JP2009286748A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)サクシノグリカン 0.05〜2質量%と、(B)ナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、及びシリコーン樹脂粉末から選ばれる一種または二種以上の疎水性粉末 0.1〜3質量%と、(C)疎水化処理粉体 1〜50質量%とを配合し、(A)、(B)成分は外水相に、(C)成分は内油相に含まれるようにする。
【選択図】図1
Description
しかし、疎水化処理粉体を配合した水中油型乳化化粧料は、製品として十分な安定性を得ることが一つの課題となっている。そこで、経時や温度変化等に起因する乳化粒子の合一や粉体微粒子の凝集、沈降を防止する研究が進められている(特許文献1、2参照)。しかし、その安定性にはさらに改良の余地があった。
上記の問題を解決するために、増粘剤のサクシノグリカンと、グリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール20000から選ばれる可塑剤を組み合わせることによりよれが解消された水中油型乳化組成物が開発されている(特許文献3参照)。
(A)サクシノグリカン 0.05〜2質量%
(B)ナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、及びシリコーン樹脂粉末から選ばれる一種または二種以上の疎水性粉末 0.1〜3質量%
(C)疎水化処理粉体 1〜50質量%
前記(A)サクシノグリカンと前記(B)疎水性粉末を水相に分散させた後、該水相を前記(C)疎水化処理粉体を含む油相と混合させることを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法である。
また本発明の製造方法によれば、べたつきや、よれがなく、使用性に優れると共に、粉体の安定性にも優れた水中油型乳化化粧料を製造することができる。
(サクシノグリカン)
本発明の水中油型乳化化粧料に用いられるサクシノグリカンは、微生物に由来する多糖類の一種であり、ガラクトース及びグルコースから誘導される糖単位に加え、コハク酸及びピルビン酸並びに随意成分としての酢酸、又はこれらの塩から誘導される単位を含む微生物に由来する多糖類を意味する。
本発明の水中油型乳化化粧料における疎水性粉末は、ナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、及びシリコーン樹脂粉末から選ばれる一種または二種以上である。その中でも特にナイロン樹脂粉末及び/又はウレタン樹脂粉末が好ましい。ナイロン樹脂粉末及び/又はウレタン樹脂粉末を用いることで、よれを防ぎ、かつ粉末の凝集がなく安定性に優れた乳化化粧料とすることができる。
本発明にかかる水中油型乳化化粧料における疎水性粉末の配合量は、化粧料全体に対して0.1〜3質量%であり、0.2〜2質量%であることが好適である。粉末の配合量が、化粧料全体の0.1質量%未満であると、よれを防ぐことができないことがある。また、3質量%を超えて配合すると、配合量の増加に見合った効果の向上を期待することができないうえ、乳化化粧料の構築上好ましくない。
本発明の水中油型乳化化粧料において疎水化処理粉体とは、粉体を通常公知の技術により疎水化したものである。粉体は、化粧品一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状;煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径;多孔質、無孔質等の粒子構造;等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
本発明においては、増粘剤として上記サクシノグリカンを必須成分として用いるが、さらに下記のような特定のミクロゲルからなる増粘剤を併用することにより、べたつき感をさらに低減し、かつよれを改善することができる。このミクロゲルは例えば特願2007−308399号公報に開示されているものであるが、以下にその詳細について述べる。
一方、本発明に用いるミクロゲルは不均一重合系で重合される。得られる合成高分子は微細な高分子ゲル、すなわちミクロゲルとなり、化粧料に配合する際に新たに粉砕して粉末状態にする必要がなく、優れた増粘効果と優れた使用感を発揮し、さらに化粧料の外観上も好ましい。
また、特開平9−12613号公報には、水吸収性樹脂のミクロゲル粒子をおむつあるいは生理用品に適するように一定以上の大きさに製造することが開示されているが、これは化粧料増粘剤に応用できる技術ではなく、本発明に用いるミクロゲルとは全く異なるものである。
特に適宜選択された親水疎水バランス(HLB)に調節された界面活性剤を使用することにより、逆相乳化重合における重合系が一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、ミクロゲルからなる増粘剤が製造されることが好ましい。
好ましい有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ナフタレンなどの芳香族および環状炭化水素が挙げられる。
好ましい油分としてはパラフィン油などの非極性油分が挙げられる。
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、分散相である水に溶解し次いで分散媒である有機溶媒あるいは油分と混合され、所望の温度に加熱した後、重合開始剤を水相に添加し重合を行う。
これに対して、従来の懸濁重合による高分子の増粘剤(例えば、前述の特開平2001−114641号公報記載の方法)では重合時の水滴の粒子径コントロールが困難であり、良質なミクロゲルを得ることは困難である。
非イオン性モノマーは一般式(1)に示すジアルキルアクリルアミドが好ましい。
特に好ましいイオン性アクリルアミド誘導体は、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
特に好ましいカチオン性アクリルアミド誘導体はN,N,−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライドである。
これらの界面活性剤を適宜組み合わせて所望のHLBに調整して重合系に添加することが出来る。
上記の重合法によって得られるミクロゲルは、下記(1)〜(3)のすべてのレオロジー的性質を有する。このミクロゲルからなる増粘剤は上記の重合法による製造方法により得られ、増粘剤として好ましく使用される。
(1)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s-1において10000mPa・s以上である。
(2)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0 s-1において5000mPa・s以上である。
(3)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液若しくはエタノール分散液における動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG'>G"である。
なお、ミクロゲルの水若しくはエタノール分散液の見かけ粘度とは、コーンプレート型レオメータ(Paar Rhysica製 MCR-300)を用い、測定温度25℃、ずり速度1s-1における粘度である。
また、動的弾性率は、同上の測定装置を用いて測定温度25℃、歪み1%以下で周波数範囲0.1〜10Hzで測定した貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G")の値を意味する。
