JP2009284922A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプロケットの外周を大きくすることなく、高速な排出を可能とする排出装置を備えた遊技機を提供することにある。
【解決手段】流下樋71を流下してきた2個の遊技球を、スプロケット170の球保持部172によりスプロケットの径方向に直列に保持する。そして、電気的駆動源190によってスプロケット170を回転させることにより、球保持部172に保持された各遊技球を、スプロケットの回転中心と球保持部172に保持された各遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されている第1排出口181a、第2排出口181bによって、排出する。
【選択図】図9

Description

本発明は、所定の排出条件の成立に基づき、所定数の遊技球を排出する排出装置を備えた遊技機に関する。
従来、流下樋を流下してきた遊技球をスプロケット外周の球保持部に保持し、電気的駆動源によるスプロケットの回転により、当該遊技球を排出する排出装置を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−81265号公報
しかしながら、現在の遊技機は、遊技の多様化により高速な排出速度を必要としているものもある。そして、上記特許文献1に記載の遊技機における排出装置の場合、排出装置のスプロケットの球保持部は、その外周に遊技球を1個しか保持できないため、高速で遊技球を排出するにはスプロケットを高速に回転させるか、さもなければ外周の球保持部を多数設ける必要がある。そして、スプロケットの外周に球保持部を多数設けた場合、スプロケットの外周が大きくなり排出装置も大きくなってしまうという問題があった。
また、スプロケットの外周が大きくなると、当該スプロケットを回転させるモータに関しても回転トルクの大きいものが必要となり、このためコストが高くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、スプロケットの外周を大きくすることなく、高速な排出を可能とする排出装置を備えた遊技機を提供することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、所定の排出条件の成立に基づき、所定数の遊技球を排出する排出装置を備えた遊技機において、
前記排出装置は、
遊技球が一条で流下する流下樋と、
前記流下樋を流下してきた遊技球を保持可能なスプロケットと、
前記スプロケットの下面を覆うベース部材と、
前記スプロケットを回転させる電気的駆動源と、
前記スプロケットに保持された遊技球を前記ベース部材の下方に排出する排出樋と、
を備え、
前記スプロケットは、
外形が略円盤状のスプロケット本体と、
前記スプロケット本体の外周に複数個の遊技球を当該スプロケットの径方向に直列に保持可能に切り欠かれることにより形成された複数の球保持部と、
を備え、
前記ベース部材は、
前記スプロケットの回転中心と、前記スプロケットに保持された各遊技球の球心と、を結んだ各線分の長さを半径とする各同心円上に、各遊技球を排出可能な排出口を備え、
前記回転中心と前記スプロケットに保持された遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、当該線分の長さに応じて配設された排出口が、前記スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、流下樋を流下してきた遊技球は、スプロケットの球保持部によって、複数個の遊技球が当該スプロケットの径方向に直列に保持され、電気的駆動源によってスプロケットを回転させることにより、球保持部に保持された各遊技球は、スプロケットの回転中心と球保持部に保持された各遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されている各排出口によって、排出することができる。
従って、球保持部には複数の遊技球を保持し、当該複数の遊技球を排出することができることとなり、スプロケットの1回転における遊技球の排出個数が多くなり、この結果、遊技球の高速な排出が可能となる。また、複数の遊技球を一の球保持部によって保持することにより、スプロケットの外周に球保持部を多数設ける必要がなくなり、スプロケットの外周を大きくする必要がないので、スプロケットを回転させるモータに負担をかけず、また、回転トルクの大きいモータを使わなくて済むので、コストを抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記スプロケットは、
回転時に、前記球保持部に保持された遊技球の球心が、前記回転中心を通るとともに重力方向に対して垂直な水平面を基準として上下動するように、当該球保持部を配設し、
前記流下樋は、
前記ベース部材の上端に連接されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、スプロケットは、回転時に、球保持部に保持された遊技球の球心が、回転中心を通るとともに重力方向に対して垂直な水平面を基準として上下動するように、当該球保持部を配設するとともに、流下樋は、ベース部材の上端に連接したので、流下樋を流下してきた遊技球を、球保持部を形成する切り欠きが上側を向いた状態で保持することができることとなり、重力を利用して、当該球保持部に遊技球をスムーズに保持することができる。また、球保持部を形成する切り欠きが上側を向いた状態で保持した遊技球は、その後、スプロケットを回転させることにより、重力に逆らうことなく排出が可能となり、遊技球の排出もスムーズに行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機であって、
前記排出口は、
前記スプロケットが90度回転する間に、一の球保持部に保持された複数の遊技球を排出可能な位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、排出口を、スプロケットが90度回転する間に、一の球保持部に保持された複数の遊技球を排出可能な位置にそれぞれ配置したので、流下樋を流下してきた遊技球をすぐさま排出することができる。
