JP2009286809A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で熱伝導率が良く、難燃性に優れ、長期間の高温放置後の質量減少率を低減した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】水酸化アルミニウムと二酸化珪素とからなる熱伝導性フィラーと、シリコーン系樹脂を含有してなる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量が樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30〜50質量%である樹脂組成物。水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5〜70μm、二酸化珪素が結晶質の二酸化珪素である樹脂組成物。樹脂組成物を用いた、厚さが0.3〜5.0mmであるシート。
【選択図】 なし
【解決手段】水酸化アルミニウムと二酸化珪素とからなる熱伝導性フィラーと、シリコーン系樹脂を含有してなる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量が樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30〜50質量%である樹脂組成物。水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5〜70μm、二酸化珪素が結晶質の二酸化珪素である樹脂組成物。樹脂組成物を用いた、厚さが0.3〜5.0mmであるシート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱伝導部材として用いられる樹脂組成物に関する。
電子回路の高集積化および回路を伝送する電気信号の高周波数化に伴い回路の制御用のCPUおよび半導体メモリーの発熱量が増大し放熱用部材としての放熱スペーサーの需要は高まっている。電子回路に用いられる放熱シートには熱伝導性や難燃性が求められ、シリコーンゴム等の難燃性樹脂に熱伝導性フィラーを充填したものが開示されている(例えば、特許文献1)。
一方、家電製品等の製造コスト低減のため、その構成部材については安価で且つ性能の面で要求水準を満たすものが求められており、本件記載の樹脂組成物も例外ではない。
付加重合型液状シリコーンゴムにフィラーを充填したスラリーを加熱硬化させ作製する放熱スペーサーの製造方法が開示されている(例えば特許文献2)。本出願人らはフィラーの充填性を改良し放熱シートの熱伝導度を向上させることを目的とし、シリコーンゲルと球状フィラーの使用を推奨した放熱スペーサーを得る手法を提案している(特許文献3)。しかしながら球状フィラーは製造工程が煩雑であることから高価であり放熱スペーサーの原価高騰の主因となる。
この問題の解決策として、球形度の低いフィラーを用いることが提案されている(特許文献4)。該提案は、100μm厚み程度の薄物のシートを志向したものであり最大粒子径を制限することを推奨している。また、安価フィラーとして市場に多く流通しているもので水酸化アルミニウムを熱伝導性フィラーとして用いることが提案されている(特許文献5、特許文献6)。該提案では、水酸化アルミニウムを使用することで、得られたシートの難燃性を向上させ、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の高熱伝導性無機フィラーを第2成分として用いることで放熱特性も維持している。
水酸化アルミニウムは、200〜300℃で急激に脱水分解し、大きな吸熱反応を起こすという特性を持ち、これにより燃焼物体を冷却して難燃性を発現する。また、この脱水分解時に放出されるガスは水蒸気であり、この水蒸気が放出されることにより脱水分解後の水酸化アルミニウムの質量は反応開始前と比較して減少する。前述したとおり、水酸化アルミニウムの脱水分解反応は200〜300℃で急激に起こるが、それ以下の温度(例えば、150℃近辺)においても水酸化アルミニウムの脱水分解反応は徐々に開始される。この状態が長期間続くと、水酸化アルミニウムの脱水分解反応はさらに進行し、水蒸気が放出され続けるために水酸化アルミニウムの質量減少も進行する。また脱水分解反応に伴う質量減少率は、水酸化アルミニウムの粒子径が大きい程顕著であり大きい。
一方、熱伝導性成形体の使用対象の一つである半導体素子からの発熱温度は100〜120℃と想定され、その発熱量は年々増加傾向にある。これらに使用される放熱スペーサーには想定温度以上の条件下での長期信頼性が要求されている。具体的には150℃の雰囲気下において長時間放置した後の放熱特性や難燃性、柔軟性等の特性が要求され、放熱スペーサー自体の質量減少率も同様である。
特許第2704732号公報
特開昭57−137356号公報
特開2000−95896号公報
特開2005−306718号公報
特開2002−138205号公報
