JP2005146012A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベルト又はブレーカー周辺部位における耐セパレーション性が高い空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 ベルト又はブレーカーの周辺部品において、少なくとも1種のジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のシトラコンイミド化合物を配合してなるゴム組成物が使用されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】 なし
【解決手段】 ベルト又はブレーカーの周辺部品において、少なくとも1種のジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のシトラコンイミド化合物を配合してなるゴム組成物が使用されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。より詳細には、本発明は、ベルト又はブレーカー周辺部位における耐セパレーション性が高い空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺に用いられる部品は、タイヤ内部の部品であるが故に、これらの部品を構成するゴム組成物において、製造工程における後加硫や過加硫による破断伸びの低下を引き起こし易く、また、走行時のタイヤの発熱によっても破断伸びの更なる低下を引き起こし易い。
特に、ベルト又はブレーカーにおいてスチールコードが使用される場合には、上記周辺部品を構成するゴム組成物に多量の硫黄を配合して、スチールコード被覆用ゴム組成物から上記周辺部品への硫黄の移行に伴う、スチールコード被覆用ゴム組成物のスチールに対する接着性の低下を防止することが一般的に行われているために、上記の如き破断伸びの低下がより顕著なものとなりがちである。
また、空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺、特に端部は、タイヤにかかる応力による歪みが集中し易い部位であり、繰り返し屈曲に伴う発熱に伴って、当該部位において使用されている部品の破断伸びが低下し、ベルト又はブレーカーからのセパレーションが発生し易くなる傾向がある。この傾向は、特に、トラック及び/又はバス用タイヤ等の重荷重用空気入りタイヤにおいて、より顕著となる。
上記セパレーションが発生すると、場合によっては、上記セパレーションが更に進行して、バースト等の重大なタイヤ故障の原因となる虞がある。また、更生タイヤの台タイヤとして利用することが困難となる虞もある。
従って、当該技術分野においては、ベルト又はブレーカー周辺部位における耐セパレーション性が高い(セパレーションが発生しにくい)空気入りタイヤに対する要求が存在する。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2001−233959号公報
特開2001−26669号公報
特開2001−226526号公報
本発明の目的は、ベルト又はブレーカー周辺部位における耐セパレーション性が高い空気入りタイヤを提供することである。
上記目的は、ベルト又はブレーカーの周辺部品において、少なくとも1種のジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のシトラコンイミド化合物を配合してなるゴム組成物が使用されていることを特徴とする空気入りタイヤによって達成される。
本発明により、ベルト又はブレーカー周辺部位における耐セパレーション性が高い空気入りタイヤが提供される。
本発明に係る空気入りタイヤは、ベルト又はブレーカーの周辺部品において、少なくとも1種のジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のシトラコンイミド化合物を配合してなるゴム組成物が使用されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
本発明の好ましい態様において、前記周辺部品は、ベルト若しくはブレーカーの間に配置されるクッションゴム及び/又はベルト若しくはブレーカーのカバーゴムであるのが望ましい。
本発明の更なる好ましい態様において、前記周辺部品は、ベルト若しくはブレーカーの間の端部に配置されるクッションゴム及び/又はベルト若しくはブレーカーのエッジカバーゴムであるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物において使用されるゴム成分としては、特に限定されないが、天然ゴム(NR)またはジエン系合成ゴムのいずれか、あるいはこれらの混合系を用いることができる。ジエン系合成ゴムとしては、例えば、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられる。
