JP2009278600A - 画像処理装置及び方法並びに復号化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェードイン或いはフェードアウトする画像に発生する符号化ノイズを低減する。
【解決手段】画像処理装置は、入力映像信号に対する3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理手段(120)と、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出手段(110)と、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、入力映像信号におけるフェード区間を除く非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理手段を制御する制御手段(130)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像のノイズを低減する画像処理装置及び方法、並びに復号化装置の技術分野に関する。
この種の画像処理装置として、例えばデジタル放送受信機内に設けられ、画像或いは映像のノイズを低減するための処理として、2次元ノイズリダクション処理や3次元ノイズリダクション処理を行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。
2次元ノイズリダクション処理は、一のフレームの映像信号を用いて、該一のフレームに含まれるノイズを除去する処理であり、3次元ノイズリダクション処理は、1フレーム前の映像信号と現在の入力フレームの映像信号とを減算することによりフレーム間の差分を生成し、この差分を用いて、現在の入力フレームに含まれるノイズを除去する処理である。
例えば特許文献1では、3次元ノイズ除去済み画像(つまり、3次元ノイズリダクション処理が行われた画像)と2次元ノイズ除去済み画像(つまり、2次元ノイズリダクション処理が行われた画像)とを、画像の動きに基づいて決定された合成比率で合成することにより、画像の動きに応じた適切なノイズ除去を可能にする技術が提案されている。
他方、映像信号の符号化方式としてMPEG(Moving Picture Experts Group)−2方式やH.264方式が知られている。これらの符号化方式では、連続するフレーム間で映っている要素がどのように動いたかを検出して圧縮する動き補償が行われる。
特開2005−150903号公報
映像信号の符号化方式としてMPEG−2方式やH.264方式など動き補償が行われる方式が採用される場合には、画像がフェードイン又はフェードアウト(以下、単に「フェード」と適宜称する)するシーンでは、画像の輝度が時間的に変化するので、連続するフレーム間の差により得られる動き補償予測誤差が大きくなってしまい、圧縮率が低下してしまう。よって、例えばデジタル放送の場合には、映像信号は、所定範囲内のビットレートで伝送する必要があるため、画像がフェードするシーンについては、ビット量を所定範囲内に抑えるために画像の高周波帯域成分が失われ、輪郭部が変形したり或いは輝度の変化が一定でなくなったりするなどの画質劣化(以下、「符号化ノイズ」と適宜称する)が発生してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
また、上述した特許文献1に開示された技術によれば、画像がフェードするシーンについては、画像の動き検出によって動きがあると判定され、2次元ノイズ除去済み画像の比率を高くするように(言い換えれば、3次元ノイズ除去済みの画像の比率を低くするように)合成比率を決定するので、符号化ノイズを十分に低減することが困難である。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、フェードイン或いはフェードアウトする画像に発生する符号化ノイズを低減可能な画像処理装置及び方法、並びにそのような画像処理装置を備える復号化装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像処理装置は、送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理手段と、前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出手段と、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、請求項7に記載の画像処理方法は、送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理方法であって、前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理工程と、前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出工程と、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理工程を制御する制御工程とを備える。
上記課題を解決するために、請求項8に記載の復号化装置は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置と、前記符号化された画像データを復号化して前記入力映像信号として出力する復号化手段とを備える。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る画像処理装置及び方法、並びに復号化装置について順に説明する。
(画像処理装置の実施形態)
本発明の画像処理装置に係る実施形態は、送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理手段と、前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出手段と、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の画像処理装置に係る実施形態によれば、その動作時には、制御手段による制御下で、入力映像信号に対して3次元ノイズリダクション処理が3次元ノイズリダクション手段によって行われる。
入力映像信号は、送信側で例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号化された画像データが伝送路を介して受信側に伝送され、該伝送された画像データが受信側で復号化された信号である。
3次元ノイズリダクション処理は、1フレーム(或いは1フィールド)前の映像信号と現在の入力フレーム(或いは入力フィールド)の映像信号とを減算することによりフレーム間(或いはフィールド間)の差分を生成し、この差分を用いて、現在の入力フレーム(或いは入力フィールド)に含まれるノイズを除去する処理である。より具体的には、3次元ノイズリダクション処理は、1フレーム前の映像信号と現在の入力フレームの映像信号とを減算してフレーム間の差分を取り、このフレーム間の差分に一定の係数を掛けたり、或いは、このフレーム間の差分から特定の周波数帯域を抽出したりしたものを現在の入力フレームの映像信号に加減算することにより、映像信号に含まれるノイズを除去する処理である。
本実施形態では、フェード検出手段によって入力映像信号におけるフェード区間が検出される。フェード区間は、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする入力映像信号の部分である。フェード検出手段は、例えば、フレーム(或いはフィールド)毎の平均輝度値を算出し、該算出された平均輝度値のフレーム間(或いはフィールド間)における変化量に基づいてフェード区間を検出する。