また、スプロケットが1回転する間に球保持部に保持される遊技球の個数を少なくすることが可能となり、このためスプロケットの回転モーメントを小さくすることができる。すなわち、回転トルクの大きいモータを使わなくても済むので、コストを抑えることができる。
本発明によれば、流下樋を流下してきた遊技球は、スプロケットの球保持部によって、複数個の遊技球が当該スプロケットの径方向に直列に保持され、電気的駆動源によってスプロケットを回転させることにより、球保持部に保持された各遊技球は、スプロケットの回転中心と球保持部に保持された各遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されている各排出口によって、排出することができる。
従って、球保持部には複数の遊技球を保持し、当該複数の遊技球を排出することができることとなり、スプロケットの1回転における遊技球の排出個数が多くなり、この結果、遊技球の高速な排出が可能となる。また、複数の遊技球を一の球保持部によって保持することにより、スプロケットの外周に球保持部を多数設ける必要がなくなり、スプロケットの外周を大きくする必要がないので、スプロケットを回転させるモータに負担をかけず、また、回転トルクの大きいモータを使わなくて済むので、コストを抑えることができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から9を用いて説明を行う。
図1,2に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に、図3に示すような遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置52(図4に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
また、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側には、遊技機100としての諸機能を実現するための機構として、例えば、島設備より供給される遊技球を貯留する貯留タンク101や、該貯留タンク101から、遊技球を流下誘導する遊技球誘導部材102,103が設けられている。また、球貸要求に応じた球排出や賞球排出を行う排出装置70や、該排出装置70から排出された遊技球を上皿153に誘導する排出流路104が設けられている。さらに、遊技盤1に設けられた各種入賞口へ入賞して回収された遊技球や何れの入賞口にも入賞せずにアウト口から回収された遊技球を機外の回収球搬送路へ導く遊技球回収機構などが設けられている。また、遊技盤1に設けた遊技装置の動作制御などを行うことで遊技の進行を統括的に制御する遊技制御装置30、液晶表示装置などを備え、変動表示ゲームなどを表示する演出表示装置13、球排出や打球の発射制御を行う排出発射制御装置50、各部へ所定の電源を供給する電源供給装置60等が設けられている。
遊技盤1は、図3に示すように、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普通図柄始動ゲート4と、普通図柄変動表示ゲームの未処理回数を表示する普通図柄記憶表示器6(図4に図示)、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普通図柄表示器5(図4に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7と、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特別図柄記憶表示器8、特別図柄変動表示ゲームを表示する特別図柄表示器9(図4に図示)が設けられている。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普通図柄始動ゲート4内には、該普通図柄始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ4aが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普通図柄始動ゲート4内を通過すると、普通図柄変動表示ゲームが行われる。また、普通図柄変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普通図柄変動表示ゲームが行われ、その普通図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、普通図柄変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普通図柄始動ゲート4を遊技球が通過すると、普通図柄始動記憶数の上限数未満でならば、普通図柄始動記憶数が1加算されて普通図柄始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普通図柄変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普通図柄記憶表示器6にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
普通図柄変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる普通図柄表示器5で実行されるようになっている。なお、演出表示装置13の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普通図柄の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特別図柄の変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図4に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた特図始動センサ7dによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特別図柄変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶される。従って、特別図柄変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特別図柄変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特別図柄変動表示ゲームが行われ、その特別図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特別図柄変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特別図柄変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特別図柄変動表示ゲームが開始される。なお、特別図柄変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特別図柄記憶表示器8にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
