以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前方は遊技者側を、後方は遊技機側を示す。また、図中FRはパチンコ機の前方を、図中UPはパチンコ機Pの上方をそれぞれ示している。左右方向はパチンコ機Pを前方(遊技者側)から見た左右方向に対応している。また、図2〜図4及び図9〜図13では、球送り装置23の駆動部90の図示は省略している。
[遊技機の概略構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機P(弾球遊技機)は、遊技ホールの島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設された前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられた遊技球を収容する球受皿5と球送り装置23とハンドル7と大径の遊技球を収容する大球収容部(図示省略)と、前面枠2内下部に設けられた球発射装置9と小径の遊技球を収容する小球収容部(図示省略)等を具備している。また、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
[遊技機の前面側の構成]
図1及び図2に示すように、遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有し、前面枠2に遊技盤3を装着すると、ガラス板10から遊技領域31を観察することができるようになっている。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、球発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置(表示画面)34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、始動入賞口37と、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示省略)と、風車(図示省略)と、アタッカー装置41が設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
また、特別図柄表示装置17は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46(図8参照)が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普通図柄当たりのときには一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、始動入賞口37の入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、始動入賞口37の入口を拡大するようになっている。ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には始動入賞口37が配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で始動入賞口37へと導かれる。
アタッカー装置41は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41が開放すると、大入賞口42が露呈し、そこに遊技球が入賞することで多くの賞球が獲得できるようになっている。また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、始動入賞口37や一般入賞口38に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、始動入賞口37、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43〜45(図8参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な球受皿5と、球送り装置23と、ハンドル7と、大球収容部(図示省略)と、が取り付けられている。この球受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、球払出装置14(図7及び図8参照)から払い出された遊技球も収容可能となっている。球払出装置14又は球払出装置14から球受皿5への遊技球の払出通路には、払い出した遊技球を検知するための遊技球払出センサ47(図8参照)が設けられている。球受皿5は、後下方へ傾斜して延びる流下通路の球供給部24を有する。球受皿5に収容された遊技球は、球供給部24を流下し、球送り装置23に供給される。また、前面ボード6には、球送り装置23から排出された大径の遊技球を収容する大球収容部(図示省略)が設けられている。
球送り装置23は、図3〜図5に示すように、円盤カバー(第1固定板)50と、円盤押さえ60と、円盤70と、円盤台(第2固定板)80と、大球排出部(大球排出手段)85と、軸86と、駆動部(駆動手段)90(図5参照)と、を有する。
円盤カバー50は、略半円板状であり、中央に固定部材(図示省略)が挿通する固定部材挿通孔51を有する。また、円盤カバー50は、上部に、流入孔52を形成する略U字状の流入孔形成部53を一体的に有する。流入孔52の前端は、球供給部24の後端と連通する。
