JP2009286265A - 農用車輪 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円環状のリム4と、一端がリムに接続され他端がリムの内側に向けて延びた複数本のスポーク5と、リムの内側においてスポークの他端を接続するボス8と、を有し、スポークは、ボスの中心軸に直交する面に対して傾斜するオフセット部12と、オフセット部に鈍角を形成して連続する延長部13と、を有し、スポークにおけるリムに接続された一端とボスに接続された他端とがボスの軸方向においてずれた位置となるように構成され、オフセット部および延長部における鈍角が形成された側の鈍角形成部分にリブ状の補強板7が固着されている農用車輪。
【選択図】 図2
Description
このような農用機械に取り付けられるように形成されたスポークタイプの農用車輪は、スポークが、オフセットの距離の大きさに対応可能なように、ボスとリムとの間で略S字状に曲げられている(特許文献1)。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、スポークが変形しにくい農用車輪を提供することを目的とする。
前記農用車輪は、前記ボスおよび前記スポークが接続された部分における前記スポークの前記一端が位置する側に、リブ状の第2の補強板が固着されていてもよい。
前記農用車輪は、前記補強板におけるいずれにも固着されない開放された端縁が外方に凸状の形状であるであるのが好ましい。
前記農用車輪は、前記第2の補強板におけるいずれにも固着されない開放された端縁が外方に凸状の形状であるのが好ましい。
好ましくは、農用車輪は、隣り合う前記スポークに固着されて隣り合う前記スポークを連結する連結板を有する。
以下の説明において、農用車輪1の半径方向を半径方向または径方向、農用車輪1が回転する方向を周方向、および農用車輪1の回転中心が延びる方向を軸方向または幅方向という。
農用車輪1は、軟弱地盤を走行する田植機等の農用機械に装着されるオフセットされたスポークタイプの農用車輪であり、鉄車2および弾性輪体3からなる。
鉄車2は、リム4、3本のスポーク5,5,5、連結板6および補強板7,7,7等からなる。
スポーク5は、金属製の管で形成される。スポーク5,5,5は、農用車輪1の回転中心から放射状にそれぞれ120度間隔で、いずれも一端がリム4の内周側に溶接等で接続され、他端がボス8に溶接等により固定されている。各スポーク5は、リム4に接続された一端側でリム4の中心に向けて伸びる外端部11、その後軸方向に傾斜して伸びるオフセット部12、およびオフセット部12に連続し傾斜が解消されて外端部11に平行にボス8にまで伸びる内端部13からなる。つまり、スポーク5は、外端部11とオフセット部12とが、およびオフセット部12と内端部13とがそれぞれ同じ大きさの鈍角を形成して連続し、外端部11と内端部13とが平行となるように形成されて、全体として略S字状となっている。
ここで「オフセット」とは、例えば、環状に形成されたリム4の円中心と農用機械の車軸への取り付け部分とが軸方向について異なることをいい、スポーク5,5,5におけるリム4に接続された一端とボス8に接続された他端とが軸方向について異なる位置になることをいう。
農用車輪1は、オフセット部12により、オフセットさせて農用機械に装着可能となっている。
弾性輪体3は、リム4にゴム等の弾性材料を被覆して焼き付け(加硫接着)することにより形成され、略円環状の形状を有する。弾性輪体3は、周方向に等間隔に複数のラグ15,…,15を備える。
オフセットして装着されるスポークタイプの農用車輪は、農用機械の荷重によって半径方向に加わる圧縮力または軸方向に加わる曲げモーメントにより、スポークに座屈による変形または曲げによる変形が生じ易い。しかし、農用車輪1ではオフセット部12と内端部13とが連続する部分のオフセット側に補強板7が一体化されていることにより、オフセット部12および内端部13における座屈による変形および曲げモーメントによる変形が防止される。
図3は他の農用車輪1Bにおける回転中心およびスポーク5の軸心を含む断面の図である。
農用車輪1Bは、農用車輪1と異なり、補強板7Bがスポーク5におけるオフセット部12の径方向の略全長および内端部13の径方向の略全長の、オフセットされた側の外周に、溶接により固定されている。また、補強板7Bは、オフセットされた側のボス8の外周まで達してボス8にも溶接により固定されている。
農用車輪1Bは、補強板7Bがスポーク5の径方向における広い範囲に設けられ、かつ補強板7Bがボス8にも固着されていることから、農用車輪1に比べて、径方向の圧縮力による座屈による変形および曲げモーメントによるスポーク5,5,5の変形が一層生じ難い。
農用車輪1Cは、スポーク5の外端部11とオフセット部12とが第2補強板16Cにより補強されている点で農用車輪1と異なる。
