JP2009280165A - 車両用天井材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より良好な消臭効果を発揮することができる車両用天井材及び生産効率の良い車両用天井材の製造方法を提供する。
【解決手段】車両用天井材10は、天井材を構成する基材11上に該基材11を補強するガラス繊維マット12又は不織布層16よりなる補強材層を積層し、その上に表面材14を設けたものである。基材11は接着剤としてポリイソシアネートが含浸された軟質又は硬質のポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層上にはポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。ポリイソシアネートは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートであることが好ましく、触媒はアミン触媒であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の天井材等として好適に使用され、良好な消臭性を発揮することができる車両用天井材及びその製造方法に関するものである。
従来、自動車用の天井材には車室内の臭気を取り除くための消臭機能を発現するいわゆる消臭天井が知られている。具体的には、天井材を構成するポリエステル不織布等の表面材の表面に、消臭剤が添加された傷付き防止用のアクリル樹脂が塗布されて消臭剤層が形成されている。そして、係る消臭剤層により、臭気成分が吸着分解又は化学分解(酸化分解)されるようになっている。しかしながら、この自動車用天井材では、消臭剤層が表面材の表面に形成されていることから、その消臭剤層を構成する消臭剤によって表面材が変色又は退色したり、消臭剤層から消臭剤が揮散しやすく、フロントガラス等の内面に雲り(フォギング)を生じたりするという問題があった。
そこで、表皮材の内側に消臭剤を含む層を形成した自動車内装用表面材が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、繊維ウェブをその表裏面間に針刺加工によるフィラメント束の先端部が小隆起として突出するワディング材の各小隆起の先方部分に機能付与剤層を形成すると共に、該機能付与剤層に上乗せされた点状接着部により表皮材を接着一体化した自動車内装用表面材である。この自動車内装用表面材によれば、少量の接着剤で十分な接着強度を有し、優れた風合いを得ることができる。
特開平8−289986号公報(第2頁、第3頁及び図1)
ところが、特許文献1に記載されている自動車内装用表面材では、風合いを損なわないようにすべく機能付与剤層及び接着部が点状に設けられていることから、機能付与剤層に含まれる消臭剤に基づく消臭効果を満足に発現させることはできなかった。
また、自動車内装用表面材を製造する場合には、繊維ウェブの表裏面間に針刺加工によって表面より突出する小隆起を形成しなければならず、さらにその小隆起の部分に機能付与剤層を形成し、かつその上に点状接着部を形成しなければならない。このため、自動車内装用表面材の製造工程が煩雑で、製造に時間を要し、生産効率が悪いという問題があった。
そこで本発明の目的とするところは、従来より良好な消臭効果を発揮することができる車両用天井材及び生産効率の良い車両用天井材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の車両用天井材は、天井材を構成する基材上に該基材を補強する補強材層を積層し、その上に表面材を設けたものである。そして、前記基材は接着剤としてポリイソシアネートが含浸されたポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層上にはポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする。
請求項2の車両用天井材は、請求項1に係る発明において、前記ポリイソシアネートは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートであり、触媒はアミン触媒であることを特徴とする。
請求項3の車両用天井材は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、該不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする。
請求項4の車両用天井材は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記基材は硬質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層により構成され、該ガラス繊維層上には前記触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする。
請求項5の車両用天井材の製造方法は、請求項1に記載の車両用天井材の製造方法であって、前記基材のポリウレタン発泡体にポリイソシアネートを含浸させ、該基材上に補強材層を積層し、該補強材層上には触媒水溶液に希釈された消臭剤水溶液を塗布した後、加熱プレス成形することを特徴とする。