円盤押さえ60は、略X字状の部材であり、上下左右に後述する円盤70の筒状壁72の前端部が挿通する筒状壁挿通孔61を有する。また、円盤押さえ60は、中央に軸86が挿通する円盤押さえ軸孔62を有する。円盤押さえ軸孔62を挟んで相対向する位置には、固定部材(図示省略)が挿通する固定部材挿通孔63が設けられる。
円盤70は、略円板上の回転板71を有する。また、円盤は、回転板71の前面の上下左右の4箇所から前方へ突出する略筒状の筒状壁72を一体的に有する。筒状壁72は、内部に単数の遊技球を収容する球収容部73を区画する。球収容部73は、前方の小径側の開口端部から後方の大径側の開口端部に向けて末広がり形状(ラッパ状)に形成される。円盤70は、回転板71の中央に軸86が挿通する円盤軸孔75を有する。円盤70は、回転板71の前面から前方へ突出する略筒状の2つの円盤押さえ固定部76を、円盤軸孔75を挟んで相対向する位置に有する。円盤押さえ固定部76は、内部に固定部材と嵌合する嵌合孔76aを区画する。また、円盤70は、図5に示すように、回転板71の後面の中央から後方へ突出する略筒状の円盤ギヤ部78を一体的に有する。円盤ギヤ部78の外周面には、前後方向に延びる畝条の突起部(図示省略)が一体的に複数形成されている。円盤ギヤ部78は、軸86が挿通する円盤ギヤ部軸孔78aを内部に区画する。円盤ギヤ部軸孔78aの前端は、円盤軸孔75の後端と連通する。
円盤台80は、略円板状であり、中央に軸86が挿通する円盤台軸孔81を有し、また、外周部に3箇所のフランジ部82を有する。各フランジ部82は、中央に固定孔82aを有する。
軸86は、略円筒状であり、前面ボードに固定され、前面ボード6から前方へ突出する。軸86は、内部に固定部材(図示省略)と嵌合する嵌合孔86aを区画する。
駆動部90は、図5に示すように、モータ(図示省略)と、モータを収容するモータ収容部91と、モータギヤ部92と、駆動部固定台93と、を有する。モータ(図示省略)は、モータ本体と駆動軸とを有する。モータ収容部91は、略円筒状で内部にモータ本体を収容する。モータギヤ部92は、略円板状であり、モータの駆動軸に取付けられ、モータ収容部91の前端から突出する。モータギヤ部92の外周面には、前後方向に延びる畝条の突起部(図示省略)が一体的に複数形成され、円盤70の円盤ギヤ部78と連結する。駆動部固定台93は、モータ収容部91の後端に一体的に形成される略長方板状体であり、四方に固定部材、例えばネジが挿通する固定部材挿通孔94が設けられる。駆動部90は、駆動部固定台93の固定部材挿通孔94にネジ(図示省略)が挿通し、ネジが前面ボードに設けられたネジ孔(図示省略)と螺合すると、前面ボードに固定される。
円盤台80の円盤台軸孔81に軸86が挿通し、円盤台80のフランジ部82の固定孔82aに固定部材、例えばネジ(図示省略)が挿通し、ネジが前面ボード6に設けられたネジ孔(図示省略)に螺合すると、円盤台80は前面ボード6に相対回転不能に固定される。また、円盤カバー50の固定部材挿通孔51に固定部材(図示省略)が挿通し、軸86の嵌合孔86aと嵌合すると、円盤カバー50は軸86に相対回転不能に固定される。以上のように、円盤カバー50と円盤台80と軸86とは、固定体87を構成する。固定体87は、円盤カバー50の流入孔52の前端が球供給部24の後端と連通するように、また、後述する円盤台80の流出孔84の後端が球発射装置9の球受入部207と連通するように球供給部24と球発射装置9に対して固定される。
円盤押さえ60は、円盤押さえ60の筒状壁挿通孔61に円盤の筒状壁72が挿通し、固定部材(図示省略)が円盤押さえ60の固定部材挿通孔63に挿通して円盤70の円盤押さえ固定部76の嵌合孔76aと嵌合すると、円盤70に固定される。円盤70と円盤に固定された円盤押さえ60とは、回転体88を構成する。
回転体88は、円盤カバー50と円盤台80との間において、円盤70の円盤軸孔75と円盤ギヤ部軸孔78aと円盤押さえ60の円盤押さえ軸孔62とに軸86が挿通すると、固定体87に回転自在に支持される。回転体88は、駆動部90のモータが駆動し、モータギヤ部92から円盤ギヤ部78に駆動力が伝達されると図3及び図4における時計回り方向に回転する。モータの回転は所定の間隔で回転体88が90度ずつ間欠的に回転するように後述する発射制御処理部13によって制御される。回転体88が回転することによって、回転体88の球収容部73は、その前端が円盤カバー50の流入孔52の後端と連通し、流入孔52から遊技球を受け入れる第1回転位置と、第1回転位置から上記時計回り方向に90度回転した第2回転位置と、第2回転位置から上記時計回り方向に90度(第1回転位置から180度)回転した第3回転位置と、第3回転位置から上記時計回り方向に90度(第1回転位置から270度)回転した第4回転位置を順次経由する。
円盤カバー50は、上述のように略半円板状のため、回転体88が固定体87に回転自在に支持されると、第4回転位置の球収容部73を露出させる。また、円盤カバー50と円盤台80は、回転体88の上記第1回転位置から第2回転位置への移動途中と第2回転位置から第3回転位置への移動途中における球収容部73の前後端を閉鎖するため、球収容部73に収容されている遊技球の上記移動途中における前方及び後方への脱落を阻止する。