また、本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物に配合されるシトラコンイミド化合物の例としては、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンが挙げられるが、この特定の化合物に限定されるものではない。
本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物において、上記シトラコンイミド化合物は、上記ゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部、好ましくは0.5〜1.0重量部配合されるのが望ましい。
上記シトラコンイミド化合物の配合量が0.1重量部未満では、加硫後の上記ゴム組成物の破断伸びが小さくなり、上記ゴム組成物の過加硫に伴う破断伸びの低下に対する防止効果が小さくなり、更に、加硫後の上記ゴム組成物の発熱性に対する抑制効果が小さくなり、その結果、当該ゴム組成物がベルト又はブレーカー周辺部位に使用されている空気入りタイヤの耐セパレーション性の改良効果が小さくなるので望ましくない。
逆に、上記シトラコンイミド化合物の配合量が2.0重量部を超えると、上記発熱性に対する抑制効果は更に大きくなるものの、加硫後の上記ゴム組成物の破断伸びが小さくなるので望ましくない。
本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物には、ゴム製品の製造において一般的に行われているように、硫黄等の加硫剤もまた配合される。この場合、本発明に係るゴム組成物における加硫剤の配合量は、当該技術分野において既知の配合量とすることができる。加硫剤として硫黄を使用する場合には、例えば、粉末硫黄等の、ゴム配合技術分野において周知のものを使用することができる。
また、上述の如く、ベルト又はブレーカーにおいてスチールコードが使用される場合には、本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物に多量の硫黄を配合して、スチールコード被覆用ゴム組成物から上記周辺部品への硫黄の移行を抑制し、スチールコード被覆用ゴム組成物のスチールに対する接着性の低下を防止してもよい。
上記の場合、本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物における硫黄の配合量は、例えば、上記ゴム成分100重量部に対して、3.5〜13重量部、好ましくは4.0〜8.0重量部の加硫剤を配合するのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物には、更に、カーボンブラック、充填材(例えば、シリカ)、プロセスオイル、可塑剤、軟化剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫活性化剤、老化防止剤等、及び/又はゴム配合技術分野において一般的に使用される他の各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明に係る空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物は、公知のゴム用混練機械(例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等)を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの用途は特に限定されないが、中でも、タイヤのベルト又はブレーカーの周辺、特に端部にかかる応力が大きい用途、具体的にはトラック及び/又はバス用タイヤ等の重荷重用空気入りタイヤにおいて、高い耐セパレーション性を発揮させようとする場合に極めて有用である。
以下に記載する比較例及び実施例によって本発明を更に詳しく説明するけれども、本発明の技術的範囲は、これらの例に限定されるものではない。
標準例1、実施例1、並びに比較例1及び2
配合成分
後述する各種試験片及び各種試験タイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物の調製において使用される各種配合成分を、以下に列記する。
配合成分
後述する各種試験片及び各種試験タイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品を構成するゴム組成物の調製において使用される各種配合成分を、以下に列記する。
天然ゴム(NR):RSS 1号
カーボンブラック(CB):昭和キャボット株式会社製「ショウブラック N326」
亜鉛華:正同化学工業株式会社製「酸化亜鉛 3種」
ステアリン酸:日本油脂株式会社製「ビーズステアリン酸」
ナフテン酸Co:大日本インキ化学工業株式会社製「ナフテン酸コバルト」(ナフテン酸コバルト)
老化防止剤(6PPD):住友化学工業株式会社製「アンチゲン 6C」(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業株式会社「金華印5%油入微粉硫黄」
