JP2009281962A - 回路基板およびプローブ端子付き回路基板 - Google Patents

回路基板およびプローブ端子付き回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 プローブ端子が接続される表面回路導体の耐薬品性を向上させた回路基板およびそれを用いたプローブ端子付き回路基板を提供する。
【解決手段】 回路基板は、絶縁基板1の表面に表面回路導体2を有する回路基板であって、絶縁基板1は表面回路導体2の周縁部に沿った溝状の凹部1bを有し、表面回路導体2の端部は凹部1b内に位置しており、表面回路導体2は最表面に金属層2cを有しており、金属層2cは凹部1bの外側の側面に接触しているものである。金属層2cにより、プローブ端子を取り付ける際に用いる薬液が凹部1b内に浸入して金属層2cより下の表面回路導体2に触れることが無いので、表面回路導体2が腐食することがなく、表面回路導体2の絶縁基板1との密着強度が低下して密着強度低下により絶縁基板1の内部配線3との接続抵抗が上昇することのない、耐薬品性に優れた回路基板となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プローブ端子を接続するのに適した回路基板であって、特にプローブカード用の回路基板に関するものである。また、そのような回路基板を用いたプローブ端子付き回路基板、いわゆるプローブカードに関するものである。
半導体デバイスの試験、特にウエハから切り出して個々の半導体素子とする前に実施されるウエハレベルでの電気特性の測定は、それぞれがウエハ上の半導体素子の端子パッドと接触する複数のプローブ端子が回路基板上に立設されたプローブカードを用いて行なわれる。

このようなプローブカードは、その上に立設されたプローブ端子が、平坦なウエハ上の端子パッドと全面にわたって接触するような平坦性が要求されるとともに、ウエハ上の微細でピッチの小さい端子パッドに対応する微細な表面回路を有することが要求される。平坦性が要求される、微細配線を有する回路基板を作製する方法として、配線基板の表面に研磨加工を施すことにより平坦にし、その上に微細な表面回路を薄膜加工により形成して作製する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。 プローブカードのプローブ端子もまた、その寸法が小さく、非常に微細なピッチで回路基板上に立設されていることが要求される。また、プローブ端子は、電気抵抗が小さいことのみならず、半導体素子の表面の酸化膜を適度に破って端子パッドに接触させることができる程度に剛性が高いことが求められ、例えば、ニッケル製のものがある。このプローブ端子を作製する方法は、まず、シリコンウエハをエッチングしてプローブ端子の雌型を形成し、ニッケルめっき、およびエッチング等の加工を施すことにより、そこにニッケル製プローブ端子を埋設して配置する。そして、このシリコンウエハとともにニッケル製プローブ端子を回路基板の表面回路導体に半田等の接合材で接合した後、シリコンウエハを水酸化カリウム水溶液でエッチングして除去することで、プローブカードが作製される(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平6−13755号公報 特開2003−35723号公報
しかしながら、従来の回路基板は、図5に断面図で示すように、表面回路導体12は、主導体層12aと複数層の薄膜層12b(12b−1〜12b−3)との最表面に、水酸化カリウム水溶液に対して耐腐食性を有するニッケルや金などの金属層12cがめっきで形成されているが、表面回路導体12の側面の特に下層の薄膜層12bが金属層12cで十分な厚みで覆われていないので、シリコンウエハを除去するために水酸化カリウム水溶液のような強アルカリ溶液に浸漬した際に、表面回路導体12の薄膜層12bが浸漬され腐食されてしまう場合がある。これにより、表面回路導体12の絶縁基板11との密着強度が低下し、密着強度低下により貫通導体13bとの接続抵抗が上昇することで、プローブカードとしての電気特性の測定機能が損われてしまう。