また、円盤台80は、図3及び図5に示すように、上記第2回転位置の球収容部73に対応して配置される小球排出孔83を有する。小球排出孔83の前端は、第2回転位置の球収容部73の後端と連通する。小球排出孔83の後端は、前面枠2内下部に設けられ小径の遊技球を収容する小球収容部(図示省略)と連通する。小球排出孔83は、基準最小径、すなわち基準径よりも所定長小径以下の遊技球(小径の遊技球)の挿通を許容し、且つ基準最小径を超える遊技球の挿通を阻止する大きさに設定されている。また、円盤台80は、上記第3回転位置の球収容部73に対応して配置される流出孔84を有する。流出孔84の前端は、第3回転位置の球収容部73の後端と連通する。流出孔84の後端は、後述する球発射装置9の球受入部207に連通する。流出孔84は、基準最大径(すなわち、基準最小径よりも大径で、且つ、基準径よりも所定長大径)以下の遊技球の挿通を許容し、基準最大径を超える遊技球(大径の遊技球)の挿通を阻止する大きさに設定されている。
大球排出部85は、上記第4回転位置の球収容部73に対応して配置され、第4回転位置の球収容部73に向かって円盤台80から前方へ突出する排出突起85aを有する。排出突起85aは、略四角錐台状であり、円盤台80に一体的に形成される。
また、円盤70の筒状壁72の側壁には、球収容部73が上記第3回転位置から第4回転位置を経由して第1回転位置へ移動する際に、排出突起85aの挿通及び球収容部73への進入を許容する2つの突起挿通溝74が相対向する位置に形成されている。突起挿通溝74は、矩形状であり、筒状壁72の側壁の略中央から回転板71に向かって後方へ延びる。回転板71の筒状壁72間には、円周方向に延び、各筒状壁72の突起挿通溝74の後端と連続し、円盤台80の排出突起85aの挿通を許容する回転体突起挿通溝77が形成されている。
図1及び図2に説明を戻すと、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための球発射装置9が前面枠2内下部に取り付けられる。
図6に示すように、球発射装置9は、発射アーム200、ロータリーソレノイド201、第1ストッパ202、第2ストッパ203、球セット部204及びベース板205から構成されている。ロータリーソレノイド201、第1ストッパ202、第2ストッパ203及び球セット部204のそれぞれはネジ(図示省略)などによってベース板205に固定されている。
発射アーム200はベース板205の前面に配置されている。ロータリーソレノイド201は、発射アーム200を駆動する駆動手段であり、その本体がベース板205の背面側に配置され、回動自在な駆動軸201aがベース板205を貫通して前面側に突き出している。発射アーム200は、鉛直方向に延びる長片部200aと長片部200aの上端から左下方向に折曲して延びる短片部200bとを有する。長片部200aと短片部200bとの交差部分が駆動軸201aに取り付けられており、この駆動軸201aを中心に発射アーム200が揺動する。
発射アーム200の揺動範囲は、第1ストッパ202及び第2ストッパ203によって規制されている。ロータリーソレノイド201が駆動されると発射アーム200は図6における時計回り方向に揺動し、遊技球を叩く打撃位置に達する。第1ストッパ202は、発射アーム200の上記時計回り方向の揺動範囲を規制する。また、ロータリーソレノイド201の駆動が停止されると発射アーム200は自重によって反時計回り方向に揺動し、第2ストッパ203によって移動が規制されて準備位置に変位する。長片部200aの下端側は、左下方向に折曲し、折曲部分から略垂直方向に突出する略円柱形状の槌先部200cが形成されている。発射アーム200が発射位置に揺動すると槌先部200cは球セット部204にセットされた遊技球に衝突する。これにより、遊技球は発射通路35に向けて発射される。この発射アーム200の1往復の動作が、1球分(1回)の発射動作となり、前面ボード6の右下に取付けられたハンドル7が操作されて球発射装置9が作動している間、周期的に行われる。
球セット部204は、それぞれベース板205に固定された第1部材204aと第1部材204bによって構成される。第1部材204aと第1部材204bは、所定の間隔を空けて対向して配置されている。第1部材204aと第1部材204bは、正面から見て左側(第1部材204a側)に傾斜して配置されている。
第1部材204bには、第1部材204aと対向する対向面に凹部206が形成されている。凹部206は、内部に球受入部207を区画する。球受入部207の前端は、球送り装置23の流出孔84の後端と連通し、球送り装置23から送られる遊技球を受け入れる。凹部206の下方は、第1部材204aと第1部材204bの隙間の間隔が狭くなっており、球受入部に流入した遊技球がその狭窄部分に着座する。この着座位置は、遊技球の発射待機位置である。発射アーム200の槌先部200cは、球セット部204の下方から、第1部材204aと第1部材204bの隙間に進入して発射待機位置の遊技球へ達する。発射アーム200に叩かれた遊技球は、上方に向けて発射され、球セット部204と連通する発射通路35へ飛び出す。
球発射装置9又は球発射装置9から遊技領域31への遊技球の発射通路35には、発射された遊技球を検知するための球発射検知センサ48(図8参照)が設けられている。
[遊技機の背面側の構成]
図7に示すように、パチンコ機(弾球遊技機)Pは、その背面側に、主制御処理部(遊技処理実行手段)11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部(表示制御手段)12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、球払出装置14等を備えている。