ここで、画像データが例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号化される際、画像がフェードする(即ち、フェードイン又はフェードアウトする)部分では、画像の輝度が時間的に変化するので、動き補償予測誤差が大きくなってしまい、圧縮率が低下してしまう。更に、画像データは、送信側から受信側へ所定範囲内のビットレートで伝送される必要があるため、画像がフェードする部分については、ビット量を所定範囲内に抑えるために画像の高周波帯域成分が失われるおそれがある。この結果、伝送された画像データが復号化されてなる入力映像信号におけるフェード区間には、輝度の時間的な変化がなめらかでなくなってしまう(言い換えれば、輝度の単位時間毎の変化量がバラついてしまう)などの符号化ノイズが発生してしまうおそれがある。
しかるに本実施形態では特に、制御手段は、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理手段を制御する。よって、入力映像信号のうちフェード区間に対しては、入力映像信号のうち非フェード区間に対してよりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われる。従って、フェード区間に対応する映像の輝度の時間的な変化を一定に近づけることができる。即ち、フェード区間に対応する映像の輝度の時間的な変化のバラつきを低減することができる。言い換えれば、フェード区間に対応する映像における符号化ノイズを低減することができる。この結果、映像の画質をなめらかにすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを低減することができる。
本発明の画像処理装置に係る実施形態の一の態様では、前記制御手段は、前記符号化された画像データを復号化して前記入力映像信号として出力すると共に前記符号化に係る符号化情報を出力する復号化手段と接続されており、前記符号化情報に基づいて、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度を決定する。
この態様によれば、制御手段は、例えば、符号化方式(例えば、MPEG−2,H.264,VC−1等)、平均ビットレート等の符号化情報に基づいて、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度を決定する。よって、符号化ノイズが発生する可能性や量に応じて3次元ノイズリダクション処理の強度を決定することができる。従って、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを効果的に低減することができる。
本発明の画像処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記フェード検出手段は、前記フェード区間における前記映像がフェードイン又はフェードアウトするフェード速度を算出するフェード速度算出手段を有し、前記制御手段は、前記フェード速度が速いほど、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する。
この態様によれば、フェード速度(即ち、フェード区間におけるフレーム(或いはフィールド)の平均輝度値の変化の速度)に応じた強度で、フレーム区間に対して3次元ノイズリダクション処理が行われる。よって、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
本発明の画像処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記3次元ノイズリダクション処理手段は、前記入力映像信号における時間が互いに異なる2つのフレーム又はフィールド間の差分信号に対して特定の周波数帯域だけ通過させる非線形処理手段を備え、前記制御手段は、前記フェード区間に対して前記3次元ノイズリダクション処理を行う際、前記非フェード区間に対して前記3次元ノイズリダクション処理を行う際よりも、前記特定の周波数帯域が広くなるように、前記非線形処理手段を制御する。
この態様によれば、非線形処理手段における特定の周波数帯域を制御手段によって制御することで、3次元ノイズリダクション処理の強度を好適に制御することが可能となる。よって、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
本発明の画像処理装置に係る実施形態の他の態様では、前フェード検出手段は、前記フェード区間を、前記映像を構成するフレーム又はフィールドを複数のブロックに分割して該ブロック毎に検出し、前記制御手段は、前記フェード区間が検出されたブロックに対して、前記3次元ノイズリダクション処理を行うように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する。
この態様によれば、画面の一部のみ(言い換えれば、特定のブロックのみ)でフェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを低減することができる。
本発明の画像処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記入力映像信号に対して2次元ノイズリダクション処理を行う2次元ノイズリダクション処理手段を更に備え、前記制御手段は、前記フェード区間に対する前記2次元ノイズリダクション処理の強度が、前記非フェード区間に対する前記2次元ノイズリダクション処理の強度よりも低くなるように、前記2次元ノイズリダクション処理手段を制御する。
この態様によれば、フェード区間に対しては2次元ノイズリダクション処理よりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われるので、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
(画像処理方法の実施形態)
本発明の画像処理方法に係る実施形態は、送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理方法であって、前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理工程と、前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出工程と、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理工程を制御する制御工程とを備える。
本発明の画像処理方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の画像処理装置に係る実施形態が享受する利益と同様の利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の画像処理装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の画像処理方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(復号化装置の実施形態)
本発明の復号化装置に係る実施形態は、上述した本発明の画像処理装置に係る実施形態(但し、各種態様を含む)と、前記符号化された画像データを復号化して前記入力映像信号として出力する復号化手段とを備える。
本発明の復号化装置に係る実施形態によれば、上述した本発明の画像処理装置に係る実施形態が享受する利益と同様の利益を享受することができる。
本発明の実施形態の作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の画像処理装置に係る実施形態によれば、3次元ノイズリダクション処理手段と、フェード検出手段と、制御手段とを備える。本発明の画像処理方法に係る実施形態によれば、3次元ノイズリダクション処理工程と、フェード検出工程と、制御工程とを備える。本発明の復号化装置に係る実施形態によれば、上述した本発明の画像処理装置に係る実施形態と、復号化手段とを備える。よって、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを低減することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<第1実施例>
