JP2004187009A - ノイズ除去装置及びノイズ除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出力映像信号より1フレーム分遅延させた信号を第1の減算回路102にて入力映像信号から減算して得た差分信号から、直列・並列変換回路105にて任意の(m×n)個の領域差分信号を切り出し、直交変換回路106にて直交変換し非線形処理回路107にて非線形処理した後、直交逆変換回路108にて逆変換して元の実空間領域上の非線形信号を得る一方、差分符号情報抽出回路109にて前記領域差分信号の各符号情報を抽出して生成したフレーム差分符号情報を平滑化回路110にて平滑化した後、帰還係数演算回路111にて予め定めた基準帰還量Kと演算して帰還係数を求め、乗算回路113にて前記非線形信号と乗算してノイズ成分を抽出し、第2の減算回路103にて入力映像信号から減算する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ除去装置及びノイズ除去方法に関し、特に、映像信号処理装置において映像信号に含まれているノイズ成分を抽出して除去するノイズ除去装置及び該ノイズ除去装置を実現しているノイズ除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号として、例えばテレビジョン用映像信号のS/Nを改善する方法は、既に種々提案されているが、S/N改善方法の1つとして、映像信号そのものはフレーム相関が非常に強いが、ノイズはフレーム相関が弱いことを利用したノイズ除去装置が知られている。
【0003】
図13は、従来のノイズ除去装置の構成を示す機能ブロック構成図である。図13に示すノイズ除去装置10は、出力端子16に出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させてフレーム遅延信号を出力するフレームメモリ14と、入力端子11から入力されてくる入力映像信号とフレームメモリ14から出力されてくるフレーム遅延信号との差分を演算してフレーム差分信号を出力する第1の減算回路12と、第1の減算回路12から出力されるフレーム差分信号に対して非線形処理を施し非線形信号を出力する非線形処理回路15と、非線形処理回路15から出力される非線形信号と入力端子11から入力されてくる入力映像信号との差分を演算して、出力端子16に出力する出力映像信号を生成する第2の減算回路13とが、図13のごとく接続されて構成されている。
【0004】
前記フレーム差分信号に対して非線形処理を施す非線形処理回路15の非線形特性を図15に示す。即ち、図15は、従来例における非線形処理回路15の非線形特性を示すグラフである。図15に示すごとき非線形特性は、入力信号である前記フレーム差分信号の振幅が範囲(−TH〜+TH)内の間にある場合には、正弦曲線(又はS字曲線又は任意の2次曲線)によって規定される値に基づいて非線形化処理が施され、範囲(−TH〜+TH)を超える入力信号(フレーム差分信号)については除去され、出力信号が出力されないことを示している。
【0005】
第1の減算回路12においては、前述のごとく、入力端子11から入力されてくる入力映像信号から、フレームメモリ14により1フレーム期間遅延した出力映像信号(即ち、出力端子16から出力される出力映像信号)を減算して、フレーム差分信号を生成している。ここで、第1の減算回路12から出力されるフレーム差分信号とは、入力映像信号に含まれる動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分とを含む信号である。
【0006】
該フレーム差分信号のうち、動画部分(動き部分)の残像の信号レベルはノイズ成分の信号レベルに比べ比較的大きいことから、両者の成分を識別する閾値をTHとすると、図15に示す非線形特性を有する非線形処理回路15を通して非線形処理を施すことにより、動画部分(動き部分)の残像は除去され、入力端子11から入力される入力映像信号に含まれているノイズ成分のみを抽出することができる。従って、第2の減算回路13において、非線形処理回路15において抽出されたノイズ成分を、入力端子11から入力されてくる現在の入力映像信号から減じると、該入力映像信号に含まれているノイズ成分が除去され、ノイズ成分を含まない出力映像信号を得ることができる。
【0007】
かくのごとくノイズ成分が除去された出力映像信号を出力端子16から出力すると共に、フレームメモリ14に一旦記憶して、1フレーム遅延させることにより、次フレームの入力映像信号とのフレーム差分信号を算出するために備える。しかしながら、図13に示すノイズ除去装置10は、入力映像信号が静止画である場合においては、良好にS/Nを改善することができるが、動画である場合には、前記フレーム差分信号中に含まれる低い信号レベル(即ち、閾値TH以下の信号レベル)の動画部分(動き部分)の残像に対しても全てノイズ成分とみなしてしまう。即ち、非線形処理回路15からは閾値TH以下の低い信号レベルの動画部分(動き部分)の残像もノイズ成分として抽出されてしまい、かかる低信号レベルの動画部分の残像とノイズ成分とを含んだ信号が、非線形信号として出力される。その結果、第2の減算回路13において、入力映像信号からノイズ成分のみならず振幅の小さい動画部分(動き部分)も除去してしまう結果となり、反って動画部分の残像等を発生させてしまうという問題がある。
【0008】
図13に示すノイズ除去装置10における前記問題を解決するために、図14に示すごとく、アダマール変換を用いたノイズ除去装置が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照のこと)。ここに、図14は、アダマール変換を用いた従来のノイズ除去装置の構成を示す機能ブロック構成図である。図14に示すアダマール変換を用いたノイズ除去装置20は、第1の減算回路22と、第2の減算回路23と、フレームメモリ24と、直列・並列変換回路25と、アダマール変換回路26と、非線形処理回路27と、アダマール逆変換回路28とが図14のごとく接続されて構成されている。
