JP2009286637A - 水素生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自立膜タイプの水素透過膜の破損を防止して、優れた水素透過性を有し、小型化且つ低コスト化することのできる水素生成装置を提供する。
【解決手段】水素生成装置10は、並列に隣接して配置された改質通路2及び水素通路3と、この改質通路2と水素通路3の間に配置された水素透過膜1と、水素通路3側に配置され、水素透過膜1を支持すると共に、水素透過膜1を透過した水素を水素通路3に伝搬する膜支持体4と、上改質通路2内に配置され、水素透過膜1に接触して水素透過膜1の変形を抑制すると共に、改質ガスを水素透過膜1に拡散させる多孔質スペーサー5とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池や内燃機関に好適に用いることの可能な、水素を含む改質ガスから選択的に水素を取り出す水素透過膜を備えた水素生成装置に関する。
近年、地球環境問題への関心の高まりから、燃料電池の開発が盛んに行われている。
燃料電池は、水素を燃料とし、酸素又は酸素を含む空気を酸化剤として電気化学的反応で発電するものである。燃料電池を車両等に搭載する場合は、燃料電池システム全体の体積(容積)は、可能な限り小さくすることが好ましい。燃料電池システムを小さくするためには、燃料源として水素(ガス)よりもエネルギー密度の高い液体燃料を用いることが望ましい。
液体燃料を燃料電池に用いる場合は、この液体燃料を改質し、得られた改質ガスから水素のみを選択的に取り出すことのできる水素透過膜の機能が重要となる。
また、燃料電池に限らず、例えば、内燃機関等の水素を必要とする部位に水素を供給するために、水素透過膜の利用が検討されている。
水素透過膜は、水素ガス及び水素を含む混合ガスから水素ガスを選択的に取り出すために、水素の吸着、解離、拡散、結合する能力を有するものが使用されている。
代表的な水素透過膜として、例えばパラジウム(Pd)又はパラジウム(Pd)系合金から成るものが挙げられる。このパラジウム(Pd)は貴金属であり、高価であるために、バナジウム(V)系やネオジム(Nd)系などの水素透過膜の研究も盛んに行われている。
このような水素透過膜としては、パラジウム(Pd)系合金などの水素分離金属を、メッキ、CVD(気相化学反応)、スパッタリング、イオンプレーティング、蒸着などの方法によって、多孔質支持体の表層に成膜した成膜タイプのものが知られている。その他に、自立膜タイプの水素透過膜の開発も進められている。
選択的に水素のみを透過することは、改質された改質ガス中の水素を、順次反応器から分離抽出することにより、改質反応を促進させて水素の収量を増加させるために重要であり、この反応促進については、各種の発表がなされている(例えば、非特許文献1)。
菊地英一,「水素透過型メンブレンリアクタを用いる水蒸気改質および関連反応の研究」,石油学会誌,VOL.39,No.5,301−313頁,1996年
水素透過膜を透過する水素の透過量は、下記式(1)に示すように、水素透過膜の膜厚が薄いほど増大する。言い換えれば、水素透過膜の膜厚が薄いほど、水素透過性を向上させることができる。
Figure 2009286637
上記式(1)に示すように、水素透過膜の膜厚が薄ければ、水素生成装置の容積も小さくすることができ、その結果、燃料電池システム全体の容積も小さくすることができる。
例えば、水素透過膜の膜厚を10分の1(1/10)にした場合、透過性は10倍になるため、同一の水素量を得る場合には、水素生成装置の容積も10分の1(1/10)にすることができる。
また、水素透過膜の膜厚を10分の1にすることができれば、透過性が10倍になるので、容積も10分の1にすることができ、水素透過膜を形成するために必要なPdの使用量を100分の1(1/100)にすることができるため、高価なPdの使用量を削減して、大幅なコスト低減が可能となる。
しかし、成膜タイプの水素透過膜は、空隙の多い多孔質支持体の表面にピンホールのない水素透過膜を成膜するために、多孔質支持体の細孔径の数10倍から数100倍の厚さが必要であり、薄膜化することは難しい。
これに対して、自立膜タイプの水素透過膜は、多孔質支持体の空隙(孔)を埋める必要がないので、成膜タイプのものよりも薄膜化することが可能である。
しかし、自立膜タイプの水素透過膜を薄膜化すると、十分な強度が得られず、圧力や伸張収縮による影響を顕著に受けて、水素透過膜が破損してしまうおそれがある。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自立膜タイプの水素透過膜の破損を防止して、優れた水素透過性を有し、小型化且つ低コスト化することのできる水素生成装置を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、改質ガスが流れる改質通路内に、多孔質スペーサーを配置させることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の水素生成装置は、並列に隣接して配置された改質通路及び水素通路と、この改質通路と水素通路の間に配置された水素透過膜と、上記水素通路側に配置され、上記水素透過膜を支持すると共に、上記水素透過膜を透過した水素を上記水素通路に伝搬する膜支持体と、上記改質通路内に配置され、上記水素透過膜に接触して該水素透過膜の変形を抑制すると共に、改質ガスを上記水素透過膜に拡散させる多孔質スペーサーとを備えている。
