JP2009280972A - 接合用シート状部材、接合用シート状部材の製造方法、及びコンクリート躯体の表面処理方法 - Google Patents

接合用シート状部材、接合用シート状部材の製造方法、及びコンクリート躯体の表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート躯体1の仕上げ面1aを確実に粗面に形成できるとともに、高い接合強度を確保可能な接合用シート状部材21等を提供する。
【解決手段】コンクリート躯体1の仕上げ面1aに表面仕上げ材11を接合すべく、前記仕上げ面1aと前記表面仕上げ材11との間に配置され、前記表面仕上げ材11側の面21aが粗面に形成された接合用シート状部材21である。前記表面仕上げ材11側の面21a又は前記仕上げ面1a側の面21bの少なくとも一方に粗面を形成するための網目状シート部材25と、前記網目状シート部材25が固定されて固化したセメント系組成層23と、を有する。前記セメント系組成層23の少なくとも一部が前記接合用シート状部材21の厚み方向の両面たる前記表面仕上げ材11側の面21a及び前記仕上げ面1a側の面21bにおいて露出している。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンクリート躯体の仕上げ面に外壁タイルや外壁モルタル等の表面仕上げ材を接合するための接合用シート状部材、接合用シート状部材の製造方法、及びコンクリート躯体の表面処理方法に関する。
従来、コンクリート躯体の仕上げ面には、外壁タイルや外壁モルタル等の表面仕上げ材が敷設される。そして、通常は、前記表面仕上げ材とコンクリート躯体との接合強度を高めるべく、コンクリート躯体の仕上げ面は粗面に形成される。
この粗面化方法の一例として、特許文献1には、立体網目状繊維シートを用いることが示されている。すなわち、この立体網目状繊維シートは、コンクリート打設前の型枠の内壁面に予め仮止めされており、そして、当該型枠内にコンクリート打設されて脱型後には、硬化したコンクリート躯体の表面に立体網目状繊維シートが一体化され、これによりコンクリート躯体の仕上げ面が粗面に形成される。
但し、上記の粗面化方法を実際に行ってみると、コンクリート打設中には、流動性を有するコンクリートのセメントペースト分が、立体網目状シートの網目を厚み方向に透過して裏面から表面へと回り込んでしまう。その結果、当該立体網目状シートのほぼ全部がコンクリート躯体内に埋没してしまってコンクリート表面から突出しなくなり、つまり、コンクリート躯体の仕上げ面を粗面にすることが困難であった。
そこで、これを解決する方法として、特許文献2には、立体網目状繊維シートの厚み方向の中間層にポリビニルアルコール等のアルカリ可溶性の薄膜を設けて、コンクリート打設中のセメントペースト分の立体網目状シートの透過を抑えることが提案されている。
特公昭62−53666号 特開2003−231109号
しかしながら、この薄膜の溶け具合の調整は難しく、すなわち、この薄膜を溶け易くすると、セメントペースト分の立体網目状繊維シートの透過を有効に防止できずに、相変わらず立体網目状繊維シートのほぼ全部がコンクリート躯体内に埋没してしまう一方、逆に薄膜を溶け難くすると、溶け残った薄膜が、セメントとは組成の異なる異物層としてコンクリート躯体中に残存してしまい、その結果、この部分を起点として界面剥離を来たす等、表面仕上げ材の接合強度が弱くなる虞があった。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたもので、コンクリート躯体の仕上げ面を確実に粗面に形成できるとともに、高い接合強度を確保可能な接合用シート状部材、接合用シート状部材の製造方法、及びコンクリート躯体の表面処理方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1に示す接合用シート状部材は、
コンクリート躯体の仕上げ面に表面仕上げ材を接合すべく、前記仕上げ面と前記表面仕上げ材との間に配置され、前記表面仕上げ材側の面が粗面に形成された接合用シート状部材であって、
前記表面仕上げ材側の面又は前記仕上げ面側の面の少なくとも一方に粗面を形成するための網目状シート部材と、前記網目状シート部材が固定されて固化したセメント系組成層と、を有し、
