JP2009284232A - 歪補償装置および歪補償方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】増幅器の歪補償能力を改善する。
【解決手段】増幅器24の出力信号の一部を、歪補償部11への信号経路へ分岐する分岐部28と、増幅器24の出力信号を遮断又は分岐部28へ通過するスイッチ27と、スイッチ27が遮断状態にある時に前記信号経路を伝送する信号の測定結果を基に、スイッチ27が通過状態にある時の歪補償量を制御する制御部12〜15と、をそなえる。
【選択図】図1

Description

本件は、歪補償装置および歪補償方法に関する。本件は、無線装置の送信増幅部に用いられる場合がある。
無線装置の送信系には、増幅器の非線形歪みを補償するために、digital pre-distortion(DPD、デジタルプリディストーション)回路が用いられる場合がある。DPD回路は、例えば、増幅器の入出力信号を比較することで、歪みによって発生する信号差分を検出し、その信号差分をキャンセルする特性の係数を増幅器の入力信号に乗じる。
特開2002−77284号公報 特開2001−16283号公報 特開2006−94486号公報
DPD回路は、増幅器の入出力信号を比較するために、増幅器の出力信号の一部を、カプラ等を用いて分岐する。ここで、分岐した信号に、他の回路部分から空間に放射された不要な高周波信号が結合すると、前記信号差分の検出に誤差が生じて歪み補償が不十分になる場合がある。従来の技術においては、このような不要波の結合による誤差の発生が考慮されていない。
本件の目的の一つは、増幅器の歪補償能力を改善することにある。
なお、前記目的に限らず、後述する実施形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的の一つとして位置付けることができる。
例えば、以下の手段を用いる。
(1)増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、前記出力信号を遮断又は前記分岐部へ通過するスイッチと、前記スイッチが遮断状態にある時に前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号の測定結果を基に、前記スイッチが通過状態にある時の前記歪の補償量を制御する制御部と、をそなえる歪補償装置を用いることができる。
(2)増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、をそなえた装置における歪補償方法であって、前記出力信号を前記分岐部へ通過しない遮断状態において前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号を測定し、前記測定の結果を基に、前記出力信号を前記分岐部へ通過する状態において前記歪の補償量を制御する、歪補償方法を用いることができる。
開示の技術によれば、増幅器の歪補償能力を改善することが可能である。
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本実施形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。
〔1〕一実施形態
図1は、一実施形態に係るDPD回路を有する無線装置の送信部の構成を示すブロック図である。この図1に示す送信部は、例えば、無線基地局の送信部や携帯電話等の無線端末の送信部に用いることができる。例示的に、当該送信部は、DPD回路10の一例として、ミキサ(乗算器)11と、ルックアップテーブル(LUT)と12、演算器13と、比較器(減算器)14と、メモリ(MEM)15と、をそなえる。
また、送信部は、送信アンテナ(ANT)30をそなえ、ミキサ11から送信アンテナ30への信号伝送経路であるフォワード(FW)系の一例として、デジタル−アナログ変換器(DAC)21と、ローカル発振器(LO)22と、直交変調器(MOD)23と、高出力増幅部(PA)29と、をそなえる。例示的に、高出力増幅部29は、さらに、増幅器(増幅素子)の一例としての電界効果トランジスタ(FET)24と、マッチング回路(MC)25と、アイソレータ(ISO)26と、radio frequency(RF、高周波)スイッチ(SW)27と、カプラ28と、をそなえる。
さらに、送信部は、カプラ28により取り出された送信アンテナ30への送信信号の一部をDPD回路10(比較器14)へ伝送するフィードバック(FB)系の一例として、ローカル発振器(LO)31と、周波数変換器(ダウンコンバータ)の一例としてのミキサ(乗算器)32と、アナログ−デジタル変換器(ADC)33と、をそなえる。
例示的に、上記のFET24及び送信アンテナ30を除く要素が、FET24の入出力信号を比較した結果を基にFET24の歪補償を事前に行なう歪補償装置の一例として用いられる。
DPD回路10は、FET24への入力信号とFET24からの出力信号とを比較した結果を基に、FET24で生じる歪の補償をFET24への入力信号に対して行なう。このDPD回路10において、ミキサ(歪補償部)11は、入力信号である送信ベースバンド(BB)信号に対してLUT12から与えられる係数(歪補償係数)を乗じることで、高出力増幅部29で発生する歪みを予め補償する。なお、前記送信BB信号は、例えば、I信号及びQ信号から成るデジタルの複素信号である。
DAC21は、ミキサ11にて歪み補償された送信BB信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。得られたアナログ信号は、直交変調器23に入力される。
