JP6140121B2 - タイヤ用のゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた低燃費性を発揮しながらタイヤの操縦安定性を向上させうるタイヤ用のゴム組成物に関する。
タイヤ用のゴム組成物、特にビードエーペックスなどのタイヤ内部用ゴム組成物においては、操縦安定性を向上させるために、剛性を高めることが要求される。これまで、剛性を高めるために、フィラー量を多くする、熱硬化性樹脂を添加(特許文献1)する、繊維状のフィラーを添加する(特許文献2)、1,2−シンジオタクチックブタジエン結晶(SPB)を含むブタジエンゴムを配合する(特許文献3)等の方法が提案されている。
しかし、上記のような方法の場合、タイヤにとって重要な要求性能である低燃費性を悪化させる傾向にある。そのため、この低燃費性が障害となり、例えば複素弾性率が90MPaを超える高弾性のゴム組成物をタイヤに使用することは実質的に困難であった。
このような状況に鑑み、本発明者は種々研究を積み重ねた。その結果、ゴム組成物を構成する材料の一つ一つは周知であるものの、これら材料の組み合わせ(以下「配合チューニング」という場合がある。)により、これまでになかった領域にて高弾性と低燃費性とを両立させたゴム組成物を出現させることに成功した。
特開2009−127041号公報 特開2013−253222号公報 特開2012−97280号公報
そこで本発明は、これまでになかった領域にて高弾性と低燃費性とを両立させることができ、優れた低燃費性を発揮しながらタイヤの操縦安定性を向上させうるタイヤ用のゴム組成物を提供することを課題としている。
本発明は、タイヤ用のゴム組成物であって、加硫ゴム物性において、初期歪10%、動歪2%、70℃における複素弾性率E*70(単位:MPa)及び損失正接tanδ70が次式(1)、(2)を満たすことを特徴としている。
90< E*70 < 250 −−−(1)
E*70/tanδ70 > 800 −−−(2)
本発明に係るタイヤ用のゴム組成物では、加硫ゴム物性において、初期歪10%、動歪2%、30℃における複素弾性率E*30(単位:MPa)と、初期歪10%、動歪2%、100℃における複素弾性率E*100(単位:MPa)とが、次式(3)を満たすことが好ましい。
E*100/E*30 >0.8 −−−(3)
本発明に係るタイヤ用のゴム組成物では、加硫ゴム物性において、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断伸びEB、それと直角なY軸方向の破断伸びEB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断伸びEBが次式(4)、(5)を満たすことが好ましい。
0.85< EB/EB < 1.2 −−−(4)
0.85< EB/EB < 1.2 −−−(5)
本発明に係るタイヤ用のゴム組成物では、加硫ゴム物性において、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断強度TB、それと直角なY軸方向の破断強度TB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断強度TBが式(6)、(7)を満たすことが好ましい。
0.85< TB/TB < 1.2 −−−(6)
0.85< TB/TB < 1.2 −−−(7)
本発明に係るタイヤ用のゴム組成物では、加硫ゴム物性において、体積固有抵抗値が、1×10Ω・cm未満であることが好ましい。
本発明のタイヤ用のゴム組成物は、叙上の如く、複素弾性率E*70と損失正接tanδ70とが、上記式(1)、(2)を充足する。そのため、これまでになかった領域にて高弾性と低燃費性とを両立させることができ、優れた低燃費性を発揮しながらタイヤの操縦安定性を向上させることができる。
本発明のタイヤ用のゴム組成物を採用した空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示されるように、本例の空気入りタイヤ1は、ランフラットタイヤであって、ゴム部材と、コード補強部材とを含んで形成される。前記コード補強部材には、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、該カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7とが含まれる。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75〜90゜の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間を跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、ビードコア5の廻りで折り返されるプライ折返し部6bを具える。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。各ベルトコードは、プライ間相互で交差し、これによりベルト剛性が高められる。本例のコード補強部材には、ベルト層7の外側に配され、高速性能等を向上させるバンド層9が含まれる。このバンド層9は、バンドコードが螺旋状に巻回される1枚以上、本例では1枚のバンドプライから形成される。