第2補強板16Cは、金属製の厚板で形成され、補強板7と同様に、全体として鈍角三角形の形状を有し、その斜辺(最長の辺)に該当する端縁が外方に凸状に湾曲している。第2補強板16Cは、補強板7と同一平面上であって、スポーク5の外端部11の径方向中央近傍からオフセット部12の径方向中央近傍までの、オフセットされた側と反対側の外周に、溶接により固定されている。また、第2補強板16Cと補強板7とは、径方向外方からみたときに、軸方向において一部が重複する。
農用車輪1Cは、補強板7によるオフセット部12および内端部13における座屈による変形および曲げモーメントによる変形の防止に加え、第2補強板16Cを備えることにより、外端部11およびオフセット部12における座屈による変形および曲げモーメントによる変形が防止される。
図5は他の農用車輪1Dにおける回転中心およびスポーク5Dの軸心を含む断面の図である。
農用車輪1Dにおける鉄車2は、リム4、3本のスポーク5D、および補強板7D等からなる。
スポーク5Dは、スポーク5と同様に金属製の管で形成される。また、スポーク5Dは、農用車輪1Dの回転中心から放射状にそれぞれ120度間隔で、いずれも一端がリム4の内周側に溶接等で接続され、他端がボス8に溶接等により固定されている。
各スポーク5Dは、リム4に接続され径方向に対して傾斜して回転中心に向けて伸びる第1オフセット部21D、第1オフセット部21Dに連続し軸方向に直交して回転中心に向けて伸びる中央部22D、および中央部22Dに連続し第1オフセット部21Dと略同一角度で径方向に対して傾斜してボス8に接続される第2オフセット部23Dからなる。スポーク5Dは、第1オフセット部21Dと中央部22Dとが、および中央部22Dと第2オフセット部23Dとが鈍角を形成して連続し、第2オフセット部23Dは径方向に対して傾斜してオフセットされた側でボス8の母線と鋭角を形成してボス8に溶接により固定されている。スポーク5Dは、スポーク5とは異なった態様で、全体として略S字状となっている。
補強板7Dは、補強板7と同様に金属製の厚板で形成され、図5に示されるように、全体として略三角形の形状を有する。補強板7Dは、農用車輪1の回転中心およびスポーク5Dの軸心をともに含む平面上で、スポーク5Dの第2オフセット部23Dおよびボス8におけるオフセットされた側のそれぞれの外周に、溶接により固定されている。
補強板7Dは、農用機械の荷重等によりスポーク5Dに対して径方向に加えられる圧縮力により、第2オフセット部23Dの傾斜が増加してスポーク5Dに曲げ変形(座屈変形)が生ずるのを防止する。
図6はオフセットされた側の端縁を凸状に湾曲させた補強板7Eを備えた農用車輪1Eにおける回転中心およびスポーク5Dの軸心を含む断面の図である。
農用車輪1Eにおける農用車輪1Dと同じ構成を有する部分については、図6において図5と同一の符合を付し、その説明を省略する。
第3補強板24Eおよび第4補強板25Eは、いずれも金属製の厚板で形成される。また、第3補強板24Eおよび第4補強板25Eは、いずれも全体として鈍角三角形の斜辺(最長の辺)に該当する端縁が外方に凸状に湾曲した形状を有する。第3補強板24Eおよび第4補強板25Eは、農用車輪1Eの回転中心およびスポーク5Dの軸心をともに含む平面上に設けられている。
第3補強板24Eは、スポーク5Dに対して径方向に加えられる圧縮力により、第1オフセット部21Dおよび中央部22Dに曲げ変形(座屈変形)が生ずるのを防止する。また、第4補強板25Eは、スポーク5Dに対して径方向に加えられる圧縮力により、中央部22Dおよび第2オフセット部23Dに曲げ変形(座屈変形)が生ずるのを防止する。
図7は他の農用車輪1Fにおける回転中心およびスポーク5Fの軸心を含む断面の図である。
農用車輪1Fにおけるスポーク5F、連結板6Fおよび補強板7Fを除くたの部分の構成は、農用車輪1Cにおけるものと同一であり、図7において農用車輪1Cにおけるものと同一の符合を付し、その説明を省略する。
スポーク5Fは、金属製の管で形成される。また、スポーク5Fは、3本が、農用車輪1Fの回転中心から放射状にそれぞれ120度間隔で、いずれも一端がリム4の内周側に溶接等で接続され、他端がボス8に溶接等により固定されている。スポーク5Fは、リム4に接続された一端側でリム4の中心に向けて伸びる外端部11、外端部11に連続し軸方向に直交する平面に対して傾斜して回転中心に向けて伸びるオフセット部12、およびオフセット部12に連続しオフセット部12よりも軸方向に直交する平面に対して緩やかに傾斜してボス8にまで伸びる内端部13Fからなる。スポーク5Fは、外端部11とオフセット部12とが、およびオフセット部12と内端部13Fとが鈍角を形成して連続し、全体として略S字状となっている。
連結板6Fは、農用車輪1における連結板6と同じく正三角形の各頂角を取り除いたような各3つの長い辺および短い辺を有する金属製の六角形の厚板で形成される。連結板6Fは、各短い辺を通ってその中心に伸びた、断面が半円形のスポーク嵌入溝14Fを備えている。連結板6Fは、底辺が正三角形で頂角が大きな、3つのスポーク嵌入溝14Fを斜辺とする四面体の底辺を除いたような形状である。