また、プローブ端子を形成する部位の平坦性を確保するために絶縁基板11を研磨した際に、絶縁基板11がセラミックスからなる場合は、内部ボイドが表面に顕在化したり、脱粒したりして絶縁基板11の表面に欠陥が発生することがある。この欠陥部11cの上に表面回路導体12を形成すると、例え表面回路導体12の側面が耐腐食性の金属層14で覆われていたとしても、回路基板を強アルカリ溶液に浸漬した際に、欠陥部11cから表面回路導体12の下面に強アルカリ溶液が浸入し、表面回路導体12が下面側から腐食されてしまう場合もあった。
したがって、本発明のプローブカード用の回路基板は上記問題点を鑑みて完成されたものであり、その目的は、プローブ端子が接続される表面回路導体の耐薬品性を向上させた回路基板およびそれを用いたプローブ端子付き回路基板を提供することにある。
本発明の回路基板は、絶縁基板の表面に表面回路導体を有する回路基板であって、前記絶縁基板は前記表面回路導体の周縁部に沿った溝状の凹部を有し、前記表面回路導体の端部は前記凹部内に位置しており、前記表面回路導体は最表面に金属層を有しており、該金属層は前記凹部の外側の側面に接触していることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板は、上記構成において、前記表面回路導体は、前記絶縁基板の内部の内部配線が接続された第1の領域と、プローブ端子が取り付けられる第2の領域とを有していることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板は、上記構成において、前記表面回路導体は、前記第2の領域の内部に樹脂層を有していることを特徴とするものである。
本発明のプローブ端子付き回路基板は、上記構成のいずれかの回路基板の前記金属層の上にプローブ端子が接続されていることを特徴とするものである。
本発明の回路基板によれば、表面回路導体の端部は凹部内に位置しており、表面回路導体は最表面に金属層を有しており、金属層は凹部の外側の側面に接触していることから、表面回路導体上にプローブ端子を形成する際に回路基板を薬液中に浸漬しても、表面回路導体の端部は凹部内にあり、表面回路導体の最表面に位置して凹部の側面にまで至る金属層により、薬液が凹部内に浸入して金属層より下の表面回路導体に触れることが無いので、表面回路導体が腐食することがなく、表面回路導体の絶縁基板との密着強度が低下して絶縁基板の内部配線との接続抵抗が上昇することのない、耐薬品性に優れた回路基板となる。
本発明の回路基板によれば、上記構成において、表面回路導体が絶縁基板の内部の内部配線が接続された第1の領域と、プローブ端子が取り付けられる第2の領域とを有しているときには、内部配線が接続された第1の領域に凹凸があるような場合であっても、プローブ端子が取り付けられる第2の領域は内部配線による凹凸がないので、プローブ端子を傾き等がなく強固に表面回路導体に取り付けることができるとともに、表面回路導体にプローブ端子を取り付ける際の応力により表面回路導体と内部配線との接続が損なわれることがないので、表面回路導体と内部配線との接続抵抗が高くならず、表面回路導体と内部配線との接続信頼性が高いものとなる。
本発明の回路基板によれば、上記構成において、表面回路導体が第2の領域の内部に樹脂層を有しているときには、剛性の高いプローブ端子を半田等で接合する際の機械的応力を樹脂層で緩和することができるので、表面回路導体に無理な応力が加わらず、表面回路導体の絶縁基板への密着力が低下してしまうことがなく、プローブ端子を取り付けてプローブ端子を半導体素子の端子パッドに当接させる際にはプローブ端子に加わる応力を樹脂層で緩和することができるので、プローブ端子や半導体素子の破損を有効に防止することができる。
本発明のプローブ端子付き回路基板によれば、上記構成のいずれかの回路基板の金属層の上にプローブ端子が接続されていることから、表面回路導体の密着強度が高いとともに表面回路導体と内部配線との接続信頼性が高く、またプローブ端子も破損し難いので、ウエハレベルでの電気特性の測定を高速かつ正確に行なうことができるプローブ端子付き回路基板となる。