第1実施例に係る画像処理装置について、図1から図6を参照して説明する。尚、本実施例では、本発明に係る画像処理装置が、デジタル放送の受信側に設けられた場合を例として説明する。
図1は、第1実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、本実施例に係る画像処理装置100は、フェード検出部110と、3次元ノイズリダクション処理部120と、制御部130とを備えている。
画像処理装置100は、外部(即ち、図2を参照して後述する復号器810)から入力される入力映像信号に対して、後述するように3次元ノイズリダクション処理を行って、出力映像信号として出力する。尚、画像処理装置100は、入力映像信号に対して、3次元ノイズリダクション処理に加えて、2次元ノイズリダクション処理等の他の画像処理を行うように構成されてもよい。
図2は、本実施例に係る画像処理装置を備えたデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
図2において、デジタル放送システムの送信側には、符号器910及び変調器920が設けられており、デジタル放送システムの受信側には、復号器810、復調器820、画像処理装置100及び表示装置850が設けられている。
デジタル放送システムの送信側において、受信側に送信すべき画像データが符号器910によって例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号化される。符号化された画像データは、変調器920によって変調され、所定範囲内のビットレートで伝送路700を介して受信側に伝送される。
デジタル放送システムの受信側では、送信側から伝送路700を介して伝送された画像データが復調器820によって復調された後に復号器810によって復号化されて画像処理装置100に入力映像信号として入力される。画像処理装置100は、入力映像信号に対して画像処理を行って出力映像信号として表示装置850に出力する。表示装置850は、画像処理装置100からの出力映像信号に基づいて映像を表示する。尚、画像処理装置100は、復号器810と共に、本発明に係る「復号化装置」の一例を構成する。
このように、画像処理装置100に入力される入力映像信号は、送信側で例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号化された画像データが伝送路700を介して受信側に伝送され、この伝送された画像データが受信側で復号器810によって復号化された信号である。
再び図1において、フェード検出部110は、入力映像信号におけるフェード区間を検出する。フェード検出部110は、検出したフェード区間を制御部130に出力する。
図3は、本実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。
フェード検出部110は、フィールド平均輝度計算部111と、バッファ112と、フェード判定部113とを備えている。
フィールド平均輝度計算部111は、各フィールドについて、フィールド全体の平均輝度値(以下、「フィールド平均輝度値」と称する)を計算する。フィールド平均輝度計算部111は、計算したフィールド平均輝度値をバッファ112及びフェード判定部113に出力する。
バッファ112は、フィールド平均輝度値を複数保存する。バッファ112は、フェード判定部113に対して、遅延したフィールド平均輝度値(即ち、フェード判定部113にフィールド平均輝度計算部111から入力されるフィールド平均輝度値に係るフィールドよりも遅延したフィールド全体の平均輝度値)を出力する。
フェード判定部113は、フィールド平均輝度計算部111及びバッファ112から夫々入力されるフィールド平均輝度値に基づいて、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトするか否かを判定することにより、フェード区間を検出する。フェード判定部113は、フェード区間を制御部130に出力する。
より具体的には、フェード判定部113は、現在のフィールド平均輝度値(即ち、現在のフィールドの平均輝度値)と遅延した複数のフィールド平均輝度値(即ち、現在のフィールドに対して遅延した複数のフィールドの各々の平均輝度値)とに基づいて、フィールド間の平均輝度値の変化量を算出し、該変化量が所定の範囲内であるか否かを判定することで、フェード区間を検出する。
例えば、フェード判定部113は、現在のフィールドの平均輝度値をV1とし、1つ前のフィールドの平均輝度値をV2とし、2つ前のフィールドの平均輝度値をV3とし、3つ前のフィールドの平均輝度値をV4とすると、以下の式(1)を満たした場合には、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトし始めた(即ち、フェードが開始した)と判定し、式(1)を満たさなくなった場合には、そのフェードが終了したと判定することにより、フェード区間を検出する(つまり、フェードが開始した時点からフェードが終了した時点までの入力映像信号をフェード区間とする)。尚、式(1)におけるVmin及びVmaxは、閾値である。Vminは、フェード区間におけるフィールド間の平均輝度値の差の最小値として予め定められており、Vmaxは、フェード区間におけるフィールド間の平均輝度値の差の最大値として予め定められている。
Vmin<|V2−V1|<Vmax、且つ、Vmin<|V3−V2|<Vmax、且つ、Vmin<|V4−V3|<Vmax ・・・式(1)
尚、式(1)を複数のフィールドに亘って継続して満たした場合に初めてフェードが開始したと判定するようにしてもよい。つまり、フェードが開始したと判定する際、式(1)を複数のフィールドに亘って継続して満たすことを判定条件としてもよい。
尚、現在のフィールド平均輝度値V1は、フィールド平均輝度計算部111からフェード判定部113に入力され、1つ前のフィールド平均輝度値V2、2つ前のフィールド平均輝度値V3及び3つ前のフィールド平均輝度値V4は、バッファ112からフェード判定部113に入力される。
再び図1において、3次元ノイズリダクション処理部120は、制御部130による制御下で、入力映像信号に対して3次元ノイズリダクション処理を行って、この3次元ノイズリダクション処理が行われた入力映像信号を出力映像信号として出力する。尚、図2を参照して上述したように、出力映像信号は表示装置850に入力される。
図4は、本実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部の構成を、本実施例に係る制御部と共に示すブロック図である。
図4において、3次元ノイズリダクション処理部120は、減算器121と、加算器122と、フィールドメモリ123と、非線形処理部124と、乗算器125とを備えている。
入力映像信号は、減算器121及び加算器122に入力される。
減算器121は、入力映像信号と、フィールドメモリ123によって1フィールド分だけ遅延された出力映像信号とを減算することにより差分信号N1を生成し、その差分信号N1を非線形処理部124に出力する。
非線形処理部124は、減算器121から出力された差分信号N1のうち特定の周波数帯域の成分だけを通過させて乗算器125に出力する。これにより差分信号N1に含まれるノイズ成分を低減することができる。
乗算器125は、非線形処理部124から出力された信号N2に係数αを乗算して加算器122に出力する。尚、本実施例では特に、係数αは、制御部130によって制御される。