前記セメント系組成層の少なくとも一部が、前記接合用シート状部材の厚み方向の両面たる前記表面仕上げ材側の面及び前記仕上げ面側の面において露出していることを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、接合用シート状部材のセメント系組成層が、コンクリート打設時のセメントペースト分の厚み方向の移動を阻み、これにより、前記表面仕上げ材側の面に形成された粗面がコンクリート躯体内に埋没してしまうことが有効に防がれる。よって、コンクリート躯体における表面仕上げ材側の面を、確実に粗面化可能となる。
また、セメント系組成層は、組成がセメント系であるとともに、その一部が、接合用シート状部材の前記厚み方向の両面たる表裏面において外方に露出している。よって、裏面側に打設されるコンクリートとは、当該裏面側で露出する部分において確実に接合一体化される一方、同セメント系組成層は、その表面側にて表面仕上げ材との接合に一般に供される接着材とのなじみ性も良いので、当該表面側で露出する部分においては前記接着材と確実に接合一体化される。その結果、コンクリート躯体から前記接着材までに亘りセメント系組成の材料が概ね分断されずに繋がった状態を形成できて、つまり、厚み方向の一部においてセメント系組成の材料が縁切りされた状態を回避できて、これにより、コンクリート躯体の仕上げ面と表面仕上げ材との接合強度を高めることができる。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の接合用シート状部材であって、
前記網目状シート部材は、一部が前記セメント系組成層に埋没して固定され、一部が前記セメント系組成層の前記厚み方向の両面のうちの少なくとも一方の面から突出し、
前記一方の面から突出する前記網目状シート部材の部分によって、前記接合用シート状部材における前記表面仕上げ材側の面が粗面に形成されていることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、前記接合用シート状部材における前記表面仕上げ材側の面が網目状シート部材によって粗面に形成されているので、そのアンカー効果により、外壁タイルや外壁モルタル等の表面仕上げ材を高い接合強度で接合用シート状部材に接合可能となる。
請求項3に示す発明は、請求項2に記載の接合用シート状部材であって、
前記セメント系組成層における前記一方の面の逆側の面からは、前記網目状シート部材が突出しておらず、当該面には凹凸が一体形成されていることを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、前記セメント系組成層の両面のうち前記網目状シート部材が突出していない方の面には、凹凸が形成されて粗面化されている。よって、当該面と、これに隣接する前記コンクリート躯体の仕上げ面とは、前記凹凸によるアンカー効果によって確実に接合される。
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
前記セメント系組成層には、前記厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていないことを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、セメント系組成層には貫通孔が形成されていないので、コンクリート打設時のセメントペースト分の厚み方向の移動を完全に阻止して、コンクリート躯体内への接合用シート状部材の埋没は確実に防止される。よって、接合用シート状部材の表面仕上げ材側の面に形成された粗面を確実にコンクリート躯体から突出させて露出することができて、その結果、コンクリート躯体における表面仕上げ材側の面に確実に粗面を形成することができる。
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
前記網目状シート部材は不織布であり、
前記不織布の繊度は、1〜500dtの範囲であり、
前記不織布の坪量は、10〜600g/mの範囲であることを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、網目状シート部材がセメント系組成層の面を覆った状態においても、当該網目状シート部材の網目を通して前記セメント系組成層の前記面が適度に露出する程度に目の透いた網目状シート部材を構成することができる。よって、前記セメント系組成層の少なくとも一部を前記接合用シート状部材の厚み方向の両面において露出させることができる。
請求項6に示す発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