本発明の回路基板およびプローブ端子付き回路基板について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の回路基板の実施の形態の一例を示す上面図である。図2(a)は図1のA部を拡大して示す上面図であり、図2(b)は図2(a)をA−A線で切断した断面図である。図3は、図2(b)のA部を拡大して示す断面図である。図4は、図3と同様の、本発明の回路基板の要部を拡大した一例を示す断面図である。図1〜図4において、1は絶縁基板、1aは絶縁層、1bは凹部、2は表面回路導体、2−1は第1の領域、2−2は第2の領域、2aは主導体層、2bは薄膜層、2cは金属層、2’は回路導体、3は内部配線、3aは配線層、3bは貫通導体、4は樹脂層である。
本発明の回路基板は、絶縁基板1の表面に表面回路導体2を有する回路基板であって、絶縁基板1は表面回路導体2の周縁部に沿った溝状の凹部1bを有し、表面回路導体2の端部は凹部1b内に位置しており、表面回路導体2は最表面に金属層2cを有しており、金属層2cは凹部1bの外側の側面に接触していることを特徴とするものである。これにより、表面回路導体2上にプローブ端子を形成する際に回路基板を薬液中に浸漬しても、表面回路導体2の端部は凹部1b内にあり、表面回路導体2の最表面に位置して凹部1bの側面にまで至る金属層2cにより、薬液が凹部1b内に浸入して金属層2cより下の表面回路導体2(主導体層2aおよび薄膜層2b)に触れることが無いので、表面回路導体2が腐食することがなく、表面回路導体2の絶縁基板1との密着強度が低下して絶縁基板1の内部配線3との接続抵抗が上昇することのない、耐薬品性に優れた回路基板となる。
また、本発明の回路基板は、図2に示す例のように、上記構成において、表面回路導体2が絶縁基板1の内部の内部配線3が接続された第1の領域2−1と、プローブ端子が取り付けられる第2の領域2−2とを有していることが好ましい。絶縁基板1の内部配線3が表面に露出している部分およびその周辺には、その作製工程中に凹凸が発生してしまう場合があり、この上に形成された表面回路導体2(の第1の領域2−1)の表面にも凹凸ができる場合がある。このように、内部配線3が接続された第1の領域2−1に凹凸があるような場合であっても、プローブ端子が取り付けられる第2の領域2−2は内部配線3による凹凸がないので、プローブ端子を傾き等がなく強固に表面回路導体2に取り付けるけることができるとともに、表面回路導体2にプローブ端子を取り付ける際の応力により表面回路導体2と内部配線3との接続が損なわれることがないので、表面回路導体2と内部配線3との接続抵抗が高くならず、表面回路導体2と内部配線3との接続信頼性が高いものとなる。
また、本発明の回路基板は、図4に示す例のように、上記構成において、表面回路導体2は、第2の領域2−2の内部に樹脂層4を有していることが好ましい。これにより、剛性の高いプローブ端子を半田等で接合する際の機械的応力を樹脂層4で緩和することができるので、表面回路導体2に無理な応力が加わらず、表面回路導体2の絶縁基板1への密着力が低下してしまうことがなく、プローブ端子を取り付けてプローブ端子を半導体素子の端子パッドに当接させる際にはプローブ端子に加わる応力を樹脂層4で緩和することができるので、プローブ端子や半導体素子の破損を有効に防止することができる。
本発明のプローブ端子付き回路基板は、上記構成の回路基板の金属層2cの上にプローブ端子が接続されていることを特徴とするものである。表面回路導体2の密着強度が高いとともに表面回路導体2と内部配線3との接続信頼性が高く、またプローブ端子も破損し難いので、ウエハレベルでの電気特性の測定を高速かつ正確に行なうことができるプローブ端子付き回路基板となる。