加算器122は、入力映像信号と乗算器125から出力される信号とを加算して、出力映像信号として出力する。
このように構成された3次元ノイズリダクション処理部120は、1フィールド前の入力映像信号と現在のフィールドの入力映像信号とを減算器121によって減算することによりフィールド間の差分信号N1を生成し、この差分信号N1から特定の周波数帯域を抽出した信号N2に係数αを掛けたものを現在のフィールドの入力映像信号に加算することにより、入力映像信号に含まれるノイズを除去する3次元ノイズリダクション処理を行う。
図1及び図4において、制御部130は、フェード検出部110から出力されるフェード区間に応じて、3次元ノイズリダクション処理部120(より具体的には、3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数α)を制御する。
本実施例では特に、制御部130は、3次元ノイズリダクション処理部120がフェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際の係数αが、3次元ノイズリダクション処理部120が非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際の係数αよりも大きく(或いは高く)なるように、係数αを制御する。即ち、制御部130は、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。
図5は、第1実施例に係る制御部の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
図5において、先ず、フェード検出部110によってフェードが開始したか否かが判定される(ステップS10)。即ち、フェード検出部110におけるフェード判定部113によって、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトし始めたか否かが判定される。言い換えれば、入力映像信号においてフェード区間が開始されたか否かがフェード判定部113によって判定される。
フェードが開始していないと判定された場合には(ステップS10:No)、入力映像信号における次のフィールドを現在のフィールドとしてフェードが開始したか否かが判定される。
一方、フェードが開始したと判定された場合には(ステップS10:Yes)、制御部130によって3次元ノイズリダクション処理の強度が高めに設定される(ステップS20)。即ち、制御部130は、3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数αを、非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理が行わる際の係数αよりも大きくなるように、制御する。つまり、フェード区間が開始された場合には、制御部130は、入力映像信号に対して行われる3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対して行われる3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。
次に、フェード検出部110によってフェードが終了したか否かが判定される(ステップS30)。即ち、フェード検出部110におけるフェード判定部113によって、入力映像信号に対応する映像におけるフェードイン又はフェードアウトが終了したか否かが判定される。言い換えれば、入力映像信号においてフェード区間が終了したか否かがフェード判定部113によって判定される。
フェードが終了していないと判定された場合には(ステップS30:No)、入力映像信号における次のフィールドを現在のフィールドとしてフェードが終了したか否かが判定される。
一方、フェードが終了したと判定された場合には(ステップS30:Yes)、制御部130によって3次元ノイズリダクション処理の強度が低めに設定される(ステップS40)。即ち、制御部130は、3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数αを、フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理が行わる際の係数αよりも小さくなるように、制御する。つまり、フェード区間が終了した場合には、制御部130は、入力映像信号に対して行われる3次元ノイズリダクション処理の強度が、フェード区間に対して行われる3次元ノイズリダクション処理の強度よりも低くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。
続いて、入力映像信号における次のフィールドを現在のフィールドとしてフェードが開始したか否かが判定される(ステップS10)。
このように、本実施例では特に、制御部130は、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。よって、入力映像信号のうちフェード区間に対しては、入力映像信号のうち非フェード区間に対してよりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われる。従って、フェード区間に対応する映像の輝度の時間的な変化を一定に近づけることができる。
図6は、本実施例における、符号化前の画像データ、符号化後の画像データ、及び3次元ノイズリダクション処理後の入力映像信号について、フェード区間(ここでは、フェードアウト時)における映像の輝度レベルの時間的な変化の一例を概念的に示すグラフである。図6(a)は、図2を参照して上述した符号器910によって符号化される前の画像データについてフェード区間における映像の輝度レベルの時間的な変化を示している。図6(b)は、図2を参照して上述した符号器910によって符号化された後の画像データについてフェード区間における映像の輝度レベルの時間的な変化を示している。図6(c)は、画像処理装置100によって3次元ノイズリダクション処理が行われた後の入力映像信号(即ち、画像処理装置100から出力される出力映像信号)についてフェード区間における映像の輝度レベルの時間的な変化を示している。
図6(a)に示すように、図2を参照して上述した符号器910によって符号化される前の画像データに対応する映像がフェードアウトする際には、輝度レベルが時間の経過に伴ってなめらかに低下する。
ここで、このようなフェードアウトする映像に対応する画像データが例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号器910によって符号化される際には、映像の輝度レベルが時間的に変化するので、動き補償予測誤差が大きくなってしまい、圧縮率が低下してしまう。更に、この符号化された画像データは、送信側から伝送路700を介して受信側へ所定範囲内のビットレートで伝送される必要があるため、ビット量を所定範囲内に抑えるために画像の高周波帯域成分が失われるおそれがある。
この結果、図6(b)に示すように、符号器910によって符号化された後の画像データ(更には、この画像データが復号器810によって復号化された入力映像信号)に対応する映像の輝度レベルの時間的な変化はなめらかでなくなってしまうおそれがある。つまり、例えばMPEG−2方式、H.264方式等の符号化方式で符号化後の画像データに対応する映像のうちフェードアウトする部分では、輝度レベルの単位時間毎の変化量がバラついてしまうおそれがある。即ち、符号化後の画像データにおけるフェード区間には、符号化されることによって輝度レベルの時間的な変化がバラつく符号化ノイズが発生してしまうおそれがある。
しかるに、本実施例では特に、上述したように、入力映像信号のうちフェード区間に対しては、入力映像信号のうち非フェード区間に対してよりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われる。よって、フェード区間に対して確実に3次元ノイズリダクション処理を行うことができる。