前記セメント系組成層は、ポリマーセメント又はポリマーモルタルを素材として形成されることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、ポリマーセメント又はポリマーモルタルの弾性変形能に基づいてセメント系組成層は可逆的に弾性変形可能になるので、接合用シート状部材も容易に弾性変形可能となる。よって、必要に応じて自在に変形できて、取り扱い性に優れたものとなる。例えば、搬送時には丸められるし、また、型枠の内壁面に仮固定する際に割れることも無く敷設し易い。
請求項7に示す発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の接合用シート状部材の製造方法であって、
前記セメント系組成層の材料たるセメント系組成材料を型枠内に打設する打設ステップと、
固化前の前記セメント系組成材料の上方から前記網目状シート部材を部分的に浸せきする浸せきステップと、
前記網目状シート部材を部分的に浸せきした状態で前記セメント系組成材料を固化する固化ステップと、
固化後の前記セメント系組成材料を前記型枠から脱型する脱型ステップと、を備えたことを特徴とする。
上記請求項7に示す発明によれば、前記接合用シート状部材を、簡単且つ確実に製造可能となる。
請求項8に示す発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の接合用シート状部材を用いたコンクリート躯体の表面処理方法であって、
前記接合用シート状部材の粗面を型枠の内壁面に対向させつつ前記接合用シート状部材を前記内壁面に仮固定する仮固定ステップと、
前記接合用シート部材が仮固定された前記型枠内にコンクリートを打設する打設ステップと、
前記コンクリートの硬化後に、前記接合用シート状部材が一体化された前記コンクリートを前記型枠から脱型する脱型ステップと、
前記接合用シート状部材の前記粗面に表面仕上げ材を接合するステップと、を備えたことを特徴とする。
上記請求項8に示す発明によれば、接合用シート状部材によってコンクリート躯体に粗面を確実に形成することができる。よって、当該粗面により、コンクリート躯体に外壁タイルや外壁モルタル等の表面仕上げ材を高い接合強度で接合可能となる。
本発明に係る接合用シート状部材、接合用シート状部材の製造方法、及びコンクリート躯体の表面処理方法によれば、コンクリート躯体の仕上げ面を確実に粗面に形成できるとともに、高い接合強度を確保可能となる。
===接合用シート状部材21===
図1は、本実施形態に係る接合用シート状部材21が設けられたコンクリート躯体1の模式図である。また、図2は、本実施形態に係る接合用シート状部材21を表面21a側から見た斜視図であり、図3は同裏面21b側から見た斜視図であり、図4は接合用シート状部材21の概略側面図である。
図1に示すように、この接合用シート状部材21は、コンクリート躯体1の仕上げ面1aに表面仕上げ材の一例としての外壁タイル11を接合するための中間媒体であり、つまり、コンクリート躯体1の完成状態においては、コンクリート躯体1の仕上げ面1aと前記外壁タイル11との間に介装された状態となる。なお、以下では、接合用シート状部材21におけるコンクリート躯体1側の面を裏面21bと言い、外壁タイル11側の面を表面21aと言う。また、これら表裏面21a,21bの法線方向を厚み方向と言う。
図4に示すように、接合用シート状部材21は、略所定厚みに固化したセメント系組成層23と、このセメント系組成層23の表面23aに配置されて一部25dが前記セメント系組成層23に埋設固定され、一部25cが前記セメント系組成層23の表面23aから突出した網目状シート部材25と、を備えている。
そして、コンクリート躯体1の構築過程図の図5Aに示すように、この接合用シート状部材21の表面21a側をコンクリート打設前の型枠3の内壁面に対向させつつ仮固定した後に、図5Bに示すように当該型枠3内にコンクリート1を打設して、図5Cに示すように脱型すれば、硬化したコンクリート躯体1の表面1aには接合用シート状部材21が一体化されるとともに、当該接合用シート状部材21の網目状シート部材25によりコンクリート躯体1は粗面化される。よって、しかる後に、図5Dに示すように、モルタルやポリマーモルタル等といったセメント系接着材、又はセメントと親和性のあるポリマー樹脂系接着材等によって、前記網目状シート部材25に外壁タイル11を貼り付ければ、当該網目状シート部材25のアンカー効果により前記外壁タイル11はコンクリート躯体1に強固に接合される。
