JP2007238843A - 消臭性ポリウレタン発泡体及びその製造方法 - Google Patents

消臭性ポリウレタン発泡体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡性ビーズが含有され、自動車、電車、航空、家具等のクッション材、または建材用断熱材などに使用することができる安価な消臭性ポリウレタン発泡体を提供する。
【解決手段】ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、消臭剤、発泡剤を含むポリウレタン原料から発泡形成することにより、発泡体に消臭剤を分散させると共に発泡時の発熱で発泡性ビーズを発泡させた。消臭剤としては、有機物のみならず無機物も使用することができる。特に備長炭、カテキンが好ましく、また消臭剤の量はポリオール100重量部に対して0.5〜5重量部、発泡性ビーズの量はポリオール100重量部に対して10〜50重量部が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン原料の反応時の発熱で発泡した発泡性ビーズと消臭剤を含有してなる消臭性ポリウレタン発泡体とその製造方法に関する。
ポリウレタン原料に発泡性ビーズを含有させて、ポリウレタン原料の反応時における発熱で発泡性ビーズを発泡させた発泡性ビーズ含有ポリウレタン発泡体が提案されている。前記発泡性ビーズ含有ポリウレタン発泡体は、通気性、吸音性、断熱性、高硬度に優れるため、自動車、電車、航空、家具等のクッション材、または建材用断熱材などに使用することができる。また、発泡性ビーズ含有ポリウレタン発泡体は、用途によっては消臭性が求められることがある。
一方、消臭性を有する発泡性ビーズ成形品として、金属フタロシアニン誘導体からなる消臭剤の塗膜が表面に形成された発泡性ビーズを予備発泡させ、その後に型成形で賦形したものが提案されている。
しかし、前記消臭性発泡性ビーズ成形品は、使用可能な消臭剤が金属フタロシアニン誘導体に限定されるため、消臭剤選択の余地が少なく、安価な消臭剤を用いることができない問題がある。しかも、金属フタロシアニン誘導体からなる消臭剤を発泡性ビーズの表面に塗膜として固着するため、水性アクリル樹脂または水性ウレタン樹脂からなる固着剤に金属フタロシアニン誘導体を混入した混合物を、発泡性ビーズの表面に付着させて塗膜を形成する必要があることから、工程数が増大し、コストが嵩む問題がある。さらに、前記消臭性発泡性ビーズ成形品は、通常の発泡性ビーズ成形品と同様に、隣接する発泡性ビーズ同士が密着しているため、通気性に劣っており、発泡性ビーズ成形品内に外気が侵入し難いことから、成形品内部の発泡性ビーズの表面に固着されている消臭剤による消臭効果を期待し難い問題もある。
特開平8−120112号公報 特開2001−261878号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、発泡性ビーズが含有された安価な消臭性ポリウレタン発泡体とその簡易な製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリウレタン発泡体に発泡性ビーズと消臭剤を含有してなる消臭性ポリウレタン発泡体に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記ポリウレタン発泡体が、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン原料から発泡、硬化したものであり、前記発泡性ビーズが、前記ポリウレタン原料の発泡反応時の発熱によって発泡していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記消臭剤が、カテキンと備長炭の何れか一方あるいは両方からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン原料を発泡、硬化させ、前記ポリウレタン原料の発泡反応時の発熱によって前記発泡性ビーズを発泡させることを特徴とする消臭性ポリウレタン発泡体の製造方法に係る。
請求項5の発明は、請求項4において、前記ポリウレタン原料中のポリオール100重量部に対して、前記発泡性ビーズが10〜50重量部、前記消臭剤が0.5〜5重量部であることを特徴とする。