従って、図6(c)に示すように、画像処理装置100は、3次元ノイズリダクション処理が行われることで符号化ノイズが低減され、輝度レベルの時間的な変化がなめらかな出力映像信号を出力することができる。この結果、映像の画質をなめらかにすることができる。
また、フェードアウトする映像は、輝度レベルが時間的に変化するので、本実施例の如く3次元ノイズリダクション処理の強度の強度を高めても、映像に対する悪影響(例えば、残像或いは尾引き現象)は殆ど無く或いは殆ど視認されない。
尚、ここでは図6を参照して映像がフェードアウトする場合について説明したが、映像がフェードインする場合についても、輝度レベルが時間的に増大する点のみが異なるので、同様に符号化ノイズを低減することができる。
尚、画像処理装置100を、入力映像信号に対して、3次元ノイズリダクション処理に加えて、2次元ノイズリダクション処理を行うように構成する場合には、フェード区間に対する2次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する2次元ノイズリダクション処理の強度よりも低くなるようにしてもよい。この場合、フェード区間に対しては2次元ノイズリダクション処理よりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われるので、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置100によれば、制御部130は、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御するので、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを効果的に低減することができる。
<第2実施例>
第2実施例に係る画像処理装置について、図7から図9を参照して説明する。
図7は、第2実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。尚、図7において、図1から図6に示した第1実施例に係る構成要素と同様の構成要素に同一の構成要素を付し、それらの説明は適宜省略する。
図7において、第2実施例に係る画像処理装置200は、上述した第1実施例における制御部130に代えて制御部130bを備える点で、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と概ね同様に構成されている。
図7に示すように、制御部130bは、復号器810から符号化に係る符号化情報が入力されるように構成されている。尚、復号器810には、図2を参照して上述した送信側から伝送される符号化された画像データが入力符号化信号として入力される。復号器810は、この入力符号化信号を符号化情報に基づいて復号して、画像処理装置200に対する入力映像信号として出力する。
符号化情報には、符号化方式(例えば、MPEG−2方式、H.264方式、VC−1方式等)、伝送路700における平均ビットレート並びに、符号化方式がH.264方式の場合における重み付き予測の有無及びデブロッキングフィルタ係数のいずれか一つが含まれる。
尚、重み付き予測の有無は、H.264方式において参照ピクチャに適応的に重み係数を掛けた信号を予測に用いる重み付き予測が行われているか否かを示す。また、デブロッキングフィルタ係数は、H.264方式において1画面に存在するブロック境界のうちデブロッキングフィルタ処理が行われたブロック境界の割合を示す。
本実施例では特に、制御部130bは、復号器810から入力される符号化情報に基づいて、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度(より具体的には、3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数α)を決定する。言い換えれば、制御部130bは、復号器810から入力される符号化情報に応じて係数αを制御する。
図8は、本実施例に係る制御部による、符号化情報に応じた係数αの制御の一例を示すグラフである。
図8において、制御線L1は、符号化方式がMPEG−2方式である場合における伝送路700(図2参照)の平均ビットレートに応じた係数αの制御部130bによる制御を示している。制御線L2は、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われていない場合における伝送路700の平均ビットレートに応じた係数αの制御部130bによる制御を示している。制御線L3は、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われている場合における伝送路700の平均ビットレートに応じた係数αの制御部130bによる制御を示している。
制御部130bは、制御線L1、L2及びL3に従って係数αを制御する。制御部130bは、例えば、所定の平均ビットレートの区間において、符号化方式がMPEG−2方式である場合には、係数αを高め(即ち、1に近い値)に設定し(制御線L1参照)、符号化方式がH.264方式である場合には、係数αを低め(即ち、0に近い値)に設定する(制御線L2及びL3参照)。また、制御部130bは、平均ビットレートが低めの場合には、係数αを高めに設定し、平均ビットレートが高めの場合には、係数αを低めに設定する(制御線L1、L2及びL3参照)。更に、制御部130bは、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われていない場合には、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われている場合と比較して、係数αを高めに設定する(制御線L2及びL3参照)。
ここで、符号化方式、平均ビットレートや重み付き予測の有無によって、符号化ノイズの発生する可能性(或いはノイズ量)が異なる。つまり、例えば、符号化方式がMPEG−2方式の場合のほうが、符号化方式がH.264方式の場合よりも、符号化の際に画像データを圧縮する圧縮率が低いので、ビット量を所定範囲内に抑えるために画像の高周波帯域成分が多く失われ、符号化ノイズの発生する可能性が増大してしまう。また、例えば、平均ビットレートが低いほど、ビット量を所定範囲内に抑えるために画像の高周波帯域成分が多く失われ、符号化ノイズの発生する可能性が増大してしまう。また、例えば、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われていない場合のほうが、符号化方式がH.264方式であって重み付き予測が行われている場合よりも、重み付き予測が行われていない分だけ、符号化ノイズの発生する可能性が増大してしまう。
しかるに、上述したように、本実施例では特に、制御部130bは、復号器810から入力される符号化情報に応じて係数αを制御する。よって、符号化ノイズが発生する可能性に応じて3次元ノイズリダクション処理の強度を決定することができる。言い換えれば、フェード区間における画質の劣化をある程度想定し、想定した画質の劣化を殆ど或いは完全に無くすように3次元ノイズリダクション処理の強度を決定することができる。従って、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
つまり、本実施例では特に、制御部130bは、例えば、平均ビットレートが高い場合や重み付き予測が行われている場合には、符号化ノイズが少ないと想定されるので、係数αを低めに設定し、逆に、平均ビットレートが低い場合や重み付き予測が行われていない場合には、符号化ノイズが多いと想定されるので、係数αを高めに設定する。言い換えれば、制御部130bは、符号化ノイズによる画質の劣化が多く発生していると想定される場合には、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度を高め、符号化ノイズによる画質の劣化があまり発生していないと想定される場合には、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度を低くするように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。従って、フェードイン或いはフェードアウトする画像の画質を適応的に改善することができる。