特開平5−140456号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、市場に安価に流通している水酸化アルミニウムの粉末を熱伝導性フィラーとして用い、二酸化珪素と併用することにより、難燃性に優れ、かつ長期間の高温放置後の質量減少率を低減した放熱スペーサーを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)水酸化アルミニウムと二酸化珪素とからなる熱伝導性フィラーと、シリコーン系樹脂を含有してなる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量が樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30〜50質量%である樹脂組成物。
(2)水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5〜70μmである前記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)二酸化珪素が結晶質の二酸化珪素である前記(1)または前記(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた、厚さが0.3〜5.0mmであるシート。
(5)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルムの片側又は両側に有するシート。
(6)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルム上に塗布後、加熱硬化させたシート。
(7)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた熱伝導部材。
(8)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた放熱スペーサー。
(9)前記(4)のシート、前記(5)のシート、前記(6)のシート、前記(7)の熱伝導部材、又は前記(8)の放熱スペーサーを用いた電子回路部品および電子回路部品を組み込んだ家庭用電気製品、OA機器、または自動車。
(1)水酸化アルミニウムと二酸化珪素とからなる熱伝導性フィラーと、シリコーン系樹脂を含有してなる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量が樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30〜50質量%である樹脂組成物。
(2)水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5〜70μmである前記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)二酸化珪素が結晶質の二酸化珪素である前記(1)または前記(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた、厚さが0.3〜5.0mmであるシート。
(5)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルムの片側又は両側に有するシート。
(6)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルム上に塗布後、加熱硬化させたシート。
(7)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた熱伝導部材。
(8)前記(1)乃至前記(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた放熱スペーサー。
(9)前記(4)のシート、前記(5)のシート、前記(6)のシート、前記(7)の熱伝導部材、又は前記(8)の放熱スペーサーを用いた電子回路部品および電子回路部品を組み込んだ家庭用電気製品、OA機器、または自動車。
本発明の樹脂組成物は、原料単価が安く、簡便な手法にて製造が可能であり、かつ難燃性に優れ、長期間の高温放置後の質量減少率が少ない。
本発明における樹脂組成物は、熱伝導性フィラーとシリコーン系樹脂からなるものである。
本発明で使用する熱伝導性フィラーの一つは、絶縁性があり比較的熱伝導性も良く、安価フィラーとして市場に多く流通している二酸化珪素である。二酸化珪素の粒度は粒度分布における頻度極大値が、好ましくは5〜50μmの範囲である。二酸化珪素は、熱伝導性フィラー含有量の向上、スラリー粘度の適正化、成形性の適正化、成形後の熱伝導率・硬度・粘着性等の諸特性の調整を目的としている。また、二酸化珪素の密度は2.2(g/cm3)であり、酸化アルミニウム(密度;3.9g/cm3)や酸化亜鉛(密度;5.6g/cm3)と比較して成形後に得られた放熱スペーサーの質量を軽減することが出来る。さらには、二酸化珪素には結晶質の二酸化珪素と非晶質の二酸化珪素があるが、フィラー自体が有する熱伝導率や経済性等の点から結晶質の二酸化珪素が好ましい。
本発明で使用する熱伝導性フィラーの水酸化アルミニウムは、粒度分布における頻度極大値が5〜70μmの範囲にあるものが好ましく、粒度分布における頻度極大値が30〜50μmの範囲にあるものが、さらに好ましい。また、前記範囲内に粒度分布における頻度極大値を有する水酸化アルミニウムであれば1種又は複数種を適宜な比率で混合して使用しても良い。なお、本件において使用する水酸化アルミニウムの粒度分布及び頻度極大値については、島津製作所製、レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2200」を用いて測定した。