直交変調器23は、DAC22から入力されるアナログ信号に、ローカル発振器22から与えられる周波数信号をミキシングすることにより、前記アナログ信号に対して直交変調と無線周波数(RF)への周波数変換(アップコンバート)とを施す。得られたRFの送信アナログ変調信号は、高出力増幅部29(FET24)に入力される。
高出力増幅部29は、FET24を用いて、前記送信アナログ変調信号を所定の送信電力に増幅する。FET24で増幅された信号は、MC25に入力される。
MC25は、FET24から送信アンテナ30に至る信号経路のインピーダンス整合をとるための回路であり、例えば分布定数回路である。分布定数回路は、高周波のRF信号が伝送する場合、導体パターンとなるため、RF信号の一部が空間に放射されやすい性質をもつ。そのため、FET24の出力部に位置するMC25では、他の箇所に比べて空間に放射される高周波(RF)信号レベルが大きくなりやすい。
アイソレータ26は、FET24の出力部の出力インピーダンスを安定化するために、FET24で増幅された高周波信号がRFスイッチ27で反射してFET24側へ伝搬することを阻止する。このアイソレータ26がMC25とSW27との間に介在することで、SW27がOFF(オープン)状態のときにFET24で増幅された高周波信号がSW27で反射しても、アイソレータ26の終端抵抗で終端されて十分減衰する。
そのため、RFスイッチ27がOFF状態にある場合でもFET24からみた出力インピーダンスは特性インピーダンスに保たれる。すなわち、RFスイッチ27がOFF状態にある場合でも、FET24は、RFスイッチ27がON(クローズ)状態にある時と同等な条件で増幅動作を行なう。そのため、MC25からの不要波の放射もRFスイッチ27がON状態にある時と同等に生じる。
なお、FET24の出力部の出力インピーダンス安定化には、アイソレータ26の代わりに、サーキュレータと終端抵抗とを組み合わせたものを適用することも可能である(以降において同様)。
RFスイッチ27は、アイソレータ26から入力される信号を、ON状態のときにカプラ28へ通過し、OFF状態のときに遮断する。このRFスイッチ27は、後述するように、歪み補償のトレーニング段階においてOFF状態に制御され、歪み補償動作を通常どおり行なう場合にON状態に制御される。当該制御を行なうスイッチ制御部の図示は図1において省略している。
カプラ28は、方向性結合器(分岐部)の一例であり、RFスイッチ27を通過した信号の一部を、DPD回路10へのFB信号経路へ分岐する。分岐した信号は、ミキサ32へフィードバックされる。分岐されない残りの信号は、送信アンテナ30から他の無線装置(例えば、無線基地局など)に向けて送信される。
ミキサ32は、カプラ28から入力されるフィードバック(FB)信号に、ローカル発振器31から与えられる周波数信号を乗算することにより、前記FB信号の復調(直交検波)を行なう。これにより得られた復調信号(複素信号)は、ADC33に入力される。
ADC33は、ミキサ32からの復調信号をデジタル信号に変換して、DPD回路10の比較器14に入力する。
比較器14は、ミキサ11に入力される送信BB信号を参照信号として、ADC33から入力される信号との比較を行ない、信号差分を検出する。得られた信号差分は、演算器13に入力される。なお、比較器14での比較対象である前記両信号のタイミングを一致させるための遅延回路がFB系に設けられる場合もある。
演算器13は、比較器14により得られた信号差分が最小となるように、least mean square(LMS)アルゴリズム等の所定のアルゴリズムを用いて、LUT12における歪補償係数を更新する。
メモリ(誤差信号保存部)15は、後述する歪み補償のトレーニング段階において演算器13で得られる誤差ベクトル等の情報を記憶する。前記誤差ベクトルは、例えば、カプラ28からミキサ32へフィードバックされる信号に、主にMC25から空間に放射された不要波が結合することに起因して生じる。演算器13は、前記トレーニング終了後の歪み補償動作時において、メモリ15に記憶された情報を基に、LUT12における歪補償係数の補正を行なう。
LUT(歪補償係数保持部)12は、ミキサ11に与える歪補償係数を保持する。この歪補償係数の保持は、例えばミキサ11への入力信号(送信BB信号)の電力値を索引アドレスとすることができる。したがって、送信BBの電力値に対応する索引アドレスの歪補償係数がミキサ11に与えられる。
ここで、本例のLUT12、演算器13、比較器14及びメモリ15は、RFスイッチ27OFF状態にある時にFB信号経路をDPD回路10へ伝送するFB信号の測定結果(トレーニング結果)を基に、RFスイッチ27がON状態にある時の歪補償量を制御する制御部の一例として用いられる。
上述したDPD回路10をそなえた送信部では、高出力増幅部29(FET24)の出力信号の一部をカプラ28で分岐してDPD回路10(比較器14)へフィードバックする。比較器14では、そのFB信号と高出力増幅部29への入力信号とを比較して信号差分を検出する。そして、検出した信号差分を最小にする、LUT12における歪補償係数をミキサ11(FET24への入力信号)に与えることで、高出力増幅部29で生じる歪みを予め補償する。
ところで、DAC21から送信アンテナ30に伝送されるFW系の主信号の一部をFB信号経路に分岐するカプラ28は、無線装置内の各コンポーネントを効率的に配置するために、図1に例示するように高出力増幅部29の筐体内に設けられることがある。