加硫促進剤(DCBS):FLEXSYS社製「SANTOCURE DCBS」(1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン)
シトラコンイミド:FLEXSYS社製「Perkalink 900」(1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン)
カーボンブラック(CB):昭和キャボット株式会社製「ショウブラック N326」
亜鉛華:正同化学工業株式会社製「酸化亜鉛 3種」
ステアリン酸:日本油脂株式会社製「ビーズステアリン酸」
ナフテン酸Co:大日本インキ化学工業株式会社製「ナフテン酸コバルト」(ナフテン酸コバルト)
老化防止剤(6PPD):住友化学工業株式会社製「アンチゲン 6C」(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業株式会社「金華印5%油入微粉硫黄」
加硫促進剤(DCBS):FLEXSYS社製「SANTOCURE DCBS」(1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン)
シトラコンイミド:FLEXSYS社製「Perkalink 900」(1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン)
各種試験片の調製
以下の表Iに示す硫黄及び加硫促進剤以外の成分を、以下の表Iに示す配合量で、バンバリーミキサー及び練りロール機で混合混練し、165±5℃に達したときにマスターバッチを放出した。このマスターバッチに、以下の表Iに示す配合量の硫黄及び加硫促進剤を添加し、8インチのオープンロールで混練して、標準例1、実施例1、並びに比較例1及び2のゴム組成物を得た。
以下の表Iに示す硫黄及び加硫促進剤以外の成分を、以下の表Iに示す配合量で、バンバリーミキサー及び練りロール機で混合混練し、165±5℃に達したときにマスターバッチを放出した。このマスターバッチに、以下の表Iに示す配合量の硫黄及び加硫促進剤を添加し、8インチのオープンロールで混練して、標準例1、実施例1、並びに比較例1及び2のゴム組成物を得た。
次に、上記各種ゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中でプレス加硫して、目的とする各種試験片を調製した。尚、プレス加硫の条件は、適正加硫においては160℃×20分、過加硫においては160℃×40分とした。
各種試験片の加硫物性の測定
上記各種試験片の各種加硫物性を、以下の試験方法に従って測定した。
上記各種試験片の各種加硫物性を、以下の試験方法に従って測定した。
1)破断伸び(EB ):
適正加硫条件下で調製した上記各種試験片(ダンベル状3号型とした)について、室温において、JIS K6251に準拠して、破断伸びを測定した。この破断伸びが大きいほど、耐セパレーション性が高いことを意味する。尚、上記の表Iにおいては、当該破断伸びを「EB 」と略記する。
適正加硫条件下で調製した上記各種試験片(ダンベル状3号型とした)について、室温において、JIS K6251に準拠して、破断伸びを測定した。この破断伸びが大きいほど、耐セパレーション性が高いことを意味する。尚、上記の表Iにおいては、当該破断伸びを「EB 」と略記する。
2)破断伸び保持率(EB 保持率):
過加硫条件下で調製した上記各種試験片(ダンベル状3号型とした)について、室温において、JIS K6251に準拠して、破断伸びを測定し、それぞれの試験片において、上記1)において測定した破断伸び(EB )に対する比率を百分率で表したもの。この破断伸び保持率が高いほど、過加硫に伴う破断伸びの低下が小さく、耐セパレーション性が良好に維持されることを意味する。尚、上記の表Iにおいては、当該破断伸び保持率を「EB 保持率」と略記する。
過加硫条件下で調製した上記各種試験片(ダンベル状3号型とした)について、室温において、JIS K6251に準拠して、破断伸びを測定し、それぞれの試験片において、上記1)において測定した破断伸び(EB )に対する比率を百分率で表したもの。この破断伸び保持率が高いほど、過加硫に伴う破断伸びの低下が小さく、耐セパレーション性が良好に維持されることを意味する。尚、上記の表Iにおいては、当該破断伸び保持率を「EB 保持率」と略記する。
3)HBU指数:
過加硫条件下で調製した上記各種試験片について、グッドリッチ製フレクソメーターを使用して、初期温度40℃、ストローク4.44mm、及び荷重245Nの条件下、周波数1800rpm で25分間にわたって屈曲変形を繰り返し加え、HBU(ヒートビルドアップ(上昇温度を示す))を測定し、標準例1におけるHBUを100とした指数によって表示した。この指数が小さいほど、低発熱性が良好である(発熱が小さい)ことを意味する。
過加硫条件下で調製した上記各種試験片について、グッドリッチ製フレクソメーターを使用して、初期温度40℃、ストローク4.44mm、及び荷重245Nの条件下、周波数1800rpm で25分間にわたって屈曲変形を繰り返し加え、HBU(ヒートビルドアップ(上昇温度を示す))を測定し、標準例1におけるHBUを100とした指数によって表示した。この指数が小さいほど、低発熱性が良好である(発熱が小さい)ことを意味する。