水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5μm未満であるとシリコーン系樹脂に混合する際にスラリー粘度の大幅な上昇を引き起こす恐れがある。粘度が上昇したスラリーを用いて、樹脂フィルムに塗工する場合は、スラリーが流動しにくくなるために気泡の巻込みを避けることができない。一方、70μmを超えると、スラリー中の水酸化アルミニウムの流動性が悪くなり、得られる放熱スペーサーの表面が鮫肌状となり、表面の平滑性を損なってしまう恐れがある。また、脱水分解反応に伴う質量減少率は、水酸化アルミニウムの粒子径が大きい程顕著であり大きいため、長期間の高温放置後の質量減少率を低減することができない。
本発明における熱伝導性フィラーの含有量は樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、更に好ましくは50〜55体積%である。含有量が45体積%未満であると、得られた放熱スペーサーの熱伝導率および難燃性の向上が小さくなる傾向にあり、60体積%を超えると成形加工性が悪くなる傾向にある。
本発明における水酸化アルミニウムの含有量は樹脂組成物全体の30〜50質量%であり、さらに好ましくは35〜45質量%である。含有量が、30質量%未満であると、得られた放熱スペーサーの難燃性の向上が小さくなる傾向にあり、50質量%を超えると長期間の高温放置後の質量減少率を低減することが難しい。
本発明の熱伝導性フィラーは、シランカップリング剤等の表面処理を行うことによって、粉末の給水率を低減させ、樹脂組成物の高強度化、更には樹脂と粉末との間の界面抵抗を低下させ、熱伝導率を一段と向上させることも可能である。
本発明におけるシリコーン系樹脂は、付加反応型シリコーンゲルまたは縮合反応型シリコーンゲルの少なくとも一方であることが好ましい。さらには、シリコーンゲルが液状となっている付加反応型液状シリコーンゲルまたは縮合反応型液状シリコーンゲルの少なくとも一方であることが好ましい。また、必要に応じてシリコーンゲル成分の一部をシリコーンゴムに置き換えても差し支えない。シリコーンゴムは付加反応型シリコーンゴムまたは過酸化物加硫タイプのシリコーンゴムの少なくとも一方であることが好ましい。これらのシリコーンゲルまたはシリコーンゴムのいずれにおいても、平均組成式が、R1nSiO(4−n)/2(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価単価水素基であり、nは1.98〜2.02の正数である。)で示されるオルガノポリシロキサンをベースポリマーとしたものが好ましい。
付加反応型液状シリコーンの具体例としては、例えば一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する1液性のシリコーン、又は末端あるいは側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンの2液性のシリコーンなどをあげることができる。このような付加反応型液状シリコーンの市販品としては、液状シリコーンゴムのものとしては、例えばGE東芝シリコーン社製、商品名「YE5822」など、また液状シリコーンゲルのものとしては、例えばGE東芝シリコーン社製、商品名「XE14−B8530」、「TSE−3062」などがある。
シリコーン系樹脂の難燃性を向上させる手段として、白金又は白金化合物を添加する方法がある。通常、白金又は白金化合物は、シリコーンの付加反応の触媒として用いられる為、市販の付加反応型液状シリコーンには、1%未満の白金化合物が既に添加されていることが多い。使用される白金化合物は、例えば、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸アルコール変性物、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルデヒドとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサン又はアセチレンアルコールとの錯体、塩化白金酸とイソプロピルアルコールとの錯体等が挙げられる。ただし、その添加量は極僅かであり、多量に添加してもコストがかかるだけで難燃性はあまり向上しない。本発明では、難燃剤としての機能を有する水酸化アルミニウムの粉末を熱伝導性フィラーとして使用するため、系全体の難燃性を向上させるために白金又は白金化合物を追加添加しなくてもよい。
熱伝導性フィラーとシリコーン系樹脂の混合方法は、特に限定されるものではない。少量の場合は手混合も可能であるが、プラネタリーミキサー、自公転式ミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機を用いてもよい。
樹脂組成物の熱伝導率は0.8W/m・K以上であれば、熱伝導部材として機能を満たすことができる。本発明の樹脂組成物の熱伝導率は、通常、0.8〜2.0W/m・Kである。
本発明の樹脂組成物は、熱伝導部材、放熱スペーサー等として使用することができる。熱伝導部材、及び放熱スペーサーとしての形状は、シート等の薄型成形体が一般的である。シート等の薄型成形体の製造方法としては、従来公知の方法、例えば、ドクターブレード法、コンマコーター法、リップコーター法による塗工等が上げられる。その中でも、スラリーを樹脂フィルム上に塗布し、塗膜を成した後に加熱硬化させてシートを成形する製造方法が好ましい。樹脂組成物のスラリー粘度に対して、厚さがコントロールしやすく、簡便な手法で製造が可能であるドクターブレード法、コンマコーター法による塗工が好ましい。