この場合に、MC25から放射した信号がカプラ28のFB出力ポートや、カプラ28で分岐した信号が伝送されるFB信号経路に結合すると、FB信号に空間放射信号が加算された状態になる。そうすると、FW系の主信号経路を経て送信アンテナ30に出力される信号と、FB信号経路にフィードバックされるFB信号とは異なる信号となる。
すなわち、MC25から空間に放射された信号(不要波)が、カプラ28やFB信号経路に結合した場合、結合後は不要波の振幅は減衰しているが、いったん空間に放射されてFB信号経路とは別経路でFB信号経路に結合する。そのため、FW信号経路とFB信号経路とでは、通過する信号の振幅や、位相、遅延量(時間)などが必ずしも一致しない。
この状態でFB信号を基に歪補償を行なうと、DPD回路10は、送信アンテナ30から送信されるFW信号経路の信号ではなく、FB信号経路の信号に対して歪補償を行なうことになる。したがって、FB信号の歪みは補償できるが、送信アンテナ30に入力される信号に対しては放射信号が加算された分が誤差となり、歪補償能力が劣化する場合がある。
例えば、DPD回路10ではFB信号を参照して歪み成分が最小となるように、LUT12からミキサ11に与える歪補償係数を決定する。その際、歪補償量としてadjacent channel leakage ratio(ACLR、隣接チャネル漏洩電力比)で20〜30dBを補償する場合には、FB信号経路に結合する空間放射信号は、歪補償動作にとっての誤差信号となる。そのため、歪補償量が1〜3dB程度劣化するおそれがある。
そこで、MC25から空間へ放射された信号がFB信号経路に結合しないように、カプラ28を含めたFB信号経路に対して空間放射信号(不要波)結合防止の処置を施すことがある。例えば、MC25とカプラ28とを筐体内で金属壁により区切って隔離したり、MC25やカプラ28を金属カバーで覆うなどのシールド加工を施したりすることがある。
しかし、このようなシールド加工を施すと、高出力増幅部29の筐体サイズが大きくなったり、構造が複雑化してコストが増加したりするおそれがある。
そこで、本実施形態においては、上述したようにアイソレータ26とカプラ28との間にRFスイッチ27を設け、歪補償のトレーニング段階において当該RFスイッチ27をOFF状態にして、FB信号経路に結合する不要波の信号成分(振幅、位相、遅延時間など)を測定して、誤差ベクトルを取得する。
既述のように、RFスイッチ27をOFF状態にしても、FET24は、RFスイッチ27がON状態の時と同等な条件で増幅動作し、MC25から不要波も放射される。したがって、RFスイッチ27がOFFの状態でDPD回路10にフィードバックされた信号を測定することで、FB信号経路に結合した信号(不要波)をモニタすることができる。
そして、トレーニング終了後に通常の歪補償動作を行なう際には、RFスイッチ27をON状態とし、測定した誤差ベクトルをLUT12の更新処理に反映することにより、歪補償能力の改善を図る。
以下、詳細な動作例について、図2〜図7を併用して説明する。
まず、本例では、歪補償動作前において、トレーニングを2段階に分けて行なう。
第1段階では、RFスイッチ27をON状態として、ミキサ32からのFB信号をADC33でサンプリングし、演算器13において、FB信号の振幅、位相、遅延時間等を測定する。このトレーニングによって、アナログ部で発生する振幅、位相、遅延時間等の各ばらつきを補正して歪補償係数の基準を定める。
その際、演算器13において、送信BB信号を参照信号とすると、当該参照信号に対してFB信号を測定して誤差補正した後のLUT12の歪補償係数は、例えば図2に示すようになり、1+j0が基準ベクトルとなる。この基準ベクトルは、不要波がFB信号に結合した状態での基準ベクトルである。
第2段階では、RFスイッチ27をOFF状態とし(図7の処理1001)、この状態でミキサ32から入力される信号をADC33でサンプリングし(図7の処理1002)、演算器13において、当該信号の振幅、位相、遅延時間等を測定する。すなわち、FW信号経路以外からFB信号に結合した信号(不要波)の振幅、位相、遅延量等を測定する。
図1には、例示的に、MC25から放射された高周波信号がカプラ28に結合する様子を点線矢印aで示している。また、MC25から放射された高周波信号がカプラ28の出力経路であるFB信号経路に結合する様子を点線矢印bで示している。これらを不要波の主な要素として、前記振幅、位相、遅延量等の測定を行なう。
ここで、仮に、RFスイッチ27をON状態とした場合、図3に示すように、例示的に、FW信号経路以外の信号(不要波)(a+b:誤差ベクトル)が送信アンテナ30の入力部(カプラ28の出力部)の信号(c:ANT端信号ベクトル)に加わる。そうすると、両信号ベクトルを加算した信号ベクトルが図3中に符号dで示す不要波加算時ベクトルとなる。
したがって、前記誤差ベクトル(a+b)と同じ大きさで逆方向のベクトルが当該誤差ベクトルをキャンセルする誤差補正ベクトル(図3中の符号e参照)となり、この誤差補正ベクトルeを1+j0の基準ベクトルに加えれば、不要波の結合分を除いた正しいANT端信号ベクトルを復元することが可能となる。
DPD回路10は、本来的に、送信アンテナ30の入力部の信号を基準に歪補償を行なうことを目的としており、参照信号である送信BB信号を基準に1+j0を基準ベクトルとしているため、図3中に示すANT端信号ベクトルcを基準ベクトル1+j0に合わせるように振幅、位相を調整すればよい。