図9は、本実施例に係る制御部による、符号化情報に応じた係数αの制御の他の例を示すグラフである。
図9において、制御線L4は、デブロッキングフィルタ係数に応じた係数αの制御部130bによる制御を示している。制御部130bは、制御線L4に従って係数αを制御する。制御部130bは、デブロッキングフィルタ係数が低めの場合には、符号化ノイズが少ないと想定して係数αを低めに設定し、デブロキングフィルタ係数が高めの場合には、符号化ノイズが多いと想定して係数αを高めに設定する。
この場合にも、符号化ノイズが発生する可能性に応じて3次元ノイズリダクション処理の強度を決定することができる。従って、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
尚、図8及び図9では、制御線を複数の直線部分からなるように構成したが、制御線は、曲線として構成されてもよい。
<第3実施例>
第3実施例に係る画像処理装置について、図10から図12を参照して説明する。
図10は、第3実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。尚、図10及び後述する図11において、図1から図6に示した第1実施例に係る構成要素と同様の構成要素に同一の構成要素を付し、それらの説明は適宜省略する。
図10において、第3実施例に係る画像処理装置300は、上述した第1実施例におけるフェード検出部110に代えてフェード検出部110cを備える点及び上述した第1実施例における制御部130に代えて制御部130cを備える点で、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と概ね同様に構成されている。
図10において、フェード検出部110cは、入力映像信号におけるフェード区間及びこのフェード区間における映像がフェードイン又はフェードアウトするフェード速度を検出する。フェード検出部110cは、検出したフェード区間及びフェード速度を制御部130cに出力する。
図11は、第3実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。
図11において、第3実施例に係るフェード検出部110cは、フェード速度計算部114を更に備える点で、図3を参照して上述した第1実施例に係るフェード検出部110と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係るフェード検出部110と概ね同様に構成されている。
図11に示すように、フェード速度計算部114は、フィールド平均輝度計算部111及びバッファ112から夫々入力されるフィールド平均輝度値に基づいて、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトするフェード速度を計算する。フェード速度計算部114は、フェード速度を制御部130cに出力する。
より具体的には、フィールド速度計算部114は、現在のフィールド平均輝度値をV1とし、現在のフィールドから数フィールドだけ前(例えば4つ前)のフィールドの平均輝度値をV5とし、現在のフィールドと数フィールドだけ前のフィールドとの間の時間をtとすると、以下の式(2)により、フェード速度Sを計算する。
S=(V2−V1)/t ・・・式(2)
このように、フェード速度計算部114は、現在のフィールドと現在のフィールドから数フィールドだけ前のフィールドとの間の平均輝度値の時間的な変化をフェード速度として計算する。
再び図10において、制御部130cは、フェード検出部110cから出力されるフェード区間及びフェード速度に応じて、3次元ノイズリダクション処理部120(より具体的には、図4を参照して上述した3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数α)を制御する。
図12は、第3実施例に係る制御部による、フェード速度に応じた係数αの制御の一例を示すグラフである。
図12に示すように、制御部130cは、フェード速度が速いほど大きく(或いは高く)なるように、係数αを制御する。言い換えれば、制御部130cは、フェード速度が速い場合には、係数αを高めに設定し、フェード速度が遅い場合には、係数αを低めに設定する。尚、本実施例では、制御部130cは、フェード速度が所定の速度以上の場合には、係数αが一定の値となるように制御している。
つまり、本実施例では特に、制御部130cは、フェード速度が速い場合には、平均輝度値(即ち、輝度レベル)の時間的な変化が大きいため、符号化ノイズが多いと想定されるので、係数αを高めに設定し、フェード速度が遅い場合には、平均輝度値の時間的な変化が小さいため、符号化ノイズが少ないと想定されるので、係数αを低めに設定する。言い換えれば、制御部130cは、フェード速度が速いために符号化ノイズによる画質の劣化がより多く発生していると想定される場合には、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度をフェード速度に応じて高くするように、且つ、フェード速度が遅いために符号化ノイズによる画質の劣化があまり発生していないと想定される場合には、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度をフェード速度に応じて低くするように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。従って、フェードイン或いはフェードアウトする画像の画質を適応的に改善することができる。更に、入力映像信号に対して高すぎる強度で3次元ノイズリダクション処理が行われることによって映像に悪影響(例えば、残像或いは尾引き現象)が生じてしまうのをより確実に防止することができる。
<第4実施例>
第4実施例に係る画像処理装置について、図13及び図14を参照して説明する。
図13は、第4実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部の構成を、第4実施例に係る制御部と共に示すブロック図である。尚、図13において、図1から図6に示した第1実施例に係る構成要素と同様の構成要素に同一の構成要素を付し、それらの説明は適宜省略する。
図13において、第4実施例に係る画像処理装置は、図1を参照して上述した第1実施例における3次元ノイズリダクション処理部120に代えて3次元ノイズリダクション処理部120dを備える点及び上述した第1実施例における制御部130に代えて制御部130dを備える点で、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と概ね同様に構成されている。
図13において、第4実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部120dは、図3を参照して上述した非線形処理部124に代えて非線形処理部124dを備える点で、上述した第1実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部120と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部120と概ね同様に構成されている。
非線形処理部124dは、減算器121から出力された差分信号N1のうち、係数βによって規定される周波数帯域(即ち、通過帯域)の成分だけを通過させて乗算器125に信号N2として出力する。尚、本実施例では特に、係数βは、制御部130dによって制御される。