請求項6の車両用天井材の製造方法は、請求項5に係る発明において、前記基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、該不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする。
請求項7の車両用天井材の製造方法は、請求項5に係る発明において、前記基材は硬質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層により構成され、該ガラス繊維層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1の車両用天井材では、基材のポリウレタン発泡体には接着剤としてポリイソシアネートが含浸されており、消臭剤はポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈され、補強材層上に塗布されている。このため、接着剤及び触媒により基材と補強材層との間の接着性を向上させることができると共に、表面材の接着性も向上させることができる。さらに、消臭剤の塗布を効率良く行うことができ、消臭剤を均一に配設することができる。従って、従来の点状に設けられている場合に比べて消臭剤に基づく消臭機能を十分に発現することができる。よって、車両用天井材は、従来より良好な消臭効果を発揮することができる。
請求項2の車両用天井材では、ポリイソシアネートは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートであり、触媒はアミン触媒である。従って、請求項1に係る発明の効果に加えて、基材と補強材層との間の接着を速やかに行うことができると共に、接着強度を向上させることができる。
請求項3の車両用天井材では、基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、接着剤が表面材の表側に染み出ることが抑制され表面材の外観を悪くすることがないと共に、不織布層により吸音性を高めることができる。
請求項4の車両用天井材では、消臭剤はポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈され、ガラス繊維層上に塗布されている。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、接着剤とその触媒により基材とガラス繊維層との間の接着性を向上させることができると共に、表面材との接着性も向上させることができる。さらに、消臭剤の塗布を効率良く行うことができ、消臭剤を均一に配設することができる。
請求項5の車両用天井材の製造方法では、基材のポリウレタン発泡体にポリイソシアネートを含浸させ、該基材上に補強材層を積層し、該補強材層上には触媒水溶液に希釈された消臭剤水溶液を塗布した後、加熱プレス成形するものである。このため、従来の製造工程において消臭剤水溶液を塗布する工程を加えるだけで良く、しかも触媒水溶液塗布工程と同時に消臭剤を塗布することになり、新たに消臭剤塗布工程を追加する必要がない。従って、従来より良好な消臭効果を奏する車両用天井材を生産効率良く製造することができる。さらに、消臭剤は触媒水溶液で希釈されているため、天井材に満遍なく配設することができ、消臭剤に基づく消臭機能を十分に発現することができる。
請求項6の車両用天井材の製造方法では、基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成され、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、該不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。従って、請求項5に係る発明の効果に加え、接着剤が表面材の表側に染み出ることが抑制され表面材の外観を悪くすることがないと共に、不織布層により吸音性を高めることができる。
請求項7の車両用天井材の製造方法では、基材は硬質ポリウレタン発泡体により形成され、補強材層はガラス繊維層により構成され、該ガラス繊維層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。従って、請求項5に係る発明の効果に加え、接着剤とその触媒により基材とガラス繊維層との間の接着性を向上させることができ、さらに表面材との接着性も向上させることができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
まず、車両用天井材について説明する。図1(a)に示すように、車両用天井材10は、天井材を構成し硬質ポリウレタン発泡体より形成された基材11の両面上に該基材11を補強する補強材層としてのガラス繊維マット12が積層され、その表面側(室内側)のガラス繊維マット12上に消臭剤が塗布され、該ガラス繊維マット12上に表面材14が設けられて構成されている。前記消臭剤は、接着剤としてのポリイソシアネートの反応を促進する触媒水溶液で希釈されており、ガラス繊維マット12と表面材14との間において満遍なく配設されている。このため、従来の点状に設けられた場合に比べて消臭剤に基づく消臭機能を十分に発現することができる。
また、図1(b)に示すように、車両用天井材10は、天井材を構成し軟質ポリウレタン発泡体より形成された基材11の両面上にガラス繊維層15が積層され、その表面側のガラス繊維層15上に不織布層16が形成され、該不織布層16上に消臭剤が塗布され、その不織布層16上に表面材14が設けられて構成されている。この場合には、ガラス繊維層15と不織布層16とにより補強材層が構成されている。前記消臭剤は、不織布層16と表面材14との間において満遍なく配設されている。なお、裏面側のガラス繊維層15上には裏面材13が設けられている。