連結板6Fは、3つのスポーク嵌入溝14Fに嵌め入れられたスポーク5Fおよび孔を貫通するボス8に、溶接により一体化されている。
補強板7Fは、補強板7と同様に金属製の厚板で形成され、全体として略三角形の形状を有する。補強板7Fは、農用車輪1Fの回転中心およびスポーク5Fの軸心をともに含む平面上で、スポーク5Fのオフセット部12および内端部13Fにおけるオフセットされた側のそれぞれの外周に、溶接により固定されている。
補強板7Fは、農用機械の荷重等によりスポーク5Fに対して径方向に加えられる圧縮力により、オフセット部12の傾斜が増加してスポーク5Fに曲げ変形(座屈変形)が生ずるのを防止する。補強板7Fのオフセットされた側の端縁はオフセットされた側の端縁が凸状に湾曲されており、補強板7Fの曲げ変形(座屈変形)に対する抵抗力が増加されている。
上述の実施形態において、連結板6,6Fの形状を、六角形以外の形状とすることができる。例えば円形、三角形または正六角形とすることができ、また、スポークの数に応じてその形状を変更することができる。さらに、連結板6,6Fを一体化されたものではなく、各スポーク5,5,5間で独立したリブで代用することができる。連結板6,6Fまたはリブは、ボス8近辺に設けるのが好ましいが、ボス8から径方向に離れた位置で各スポーク5,5,5を連結させてもよい。
農用機械にオフセットして装着可能な農用車輪とするためにスポークに曲がり部分を設ける場合には、少なくとも1箇所の曲がり部分を設ければ足りる。この場合、曲がり部分の内側(全体として180度未満の角度を形成する側)に補強板7または第2補強板16Cを固着し、スポークが径方向に対して傾斜してボス8に固着されているときは、補強板7Eをスポークおよびボス8に固着することにより、スポークの変形を防止することができる。
4 リム
5,5D,5F スポーク
6,6F 連結板
7,7B,7F 補強板
7D,7E 第2の補強板(補強板)
8 ボス
11 延長部(外端部)
12 オフセット部
13,13F 延長部(内端部)
16C 補強板(第2補強板)
21D オフセット部(第1オフセット部)
22D 延長部(中央部)
23D オフセット部(第2オフセット部)
24E 補強板(第3補強板)
25E 補強板(第4補強板)
Claims (7)
- 円環状のリムと、
一端が前記リムに接続され他端が前記リムの内側に向けて延びた複数本のスポークと、
前記リムの内側において前記スポークの前記他端を接続するボスと、を有し、
前記スポークは、
前記ボスの中心軸に直交する面に対して傾斜するオフセット部と、
前記オフセット部に鈍角を形成して連続する延長部と、を有し、
前記スポークにおける前記リムに接続された前記一端と前記ボスに接続された前記他端とが前記ボスの軸方向においてずれた位置となるように構成され、
前記オフセット部および前記延長部における前記鈍角が形成された側の前記鈍角形成部分にリブ状の補強板が固着されている
ことを特徴とする農用車輪。 - 前記スポークは、
前記オフセット部および前記延長部のいずれかまたはいずれも複数有して前記補強板を2つ以上備えており、
径方向に隣り合う前記補強板が、径方向外方からみたときに、軸方向において一部が重複するように形成された
請求項1に記載の農用車輪。 - 前記ボスおよび前記スポークが接続された部分における前記スポークの前記一端が位置する側に、リブ状の第2の補強板が固着されている
請求項1または請求項2に記載の農用車輪。 - 前記補強板におけるいずれにも固着されない開放された端縁が外方に凸状の形状である
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の農用車輪。 - 円環状のリムと、
一端が前記リムに接続され他端が前記リムの内側に向けて延びた複数本のスポークと、
前記リムの内側において前記スポークの前記他端を接続するボスと、を有し、
前記スポークは、前記ボスの周面に対して鋭角を形成して前記ボスに接続されたオフセット部を有し、
前記スポークにおける前記リムに接続された前記一端と前記ボスに接続された前記オフセット部の端とが前記ボスの軸方向においてずれた位置となるように構成され、
前記ボスおよび前記オフセット部における前記鋭角が形成された側の当該鋭角形成部分にリブ状の第2の補強板が固着されている
ことを特徴とする農用車輪。 - 前記第2の補強板におけるいずれにも固着されない開放された端縁が外方に凸状の形状である
請求項5に記載の農用車輪。 - 隣り合う前記スポークに固着されて隣り合う前記スポークを連結する連結板を有する
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の農用車輪。
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