[主制御処理部]
図7に示すように、主制御処理部11は、遊技盤3(図2参照)の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理(遊技処理)が行われる。
具体的には、図8に示すように、始動入賞口37に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選部110と、この特別図柄抽選部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄を決定する特別図柄決定部120と、遊技コマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部140と、特別図柄抽選部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41のソレノイドを作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、を備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選部110は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部111と、始動入賞口37に遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する特別図柄用乱数取得部112と、この特別図柄用乱数取得部112が取得した乱数が大当たりであるか否かを特別図柄判定テーブル114を参照して決定する特別図柄当否判定部113と、を備えている。
変動パターンコマンド決定部140は、演出態様を決定するためのコマンドである変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数の抽選処理を行う変動パターン用乱数抽選部130と、変動パターン用乱数と変動パターンコマンドのパターンNo.(No.1〜No.127の127種に設定されている)とが対応づけられたテーブルが記憶されたコマンド参照テーブル135と、を備えている。変動パターンコマンド決定部140は変動パターンNo.1〜127の中から変動パターン用乱数に基づいて1つのパターンを選択して、そのパターンを変動パターンコマンドとして演出制御処理部12aに送信している。
大当たり遊技制御部160は、大当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。また、普通図柄抽選部170は、特別図柄用乱数発生手段111が発生させる乱数の数より少ないが同様の構成からなる普通図柄用乱数発生部と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部と、この普通図柄用乱数取得部が取得した乱数が普通図柄当たりであるか否かを普通図柄判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部と、を備えている。また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部170による電子抽選で普通図柄当たりに当選したコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。
[副制御処理部]
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20などの制御を行っている。副制御処理部も、主制御装置11と同様に、CPUと、予め定められた制御プログラムを格納するROMと、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM等とにより構成され、CPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、所定の処理が行われる。
演出制御処理部12aは、変動パターンコマンド決定部140から受けた変動パターンコマンドに応じて、遊技に用いる演出を決定し、決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する。演出制御処理部12aが制御する演出態様は、大当たり遊技状態において、最終ラウンドのアタッカー装置41の閉止後に実行されるエンディング演出を含む。演出制御処理部12aは、大当たり遊技制御部160から大当たり遊技状態終了コマンドを受信することによって、エンディング演出を終了させる。
