JP4481868B2 - プリフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、映像圧縮符号化装置に用いられるプリフィルタ、特に入力映像を低ビットレートに圧縮符号化する映像圧縮符号化装置に好適なプリフィルタに関するものである。
インターネット、衛星放送、地上波等の伝送路を利用した超低ビットレートの映像配信では、従来のテレビ放送(アナログ放送や、BS/CSデジタル放送、地上デジタル放送)と比較して、映像の圧縮符号化に伴う配信画質の劣化が生じてしまう。例えば、地上デジタル放送の1セグメントを利用して放送コンテンツを携帯端末に向けて配信するサービスが想定されており、当該サービスにおいてはQVGA(320画素×240ライン又は320画素×180ライン)の最大15Hzの映像信号が128〜192Kbps程度の超低ビットレートに圧縮符号化して配信される。このような超低ビットレートに映像を圧縮符号化すると、様々な画質劣化が発生し、例えばフレームスキップが発生して動きのなめらかさが失われたり、文字スーパーが読めなくなったり、ブロック歪により画面全体が破綻することがある。
上述した画質劣化を抑制するために、映像圧縮符号化装置への入力映像にプリフィルタリングを行う手法が従来から知られている。プリフィルタを用いた映像符号化装置として、映像信号に由来する変量に基づき入力信号に対する周波数帯域の制限及び画像フォーマットの変換を行うプリフィルタを有する映像符号化装置が既知である(例えば、「特許文献1」参照)。また、量子化パラメータ、目標ビットレート等の符号化処理に関連するパラメータのうち1又は2のパラメータに基づいて入力映像信号のうち所定の周波数成分だけを出力するプリフィルタを具えた映像符号化装置も既知である(例えば、「特許文献2」参照)。
特許第3611461号公報 特開2004-297768号公報
入力映像についてプリフィルタリングを行わない場合、入力映像の情報量が多く、入力映像を超低ビットレートに圧縮符号化するためには、圧縮符号化装置の圧縮率(一般的には、量子化パラメータ)が大きくなり、その結果ブロック歪やモスキート歪等の符号化劣化が顕著に発生する。また、文字スーパーのように強いエッジを有する領域では、特に符号化劣化の程度が顕著になり、復号化画像の文字スーパーが認識できなくなる問題が発生する。
特許文献1に記載の映像符号化装置では、プリフィルタにより帯域制限された映像信号が圧縮符号化装置に入力するため、入力映像の情報量が減少し無理な画像圧縮が防止され、ブロック歪やモスキート歪が軽減されている。
しかしながら、プリフィルタが水平方向フィルタ回路と垂直方向フィルタ回路の2つのフィルタ回路を有し、水平方向及び垂直方向の2回の帯域制限処理を行っているため、水平方向及び垂直方向の高周波数領域について帯域制限が行われてしまう。このため、文字スーパーのように強いエッジを有する領域では、帯域制限の影響を強くうけエッジが不鮮明な画像となってしまう。特に、低ビットレートに圧縮符号化すると、文字スーパーのエッジ領域が一層不鮮明になり、文字スーパーが背景に溶け込み、復号化された画像中の文字スーパーが読めなくなる問題点が発生する。
特許文献2に記載のプリフィルタも高周波成分の除去を行うため、上記特許文献1の映像符号化装置と同様な問題点が発生する。さらに、特許文献2に記載の映像符号化装置では、圧縮符号化器の符号化パラメータを利用してプリフィルタの制御が行われるため、圧縮符号化器から独立してプリフィルタを制御することができない問題があった。このため、プリフィルタの設計の自由度が制限される欠点があった。
本発明の目的は、入力映像を低ビットレートに圧縮符号化するのに好適な映像圧縮符号化装置に用いられるプリフィルタを提供することにある。
本発明の目的は、圧縮符号化処理に先立って適切な帯域制限を行うと共に文字スーパー等の強いエッジを有する映像について良好な画質を維持できるプリフィルタを実現することにある。
さらに、本発明の別の目的は、適切な帯域制限を行うと共に後段の圧縮符号化器から独立したプリフィルタを提供することにある。
本発明によるプリフィルタは、入力映像について帯域制限を行うプリフィルタと、帯域制限された映像信号を圧縮符号化する圧縮符号化器とを有する映像圧縮符号化装置に用いられるプリフィルタにおいて、