本発明の消臭性ポリウレタン発泡体によれば、消臭剤によって消臭性を発揮することができる。また、発泡性ビーズなどの原料から生じる臭気についても消臭することができるので、消臭性ポリウレタン発泡体自体を臭気の無いあるいは少ないものとすることができる。しかも、本発明の消臭性ポリウレタン発泡体によれば、ポリウレタン発泡体が有する通気性によって発泡体内部に外気を侵入させることができるため、発泡体内部の消臭剤によっても消臭効果を発揮することができる。さらに、消臭剤には、安価な汎用消臭剤であるカテキンや備長炭を用いることができるため、消臭性ポリウレタン発泡体を安価にすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、予め発泡性ビーズの表面に消臭剤と固着剤の混合物を付着させて塗膜を形成する必要が無く、しかも、発泡性ビーズを予備発泡させる必要も無いため、簡略かつ安価に消臭性ポリウレタン発泡体を製造することができる。
以下本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明における消臭性ポリウレタン発泡体はポリウレタン発泡体に発泡性ビーズと消臭剤を含有したものである。前記ポリウレタン発泡体は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン原料から発泡、硬化したものであり、前記発泡性ビーズが、前記ポリウレタン原料の発泡反応時の発熱によって発泡している。
本発明において使用されるポリオールは、ポリウレタン発泡体に用いられる公知のエーテル系ポリオールまたはエステル系ポリオールの何れか一方又は両方を用いることができる。エーテル系ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、またはその多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。また、エステル系ポリオールとしては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
ポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI等を挙げることができる。なお、その他ウレタンプレポリマーも使用することができる。また、ポリイソシアネートは、それぞれ一種類に限られず一種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系イソシアネートの一種類と芳香族系イソシアネートの二種類を併用してもよい。
発泡性ビーズは、ポリウレタン原料が反応して発泡する際に発生する反応熱で発泡するものであり、消臭性ポリウレタン発泡体には発泡後の状態で分散している。前記ポリウレタン原料に配合される未発泡状態の発泡性ビーズは、発泡後の発泡性ビーズよりも粒径が小さく、ポリウレタン原料に所望の量を分散混合し易い。一般に、ビーズの成形体の製造方法では、未発泡の発泡性ビーズを予備発泡させて、粒径が1〜5mmまで球形の状態で予備発泡させ、この予備発泡させた球形の発泡性ビーズをモールド内に投入して加熱融着させることで成形体としている。しかし、予備発泡させた発泡性ビーズをポリウレタン原料に混合分散させて本発明の消臭性ポリウレタン発泡体を構成することは、予備発泡させた発泡性ビーズの粒径が大きすぎ、所望量を混合分散できないために好ましくない。
発泡性ビーズの素材には、ポリカーボネート、メチルメタアクリレート、ポリエチレン/ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合体、アクリル/スチレン共重合体、ポリ尿酸等を挙げることができる。なかでも、発泡性ビーズの好ましい一例として、発泡性ポリスチレンビーズを挙げることができる。発泡性ポリスチレンビーズは、ポリスチレン又はスチレンを主体にした共重合プラスチックに発泡剤を含浸させたものからなる。発泡性ポリスチレンビーズに用いられる発泡剤としては、ペンタン、ブタン、プロパン等であって、数平均分子量が1000〜3000の高分子が好ましい。また、前記発泡性ビーズは、耐熱温度が80℃以上、発泡開始温度が150℃以下のものが好ましい。耐熱温度が80℃より低い場合、発泡性ビーズが一旦発泡した後、崩壊して収縮しやすくなる。一方、発泡開始温度が150℃より高い場合、ポリウレタン原料の発泡時の発熱で発泡性ビーズが発泡し難くなる。発泡性ビーズの量は、ポリオール100重量部に対して10〜50重量部が好ましい。発泡性ビーズの量が10重量部未満の場合、消臭性ポリウレタン発泡体の密度が低くなって硬度が低くなる。一方、50重量部を超えると、ポリウレタン原料の発泡時の発熱では発泡性ビーズの全量を発泡させる熱量を供給できなくなって、発泡性ビーズが充分に発泡(膨張)せず、消臭性ポリウレタン発泡体に含まれる発泡後の発泡性ビーズが、平均粒径の小さなものになる。