網目状シート部材25としては、図2に白色で示されているように、接合用シート状部材21の表面21aにおいて、前記セメント系組成層23が部分的に露出するような網目のものが使用される。換言すると、図2で白色の繊維状に示された網の間の隙間(空間)たる網目を通して、厚み方向の外方からセメント系組成層23の表面23aが見えるような部材が使用される。そして、このような網目状シート部材25によれば、前記外壁タイル11を接着すべく前記セメント系接着材や前記ポリマー樹脂系接着材を網目状シート部材25に塗った際には、同接着材は前記網目を通してセメント系組成層23の表面23aまで速やかに含浸して到達するので、前記表面21a側において露出する部分と前記接着材とは強固に接合一体化されるようになる。
この例では、このような網目を有した網目状シート部材25として、図6の平面図に示すような、網目を通して反対側が透けて見える不織布を使用している。なお、このような目の透いた網目の不織布は、その繊度を1〜500dtに設定するとともに、坪量を10〜600g/mに設定することにより形成される。また、不織布の材質としては、ビニロン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、綿、麻等、耐アルカリ性を有していれば、何れを用いても良い。不織布の製法としては、例えば浸漬法、ニードルパンチ、スパンボンド法、及びステッチ法などが挙げられる。
セメント系組成層23は、図5Bに示すように、その裏面23b側にコンクリート1が打設される際に当該コンクリート1中のセメントペースト分が裏面23b側から表面23a側に移動するのを阻止し、表面23a側に位置する網目状シート部材25のコンクリート躯体1内への埋没を防ぐものである。よって、セメント系組成層23は、網目状シート部材25の裏面全面に亘って設けられるとともに、より望ましくは、セメント系組成層23には、裏面23bから表面23aへと貫通する貫通孔が全く形成されないようにすると良い。
また、セメント系組成層23は、その名のとおり、少なくともセメントを含む層である。よって、裏面23b側に打設されるコンクリート1とは謂わば同種材料であり、その親和性も高く、もって、裏面23b側に打設形成されるコンクリート躯体1と強固に一体化される。更には、その表面23a側にあっても、前述した外壁タイル11用のセメント系接着材又はセメントと親和性のあるポリマー樹脂系接着材と高い親和性で接合する(図5Dを参照)。その結果、コンクリート1から前記接着材までに亘って、セメント系組成の材料又はセメント親和性材料が分断されずに繋がった状態を形成できて、つまり、厚み方向の一部においてセメント系組成の材料又はセメント親和性材料が縁切りされた状態を回避できて、これにより、コンクリート躯体1と外壁タイル11との高い接合強度を確保可能となる。
ちなみに、この例では、セメント系組成層23の裏面23bからは網目状シート部材25が突出していないので、コンクリート1との接合強度向上の観点から裏面23bを粗面化すべく、当該裏面23bには凹凸の一例として多数の円形凹部27が格子配列で形成されているが(図5B、図3、及び図4を参照)、これら円形凹部27は必須構成ではなく、形成しなくても良い。
===接合用シート状部材21の製造方法===
図7A乃至図7Dは、上述した接合用シート状部材21の製造方法の説明図であり、何れも縦断面図である。
先ず、上面が開口した有底箱状の成形用型枠41を準備する。なお、この成形用型枠41の底面には、予め、上述のセメント系組成層23の裏面23bの円形凹部27に対応させて多数の凸部47が形成されている。これら凸部47の形成方法としては、成形用型枠41の底面にエアーキャップ等を敷設固定すること等が挙げられる。
次に、図7Bに示すように、セメント系組成層23の材料たるセメント系組成材料23を成形用型枠41内に流し込む。そして、そのセメント系組成材料23が未固化の状態において、その上方に配置した網目状シート部材25を除々に下降して、セメント系組成材料23の上面からセメント系組成材料23内に部分的に浸せきし、これにより、図7Cに示すように、網目状シート部材25の上部25cをセメント系組成材料23の上面から突出させつつ下部25dをセメント系組成材料23内に埋没させた状態にする。
そうしたら、この部分的に浸せきした状態で所定時間放置し、セメント系組成材料23を固化させる。
最後に、図7Dに示すように、固化したセメント系組成材料23たるセメント系組成層23を成型用型枠41から脱型し、これにより、接合用シート状部材21が製造される。
===接合用シート状部材21を用いたコンクリート躯体1の表面処理方法===
ここで、接合用シート状部材21を用いたコンクリート躯体1の表面処理方法について図5A乃至図5Dを参照しつつ説明する。
先ず、図5Aに示すように、コンクリート用型枠3の内壁面に接合用シート状部材21の表面21aを対向させながら同内壁面に接合用シート状部材21を敷設し、不図示のステープル等により仮固定する。