画像の動き領域の帯域を制限する時間フィルタ手段と、主として画像の水平方向及び垂直方向以外の斜め方向の高周波帯域成分を遮断する2次元フィルタ手段と、画像の水平方向及び垂直方向の周波数成分を増強するエンハンス手段とを具え、
入力映像を前記時間フィルタ手段で処理した後、前記2次元フィルタ手段又はエンハンス手段による処理を行うことを特徴とする。
本発明によるプリフィルタでは、主として動き領域及び画像の斜め方向について帯域制限を行うので、入力映像を低ビットレートに圧縮符号化する際、符号化歪の発生が有効に防止され、配信画質の劣化を有効に防止することができる。特に、時間方向の帯域制限を行ってから2次元フィルタ処理及びエンハンス処理を行っているので、静止した文字スーパー等が不鮮明になる不具合を防止することができる。
本発明によるプリフィルタは、入力映像を伝送レートが64〜192kbps の低ビットレートの映像信号に圧縮符号化する圧縮符号化装置に用い場合格別な効果が達成される。特に、地上デジタル放送の1セグメントを利用した携帯端末向け放送の圧縮符号化装置では、QVGA、15Hzの映像を128〜192Kbps程度の低ビットレートに圧縮符号化するため、本発明によるプリフィルタを用いることにより、ブロック歪やモスキート歪等の符号化歪の発生を有効に防止することができる。
本発明によるプリフィルタの好適実施例は、エンハンス手段は、水平方向の帯域成分を増強する第1のエンハンサと垂直方向の帯域成分を増強する第2のエンハンサとを有し、前記入力映像を時間フィルタ手段で処理した後前記2次元フィルタ手段による処理を行い、その後第1又は第2のエンハンサによる処理を順次行うことを特徴とする。
本発明によるプリフィルタの別の好適実施例は、時間フィルタを、係数αを有するIIR時間フィルタとし、前記係数αを、1/16〜3/16の範囲に設定したことを特徴とする。本発明者が時間フィルタの係数αについて種々の実験を行った結果、係数αが3/16以上になると、動領域でのボケが顕著になり主観的な画質低下が生じてしまう。一方、係数αが1/16以下の場合、時間フィルタの効果がほとんど得られないことが判明した。そこで、IIR時間フィルタの係数αは、1/16<α<3/16の範囲に設定することが好ましい。
本発明によるプリフィルタの好適実施例は、入力映像について動き量を検出する手段を有し、検出した動き量に基づいて前記時間フィルタ手段のフィルタリング作用を制御することを特徴とする。
本発明によるプリフィルタの好適実施例は、入力映像についてシーンチェンジを検出する手段を有し、検出されたシーンチェンジの前後において、前記時間フィルタ手段のフィルタリング作用を抑止することを特徴とする。シーンチェンジを考慮することなく時間方向のローパスフィルタを適用すると、異なる映像が混合され、圧縮符号化器における情報発生量が増加するおそれがある。これに対して、シーンチェンジの前後においてローパスフィルタの動作を停止させることにより、異なる映像が混合される不具合が解消され、圧縮符号化器での情報量増加を抑制することができる。
本発明によるプリフィルタでは、主として動き領域及び画像の斜め方向について帯域制限を行うので、入力映像を低ビットレートで圧縮符号化する際、画質劣化が有効に防止される。また、水平方向及び垂直方向をエンハンスすることにより、文字スーパー等の強いエッジを有する領域が不鮮明になる不具合を解消することができる。
図1は本発明によるプリフィルタの一例を示す線図である。本発明によるプリフィルタは、入力映像について帯域制限を行うプリフィルタ100と、帯域制限された入力映像信号について圧縮符号化を行う圧縮符号化器104とを有する映像圧縮符号化装置に好適に用いられる。特に、地上デジタル放送の1セグメントを利用して携帯端末に向けに低ビットレートで映像を配信するサービスに用いられる映像圧縮符号化装置に好適である。ここで、本発明が好適に用いられる低ビットレートの範囲は、64〜192kbps の伝送レートを言うものとする。
本発明によるプリフィルタ100は、時間フィルタ101と、2次元ローパスフィルタ102と、エンハンサ103とを有し、入力映像について適切な帯域制限を行い、画像の高周波成分が除去された映像信号を後段の圧縮符号化器104に送出する。