本発明によれば、改質通路内に水素透過膜の変形を抑制する多孔質スペーサーを設けたことにより、薄膜化した水素透過膜の破損を防止して、長期に亘り安定して水素を供給することができ、優れた水素透過性を有する、小型且つ抵コストの水素生成装置を提供することができる。
以下、本発明の水素生成装置について、詳細に説明する。
図1は、本発明の水素生成装置の実施形態の一例を模式的に示す説明図である。
本例の水素生成装置10は、並列に隣接して配置された改質通路2及び水素通路3と、この改質通路2と水素通路3の間に配置された水素透過膜1と、水素通路2側に配置され、水素透過膜1を支持すると共に、水素透過膜1を透過した水素を水素通路に伝搬する膜支持体4と、改質通路2内に配置され、水素透過膜1に接触して該水素透過膜1の変形を抑制すると共に、改質ガスを水素透過膜1に拡散させる多孔質スペーサー5とを備えている。
図2は、図1に示す水素生成装置10の分解斜視図である。
水素生成装置10は、例えば改質通路2を構成する金属製の筺体部材と、水素通路3を構成する金属製の筺体部材とを備えている。この改質通路2と水素通路3の間に水素透過膜1が配置され、この水素透過膜1を支持する膜支持体4が水素通路3側に配置されている。また、水素透過膜1と改質通路2との間には、水素透過膜1と改質通路壁部2aとの間の空間(改質通路2)を埋めるよう充填した多孔質スペーサー5が配置されている。
水素透過膜1は、蒸着などによって支持体に成膜した成膜タイプのものではなく、薄膜化することが可能な自立膜タイプのものを用いることが好ましい。
ここで、自立膜とは、膜自体を単独で取り扱うことができるものをいう。
水素透過膜としては、例えばPd製のものや、Pd系合金、V系合金、Nd系合金、Zr系合金製のものを使用することができる。
水素透過膜は、その膜厚が薄いものほど水素の透過性が向上されることから、ピンホールが無く薄いほど好ましいが、膜の材質や製法により作製可能な厚みが制限される。
自立膜タイプは、スパッタなどの製法を用いることにより、数μmから1μm以下のごく薄い膜までピンホール無しで製造することができる。これに対して、蒸着などの製法によって支持体に成膜した成膜タイプでは、支持体の細孔を塞いでピンホールの無い膜を製作するには、細孔の数十倍から数百倍の厚みを要することから、自立膜タイプほど薄い膜を形成することが難しい。
水素透過膜は、改質通路及び水素通路の間に、この改質通路と水素通路の大きさに相当する1つの水素透過膜が配置されていてもよく、改質通路と水素通路に沿って複数の水素透過膜が配置されていてもよい。改質通路及び水素通路に沿って、複数の水素透過膜が配置されている場合は、一部の水素透過膜の性能が劣化したり、損傷が生じたりした場合であっても、不具合が生じた一部の水素透過膜のみを交換すればよいので、効率よくメンテナンスを行うことができる。
複数の水素透過膜を配置させる場合は、水素透過膜同士が間隔を空けて配置されていてもよく、水素透過膜同士が間隔を空けないで配置されていてもよい。
複数の水素透過膜が互いに間隔を空けて配置されている場合は、水素透過膜が存在しない部位(間隔)から改質通路内を流通する混合ガスが水素通路に拡散されないように、膜支持体にガス透過防止層を形成することが好ましい。
次に、図面に基づき、薄膜化した自立膜タイプの水素透過膜が、変形することによって破損する場合のメカニズムを説明した後、本発明の構成により、水素透過膜の破損を防止するメカニズムについて説明する。
図3(a)〜(c)は、水素透過膜に変形が生じる状態を模式的に示す説明図であり、図4は、破損した水素透過膜を示す光学顕微鏡写真(a:倍率50倍の平面図、b;倍率400倍の平面図)である。
水素透過膜は、圧力が高い改質通路側と圧力が低い水素通路側の水素分圧差を利用して、改質通路を流通する混合ガス中から選択的に水素を透過させて、水素通路側に水素を放出する。
水素透過膜は、温度による熱膨張や水素の吸蔵による体積膨張によって変形し、改質通路側と水素通路側の圧力差によっても変形しやすい。
図3(a)に示すように、通常、自立膜タイプの水素透過膜1の低圧側L(水素通路側)には、高圧側H(改質通路側)に対向するように膜支持体4が配置され、この膜支持体4によって水素透過膜1が補強され、支持される。
図3(b)に示すように、高温の改質ガス中の水素が水素透過膜1を透過した際に、水素透過膜1が、温度による熱膨張や、水素の透過による体積膨張が発生すると、水素透過膜1が、膜支持体4が存在しない側(改質通路側)に向かって大きく変形する(変形部1a)。
図3(c)に示すように、水素透過膜1が、高圧側H(改質通路側)に向かって膜支持体2から浮き上がるように変形すると、変形した部位(変形部1a)が周囲の高圧力で押し潰されて尖った皺(変形部1a’)となる。
この皺は、改質通路側と水素通路側との圧力差が緩和されたり、水素透過膜から水素が放出されたりすると、皺ができる順序(a→b→c)とは逆の順序(c→b→a)で、元の状態に戻る。
使用条件などによって、水素透過膜の変形が繰り返されると、最終的に皺(変形部1a’)の頂部に亀裂が入り、水素透過膜が破損する(図4(a)参照)。
また、水素透過膜に大きな皺が発生すると、皺と皺がぶつかりあって、変形を緩和できずに水素透過膜が破損する場合がある(図4(b)参照)。
水素透過膜の破損につながるような大きな皺(変形部1a’)は、高圧側(改質通路側)と低圧側(水素通路側)との圧力差を受けて変形した部分に、応力が集中してしまうために生成されると考えられる。