次に、図5Bに示すように、コンクリート用型枠3内にコンクリート1を打設する。なお、この打設中には、接合用シート状部材21の裏面21b側に打設されたコンクリート1に係るセメントペースト分の厚み方向の移動は、接合用シート状部材21の密実なセメント系組成層23によって阻止されるので、接合用シート状部材21の表面21a側へのセメントペースト分の回り込みはほぼ皆無に抑えられ、結果、接合用シート状部材21の表面21aは、網目状シート部材25が部分的に突出した状態に維持されて粗面になる。
また、接合用シート状部材21の裏面21bにはセメント系組成層23が露出しているので、裏面21b側に打設されるコンクリート1とセメント系組成層23とは確実に接合一体化される。なお、この時には、セメント系組成層23の裏面23bに形成された前記円形凹部27にコンクリート1が入り込むことによりアンカー効果が生じるので、接合強度がより一層高められる。
次に、コンクリート1の硬化後、図5Cに示すようにコンクリート1をコンクリート用型枠3から脱型し、これによりコンクリート躯体1が成形される。なお、この時には、コンクリート躯体1の表面1aには接合用シート状部材21が一体化されているとともに、接合用シート状部材21のセメント系組成層23の表面23aからは部分的に網目状シート部材25が突出しており、これにより、コンクリート躯体1の表面1a側に粗面が形成された状態となっている。
そうしたら、接合用シート状部材21の表面21aにセメント系接着材等を塗布し、当該表面21aに外壁タイル11を貼り付ける(図5Dを参照)。なお、この時には、接合用シート状部材21の表面21aには、網目状シート部材25以外にセメント系組成層23も部分的に露出しているので、前記セメント系接着材や前記ポリマー樹脂系接着材は、セメント系組成層23の表面23aまで速やかに含浸到達し、その結果、当該表面23a側において露出する部分と前記接着材とは強固に接合一体化される。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、接合用シート状部材21の表面21aからのみ網目状シート部材25を突出させ、裏面21bからは突出させていなかったが、何等これに限るものではなく、表裏両面21a,21bにおいて網目状シート部材25を突出させても良い。但し、この場合には、接合用シート状部材21の表裏両面21a,21bにおいて前記セメント系組成層23が部分的に露出しているのは言うまでもない。また、この構成によれば、網目状シート部材25により裏面21bは粗面化されているので、裏面21bに前述の円形凹部27等の凹凸を形成しなくても良く、更には、前記凹凸よりも接合強度を高められる等のメリットがある。
上述の実施形態では、網目状シート部材25として不織布を例示したが、網目を有し当該網目を通して、前記セメント系組成層23の少なくとも一部が前記接合用シート状部材21の厚み方向の両面21a,21bにおいて露出するように構成されるのであれば、何等これに限るものではなく、例えば、織布でも良いし、立毛布帛でも良い。ここで、立毛布帛とは、立毛部を有する編織物のことを言う。なお、立毛部は、ループ状のものでも良いし、繊維の先端が裁断された形態のものでも構わない。
上述の実施形態では、成型用型枠41に打設したセメント系組成材料23に、網目状シート部材25を浸せきすることにより、接合用シート状部材21を製造したが、何等これに限るものではなく、例えば、網目状シート部材25にセメント系組成材料23を吹き付けることにより、接合用シート状部材21を製造しても良い。但し、浸せきによる方法の方が、密実なセメント系組成層23を形成できるので、望ましい。
上述の実施形態では、接合用シート状部材21の表面21a(表面仕上げ材11側の面)を網目状シート部材25によって粗面にし、同裏面21b(コンクリート躯体仕上げ面1a側の面)を前記円形凹部27(セメント系組成層23に一体形成された凹凸)によって粗面にしたが、何等これに限るものではなく、表裏を逆にしても良い。つまり、接合用シート状部材21の裏面21b(コンクリート躯体仕上げ面1a側の面)を網目状シート部材25によって粗面にし、同表面21a(表面仕上げ材11側の面)を円形凹部27(セメント系組成層23に一体形成された凹凸)によって粗面にしても良い。
