JP5073233B2 - トレッド用ゴム組成物の製造方法および該製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物の製造方法および該製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物の製造方法および該製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤに関する。
従来、タイヤのトレッド用ゴム組成物には、優れたゴム強度(破断強度、破断時伸びなど)を示す天然ゴム(NR)に加えて、グリップ性能を改善するためにスチレンブタジエンゴム(SBR)を配合し、さらに、耐候性および補強性を改善するためにカーボンブラックが使用されてきた。
しかし、近年、環境問題が重視されるようになり、CO2排出の規制が強化され、さらに、石油資源は有限であり、供給量が年々減少していることから、将来的に石油価格の高騰が予測され、SBRやカーボンブラックなどの石油資源由来の原材料の使用には限界がみられる。そのため、将来石油が枯渇した場合を想定し、NR、シリカ、炭酸カルシウムなどのような石油外資源を主成分とするゴム組成物が検討されている。しかし、その場合、従来用いられていた石油資源由来の原材料を主成分とするゴム組成物と比較して、ゴム強度およびウェットグリップ性能をバランスよく向上させることはできないという問題があった。ここで、ゴム強度とウェットグリップ性能とは、ともにヒステリシスロスに関する特性である。一般に、ヒステリシスロスを大きくすると、グリップ力は高くなり、制動性能が向上するが、ゴム強度は低下する。このように、ゴム強度とウェットグリップ性能とは相反する関係にあるため、両特性を同時に満足させるべく、種々のタイヤ用ゴム組成物が提案されている。
たとえば、低発熱性の向上を目的としてシリカおよびシランカップリング剤を配合する手法が知られている。シランカップリング剤はシリカ表面のシラノール基と結合してシリカ同士の凝集を防ぎ、加工性を改善すると同時に、シリカとポリマーがシランカップリング剤と化学的に結合することにより、転がり抵抗を低減させ、耐摩耗性を改善させられる。しかし、これらの目的を達成するためには、シリカとシランカップリング剤とを混練りする際に、高温で充分反応させる必要があり、シランカップリング剤中のゴムと反応する官能基が混練りなどの加工中に反応を開始し、ゲル化と言われるゴム焼けの現象が起こるという問題がある。ゴム焼けが起こらないような低温度で混練りすると、シリカとシランカップリング剤との反応が充分ではないため、耐摩耗性の低下などの性能低下が起こるという問題がある。
特許文献1には、所定の石油外資源を用いたトレッド用ゴム組成物を有することで、タイヤ中の石油外資源比率を上昇させ、従来のタイヤと比較しても遜色ない特性を有するエコタイヤが開示されているが、石油資源を主成分とするゴム組成物を有するタイヤと比較して、ゴム強度、湿潤ABS制動性能、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を向上させるものではなく、いまだ改善の余地がある。
特開2003−63206号公報
本発明は、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、硬度を過度に上昇させることなく、さらに、石油資源由来の原材料を主成分とするトレッド用ゴム組成物と比較しても、ゴム強度、湿潤ABS制動性能、ウェットグリップ性能および耐摩耗性をすべて向上させることのできるトレッド用ゴム組成物の製造方法ならびに該製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、シリカを50〜80重量部、およびカーボンブラックを10重量部以下含有するトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、(1)天然ゴム、シリカおよびカーボンブラックを混練りする工程、ならびに(2)工程(1)で排出された混練り物およびエポキシ化天然ゴムを混練りする工程を含むトレッド用ゴム組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、シリカを50〜80重量部、カーボンブラックを10重量部以下、および可塑剤を含有するトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、(1)エポキシ化天然ゴムおよび可塑剤を混合してマスターバッチを作製する工程、(2)天然ゴム、シリカおよびカーボンブラックを混練りする工程、ならびに(3)工程(1)で排出されたマスターバッチおよび工程(2)で排出された混練り物を混練りする工程を含むトレッド用ゴム組成物の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤに関する。
本発明の製造方法によれば、所定のゴム成分、シリカおよびカーボンブラックを所定の混練り工程を含むことで、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもでき、硬度を過度に上昇させることなく、さらに、石油資源由来の原材料を主成分とするトレッド用ゴム組成物と比較しても、ゴム強度、湿潤ABS制動性能、ウェットグリップ性能および耐摩耗性をすべて向上させることのできるトレッド用ゴム組成物ならびにそれを用いたトレッドを有するタイヤを提供することができる。
ゴム成分は、天然ゴム(NR)および/またはエポキシ化天然ゴム(ENR)を含む。
NRは、TSR20、RSS♯3などのゴム工業において一般的に使用されているものでよい。
ゴム成分中のNRの含有率は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。NRの含有率が20重量%未満では、石油資源由来の原材料を増量させることにつながり、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできず、さらに、転がり抵抗が増大してしまう傾向がある。また、NRの含有率は90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましい。NRの含有率が90重量%をこえると、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。
ENRとしては、市販のENRを用いてもよいし、NRをエポキシ化して用いてもよい。NRをエポキシ化する方法としては、とくに限定されるものではないが、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行うことができる。過酸法としてはたとえば、NRに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸を反応させる方法などがあげられる。
ENRのエポキシ化率は12モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。ENRのエポキシ化率が12モル%未満では、ENRがNRと相溶することによる効果が得られない傾向がある。また、ENRのエポキシ化率は50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましい。ENRのエポキシ化率が50モル%をこえると、ゴム強度が充分ではない傾向がある。
ゴム成分中のENRの含有率は10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。ENRの含有率が10重量%未満では、石油資源由来の原材料を増量させることにつながり、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできず、さらに、転がり抵抗が増大してしまう傾向がある。また、ENRの含有率は80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。ENRの含有率が80重量%をこえると、充分なゴム強度が得られない傾向がある。