各加硫物性の測定結果の評価
上記各種試験片についての、上記1)〜3)の各加硫物性の測定結果は、上記表Iに示されている。
上記各種試験片についての、上記1)〜3)の各加硫物性の測定結果は、上記表Iに示されている。
標準例1の試験片は、シトラコンイミド化合物を全く含有していない、標準的な組成を有するゴム組成物を使用して調製した試験片であり、EB 保持率(破断伸び保持率)が低く(過加硫に伴う破断伸びの低下が大きい)、かかるゴム組成物を空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品において使用する場合、製造工程における後加硫若しくは過加硫又は走行時のタイヤの発熱によって、当該タイヤの耐セパレーション性が不十分となることが懸念される。
標準例1に対し、実施例1の試験片は、ゴム成分100重量部に対して0.7重量部のシトラコンイミド化合物を配合したことを除き、標準例1のゴム組成物と同じ組成を有する、本発明に係るゴム組成物を使用して調製した試験片である。本発明の規定を満足する配合量でシトラコンイミド化合物を配合したことにより、良好なEB (破断伸び)を維持しつつ、EB 保持率(破断伸び保持率)を大幅に改良することができた。また、HBU指数も大幅に小さくなり、屈曲変形に伴う発熱性が大幅に低減されたことが確認された。
従って、実施例1のゴム組成物を空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品において使用する場合、製造工程における後加硫若しくは過加硫又は走行時のタイヤの発熱による当該タイヤの耐セパレーション性の低下を抑制することができると同時に、走行時のタイヤの発熱をも抑制することができることが期待される。
一方、比較例1及び2の試験片は、シトラコンイミド化合物の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、それぞれ、0.05重量部及び2.5重量部としたことを除き、標準例1のゴム組成物と同じ組成を有する、比較用のゴム組成物を使用して調製した試験片である。
比較例1の試験片においては、シトラコンイミド化合物の配合量が本発明の規定範囲を下回っているために、シトラコンイミド化合物を配合したことによる効果が認められず、いずれの評価項目においても、標準例1の試験片とほぼ同等の結果となった。
比較例1とは逆に、シトラコンイミド化合物の配合量が本発明の規定範囲を上回っている比較例2の試験片においては、シトラコンイミド化合物を大量に配合したことによって、HBU指数が大幅に低減されたものの、硬度が大幅に増大し、EB (破断伸び)が大幅に低下した。かかるゴム組成物を空気入りタイヤのベルト又はブレーカーの周辺部品において使用する場合、走行時のタイヤの発熱は抑制されるものの、上記EB (破断伸び)の低下により、製造直後から耐セパレーション性が不十分となることが懸念される。
以上の如く、本発明の規定範囲内の配合量でシトラコンイミド化合物を配合することにより、ゴム組成物のEB 保持率(破断伸び保持率)を高めると同時に、屈曲変形に伴う発熱性を抑制することができることが明らかとなった。
各種試験タイヤの調製
以下の表IIに示すように、上記標準例1及び実施例1のゴム組成物をベルトの間のクッションゴム及びベルトのエッジカバーゴムの両方に使用して、当該技術分野において知られている従来の成形・加硫方法によって、1200R24サイズの重荷重用タイヤ(トラック及びバス用)を製造し、それぞれ、標準例1の試験タイヤ及び実施例1の試験タイヤとした。
以下の表IIに示すように、上記標準例1及び実施例1のゴム組成物をベルトの間のクッションゴム及びベルトのエッジカバーゴムの両方に使用して、当該技術分野において知られている従来の成形・加硫方法によって、1200R24サイズの重荷重用タイヤ(トラック及びバス用)を製造し、それぞれ、標準例1の試験タイヤ及び実施例1の試験タイヤとした。
尚、比較例1のゴム組成物については、上記試験片における各加硫物性の評価において、標準例1のゴム組成物とほぼ同等の評価結果であったことから、試験タイヤの調製及び評価は割愛した。また、比較例2のゴム組成物については、上記試験片における各加硫物性の評価において、EB (破断伸び)が不十分であったことから、タイヤとしての耐セパレーション性においても良好な結果は予想されないので、比較例2のゴム組成物についても試験タイヤの調製及び評価は割愛した。
各種試験タイヤのタイヤ性能の測定
上記の如く得られた、表IIに示されているタイヤ構成を有する標準例1及び実施例1の各試験タイヤを、それぞれ、正規空気圧で、正規リムに組み込み、高温地域(宮崎地方。平均気温17℃、平均湿度73%RH)を走行するトラックの駆動軸に装着し、10万kmにわたって走行させた後、各種タイヤ性能を、以下の試験方法に従って測定した。