減熱剤は、前記ポリウレタン原料の発泡時に発熱温度が高くなりすぎて、一旦発泡した発泡性ビーズが熱で崩壊して収縮するのを防ぐためのものであり、前記ポリウレタン原料の発泡時の発熱を抑えて最高発熱温度を下げることのできる化合物からなる。前記減熱剤としては、所定温度に達したときに水分を放出し、水の蒸発潜熱によってポリウレタン原料の発泡時の発熱温度を低下させる化合物が好ましい。前記減熱剤の具体例としては、粒状の独立気泡からなる熱可塑性樹脂発泡体の気泡内に水を有するMWパウダー(登録商標、白石カルシウム株式会社製)や無機水和物を挙げることができ、特には無機水和物が好ましい。無機水和物としては、二水石膏、硫酸マグネシウム水和物、リン酸マグネシウム水和物の群から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。減熱剤の量は、ポリオール100重量部に対して10〜30重量部が好ましい。10重量部未満の場合には、減熱剤による減熱効果が少なくなって、一旦発泡した発泡性ビーズがポリウレタン原料の発泡時の発熱によって収縮し易いと共に、消臭性ポリウレタン発泡体の密度が低くなって硬度も低くなる。一方、30重量部を超えると消臭性ポリウレタン発泡体が内部に空洞を有するパンクした状態の発泡不良のものになりやすい。
発泡剤は、水、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、炭酸ガス等が用いられる。発泡剤が水の場合、添加量は消臭性ポリウレタン発泡体において目的とする密度や良好な発泡状態が得られる範囲に決定され、特にポリオール100重量部に対して3〜5重量部が好ましい。3重量部より少ないとポリウレタン発泡体が充分に発泡せず、しかもポリウレタン原料の発泡時における発熱が少なくなって発泡性ビーズが充分発泡(膨張)せず、消臭性ポリウレタン発泡体の硬度が低くなる。一方、5重量部を超えると、ポリウレタン原料の発泡時に発熱が大になって一旦発泡した発泡性ビーズが収縮し、消臭性ポリウレタン発泡体の硬度が低くなる。
消臭剤は、有機物、無機物の何れであってもく、また、一種類に限られず、二種類以上のものを用いてもよい。有機消臭剤としては、鉄フタロシアニン系化合物やサイクロデキストリン、さらには茶葉から抽出されるカテキンやタンニン等の植物抽出物等が挙げられる。無機消臭剤としては、亜鉛、銀、マグネシウム、鉛、スズ、銅、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の酸化物、リン酸塩、珪酸塩、もしくはこれらの混合物等が挙げられる。混合物の場合は、アモルファス状態で均一にされていることが望ましい。また、前記消臭剤は、多孔質物資でもよい。多孔質物質からなる消臭剤としては、ゼオライト、活性炭、活性白土、備長炭等を挙げることができる。それらの中でも備長炭は入手し易く、安価であることから、本発明の消臭剤として好ましいものである。また、カテキンは、多価フェノールの有機化合物であり、化学反応の吸着によって消臭作用を発揮するため、物理的吸着による消臭性とは異なり、温度上昇に伴う吸着物質の再放出が極めて少なく、本発明における消臭剤として特に好適である。さらに、前記消臭剤は、ポリウレタン原料中に分散し易い状態のもの、例えば粉状のものや粒状のものなどが好ましい。また、粉状の消臭剤を液体に分散させた懸濁状のものでもよい。
前記消臭剤の添加量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと消臭効果が低くなり、一方、5重量部を超えると、ポリウレタン原料の発泡が阻害され、発泡状態の良好な消臭性ポリウレタン発泡体が得られなくなる。
また、前記ポリウレタン原料には触媒が含まれる。触媒は、ポリウレタン発泡体用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の一般的な量は、ポリオール100重量部に対して0.01〜2.0重量部程度である。
