JP5508047B2 - インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、インナーライナー用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤ、特にチューブレスタイヤにおいては、タイヤ内圧を保持する目的で、空気透過性の小さいゴムからなるインナーライナーゴムがタイヤ内腔面に形成されている。インナーライナーゴムには、優れた耐空気透過性を有するブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどが一般に用いられている。
空気入りタイヤのインナーライナー部は、車の走行時に発熱が生じやすく、高温条件下では、剛性が低下し、操縦安定性が悪化するおそれがある。したがって、安全性の面から、操縦安定性を向上できるインナーライナーが要求されており、特に競技用タイヤにおいてその要求が強い。
インナーライナーを高剛性とすることにより、操縦安定性を向上できる。しかし、長距離の走行を行った場合には、蓄熱し、タイヤ表面(トレッド部)及び/又は内部(インナーライナー部)でブローが発生したり、破壊が起きたりするおそれがある。これは、発熱が大きい競技用タイヤにおいて、特に顕著である。
特許文献1には、エポキシ化天然ゴムと、シリカと、微粒子酸化亜鉛とを含むインナーライナー用ゴム組成物により、優れた耐空気透過性及び耐屈曲亀裂成長性が得られることが開示されている。しかしながら、操縦安定性、耐ブロー性の両立については検討されておらず、改善の余地がある。
特開2008−297462号公報
本発明は、前記課題を解決し、操縦安定性と耐ブロー性を両立できるインナーライナー用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
非変性天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含むインナーライナー用ゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対して、上記酸化亜鉛の含有量が0.1〜20質量部、上記カーボンブラックの含有量が10〜100質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。上記空気入りタイヤが、競技用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、非変性天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛とを含むインナーライナー用ゴム組成物であるので、操縦安定性と耐ブロー性を両立でき、操縦安定性と耐ブロー性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
なお、ブローとは、ゴムが沸騰し、ブリスターになり、ゴムが飛び散ったような破損をいう。耐ブロー性が高いほど、このような破損を抑制できる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、非変性天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛とを含む。
本発明では、ゴム成分として、非変性天然ゴム(非変性NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、及びスチレンブタジエンゴム(SBR)からなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含む。なかでも、高剛性を得るという理由から、SBRが好ましい。
本明細書において、非変性天然ゴム(非変性NR)とは、化学修飾されていない天然ゴムをいう。非変性NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、非変性NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれる。なお、非変性NRには、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等の化学修飾されている天然ゴムは含まれない。また、IRとしては、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。非変性NR及び/又はIRを含むことにより、低発熱となり、低燃費性が向上する。
本発明のゴム組成物が非変性NR及び/又はIRを含む場合、ゴム成分100質量%中の非変性NR及びIRの合計含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、発熱が高くなり、低燃費性が悪化するおそれがある。また、上記合計含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。90質量%を超えると、充分な剛性が得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
本発明のゴム組成物がBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、発熱が高くなり、低燃費性が悪化するおそれがある。該BRの含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、充分な剛性が得られないおそれがある。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRを含むことにより、剛性を向上できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な剛性が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。90質量%を超えると、発熱が高くなり、低燃費性が悪化するおそれがある。また、低温特性が悪化(脆化)するおそれがある。
本発明のゴム組成物がSBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な剛性が得られないおそれがある。該SBRの含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。90質量%を超えると、発熱が高くなり、低燃費性が悪化するおそれがある。また、低温特性が悪化(脆化)するおそれがある。
ゴム成分100質量%中の非変性NR、IR、BR及びSBRの合計含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。該合計含有量が20質量%未満の場合には、充分な剛性が得られにくく、操縦安定性と耐ブロー性が両立できなくなるおそれがある。
非変性NR、IR、BR、SBR以外に本発明で使用できるゴム成分としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等のブチル系ゴムを用いてもよいが、高い剛性が得られないおそれがあるという理由から、ブチル系ゴムを実質的に含有しないことが好ましい。
ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの合計含有量は、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以下、最も好ましくは0質量%(含有しない)である。
本発明では、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛が使用される。特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛を配合することにより、酸化亜鉛の分散性が向上し、架橋効率が向上するため、剛性、操縦安定性を維持しつつ耐ブロー性を向上できるものと推測される。
酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは140nm以下、更に好ましくは130nm以下、特に好ましくは100nm以下、最も好ましくは80nm以下である。200nmを超えると、通常の酸化亜鉛と比較して、酸化亜鉛の分散性やゴム物性において充分な改善効果が得られないおそれがある。酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。20nm未満であると、酸化亜鉛の平均粒子怪がカーボンブラックの一次粒子径よりも小さくなり、酸化亜鉛の分散性が充分に向上できず、充分な耐摩耗性、耐ブロー性が得られないおそれがある。
なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
