JP2013107959A - インナーライナー用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

インナーライナー用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Koji Fujisawa
浩二 藤澤
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Abstract

【課題】高い剛性、特に高温条件下における高い剛性が得られ、操縦安定性に優れたインナーライナー用ゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたインナーライナーを有する空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分および融点が80℃以下のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明はインナーライナー用ゴム組成物およびそれを用いたインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤ、特にチューブレスタイヤにおいては、タイヤ内圧を保持することを目的として、空気透過性の低いインナーライナー用ゴム組成物を用いたインナーライナーがタイヤ内腔面に配設されている。
インナーライナー用ゴム組成物に用いるゴム成分としては、優れた耐空気透過性を有するブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が広く用いられ、さらに合成ゴムに比べて生ゴム強度や加工性において優れるとともに、加硫ゴム組成物における機械的強度および低発熱性に優れているという理由から天然ゴムを併せて含有することが広く知られている。
また、タイヤには安全性の観点から操縦安定性が必要とされており、タイヤの操縦安定性に大きな影響を与えるインナーライナーにおいても操縦安定性の向上が求められている。しかしながら、タイヤのインナーライナー部は、自動車の走行に伴い発熱しやすいために、高温条件となることでゴム組成物の剛性が低下し、操縦安定性が低下するという問題がある。
特許文献1には、ジエン系(共)重合体の変性に用いる化合物の1種としてイソシアヌル酸誘導体を用いることが記載されているが、ゴム組成物の材料として所定の融点を有するイソシアヌル酸誘導体を含有することで高い剛性が得られ、操縦安定性に優れたインナーライナー用ゴム組成物が得られることについての開示はない。
特公平6−43520号公報
本発明者は研究を重ねた結果、所定の融点を有するイソシアヌル酸誘導体を含有するゴム組成物を、インナーライナーに用いることにより、高い剛性、特に高温条件下における高い剛性が得られ、操縦安定性に優れた空気入りタイヤが得られることを知見した。
本発明は、高い剛性、特に高温条件下における高い剛性が得られ、操縦安定性に優れたインナーライナー用ゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたインナーライナーを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分および融点が80℃以下のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物に関する。
ゴム成分が天然ゴムならびにブタジエンゴムおよび/またはブチル系ゴムを含有することが好ましい。
イソシアヌル酸誘導体の含有量がゴム成分100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。
さらに、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを5質量部以上含有することが好ましい。
また、本発明は前記のインナーライナー用ゴム組成物を用いたインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分および融点が80℃以下のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物とすることで、該ゴム組成物をインナーライナーに用いることにより、高い剛性、特に高温条件下における高い剛性が得られ、操縦安定性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分および融点が80℃以下のイソシアヌル酸誘導体を含有する。
本発明におけるゴム成分としては、一般にタイヤ用ゴム組成物として使用されるジエン系ゴム等が挙げられる。ジエン系ゴムの具体例としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチル系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、強度や低発熱性の点から、NR、BR、ブチル系ゴムを使用することが好ましい。また、合成ゴムと比較して優れた生ゴム強度を有しており、加工性にも優れ、かつ加硫ゴムとしても機械的強度が高く、低発熱性に優れるという点からはNRを含有することがより好ましく、耐空気透過性に優れるという点からはブチル系ゴムを含有することがより好ましい。さらに、加工性、機械的強度および耐空気透過性において優れるという点から、NRならびにBRおよび/またはブチル系ゴムを含有することが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等のタイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
ゴム成分としてNRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましい。NRの含有量が10質量%未満の場合、ゴム強度が不足し破壊に至る可能性がある。また、NRの含有量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。NRの含有量が90質量%を超える場合は、耐空気透過性が低下する可能性がある。
BRとしても特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等のシス1,4結合含有率が90質量%以上の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエンゴム結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、機械的強度に優れるという点から高シス含有量のBRを含有することが好ましく、シス1,4結合含有率が95質量%以上の高シス含有量のBRとすることがより好ましい。
ゴム成分としてBRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましい。BRの含有量が10質量%未満の場合、低発熱性が不充分となる可能性がある。また、BRの含有量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。BRの含有量が50質量%を超える場合は、耐空気透過性が低下する可能性がある。
また、ブチル系ゴムとしては、例えば、ブチルゴム(IIR);臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、フッ素化ブチルゴム(F−IIR)などのハロゲン化ブチルゴム等が使用でき、なかでも、加硫速度が向上するという点から、Br−IIRまたはCl−IIRとすることが好ましい。
ゴム成分としてブチル系ゴムを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることがさらに好ましい。ブチル系ゴムの含有量が50質量%未満の場合、耐空気透過性が充分に発揮できないおそれがある。また、ブチル系ゴムの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。ブチル系ゴムの含有量が90質量%を超える場合は、NRとの組み合わせにおいて、機械強度が不充分となるおそれがある。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、イソシアヌル酸誘導体を含有することにより、ゴム成分であるポリマーにイソシアヌル酸誘導体のアクリル基部が結合し、その機械的強度を低下させることなく、タイヤの剛性、特に高温条件下における合成を高めることができ、また加工性を改善することができる。特に、高温条件下においても高い剛性が得られるため、自動車の走行による繰り返し歪みによる発熱が生じた場合であっても、それによるゴム硬度の低下や樹脂架橋の破壊を抑制することができる。したがって、発熱等による高温条件下においても優れた操縦安定性を有する空気入りタイヤを得ることができる。