前記ゴム部材には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびる断面三角形状のビードエーペックス8、トレッド部2の外表面をなすキャップトレッドゴム10Aと、その半径方向内側に配されるベーストレッドゴム10Bとからなるトレッドゴム10、サイドウォール部3の外表面をなすサイドウォールゴム11、及びビード部4の外表面をなす断面三角形状のクリンチエーペックスゴム12が含まれる。またこれ以外にも、例えばカーカス6のタイヤ軸方向内側に配されパンク時のタイヤ荷重の一部を支える断面三日月状のランフラット補強ゴム13、ビード底面をなすリムずれ防止用のチェーファゴム14、このチェーファゴム14とカーカス6との間に配されるインスレーションゴム15、タイヤ内腔面をなす低空気透過性のインナーライナゴム16、ベルト層7の外端部とカーカスとの間に配される断面三角形状のブレーカクッションゴム15、及びトレッドゴム10とバンド層9との間に配されるアンダトレッドゴム(図示しない。)なども適宜含むことができる。
そして、これらゴム部材の少なくとも一つに、本発明のゴム組成物Gが採用される。特には、トレッド部2およびサイドウォール部3にて外部に露出しないタイヤ内部用ゴム部材のうち、高い剛性が要求されるゴム部材、例えば前記ビードエーペックスゴム8、ベーストレッドゴム10B、ランフラット補強ゴム12、クリンチエーペックスゴム13に、ゴム組成物Gを採用することがより好ましい。
次に、本発明のゴム組成物Gについて説明する。
<高弾性と低燃費性との両立>
前記ゴム組成物Gは、加硫ゴム物性によって特定される。具体的には、ゴム組成物Gは、初期歪10%、動歪2%、70℃における複素弾性率E*70(単位:MPa)及び損失正接tanδ70が、次式(1)、(2)を満たす、高弾性かつ低燃費性の特性を有する。
90< E*70 < 250 −−−(1)
E*70/tanδ70 > 800 −−−(2)
これにより、優れた低燃費性を発揮しながら、タイヤ剛性を高めて操縦安定性を向上させることができる。しかも複素弾性率及び損失正接を、温度70℃の値にて規定しているため、実車での性能発現をより正確に表すことができる。
なお、複素弾性率E*70が90MPa以下となると、操縦安定性の向上代が不十分となるとともに、タイヤ自体のたわみが大きくなるためタイヤ全体の低燃費性や、タイヤ性能の耐温度依存性も低下する傾向となる。逆に複素弾性率E*70が250MPa以上となると、隣接する他のゴム部材との物性差が大きくなり、セパレーションを誘発するなど耐久性に不利を招く。このような観点から、前記複素弾性率E*70の下限は、好ましくは95MPa以上、より好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは110MPa以上である。また上限は、好ましくは200MPa以下、より好ましくは180MPa以下である。
また、比E*70/tanδ70が800以下となると、操縦安定性の向上は実現するものの、低燃費性が劣り、またゴム組成物G自体の発熱により、タイヤ性能の耐温度依存性が低下する傾向となる。このような観点から比E*70/tanδ70は、好ましくは900以上、より好ましくは1000以上である。なお比E*70/tanδ70の上限は特に規制されないが、2000以下であることが、コスト、加工性の観点から好ましい。
なお、上記の複素弾性率及び損失正接の測定方向に関しては、特に規制されないが、代表的には、ゴム成形時の押出し方向に沿って測定されるのが好ましい。
なお、従来のビードエイペックス等のタイヤ内部用ゴム部材の場合、複素弾性率E*70は最大でも80程度、また比E*70/tanδ70は、最大でも500程度である。
<温度依存性>
前記ゴム組成物Gでは、初期歪10%、動歪2%、30℃における複素弾性率E*30(単位:MPa)と、初期歪10%、動歪2%、100℃における複素弾性率E*100(単位:MPa)とが、次式(3)を満たすことが好ましい。
E*100/E*30 >0.8 −−−(3)