図1〜図4に示した例では、3層の絶縁層1a・1a・1aからなる絶縁基板1の表面に溝状の凹部1bが形成されている。凹部1bは、表面回路導体2の周縁部に沿った形状をしており、この凹部1bで囲まれた領域に表面回路導体2が形成されており、表面回路導体2の端部が凹部1bに位置している。絶縁基板1の内部には、絶縁層1a・1a間に配置された配線層3aと、絶縁層1aを貫通して配線層3a間および配線層3aと表面回路導体2とを接続する貫通導体3bとからなる、内部配線3が形成されている。図1に示す例では、12個の表面回路導体2が絶縁基板1の表面に配列されているが、この回路基板を用いて測定する対象物、例えば半導体素子が形成されたウエハ上の端子パッドの数、および配列に対応するものである。また、絶縁基板1の裏面には、表面回路導体2と同様の構成の回路導体2’が形成され、内部配線3と接続している。絶縁基板1が単層であり、内部配線3が、配線層3aがなくて貫通導体3bだけであってもかまわない。
絶縁基板1は、熱膨張率がウエハを形成するシリコン(Si)に近く、絶縁性に優れる絶縁材料である酸化アルミニウム(Al)質焼結体またはガラスセラミックス等のセラミックスから成るものである。絶縁基板1がこのようなセラミックスから成るものであると、回路基板上にプローブ端子を形成する際に、プローブ端子やプローブ端子の接合部に加わる、プローブ端子とともに接合されるウエハと絶縁基板1との熱膨張差による熱応力が比較的小さなものとなるので好ましい。また、プローブ端子が接続されたプローブ端子付き回路基板をプローブカードとして用いた場合に、半導体素子の電気特性の測定時における熱負荷に対する熱変形を有効に防止でき、さらに、高い熱伝達性により内部に熱を滞留させることがない。
複数の絶縁層1aからなり、内部配線3として配線層3aおよび貫通導体3bを有する絶縁基板1は、以下の方法により製作される。
例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体で形成される場合には、まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの原材料粉末に適当な有機溶剤および溶媒を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法等によってシート状に成形し、絶縁層1aとなる複数のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、セラミックグリーンシートの貫通導体3bが形成される所定位置に適当な打ち抜き加工により貫通孔を形成するとともに、貫通孔に導体ペーストを充填する。また、スクリーン印刷法等によってセラミックグリーンシートの所定位置に配線層3aとなる導体ペースト層を10〜15μmの厚みに形成する。導体ペーストは、タングステン(W),モリブデン(Mo),モリブデン−マンガン(Mo−Mn)合金等の融点の高い金属粉末と適当な樹脂バインダーおよび溶剤とを混練することにより作製される。
最後に、これらセラミックグリーンシートを重ね合わせて圧着して積層体を作製し、この積層体を高温で焼成することによって、内部配線3として配線層3aおよび貫通導体3bが形成された絶縁基板1が製作される。
凹部1bは、底の幅より開口の幅の方が大きい溝形状であると、表面回路導体2の端部を凹部1b内に形成しやすく、また、金属層2cの凹部1bの側面との接触面積が大きくなり、薬液の浸透をより防ぎやすくなるので好ましい。例えば、凹部1bの縦断面形状が、図2および図3に示すような逆台形、あるいは逆三角形であるとよい。
凹部1bの開口幅は、0.1〜0.3mm程度であるのが好ましい。凹部1bの開口幅が0.1mmより狭いと、めっき液が凹部1b内に出入りし難くなるので、凹部1b内のめっき形成速度が遅くなり、作製効率が低下する傾向がある。また開口幅が0.3mmより広いと、端子の平面部の面積が相対的に小さくなるので、平面部にプローブ端子を形成する場合に端子密度を高めにくくなる傾向がある。
また、凹部1bの深さは、0.05mm〜0.3mm程度であるのが好ましい。凹部の深さが0.05mmより浅いと、凹部1bの側面と金属層2cの接触面積が小さくなるため、薬液の浸透を防ぎにくくなる傾向がある。また深さが0.3mmより深いと、開口幅が狭い場合と同様にメッキ液が置換されにくくなるので、凹部1b内のメッキ形成速度が遅くなり、作製効率が低下する傾向がある。