補助遊技としての特別図柄(特図、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特別図柄表示器9(図4に図示)で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、演出表示装置13にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄変動表示ゲームに対応した表示ゲームが実行されるようになっている。そして、この特別図柄変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して演出表示装置13の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特別図柄表示器9を備えずに、演出表示装置13のみで特別図柄変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、遊技領域1aの略中央には、特別図柄変動表示ゲームの表示領域となる矩形状の表示窓部14を形成するセンターケース15が取り付けられている。このセンターケース15に形成された表示窓部14の後方には、演出表示装置13が配されるようになっている。この演出表示装置13は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な画像表示面13aがセンターケース15の表示窓部14を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、演出表示装置13は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉10aは、例えば、ソレノイド(大入賞口開閉SOL10b、図4に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントセンサ10cが配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ12aが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置70によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、図4に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御するメイン制御装置(遊技制御装置)30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置(演出制御装置)40、排出装置70による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置(排出発射制御装置)50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
メイン制御装置(遊技制御装置)30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特別図柄変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7に設けられた特図始動センサ7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特別図柄変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特別図柄変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ7d、普図始動センサ4a、一般入賞口センサ12a,12a,…、カウントセンサ10c、などが接続されている。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。さらに、入出力インタフェース33には、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別図柄表示器9、特別図柄記憶表示器8、普通図柄表示器5、普通図柄記憶表示器6、大入賞口開閉SOL10b、普電開閉SOL7b、遊技機外部の管理装置などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
サブ制御装置(演出制御装置)40は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、メイン制御装置(遊技制御装置)30から受信した演出制御データに基づいて(メイン制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。サブ制御装置(演出制御装置)40が制御を行うものとしては、例えば、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144の点灯、点滅や、スピーカ145,157から出力される効果音、並びに、演出表示装置13の表示内容がある。
サブ制御装置(排出発射制御装置)50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、メイン制御装置(遊技制御装置)30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置70に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行ようになっており、サブ制御装置(排出発射制御装置)50には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、メイン制御装置(遊技制御装置)30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御装置においては、例えば以下のような制御が行われる。