タイヤ内部用ゴム部材では、走行時、特に高速走行時の温度上昇が著しく、通常の走行条件においても100℃に達することが珍しくない。一方、タイヤ用のゴム組成物は、通常0℃以下にガラス移転温度Tgがあり、常温以上では、温度上昇とともに複素弾性率E*が緩やかに低下するなど温度依存性がある。従って、タイヤ用のゴム組成物では、常温と100℃程度の高温領域とで複素弾性率E*が大きく変化しないことが、操縦安定性のために重要である。
そのため本例では、前記30℃における複素弾性率E*30と100℃における複素弾性率E*100の比E*30/E*100を0.8より大に設定している。これにより、あらゆる温度帯、及び運転開始時から長時間の運転に至る状況下において安定した操縦安定性を得ることができる。しかも前記ゴム組成物Gは、前記式(2)の範囲を満たしているため、ゴム組成物自身の発熱量が少なく、式(3)の範囲であれば、高速運転時にも優れた操縦安定性を発揮できる。このような観点から、前記比E*30/E*100は、0.9以上がより好ましい。なお前記比E*30/E*100の上限は1.22以下が好ましく、さらには1.2以下がより好ましい。
なお従来のタイヤ用のゴム組成物では、複素弾性率E*70を70MPa以上とした高弾性の配合とした場合、温度依存性が大きくなり、比E*30/E*100の値は、0.4〜0.6程度と低くなる。
<等方性>
前記ゴム組成物Gでは、破断伸び、及び破断強度において異方性が強いと、弱い方向に応力や変形が集中する傾向となり、タイヤ性能や耐久性を十分に発揮することが難しくなる。そのため、破断伸びにおいて、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断伸びEB、それと直角なY軸方向の破断伸びEB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断伸びEBが、次式(4)、(5)を満たすことが好ましい。
0.85< EB/EB < 1.2 −−−(4)
0.85< EB/EB < 1.2 −−−(5)
同様に、破断強度において、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断強度TB、それと直角なY軸方向の破断強度TB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断強度TBが式(6)、(7)を満たすことが好ましい。
0.85< TB/TB < 1.2 −−−(6)
0.85< TB/TB < 1.2 −−−(7)
これにより、ゴム組成物Gの等方性が確保でき、良好なタイヤ性能等を得ることができる。なおタイヤのゴム部材は、押出し成形など一定方向に圧力のかかる状態で加工される。そのため、前述したような方法(例えば、フィラー量を多くする、熱硬化性樹脂を添加(特許文献1)する、繊維状のフィラーを添加する(特許文献2))により、複素弾性率を高めた場合には、異方性が出やすくなってしまい、タイヤ性能に悪影響を及ぼす。例えば、前述した方法にて、複素弾性率E*70を70MPa以上とした高弾性配合とした場合、比EB/EB、EB/EB、TB/TB、TB/TBは、1.5〜1.7程度と高くなり、1.5以下に減じることは困難である。
<導電性>
タイヤの電気抵抗が大きい場合、静電気が車両に蓄積されて、ラジオノイズ等の電波障害を引き起こす恐れを招く。従って、ゴム組成物Gでは、タイヤの帯電を防ぐために、体積固有抵抗値が、1×10Ω・cm未満であることが好ましい。体積固有抵抗値の下限値は特に規制されない。
次に、本発明のゴム組成物Gの組成について説明する。
前記ゴム組成物Gは、ゴム成分(ポリマー)、フィラ−(補強剤)、架橋剤を少なくとも含んで構成される。
ゴム成分(ポリマー)として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等を挙げることができ、これらを単独で、或いは2種以上をブレンドして用いうる。
しかし、損失正接tanδを減じて低燃費性を向上させるためには、NRを含むことが好ましい。このとき、ゴム成分100質量部に占めるNRの割合は、40質量部以上、さらには50質量部以上が好ましく、100質量部が最も好ましい。
NRとして、未変性天然ゴム(未変性NR)、及び変性天然ゴム(変性NR)が使用でき、未変性NRの場合、高純度化NRを用いることが好ましい。高純度化NRは、極微細領域にまでフィラーの分散性が高まることで、低燃費性をより向上させるとともに、物性の等方性を高めることができる。高純度化の方法としては、特に規定されず、遠心分離等の機械的手法、酵素によるタンパク等の不純物分解法、ケン化による不純物分離等が挙げられる。高純度化NRの場合、そのリン量は200ppm以下が好ましく、またゴムのpHが2〜7であることが、低燃費性、耐熱性、ゴム強度、加工性の観点から好ましい。