絶縁基板1の主面に溝状の凹部1bを形成するには、例えば、絶縁基板1の表面に従来周知の方法で、絶縁基板1の表面の凹部1bを形成する部位が露出するような開口を有するレジスト膜を形成し、レジスト膜の上からブラスト加工を行なうことにより絶縁基板1を部分的に除去して溝状の凹部1bを形成し、その後レジストを除去すればよい。あるいは、絶縁基板1を作製するためのセラミックグリーンシートまたは積層体に、レーザー加工によりあらかじめ凹部を形成しておいてもよい。
絶縁基板1は、その主面を研磨加工することで凹部1b以外の表面が平坦に加工される。この平坦度は、回路基板を用いたプローブカードにて測定する対象物の平坦度に応じて設定すればよい。なお、凹部1bを形成する前に、絶縁基板1を平坦に研磨加工しておいてもよい。
表面回路導体2は、薬液の浸透を防ぐための耐腐食性の金属層2cと、その下の主導体層2aと、主導体層2aの下の、主導体層2aを絶縁基板1の上に密着して形成するための薄膜層2bとから成る。
主導体層2aは、銅(Cu)や金(Au)のような電気伝導性の良好な金属からなるものであり、薄膜層2bは、例えば主導体層2aが銅から成る場合は、絶縁基板1の上に密着金属層としてチタン(Ti)やクロム(Cr)が、その上に密着金属層と主導体層2aの接合を改善するための合金層としてチタン(Ti)−銅(Cu)合金層やクロム(Cr)−銅Cu合金層が、さらにその上に主導体層2aの下地層であるスパッタ層として銅(Cu)の層が形成される。また、バリア層として白金(Pt)やニッケル(Ni)の層を合金層と密着層との間に必要に応じて形成してもよい。
主導体層2aに金(Au)を使用する場合は、主導体層2aを耐腐食性の金属層2cとして機能させることもできるが、そのために厚みを厚くすると、金は柔らかく変形しやすいので、長期間薬液の浸透を防ぐためには、金から成る主導体層2aの上にニッケルで金属層2cを形成して変形を抑えるのが好ましい。
金属層2cは、表面回路導体2上にプローブ端子を形成する際に用いられる、水酸化カリウム水溶液等のエッチング液により溶解したり、腐食したりしないニッケル,コバルト(Co),金等の耐腐食性の金属から成るものである。また、プローブ端子を形成する際の腐食防止だけでなく、プローブ端子を接続した後にも主導体層2aの表面を保護し、空気中の水分等による腐食も防止する。絶縁基板1が比較的熱膨張係数の小さいセラミックスから成る場合は、それより絶縁基板1より熱膨張係数の大きい金属から成る金属層2cは、回路基板を薬液に浸漬する際の薬液の溶解効果を高めるための加熱時に、熱膨張差により金属層2cが凹部1bの側面に押し付けられるため、薬液の浸透防止効果がより高まるので好ましい。金に対してニッケルやコバルトの方が硬いので、この効果はより大きいものとなる。ニッケルやコバルトを金属層2cに用いた場合は、その表面に酸化防止のために金めっきを行なうのが好ましい。
絶縁基板1の主面に表面回路導体2を形成するには、例えば以下のようにする。
まず、絶縁基板1の主面の全面に、蒸着法やスパッタリング法,イオンプレーティング法等の薄膜形成法により、密着金属層,合金層,スパッタ層を順次成膜して薄膜層2bを形成する。また、必要に応じてバリア層を合金層と密着層との間に形成する。
次に、従来周知の方法を用いて、薄膜層2bが表面回路導体2の形状に露出するような開口を有するレジスト膜を薄膜層2bの上に形成し、露出した薄膜層2bの上にめっき法等で銅や金等の主導体層2aを形成する。レジスト膜は、開口の端部(開口の側面)が凹部1bの底面上に位置するように形成する。このようにすることで、主導体層2aの周縁部が凹部1bの底の上に位置し、その上の金属層2cを凹部1bの外側の側面に接触するように形成することによって、薬液の浸入を防ぐことが可能となる。また、レジスト膜の開口の端部を凹部1bの底面上における凹部1bの外側の側面により近い位置に形成すると、主導体層2aの端部と凹部1bの外側の側面との距離がより小さくなるので好ましい。これは、この距離が小さいと、めっき法により金属層2cを形成する際に金属層2cを凹部1bの外側の側面に接触させるために必要な、金属層2cの厚みを小さくすることができるからである。