特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120が決定した特別図柄のコマンドと、変動パターンコマンド決定部140が決定した変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で特別図柄決定部120が決定した特別図柄を表示する。一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部170による普通図柄に係る抽選結果のコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニット(図示省略)からの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように球払出装置14を制御する。この球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示省略)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示省略)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、球発射装置9と球送り装置23を制御する。ハンドル7には、打出し用ボリューム7aが設けられており、ハンドル7の回転操作に応じて打出し用ボリューム7aから回転信号が発射制御処理部13に送信される。発射制御処理部13は、回転信号を受信すると発射制御を開始する。発射制御において、発射制御処理部13は、回転信号に応じてロータリーソレノイドに給電を行うとともに、打出し用ボリュームの回転量に応じた打出し強さとなるようにロータリーソレノイドの駆動を制御する。発射制御処理部13は、ハンドル7が遊技者によって操作されている間は、毎分所定量、例えば、100球の遊技球を発射するように球発射装置9を制御する。
また、発射制御処理部13は、上記発射制御に同期させて、球送り制御を開始する。球送り制御において、発射制御処理部13は、球送り装置23に給電を行うとともに、球送り装置23の駆動部90のモータの回転を、所定の間隔で回転体88が90度ずつ間欠的に回転するように制御する。これによって、遊技球は、回転体88の球収容部73から球発射装置9の球受入部に流入し、球発射装置9の発射アーム200が発射位置に到達する前に、球セット部204の狭窄部分に装填される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
遊技者によって、球受皿5に遊技球が収容されると、図2に示すように遊技球は流下通路の球供給部24を流下し、また、図9に示すように球送り装置23の流入孔52に流入する。流入孔52に流入した遊技球は、第1回転位置の球収容部73に収容される。
遊技者によって、ハンドル7が回転操作されると、打出し用ボリューム7aから回転信号が発射制御処理部13に送信される。発射制御処理部13は、回転信号を受信すると、発射制御を開始する。また、発射制御処理部13は、発射制御に同期させて、球送り制御を開始する。球送り制御において、発射制御処理部13は、球送り装置23に給電し、球送り装置23の駆動部90のモータの回転を、所定の間隔で回転体88が90度ずつ間欠的に回転させるように制御する。これによって、第1回転位置で遊技球を収容した球収容部73は、図10に示すように、第2回転位置に回転移動する。なお、図10は、球送り装置23の円盤カバー50の図示を省略している。
第2回転位置の球収容部73に収容されている遊技球は、球収容部73が前方の小径側の開口端部から後方の大径側の開口端部に向けて末広がり形状(ラッパ状)になっているため、第2回転位置の球収容部73の後端側に移動する。第2の回転位置の球収容部73の後端は、小球排出孔83の前端と連通しており、小球排出孔83は、基準最小径以下の遊技球の挿通を許容し、且つ基準最小径を超える遊技球の挿通を阻止する大きさに設定されているため、第2回転位置の球収容部73の後端側に移動した遊技球が、基準最小径以下の小径の遊技球、すなわち小径の遊技球である場合は、この小径の遊技球は、小球排出孔83を挿通し、球送り装置23の後方に排出され、小球収容部(図示省略)に収容される。一方、上記遊技球が、基準最小径を超える遊技球である場合は、この遊技球は、第2回転位置の球収容部73に留まる。
所定時間が経過すると、発射制御処理部13の球送り制御によって、第2回転位置の球収容部73は、第3回転位置に移動する。第3回転位置の球収容部73に収容されている遊技球は、球収容部73が前方の小径側の開口端部から後方の大径側の開口端部に向けて末広がり形状(ラッパ状)になっているため、第3回転位置の球収容部73の後端側に移動する。第3の回転位置の球収容部73の後端は、流出孔84の前端と連通しており、流出孔84は、球収容部73に収容された遊技球のうち基準最大径以下の遊技球の挿通を許容し、且つ基準最大径を超える遊技球の挿通を阻止する大きさに設定されているため、基準最小径を超え、基準最大径以下の遊技球、すなわち標準サイズの遊技球は、図11に示すように流出孔84を挿通する。流出孔84を挿通した遊技球は、球発射装置9の球セット部204の凹部206の球受入部207に流入する。球受入部207に流入した遊技球は、図6に示すように、凹部206の下方の第1部材と第2部材の隙間の狭窄部分、すなわち遊技球の発射待機位置に保持される。発射制御処理部13は、発射制御において、受信した回転信号に応じてロータリーソレノイドに給電を行うとともに、打出し用ボリュームの回転量に応じた打出し強さとなるようにロータリーソレノイドを駆動させ、発射アーム200を発射位置へ揺動させる。揺動する発射アーム200の槌先部200cは、球セット部204の下方から、第1部材と第2部材の隙間に進入して発射待機位置の遊技球へ達する。発射アーム200に叩かれた遊技球は、上方に向けて発射され、球セット部204と連通する発射通路35へ飛び出し、遊技盤3の遊技領域31に進入する。一方、流出孔84に挿通を阻止された基準最大径を超える遊技球、すなわち大径の遊技球は、第3回転位置の球収容部73に留まる。