また変性NRとしては、二重結合の一部をエポキシ化したエポキシ化天然ゴム(ENR)、及び二重結合の一部を水素化した水素化天然ゴム(HNR)が好適に採用しうる。このような変性NRでは、フィラーとの親和性が高まることで、低燃費性をより向上させるとともに物性の等方性を高めることができ、さらにはフィラーとの相互作用が強まることで優れた機械的強度が発揮される。ENRの場合、二重結合におけるエポキシ化の割合は、50%以下、さらには30%以下、さらには20%以下が好ましい。エポキシ化の割合が50%を超えると、低燃費性への効果が減じるおそれがある。またHNRの場合、水素化の割合(水添率)は、99%以下、さらには98%以下が好ましい。水素化の割合が99%を超えると、ゴム弾性を減じるおそれがある。エポキシ化及び水素化の割合の下限は、特に規制されない。
前記NRに他のゴムをブレンドする場合、ブレンドゴムとしてBR、SBRのようなジエン系ゴムが好ましく採用できる。このジエン系ゴムにおいても、末端を極性基で変性した変性ジエン系ゴムを使用することができる。
次に、前記フィラ−(補強剤)として、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、良好な補強効果が得られるとともに、帯電を防止する効果を高めることができる。
カーボンブラックでは、低燃費性の観点から、DBP給油量が130ml/100g以上とストラクチャーの大きいものが好適である。前記DBP給油量は150ml/100g以上がより好ましく、170ml/100g以上がさらに好ましい。なお従来のゴム配合では、DBP給油量は110ml/100g程度である。ストラクチャーの大きいカーボンブラックは、分散性に優れるため、高い導電性能を発揮するとともに、低燃費性を向上させることができる。このようなカーボンブラックの一例としては、エボニック社製のPrintex XE2B、三菱化学(株)社製 #3030、#3050、#3230、キャボット社製 VP、VXC305、VXC500、VXC500等が挙げられるが、この限りではない。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、10〜280m/g、さらには20m/g〜250m/gが好ましい。カーボンブラックのNSAが10m/g未満では、十分な耐候性性能が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向がある。一方、280m/gを超えると、分散性が低下し低燃費性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。またカーボンブラックの粒子径としては、特に限定されるものではなく、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が使用しうる。
またカーボンブラックとして、例えばフラーレン、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド等であるナノカーボンを用いることもできる。この場合、補強効果に優れるため、複素弾性率を高めながら、カーボンブラックの配合量を減じて低燃費性を向上させることができる。なおナノカーボンは、通常のカーボンブラック(非ナノカーボン)と併用することができる。
またカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックとゴム成分との双方の官能基と反応するカーボンカップリング剤を含むことが好ましい。これにより補強効果が高まり、複素弾性率を高めながら、カーボンブラックの配合量を減じて低燃費性を向上させることができる。またカーボンブラックの配合量が減じることで、ゴム物性の等方性も高められる。
カーボンカップリング剤として、例えば、1,2−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エタン、ビス(ベンズイミダゾリル−2)アルキルポリスルフィド、1,4’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル-2)ブタン 、1,6’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)ヘキサン 、α,α’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)メタキシレン 、1,4’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)2−trans−ブテン のような、ゴム成分との反応性官能基含有イミダゾール類、4−ブロモクロトン酸、4−(ブロモメチル)フェニル酢酸のようなハロゲン化有機酸類、シラン化合物類を挙げることができる。