前記ゴム成分としては、NRおよびENR以外にも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、イソモノオレフィンとp−アルキルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などのゴムを含むこともできるが、これらのゴムは石油資源から得られ、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできないという理由から、NRおよびENR以外のゴムを含まないことが好ましい。
シリカとしては、乾式法または湿式法により製造されたシリカがあげられるが、シリカの製造方法にはとくに制限はない。
シリカのBET比表面積(BET)は150m2/g以上が好ましく、180m2/g以上がより好ましい。シリカのBETが150m2/g未満では、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。また、シリカのBETは300m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましい。シリカのBETが300m2/gをこえると、加工性が悪化する傾向がある。
シリカの含有量は、ゴム成分100重量部に対して50重量部以上、好ましくは60重量部以上である。シリカの含有量が50重量部未満では、石油資源由来の原材料を増量させることにつながり、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできず、さらに、補強性が低下する。また、シリカの含有量は80重量部以下、好ましくは78重量部以下である。シリカの含有量が80重量部をこえると、加工性が悪化する。
本発明では、シリカとともにシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては特に制限はなく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系など、ゴム工業において一般的に用いられているものを用いることができる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100重量部に対して1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が1重量部未満では、シランカップリング剤を配合することによる効果が見られないだけでなく、耐摩耗性も低下する傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が20重量部をこえると、コストが増大する割には、シランカップリング剤を増量することによる効果が得られない傾向がある。
カーボンブラックとしてはたとえば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどのゴム工業において通常使用されるカーボンブラックを使用することができる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100重量部に対して1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が1重量部未満では、トレッド部の補強効果が低下するだけでなく、得られたタイヤが黒くなくなるため、耐候性も悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。カーボンブラックの含有量が10重量部をこえると、石油資源由来の原材料を増量させることにつながり、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量の減少に備えることもできない。
本発明のトレッド用ゴム組成物には、さらに、可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、アマニ油、大豆油、ひまし油、綿実油、ナタネ油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブオイル、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などの植物油脂、オレイルアルコール、魚油などの動物油脂、テルペン系樹脂などの植物油脂および動物油脂以外の石油外資源由来の可塑剤、アロマオイルなどの芳香族系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどの石油系オイル、石油系樹脂などがあげられる。なかでも、石油外資源から得られ、環境に配慮することができることから、石油外資源由来の可塑剤を含むことが好ましく、供給量が多く、低コストで得られるという理由から、植物油脂および/または動物油脂を含むことが好ましく、アマニ油および/またはオレイルアルコールを含むことがより好ましい。
可塑剤のヨウ素価は175以上が好ましい。可塑剤のヨウ素価が175未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。
可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、ゴム成分100重量部に対して1重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。可塑剤の含有量が1重量部未満では、加工性が悪化する傾向がある。また、可塑剤の含有量は30重量部以下が好ましく、25重量部以下がより好ましい。可塑剤の含有量が30重量部をこえると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明のトレッド用ゴム組成物には、前記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラックおよび可塑剤以外にも、従来ゴム工業で配合される配合剤、たとえば、ワックス、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明の第一の態様におけるトレッド用ゴム組成物の製造方法(製造方法1)は、下記工程1および2を含む製造方法により得られることが好ましい。
工程1では、NR、シリカおよびカーボンブラックを混練りする。
工程2では、工程1で排出された混練り物およびENRを混練りする。
工程1においては、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などの配合剤も配合することができる。
また、ENRを工程1ではなく、工程2で混練りすることで、破壊特性が向上するという効果が得られる。
また、本発明の第二の態様におけるトレッド用ゴム組成物の製造方法(製造方法2)は、下記工程3、4および5を含む製造方法により得られることが好ましい。
工程3では、ENRおよび可塑剤を混合してマスターバッチを作製する。
工程4では、NR、シリカおよびカーボンブラックを混練りする。
工程5では、工程3で排出されたマスターバッチおよび工程4で排出された混練り物を混練りする。
工程3において、マスターバッチを作製する際の可塑剤の含有量は、ENR100重量部に対して1重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。可塑剤の含有量が1重量部未満では、生地不良により、加工性が悪化する傾向がある。また、可塑剤の含有量は50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。可塑剤の含有量が50重量部をこえると、粘度が低下し、加工性が悪化する傾向がある。
また、工程4においては、シランカップリング剤、ワックス、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などの配合剤も配合することができる。
工程3でマスターバッチを作製し、工程5で混練りすることで、破壊特性が向上するだけでなく、耐摩耗性も向上するという効果が得られる。
本発明のトレッド用ゴム組成物を用いて、前記製造方法1または2により、本発明のタイヤを製造することができる。すなわち、必要に応じて前記配合剤を前記製造方法により配合した本発明のトレッド用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより本発明のタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