本実施形態に係る接合用シート状部材21が設けられたコンクリート躯体1の模式図である。 本実施形態に係る接合用シート状部材21を表面21a側から見た斜視図である。 同裏面21b側から見た斜視図である。 前記接合用シート状部材21の概略側面図である。 図5A乃至図5Dは、前記接合用シート状部材21を用いたコンクリート躯体1の表面処理方法の説明図である。 網目状シート部材25の一例としての目の透いた不織布の平面図である。 図7A乃至図7Dは、前記接合用シート状部材21の製造方法の説明図である。
符号の説明
1 コンクリート(コンクリート躯体)、1a 表面(仕上げ面)、
3 コンクリート用型枠(型枠)、11 タイル(表面仕上げ材)、
21 接合用シート状部材、21a 表面、21b 裏面、
23 セメント系組成材料(セメント系組成層)、23a 表面、23b 裏面、
25 網目状シート部材、25c 上部(一部)、25d 下部(一部)、
27 円形凹部、41 成型用型枠、47 凸部

Claims (8)

  1. コンクリート躯体の仕上げ面に表面仕上げ材を接合すべく、前記仕上げ面と前記表面仕上げ材との間に配置され、前記表面仕上げ材側の面が粗面に形成された接合用シート状部材であって、
    前記表面仕上げ材側の面又は前記仕上げ面側の面の少なくとも一方に粗面を形成するための網目状シート部材と、前記網目状シート部材が固定されて固化したセメント系組成層と、を有し、
    前記セメント系組成層の少なくとも一部が、前記接合用シート状部材の厚み方向の両面たる前記表面仕上げ材側の面及び前記仕上げ面側の面において露出していることを特徴とする接合用シート状部材。
  2. 請求項1に記載の接合用シート状部材であって、
    前記網目状シート部材は、一部が前記セメント系組成層に埋没して固定され、一部が前記セメント系組成層の前記厚み方向の両面のうちの少なくとも一方の面から突出し、
    前記一方の面から突出する前記網目状シート部材の部分によって、前記接合用シート状部材における前記表面仕上げ材側の面が粗面に形成されていることを特徴とする接合用シート状部材。
  3. 請求項2に記載の接合用シート状部材であって、
    前記セメント系組成層における前記一方の面の逆側の面からは、前記網目状シート部材が突出しておらず、当該面には凹凸が一体形成されていることを特徴とする接合用シート状部材。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
    前記セメント系組成層には、
    前記厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていないことを特徴とする接合用シート状部材。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
    前記網目状シート部材は不織布であり、
    前記不織布の繊度は、1〜500dtの範囲であり、
    前記不織布の坪量は、10〜600g/mの範囲であることを特徴とする接合用シート状部材。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の接合用シート状部材であって、
    前記セメント系組成層は、ポリマーセメント又はポリマーモルタルを素材として形成されることを特徴とする接合用シート状部材。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の接合用シート状部材の製造方法であって、
    前記セメント系組成層の材料たるセメント系組成材料を型枠内に打設する打設ステップと、
    固化前の前記セメント系組成材料の上方から前記網目状シート部材を部分的に浸せきする浸せきステップと、
    前記網目状シート部材を部分的に浸せきした状態で前記セメント系組成材料を固化する固化ステップと、
    固化後の前記セメント系組成材料を前記型枠から脱型する脱型ステップと、を備えたことを特徴とする接合用シート状部材の製造方法。
  8. 請求項1乃至6の何れかに記載の接合用シート状部材を用いたコンクリート躯体の表面処理方法であって、
    前記接合用シート状部材の粗面を型枠の内壁面に対向させつつ前記接合用シート状部材を前記内壁面に仮固定する仮固定ステップと、
    前記接合用シート部材が仮固定された前記型枠内にコンクリートを打設する打設ステップと、
    前記コンクリートの硬化後に、前記接合用シート状部材が一体化された前記コンクリートを前記型枠から脱型する脱型ステップと、
    前記接合用シート状部材の前記粗面に表面仕上げ材を接合するステップと、を備えたことを特徴とするコンクリート躯体の表面処理方法。
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