【0009】
ここで、フレームメモリ24は、出力端子29に出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させてフレーム遅延信号を出力するものであり、第1の減算回路22は、入力端子21から入力されてくる入力映像信号とフレームメモリ24から出力されてくるフレーム遅延信号との差分を演算してフレーム差分信号を出力するものであり、直列・並列変換回路25は、第1の減算回路22から出力されるフレーム差分信号に対して直並列変換して入力領域の切り出しを行ない、切り出した(m×n)個の領域フレーム差分信号を出力する直列・並列切り出し手段を構成するものであり、アダマール変換回路26は、直列・並列変換回路25から出力された(m×n)個の領域フレーム差分信号をアダマール変換(即ち、直交変換)するものである。
【0010】
また、非線形処理回路27は、アダマール変換された(m×n)個の領域フレーム差分信号に対して図15に示すごとき非線形特性に基づいて非線形処理を施し非線形信号を出力するものであり、アダマール逆変換回路28は、非線形処理回路27から出力される非線形信号に対してアダマール逆変換を施して元の実空間領域上の非線形信号を出力するものであり、第2の減算回路23は、アダマール逆変換回路28から出力される実空間領域上の非線形信号と入力端子21から入力されてくる入力映像信号との差分を演算して、出力端子29に出力する出力映像信号を生成するものである。
なお、以降の説明に当たっては、(m×n)次のアダマール変換の一例として、(4×2)次のアダマール変換を適用している場合について説明することとする。
【0011】
第1の減算回路22においては、前述のごとく、入力端子21から入力される入力映像信号から、フレームメモリ24により1フレーム期間遅延した出力映像信号(即ち、出力端子29から出力される出力映像信号)を減算して、フレーム差分信号を生成している。ここで、第1の減算回路22から出力されるフレーム差分信号とは、図13の場合と同様に、入力映像信号に含まれる動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分とを含む信号である。かかるフレーム差分信号は、直列・並列変換回路25に入力される。
【0012】
直列・並列変換回路25においては、入力されてくる該フレーム差分信号に対して、直並列変換処理を施すことにより、(m×n)個の入力領域の切り出し、例えば、図2に示すように、(4×2)個の入力領域の切り出しを行なう。切り出された(m×n)個例えば(4×2)個の領域フレーム差分信号をアダマール変換回路26に入力して、アダマール変換処理を施すことにより、実空間領域上のデータを周波数領域上のデータに変換する。ここで、アダマール変換回路26において今回適用される(4×2)次のアダマール変換の変換式は、例えば、下記の式(1)に示すようになる。
【0013】
【式1】
【0014】
動画部分(動き部分)の残像は、一般に、隣接位置同士に強い相関があるので、ある特定の周波数領域に集中して表れる。つまり、振幅の大きな周波数領域上のデータとして表れる。一方、ノイズ成分は隣接位置同士には相関がないので、全ての周波数領域に対して平均化されて振幅が小さい周波数領域上のデータとして表れる。従って、(4×2)次のアダマール変換処理により周波数領域のデータに変換された(4×2)個の領域フレーム差分信号の振幅値の大小を判定することにより、動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分とを分別することができる。かかるアダマール変換処理が施された(4×2)個の領域フレーム差分信号は、非線形処理回路27に入力される。
【0015】
図15に示すごとき非線形特性(例えば、範囲(−TH〜+TH)内の振幅レベルの入力信号に対してのみ正弦曲線に応じた振幅の出力信号を出力し、範囲(−TH〜+TH)を超える入力信号に対しては一切出力信号を出力しない非線形特性)を用いて入力信号に対して非線形処理を行なう非線形処理回路27においては、動画部分(動き部分)の残像における周波数領域の振幅が閾値(−TH,+TH)を超える大きな振幅となるように閾値(−TH,+TH)を設定することにより、入力されてくるアダマール変換後の(4×2)個の領域フレーム差分信号に対して、振幅の大きな動画部分(動き部分)の残像が除去されて、振幅が小さいノイズ成分のみからなる非線形信号を出力させることができる。
【0016】
かくのごとく、アダマール変換処理を施すことにより、図13に示したノイズ除去装置10の場合よりも、動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分との判別が容易となり、ノイズ成分を抽出し易くなる。ここで、非線形処理回路27から出力される非線形信号即ち非線形処理回路27により抽出されたノイズ成分は、周波数領域の信号であるので、アダマール逆変換回路28において、アダマール逆変換を施して実空間領域上のノイズ成分の信号に復元し、しかる後に、第2の減算回路23において、入力端子21からの入力映像信号から該ノイズ成分を減じることにより、ノイズ成分が含まれていない出力映像信号を得ることができる。
【0017】
かくのごとくノイズ成分が除去された出力映像信号を出力端子29から出力すると共に、フレームメモリ24に一旦記憶して、1フレーム遅延させることにより、次フレームの入力映像信号とのフレーム差分信号を算出するために備える。即ち、図14に示すノイズ除去装置20によれば、ノイズ成分を抽出するための非線形処理を行なうに当たって、アダマール変換を施し、一旦周波数領域の信号を得ることにより、動画部分に対しても、ノイズ成分を除去した出力映像信号を出力することができる。
【0018】