入力映像は、初めに時間フィルタ101に入力する。この時間フィルタは、入力映像中に含まれるノイズを除去すると共に画像の動き領域の帯域を制限する機能を果たし、FIRフィルタやIIRフィルタ等の一般的な時間方向のローパスフィルタで構成することができる。この時間フィルタは動き領域についてだけ帯域制限を行い、文字スーパー等の静止領域については作用しないため、文字スーパーについては情報削減されない。
図2は、IIRフィルタで構成した時間フィルタの一例を示す線図である。入力映像信号は、第1の乗算器111に入力し、係数1−αが乗算され、加算器112に入力する。加算器112の出力はフレームメモリ113に入力し、その出力は別の第2の乗算器114において係数αが乗算されて加算器112に供給される。加算器112において、係数1−αが乗算された信号とフレームメモリ114を経て係数αが乗算された信号とが加算されて出力信号として出力する。係数αの値は小さすぎると時間フィルタとして効果が弱くなり、大きすぎると動き領域のボケの原因となる。このIIRフィルタの係数αの値は、1/16〜3/16程度が好適である。尚、320画素×240ラインで15Hzの映像をAVC/H.264方式を用いて128kbpsの低ビットレートに圧縮符号化した実験によれば、α=2/16が最も良好であった。図2に示したIIRフィルタは、係数が1つであるため、調整が比較的簡単であり、しかも回路規模が小さく、ソフトウェアで構成する場合にも比較的容易に構成できる利点がある。
時間フィルタ101からの出力は2次元ローパスフィルタ102に入力する。MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、AVC/H.264等の一般的に普及している映像圧縮符号化手法では、入力映像を圧縮する際、画像を2次元信号として捉えた場合画像の斜め方向の高周波成分の情報量を最も多く除去する。この様子を図3に示す。図3は画像の2次元周波数特性を模式化した図であり、横軸は水平方向の周波数を示し縦軸は垂直方向の周波数を示す。一般的な映像圧縮符号化器では、図3の斜線で示す画像の水平方向及び垂直方向以外の斜め方向の高周波成分の情報量を最も多く削減する。しかし、圧縮符号化器の情報削減は8画素×8ライン程度の小さなブロック毎に行われるため、低ビットレートに符号化する場合ブロック歪やモスキート歪の原因となる。一方、前述した特許文献1に記載の映像符号化装置の用いられているプリフィルタのように、1次元の水平フィルタと1次元の垂直フィルタとを組み合わせたプリフィルタの場合、図4に示すように、斜め方向の高周波成分だけでなく、水平方向の高周波成分及び垂直方向の高周波成分まで除去してしまい、文字スーパーの解像度が低下し、復号化画像の文字スーパーが背景に溶け込んでしまう不具合がある。
上述した従来のプリフィルタの欠点を解消するため、本発明では、2つの1次元ローパスフィルタを組み合わせたローパスフィルタではなく、2次元ローパスフィルタ102を用いる。この2次元ローパスフィルタは、主として画像の水平方向及び垂直方向以外の斜め方向の高周波成分を遮断し、水平方向及び垂直方向の高周波成分については、遮断するのではなく減衰させるに止まる作用を果たす。図5に2次元ローパスフィルタの透過特性を示す。このような通過特性を有する2次元ローパスフィルタを用いることにより、文字スーパー等の強いエッジを有する画像について過剰な解像度低下が生ずることなく、入力映像の斜め方向の高周波成分について適切な情報削減を行うことができる。
図6に2次元ローパスフィルタの最適な特性例を示す。図6は、入力映像の2次元周波数特性を示し、横軸は垂直方向のサンプリング周波数fを示し、縦軸は垂直方向のサンプリング周波数fを示す。水平方向のナイキスト周波数をf/2 で示し、垂直方向のナイキスト周波数をf/2で示す。符号Aで示す領域は垂直方向の最大周波数を持つ領域を表し、符号Bは水平方向の最大周波数の領域を示し、符号Cは水平方向及び垂直方向に最大の周波数を有する領域すなわち斜め方向に最大周波数を有する領域を示し、符号Dは斜め方向の最大周波数の半分の周波数を有する領域を示す。本発明において用いられる最適な2次元フィルタは、符号A及びB で示す領域について減衰量0〜3dB、符号Dで示す領域においては減衰領域3〜20dB、符号Cで示す領域については遮断となる特性を有する。