しかしこれに限定されない。これらのカップリング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また前記フィラ−(補強剤)として、シリカを含むことが好ましい。これにより、さらに優れた低燃費性を得ることができる。なおシリカは、カーボンブラックと併用することが、ゴム組成物Gの導電性確保の観点から好ましい。このとき、ストラクチャーの大きい(DBP給油量130ml/100g以上)カーボンブラックと併用することが、導電性の点で好ましい。
シリカを用いる場合、その配合量は、特に限定されないが、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、さらには10質量部以上が好ましい。またその配合量の上限は、200質量部以下、さらには180質量部以下が好ましい。200部を超えると、加工性を損ねる可能性がある。
シリカを用いる場合、シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤の配合量は、上記シリカ100質量部に対して、0.5質量部以上、さらには1.5質量部以上、さらには2.5質量部以上が好ましい。0.5質量部未満であると、シリカを良好に分散させることが難しくなるおそれがある。また配合量の上限は、20質量部以下、さらには15質量部以下、さらには10質量部以下が好ましい。20質量部を超えても、シリカの分散を向上させる効果が得られず、コストが不必要に増大する傾向がある。またスコーチタイムが短くなり、混練りや押し出しでの加工性が悪化する傾向がある。
シランカップリング剤として、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。商品名としてはSi69、Si75、Si266、Si363(エポニックデグサ社製)、NXT、NXT−LV、NXTULV、NXT−Z(モメンティブ社製)などがある。これらのカップリング剤は、1種を単独で用いても良く、2種を以上組み合わせて用いても良い。
次に、架橋剤として、硫黄、有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤を挙げることができる。特に、優れたゴム強度と物性の等方性とを得るために、有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤を用いることが好ましい。有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤の例として、例えば、レゾルシノール樹脂類、クレゾール樹脂類、フェノール樹脂類、メラミン樹脂類のような熱硬化性樹脂類、マレイミド化合物類、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物類、有機過酸化物類、アミン有機サルファイド類等を挙げることができる。しかしこれに限定されない。市販されているもののうち、特に好ましい例としては、フレキシス社製のPERKALINK900、フレキシス社製のDURALINK HTS、ランクセス社製のVulcuren VP KA9188、田岡化学工業社製のタッキロールV200等が挙げられるが、この限りではない。これらの有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良く、また硫黄と併用してもかまわない。
次に、ゴム組成物Gには、前述したゴム成分、フィラ−、及び架橋剤以外に、酸化亜鉛、可塑剤を含むことが好ましい。
酸化亜鉛は、加硫をスムースに行い、剛性と物性の等方性とを高める効果がある。酸化亜鉛として、ゴム工業で従来から使用される酸化亜鉛(東邦亜鉛(株)製の銀嶺R、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛など)、及び微粒子酸化亜鉛(ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2など)などを挙げることができ、これらを単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
しかし酸化亜鉛として、微粒子酸化亜鉛を使用することが、複素弾性率の増加と、他の物性とのバランスの観点から好ましい。この微粒子酸化亜鉛の平均粒子径は、200nm以下、さらには150nm以下が好ましい。微粒子酸化亜鉛の平均粒子径が200nmをこえると、従来から使用される酸化亜鉛と比較して、分散性や物性において改善効果が顕著でなくなる。また微粒子酸化亜鉛の平均粒子径の下限は、20nm以上、さらには50nm以上が好ましい。平均粒子径が20nm未満では、酸化亜鉛の平均粒子径が、シリカやカーボンブラックの一次粒子径より小さくなり、分散性の向上が期待できない傾向がある。