本発明の水素生成装置10は、高圧側となる改質通路2内に、水素透過膜1に接触するように多孔質スペーサー5を配置させることによって、水素透過膜1の破損につながるような大きな変形するのを防止することができる。
図5は、改質通路内に多孔質スペーサーを配置して、水素透過膜の大きな変形を防止した水素透過膜の光学顕微鏡写真(倍率50倍の平面図)である。
図5に示すように、水素生成装置の改質通路内に多孔質スペーサーが配置されていると、水素透過膜の変形が多孔質スペーサーによって抑制され、破損につながるような大きな皺が生成されず、細かい小さな皺の生成にとどまるため、水素透過膜の破損が防止される。
本発明の水素生成装置は、水素透過膜の破損を防止することができるので、膜厚が約5μm以下の薄膜化した水素透過膜を用いることができる。
水素透過膜を薄膜化することができれば、水素透過膜を形成するために必要な、高価なパラジウム(Pd)の使用量を削減することができ、コストを低減することができる。
また、水素透過膜を薄膜化することができれば、水素の透過量も増大させることができるため、同一の水素量を得る場合には、水素透過膜の容積を小さくすることができ、水素生成装置を小型化することができる。
このように水素生成装置を小型化することが可能であれば、起動時に必要な熱量を減らすことができ、水素生成装置を用いた燃料電池システム全体の効率も高めることができる。
したがって、本発明の水素生成装置は、燃料電池や内燃機関に好適に用いることができ、本発明の水素生成装置を用いることによって、安定した発電を行う燃料電池や、燃焼性を改善し、環境性に優れた内燃機関を提供することが可能である。
改質通路内に配置される多孔質スペーサーは、水素透過膜の変形を抑制すると共に、改質通路内を流通する改質ガスの流れを妨げず、水素透過膜に改質ガスを拡散させるものである。
多孔質スペーサーを構成する多孔質材としては、図6に示すように、金属繊維布(a)、発泡金属(b)、焼結金属(図示略)、多孔質セラミック(c)から成る群より選ばれた少なくとも1種のものを用いることができる。
多孔質スペーサーを構成する多孔質材の空隙率は、改質通路内を流通する改質ガスの流れを妨げないものであれば特に限定されない。
また、多孔質スペーサーは、多孔質スペーサーを構成する多孔質材の表面の少なくとも一部に触媒を担持させて成るものであることが好ましい。
多孔質スペーサーに触媒を担持させることによって、改質通路内に触媒を担持させた構造体などを配置する必要がなく、効率的に改質通路内を流れる燃料ガスなどの改質を行うことができる。
多孔質スペーサーに担持させる触媒としては、燃料を改質して水素を発生させる触媒と同じものを用いることができ、例えば白金、パラジウム、ロジウム又はイリジウム、及びこれらの任意の貴金属を組み合わせて用いることができる。
多孔質スペーサーとして、金属製のものを用いると、水素透過膜を構成する成分と、多孔質スペーサーを構成する成分とが合金化して、水素の透過が妨げられる場合がある。
そのため、多孔質スペーサーは、水素透過膜に接触する部位に接合阻止層を有することが好ましい。
接合阻止層は、具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの材料を、CVD法やゾルゲル法により、多孔質スペーサーを構成する多孔質材の表面に担持させることによって形成する。接合阻止層の厚さは、厚くても1μm程度であればよい。
また、多孔質スペーサーは、ガス透過性が異なる部位を有していることが好ましい。
多孔質スペーサーが、ガス透過性が異なる部位を有していることによって、改質通路を流通するガスの流れ(流速や流れ方向など)を変化させて、ガスの混合を促し、改質ガスの水素透過膜への拡散を促進させることができる。
多孔質スペーサーが触媒を担持したものである場合は、ガス透過性が異なる部位を有することによって、ガスの流速などを変化させると共に、触媒による改質反応も促進させ、水素透過膜を透過させる水素の量を増大させることができる。
多孔質スペーサーは、例えば、1つの部位の空隙率と、他の部位の空隙率が異なるように形成することによって、ガス透過性が異なる部位を有するようにすることができる。
例えば、多孔質スペーサーは、厚さ方向(水素透過膜から改質通路の壁部の方向)に、空隙率の大きい(疎)層と、空隙率の小さい(密)層を形成することが好ましい。
また、多孔質スペーサーは、多孔質スペーサーをガス流通方向に対して平行に複数の部位に分けて、複数に分けられた一つの部位の空隙率を大きく(疎)形成し、他の部位の空隙率を小さく(密)形成することが好ましい。
また、多孔質スペーサーは、厚さ方向に空隙率の大きい(疎)層と、空隙率の小さい(密)層を形成すると共に、ガス流通方向に対して平行な複数の部位に分けて、複数に分けられた隣接する部位同士を、空隙率の小さい(密)層と、空隙率の大きい(疎)層が交互に配置されるように形成してもよい。
多孔質スペーサーの空隙率が大きい部位(疎)と、空隙率が小さい部位(密)との差は、特に限定されないが、燃料ガスの組成によっても左右されることから空隙率の差が、改質通路を流通する燃料ガスの流れに混合を起こすように設定することが必要である。例えば疎となる部位の空隙率が80〜90体積%であり、密となる部位の空隙率が60〜70体積%である。
なお、多孔質スペーサーは、一方の部位と他方の部位とで、2段階で空隙率を変える場合に限らず、多段階で空隙率を変えてもよい。多段階で空隙率を変える場合には、一方の部位から他方の部位に亘って徐々に空隙率が異なるように空隙率に傾斜を設けた構造としてもよい。
多孔質スペーサーは、改質通路の内部と略同一の大きさを有する1つの多孔質スペーサーを改質通路内に配置してもよく、改質通路に沿って複数個の多孔質スペーサーを配置してもよい。