例えば、流動パラフィン,スクワラン,ワセリン,マイクロクリスタリンワックス,セレシン,セチルアルコール,イソステアリルアルコール,オレイルアルコール,2−ヘキシルデカノール,2−エチルヘキサン酸セチル,パルミチン酸2−エチルヘキシル,ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール,ジカプリル酸ネオペンチルグリコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,トリ2─エチルヘキサン酸グリセリン,トリイソステアリン酸グリセリン,オリーブ油,マカデミアナッツ油,ヒマワリ油,ラノリン,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ビースワックス,キャンデリラロウ,カルナウバロウ,ジメチルポリシロキサン,ポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等の油性原料;ポリオキシエチレンオレイルエーテル,モノイソステアリン酸ソルビタン,モノステアリン酸ポリエチレングリコール,ラウロイルジエタノールアミド,ショ糖脂肪酸エステル,ラウリン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム,ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド,ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル,ビタミンEアセテート,ビタミンH,センブリ抽出物,グリチルレチン酸,パントテニルエチルエーテル等の薬効成分;増粘剤、紫外線防御剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、保湿剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、皮膚栄養剤、無機粉体、有機粉体、香料、色剤、水等を適宜本発明組成物中に配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
水溶性増粘剤として用いるミクロゲルの合成例を以下に説明する。この合成例で得られるミクロゲルを用いて本発明の水中油型乳化化粧料を調製した。
ジメチルアクリルアミド(興人製)を40gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)9gを250gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン250gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.2gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)16.4gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
ジメチルアクリルアミド(興人製)を30gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)26.7gを280gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン280gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)9.4gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)19gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド70mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
(1)べたつきの評価基準
女性パネラー20名によって、被験試料を顔部に手で塗布してもらい、その時のべたつき感を以下の基準で評価した。
○:べたつかないと答えたパネラーが16名以上。
△:べたつかないと答えたパネラーが6名以上、15名以下。
×:べたつかないと答えたパネラーが5名以下。
女性パネラー20名によって、顔部に、被験試料を手で塗布してもらい、乾き際のよれ具合を以下の基準で評価した。
○:よれないと答えたパネラーが16名以上。
△:よれないと答えたパネラーが6名以上、15名以下。
×:よれないと答えたパネラーが5名以下。
組成物の粘度をB型粘度計で測定する(30℃、12rpm)。1000mPa・sは、経時で凝集物が認められる指標の粘度である。
○:1000mPa・s以上
×:1000mPa・s未満
組成物をアクリル製の黒板上に伸ばし、状態を観察し凝集の度合いを評価する。
粉末が凝集している場合は、白い凝集物が観察される。
○:凝集した粉末は認められない。
△:わずかに白い凝集物が認められる。
×:白い凝集物が多数認められる。
本発明の水中油型乳化化粧料において用いる増粘剤の配合量を検討した。
サクシノグリカン、又はサクシノグリカンと水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる水溶性増粘剤を用いて、下記に示す方法で水中油型乳化化粧料を調製し、べたつき、よれ、及び増粘性を上記の評価基準に基づいて評価した。結果を表1、2に示す。
なお表1の処方はすべて疎水性粉末が配合されていないものであり、表2の処方は表1の処方にナイロン樹脂粉末1質量%を加えたものである。
表1中、ナイロン樹脂粉末※1は、「ナイロンSP−500」(東洋レーヨン社製)を用いた。
1.(1)〜(5)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(6)〜(12)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(14)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
サクシノグリカンの配合量が0.05質量%あるいは2質量%である試験例3〜4では、増粘は十分発揮されるが、よれが発生した。さらにサクシノグリカンの配合量を3質量%に増やした試験例7ではよれとべたつきが生じた。みずみずしい使用性で知られるミクロゲルの増粘剤を配合した(試験例5,6、8)ところ、べたつきが改善され、さらに、よれも改善した。しかしながら、ミクロゲルだけでは増粘が十分に発揮されず中味状態が不安定になった。増粘剤の配合量を検討しただけでは、どの試験例においても、べたつき・よれ・増粘性のいずれの問題点も改善した組成物は得られなかった。
多糖類を配合した水中油型乳化組成物は、皮膚に塗布後、乾き際によれが生じる。特に粉末を含む場合、多糖類と粉末との相互作用により、よれが増長される。この問題を解決するために、様々な粉末を用いて、下記のような水中油型乳化組成物を作製し、べたつき、よれ、及び増粘性を前記評価基準に基づいて評価した。また、製造方法の違いによる安定性(粉末凝集)の影響を評価した。結果を表3に示す。
1.(1)〜(5)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(6)〜(12)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(15)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
1.(1)〜(5)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(6)〜(12)、(15)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(14)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