前記基材11を構成する硬質ポリウレタン発泡体は、一般にセル(気泡)が独立する独立気泡構造を有し、圧縮力に対して可塑変形し、復元性を有しない発泡体を意味する。従って、係る硬質ポリウレタン発泡体は、軟質ポリウレタン発泡体に比べて硬度が高いため、車両用天井材の成形にあたって硬化剤(接着剤)の使用量が少なくてすむ。一方、軟質ポリウレタン発泡体は、軽量で、一般にセルが連通する連続気泡構造を有し、柔軟性があり、かつ復元性を有するものを意味する。従って、係る軟質ポリウレタン発泡体は、車両用天井材10の成形に際し、成形性が良いため深絞り形状等の成形に適する。
前記図1(a)に示すガラス繊維マット12は、ガラス繊維を束ねたロービングガラスを切断し、シート状に堆積させてマット状に形成したものである。図1(b)に示すガラス繊維層15は同様にロービングガラスを切断して基材11上にばら撒いて接着剤で固めることにより形成されたものである。また、不織布層16を形成する不織布は、スパンボンド不織布である。該スパンボンド不織布は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の溶融温度の低い樹脂を加熱、溶融して紡糸し、得られる長繊維を重ね合せてウェブを形成し、熱ロールで熱融着して得られるものである。スパンボンド不織布の目付量は、10〜30g/m程度である。
前記基材11のポリウレタン発泡体には接着剤として例えばポリイソシアネートが含浸され、係る接着剤に、加熱と共にその接着剤の硬化を促進する触媒を加えることにより基材11と補強材層、さらには表面材14が接着されるようになっている。該接着剤は水分と反応して硬化するものであって、例えば4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系の接着剤のほか、過剰量のポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー等が用いられる。この接着剤の硬化を促進させる触媒として、トリエチルアミン等のアミン触媒のほか、塩化第2スズ、塩化アンモニウム等を用いることもできる。ポリイソシアネートとしては接着性能に優れる4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましく、触媒としては硬化促進作用に優れるアミン触媒が好ましい。接着剤は、水分と反応して硬化するため、触媒は水に溶かした水溶液として使用される。従って、アミン触媒を水に溶かしたアミン水が好適に使用される。
前記消臭剤は特に制限されないが、例えばカルボジジヒドラジド、ポリビニルアミン等のアミン系化合物、酸無水物基を有する化合物、金属錯体を有する化合物等が用いられる。この消臭剤は、臭いの成分であるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アンモニア、酢酸等の酸類、アミン類、硫黄化合物等を、中和反応、酸化反応、縮合反応等の反応により無臭の成分に変化させるものである。消臭剤としては、自動車用の天井材を考慮した場合アルデヒド類やアンモニアの消臭効果に優れるアミン系化合物が好ましい。該消臭剤は、前記接着剤の触媒水溶液により希釈されて所定の濃度に調整され、補強材層上に塗布される。このように、消臭剤の希釈剤として接着剤の触媒を利用するため、消臭剤の塗布を効率良く行うことができる。
前記表面材14は編地、織地、不織布等によって形成され、臭気等の気体を通す通気性シート状物である。
次に、前述した車両用天井材10の製造方法について説明する。
まず、基材11が硬質ポリウレタン発泡体である場合について説明する。この場合には、バッチ操作により車両用天井材10が製造される。図2に示すように、所定の大きさの基材11に予め接着剤が含浸され、その両面にガラス繊維マット12が積層された積層物がコンベヤ17のベルト18上に載置されて運ばれる。そして、基材11の表面側のガラス繊維マット12上に、コンベヤ17の上方位置に配設された複数(本実施形態では2台)の消臭剤スプレー装置19のノズル19aから前記触媒水溶液で希釈された消臭剤水溶液20がスプレー塗布される。消臭剤水溶液20の塗布量は、例えば20〜30g/mである。このとき、消臭剤水溶液20は消臭剤が触媒水溶液で希釈され、所定濃度で低粘度化されていることから、ガラス繊維マット12上の全面にわたって均一に散布される。
続いて、係るガラス繊維マット12上には、コンベヤ17の上方で消臭剤スプレー装置19より前方位置に配設され表面材14が巻回された表面材用ローラ21からガイドローラ22を介して表面材14が供給される。このようにして得られた積層体23は、加熱プレス成形装置24の下型25と上型26との間に移される。その状態で、下型25に対して上型26を下降させて型締めし、常法に従って所定温度で、所定時間加熱してプレス成形が行われる。なお、下型25には成形用凹部25aが形成され、上型26には成形用凹部25aに対応する成形用凸部26aが設けられ、所定形状の車両用天井材10が成形されるようになっている。