そして、レジスト膜を剥離し、主面の全面に形成されて主導体層2aに覆われていないスパッタ層,合金層および密着金属層をエッチングにより除去する。
金属層2cは、主導体層2aおよび薄膜層2bを覆うように電解めっき等のめっき法により形成する。このとき、主導体層2aの上面を覆うとともに、金属層2cが溝状の凹部1bの外側の側面に、主導体層2aの周縁部の全域にわたって接触するまで、金属層2cの厚みを厚くして形成する。これにより、表面回路導体2が、その側面まで十分な厚さの金属層2cで覆われていなくても、回路基板がエッチング液等の薬液にさらされた場合に、主導体層2aおよび薄膜層2bの端部は凹部1b内にあり、その上の金属層2cが凹部1bの外側の側面に接触していることで、エッチング液等の薬液が凹部1b内に浸透して金属層2cより下の表面回路導体2(主導体層2aおよび薄膜層2b)に触れることを防ぐことができる。それにより、表面回路導体2が薬液により腐食して密着強度が低下することを防ぐことができる。
表面回路導体2の形状は、図2および図4に示す例では、円形の第1の領域2−1と正方形の第2の領域2−2とをそれらより細い導体で接続した形状であるが、この形状には特に制限はない。例えば、第1の領域2−1から第2の領域2−2にかけて同じ幅の1つの四角形や、1つの楕円形の表面回路導体2のうち一方の半分が第1の領域2−1で他の半分が第2の領域2−2であるものであってもよい。第2の領域は、そこに取り付けるプローブ端子の表面回路導体2との接合面の形状に沿って一回り大きい形状であると、プローブ端子を接合するための半田のフィレットがプローブ端子の周りで同程度の大きさや形状となり、良好な接合が可能となるので好ましい。また、図2および図4に示す例のように、第1の領域2−1と第2の領域2−2との間が細くなっている形状であると、プローブ端子を接合するための半田が第1の領域2−1の方へ濡れ拡がり難くなるため、上記のような良好なフィレットを形成しやすいのでより好ましい。
裏面の回路導体2’も、図2および図3に示す例のように、表面回路導体2と同様の構成として、同様にして形成することができる。回路導体2’が薬液に浸らないのであれば、絶縁基板1の裏面には凹部1bを形成せずに回路導体2’を形成してもかまわない。そして、同様に回路導体2’の上には金属層2cを形成する。回路基板の裏面は、表面のような平坦性を要求されない場合が多く、そのような場合は、裏面は研磨せず、内部配線導体4と同様の、絶縁基板1と同時焼成により作製されるメタライズ導体であってもよい。メタライズ導体の表面には、腐食防止や他の回路基板等と接続するための半田の濡れ性向上のために、ニッケルおよび金のめっき皮膜を順次形成しておくとよい。
表面回路導体2の第2の領域2−2の内部の樹脂層4は、上述したような応力を緩和するように、絶縁基板1よりヤング率の小さいものである。しかし、ヤング率が小さすぎると、プローブ端子の先端を半導体素子の端子パッドに押し当てた際に容易にプローブ端子が傾いて半導体素子の表面の酸化膜を破ることなく端子パッドからずれてしまう場合があり、これを防止して、また良好に応力を吸収するには、ヤング率は1GPa〜15GPa程度であるのが好ましい。さらに、樹脂層4となる樹脂シートは例えば2層の樹脂から成り、上層にはプローブ端子の先端が容易に動かないように硬めの樹脂を用い、下層には応力を良好に緩和させるために柔らかい樹脂を用いるのが好ましい。例えば、上層の樹脂には、ヤング率が5GPa〜15GPa程度のポリイミド樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,全芳香族ポリエステル樹脂,フッ素樹脂を用い、また、下層の樹脂には、ヤング率が1GPa〜5GPa程度のシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂,シロキサン変性ポリイミド樹脂,ポリイミド樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂を用いればよい。このような下層の樹脂は、樹脂層4を形成するときに接着剤層としても機能させることができる。
