すタイヤの部分断面図である。図1に示すように、ブレーカークッション1とは、ブレーカー2のエッジ部(ブレーカーエッジ)とケース3との間に挿入されるゴム層であり、トレッドから伝播する振動などのダメージを緩和し、トレッド全体の発熱を低減する役割がある。
本発明のゴム組成物は、ゴムの耐ブロー性能を向上させ、タイヤの高速耐久性を向上させることができるという理由から、とくに、ブレーカーとケースとの間のブレーカークッションに好適に使用されるものである。
本発明のタイヤは、本発明のブレーカークッション用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のブレーカークッション用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのブレーカークッションの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上にて、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
エポキシ化天然ゴム(ENR25):クンプーランガスリー社(Kumpulan Guthrie Berhad)(マレーシア)製のENR−25(エポキシ化率:25モル%)
カーボンブラック(FEF):三菱化学(株)製のダイヤブラックE(N2SA41m2/g、DBP吸油量115ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(N2SA:210m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のJOMOプロセスX140(石油系レジン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース035
老化防止剤:住友化学工業(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
シトラコンイミド化合物:フレキシス社製のPERKALINK900(1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン)
Figure 2009286946
実施例1〜14および比較例1〜2
表1〜6に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤およびシトラコンイミド化合物以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。つぎに、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤およびシトラコンイミド化合物を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、実施例1〜14および比較例1〜2の加硫ゴム組成物を得た。
(ゴムのブロー試験)
加硫ゴム組成物の1cm3のゴム片を高温オーブン(200℃〜300℃の各温度)で30分間放置した後、ゴムのブロー状況を確認する。ゴムがブローし始めた温度をブロー温度とした。本発明において「ブローした」は、高温オーブンで30分間放置した後の1cm3のゴム片を切断して、内部断面の気泡の数を測定することで確認することができる。つまり、1cm3のゴム片の内部断面に0.1mmの気泡が5個以上確認できた状態を「ブローした」状態とし、その温度をブロー温度とした。ゴムがブローし始めた温度(ブロー温度)が高いほど、耐ブロー性能が優れていることを示す。
(タイヤの高速耐久試験)
加硫ゴム組成物を用いて195/65R15サイズのタイヤの高速耐久試験を実施し、損傷する走行速度(km/h)で耐久性を判断した。タイヤを用いて、(1)200km/h−10分間、(2)210km/h−10分間、(3)220km/h−10分間と順に走行速度を上げて高速耐久試験を実施し、損傷する走行速度(km/h)を確認した。つまり、より速い速度(km/h)領域まで走行できるタイヤが高速耐久性に優れていることを示す。
前記評価結果を表1〜6に示す。
Figure 2009286946
Figure 2009286946
Figure 2009286946
Figure 2009286946
Figure 2009286946
Figure 2009286946
実施例1では、天然ゴム(NR)100質量部に対し、シトラコンイミド化合物(P900)を2質量部配合することで、ゴムのブロー温度が250℃まで上昇し耐ブロー性能に優れ、タイヤが損傷するまでの走行速度が240km/hまで伸びてタイヤの高速耐久性に優れていることがわかる。
実施例2では、天然ゴム(NR)60質量部およびエポキシ化天然ゴム(ENR)40質量部からなるゴム成分に対し、シトラコンイミド化合物(P900)を2質量部配合することで、ゴムのブロー温度が250℃まで上昇し耐ブロー性能に優れ、タイヤが損傷するまでの走行速度が240km/hまで伸びてタイヤの高速耐久性に優れていることがわかる。
比較例1では、天然ゴム(NR)100質量部に対し、シトラコンイミド化合物(P900)を配合させていないので、ゴムのブロー温度が200℃であり、タイヤが損傷するまでの走行速度が210km/hであった。
比較例2では、天然ゴム(NR)100質量部に対し、シトラコンイミド化合物(P900)を0.5質量部配合することで、ゴムのブロー温度が220℃まで上昇し耐ブロー性能はわずかに向上したが、タイヤが損傷するまでの走行速度が220km/hにとどまった。
ブレーカークッションを有するタイヤの部分断面図である。
符号の説明
1 ブレーカークッション
2 ブレーカー
3 ケース

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対して、
    シリカを10〜60質量部、および
    シトラコンイミド化合物を1〜3質量部配合するブレーカークッション用ゴム組成物。
  2. ジエン系ゴムが天然ゴムである請求項1記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  3. ジエン系ゴムが天然ゴム30〜90質量%およびエポキシ化天然ゴム70〜10質量%からなるゴム成分である請求項1記載のブレーカークッション用ゴム組成物。
  4. 請求項1、2または3記載のブレーカークッション用ゴム組成物を用いたブレーカークッションを有するタイヤ。
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