さらに前記ポリウレタン原料には、適宜添加剤が含まれる。添加剤としては、整泡剤、顔料などを挙げることができる。整泡剤は、ポリウレタン発泡体に用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。顔料は、求められる色に応じたものが用いられる。
前記消臭性ポリウレタン発泡体の製造は、ポリウレタン原料を調製した後、ポリウレタン原料を常温大気圧下で反応させる公知のスラブ発泡により行われるのが好ましい。具体的には、ポリオール、減熱剤、発泡剤、消臭剤、触媒、適宜の添加剤を混合した後、未発泡の発泡性ビーズを添加混合し、この混合物にポリイソシアネートを公知のポリウレタン注入機で混合して得たポリウレタン原料を、ベルトコンベア上に吐出し、ベルトコンベアが移動する間に、前記ポリウレタン原料を常温大気圧下で反応させて自然発泡させ、硬化させることで消臭性ポリウレタン発泡体を連続的に製造することができる。なお、前記消臭剤については、ポリオール原料中での分散を良好にするため、予めポリオールと混合しておくのが好ましい。
以下、本発明の実施例について、比較例とともに具体的に説明する。表1〜表4に示す各成分を同表中の割合で配合してポリウレタン原料を調製し、この調製により得られたポリウレタン原料を用いてスラブ発泡させ、得られたスラブ発泡体を150×100×50mmに裁断して実施例及び比較例の消臭性ポリウレタン発泡体を得た。ポリウレタン原料の調製は、まずポリオールに、減熱剤、発泡剤、消臭剤、触媒、適宜の添加剤を混合し、その後に未発泡の発泡性ビーズを添加混合し、その混合物にポリイソシアネートを混合することにより行った。表1は消臭剤の種類及び量を変化させた場合、表2は発泡性ビーズの量を変化させた場合、表3は減熱剤の量を変化させた場合、表4は発泡剤(水)の量を変化させた場合である。
表1〜表4におけるポリオールはポリエーテルポリオール、品番:サンニックスGP3050F、MW3000、官能基数f=3、OH価=33、三洋化成工業株式会社製、消臭剤(備長炭)は、脱臭用、粉末状、協同組合ラテスト製、消臭剤(カテキン)は、粉末状、山陽色素株式会社製、減熱剤は二水石膏、アミン触媒は6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、品番:カオーライザーNo.25、花王株式会社製、金属触媒はオクチル酸第一錫、品番:MRH110、城北化学工業株式会社製、整泡剤はシリコーン整泡剤、品番:F650A、信越化学工業株式会社製、発泡性ビーズは発泡性ポリスチレンビーズ、品番:NEWRS、耐熱温度120〜130℃、未発泡平均粒径0.8mm、発泡後平均粒径1.2mm、日立化成工業株式会社製、ポリイソシアネートはトリレンジイソシアネート、品番:T−80、日本ポリウレタン工業株式会社製である。
Figure 2007238843
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このようにして得られた実施例及び比較例の消臭性ポリウレタン発泡体に対して発泡体の状態、発泡性ビーズの外観及び発泡性ビーズの平均粒径の測定、密度の測定(JIS K7222−2004準拠)、アンモニアに対する消臭性の測定を行った。結果は表1〜4の下部に示すとおりである。
なお、発泡体の状態判断は、消臭性ポリウレタン発泡体を切断して内部にパンク(空洞)が有るか否かを判断することにより行った。また、表1〜表4の発泡体の状態欄において「○」はパンクが無く良好な発泡状態の場合、「パンク」は内部にパンク(空洞)が有った場合を示す。
発泡性ビーズの外観及び発泡性ビーズの平均粒径測定は、消臭性ポリウレタン発泡体を切断して発泡性ビーズの外観(大きさ及び収縮の有無)を目視で判断すると共に発泡性ビーズの平均粒径を目視で測定することにより行った。表1〜表4のビーズ外観欄における「○」は発泡性ビーズが所定の大きさである場合、「小」は小さい場合、「収縮」は一旦発泡後収縮している場合を示す。
消臭性の測定は、2000mlの広口ガラス瓶に消臭性ポリウレタン発泡体の試験片(150×100×50mm)を収容し、アンモニア(2.8%水溶液、100μl)をシリンジで注入して広口ガラス瓶を密閉し、常温で24時間保持した後に広口ガラス瓶内の残留アンモニアをガラスクロマトグラフィーで測定することにより行った。なお、広口ガラス瓶に消臭性ポリウレタン発泡体の試験片を収容することなく同様にして24時間後の残留アンモニアを測定したところ100ppmであった。