本発明におけるイソシアヌル酸誘導体の融点は80℃以下であり、75℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。イソシアヌル酸誘導体の融点が80℃を超える場合は、ゴム成分中に充分に分散しない傾向がある。また、イソシアヌル酸誘導体の融点は30以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の融点が30℃未満の場合は、操縦安定性が悪化する傾向がある。
本発明におけるイソシアヌル酸誘導体とは、イソシアヌル酸を構成するトリアジン環の窒素原子に結合する水素原子の少なくとも1つを反応性置換基に置換することで得られる化合物であり、下記一般式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体であることが好ましい。
Figure 2013107959
ここで、一般式(1)中のR1、R2およびR3は、その少なくとも1つが、グリシジル基、アリル基、下記の一般式(2)の置換基、メチル基、アミノ基またはカルボニル基である。
Figure 2013107959
また、本発明におけるイソシアヌル酸誘導体は、一般式(1)で表される化合物のなかでも、R1、R2およびR3が、それぞれ独立に、グリシジル基、アリル基または一般式(2)の置換基である化合物であることがより好ましく、ポリマーへの反応性が高いという点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸またはR1、R2およびR3の全てが一般式(2)の置換基であるイソシアヌル酸誘導体であることがさらに好ましい。
イソシアヌル酸誘導体のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上であることが好ましく、1.5質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の含有量が1質量部未満の場合は、充分な引張強度が得られない傾向がある。また、イソシアヌル酸誘導体の含有量は、10質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であることがより好ましく、7質量部以下であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の含有量が10質量部を超える場合は、硬度が著しく上昇する傾向がある。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム組成物の補強性を改善し、剛性、特に高温条件下での剛性をさらに向上させることができるという点から、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的に用いられるSAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPFなどが挙げられる。本発明のインナーライナー用ゴム組成物においては、これらのカーボンブラックを単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、20m2/g以上であることが好ましく、30m2/g以上であることがより好ましい。カーボンブラックのN2SAが20m2/g未満の場合は、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、80m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以下であることがより好ましい。カーボンブラックのN2SAが80m2/gを超える場合は、発熱が増大し、低燃費性能が低下する傾向がある。なお、本発明におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法によって求められる値である。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、充分な補強性が得られる点から、70ml/100g以上であることが好ましく、90ml/100g以上であることがより好ましい。また、カーボンブラックのDBPは、破断時伸びなどの耐疲労特性に優れる点から、150ml/100g以下であることが好ましく、130ml/100g以下であることがより好ましい。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる値である。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがより好ましい。カーボンブラックの含有量が5質量部未満の場合は、耐久性に劣る傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックの含有量が100質量部を超える場合は、発熱が大きくなりすぎるため、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、シリカを配合してもよい。シリカは、補強用充填剤として機能するものであり、耐空気透過性や耐屈曲亀裂成長性をさらに向上させることができる。また、シリカとしては、湿式法により調製されたものであってもよく、乾式法により調製されたものであってもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、150m2/g以上であることが好ましく、170m2/g以上であることがより好ましい。150m2/g未満の場合は、破断強度が低下する傾向がある。また、シリカのN2SAは、250m2/g以下であることが好ましく、200m2/g以下であることがより好ましい。250m2/gを超える場合は、発熱性が悪化する傾向がある。なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。シリカの含有量が20質量部未満の場合は、シリカの配合による充分な効果が得られず、破断強度が低下する傾向がある。また、シリカの含有量は、50質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であることがより好ましい。シリカの含有量が50質量部を超える場合は、耐屈曲亀裂成長性が低下する傾向がある。
また、カーボンブラックおよびシリカのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、30質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。また、合計含有量は、80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。カーボンブラックおよびシリカの合計含有量を上記の範囲とすることで、優れた補強効果が得られるとともに、本発明の効果が良好に得ることができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物がシリカを含有する場合、さらにシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、加工性が良好である点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを含有することが好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が5質量部未満の場合は、分散性の改善等の効果が十分に得られない傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が20質量部を超える場合は、充分なカップリング効果が得られず、補強性が低下する傾向がある。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物には、前記の成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、熱可塑性ポリウレタン、他の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、オイル、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜配合することができる。
熱可塑性ポリウレタンを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、7質量部以上であることがさらに好ましい。熱可塑性ポリウレタンの含有量が3質量部未満の場合は、充分な剛性感が得られないおそれがある。また、熱可塑性ポリウレタンの含有量は、60質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。熱可塑性ポリウレタンの含有量が60質量部を超える場合は、ゴム強度が低下するおそれがある。