制御部130dは、フェード検出部110(図1参照)から出力されるフェード区間に応じて、3次元ノイズリダクション処理部120dを制御する。
本実施例では特に、制御部130dは、フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際、非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際よりも、非線形処理部124dが通過させる周波数帯域が広くなるように、係数βを制御する。言い換えれば、制御部130dは、このように係数βを制御することで、フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120dを制御する。尚、制御部130dは、上述した第1実施例に係る制御部130と概ね同様に、3次元ノイズリダクション処理部120dがフェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際の係数αが、3次元ノイズリダクション処理部120が非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際の係数αよりも大きくなるように、係数αを制御する。
次に、本実施例に係る制御部による係数βの制御について、図14を参照してより具体的に説明する。
図14は、本実施例に係る非線形処理部における、係数βの値が1の場合及び係数βの値が0の場合の各々の場合の通過帯域を示している。
図14において、本実施例では特に、非線形処理部124dは、係数βの値が1の場合のほうが、係数βの値が0の場合よりも差分信号N1を通過させる通過帯域が広くなるように構成されている。更に、制御部130dは、フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際には、係数βの値を1に設定し、非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際には、係数βの値を0に設定する。このように、制御部130dは、フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際、非フェード区間に対して3次元ノイズリダクション処理を行う際よりも、非線形処理部124dが通過させる周波数帯域が広くなるように、係数βを制御する(言い換えれば、非線形処理部124dを制御する)。よって、フェード区間に対しては、非フェード区間に対してよりも高い強度で3次元ノイズリダクション処理が行われる。従って、フェード区間に対応する映像の輝度の時間的な変化を一定に近づけることができる。更に、本実施例では特に、制御部130dは、係数αに加えて係数βを制御することにより3次元ノイズリダクション処理部120dを制御するので、3次元ノイズリダクション処理の強度を、例えば仮に係数αのみを制御することにより3次元ノイズリダクション処理部120dを制御する場合と比較して、より好適に制御することが可能となる。この結果、フェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズをより効果的に低減することができる。
<第5実施例>
第5実施例に係る画像処理装置について、図15から図17を参照して説明する。
図15は、第5実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。尚、図15及び後述する図16において、図1から図6に示した第1実施例に係る構成要素と同様の構成要素に同一の構成要素を付し、それらの説明は適宜省略する。
図15において、第5実施例に係る画像処理装置500は、上述した第1実施例におけるフェード検出部110に代えてフェード検出部110eを備える点及び上述した第1実施例における制御部130に代えて制御部130eを備える点で、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係る画像処理装置100と概ね同様に構成されている。
図15において、フェード検出部110eは、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトするフェード領域及びこのフェード領域におけるフェード区間を検出する。フェード検出部110eは、検出したフェード領域及びフェード区間を制御部130eに出力する。尚、フェード検出部110eは、後述するように、入力映像信号に対応する映像を構成するフィールド(画面)を複数のブロックに分割してこのブロック毎にフェード区間を検出する。フェード領域は、フェード区間が検出されたブロックの集合であり、フィールドに対応する画面の一部をなす領域である。
図16は、第5実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。
図16において、第5実施例に係るフェード検出部110eは、ブロック平均輝度計算部115及びバッファ116を更に備える点及び上述した第1実施例におけるフェード判定部113に代えてフェード判定部113eを備える点で、図3を参照して上述した第1実施例に係るフェード検出部110と異なり、その他の点については、上述した第1実施例に係るフェード検出部110と概ね同様に構成されている。
ブロック平均輝度計算部115は、各フィールドについて、ブロック毎の平均輝度値(以下、「ブロック平均輝度値」と称する)を計算する。
図17は、画面が複数のブロックに分割されることを示す概念図である。
図16及び図17において、ブロック平均輝度計算部115は、各フィールドに対応する画面1000を複数のブロック1010に分割して、このブロック1010毎の平均輝度値を計算する。ブロック平均輝度計算部115は、計算したブロック平均輝度値をバッファ116及びフェード判定部113eに出力する。
バッファ116は、ブロック平均輝度値を複数のフィールド分保存する。バッファ116は、フェード判定部113eに対して、遅延したブロック平均輝度値(即ち、フェード判定部113eにブロック平均輝度計算部115から入力されるブロック平均輝度値に係るフィールドよりも遅延したフィールドのブロック毎の平均輝度値)を出力する。
フェード判定部113eは、ブロック平均輝度計算部115及びバッファ116から夫々入力されるブロック平均輝度値に基づいて、入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトするか否かをブロック毎に判定することにより、フェード領域及びフェード区間を検出する。フェード判定部113eは、フェード領域及びフェード区間を制御部130eに出力する。
より具体的には、フェード判定部113eは、現在のフィールドに係るブロック平均輝度値(即ち、現在のフィールドのブロック毎の平均輝度値)と遅延した複数のフィールドに係るブロック平均輝度値(即ち、現在のフィールドに対して遅延した複数のフィールドの各々のブロック毎の平均輝度値)とに基づいて、フィールド間のブロック平均輝度値の変化量を算出し、該変化量が所定の範囲内であるか否かを判定することで、ブロック毎にフェード区間を検出する。
尚、フェード判定部113eは、上述した第1実施例に係るフェード判定部113と同様に、フィールド平均輝度値に基づいて、フィールド全体のフェード区間も検出する。
再び図15において、本実施例では特に、制御部130eは、フェード検出部110eから出力されるフェード領域及びフェード区間に応じて、3次元ノイズリダクション処理部120(より具体的には、3次元ノイズリダクション処理部120の乗算器125における係数α)をブロック毎に制御する。より具体的には、制御部130eは、フェード領域におけるフェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度が、非フェード区間に対する3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、3次元ノイズリダクション処理部120を制御する。尚、画面のうちフェード領域を除く非フェード領域では、フェードイン及びフェードアウトのいずれもが行われないので、その映像信号にはフェード区間はなく、すべて非フェード区間として構成される。