さらに所定時間が経過すると、発射制御処理部13の球送り制御によって、第3回転位置の球収容部73は、第4回転位置に移動する。この移動の際に、円盤台80から前方へ突出する排出突起85aが球収容部73を区画する筒状壁72の側壁に設けられた突起挿通溝74を挿通し、球収容部73に進入する。これによって、第3回転位置に留まっている大径の遊技球は、図12に示すように、球送り装置23の前方に排出され、大球収容部(図示省略)に収容される。
さらに所定時間が経過すると、発射制御処理部13の球送り制御によって、第4回転位置の球収容部73は、第1回転位置に移動する。第1回転位置において、球収容部73の前端は、流入孔52の後端と連通し、球供給部24を流下して流入孔52に流入した遊技球を収容する。
ここで、標準サイズの遊技球に接着剤などによって、糸状体(例えばピアノ線)の一端が接着された糸付き遊技球を、遊技者が球受皿5に収容した場合の本実施形態の作用について説明する。
遊技者が糸状体の他端を把持しつつ、糸付き遊技球を球受皿5に収容すると、糸付き遊技球は、球供給部24を流下し、第1回転位置の球収容部73に収容される。糸付き遊技球を収容する球収容部73が第3回転位置に移動すると、糸付き遊技球は、図13に示すように流出孔84を挿通する。流出孔84を挿通した糸付き遊技球は、球発射装置9の球受入部207に流入し、球受入部207に流入した糸付き遊技球は発射待機位置に保持され、発射待機位置で発射アーム200によって、上方に向けて発射され、球セット部204と連通する発射通路35へ飛び出し、遊技盤3の遊技領域31に進入する。糸付き遊技球が流出孔84を挿通した後、第3の回転位置の球収容部73が第4の回転位置、そして、第1の回転位置へ回転し、その後も回転を続けると、糸付き遊技球の糸状体は、流入孔84から球収容部73及び流出孔84を経由して球発射装置9へ至る遊技球の通過経路内に存在しているので、回転する回転体88に巻き付く。糸状体が回転体88に巻き付くと、遊技者が把持している糸状体の他端を操作しても、遊技盤3の遊技領域31に進入した糸付き遊技球を操作することができなくなる。また、糸状体が回転体88に巻き付いているため、遊技球から糸状体が外れた場合であっても、遊技者は糸状体を回収することができなくなる。
本実施形態によれば、球送り装置23は、小径の遊技球を球発射装置9に到達させずに小球排出孔83から排出させるので、小径の遊技球の遊技領域31への到達を未然に防ぎ、小径の遊技球を用いた不正行為を防止することができる。
また、球送り装置23は、大径の遊技球を球発射装置9に到達させずに排出突起85aによって排出させるので、大径の遊技球の遊技領域31への到達を未然に防ぎ、大径の遊技球を用いた不正行為を防止することができる。また、大径の遊技球を排出するために複雑な機構を設ける必要がないので、球送り装置の構造の簡素化を図ることができる。
また、球送り装置23は、遊技盤3の遊技領域31に進入した糸付き遊技球の遊技者による操作を阻止するので、糸付き遊技球を用いた不正行為を防止することができる。また、遊技者による糸付き遊技球の糸状体の回収を阻止するので、糸付き遊技球による不正行為があった証拠を確保することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
例えば、円盤台80は、排出突起85aに代えて上記第4回転位置に対応して配置される大球排出孔(図示省略)を有してもよい。大球排出孔の前端は、第4回転位置の球収容部73の後端と連通し、大球排出孔の後端は、前面枠2内下部に設けられ大径の遊技球を収容する大球収容部(図示省略)の前端と連通する。大球排出孔は、基準最大経を超える遊技球の挿通を許容する大きさに設定されている。また、円盤台80の背面と駆動部90のモータギヤ部92との距離は、その間に、大球排出孔の後端と大球収容部の前端との連通部分を設けることができる距離に設定されている。この場合、球収容部73が第4回転位置に移動すると、第4回転位置の球収容部73に収容されている大径の遊技球は、球収容部73が前方の小径側の開口端部から後方の大径側の開口端部に向けて末広がり形状(ラッパ状)になっているため、第4回転位置の球収容部73の後端側に移動し、大球排出孔を挿通する。大球排出孔を挿通した大径の遊技球は、大球収容部に収容される。
また、弾球遊技機Pは、第4回転位置の球収容部の後端を露出させる略半円板状の円盤台80と、略円板状の円盤押さえ60と、第4回転位置の球収容部73に対応して配置され、円盤押さえ60から後方へ突出する排出突起を有する大球排出部(図示省略)と、を有してもよい。円盤台80の背面と駆動部90のモータギヤ部92との距離は、排出された大径の遊技球がその間を挿通できる距離に設定される。この場合、発射制御処理部13の球送り制御によって、第3回転位置の球収容部が第4回転位置に移動すると、円盤押さえ60から後方へ突出する排出突起が球収容部を区画する筒状壁72の側壁に設けられた突起挿通溝74を挿通し、球収容部73に進入し、第3回転位置に留まっている大径の遊技球を球送り装置23の後方に排出する。排出された大径の遊技球は円盤台80の背面と駆動部90のモータギヤ部92との間を挿通し、前面枠2内下部に設けられ大径の遊技球を収容する大球収容部(図示省略)に収容される。
すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。