次に、基材11が軟質ポリウレタン発泡体である場合について説明する。この場合には、連続操作により車両用天井材10が製造される。図3に示すように、予め接着剤が含浸された基材11の表面側に切断されたロービングガラスをばら撒いて形成したガラス繊維層15と、該基材11裏面側の裏面材13の上(裏面材13の基材11側)に切断されたロービングガラスをばら撒いて形成したガラス繊維層15が積層される。表面側のガラス繊維層15上には、その上方位置に配設された触媒水溶液スプレー装置27のノズル27aから触媒水溶液28がスプレー塗布される。次いで、その上方位置に配設されスパンボンド不織布29が巻回された不織布用ローラ30から第1案内ローラ31及び上下一対の絞りローラ32を介してスパンボンド不織布29が表面側のガラス繊維層15上に供給される。このようにして基材11の表面側にガラス繊維層15を介して不織布層16が積層され、所定厚さに形成された積層体33が得られる。
続いて、得られた積層体33は第2案内ローラ34及び第3案内ローラ35により、図3に示すようにV字状に案内される。その積層体33の不織布層16上には、一対の絞りローラ32に近い位置において積層体33に直交する方向に配設された消臭剤スプレー装置19から前記触媒で希釈された消臭剤水溶液20がスプレー塗布される。このとき、消臭剤水溶液20は消臭剤が触媒で希釈され、所定濃度で低粘度化されているため、不織布層16上の全面にわたって均一に塗布される。
その後、係る不織布層16上には、積層体33の上方で第3案内ローラ35より前方位置に配設され表面材14が巻回された表面材用ローラ36から第5案内ローラ37を介して表面材14が供給される。このようにして得られた積層体40は、加熱プレス成形装置24の下型25と上型26との間に連続的に供給される。その状態で、下型25に対して上型26を下降させて型締めし、常法に従って所定温度で、所定時間加熱してプレス成形が行われる。なお、図3は模式的に描かれているが、積層体33、40は連続的に形成されており、連続した状態で加熱プレス成形装置24の下型25と上型26との間に供給される。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の車両用天井材10では、基材11のポリウレタン発泡体には接着剤としてポリイソシアネートが含浸されており、消臭剤はポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈され、補強材層上に塗布されて形成されている。このため、接着剤及び触媒により基材11と補強材層との間の接着性を向上させることができると共に、表面材14の接着性も向上させることができる。さらに、消臭剤の塗布を効率良く行うことができ、消臭剤を均一に配設することができる。従って、従来の点状に設けられている場合に比べて消臭剤に基づく消臭機能を十分に発現することができる。すなわち、たばこによる臭気、新車時における臭気等の臭気成分(ガス)は表面材14の間を縫って透過し、消臭剤と十分に接触して消臭効果が発揮される。よって、車両用天井材10は、従来より良好な消臭効果を発揮することができる。
・ 前記ポリイソシアネートは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であり、触媒はアミン触媒である。従って、基材11と補強材層との間の接着を速やかに行うことができると共に、接着強度を向上させることができる。
・ 基材11は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層15とその上の不織布層16とにより構成され、前記不織布層16上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。このため、接着剤が表面材14の表側に染み出ることが抑制され表面材14の外観を悪くすることがないと共に、不織布層16により吸音性を高めることができる。
・ 基材11は硬質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維マット12により構成され、該ガラス繊維マット12上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されている。従って、接着剤とその触媒により基材11とガラス繊維マット12との間の接着性を向上させることができる上に、表面材14との接着性も向上させることができる。さらに、消臭剤の塗布を効率良く行うことができ、消臭剤を均一に配設することができる。加えて、ガラス繊維マット12により補強材層の補強性能を向上させることができる。
・ 車両用天井材10の製造方法では、基材11のポリウレタン発泡体にポリイソシアネートを含浸させ、該基材11上に補強材層を積層し、該補強材層上には触媒水溶液に希釈された消臭剤水溶液をスプレー塗布した後、加熱プレス成形するものである。このため、従来の製造工程において触媒水溶液塗布工程と同時に消臭剤を塗布することになり、新たに消臭剤塗布工程を追加する必要がない。また、補強材に不織布を追加した場合でも、消臭剤水溶液を塗布する工程を成形ライン上に追加するだけでよい。従って、従来より良好な消臭効果を奏する車両用天井材10を生産効率良く製造することができ、製造コストの低減を図ることができる。さらに、消臭剤は触媒水溶液で希釈されているため、車両用天井材10に満遍なく配設することができ、消臭剤に基づく消臭機能を十分に発現することができる。加えて、消臭剤水溶液20をスプレー塗布した後、直ちにプレス成形することにより、従来のような長時間の乾燥工程を省略することができ、乾燥装置の削減及び製造コストの減少をもたらすことができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