メイン制御装置(遊技制御装置)30のCPU31aでは、普通図柄始動ゲート4に備えられた普図始動センサ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普通図柄の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普通図柄表示器5に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普通図柄表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普通図柄表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7に備えられた特図始動センサ7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特別図柄の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特別図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、サブ制御装置(演出制御装置)40に出力する。そして、特別図柄表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特別図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ制御装置(演出制御装置)40では、メイン制御装置(遊技制御装置)30からの制御信号に基づき、演出表示装置13で特別図柄変動表示ゲームに対応した表示ゲームを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED144を制御する処理を行う。
そして、メイン制御装置(遊技制御装置)30のCPU31aは、特別図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特別図柄表示器9に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口開閉SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間か経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特別図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特別図柄表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、メイン制御装置(遊技制御装置)30のCPU31aは、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ7d、カウントセンサ10c、一般入賞口センサ12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、サブ制御装置(排出発射制御装置)50に制御信号(賞球数データ)を出力する。サブ制御装置(排出発射制御装置)50は、制御信号の入力に基づき排出装置70を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、サブ制御装置(排出発射制御装置)50は、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されている間は、発射装置52を動作させて遊技球を発射する制御を行う。また、タッチセンサ54から信号が入力されている間であっても、操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53からの入力信号が入力されている場合は、発射装置52を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
次に、排出装置70の詳細について図5から9を参照して説明する。
図5、6に示すように、排出装置70は、略矩形箱状の第1ケース80と、第2ケース90と、を備え、内部に各種部材を収容可能な空間を有する略直方体状に形成されている。そして、この第1ケース80と、第2ケース90と、から形成される内部の空間には、遊技球が一条で流下する流下樋71と、遊技球を保持可能なスプロケット170と、該スプロケット170の下面を覆うベース部材180と、該スプロケット170を回転させる電気的駆動源190と、遊技球をベース部材180の下方に排出する排出樋200と、が備えられている。
図5、6に示すように、第1ケース80は、底壁81と該底壁81の周囲に沿って底壁81に対して垂直に形成された周囲壁82とを備え、該周囲壁82で囲まれた内部には、底壁81に対して垂直な板状の収納壁83が形成されている。
周囲壁82は、第1ケース80の上面を形成する上周囲壁82aと、第1ケース80の下面を形成する下周囲壁82bと、第1ケース80の左側面を形成する左周囲壁82cと、第1ケース80の右側面を形成する右周囲壁82dと、を備えている。
そして、この上周囲壁82aには、第1ケース80と、第2ケース90と、を組み合わせた際、断面コ字状の流下樋71を挟着可能な略矩形状の切欠82a1が形成されている。
また、周囲壁82の四隅には、第1ケース80と、第2ケース90と、を組み合わせた際に、ビス止めを行うためのビス止め孔82e,82e,…が備えられている。
収納壁83は、一側が開口した断面コ字状の流下樋71の開口面を覆うための第1収納壁83aと、ベース部材180を収納するための第2収納壁83b及び第3収納壁83cと、から構成されている。