複数個の多孔質スペーサーを改質通路内に配置させる場合は、多孔質スペーサー同士の間隔を空けて配置することが好ましい。
複数個の多孔質スペーサーが、互いに間隔を空けて改質通路内に配置されていると、改質通路において、多孔質スペーサーを透過したガスが、多孔質スペーサーの間の空隙部分で、一旦ガスの流速が弱まって滞留し、改質ガスの混合を促すことができる。
また、複数の多孔質スペーサーを改質通路内に配置する場合は、多孔質スペーサー同士の間隔を、水素透過膜に接触する側と改質通路壁部側とで異なるように構成してもよい。
多孔質スペーサーとして、例えば水素透過膜側の面の面積が小さく、改質通路壁部側の面の面積が大きく、この対向する2つの面を連結した一対の側面が傾斜した構造のものを用いることができる。
この傾斜した側面を有する複数個の多孔質スペーサーを改質通路内に配置させることによって、隣接する多孔質スペーサー同士の間に、水素透過膜側で大きく、改質通路壁部側で小さい、台形状の空間が形成される。
改質通路内において、多孔質スペーサーを透過したガスは、水素透過膜側でより広くなる台形状の空間に滞留して、ガスの混合、拡散が促され、改質ガス中の水素の水素透過膜への透過が促進される。
また、複数の多孔質スペーサーを改質通路内に配置させる場合は、1つの多孔質スペーサーのガス透過性と、他の多孔質スペーサーのガス透過性が異なるものを用いることが好ましい。
ガス透過性が異なる複数の多孔質スペーサーを改質通路内に配置させることによって、改質通路を流通するガスの流速や滞留時間を変化させることができ、ガスの混合、拡散を促して、改質ガス中の水素の水素透過膜への透過を促進させることができる。
ガス透過性が異なる複数の多孔質スペーサーとしては、例えば1つの多孔質スペーサーの空隙率と、他の多孔質スペーサーの空隙率が異なるものを用いることができる。
1つの多孔質スペーサーの空隙率と、他の多孔質スペーサーの空隙率との差は、特に限定されないが、燃料ガスの組成や流速によって設定される。
また、複数個の多孔質スペーサーを改質通路内に配置させる場合は、1つの多孔質スペーサーの大きさと、他の多孔質スペーサーの大きさが異なるものを用いてもよい。
大きさの異なる複数の多孔質スペーサーの間隔を空けて改質通路内に配置させたことによって、改質通路を流通するガスの流速や滞留時間を変化させることができ、ガス中の水素の水素透過膜への透過を促進させることができる。
1つの多孔質スペーサーの大きさと、他の多孔質スペーサーの大きさとの差は、特に限定されない。
複数の多孔質スペーサーを改質通路に配置させる場合は、触媒を担持させたもの、触媒を担持させないもの、ガス透過性が異なる部位を有するもの、空隙率が異なるもの、大きさや形状が異なるものなどを任意に組み合わせて用いることができる。
水素生成装置の改質通路に配置させる複数の多孔質スペーサーとして、触媒を担持させたものやガス透過性が異なる部位を有するものなどを任意に組み合わせることによって、改質通路を流通するガスの流速や滞留時間をより複雑に変化させ、ガスの混合、拡散を促して、改質ガス中の水素の水素透過膜への透過をより促進させることができる。
改質通路内には、多孔質スペーサーを固定するスペーサー固定体を設けてもよい。
図7は、多孔質スペーサーを固定するスペーサー固定体の一例を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
スペーサー固定体6は、例えば金属製の平板に、多孔質スペーサーを固定するための複数の固定用爪部6aを設けたものである。
多孔質スペーサー5は、スペーサー固定体6の固定用爪部6aの間に配置され、多孔質スペーサー5の両側面に固定用爪部6aがカシメられて、スペーサー固定体6に固定される。
このスペーサー固定体を用いることによって、複数の多孔質スペーサーを特定の間隔で改質通路内に固定することができる。
また、スペーサー固定体は、多孔質スペーサーを固定するための固定用爪部が改質通路内に突出するように配置されるため、この固定用爪部によっても、改質通路内を流通するガスの流速や滞留時間を変化させることができる。
一方、多孔質スペーサーに対向して、水素通路側に配置される膜支持体は、水素透過膜を補強すると共に、水素透過膜を透過した水素の流れを妨げずに水素通路に伝搬するものである。
膜支持体としては、例えば多孔体のプレートを用いることが望ましい。
膜支持体として多孔体のプレートを用いる場合は、水素の流れを妨げないように、孔径が0.1〜0.5μmであることが好ましい。
膜支持体は、セラミック製のものでも、金属製のものでもよいが、水素透過膜を補強する強度を有するものであることが好ましい。
例えば膜支持体として、多孔質セラミックを用いる場合は、水素透過膜を補強する強度を確保するために、空隙率が30〜50体積%のものであることが好ましい。
膜支持体の厚さとしては、膜支持体を構成する材料によっても異なるが、好ましくは、0.5〜1.0μmである。
金属製の膜支持体を用いた場合は、水素透過膜を構成する成分と膜支持体を構成する成分とが合金を形成してしまう場合がある。
水素透過膜と膜支持体とが合金化されてしまうと、水素の透過を妨げてしまうおそれがある。水素透過膜と膜支持体との合金化を阻止するために、膜支持体の水素透過膜と接触する部位に、保護層を形成することが好ましい。
この保護層は、具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの材料を、CVD法やゾルゲル法によって、膜支持体の水素透過膜と接触する部位に担持させることによって形成することができる。保護層の厚さとしては、膜支持体の厚さ100%に対して、0.1〜0.2%であることが好ましい。