酸化亜鉛の配合量は、ゴム成分100質量部に対して1.0質量部以上、さらには2.0質量部以上が好ましく、1.0質量部を下回ると、加硫戻りにより、充分な硬度(Hs)が得られない。また配合量の上限は3.7質量部以下、さらには3.0質量部以下が好ましく、3.7質量部をこえると破断強度が低下しやすい。
また可塑剤として、オイル、液状ポリマー、液状樹脂等を挙げることができ、これによりゴムの加工性が改善される。可塑剤の種類は特に規定されないが、液状ポリマーを用いることが、剛性、及び機械的強度を向上させる点で好ましい。液状ポリマーとしては、低分子量ポリイソプレン、低分子量ポリブタジエン、低分子量スチレンブタジエン共重合体等、低分子量ジエン系ポリマーであることが、ゴム成分との親和性の点で好ましい。特には、低分子量ジエン系ポリマーにおいて、主鎖及び/又は末端が極性基で変性されている変性低分子量ジエン系ポリマーがさらに好ましく、これによりフィラーとの親和性がより高まり、低燃費性の向上を図りながらゴム強度を高めることができる。
このように本発明のゴム組成物Gでは、その組成自体は特に限定されないが、前記式(1)、(2)を満たすためには、
・ゴム成分として、高純度化NR、及び変性NR(ENR、HNR等)を含むことが好ましい。
・フィラーとして、カーボンブラックとカーボンカップリング剤とを併用する、及び/又はシリカとシランカップリング剤とを併用して補強効果を高めることが好ましく、また、カーボンブラックを用いる場合、DBP給油量が130ml/100g以上の高ストラクチャーのカーボンブラック、及び/又はフラーレン等のナノカーボンを用いることが好ましい。
・酸化亜鉛として、微粒子酸化亜鉛を用いることが好ましい。
・可塑剤として、液状ポリマー、特に変性低分子量ジエン系ポリマーを用いることが好ましい。
また前記式(3)を満たすためには、高純度化NR、及び変性NR(ENR、HNR等)を用いることが好ましい。このことにより、NRの温度依存性の低さを生かしながら、フィラーと強く結合することにより、少ないフィラー量で高弾性と温度依存性の低さとを両立することができる。
また前記式(4)〜(7)を満たすためには、
・ゴム成分として、高純度化NR、及び変性NR(ENR、HNR等)を含むことが好ましい。
・フィラーとして、カーボンブラックとカーボンカップリング剤とを併用する、及び/又はシリカとシランカップリング剤とを併用し、フィラーの配合量を低く抑えることが好ましく、また、カーボンブラックを用いる場合、ナノカーボンがより好ましい。
・架橋剤として、有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤を用いることが好ましい。
なお前記ゴム組成物Gをタイヤに用いる場合、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等の混練り機を用いて各成分を混練りし、未加硫のゴム組成物をえる。そして、この未加硫のゴム組成物を、所望のゴム部材の形状にあわせて押出し加工し、他の部材とともにタイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。その後、この未加硫タイヤを、加硫機中で加熱加圧することによりタイヤ1を得ることができる。本例では、図1に示すように、タイヤ1として空気入りタイヤを例示したが、エアレス(ソリッド)タイヤであってもかまわない。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
(1)
表1示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、架橋剤及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に架橋剤及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物について、下記の物性を測定し、式(1)〜(7)に係わる、E*70、比E*70/tanδ70、比E*100/E*30、比EB/EB、比EB/EB、比TB/TB、比TB/TBの値を算出し、得られた値を表1に記載した。
・初期歪10%、動歪2%、70℃における複素弾性率E*70(単位:MPa):
・初期歪10%、動歪2%、70℃における損失正接tanδ70、
・初期歪10%、動歪2%、30℃における複素弾性率E*30(単位:MPa):