図4に、ANT端信号ベクトルcを基準ベクトル1+j0に合わせた結果の一例を示す。この図4には、図3に例示した各ベクトルをθ[deg]だけ時計回りに回転するとともに、ANT端信号ベクトルcが基準ベクトル1+j0と一致するようにベクトルの振幅比率を保って変化させた例を示している。
したがって、トレーニングの第2段階では、RFスイッチ27をOFFにした状態で、演算器13において、FB経路に結合した不要波の振幅、位相、遅延量を測定し、図5に例示するような信号ベクトル(誤差ベクトル)を得る。得られた誤差ベクトルは、メモリ15に保存しておく(図7の処理1003)。
上記トレーニングの第2段階が終了し、通常の歪補償動作を行なう際には、RFスイッチ27をON状態とする(図7の処理1004)。この場合、DPD回路10(演算器13)には、前記不要波が結合したFB信号(図6の不要波加算時ベクトル)がADC33にてデジタル信号に変換されて入力される(図7の処理1005)。
演算器13は、前記不要波加算時ベクトルから、メモリ15に保存した前記誤差ベクトルを差し引いて、誤差補正ベクトルe(図4参照)を求める(図7の処理1006)。そして、演算器13は、求めた誤差補正ベクトルeを基に不要波加算時ベクトルd(図4参照)を補正することで、ANT端信号ベクトルcを求める(図7の処理1007)。
一方、比較器14では、参照信号(送信BB信号)とANT端信号ベクトルcとを比較して、差分信号を求める(図7の処理1008)。この差分信号は、高出力増幅部29(FET24)による増幅歪みに起因して生じた誤差信号としてメモリ15に保持される(図7の処理1009)。
そして、演算器13は、前記求めたANT端信号ベクトルを基準ベクトル1+j0に合わせるように歪補償係数を決定し(図7の処理1010)、決定した歪補償係数をLUT12に格納(反映)する(図7の処理1011)。
以上のように、本例によれば、FB信号経路に不要波が結合した場合でも、ANT端信号に対して適切な歪補償を施すことが可能となり、ANT端信号に対する歪補償能力の劣化を防ぐことができる。
したがって、高出力増幅部29内にカプラ28を設ける場合でも、不要波の結合(クロストーク)防止のために、カプラ28やFB信号経路を遮蔽するシールド用部品を設ける必要がない。その結果、高出力増幅部29内にRFスイッチ27を追加した場合でも、高出力増幅部29の小型化を図ることができ、無線装置の小型化に寄与する。
例えば、携帯電話のような小型の無線装置において、DPD回路10を搭載した場合に超高密度回路内でFB信号経路に不要波が結合するとしても、前記トレーニングにより不要波による誤差ベクトルを補正して、歪補償性能を改善することができる。
携帯電話の場合は、装置サイズの小型化が要求されるため、カプラ28およびFB信号経路を不要波の結合から保護するためのシールド構造を電話機内に設けることが難しい。よって、上述したようにRFスイッチ27の追加でFB信号に結合する不要波の誤差を補正することは非常に有用である。
また、歪補償能力の改善により高出力増幅部29の増幅効率も改善されるため、携帯電話の消費電力を削減できる。したがって、携帯電話のバッテリー消費量を削減することができ、携帯電話の使用時間を長くすることができる。
〔2〕第1変形例
前記トレーニングの第2段階を行なう際には、RFスイッチ27をOFF状態とするが、その場合、カプラ28やFB信号経路に結合しうる不要波の信号レベルは、FW信号経路を伝送する信号レベルに比べて低い。そのため、熱雑音の影響などを受けて不要波の測定を正確に行なえない場合も考えられる。
そこで、例えば図8に示すように、カプラ28からミキサ32へ至るFB信号経路に低雑音増幅器(LNA)34を設ける。LNA34は、カプラ28で分岐されたFB信号を低雑音で所定の信号レベル(例えば、RFスイッチ27をONにした場合にFB信号経路を伝送される信号レベルと同程度の信号)に増幅してミキサ32に入力する。これにより、熱雑音の影響を最小限に抑制して、トレーニング時の不要波(誤差ベクトル)の測定精度を向上させることが可能となる。
なお、図8において、既述の符号と同一符号を付した要素は、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。
〔3〕第2変形例
図9は、一実施形態の第2変形例に係るDPD回路を有する無線装置の送信部の構成を示すブロック図である。この図9に示す送信部は、図1に例示した構成に比して、第1変形例で説明したLNA34をそなえるとともに、FB信号経路におけるLNA34とミキサ32との間に、可変減衰器(VATT)35をそなえる点が異なる。また、DPD回路10には、VATT制御部16と、比較器14とADC33との間に設けられた乗算器17と、がそなえられている。なお、この図9において、既述の符号と同一符号を付した要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。
可変減衰器(可変減衰部)35は、LNA34の出力信号であるFB信号のレベルを減衰しうる。その減衰量は、VATT制御部16によって制御される。この減衰量の制御は、RFスイッチ27のON/OFFに連動して行なうことができる。例えば、RFスイッチ27がONの時には減衰量を増加してADC33への入力信号レベルを減少し、RFスイッチ27がOFFの時には前記減衰量を減少してADC33への入力信号レベルを増加する。