金属製の膜支持体には、保護層を設けない部位を部分的に形成し、この部位と水素透過膜とをあえて合金化させて、この部分で水素透過膜と膜支持体とを一体化固定させてもよい。
また、金属製の膜支持体には、保護層を膜支持体に形成した後、この保護層の表面に、更に水素透過膜と合金化し易い接合層を形成してもよい。この接合層と水素透過膜とを合金化させることにより、膜支持体の本体と水素透過膜との合金化を阻止しつつ、膜支持体と水素透過膜とを間接的に一体化してもよい。
水素透過膜と膜支持体とを、部分的に又は間接的に一体化させることによって、圧力差により水素透過膜が膜支持体から浮き上がるような、水素透過膜の大きな変形を抑制することができる。
次に、本発明の水素生成装置の好ましい実施形態の例を図面に基づき説明する。本発明の水素生成装置は、図1、図8〜15に示す実施形態に限定されるものではない。なお、各図面に共通する部材には、同一の符号を付した。
(実施例形態1)
図1は、第1の実施形態の水素生成装置を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、水素生成装置10は、並列に隣接して配置された改質通路2及び水素通路3の間に、水素透過膜1が配置されている。この水素透過膜1は、水素通路3側から多孔体のプレートから成る膜支持体4によって支持されている。膜支持体4と、水素通路壁部3aとの間は、水素透過膜1を透過した水素の通路となる空間(水素通路3)が形成されている。
また、水素生成装置10は、水素透過膜1と改質通路壁部2aとの間には、この間隔を埋めるように充填して配置した多孔質スペーサー5を備えている。
多孔質スペーサー5は、水素透過膜1と接触する部位に、接合阻止層5aを備え、接合阻止層5a以外の部位に、改質通路2内を流通する燃料を改質して水素を発生させる触媒を担持させた触媒担持層5bを備えている。
本例において、多孔質スペーサー5は、多孔質材として図6(a)に示すような金属繊維布を用いたものであり、多孔質スペーサー5の空隙率は50〜80体積%である。
本例の水素生成装置10において、改質通路2を流通する燃料等のガスは、多孔質スペーサー5の触媒担持層5bで改質され、改質ガスが水素透過膜1まで拡散される。
この改質ガス中の水素は、高圧の改質通路2と低圧の水素通路3との水素分圧差によって、水素透過膜1を透過し、膜支持体4から水素通路3に伝搬される。
本例の水素生成装置10において、水素分圧差、温度、水素の吸放出などによって、水素透過膜1の膨張や伸張が起こるが、水素透過膜1の改質通路2側への変形は、多孔質スペーサー5によって抑制される。そのため、水素透過膜1には、破損につながるような大きな皺(変形)が生成されず、膜全面の細かい小さな皺の生成に止まるために、水素透過膜1の破損を防止することができる。
(実施形態2)
図8は、第2例の実施形態の水素生成装置を模式的に示す説明図である。図8中、矢印は、改質通路の流入側から流出側に流れる燃料等のガスの流通方向を示す。なお、以下の第2例〜第7例において、第1例の水素生成装置と共通する部分の説明は省略する。
図8に示すように、水素生成装置12は、水素透過膜1と改質通路壁部2aとの間の空間を埋めるように、改質通路2に沿って、それぞれ空隙率の異なる複数の多孔質スペーサー50A〜50Eが配置されている。これらの多孔質スペーサー50A〜50Eは、それぞれ水素透過膜1と接触する部位に接合阻止層aを有し、接合阻止層a以外の部位に触媒担持層bを有している。
複数の多孔質スペーサー50A〜50Eは、本例では空隙率の小さいもの(密)が改質通路2の流入側に配置され、空隙率の大きいもの(疎)が改質通路2の流出側に配置されている。
本例の水素生成装置12においては、改質通路2内の流入側から流出側にかけて、順に空隙率が大きくなるように、複数の多孔質スペーサー50A〜50Eが配置されている。
改質通路2内に空隙率の異なる複数の多孔質スペーサー50A〜50Eが配置されていることによって、改質通路2内において、ガスの流速が変化し、ガスの混合、拡散が促進される。
また、本例の水素生成装置12は、改質通路2の流入側に、空隙率の小さい(密)多孔質スペーサー50Aが配置されていることによって、改質通路2の流入側でガスの流速を最も遅くして、改質反応を促進することができる。
一方、本例の水素生成装置12は、改質通路2の流出側に、空隙率の大きい(疎)多孔質スペーサー50Eが配置されていることによって、改質ガス中から水素が分離されることにより、流出側に向かって徐々に水素分圧が低くなる改質ガスの拡散を妨げず、下流側においても、改質ガス中の水素の水素透過膜1への透過を促進することができる。
(実施形態3)
図9は、第3例の実施形態の水素生成装置を模式的に示す説明図である。図9中、矢印は、改質通路の流入側から流出側に流れる改質ガスの流通方向を示す。
図9に示すように、水素生成装置13は、改質通路2内の流入側に、触媒を担持した触媒担持層bを有する多孔質スペーサー51A,51Bが配置され、流出側に、触媒を担持していない触媒非担持層cを有する多孔質スペーサー51C,51Dが配置されている。
改質通路2内に配置された複数の多孔質スペーサー51A〜51Dは、互いに間隔を空けて配置されている。また、多孔質スペーサー51A〜51Dは、それぞれ接合阻止層aを有している。