上記酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上である。0.1質量部未満では、架橋効率が充分に向上せず、充分な耐摩耗性、耐ブロー性が得られない傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下、特に好ましくは5質量部以下、最も好ましくは3質量部以下、更に最も好ましくは2質量部以下である。20質量部を超えると、酸化亜鉛が充分に分散せず、ブローの核となり、耐ブロー性が悪化するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、剛性を向上できる。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。50m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分に剛性を向上できないおそれがある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は200m/g以下が好ましく、190m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、発熱が高すぎて、耐ブロー性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは10ml/100g以上、更に好ましくは80ml/100g以上である。5ml/100g未満では、耐摩耗性が悪化するおそれがある。また、カーボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは290ml/100g以下、更に好ましくは150ml/100g以下である。300ml/100gを超えると、発熱が高すぎて、耐ブロー性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは50質量部以上である。10質量部未満では、充分な剛性が得られず、また、耐ブロー性を充分に向上できないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、硬くなりすぎ、グリップ性能が低下するおそれがある。
本発明では、シリカを配合してもよい。シリカを配合することにより、低発熱性(低燃費性)と剛性をバランスよく向上できる。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、75m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましく、150m/g以上が特に好ましい。40m/g未満では、耐摩耗性が悪化するおそれがある。また、シリカのNSAは、220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、分散性が悪化し、機械疲労が高くなるおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。50質量部未満であると、充分な剛性が得られないおそれがある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下である。150質量部を超えると、シリカの分散が不均一となり、破壊特性が低下するおそれがある。
シリカを配合する場合、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。これにより、低発熱性(低燃費性)と耐摩耗性をバランスよく向上できる。
本発明で使用されるシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、オイルを配合してもよい。オイルを配合することにより、加工性を改善できる。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。
プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58、ジャパンエナジー社製のプロセスX−260などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、加工性が悪化する。また、オイルの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。200質量部を超えると、耐ブロー性が悪化するおそれがある。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又は、キサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、TBBSが好ましい。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でインナーライナーの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に競技用タイヤ(特に、長距離走行用の競技用タイヤ)として好適に用いられる。本発明により得られる空気入りタイヤは、操縦安定性と耐ブロー性を両立できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3(非変性NR)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有、表1は固形分量)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(NSA:143m/g、DBP吸油量:113ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasilVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:ジャパンエナジー(株)製のプロセスP−200
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛(1):三井金属工業(株)製の亜鉛華1号(平均一次粒子径:400nm)
酸化亜鉛(2):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
酸化亜鉛(3):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−1(平均一次粒子径:100nm)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜11及び比較例1〜9
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をインナーライナー形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、150℃、25kgfで35分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴムシート、試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、上記加硫ゴムシートを切り取って得られた試験片(ダンベル3号)を用いて、100%伸び時における引張応力M100(MPa)を測定した。なお、測定条件は、試験温度25℃、引張速度500mm/分とした。結果は、比較例1の結果を100として下記式で指数表示した。指数が大きいほど剛性感が良好であることを示す。
剛性指数:(各配合のM100)/(比較例1のM100)×100
(操縦安定性)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコースを8周走行し、比較例1のタイヤの操縦安定性を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。数値が大きいほど操縦安定性が良好である。
(耐ブロー性)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコースを38周走行した。走行後、タイヤを解体し、トレッド断面のブローの発生度合いを観察し、比較例1を3点とし、5点満点で評価した。数値が大きいほど耐ブロー性に優れることを示す。
Figure 0005508047
非変性NR、IR、BR、及びSBRからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛とを含む実施例は、操縦安定性と耐ブロー性を両立できた。一方、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛を配合しない比較例は、実施例に比べて耐ブロー性が劣り、操縦安定性と耐ブロー性を両立できなかった。また、対応する実施例と比較例(例えば、実施例1と比較例2)を対比すると、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛は、通常の酸化亜鉛(酸化亜鉛(1))よりも少量しか配合していないにもかかわらず、耐ブロー性を向上でき、さらに、剛性、操縦安定性の低下も見られなかった。

Claims (4)

  1. 非変性天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径が150nm以下の酸化亜鉛と、カーボンブラックとを含み、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が10〜100質量部であるインナーライナー用ゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する競技用タイヤ
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記酸化亜鉛の含有量が0.1〜20質量部である請求項記載の競技用タイヤ
  3. 前記スチレンブタジエンゴムを含む請求項1又は2記載の競技用タイヤ。
  4. 長距離走行用に用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の競技用タイヤ。
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