しかし、アダマール変換を用いたノイズ除去装置20においても、完全には、動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分との区別がつかないため、前述した(m×n)個の入力領域の平均値又は分散検出を用いて、非線形処理を制御することにより、動画部分(動き部分)の残像を低減させ、ノイズ成分をより多く抽出することができる技術も開示されている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
【0019】
【特許文献1】
特開平7−177391号公報(第5頁−第6頁、図1)
【特許文献2】
特開平7−143363号公報(第3頁―第4頁、図1)
【非特許文献1】
海老原 他,「アダマール変換を用いたテレビジョン信号のノイズリ
デューサ」,テレビジョン学会誌,Vol.37,
No.12(1983),p.1030〜1036
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、図13に示したノイズ除去装置10や図14に示したアダマール変換を用いたノイズ除去装置20においては、いずれにしても非線形処理を施すことによりノイズ除去量を決定しているため、ノイズ成分と動き成分との信号レベル差が小さい場合には、完全には動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分とを区別することができず、特に、フェードイン映像、フェードアウト映像や微細なグラデーション部分が動いた時、あるいは、ぼけたエッジ部分が動いた時、かかる動き成分も含めてノイズ成分として入力映像信号から除去してしまって、反って動画部分(動き部分)に残像を発生させる等の問題を有していた。
【0021】
更に、前述の特許文献2に記載されている従来例においては、入力領域の平均値や分散検出を用いて動き量の検出を行なっているものの、ノイズ成分と動き成分のレベル差が小さい場合には、やはり正確に動画部分(動き部分)の残像とノイズ成分との区別はできないため、図13や図14のノイズ除去装置の場合と同様の問題点を有している。
【0022】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、直交変換のみならず、切り出した領域におけるフレーム差分信号の符号情報あるいはフレーム差分信号の差分傾き情報を抽出する手段、あるいは、予め定められた領域毎に切り出されたフレーム差分信号(領域フレーム差分信号)の直交変換後の非線形処理により抽出されたノイズ成分の候補と切り出された前記フレーム差分信号とから除去すべきノイズ成分を判定する手段のいずれかの手段を備えたノイズ除去手段を提供することにより、従来技術のごとく直交変換(例えばアダマール変換)のみを用いたノイズ除去装置においてもなお問題として存在しているフェードイン映像やフェードアウト映像の残像、あるいは、微細なグラデーション部分が動いた時の残像、あるいは、ぼけたエッジ部分が動いた時の残像の発生を抑止し、ノイズ成分を含まない映像信号を出力可能とするノイズ除去装置及びノイズ除去方法を提供せんとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段と、(m×n)個の前記領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記直列・並列切り出し手段からの出力信号である(m×n)個の前記領域フレーム差分信号のそれぞれからフレーム間の差分値の符号情報を抽出し、抽出された(m×n)個の前記符号情報に基づいて生成されるフレーム差分符号情報を出力するフレーム差分符号情報抽出手段と、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報と、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像記号として出力する第2の減算手段と、を具備しているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0024】
第2の発明は、前記第1の発明に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分符号情報抽出手段において生成される前記フレーム差分符号情報が、抽出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報が全て同一の符号に揃っているか否かを示す情報、あるいは、抽出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報に対する予め定められた正符号と負符号との比率に基づいて生成される情報であるノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0025】
第3の発明は、前記第1又は第2の発明に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報を切り出し、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分符号情報を平滑化フレーム差分符号情報として生成して出力する平滑化手段を具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報の代わりに、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0026】
第4の発明は、前記第3の発明に記載のノイズ除去装置において、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0027】