第1収納壁83aは、流下樋71の長さに略等しい幅の壁であり、切欠82a1のうち流下樋71の開口面に対向する一辺と重なる位置から底壁81に対して垂設されて構成されている。また、第2収納壁83bは、その一端が第1収納壁83aの下端と当接するとともに、他端が左周囲壁82cに当接するように配設されている。また、第2収納壁83bは、その一端が当接する第1収納壁83aの下端から他端が当接する左周囲壁82cに対して、斜め下方に傾斜するように配設されている。また、第3収納壁83cは、第2収納壁83bと平行に配設されており、その一端は右周囲壁82dに当接するとともに、他端は左周囲壁82cに当接するように配設されている。また、第3収納壁83cの長手方向の一側には、スプロケット170に備えられたボス173の側面が嵌合する切欠83c1が形成されている。
図5、6に示すように、第2ケース90は、底壁91と、該底壁91の周囲に沿って底壁91に対して垂直に形成された周囲壁92と、を備え、該周囲壁92で囲まれた内部には、第1ケース80に備えられた収納壁83と同様の収納壁(図示省略)が、収納壁83に対向する位置に底壁91に対して垂設されている。
周囲壁92の四隅には、略四半円弧状の窪部92a,92a,…が形成されるとともに、第1ケース80と第2ケース90とを固着するためのビス止め部92b,92b,…が形成されている。また、周囲壁92の上面には、第1ケース80と、第2ケース90と、を組み合わせた際、断面コ字状の流下樋71を挟着可能な略矩形状の切欠92cが形成されている。
図6、7に示すように、スプロケット170は、外形が略円盤状のスプロケット本体171と、スプロケット本体171の外周に形成された球保持部172と、電気的駆動源190のモータ軸192を支持するボス173と、を備えている。
球保持部172は、スプロケット本体171の回転中心から放射状に60度間隔で、スプロケット本体171の外周に2個の遊技球を当該スプロケット170の径方向に直列に保持可能に切り欠かれることにより6個形成されている。また、この球保持部172の切り欠きの深さは、遊技球の半径の3倍の長さとなっている。従って、球保持部172に遊技球が2個保持された際、球保持部172の外側に保持された遊技球の半分は、当該球保持部172からはみ出た状態となる(図7参照)。
ボス173は、スプロケット本体171の下面に垂設されており、このボス173の軸心はスプロケット170の回転軸と一致するように形成されている。
図6、8に示すように、流下樋71は、遊技球が一条で流下可能な程度の幅を有するとともに、一側が開口した断面コ字状の樋で構成されている。また、流下樋71の下端は、第2収納壁83b及び第3収納壁83cの傾斜に対向して配設されるベース部材180の傾斜上側の端部に連接されている。
図6〜8に示すように、ベース部材180は、スプロケット170の下面を覆う円形状のベース本体181と、ベース本体181平面の円周縁部を囲う防護壁182と、を備えている。また、ベース部材180は、左周囲壁82c、第2収納壁83b、第3収納壁83c、及び、右周囲壁82dにより囲まれた空間に収納されるように、ベース本体181平面が第2収納壁83b及び第3収納壁83cの傾斜に対向するように配設されている。
ベース本体181は、スプロケット170の外形よりも大きい円形平板部材により構成されている。また、ベース本体181の傾斜上側の端部は、遊技球1/2個分程度、上方に延出しており、流下樋71の下端に連接するようになっている。また、ベース本体181は、その平面上に、球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172の外側に保持された遊技球を排出する第1排出口181aと、球保持部172の内側に保持された遊技球を排出する第2排出口181bと、を備えるとともに、ベース本体181の略中央には、スプロケット170の下面に備えられたボス173を挿通する貫通孔181cを備えている。
第1排出口181aは、球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172の外側に保持された遊技球の球心と、スプロケット170の回転中心と、を結ぶ線分の長さを半径とするベース本体181平面の円周上に、且つ、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端(スプロケット170の回転方向の上流)から時計回り方向に30度回転した位置に配設されている。従って、第1排出口181aは、スプロケット170が時計回り方向に90度回転する間に、流下樋71を流下して一の球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172の外側に保持された遊技球を排出可能な位置に配置したこととなる。
第2排出口181bは、球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172の内側に保持された遊技球の球心と、スプロケット170の回転中心と、を結ぶ線分の長さを半径とするベース本体181平面の円周上に、且つ、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端(スプロケット170の回転方向の上流)から時計回り方向に60度回転した位置に配設されている。従って、第2排出口181bは、スプロケット170が時計回り方向に90度回転する間に、流下樋71を流下して一の球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172の内側に保持された遊技球を排出可能な位置に配置したこととなる。
防護壁182は、ベース本体181の平面上に、遊技球の直径の長さ程度分の高さを有して垂設されており、スプロケット本体171の外周を囲う第1防護壁182aと、第1防護壁182aよりもさらにその外側を遊技球の半径の長さ分程度膨出して配設された第2防護壁182bと、を備えている。より具体的には、第2防護壁182bは、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端から時計回り方向に30度回転する間の円周上に配設されており、第1排出口181aの縁を囲うように配設されている。
そして、このベース部材180に取り付けられたスプロケット170は、上述したように、所定の傾斜角で第1ケース80内の収納壁83で囲まれた空間に収納されることとなり、スプロケット170は、回転時に、球保持部172に保持された遊技球の球心が、スプロケット170の回転中心を通るとともに重力方向に対して垂直な水平面を基準として上下動するように、当該球保持部172を配設したこととなる(図7参照)。