※2:ウレタン樹脂粉末(「プラスティックパウダーD−400」(東色ピグメント社製))
※3:シリコーンゴム粉末(「トレフィルE−506W」(東レ・ダウコーニング社製))
※4:シリコーン樹脂粉末(「トスパール145A」(GE東芝シリコーン社製))
※5:ポリメタクリル酸メチル粉末(「ガンツパールGMX0810」(ガンツ化成社製))
※6:セルロース粉末(「セルロフロー C−25」(チッソ社製))
※7:無水ケイ酸粉末(「SILDEX L-51」(旭硝子社製))
しかしながら、疎水性粉末の中にはよれは改善されたが、経時の粘度が上昇する粉末が確認された(試験例13)。親水性粉末を使用した場合(試験例14、15)は、よれが生じた。
以上の結果から、好ましい疎水性粉末は、ナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、及びシリコーン樹脂粉末であることが確認された。
また、その中でもナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末は、経時における粉末の凝集がなくて安定性が高く、好ましいものであった。
疎水性粉末の配合量を変化させ、下記のような水中油型乳化化粧料を調製し、べたつき、よれ、増粘性、及び粉末凝集を前記評価基準に基づいて評価した。結果を表4に示す。
なお表4中、ナイロン樹脂粉末※1は、具体的には、「ナイロンSP−500」(東洋レーヨン社製)を、ウレタン樹脂粉末※2は「プラスティックパウダーD−400」(東色ピグメント社製)を、それぞれ用いた。
1.(1)〜(5)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(6)〜(12)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(15)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
以上より、疎水性粉末の好適な配合量は0.1〜3質量%であることが確認された。
(処方) 質量%
(1)イオン交換水 残量
(2)POE−60 水添ヒマシ油 2
(3)サクシノグリカン 0.5
(4)合成例1のミクロゲル 0.5
(5)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3
(6)グリセリン 0.5
(7)エデト酸塩 適量
(8)疎水化処理酸化チタン 5
(9)ジメチコンポリオール 2
(10)デカメチルペンタポリシロキサン 12
(11)イソステアリン酸 1
(12)オクチルメトキシシンナメート 5
(13)防腐剤 適量
(14)エタノール 6
(15)ウレタン樹脂粉末 1
1.(1)〜(7)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(8)〜(12)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(15)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
(処方) 質量%
(1)イオン交換水 残量
(2)POE−60 水添ヒマシ油 2
(3)サクシノグリカン 0.05
(4)合成例2のミクロゲル 0.05
(5)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3
(6)グリセリン 0.5
(7)エデト酸塩 適量
(8)疎水化処理酸化チタン 5
(9)ジメチコンポリオール 2
(10)デカメチルペンタポリシロキサン 12
(11)イソステアリン酸 1
(12)オクチルメトキシシンナメート 5
(13)防腐剤 適量
(14)エタノール 6
(15)ナイロン樹脂粉末 0.5
1.(1)〜(7)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(8)〜(12)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(13)〜(15)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
(処方) 質量%
(1)イオン交換水 残量
(2)PEG-60水添ヒマシ油 2
(3)サクシノグリカン 0.3
(4)合成例3のミクロゲル 0.05
(5)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 0.5
(6)エデト酸塩 適量
(7)カルボキシメチルセルロース 0.3
(8)シリコーン処理二酸化チタン 10
(9)シリコーン処理タルク 3
(10)シリコーン処理黄酸化鉄 0.8
(11)シリコーン処理黒酸化鉄 0.16
(12)シリコーン処理ベンガラ 0.3
(13)ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン 2
(14)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(15)オクチルメトキシシンナメート 5
(16)防腐剤 適量
(17)エタノール 5
(18)シリコーンゴム粉末 2
1.(1)〜(7)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(8)〜(15)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(16)〜(18)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
Claims (6)
- 次の成分(A)〜(C)を含み、(A)、(B)成分は外水相に、(C)成分は内油相に含まれることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
(A)サクシノグリカン 0.05〜2質量%
(B)ナイロン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、及びシリコーン樹脂粉末から選ばれる一種または二種以上の疎水性粉末 0.1〜3質量%
(C)疎水化処理粉体 1〜50質量% - (B)疎水性粉末が、ナイロン樹脂粉末及び/又はウレタン樹脂粉末であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- さらに、(D)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルを含むことを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- (D)成分中の水溶性エチレン性不飽和モノマーが、ジアルキルアクリルアミド及び/又はイオン性アクリルアミドであることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- (C)疎水化処理粉体が疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- (A)サクシノグリカンと、(B)疎水性粉末と、(C)疎水化処理粉体とを含む水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
前記(A)サクシノグリカンと前記(B)疎水性粉末を水相に分散させた後、該水相を前記(C)疎水化処理粉体を含む油相と混合させることを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法。
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