第5の発明は、当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である第1の領域フレーム差分信号を切り出して出力する第1の直列・並列切り出し手段と、前記第1の直列・並列切り出し手段により切り出された(m×n)個の前記第1の領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記第1の減算手段からの出力信号である前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(y−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるyライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のx個の画素を切り出し、(x×y)個の領域のフレーム差分信号である第2の領域フレーム差分信号を切り出して出力する第2の直列・並列切り出し手段と、前記第2の直列・並列切り出し手段により切り出された(x×y)個の前記第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分を算出することにより、前記第2の領域フレーム差分信号の傾き情報を抽出して、フレーム差分傾き情報として出力するフレーム差分傾き情報抽出手段と、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報と、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号を出力する第2の減算手段と、を具備しているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0028】
第6の発明は、前記第5の発明に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分傾き情報抽出手段において出力される前記フレーム差分傾き情報が、抽出された(x×y)個の前記第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分演算により得られた符号情報として、予め定められた閾値以上、同一符号が揃っているか否かを示す情報に基づいて、前記第2の領域フレーム差分信号の傾きの有無が決定される傾き情報であるノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0029】
第7の発明は、前記第5又は第6の発明に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報を切り出し、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分傾き情報を平滑化フレーム差分傾き情報として生成して出力する平滑化手段を具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報の代わりに、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0030】
第8の発明は、前記第7の発明に記載のノイズ除去装置において、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0031】
第9の発明は、当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段と、(m×n)個の前記領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記直列・並列切り出し手段からの出力信号である前記領域フレーム差分信号と前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号あるいは前記直交変換手段からの出力信号である前記直交変換信号とのいずれかに基づいて、ノイズ成分の存在の有無を判定し、ノイズ判定信号として出力するノイズ判定手段と、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号と前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力する第2の減算手段と、を具備しているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0032】
第10の発明は、前記第9の発明に記載のノイズ除去装置において、前記ノイズ判定手段から出力される前記ノイズ判定信号が、前記直列・並列切り出し手段により切り出された前記領域フレーム差分信号のうち、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号として抽出された部分に該当する位置にある前記領域フレーム差分信号が予め定められた閾値よりも小さいか否かを示す情報、あるいは、前記領域フレーム差分信号のフレーム間の差分が示す符号情報、あるいは、前記領域フレーム差分信号の画素間の差分を示す傾き情報、あるいは、前記直交変換手段からの出力信号である前記直交変換信号の周波数分布のいずれか1乃至複数を用いて生成されるものであるノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0033】
第11の発明は、前記第9又は第10の発明に記載のノイズ除去装置において、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させて、遅延ノイズ判定信号として出力する遅延ノイズ判定信号生成手段と、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号と前記遅延ノイズ判定信号生成手段からの出力信号である前記遅延ノイズ判定信号との論理演算処理を施すことにより、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在しているか否かを検知して、フレーム間ノイズ情報として出力する論理演算手段とを具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号の代わりに、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0034】