上記の如く得られた、表IIに示されているタイヤ構成を有する標準例1及び実施例1の各試験タイヤを、それぞれ、正規空気圧で、正規リムに組み込み、高温地域(宮崎地方。平均気温17℃、平均湿度73%RH)を走行するトラックの駆動軸に装着し、10万kmにわたって走行させた後、各種タイヤ性能を、以下の試験方法に従って測定した。
4)セパレーション長:
上記走行後の各種試験タイヤのショルダー部を全周にわたって剥ぎ取り、ベルト端部において発生しているセパレーションの長さを測定して、その最大値を求め、標準例1におけるセパレーション長を100とした指数によって表示した。この指数が小さいほど、耐セパレーション性が良好である(セパレーションが発生しにくい)ことを意味する。
上記走行後の各種試験タイヤのショルダー部を全周にわたって剥ぎ取り、ベルト端部において発生しているセパレーションの長さを測定して、その最大値を求め、標準例1におけるセパレーション長を100とした指数によって表示した。この指数が小さいほど、耐セパレーション性が良好である(セパレーションが発生しにくい)ことを意味する。
5)走行後破断伸び(走行後EB ):
上記走行後の各種試験タイヤからクッションゴムを採取し、このクッションゴムについて、室温において、JIS K6251に準拠して破断伸びを測定し、標準例1における破断伸びを100とした指数によって表示した。この走行後破断伸びが大きいほど、耐セパレーション性が高いことを意味する。尚、上記の表IIにおいては、当該走行後破断伸びを「走行後EB 」と略記する。
上記走行後の各種試験タイヤからクッションゴムを採取し、このクッションゴムについて、室温において、JIS K6251に準拠して破断伸びを測定し、標準例1における破断伸びを100とした指数によって表示した。この走行後破断伸びが大きいほど、耐セパレーション性が高いことを意味する。尚、上記の表IIにおいては、当該走行後破断伸びを「走行後EB 」と略記する。
各タイヤ性能の測定結果の評価
標準例1及び実施例1の各種試験タイヤについての、上記4)及び5)の各タイヤ性能の測定結果は、上記表IIに示されている。
標準例1及び実施例1の各種試験タイヤについての、上記4)及び5)の各タイヤ性能の測定結果は、上記表IIに示されている。
標準例1の試験タイヤは、標準例1のゴム組成物をベルトの間のクッションゴム及びベルトのエッジカバーゴムの両方に使用して調製した、対照標準となる試験タイヤである。
一方、実施例1の試験タイヤは、本発明の規定範囲内の配合量でシトラコンイミド化合物を配合した実施例1のゴム組成物をベルトの間のクッションゴム及びベルトのエッジカバーゴムの両方に使用して調製した、本発明に係る試験タイヤである。
上記表IIに示されているように、実施例1の試験タイヤにおいては、標準例1の試験タイヤと比較して、セパレーション長が大幅に低減されており、また、走行後EB (走行後破断伸び)は大幅に増大した。
すなわち、本発明の規定範囲内の配合量でシトラコンイミド化合物を配合した実施例1のゴム組成物をベルトの間のクッションゴム及びベルトのエッジカバーゴムに使用することにより、空気入りタイヤの耐セパレーション性を大幅に改良することができることが明らかとなった。
Claims (3)
- ベルト又はブレーカーの周辺部品において、少なくとも1種のジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、0.1〜2.0重量部のシトラコンイミド化合物を配合してなるゴム組成物が使用されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記周辺部品が、ベルト若しくはブレーカーの間に配置されるクッションゴム及び/又はベルト若しくはブレーカーのカバーゴムであることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記周辺部品が、ベルト若しくはブレーカーの間の端部に配置されるクッションゴム及び/又はベルト若しくはブレーカーのエッジカバーゴムであることを特徴とする、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008056801A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤ |
JP2009286946A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカークッションを有するタイヤ |
JP2013531084A (ja) * | 2010-05-06 | 2013-08-01 | グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー | プラスチック容器用の酸素除去添加剤 |
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2003
- 2003-11-11 JP JP2003381446A patent/JP2005146012A/ja active Pending
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