よって、画面の一部のみ(言い換えれば、フェード領域のみ、つまり、特定のブロックのみ)でフェードイン或いはフェードアウトする画像における符号化ノイズを低減することができる。従って、画面全体としては映像がフェードイン又はフェードアウトしていないが、画面の一部のみで映像がフェードイン又はフェードアウトしている場合における該画面の一部で発生する符号化ノイズによる画質の劣化を低減することが可能となる。
本発明は、例えばデジタル放送受信機や、デジタル放送受信機を搭載する電子機器(例えば、液晶テレビ、PDPテレビ、DVDレコーダ、Bru−rayレコーダ、HDDレコーダ、ケーブル放送受信端末、衛星放送受信端末、IP放送受信端末、カーナビゲーションシステム、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ワンセグ受信機器等)、復号化ソフトウェア等に適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像処理装置及び方法並びに復号化装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 第1実施例に係る画像処理装置を備えたデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。 第1実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。 第1実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部の構成を制御部と共に示すブロック図である。 第1実施例に係る制御部の動作の流れを説明するためのフローチャートである。 第1実施例における、符号化前の画像データ、符号化後の画像データ、及び3次元ノイズリダクション処理後の入力映像信号について、フェード区間における映像の輝度レベルの時間的な変化の一例を概念的に示すグラフである。 第2実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 第2実施例に係る制御部による、符号化情報に応じた係数αの制御の一例を示すグラフである。 第2実施例に係る制御部による、符号化情報に応じた係数αの制御の他の例を示すグラフである。 第3実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 第3実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。 第3実施例に係る制御部による、フェード速度に応じた係数αの制御の一例を示すグラフである。 第4実施例に係る3次元ノイズリダクション処理部の構成を制御部と共に示すブロック図である。 第4実施例に係る非線形処理部における、係数βの値が1の場合及び係数βの値が0の場合の各々の場合の通過帯域を示している。 第5実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 第5実施例に係るフェード検出部の構成を示すブロック図である。 画面が複数のブロックに分割されることを示す概念図である。
符号の説明
100、200、300、500 画像処理装置
110、110c、110e フェード検出部
111 フィールド平均輝度計算部
113、113e フェード判定部
114 フェード速度計算部
115 ブロック平均輝度計算部
120、120d 3次元ノイズリダクション処理部
124、124d 非線形処理部
125 乗算器
130、130b、130c、130d、130e 制御部
810 復号器
910 符号器

Claims (8)

  1. 送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
    前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理手段と、
    前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出手段と、
    前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記符号化された画像データを復号化して前記入力映像信号として出力すると共に前記符号化に係る符号化情報を出力する復号化手段と接続されており、
    前記符号化情報に基づいて、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記フェード検出手段は、前記フェード区間における前記映像がフェードイン又はフェードアウトするフェード速度を算出するフェード速度算出手段を有し、
    前記制御手段は、前記フェード速度が速いほど、前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記3次元ノイズリダクション処理手段は、前記入力映像信号における時間が互いに異なる2つのフレーム又はフィールド間の差分信号に対して特定の周波数帯域だけ通過させる非線形処理手段を備え、
    前記制御手段は、前記フェード区間に対して前記3次元ノイズリダクション処理を行う際、前記非フェード区間に対して前記3次元ノイズリダクション処理を行う際よりも、前記特定の周波数帯域が広くなるように、前記非線形処理手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前フェード検出手段は、前記フェード区間を、前記映像を構成するフレーム又はフィールドを複数のブロックに分割して該ブロック毎に検出し、
    前記制御手段は、前記フェード区間が検出されたブロックに対して、前記3次元ノイズリダクション処理を行うように、前記3次元ノイズリダクション処理手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記入力映像信号に対して2次元ノイズリダクション処理を行う2次元ノイズリダクション処理手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記フェード区間に対する前記2次元ノイズリダクション処理の強度が、前記非フェード区間に対する前記2次元ノイズリダクション処理の強度よりも低くなるように、前記2次元ノイズリダクション処理手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 送信側で符号化された画像データが受信側に伝送され、該受信側で復号化されてなる入力映像信号に対して画像処理を行う画像処理方法であって、
    前記画像処理として3次元ノイズリダクション処理を行う3次元ノイズリダクション処理工程と、
    前記入力映像信号に対応する映像がフェードイン又はフェードアウトする前記入力映像信号におけるフェード区間を検出するフェード検出工程と、
    前記フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度が、前記入力映像信号における前記フェード区間を除く非フェード区間に対する前記3次元ノイズリダクション処理の強度よりも高くなるように、前記3次元ノイズリダクション処理工程を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
    前記符号化された画像データを復号化して前記入力映像信号として出力する復号化手段と
    を備えることを特徴とする復号化装置。
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