・初期歪10%、動歪2%、100℃における複素弾性率E*100(単位:MPa):
・X軸方向の破断伸びEB、Y軸方向の破断伸びEBY、及びZ軸方向の破断伸びEB
・X軸方向の破断強度TB、Y軸方向の破断強度TB、及びZ軸方向の破断強度TB
<粘弾性測定>
粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用い、温度100℃、70℃、30℃において、周波数10Hz、初期歪10%および動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の複素弾性率(E*)、および損失正接(tanδ)を測定した。
<引張り試験>
JIS−K−6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用い、ロール押し出し方向をX軸方向として各方向の引張り試験を実施し、加硫ゴム組成物の破断時伸び(EB)と、破断時の引張り強度(TB)とを測定した。但し、タイヤの周方向をロールの押し出し進行方向、幅方向をロールの幅方向、垂直をサンプルの厚み方向として測定を行った。
<導電性試験>
アドバンテストコーポレーション社製のデジタル超高抵抗微小電流計(R−8340A)を用いて、23 ℃ および相対湿度55 % の恒温恒湿条件下で、印加電圧1000 V とし、それ以外についてはJIS K6271に従い測定することにより、固有抵抗値(体積抵抗率)を測定した。各試料が1×108Ω・cm未満である場合は、○として表1に記載した。
表1中のゴム組成物に用いた成分は以下の通りである。
・NR1:高純度化NR(下記製造例で製造された)
・NR2:エポキシ化天然ゴムENR(下記製造例で製造された)
・NR3:未変性の汎用天然ゴム(未変性NR:TSR20)
・BR:1,2−シンジオタクチックブタジエン結晶(SPB)を含有するブタジエンゴム、宇部興産(株)製のVCR617(SPBの含有率:15〜18重量%)
・CB1:カーボンブラック、エボニックデグサジャパン(株)社製 Printex XE2B(DBP吸油量:420ml/100g、BET比表面積:1000m/g)
・CB2:カーボンブラック、コロンビアケミカル社製 N330
・フラーレン:ナノカーボン、フロンティアカーボン(株)社製 C60
・シリカ1:ローディア社製 Zeosil Premium 200MP(素吸着比表面積(NSA)205m/g、CTAB比表面積 197m/g)
・シリカ2:PPG社製 Agilon 454(BET 140m/g、CTAB 200m/g)
・カップリング剤1:カーボンカップリング剤、四国化成社製 1,2−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エタン
・カップリング剤2:シランカップリング剤、モメンティブ社製 NXT
・カップリング剤3:シランカップリング剤、エボニックデグサ社製 Si266
・可塑剤1:下記製造例で得られた低分子量ENR
・可塑剤2:新日本理化(株)社製 サンソサイザー DOS
・可塑剤3:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAH−24
・樹脂:(株)日本触媒製のSP1068
・ステアリン酸:日油(株)製
・酸化亜鉛1:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−3(平均一次粒子径:50nm) 酸化亜鉛2:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子径:1.0μm)
・架橋剤1:ランクセス社製 Vulcuren KA9188
・架橋剤2:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200
・硫黄:フレキシス製のクリステックスHSOT20(硫黄80重量%およびオイル分20重量%含む不溶性硫黄)
・加硫促進剤1:ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、大内新興化学工業(株)製のノクセラーH
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
<NR1(高純度化NR)の製造例>
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して高純度天然ゴム(NR1)を得た。得られたゴムのpHは5、リン含有量は92ppmであった。
<NR2(ENR)の製造例>
使用した薬品は下記の通り。
・30%過酸化水素水:関東化学(株)製の30%過酸化水素水
・氷酢酸:関東化学(株)製の99.7%酢酸
・界面活性剤:花王(株)製のエマルゲン120