樹脂層4の厚みは、樹脂層4は表面回路導体2の内部、すなわち薄膜層2bと主導体層2aとの間に形成されるので、薄膜層2bとその上の樹脂層4との段差があってもその上に主導体層2aが良好に形成できるように、また応力を吸収できるように、15μm〜70μm程度であるのが好ましい。また、第2の領域2−2より一回り小さいものであり、具体的には、第2の領域2−2の縁から100μm程度以上内側に形成される。
このような樹脂層4は以下のようにして作製する。例えば、まず上層の樹脂から成る12.5〜50μm程度のフィルムに下層の樹脂から成る接着剤をドクターブレード法等を用いて乾燥厚みで5〜20μm程度に塗布して乾燥させた樹脂シートを準備し、この樹脂シートを薄膜層2bの上面に接着剤層を下にして積み重ねて、加熱プレス装置を用いて加熱加圧して接着する。そして、接着された樹脂シートの上に所定の寸法および形状のレジスト膜を形成して、樹脂シートの不要な部分をエッチングにより除去し、さらにレジスト膜を除去することで、樹脂層4が形成される。樹脂層4を形成する場合は、樹脂層4を形成した後に、さらに合金層およびスパッタ層を順次全面に形成し、その上に、上記と同様にして主導体層2aを形成する。
プローブ端子は、例えば、以下のようにして作製され、回路基板に取り付けられる。まず、シリコンウエハの1面にエッチングにより複数のプローブ端子の雌型を形成し、雌型を形成した面にめっき法によりニッケルから成る金属を被着させるとともに雌型をニッケルで埋め込み、埋め込まれたニッケル以外のウエハ上のニッケルをエッチング等の加工を施すことにより除去して、ニッケル製プローブ端子が埋設されたシリコンウエハを作製する。このシリコンウエハに埋設されたニッケル製プローブ端子を回路基板の上の表面回路導体2の第2の領域2−2上の金属層2cに半田等の接合材で接合する。そして、シリコンウエハを水酸化カリウム水溶液で除去することによって、プローブ端子付き回路基板が得られる。
本発明の回路基板の実施の形態の一例を示す上面図である。 (a)は、本発明の回路基板の実施の形態の一例の要部を拡大した上面図であり、(b)は(a)の断面図である。 本発明の回路基板の実施の形態の一例の要部を拡大した断面図である。 (a)は、本発明の回路基板の実施の形態の一例の要部を拡大した上面図であり、(b)は(a)の断面図である。 (a)は、従来の回路基板を示す上面図であり、(b)は(a)の要部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1:絶縁基板
1a:絶縁層
1b:凹部
2:表面回路導体
2−1:第1の領域
2−2:第2の領域
2a:主導体層
2b:薄膜層
2b−1:スパッタ層
2b−2:合金層
2b−3:密着金属層
2c:金属層
3:内部配線
3a:配線層
3b:貫通導体

Claims (4)

  1. 絶縁基板の表面に表面回路導体を有する回路基板であって、前記絶縁基板は前記表面回路導体の周縁部に沿った溝状の凹部を有し、前記表面回路導体の端部は前記凹部内に位置しており、前記表面回路導体は最表面に金属層を有しており、該金属層は前記凹部の外側の側面に接触していることを特徴とする回路基板。
  2. 前記表面回路導体は、前記絶縁基板の内部の内部配線が接続された第1の領域と、プローブ端子が取り付けられる第2の領域とを有していることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
  3. 前記表面回路導体は、前記第2の領域の内部に樹脂層を有していることを特徴とする請求項2記載の回路基板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回路基板の前記金属層の上にプローブ端子が接続されていることを特徴とするプローブ端子付き回路基板。
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