2次元ローパスフィルタ102を通過した映像信号は、エンハンサ103に入力して増強作用をうける。低ビットレートで圧縮符号化を行う場合、プリフィルタの後段に接続した圧縮符号化器において画像の斜め方向成分の情報だけでなく、水平方向の高周波成分の情報や垂直方向の高周波成分の情報も除去される可能性がある。この様子を図7に示す。後段の圧縮符号化器において、このような大規模な情報削減が行われると、文字スーパーのような水平方向のエッジ及び垂直方向のエッジを含む領域の符号化画質が著しく低下する。一方、プリフィルタにおいて、水平方向の高周波成分と垂直方向の高周波成分を増幅すると、その瞬間(そのブロック、或いはそのフレーム)だけは文字スーパーの画質が向上するが、圧縮符号化すべき情報発生量が著しく増大し、この結果、後段の圧縮符号化器は無理な圧縮を行うことになり、逆にブロック歪等の画質劣化が増大し、文字スーパーの画質劣化も増大してしまう。
上述した不具合を解消するため、本発明では、2次元ローパスフィルタの後段にエンハンサ103を配置する。このエンハンサは、画像の全ての方向成分について増強作用を発揮するのではなく、画像の水平方向の周波数成分及び垂直方向の周波数成分についてだけ増強作用を行う。すなわち、エンハンサ103は、前段の2つのフィルタにより減衰した水平方向及び垂直方向の成分を補償する役割を果たす。この結果、文字スーパー等の水平方向及び垂直方向の成分情報を多く含む画像の画質低下を防止することができる。尚、エンハンサは、主として2次元ローパスフィルタ102の遮断周波数よりも低い周波数帯域である低周波数帯域及び中間の周波数帯域を増強することが好ましい。
また、エンハンサ103は、水平方向の成分を増強する水平方向エンハンサ素子と垂直方向成分を増強する垂直方向エンハンサ素子の2つの1次元エンハンサ素子の組み合わせを用い、水平方向又は垂直方向のエンハンス処理を順次行うことが好適である。
エンハンサの係数は、一例として以下のように設定することができる。
(3タップのFIRフィルタでエンハンサを構成した場合の係数)
−0.1〜−0.15 , 1 , −0.1〜−0.15
或いは、
(5タップのFIRフィルタでエンハンサを構成した場合の係数)
−0.1〜−0.15 , 0 , 1 , 0 , −0.1〜−0.15
垂直エンハンサ素子及び水平エンハンサ素子の特性は、それぞれナイキスト周波数の1/4〜1/2の範囲内にゲインのピークが位置するように設定することが好ましい。この理由は、ピークの周波数が低すぎるとエンハンサの効果が少なくなり、逆にピークの周波数が高すぎると情報量が過剰に発生し、結果として符号化画質の改善効果が喪失するためである。また、ゲイン量は1〜6dBの範囲とすることが好ましい。ゲイン量が小さ過ぎるとエンハンサの効果がなくなり、大きすぎると情報量の増加や過剰なエンハンスによる主観的な画質低下に繋がるためである。
本発明では、プリフィルタとしての処理の順序として、初めに入力映像について時間フィルタを用いて主として動き領域について帯域制限を行い、次に2次元ローパスフィルタを用いて主として画像の斜め方向成分について情報削減を行い、その後エンハンサにより水平方向及び垂直方向成分を増強する処理を行う。これらの処理は後段の圧縮符号化器104とは別個に独立して行われるので、圧縮符号化器から独立したプリフィルタを実現することができ、設計の自由度が向上する。
図8は本発明によるプリフィルタの別の実施例を示す。尚、時間フィルタ201、2次元ローパスフィルタ202及びエンハンサ203は前述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。本例では、動き量検出部204を設け、入力映像をブロックに区切り、それぞれのブロックにおける動き量の大きさを求め、検出した動き量に応じて時間フィルタ201の強度を制御する。時間フィルタ201のフィルタ強度の制御として、検出され微小な動きに対してフィルタ強度を強く適用し、大きな動きに対しては通常のフィルタ強度を適用する。従って、静止画像についてはノイズ除去が行われ、ゆっくり動く画像に対しては強く帯域制限が行われる。