シートの厚さは、0.3〜5.0mmが好ましい。厚さが0.3mm以下では、シート表面の平滑性に対する充填フィラーの形状の影響が大きい為、シート表面の平滑性を保持できない恐れがある。また、厚さが5.0mm以上では、スラリーを樹脂フィルム上に塗布した際に、スラリーが樹脂フィルム上で流れてしまうため、厚さのコントロールが難しくなる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
表1及び表2に、実施例と比較例に用いた、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、及びシリコーン系樹脂の配合比率を示した。
使用した各材料を下記に示す。
1)二酸化珪素粉末(啓和炉材社製)
シリカB微粉(結晶質、粒度分布における頻度極大値:8μm、密度:2.2(g/cm3))
2)水酸化アルミニウム粉末(日本軽金属社製)
B−303(粒度分布における頻度極大値:30μm、密度:2.4(g/cm3))
B−103(粒度分布における頻度極大値: 6μm、密度:2.4(g/cm3))
B−53 (粒度分布における頻度極大値:60μm、密度:2.4(g/cm3))
B−703(粒度分布における頻度極大値: 2μm、密度:2.4(g/cm3))
B−73 (粒度分布における頻度極大値:80μm、密度:2.4(g/cm3))
3)シリコーン系樹脂
シリコーンゲル(GE東芝シリコーン社製)
XE14−B8530(2液混合型、密度:0.98(g/cm3))
また、必要に応じて硬化剤(東レ・ダウコーンング社製、RD−1)及び/又は遅延剤(関東化学社製、マレイン酸ジメチル)を少量添加して硬化時間を調節した。各材料を表1及び表2に記載した配合で、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製、HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
表1及び表2に、実施例と比較例に用いた、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、及びシリコーン系樹脂の配合比率を示した。
使用した各材料を下記に示す。
1)二酸化珪素粉末(啓和炉材社製)
シリカB微粉(結晶質、粒度分布における頻度極大値:8μm、密度:2.2(g/cm3))
2)水酸化アルミニウム粉末(日本軽金属社製)
B−303(粒度分布における頻度極大値:30μm、密度:2.4(g/cm3))
B−103(粒度分布における頻度極大値: 6μm、密度:2.4(g/cm3))
B−53 (粒度分布における頻度極大値:60μm、密度:2.4(g/cm3))
B−703(粒度分布における頻度極大値: 2μm、密度:2.4(g/cm3))
B−73 (粒度分布における頻度極大値:80μm、密度:2.4(g/cm3))
3)シリコーン系樹脂
シリコーンゲル(GE東芝シリコーン社製)
XE14−B8530(2液混合型、密度:0.98(g/cm3))
また、必要に応じて硬化剤(東レ・ダウコーンング社製、RD−1)及び/又は遅延剤(関東化学社製、マレイン酸ジメチル)を少量添加して硬化時間を調節した。各材料を表1及び表2に記載した配合で、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製、HM−500)を用いて混合し、スラリーを作製した。
作製したスラリーを真空乾燥機に入れ1時間減圧し、スラリー中に溶け込んでいるエアーを脱気した。
上記の方法で脱気した実施例および比較例の各スラリーをドクターブレード法にて、厚さ100μmのPET基材上に所定の厚さ塗布した。塗布後、塗膜が形成された後、120℃にて2時間加熱硬化させ、厚さ1.0mmのシート状成形体を得た。また、後述する難燃性評価用として、厚さ0.3mmのシート状成形体を得た。得られたシートの各評価結果を表1及び表2に記載した。
シート成形性:表1及び表2に記載の配合比率にて混合したスラリーを用いたシートの成形性について下記の基準にて三段階に評価した。
○:スラリー粘度が適度であり、シートの成形性に問題無し。
△:スラリー粘度がやや高く、シートの成形性にやや問題あり。
×:スラリー粘度が高く、シートの成形性に問題がある。
○:スラリー粘度が適度であり、シートの成形性に問題無し。
△:スラリー粘度がやや高く、シートの成形性にやや問題あり。
×:スラリー粘度が高く、シートの成形性に問題がある。
熱伝導率測定:得られたシートをTO−3型銅製ヒーターケースと銅板との間に挟み、シートの厚さを90%に圧縮した後、銅製ヒーターケースに電力5Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差を測定し、次式により熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/m・K)={電力(W)×厚み(m)}/{温度差(K)×測定面積(m2)}
熱伝導率(W/m・K)={電力(W)×厚み(m)}/{温度差(K)×測定面積(m2)}