図6に示すように、電気的駆動源190は、スプロケット170を回転させるためのステッピングモータ191と、ステッピングモータ191による動力をスプロケット170に伝達するモータ軸192と、ステッピングモータ191を第1ケース80に固定するためのモータ固定部193と、を備えている。
モータ固定部193は、略矩形の平板部材で構成され、ステッピングモータ191を固定する平面部193aと、平面部193aの端部を折り曲げて形成される折曲部193bと、を備えている。そして、この平面部193aには、モータ軸192が貫通された状態でステッピングモータ191が固定されている。また、平面部193aには、ビス止め孔193a1,193a1が備えられており、ビス止めにより、モータ固定部193を第1ケース90に配設された収納壁83に取り付け可能となっている。また、折曲部193bにも、ビス止め孔(図示省略)が備えられており、ビス止めにより、当該ビス止め孔(図示省略)を介して、第1ケース80の内壁に備えられたビス止め孔(図示省略)に取り付け可能となっている。
図6〜8に示すように、排出樋200は、第1排出口181a及び第2排出口181bから排出された遊技球を流入させる第1排出部201と、第1排出部201に排出された遊技球を一条で排出可能な程度の直径を有する円筒状の樋で構成された第2排出部202と、を備えている。
以上のことから、所定の排出条件の成立に基づき、所定数の遊技球を排出する排出装置70を備えた遊技機100において、排出装置70は、遊技球が一条で流下する流下樋71と、流下樋71を流下してきた遊技球を保持可能なスプロケット170と、スプロケット170の下面を覆うベース部材180と、スプロケット170を回転させる電気的駆動源190と、スプロケット170に保持された遊技球をベース部材180の下方に排出する排出樋200と、を備え、スプロケット170は、外形が略円盤状のスプロケット本体171と、スプロケット本体171の外周に2個の遊技球を当該スプロケット170の径方向に直列に保持可能に切り欠かれることにより形成された6つの球保持部172と、を備え、ベース部材180は、スプロケット170の回転中心と、スプロケット170に保持された各遊技球の球心と、を結んだ各線分の長さを半径とする各同心円上に、各遊技球を排出可能な第1排出口181a、第2排出口181bを備え、スプロケット170の回転中心とスプロケット170に保持された遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、当該線分の長さに応じて配設された第1排出口181a、第2排出口181bが、スプロケット170の回転方向の上流側から順に配設されたこととなる。
以上のような排出装置70は、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側に配されており、遊技球を貯留する貯留タンク101から、遊技球を流下誘導する遊技球誘導部材102,103を介して遊技球が供給されるようになっている。遊技球誘導部材103の内部には、遊技球を一列に整列させて流下する流下路が形成されている。そして、排出装置70は、遊技制御装置30の制御の下、排出発射制御装置50により制御されて所定数の遊技球を排出し、排出された遊技球は排出流路104を通って上皿153へ誘導されるようになっている。
この排出装置70は、ステッピングモータ191により、スプロケット170を平面視時計回り方向に回転駆動することで所定数の遊技球を排出するようになっている。まず、図7、9(a)に示すように、一の球保持部172が最頂点に位置する状態では、流下樋71を流下してきた遊技球は、重力により、最頂点に位置する当該一の球保持部172へ2個受け入れられる。また、このとき、当該一の球保持部172に保持された2個の遊技球に連なる3番目、4番目の遊技球は、流下樋71内で規制された状態となる。
そして、この状態から、スプロケット170を時計回り方向に30度回転させると、図9(b)に示すように、スプロケット170の回転に伴って、球保持部172に保持された2個の遊技球もまた時計回り方向に30度回転する。そして、このとき、球保持部172に保持された2個の遊技球のうち、球保持部172に保持された外側の遊技球は、ベース本体181に形成された第1排出口181aと対向する位置に移動するため、当該球保持部172に保持された外側の遊技球は、第1排出口181aを通過し、排出樋200に排出されるようになっている。
そして、さらにスプロケット170を時計回り方向に30度回転させると、図9(c)に示すように、スプロケット170の回転に伴って、球保持部172に残っている内側の遊技球もまた時計回り方向に30度回転する。そして、このとき、球保持部172に残っている内側の遊技球は、ベース本体181に形成された第2排出口181bと対向する位置に移動するため、当該球保持部172に保持された内側の遊技球は、第2排出口181bを通過し、排出樋200に排出されるようになっている。また、このとき、スプロケット170の一の球保持部172が、最頂点に位置する状態となり、それまで流下樋71内で流下が規制されていた3番目、4番目の遊技球が、重力により、最頂点に位置する当該一の球保持部172へ受け入れられ、以降、図9(a)〜(c)の動作を繰り返すことにより、球保持部172に保持された遊技球は、第1排出口181a、第2排出口181bを通過し、排出樋200に排出されることとなる。
以上のように、本実施例における排出装置70を備える遊技機100によれば、流下樋71を流下してきた遊技球は、スプロケット170の球保持部172によって、2個の遊技球が当該スプロケット170の径方向に直列に保持され、電気的駆動源190によってスプロケット170を回転させることにより、球保持部172に保持された各遊技球は、スプロケットの回転中心と球保持部172に保持された各遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されている第1排出口181a、第2排出口181bによって、排出することができる。