本例の水素生成装置13において、改質通路2に流入した燃料等のガスは、流入側に配置された触媒担持層bを有する多孔質スペーサー51A,51Bによって改質され、水素を含む改質ガスが生成される。改質通路5の流出側においては、ガスがすでに改質されているので、多孔質スペーサー51C,51Dに触媒が担持されていなくてもよい。
多孔質スペーサーに担持された触媒が改質できるガスは一定量であるため、改質するガスの量に見合う、十分な個数の触媒担持層を有する多孔質スペーサーが、改質通路2内に配置されていることが好ましい。
改質通路2を流通するガスは、流出側に向かうに従って、改質ガス中から選択的に水素が除かれるので、流出側に向かうに従って水素分圧が低くなり、水素透過膜1付近を流通する改質ガス中の水素の量が減少する。
本例の水素生成装置13において、改質通路2を流通するガスは、多孔質スペーサー51A〜51Dの間の空隙で流速が弱まって滞留し、触媒により改質された改質ガスの混合、拡散が促される。改質ガスの混合が促進されることによって、水素透過膜1付近を流通する改質ガス中の水素の量が増加し、改質ガス中から選択的に水素透過膜1を透過させる水素の量を増大させることができる。
本例の水素生成装置13において、改質通路2に配置される複数の多孔質スペーサー51A〜51D同士の間隔は、一定である必要はなく、多孔質スペーサー51A〜51D同士の間隔を変えて、大きさの異なる空隙を形成してもよい。
多孔質スペーサー同士の間隔(空隙)を変えることによって、改質通路2を流通するガスの流速や滞留時間を複雑に変化させて、改質ガス中の水素の水素透過膜への透過をより促進させることができる。
(実施形態4)
図10は、第4例の実施形態の水素生成装置を模式的に示す説明図である。図10中、矢印は、改質通路の流入側から流出側に流れる改質ガスの流通方向を示す。
図10に示すように、水素生成装置14は、改質通路2内に複数の多孔質スペーサー52A〜52Dが、互いに間隔を空けて配置されている。これらの多孔質スペーサー52A〜52Dは、水素透過膜1側と改質通路壁部2a側とで、多孔質スペーサー同士の間隔が異なるように配置されている。
本例の水素生成装置14は、改質通路2の流入側に触媒担持層bを有する多孔質スペーサー52A,52Bが配置され、流出側に、触媒非担持層cを有する多孔質スペーサー52C,52Dが配置されている。また、多孔質スペーサー52A〜52Dは、それぞれ接合阻止層aを有している。
本例の水素生成装置14は、多孔質スペーサー52A〜52Dを改質通路2に配置させるために、例えば図7に示すようなスペーサー固定体6を用いている。
図11は、図10に示す第4例の水素生成装置14の一部を模式的に示す斜視図である。
図11に示すように、本例において、多孔質スペーサー52A〜52Dは、水素透過膜1側の面の面積が小さく、改質通路壁部2a側の面の面積が大きく、この対向する2つの面を連結した一対の側面が傾斜した構造のものを用いている。
この傾斜した側面を有する複数個の多孔質スペーサー52A〜52Dを改質通路2内に配置させることによって、水素透過膜1側で大きく、改質通路壁部2a側で小さい、台形状の空間ISが形成される。
本例の水素生成装置14において、改質通路5内を流通するガスは、多孔質スペーサー同士の間の台形状の空間ISで、流速が弱まって滞留し、改質ガスの混合、拡散が促進される。そのため、本例の水素生成装置14は、改質ガスの混合、拡散が促進されることによって、水素透過膜1付近を流通する改質ガス中の水素の量を増加させ、この改質ガス中から選択的に水素透過膜1を透過させる水素の量を増加させることができる。
(実施形態5)
図12は、第5例の実施形態の水素生成装置の一部を模式的に示す説明図である。図12中、矢印は、改質通路の流入側から流出側に流れる改質ガスの流通方向及び流通状態を示す。
図12に示すように、水素生成装置15は、改質通路2内に、触媒を担持させたもの、触媒を担持させないもの、ガス透過性が異なる部位を有するもの、大きさが異なるものなどを任意に組み合わせた複数の多孔質スペーサー53A〜53Gを配置させている。
それぞれの多孔質スペーサーについて説明すると、例えば、1つの多孔質スペーサー53Aは、全ての部位で空隙率が同じであり、他の多孔質スペーサー53B〜53Gは、多孔質スペーサーの厚さ方向に、空隙率が大きい部位と、空隙率が小さい部位とを有している。
また、多孔質スペーサー53Aは、触媒を担持させた触媒担持層bを有しており、多孔質スペーサー53Cは、空隙率が大きい部位と、空隙率が小さい部位の両方に触媒を担持させた触媒担持層Lb,Sbを有している。多孔質スペーサー53B,53D,53E,53F,53Gは、空隙率が大きい部位と、空隙率が小さい部位の両方に触媒を担持させていない触媒非担持層Lc,Scを有している。
また、多孔質スペーサー53A,53C,53E,53Gは大きく、これらの間に配置された多孔質スペーサー53B,53D,53Fは小さく構成されている。
なお、多孔質スペーサー53A〜53Gは、全て水素透過膜1と接触する側に接合阻止層aを有している。
改質通路2に多孔質スペーサー53A〜53Gの配置させる一例を説明する。
例えば改質通路2の最も流入側に、全ての部位で空隙率が同じであり、この部位に触媒を担持させた触媒担持層bを有する多孔質スペーサー53Aを配置させる。
次に、空隙率が大きい触媒非担持層Lcと、空隙率が小さい触媒非担持層Scとを有する小さい多孔質スペーサー53Bを配置させる。なお、多孔質スペーサー53Bは、空隙率が大きい触媒非担持層Lcを改質通路壁部2a側に配置させ、空隙率が小さい触媒非担持層Sbを水素透過膜1側に配置させている。