時間フィルタ201として図2に示すIIRフィルタを用いた場合の制御例を図8に示す。図9において、横軸は動き量の大きさを示し、縦軸はIIRフィルタのフィードバック量を示す。前述したAVC/H.264を用いた実験では、α=1/16、β=3/16が良好であった。また、k及びm に関しては、動きベクトルの大きさでk=1.0〜2.0、m=0.5が良好であった。
動き量検出部204の動き量検出方法として、勾配法を基にした例を示す。あるフレームnにおけるブロックSの動き量V(n,S)を以下の式から求める。


ここで、median( )は、メディアンフィルタである。g(n,x,y)は、フレームnにおける座標(x,y)の動き量であり、以下の式で求める。
g(n,x,y)=|diff(n,x,y)|/(fx(n,x,y)|+|fy(n,x,y)|)
分母が0となる場合は、g(n,x,y)=0とする。ここで、diff(n,x,y)、fx(n,x,y)、及びfy(n,x,y)は、nフレームの座標(x,y)における、それぞれnフレームとn-1フレームとの間の輝度の差、水平方向の勾配、垂直方向の勾配であり、以下の式で求める。
diff(n,x,y)=I(n-1,i,j)- I(n,i,j)
fx(n,i,j)=(I(n,i+1,j)- I(n,i-1,j))/2
fy(n,i,j)=(I(n,i,j+1)- I(n,i,j-1))/2
ここで、I(n,i,j)は、フレームnの座標(x,y)における輝度値である。
一般に勾配法を用いた動きベクトル検出では、大きな動きを正しく検出できない問題があるが、前述したように本発明では微少な動きのみが重要であるため、勾配法を用いた動き量検出を用いても問題は生じない。また、勾配法以外の方法として、ブロックマッチング法や後段の圧縮符号化器で検出された動きベクトルを用いてもよい。さらに、動き量として必要な情報は、動きの大きさだけであり、動きの方向は不要である。
本例の作用効果は以下の通りである。時間フィルタ201の作用は、時間方向のフィルタ効果が強い程顕著な作用効果が発揮されるが、動き量の大きな物体に対して時間方向に強いフィルタ効果を与えると画像が二重になり、後段の圧縮符号化器において余計な情報量が発生するおそれがある。本例では、動き量の小さい領域に対してだけ時間方向のローパスフィルタの作用を強めているので、強いローパスフィルタの効果を有効に利用しつつ、動き量の大きな領域に対する弊害が抑制される。
図10は本発明によるプリフィルタの第3実施例の構成を示す。尚、本例において、2次元フィルタ302及びエンハンサ303は図1に示すものと同一である。本例では、シーンチェンジ検出部304を設け、シーンチェンジ検出部304からの制御信号により時間フィルタ301を制御する。すなわち、入力映像にシーンチェンジが発生した際、シーンチェンジの前後においてシーンチェンジ検出部からの制御信号により時間フィルタの作用が波及しないように制御する。例えば、時間フィルタを図2に示すIIRフィルタで構成する場合、シーンチェンジが発生した際フィードバック量α=0にする。尚、シーンチェンジ検出は、例えばフレーム間差を用いた簡単な構成の検出手段とすることができる。
図11は、第3実施例において、時間フィルタを3タップのFIRフィルタで構成した例を示す。符号311及び312はフレームメモリを示し、符号313及び314はスィッチング素子を示す。また、符号315〜316は乗算器を示し、それぞれ係数A1〜A3を乗算する。尚、これらの係数は一例として、A1=0.05、A2=0.9、及びA3=0.05とすることができる。また、符号318及び319は加算器を示す。通常の動作時において、第1のスィッチング素子313は入力信号を選択し、第2のスィッチング素子314は第2のフレームメモリ312の出力を選択する。フレームf-2とフレームf-1との間においてシーンチェンジが検出された場合、第2のスィッチング素子314はシーンチェンジ検出手段からの制御信号により第1のフレームメモリ311の出力を選択する。フレームf-1とフレームfとの間においてシーンチェンジが検出された場合、第1のスィッチング素子313は第1のフレームメモリ311の出力を選択する。このように、時間フィルタとしてFIRフィルタを用いる場合、シーンチェンジの検出に応じて時間方向のローパスフィルタの効果が波及しないように構成することができる。