300ml三角フラスコに氷酢酸57gと30%過酸化水素水107gとを加え、攪拌後、恒温槽で40℃に保ったまま24時間静置し、過酢酸溶液を得た。
1Lガラス容器に上記NR1を300g、蒸留水300g、界面活性剤3.6gを加え10℃に冷却し、攪拌しながら前記過酢酸溶液35gを10分間かけて滴下した。滴下終了後、ラテックス溶液を5分間攪拌し、さらに1Lメタノールにゆっくり注ぎ込み凝集させ、得られた凝集物を1cm程度に粉砕し、2Lの水に入れて一晩放置させた。凝集物を水で数回洗浄し、1日風乾後、減圧乾燥させ、ENR(NR2)176gを得た。NR2のエポキシ化率は3モル%であった。
エポキシ化率の測定は下記の通り。
(エポキシ化率の測定)
得られたENRを重水素化クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴(NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズ))分光分析により、エポキシ化されていないジエンユニット数とエポキシ化されたジエンユニット数の比を求め、以下の算出式を用いて算出した。
(エポキシ化率E%)=(ゴムの主鎖に含まれるエポキシの数)/(NRの主鎖に含まれるジエンユニットの数(エポキシ化されたユニットも含む))×100
<可塑剤1(低分子量ENR)の製造例>
クラレ社製 LIR−50(液状ポリイソプレン Mn=54000)を用いてNR2の製造例と同様にして、エポキシ化率2%の低分子量ENR(可塑剤1)を得た。
Figure 0006140121
(2)
表1に示すゴム組成物をビードエイペックスゴムに採用した乗用車用の空気入りタイヤ(サイズ195/65R15)を試作し、実車走行テストにより操縦安定性を評価した。各タイヤとも、ビードエイペックスゴムのゴム組成以外実質的に同一である。
<操縦安定性>
試験用タイヤを車輌(国産のFF車、排気量2000cc)の全輪に装着して、ドライアスファルトのタイヤテストコースを走行し、そのときの操縦安定性(操舵応答性、グリップ感など)を、ドライバーにより官能評価した。評価は、比較例1を100とする指数で判定した。数値が大きいほど良好であることを示す。
<転がり抵抗>
転がり抵抗試験機を用い、下記の条件での転がり抵抗を測定した。評価は、比較例1を100とする指数で判定した。数値が小さいほど転がり抵抗が小さく良好である。
リム:15×6JJ
内圧:230kPa
荷重:3.43kN
速度:80km/h
Figure 0006140121

Claims (5)

  1. 加硫ゴム物性において、初期歪10%、動歪2%、70℃における複素弾性率E*70(単位:MPa)及び損失正接tanδ70が次式(1)、(2)を満たすことを特徴とするタイヤ用のゴム組成物。
    90< E*70 < 250 −−−(1)
    E*70/tanδ70 > 800 −−−(2)
  2. 加硫ゴム物性において、初期歪10%、動歪2%、30℃における複素弾性率E*30(単位:MPa)と、初期歪10%、動歪2%、100℃における複素弾性率E*100(単位:MPa)とが、次式(3)を満たすことを特徴とする請求項1記載のタイヤ用のゴム組成物。
    E*100/E*30 >0.8 −−−(3)
  3. 加硫ゴム物性において、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断伸びEB、それと直角なY軸方向の破断伸びEB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断伸びEBが次式(4)、(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ用のゴム組成物。
    0.85< EB/EB < 1.2 −−−(4)
    0.85< EB/EB < 1.2 −−−(5)
  4. 加硫ゴム物性において、ゴム押出し方向であるX軸方向の破断強度TB、それと直角なY軸方向の破断強度TB、及びX軸方向とY軸方向とに直角なZ軸方向の破断強度TBが式(6)、(7)を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ用のゴム組成物。
    0.85< TB/TB < 1.2 −−−(6)
    0.85< TB/TB < 1.2 −−−(7)
  5. 加硫ゴム物性において、体積固有抵抗値が、1×10Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のタイヤ用のゴム組成物。
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