次に、空隙率が大きい部位と小さい部位の両方に触媒を担持させた触媒担持層Lb,Sbを有する多孔質スペーサー53Cを配置させる。多孔質スペーサー53Cは、隣り合う多孔質スペーサー53Bとは逆に、空隙率が大きい触媒担持層Lbを水素透過膜1側に、空隙率が小さい触媒担持層Sbを改質通路壁部2a側に配置させている。
この多孔質スペーサー53Cよりも改質通路2の流出側においては、小さい多孔質スペーサー53D,53Fと大きい多孔質スペーサー53E,53Gとを交互に配置させると共に、隣り合う多孔質スペーサーの空隙率の大きい部位と小さい部位とが交互に水素透過膜1側になるように配置されている。
本例の水素生成装置15は、改質通路2内に、触媒を担持させたもの、触媒を担持させないもの、ガス透過性が異なる部位を有するもの、大きさが異なるものなどを任意に組み合わせた複数の多孔質スペーサー53A〜53Gを配置させているので、多孔質スペーサー53A〜53Gを流通するガスの流速、滞留時間、流れの方向がより複雑に変化し、改質ガスの混合、拡散をより促進することができる。
改質ガスの混合、拡散をより促進することによって、水素透過膜1付近を流通する改質ガス中の水素の量を増加させ、この改質ガス中から選択的に水素透過膜1を透過させる水素の量を増加させることができる。
(実施形態6)
図13は、第6例の実施形態の水素生成装置の一部を模式的に示す斜視図である。図14は、図13のX−X線に沿った断面図である。
図13に示すように、本例の水素生成装置16は、改質通路壁部2a側の面の面積が大きく、この面に対向する面(水素透過膜1側の面)の面積が小さい、対向する2つの面を有し、この2つの面を連結した一対の側面が傾斜した構造の複数の多孔質スペーサー54A〜54Dが改質通路内に配置されている。
この傾斜した側面を有する複数個の多孔質スペーサー54A〜54Dを改質通路2内に配置させることによって、改質通路2内において、水素透過膜1側で大きく、改質通路壁部2a側で小さい、台形状の空間ISが形成される。
次に、図14に基づき、それぞれの多孔質スペーサーについて説明する。
図14に示すように、1つの多孔質スペーサー54Aは、全ての部位で空隙率が同じであり、他の多孔質スペーサー54B〜54Dは、空隙率が大きい部位と空隙率が小さい部位とを有している。
多孔質スペーサー54Bは、ガスの流通方向に平行となるように複数の部位に分けられ、分けられた1つの部位が、更に厚さ方向に、改質通路壁部2a側と、水素透過膜1側の2つの層を有するように分けられている。そして、多孔質スペーサー54Bは、隣り合う部位同士、積層された部位同士で、一方の部位の空隙率が大きく、他方の部位の空隙率が小さくなるように、空隙率の異なる部位が交互に配置されている。
改質通路2に配置される多孔質スペーサー54A〜54Dのうち、ガスの流入側に配置される多孔質スペーサー54A,54Bは、触媒担持層b、Lb,Sbを有し、ガスの流出側に配置される多孔質スペーサー54C,54Dは、触媒非担持層Lc,Sbを有している。
これらの多孔質スペーサー54A〜54Dは、水素透過膜1と接触する部位に接合阻止層aを有している。
また、これらの多孔質スペーサー54A〜54Dは、スペーサー固定体6に固定されている。
本例の水素生成装置16は、改質通路2内において、空隙率が大きい部位と空隙率が小さい部位を複雑に配置した多孔質スペーサー54B〜54C、触媒を担持させた多孔質スペーサー54A,54B、触媒を担持させない多孔質スペーサー54C,54Dなどを任意に組み合わせて、多孔質スペーサー同士の間に台形状の空間を形成するように配置されている。そのため、本例の水素生成装置16は、多孔質スペーサー54A〜54Dを流通するガスの流速、滞留時間、流れの方向を複雑に変化させて、改質ガスの混合、拡散を促し、この改質ガス中から選択的に水素透過膜1を透過させる水素の量を増加させることができる。
(実施形態7)
図15は、第7例の実施形態の水素生成装置の一部を模式的に示す分解斜視図である。
図15に示すように、本例の水素生成装置17は、改質通路2と水素通路3の間に
改質通路2及び水素通路3に沿って複数の水素透過膜11A〜11Dが配置されている。
複数の水素透過膜11A〜11Dは、水素通路3側から多孔体のプレートから成る膜支持体4によって支持されている。また、水素透過膜11A〜11Dと、改質通路壁部2aとの間には、この間隔を埋めるように、複数の多孔質スペーサー55A〜55Dが配置されている。これらの多孔質スペーサー55A〜55Dは、スペーサー固定体6に固定されている。
本例の水素生成装置17は、改質通路2と水素通路3に沿って、複数の水素透過膜11A〜11Dが配置されているので、一部の水素透過膜の性能が劣化したり、破損が生じたりした場合であっても、不具合が生じた一部の水素透過膜のみを交換すればよいので、メンテナンス性を格段に向上させることができる。
本例においては、複数の水素透過膜11A〜11Dが間隔を空けて配置されているので、水素透過膜が存在しない部位から改質ガスが水素通路3内に流入しないように、膜支持体4の水素透過膜が存在しない部位に、ガス透過防止層4aを設けることが好ましい。
また、それぞれの水素透過膜11A〜11Dは、改質通路と水素通路の水素分圧差などによってずれないように、膜支持体4に接合されていることが好ましい。
水素透過膜11A〜11Dと、膜支持体4との接合する方法としては、水素透過膜を構成する材料、水素透過膜の厚さ、膜支持体を構成する材料などによって、溶接や合金化など適宜選択することができる。