空間放射によりFB信号に結合する不要波の信号レベルはRFスイッチ27をONにした時のFB信号レベルよりも低い。そのため、低レベルの信号がADC33に入力されると、ADC33のノイズフロアの影響を受けやすくなるおそれがある。そこで、本例では、トレーニングの第2段階(不要波の測定)においては、可変減衰器35の減衰量を減らして、ADC33への入力信号レベルを増加する。
例えば、カプラ28で分岐した主信号と、空間放射により当該主信号に結合した不要波の信号とのレベル比が30[dB]あると仮定した場合、VATT制御部16は、RFスイッチ27がONの時は可変減衰器35の減衰量を30[dB]とし、RFスイッチ27がOFFで不要波のレベル測定を行なう時には減衰量を0[dB]とする。
これにより、RFスイッチ27のON/OFFに関わらず、ADC33への入力信号レベルを一定にすることができる。すなわち、RFスイッチ27のOFF時に可変減衰器35の減衰量を減らしてADC33への入力信号レベルを増加することで、ADC33のノイズフロアの影響を受けにくくすることができる。したがって、不要波レベル測定時において、ADC33でのアナログ信号からデジタル信号への変換の際にノイズフロアによる誤差が発生することを抑制することができる。
ここで、可変減衰器35の減衰量を可変にする場合、可変減衰器35の個体ばらつきによる誤差がFB信号に生じ得るため、可変減衰器35の減衰量を変化させた場合の、振幅、位相量、遅延量の各変化量に関する理論値を基に誤差補正を行なうことが好ましい。
例えば、減衰量の変化量の差分が、理論値の一例としての振幅差分30.0[dB]、位相差分0[deg]、遅延量差分0[nsec]に対して、振幅30.2[dB]、位相0.5[deg]、遅延量0.1[nsec]であったと仮定する。この場合、理論値に対して、振幅誤差0.2[dB]、位相誤差0.5[deg]、遅延誤差0.1[nsec]となるため、歪補償動作時に、これらの誤差を補正してDPD回路10を動作させる。
前記変化量の差分測定は、例えば、RFスイッチ27をONにした状態で可変減衰器35の減衰量を0[dB]および30[dB]に可変して、可変前後の振幅、位相、遅延量をそれぞれ測定することで可能である。
乗算器17は、ADC33の出力信号に、可変減衰器35の減衰量に応じた係数を乗じて、比較器14への入力信号レベルを可変減衰器35によるレベル可変前の信号レベルに調整する機能を果たす。前記係数は、例えばVATT制御部16から与えられる。例示的に、VATT制御部16は、可変減衰器35の減衰量を30[dB]とした場合、ADC33の出力信号レベルを1000倍(30dB増加)にする前記係数を乗算器17に与える。
上述した本例の送信部では、RFスイッチ27のON/OFFに連動して可変減衰器35の減衰量を増加/減少することで、ADC33への入力信号レベルを可変させて、可変減衰器35によるレベル可変誤差を予め測定する。また、RFスイッチ27のOFF状態において、FB信号に結合する不要波による誤差信号を測定する。そして、通常の歪補償動作時には、前記不要波に起因する誤差信号と、可変減衰器35によるレベル可変誤差とを補正して歪補償を行なう。
以下、詳細な動作例について、図10及び図11を併用して説明する。
まず、図10に例示するように、可変減衰器35の個体ばらつきによる誤差を補正(キャリブレーション)するために、RFスイッチ27をON状態とする(図10の処理1021)。また、VATT制御部16によって、可変減衰器35の減衰量を0[dB]に設定する(処理1022)。なお、前記キャリブレーションは、RFスイッチ27をOFF状態にして行なうことも不可能ではないが、精度良いキャリブレーションを行なうには、RFスイッチ27をON状態にして行なう方が好ましい(以降において同様)。
この状態で、演算器13には、ADC33によってデジタル信号に変換されたミキサ32の出力信号であるFB信号#1が比較器14を経由して受信される(処理1023)。演算器13は、当該FB信号#1の振幅、位相、遅延量を測定する(処理1024)。
次いで、VATT制御部16は、可変減衰器35の減衰量を30[dB]に設定し(図10の処理1025)、その状態でADC33を経由して比較器14から入力されるFB信号#2の振幅、位相、遅延量を測定する(処理1026)。
そして、演算器13は、測定したFB信号#1及びFB信号#2の振幅、位相、遅延量の各差分を求め、それぞれについての理論値に対する差分を求める(処理1027)。得られた差分は、例えばメモリ15に保存される。
次いで、FB信号経路に結合する不要波の測定(トレーニング)を行なうために、VATT制御部16は、可変減衰器35の減衰量を0[dB]に設定する(処理1028)。また、RFスイッチ27をOFF状態とする(処理1029)。
この状態で、演算器13は、ADC33を経由して比較器14から入力されるFB信号(不要波)の振幅、位相、遅延量を測定し(処理1030)、図11に例示するように、その測定結果に前記理論値に対する差分を加えて誤差ベクトルを求める。得られた誤差ベクトルは、メモリ15に保存する(処理1031)。
その後、通常の歪補償動作を行なう際には、VATT制御部16により可変減衰器35の減衰量を30[dB]に設定するとともに、RFスイッチ27をON状態とする(処理1032及び1033)。また、VATT制御部16は、ADC33の出力信号レベルを前記減衰量に応じて増加(例えば、1000倍)する係数を乗算器17に与える。
これにより、ADC33の出力信号である前記不要波の結合したFB信号(例えば図6に例示した不要波加算時ベクトル)は、乗算器17にて1000倍されて可変減衰器35で減衰される前のレベルに調整される(処理1034及び1035)。