〇 図3において、不織布層16上への消臭剤水溶液20のスプレー塗布は、一対の絞りローラ32から第3案内ローラ35までの間のいずれの位置に限らず、絞りローラ32と不織布用ローラ30との間で不織布29に塗布してもよい。つまり、消臭剤スプレー装置19を絞りローラ32から第3案内ローラ35までの位置又は絞りローラ32から不織布用ローラ30までの位置において積層体33又は不織布29にほぼ直交するように配設し、消臭剤スプレー装置19から消臭剤水溶液20を積層体33又は不織布29上にスプレー塗布することができる。
〇 基材11を形成するポリウレタン発泡体として、半硬質のポリウレタン発泡体を使用することもできる。
〇 前記ガラス繊維マット12上や不織布層16上に、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等で撥水、撥油処理を施し、基材11に含浸された接着剤が表面材14に染み込むことを抑制するように構成することも可能である。
〇 前記接着剤としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等を使用することもできる。
〇 車両用天井材10は、乗用車のほか、バス、トラック、電車等の車両の天井材として用いられる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記消臭剤は、補強材層と表面材との間において満遍なく配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用天井材。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、車両用天井材の消臭効果を一層向上させることができる。
・ 前記不織布層を形成する不織布は、スパンボンド不織布であることを特徴とする請求項3に記載の車両用天井材。このように構成した場合、請求項3に係る発明の効果に加えて、補強材として十分な強度及び柔軟性を発揮することができる。
(a)及び(b)は車両用天井材を示す断面図であり、(a)は基材として硬質ポリウレタン発泡体を使用した場合の断面図、(b)は基材として軟質ポリウレタン発泡体を使用した場合の断面図。 基材が硬質ポリウレタン発泡体である場合の車両用天井材の製造装置を模式的に示す説明図。 基材が軟質ポリウレタン発泡体である場合の車両用天井材の製造装置を模式的に示す説明図。
符号の説明
10…車両用天井材、11…基材、12…補強材層としてのガラス繊維マット、14…表面材、15…補強材層としてのガラス繊維層、16…補強材層としての不織布層、20…消臭剤水溶液、28…触媒水溶液。

Claims (7)

  1. 天井材を構成する基材上に該基材を補強する補強材層を積層し、その上に表面材を設けた車両用天井材であって、
    前記基材は接着剤としてポリイソシアネートが含浸されたポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層上にはポリイソシアネートの反応を促進させる触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする車両用天井材。
  2. 前記ポリイソシアネートは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートであり、触媒はアミン触媒であることを特徴とする請求項1に記載の車両用天井材。
  3. 前記基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、該不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用天井材。
  4. 前記基材は硬質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層により構成され、該ガラス繊維層上には前記触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用天井材。
  5. 請求項1に記載の車両用天井材の製造方法であって、
    前記基材のポリウレタン発泡体にポリイソシアネートを含浸させ、該基材上に補強材層を積層し、該補強材層上には触媒水溶液に希釈された消臭剤水溶液を塗布した後、加熱プレス成形することを特徴とする車両用天井材の製造方法。
  6. 前記基材は軟質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層とその上の不織布層とにより構成され、該不織布層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用天井材の製造方法。
  7. 前記基材は硬質ポリウレタン発泡体により形成されると共に、補強材層はガラス繊維層により構成され、該ガラス繊維層上には触媒水溶液により希釈された消臭剤が塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用天井材の製造方法。
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