得られたシートーの表面状態を下記の基準にて三段階に評価した。
○:シートの表面が平滑であり荒れ等無し。
△:シートに局所的な荒れがあるが実用上問題ないもの。
×:シートの表面の荒れが酷く使用上の問題があるもの。
○:シートの表面が平滑であり荒れ等無し。
△:シートに局所的な荒れがあるが実用上問題ないもの。
×:シートの表面の荒れが酷く使用上の問題があるもの。
難燃性評価:難燃性規格UL94Vの燃焼試験方法により、得られたシートーの難燃性を評価した。
質量減少率:得られたシートの質量(A)を測定した後、150℃に保持されたオーブンに1000時間放置した。所定時間経過後に取り出し、再度質量(B)を測定した。質量減少率(%)={質量(A)−質量(B)}/質量(A)×100、にて質量減少率を算出した。質量減少率は1.5%以下であることが望ましい。
表1に記載のように実施例1〜6は、シート状の成形が可能であり、シート表面は良好で、製品として良好である。また、熱伝導率は0.8W/m・K以上、難燃性も難燃性規格UL94V−0レベルであり、且つ150℃の雰囲気下において1000時間放置した後の質量減少率が1.5%以下である。
比較例1は、熱伝導性フィラー(二酸化珪素と水酸化アルミニウムの合計)の含有量が樹脂組成物全体の40体積%であり、且つ水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の50質量%である。スラリー粘度は低くシートの成形性は良いが、得られたシートの熱伝導率は0.8W/m・K以下である。
比較例2は、熱伝導性フィラーの含有量(二酸化珪素と水酸化アルミニウムの合計)が樹脂組成物全体の40体積%であり、且つ水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30質量%である。スラリー粘度は低くシートの成形性は良いが、得られたシートの熱伝導率は0.8W/m・K以下であり、難燃性も難燃性規格UL94V−1レベルである。
比較例3は、熱伝導性フィラーの含有量(二酸化珪素と水酸化アルミニウムの合計)が樹脂組成物全体の65体積%であり、且つ水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の50質量%である。熱伝導率や難燃性は良いが、スラリー粘度が高く、シート成形性に問題がある。また得られたシートは、表面の荒れが酷く使用上の問題がある。
比較例4は、熱伝導性フィラーの含有量(二酸化珪素と水酸化アルミニウムの合計)が樹脂組成物全体の65体積%であり、且つ水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30質量%である。熱伝導率や難燃性は良いが、スラリー粘度が高く、シート成形性に問題がある。また得られたシートは、表面の荒れが酷く使用上の問題がある。
水酸化アルミニウムと二酸化珪素の熱伝導性フィラーを併用し、熱伝導性フィラーとシリコーン系樹脂の配合量を最適化することにより、熱伝導率が0.8W/m・K以上、難燃性が難燃性規格UL94V−0レベルである樹脂組成物が得られた。
Claims (9)
- 水酸化アルミニウムと二酸化珪素とからなる熱伝導性フィラーと、シリコーン系樹脂を含有してなる樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量が樹脂組成物全体の45〜60体積%であり、水酸化アルミニウムの含有量が樹脂組成物全体の30〜50質量%である樹脂組成物。
- 水酸化アルミニウムの粒度分布における頻度極大値が5〜70μmである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 二酸化珪素が結晶質の二酸化珪素である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた、厚さが0.3〜5.0mmであるシート。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルムの片側又は両側に有するシート。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を樹脂フィルム上に塗布後、加熱硬化させたシート。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた熱伝導部材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた放熱スペーサー。
- 請求項4のシート、請求項5のシート、請求項6のシート、請求項7の熱伝導部材、又は請求項8の放熱スペーサーを用いた電子回路部品および電子回路部品を組み込んだ家庭用電気製品、OA機器、または自動車。
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KR20170131355A (ko) | 2016-03-15 | 2017-11-29 | 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 | 필름 형상 접착제용 조성물, 필름 형상 접착제, 필름 형상 접착제의 제조 방법, 필름 형상 접착제를 이용한 반도체 패키지 및 그 제조 방법 |
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