演算器13は、前記不要波加算時ベクトルから、メモリ15に保存した前記誤差ベクトルを差し引いて、誤差補正ベクトルe(例えば図4参照)を求める(処理1036)。そして、演算器13は、求めた誤差補正ベクトルeを基に不要波加算時ベクトルdを補正することで、ANT端信号ベクトルc(例えば図4参照)を求める(処理1037)。
一方、比較器14では、参照信号(送信BB信号)とANT端信号ベクトルcとを比較して、差分信号を求める(処理1038)。この差分信号は、高出力増幅部29(FET24)による増幅歪みに起因して生じた誤差信号としてメモリ15に保持される(処理1039)。
そして、演算器13は、前記求めたANT端信号ベクトルcを基準ベクトル1+j0に合わせるように歪補償係数を決定し(処理1040)、決定した歪補償係数をLUT12に格納(反映)する(処理1041)。
以上のように、本例によれば、不要波の測定(トレーニング)時(RFスイッチ27のOFF時)において、可変減衰器35の減衰量を減らしてADC33への入力信号レベルを増加するから、ADC33のノイズフロアによる測定誤差の発生を抑制することができる。また、可変減衰器35の減衰量を可変した際の可変減衰器35の振幅、位相、遅延量のばらつき(レベル可変誤差)を事前に補正することもできる。したがって、既述の実施形態及び第1変形例と同等の効果ないし利点が得られるほか、歪補償能力をさらに向上させることが可能となる。
〔4〕第3変形例
図12は、一実施形態の第3変形例に係るDPD回路を有する無線装置の送信部の構成を示すブロック図である。この図12に示す送信部は、第2変形例(図9)に例示した構成において、可変減衰器35と同等の減衰量の可変幅を有する可変減衰部を、複数(例えば2つ)の可変減衰器35−1,35−2を用いて実現した構成に相当する。
すなわち、既述のようにFB信号レベルを30[dB]の幅で可変するとADC33のノイズフロアによる測定誤差が発生するおそれがある場合に、減衰量の可変幅をADC33のフロアノイズによる測定誤差が発生しない(あるいは無視できる)可変範囲に分割する。個々の可変減衰器35−1,35−2の減衰量は、VATT制御部16によって制御される。
なお、図12において、既述の符号と同一符号を付した要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。
例えば、可変減衰器35−1及び35−2の減衰量をそれぞれ増加した時の減衰量の合計の変化分理論値を振幅30.0[dB]、位相0[deg]、遅延量0[nsec]と仮定する。また、可変減衰器35−1の減衰量のみを増加した時の誤差測定結果が振幅15.2[dB]、位相0.3[deg]、遅延量0.2[nsec]であり、可変減衰器35−2の減衰量のみを増加した時の誤差測定結果が振幅15.3[dB]、位相0.4[deg]、遅延量0.3[nsec]であったとする。
この場合、誤差の合計として、振幅誤差は30.0[dB]−(15.2+15.3)[dB]=−0.5[dB]、位相誤差は0[deg]−(0.3+0.4)[deg]=−0.7[deg]、遅延誤差は0[nsec]−(0.2+0.3)[nsec]=−0.5[nsec]となる。
この誤差分を歪補償動作時に補正することで、第2変形例と同様に、ADC33のフロアノイズによる測定誤差を無くすことができ、また、減衰量可変時に発生し得る可変減衰器35−1,35−2のばらつきの誤差(レベル可変誤差)を除去することができる。
すなわち、上述した本例の送信部では、可変減衰幅の合計が所定の減衰幅(例えば30[dB])となる複数の可変減衰器35−1,35−2を可変減衰部の一例としてそなえ、減衰量可変時の誤差を可変減衰器35−1,35−2のそれぞれについて測定する。そして、通常の歪補償動作時(RFスイッチ27のON時)には、RFスイッチ27をOFFにして測定した不要波によるFB信号の誤差信号と、前記減衰量可変時の誤差の合計と、をそれぞれ補正して歪補償を行なう。
以下、詳細な動作例について、図13及び図14を併用して説明する。
まず、図13に例示するように、可変減衰器35−1,35−2の個体ばらつきによる誤差を補正するために、RFスイッチ27をON状態とする(処理1051)とともに、VATT制御部16によって、可変減衰器35−1,35−2の減衰量をそれぞれ0[dB]に設定する(処理1052)。
この状態で、演算器13には、ADC33によってデジタル信号に変換されたミキサ32の出力信号であるFB信号#1が比較器14を経由して受信される。演算器13は、当該FB信号#1の振幅、位相、遅延量を測定する(処理1053)。
次いで、VATT制御部16は、可変減衰器35−1の減衰量を15[dB]、可変減衰器35−2の減衰量を0[dB]に設定し(処理1054)、その状態でADC33を経由して比較器14から入力されるFB信号#2の振幅、位相、遅延量を測定する(処理1055)。
さらに、VATT制御部16は、可変減衰器35−1の減衰量を0[dB]、可変減衰器35−2の減衰量を15[dB]に設定し(処理1056)、その状態でADC33を経由して比較器14から入力されるFB信号#3の振幅、位相、遅延量を測定する(処理1057)。
そして、演算器13は、測定したFB信号#1及びFB信号#2の振幅、位相、遅延量の理論値に対する差分#1と、測定したFB信号#1及びFB信号#3の振幅、位相、遅延量の理論値に対する差分#2とをそれぞれ求める(処理1058及び1059)。
さらに、演算器13は、求めた差分#1,#2を合計して差分#3を求める(処理1060)。得られた差分は、例えばメモリ15に保存される。