本発明の水素生成装置の第1の実施形態を模式的に示す説明図である。 図1に示す水素生成装置の分解斜視図である。 水素透過膜に変形が生じる状態を模式的に示す説明図である。 変形、破損を生じた水素透過膜の光学顕微鏡写真(a:倍率50倍の平面図、b;倍率400倍の平面図)である。 本発明の構成により、変形が抑制された水素透過膜の光学顕微鏡写真(倍率50倍の平面図)である。 多孔質スペーサーを構成する多孔質材の光学顕微鏡写真(a;金属繊維布、b;発泡金属、c;焼結金属)である。 スペーサー固定体の一例を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 本発明の水素生成装置の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明の水素生成装置の第3の実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明の水素生成装置の第4の実施形態を模式的に示す説明図である。 図10に示す水素生成装置の一部を模式的に示す斜視図である。 本発明の水素生成装置の第5の実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明の水素生成装置の第6の実施形態を示し、水素生成装置の一部を模式的に示す斜視図である。 図13のX−X線に沿った断面図である。 本発明の水素生成装置の第7の実施形態を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 水素透過膜
1a 変形部
1a’ 変形部
2 改質通路
2a 改質通路壁部
3 水素通路
3a 水素通路壁部
4 膜支持体
5 多孔質スペーサー
5a 接合阻止層
5b 触媒担持層
6 スペーサー固定体
6a 固定用爪部
10 水素生成装置
11A〜11D 水素透過膜
12〜17 水素生成装置
50A〜50E 多孔質スペーサー
51A〜51D 多孔質スペーサー
52A〜52D 多孔質スペーサー
53A〜53G 多孔質スペーサー
54A〜54D 多孔質スペーサー
55A〜55D 多孔質スペーサー
a 接合阻止層
b 触媒担持層
c 触媒非担持層
Lb 空隙率の大きい触媒担持層
Sb 空隙率の小さい触媒担持層
Lc 空隙率の大きい触媒非担持層
Sb 空隙率の小さい触媒非担持層
IN 台形状の空間

Claims (14)

  1. 並列に隣接して配置された改質通路及び水素通路と、
    上記改質通路と水素通路の間に配置された水素透過膜と、
    上記水素通路側に配置され、上記水素透過膜を支持すると共に、上記水素透過膜を透過した水素を上記水素通路に伝搬する膜支持体と、
    上記改質通路内に配置され、上記水素透過膜に接触して該水素透過膜の変形を抑制すると共に、改質ガスを上記水素透過膜に拡散させる多孔質スペーサーとを備えたことを特徴とする水素生成装置。
  2. 上記多孔質スペーサーが、該多孔質スペーサーを構成する多孔質材の表面の少なくとも一部に触媒を担持させて成ることを特徴とする請求項1に記載の水素生成装置。
  3. 上記多孔質スペーサーを構成する多孔質材が、金属繊維布、発泡金属、焼結金属体、多孔質セラミックから成る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素生成装置。
  4. 上記多孔質スペーサーが、上記水素透過膜に接触する部位に接合阻止層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  5. 上記多孔質スペーサーが、ガス透過性が異なる部位を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  6. 上記多孔質スペーサーのガス透過性が異なる部位は、他の部位と空隙率が異なることを特徴とする請求項5に記載の水素生成装置。
  7. 上記多孔質スペーサーが、上記改質通路に沿って複数配置されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  8. 上記多孔質スペーサーが、互いに間隔を空けて配置されたことを特徴とする請求項7に記載の水素生成装置。
  9. 上記多孔質スペーサー同士の間隔が、上記水素透過膜側と、上記改質通路を構成する壁部側とで異なることを特徴とする請求項8に記載の水素生成装置。
  10. 上記複数の多孔質スペーサーは、1つの多孔質スペーサーのガス透過性と、他の多孔質スペーサーのガス透過性が異なることを特徴とする請求項7〜9に記載の水素生成装置。
  11. 上記複数の多孔質スペーサーは、1つの多孔質スペーサーの空隙率と、他の多孔質スペーサーの空隙率が異なることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  12. 上記複数の多孔質スペーサーは、1つの多孔質スペーサーの大きさと、他の多孔質スペーサーの大きさが異なることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  13. 上記多孔質スペーサーを固定するスペーサー固定体を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
  14. 上記水素透過膜が、上記改質通路及び水素通路に沿って複数配置されたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の水素生成装置。
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