次に、実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
スチレンブタジエンゴム(SBR):住友化学(株)製のHS−1(乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、結合スチレン量:35重量%)
エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25(エポキシ化率:25モル%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:115m2/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(BET:210m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
アマニ油:日本製粉(株)製のアマニ油(ヨウ素価:175〜195)
オレイルアルコール:(株)共和テクノス製のオレイル♯700(ヨウ素価:73〜78)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス(パラフィンワックス)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
マスターバッチ1:下記作製方法により作製(ENR100重量部に対してアマニ油20重量部含有)
マスターバッチ2:下記作製方法により作製(ENR100重量部に対してオレイルアルコール20重量部含有)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(マスターバッチ1の作製)
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、ENR40重量部およびアマニ油8重量部を140℃で2分間混合し、マスターバッチ1を作製した。
(マスターバッチ2の作製)
アマニ油の代わりにオレイルアルコールを用いること以外はマスターバッチ1と同様に、マスターバッチ2を作製した。
実施例1〜3および比較例1〜7
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表1の工程1に示す薬品を充填率58%になるように投入し、50rpmで150℃に到達するまで混練りし、混練り物1を得た(工程1)。次に、一度排出した後、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、工程1で得られた混練り物1および表1の工程2に示す薬品を充填率が58%になるように投入し、50rpmで150℃に到達するまで混練りし、混練り物2を得た(工程2)。その後、オープンロールを用いて、工程2で得られた混練り物2および表1の工程3に示す薬品を70℃で2分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(工程3)。さらに、工程3で得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することにより、実施例1〜3および比較例1〜7の加硫ゴム組成物を作製した。なお、比較例1〜6では、工程2を行わず、工程1で得られた混練り物1を用いて、工程3を行った。
(硬度測定)
加硫ゴム組成物から所定のサイズの加硫ゴム試験片を作製し、JIS K 6253「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準じて、スプリング式タイプAにて硬度を測定した。
(引張試験)
加硫ゴム組成物から所定のサイズの加硫ゴム試験片を作製し、JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を実施し、加硫ゴム試験片の破断強度(TB)および破断時伸び(EB)をそれぞれ測定し、各配合のTBとEBとの積(TB×EB)を算出した。TB×EBが大きいほどゴム強度に優れ、欠けにくいことを示す。
(湿潤ABS制動試験)
前記未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材と貼りあわせて150℃で30分間プレス加硫することにより、タイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を製造し、湿潤ABS制動試験および耐摩耗性試験に使用した。
製造したタイヤを排気量1800ccのABSが装着された国産FF車(乗用車)に装着し、スキッドナンバーが約50の湿潤アスファルト路面を時速100km/hで走行中にロックブレーキを踏み、車が停止するまでに距離(停止距離)を測定し、ロックブレーキ中の減速度を算出した。さらに、比較例1の湿潤ABS制動性能指数を100とし、下記計算式により、各配合の減速度を指数表示した。なお、湿潤ABS制動性能指数が大きいほど、湿潤ABS制動性能に優れ、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(湿潤ABS制動性能指数)=(各配合の減速度)/(比較例1の減速度)×100
(摩耗試験)
製造したタイヤを排気量1800ccの国産FF車(乗用車)に装着し、市街地を8000km走行後の溝深さの減少量を測定し、溝深さが1mm減少するときの走行距離を算出した。さらに、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、下記計算式により、各配合の溝深さの減少量を指数表示した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合の溝深さの減少量)
÷(比較例1の溝深さの減少量)×100
上記試験結果を表1に示す。
Figure 0005073233

Claims (4)

  1. 天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、
    シリカを50〜80重量部、および
    カーボンブラックを10重量部以下含有するトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
    (1)天然ゴム、シリカカーボンブラック、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸および酸化亜鉛を混練りする工程、ならびに
    (2)工程(1)で排出された混練り物およびエポキシ化天然ゴムを混練りする工程
    を含むトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  2. 天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムを含むゴム成分100重量部に対して、
    シリカを50〜80重量部、
    カーボンブラックを10重量部以下、および
    可塑剤を含有するトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
    (1)エポキシ化天然ゴムおよび可塑剤を混合してマスターバッチを作製する工程、
    (2)天然ゴム、シリカカーボンブラック、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸および酸化亜鉛を混練りする工程、ならびに
    (3)工程(1)で排出されたマスターバッチおよび工程(2)で排出された混練り物を混練りする工程を含むトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  3. 可塑剤のヨウ素価が175以上である請求項2記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られたトレッド用ゴム組成物を用いたトレッドを有するタイヤ。
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