従って、球保持部172には複数の遊技球を保持し、当該複数の遊技球を排出することができることとなり、スプロケットの1回転における遊技球の排出個数が多くなり、この結果、遊技球の高速な排出が可能となる。また、複数の遊技球を一の球保持部によって保持することにより、スプロケットの外周に球保持部を多数設ける必要がなくなり、スプロケットの外周を大きくする必要がないので、スプロケットを回転させるモータに負担をかけず、また、回転トルクの大きいモータを使わなくて済むので、コストを抑えることができる。
また、スプロケット170は、球保持部172に保持された遊技球の球心が、スプロケット170の回転中心を通るとともに重力方向に対して垂直な水平面を基準として上下動するように、当該球保持部172を配設するとともに、流下樋71は、ベース部材180の上端に連接したので、流下樋71を流下してきた遊技球を、球保持部172を形成する切り欠きが上側を向いた状態で保持することができることとなり、重力を利用して、当該球保持部172に遊技球をスムーズに保持することができる。また、球保持部172を形成する切り欠きが上側を向いた状態で保持した遊技球は、その後、スプロケット170を回転させることにより、重力に逆らうことなく排出が可能となり、遊技球の排出もスムーズに行うことができる。
また、第1排出口181a、第2排出口181bは、スプロケット170が90度回転する間に、一の球保持部172に保持された2個の遊技球を排出可能な位置に配置したので、流下樋71を流下してきた遊技球をすぐさま排出することができる。
また、スプロケットが1回転する間に球保持部に保持される遊技球の個数を少なくすることが可能となり、このためスプロケットの回転モーメントを小さくすることができる。すなわち、回転トルクの大きいモータを使わなくても済むので、コストを抑えることができる。
さらに、最頂点に位置する一の球保持部172で受け入れた2個の遊技球を、スプロケット170が90度回転する間に排出可能としたので、当該球保持部172に直列に保持された遊技球の位置が変化せず、第1排出口181a、第2排出口181bへ各遊技球をスムーズに排出することができる。
なお、以上の実施形態においては、電気的駆動源190としてステッピングモータ191を用いたが、これに限られるものではなく、ロータリーソレノイド、モータなどを用いても良い。
また、排出口は、第1排出口181aを、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端(スプロケット170の回転方向の上流)から時計回り方向に30度回転した位置に配設し、第2排出口181bを、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端(スプロケット170の回転方向の上流)から時計回り方向に60度回転した位置に配設したが、これに限らず、排出口の外形を、遊技球を2個排出可能な長孔とし、流下樋71の下端と連接するベース本体181の上端(スプロケット170の回転方向の上流)から時計回り方向に30度回転した位置に、当該長孔を形成し、一度に2個の遊技球を排出可能としても良い。
また、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明を適用した一実施の形態の構成を示す遊技機の正面図である。 遊技機の裏面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。 排出装置の第2ケース側から見た斜視図である。 排出装置の第2ケース側から見た分解斜視図である。 排出装置の第1ケース及び第2ケースを取り外した状態の斜視図である。 (a)ベース部材に流下樋及び排出樋を連接した状態の正面図、(b)図8(a)の側面図である。 排出装置の第1ケース及び第2ケースを取り外した状態の平面図であって、(a)球保持部に遊技球が流入した状態を示す図、(b)球保持部に保持された遊技球が回転し、球保持部に保持された外側の遊技球が排出された状態を示す図、(c)球保持部に保持された遊技球が回転し、球保持部に保持された内側の遊技球が排出された状態を示す図である。
符号の説明
100 遊技機
70 排出装置
71 流下樋
170 スプロケット
171 スプロケット本体
172 球保持部
180 ベース部材
181a 第1排出口(排出口)
181b 第2排出口(排出口)
190 電気的駆動源
200 排出樋

Claims (3)

  1. 所定の排出条件の成立に基づき、所定数の遊技球を排出する排出装置を備えた遊技機において、
    前記排出装置は、
    遊技球が一条で流下する流下樋と、
    前記流下樋を流下してきた遊技球を保持可能なスプロケットと、
    前記スプロケットの下面を覆うベース部材と、
    前記スプロケットを回転させる電気的駆動源と、
    前記スプロケットに保持された遊技球を前記ベース部材の下方に排出する排出樋と、
    を備え、
    前記スプロケットは、
    外形が略円盤状のスプロケット本体と、
    前記スプロケット本体の外周に複数個の遊技球を当該スプロケットの径方向に直列に保持可能に切り欠かれることにより形成された複数の球保持部と、
    を備え、
    前記ベース部材は、
    前記スプロケットの回転中心と、前記スプロケットに保持された各遊技球の球心と、を結んだ各線分の長さを半径とする各同心円上に、各遊技球を排出可能な排出口を備え、
    前記回転中心と前記スプロケットに保持された遊技球の球心とを結ぶ線分の長さが大きい方から順に、当該線分の長さに応じて配設された排出口が、前記スプロケットの回転方向の上流側から順に配設されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記スプロケットは、
    回転時に、前記球保持部に保持された遊技球の球心が、前記回転中心を通るとともに重力方向に対して垂直な水平面を基準として上下動するように、当該球保持部を配設し、
    前記流下樋は、
    前記ベース部材の上端に連接されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記排出口は、
    前記スプロケットが90度回転する間に、一の球保持部に保持された複数の遊技球を排出可能な位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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