次いで、FB信号経路に結合する不要波の測定(トレーニング)を行なうために、VATT制御部16は、可変減衰器35−1,35−2の減衰量をそれぞれ0[dB]に設定する(処理1061)。また、RFスイッチ27をOFF状態とする(処理1062)。
この状態で、演算器13は、ADC33を経由して比較器14から入力されるFB信号(不要波)の振幅、位相、遅延量を測定し(処理1063)、その測定結果に前記理論値に対する差分#3を加えて誤差ベクトルを求める。得られた誤差ベクトルは、メモリ15に保存する(処理1064)。
その後、通常の歪補償動作を行なう際には、VATT制御部16により可変減衰器35−1,35−2の減衰量をそれぞれ15[dB]に設定するとともに、RFスイッチ27をON状態とする(処理1065及び1066)。また、VATT制御部16は、ADC33の出力信号レベルを前記減衰量に応じて増加(例えば、1000倍)する係数を乗算器17に与える。
これにより、図14に例示するように、ADC33の出力信号である前記不要波の結合したFB信号(例えば図6に例示した不要波加算時ベクトル)は、乗算器17にて1000倍されて可変減衰器35で減衰される前のレベルに調整される(処理1067及び1068)。
演算器13は、前記不要波加算時ベクトルから、メモリ15に保存した前記誤差ベクトルを差し引いて、誤差補正ベクトルe(例えば図4参照)を求める(処理1069)。そして、演算器13は、求めた誤差補正ベクトルeを基に不要波加算時ベクトルdを補正することで、ANT端信号ベクトルc(例えば図4参照)を求める(処理1070)。
一方、比較器14では、参照信号(送信BB信号)とANT端信号ベクトルcとを比較して、差分信号を求める(処理1071)。この差分信号は、高出力増幅部29(FET24)による増幅歪みに起因して生じた誤差信号としてメモリ15に保持される(処理1072)。
そして、演算器13は、前記求めたANT端信号ベクトルcを基準ベクトル1+j0に合わせるように歪補償係数を決定し(処理1073)、決定した歪補償係数をLUT12に格納(反映)する(処理1074)。
以上のように、本例によれば、FB信号のレベル可変量を複数の可変減衰器35−1,35−2に分担させるから、個々の可変減衰器35−1,35−2の減衰量の可変幅を小さくすることができる。したがって、不要波によるFB信号の誤差信号測定時(RFスイッチ27のOFF時)において、ADC33のノイズフロアの影響が無い(あるいは無視できる)範囲でFB信号のレベルを可変(増加)することが可能となる。
また、減衰量可変時にFB信号に生じ得る誤差を可変減衰器35−1,35−2のそれぞれについて予め測定する。そして、通常の歪補償動作時(RFスイッチ27のON時)には、RFスイッチ27をOFFにして測定した不要波によるFB信号の誤差信号と、前記減衰量可変時の誤差の合計と、をそれぞれ補正して歪補償を行なう。
したがって、既述の第2変形例と同様の効果ないし利点が得られるほか、歪補償能力をさらに向上させることが可能となる。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔5〕付記
(付記1)
増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に、前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、
前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、
前記出力信号を遮断又は前記分岐部へ通過するスイッチと、
前記スイッチが遮断状態にある時に前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号の測定結果を基に、前記スイッチが通過状態にある時の前記歪の補償量を制御する制御部と、
をそなえたことを特徴とする、歪補償装置。
(付記2)
前記増幅器と前記スイッチとの間に、前記増幅器への反射信号の伝搬を阻止するアイソレータが設けられた、ことを特徴とする、付記1記載の歪補償装置。
(付記3)
前記信号経路に、低雑音増幅器が設けられた、ことを特徴とする、付記1又は2に記載の歪補償装置。
(付記4)
前記信号経路に、前記スイッチの通過又は遮断状態に連動して、前記信号経路を伝送する信号のレベルを所定の減衰幅で可変し得る可変減衰部が設けられるとともに、
前記制御部は、
前記可変減衰部による前記レベルの可変に伴って前記信号経路を伝送する信号に生じ得る誤差を予め測定し、当該測定の結果を基に前記補償量の補正を行なう、
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の歪補償装置。
(付記5)
前記可変減衰部は、
可変減衰幅の合計が前記減衰幅となる複数の可変減衰器をそなえ、
前記制御部は、
前記誤差の測定を前記可変減衰器のそれぞれについて行ない、測定した各誤差の合計を基に前記補正を行なう、
ことを特徴とする、付記4記載の歪補償装置。
(付記6)
増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に、前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、をそなえた装置における歪補償方法であって、
前記出力信号を前記分岐部へ通過しない遮断状態において前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号を測定し、