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。なかでも、加硫特性に優れ、加硫後のゴムの物性において、機械的強度の向上効果が大きいという理由から、TBBS、CBS、DZなどのスルフェンアミド系加硫促進剤やMBT、MBTSなどのチアゾール系加硫促進剤が好ましい。また、NRおよびBRを併用する場合はTBBS、NRおよびブチル系ゴムを併用する場合はMBTSが特に好ましい。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、および必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のインナーライナー用ゴム組成物を製造することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、タイヤ内腔面を形成するインナーライナーに使用されるものである。インナーライナーはタイヤ内腔からの空気透過量を低減することで、タイヤ内圧を保持するために配設される部材である。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のインナーライナー用ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、本発明の高性能タイヤのインナーライナー用ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのインナーライナーの形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で、通常の方法により、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形する。該未加硫タイヤを加硫機中で加熱・加圧し、本発明の空気入りタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ等として好適に用いることができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下に実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
Cl−IIR:エクソンモービル(有)製のHT−1068
オイル:出光興産(株)製のダイナプロセスオイルAH24
イソシアヌル酸誘導体1:四国化成工業(株)製のDA−MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、融点:40〜42℃)
イソシアヌル酸誘導体2:四国化成工業(株)製のMA−DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸、融点:58〜62℃)
イソシアヌル酸誘導体3:四国化成工業(株)製のCIC酸アクリレート(一般式(1)のR1、R2およびR3が一般式(2)の置換基であるイソシアヌル酸誘導体、融点:10〜25℃)
イソシアヌル酸誘導体4:四国化成工業(株)製のMe DHIC(一般式(1)のR1がメチル基、R2およびR3がアルキルアルコールであるイソシアヌル酸誘導体、融点:98℃)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(N2SA:42m2/g、DBP:113ml/g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(N2SA:210m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
表1および2に示す配合内容のうち、各種薬品(硫黄ならびに加硫促進剤1および2を除く)を、バンバリーミキサーにて150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄ならびに加硫促進剤1または2を添加して80℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。その後、得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を作製した。
また、前記の未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機で、タイヤのインナーライナーの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃、25kgfの条件下で35分間プレス加硫することにより、試験用タイヤを製造した。
得られた加硫ゴム組成物および試験用タイヤを用いた、以下に示す方法により評価を行った。評価結果を表1および2に示す。
<引張試験>
JIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、M100(100%伸長時応力)を測定した。測定には、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を切り取った試験片(ダンベル3号形)を使用した。なお、測定温度は70℃で行った。表1では比較例1のM100を、表2では比較例2のM100を100として下記式で指数表示した。指数が大きいほど剛性が良好であることを示す。
引張強度指数=(各配合のM100)/(比較例1または2のM100)×100
<操縦安定性>
試験用カートに試験用タイヤを装着し、1周約2kmのテストコースを8周走行し、表1では比較例1の操縦安定性を、表2では比較例2の操縦安定性を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。数値が大きいほど操縦安定性が良好であることを示す
Figure 2013107959
Figure 2013107959
表1および2の実施例から、特定のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物は高温条件下(70℃)における剛性が高く、このインナーライナー用ゴム組成物を用いたインナーライナーを有するタイヤは操縦安定性に優れることがわかる。
一方、表1および2の比較例から、特定のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物では高温条件下(70℃)における剛性において劣り、このインナーライナー用ゴム組成物を用いたインナーライナーを有するタイヤは操縦安定性において劣ることがわかる。

Claims (5)

  1. ゴム成分および融点が80℃以下のイソシアヌル酸誘導体を含有するインナーライナー用ゴム組成物。
  2. ゴム成分が天然ゴムならびにブタジエンゴムおよび/またはブチル系ゴムを含有する請求項1記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  3. イソシアヌル酸誘導体の含有量がゴム成分100質量部に対して1〜10質量部である請求項1または2記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  4. さらに、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを5質量部以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物を用いたインナーライナーを有する空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017521309A (ja) * 2014-06-30 2017-08-03 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン 低含量のカーボンブラック及び他の追加の充填剤を含むブチルゴムをベースとするタイヤインナーライナー

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JP2017521309A (ja) * 2014-06-30 2017-08-03 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン 低含量のカーボンブラック及び他の追加の充填剤を含むブチルゴムをベースとするタイヤインナーライナー

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