本例の効果は以下の通りである。シーンチェンジを考慮せずに時間方向のローパスフィルタを適用すると、シーンチェンジの前後(時間フィルタをIIRフィルタで構成した場合、シーンチーンジの後)において異なる映像が混合され、時間フィルタの効果が失われるだけでなく、圧縮符号化器における情報発生量も増加してしまう。これに対して、シーンチェンジ検出を行い、シーンチェンジの前後においてローパスフィルタの影響を除去することにより、異なる映像が混合される不具合が解消されると共に圧縮符号化器での情報量の増加も抑制 することができる。
本発明は上述した実施例だけに限定されず、種々の変形や変更が可能である。例えば、本発明によるプリフィルタはハードウェアにより構成するができ、或いはソフトウェアにより構成することも可能である。
本発明によるプリフィルタの一例を示す線図である。 時間フィルタの一例を示す線図である。 圧縮符号化器における情報量の削減を説明するための線図である。 水平フィルタと垂直フィルタとの組み合わせの遮断周波数領域を示す線図である。 2次元フィルタの減衰特性を示す線図である。 2次元ローパスフィルタの最適特性を示す線図である。 圧縮符号化器における情報量削減を説明するための線図である。 本発明によるプリフィルタの変形例を示す線図である。 第2実施例におけるIIRフィルタで構成された時間の制御特性を示す線図である。 本発明によるプリフィルタの第3実施例を示す線図である。 本発明の第3実施例において時間フィルタをFIRフィルタで構成した例を示す線図である。
符号の説明
100 プリフィルタ
101,201,301 時間フィルタ
102,202,302 2次元ローパスフィルタ
103,203,303 エンハンサ
104 圧縮符号化器
111,114 乗算器
112 加算器
113 フレームメモリ
311,312 フレームメモリ
313,314 スィッチング素子
315〜316 乗算器
318,319 加算器

Claims (7)

  1. 入力映像について帯域制限を行うプリフィルタと、帯域制限された映像信号を圧縮符号化する圧縮符号化器とを有する映像圧縮符号化装置に用いられるプリフィルタにおいて、
    画像の動き領域の帯域を制限する時間フィルタ手段と、主として画像の水平方向及び垂直方向以外の斜め方向の高周波帯域成分を遮断する2次元フィルタ手段と、画像の水平方向及び垂直方向の周波数成分を増強するエンハンス手段とを具え、
    入力映像を前記時間フィルタ手段で処理した後、前記2次元フィルタ手段又はエンハンス手段による処理を行うことを特徴とするプリフィルタ。
  2. 前記映像圧縮符号化装置は、入力映像を、伝送レートが64〜192kbps の低ビットレートの映像信号に圧縮符号化することを特徴とする請求項1に記載のプリフィルタ。
  3. 前記映像圧縮符号化装置は、地上デジタル放送の1セグメントを利用した携帯端末向け放送の圧縮符号化装置に用いられることを特徴とする請求項2に記載のプリフィルタ。
  4. 請求項1、2又は3に記載のプリフィルタにおいて、前記エンハンス手段は、水平方向の周波数成分を増強する第1のエンハンサと垂直方向の周波数成分を増強する第2のエンハンサとを有し、前記入力映像を時間フィルタ手段で処理した後前記2次元フィルタ手段による処理を行い、その後第1又は第2のエンハンサによる処理を順次行うことを特徴とするプリフィルタ。
  5. 前記時間フィルタを、係数αを有するIIR時間フィルタとし、前記係数αを、1/16〜3/16の範囲に設定したことを特徴とする請求項請求項1から4までのいすれか1項に記載のプリフィルタ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のプリフィルタにおいて、さらに、前記入力映像について動き量を検出する手段を有し、検出した動き量に基づいて前記時間フィルタ手段のフィルタリング作用を制御することを特徴とするプリフィルタ。
  7. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のプリフィルタにおいて、さらに、前記入力映像についてシーンチェンジを検出する手段を有し、検出されたシーンチェンジの前後において、前記時間フィルタ手段のフィルタリング作用を抑止することを特徴とするプリフィルタ。
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