前記測定の結果を基に、前記出力信号を前記分岐部へ通過する状態において前記歪の補償量を制御する、
ことを特徴とする、歪補償方法。
(付記7)
前記信号経路に、前記スイッチの通過又は遮断状態に連動して、前記信号経路を伝送する信号のレベルを所定の減衰幅で可変し得る可変減衰部が設けられるとともに、
前記制御は、
前記可変減衰部による前記レベルの可変に伴って前記信号経路を伝送する信号に生じ得る誤差を予め測定し、当該測定の結果を基に前記補償量を補正する処理を含む、
ことを特徴とする、付記6記載の歪補償方法。
(付記8)
前記可変減衰部は、
可変減衰幅の合計が前記減衰幅となる複数の可変減衰器をそなえ、
前記制御は、
前記誤差の測定を前記可変減衰器のそれぞれについて行ない、測定した各誤差の合計を基に前記補正を行なうことを含む、
ことを特徴とする、付記7記載の歪補償方法。
一実施形態に係るDPD回路を有する無線装置の送信部の構成を示すブロック図である。 図1に例示するLUTの係数の基準ベクトル例を示すベクトル図である。 図1に例示するFB信号経路に不要波が結合した場合の信号ベクトル例を示すベクトル図である。 図1に例示するスイッチをOFFにした場合の信号ベクトル例を示すベクトル図である。 図1に例示するスイッチをOFFにして測定する不要波による誤差ベクトル例を示すベクトル図である。 図1に例示するスイッチをONにした時の不要波加算時ベクトル例を示すベクトル図である。 図1に例示する送信部の歪補償動作を説明するフローチャートである。 図1に例示する送信部の第1変形例を示すブロック図である。 図1に例示する送信部の第2変形例を示すブロック図である。 図9に例示する送信部の歪補償動作を説明するフローチャートである。 図9に例示する送信部の歪補償動作を説明するフローチャートである。 図1に例示する送信部の第3変形例を示すブロック図である。 図12に例示する送信部の歪補償動作を説明するフローチャートである。 図12に例示する送信部の歪補償動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 DPD回路(歪補償部)
11 ミキサ(乗算器、歪補償部)
12 ルックアップテーブル(LUT、歪補償係数保持部)
13 演算器(制御部)
14 比較器(減算器)
15 メモリ(誤差信号保存部)
21 デジタル−アナログ変換器(DAC)
22 ローカル発振器(LO)
23 直交変調器(MOD)
24 電解効果トランジスタ(FET)
25 マッチング回路(MC)
26 アイソレータ(ISO)
27 RFスイッチ(SW)
28 カプラ(方向性結合器、分岐部)
29 高出力増幅部(PA)
30 送信アンテナ(ANT)
31 ローカル発振器
32 ミキサ(乗算器)
33 アナログ−デジタル変換器(DAC)
34 低雑音増幅器(LNA)
35,35−1,35−2 可変減衰器(VATT)

Claims (6)

  1. 増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、
    前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、
    前記出力信号を遮断又は前記分岐部へ通過するスイッチと、
    前記スイッチが遮断状態にある時に前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号の測定結果を基に、前記スイッチが通過状態にある時の前記歪の補償量を制御する制御部と、
    をそなえたことを特徴とする、歪補償装置。
  2. 前記増幅器と前記スイッチとの間に、前記増幅器への反射信号の伝搬を阻止するアイソレータが設けられた、ことを特徴とする、請求項1記載の歪補償装置。
  3. 前記信号経路に、低雑音増幅器が設けられた、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の歪補償装置。
  4. 前記信号経路に、前記スイッチの通過又は遮断状態に連動して、前記信号経路を伝送する信号のレベルを所定の減衰幅で可変し得る可変減衰部が設けられるとともに、
    前記制御部は、
    前記可変減衰部による前記レベルの可変に伴って前記信号経路を伝送する信号に生じ得る誤差を予め測定し、当該測定の結果を基に前記補償量の補正を行なう、
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歪補償装置。
  5. 前記可変減衰部は、
    可変減衰幅の合計が前記減衰幅となる複数の可変減衰器をそなえ、
    前記制御部は、
    前記誤差の測定を前記可変減衰器のそれぞれについて行ない、測定した各誤差の合計を基に前記補正を行なう、
    ことを特徴とする、請求項4記載の歪補償装置。
  6. 増幅器への入力信号と前記増幅器からの出力信号とを比較した結果を基に前記増幅器で生じる歪の補償を前記入力信号に対して行なう歪補償部と、前記出力信号の一部を、前記歪補償部への信号経路へ分岐する分岐部と、をそなえた装置における歪補償方法であって、
    前記出力信号を前記分岐部へ通過しない遮断状態において前記信号経路を前記歪補償部へ伝送する信号を測定し、
    前記測定の結果を基に、前記出力信号を前記分岐部へ通過する状態において前記歪の補償量を制御する、
    ことを特徴とする、歪補償方法。
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