表1の結果から、消臭剤として備長炭やカテキンをポリオール100重量部に対して0.5〜5重量部含む実施例1A〜1Dは、ポリウレタン発泡体を良好に発泡させることができ、しかも良好な消臭性が得られたのに対し、消臭剤として備長炭やカテキンをポリオール100重量部に対して0.5重量部未満含む比較例1A,1Cの場合は消臭性が低くなり、一方、5重量部を超えて含む比較例1B,1Dにあっては、ポリウレタン発泡体にパンクが発生して良好に発泡させることができないことがわかる。このことから、消臭剤の量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましいことが理解される。
表2の結果から、ポリオール100重量部に対して発泡性ビーズの量が10〜50重量部である実施例2A〜2Dは、発泡性ビーズの外観が良好で充分に発泡しているのに対し、発泡性ビーズが10重量部未満の比較例2Bは、消臭性ポリウレタン発泡体の密度が低くなり、一方、発泡性ビーズが50重量部を超える比較例2Aは発泡性ビーズが充分に発泡せず、発泡性ビーズの平均粒径が1.2mm未満となることがわかる。このことから、発泡性ビーズの量は、ポリオール100重量部に対して10〜50重量部が好ましいことが理解される。
表3の結果から、減熱剤の量が10〜30重量部の実施例3A〜3Cは、発泡体の状態及び発泡性ビーズの外観が良好であるのに対し、減熱剤が10重量部未満の比較例3Bは発泡時の発熱が高くなるため、一旦発泡した発泡性ビーズが収縮し、一方、減熱剤の量が30重量部を超える比較例3Aは発泡体が内部に空洞を有するパンク状態となることがわかる。このことから、減熱剤の量はポリオール100重量部に対して10〜30重量部が好ましいことが理解される。
表4の結果から、発泡剤(水)の量が3〜5重量部の実施例4A〜4Cは、発泡体の状態が良好であって発泡性ビーズの外観も良好であるのに対し、3重量部未満の比較例4Aは発泡性ビーズが充分に発泡せず、一方、5重量部を超える比較例4Bは一旦発泡した発泡性ビーズが収縮するようになり、何れの場合も発泡性ビーズの平均粒径が1.2mm未満となって発泡体の硬度を高くできないことがわかる。このことから、発泡剤(水)の量は、ポリオール100重量部に対して3〜5重量部が好ましいことが理解される。
このように、本発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、消臭性に優れ、しかも汎用消臭剤であるカテキンや備長炭を用いることができるため、安価である。さらに、本発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、ポリウレタン発泡体による通気性を発揮することができるため、発泡体内の消臭剤についても消臭作用を発揮させることができ、寝具、ソファ、建材、壁材統として好適なものである。また、本発明の製造方法によれば、簡単かつ安価に消臭性ポリウレタン発泡体を得ることができる。

Claims (5)

  1. ポリウレタン発泡体に発泡性ビーズと消臭剤を含有してなる消臭性ポリウレタン発泡体。
  2. 前記ポリウレタン発泡体が、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン原料から発泡、硬化したものであり、
    前記発泡性ビーズが、前記ポリウレタン原料の発泡反応時の発熱によって発泡していることを特徴とする請求項1に記載の消臭性ポリウレタン発泡体。
  3. 前記消臭剤が、カテキンと備長炭の何れか一方あるいは両方からなることを特徴とする請求項1または2に記載の消臭性ポリウレタン発泡体。
  4. ポリオール、ポリイソシアネート、発泡性ビーズ、減熱剤、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン原料を発泡、硬化させ、前記ポリウレタン原料の発泡反応時の発熱によって前記発泡性ビーズを発泡させることを特徴とする消臭性ポリウレタン発泡体の製造方法。
  5. 前記ポリウレタン原料中のポリオール100重量部に対して、前記発泡性ビーズが10〜50重量部、前記消臭剤が0.5〜5重量部であることを特徴とする請求項4に記載の消臭性ポリウレタン発泡体の製造方法。
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