第12の発明は、前記第11の発明に記載のノイズ除去装置において、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いているノイズ除去装置とすることを特徴とするものである。
【0035】
第13の発明は、入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、切り出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号のそれぞれからフレーム間の差分値の符号情報を抽出し、抽出された(m×n)個の前記符号情報に基づいて生成されるフレーム差分符号情報と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力するノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0036】
第14の発明は、前記第13の発明に記載のノイズ除去方法において、入力されてくる前記フレーム差分符号情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報を切り出し、入力されてきた前記フレーム差分符号情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分符号情報を平滑化フレーム差分符号情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分符号情報の代わりに、前記平滑化フレーム差分符号情報を用いているノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0037】
第15の発明は、入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である第1の領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、前記フレーム差分信号から、予め指定されている任意の(y−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたyライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のx個の画素を切り出し、切り出された(x×y)個の領域のフレーム差分信号である第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分を算出することにより、抽出される前記第2の領域フレーム差分信号の傾き情報を示すフレーム差分傾き情報と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力するノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0038】
第16の発明は、前記第15の発明に記載のノイズ除去方法において、入力されてくる前記フレーム差分傾き情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報を切り出し、入力されてきた前記フレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分傾き情報を平滑化フレーム差分傾き情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分傾き情報の代わりに、前記平滑化フレーム差分傾き情報を用いているノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0039】
第17の発明は、入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、切り出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号と実空間領域上の前記非線形信号あるいは前記直交変換信号とのいずれかに基づいて、ノイズ成分の存在の有無を判定して出力されるノイズ判定信号と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を、ノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力するノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0040】
第18の発明は、前記第17の発明に記載のノイズ除去方法において、前記ノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させた遅延ノイズ判定信号と前記ノイズ判定信号との論理演算処理を施すことにより、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在しているか否かを検知して、フレーム間ノイズ情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記ノイズ判定信号の代わりに、前記フレーム間ノイズ情報を用いているノイズ除去方法とすることを特徴とするものである。
【0041】
而して、前記第1乃至第18の発明のいずれかに記載の発明によれば、フェードイン映像あるいはフェードアウト映像の残像や、微細なグラデーション部分が動いた時の残像あるいはぼけたエッジ部分が動いた時の残像の発生を低減することを可能とし、あるいは、ぼけたエッジが動いた時や、フェードイン映像、フェードアウト映像の動き成分をノイズ成分と分離させて検出し、かかる動き部分の残像の発生を低減することを可能としており、もって、かかる動き部分における画質劣化を抑えると共に、更には、静止領域においても、高いノイズ除去効果を達成することができる。
【発明の実施の形態】
本発明に係るノイズ除去装置及びノイズ除去方法の実施形態を、図面に基づいて以下に説明する。
まず、本発明に係るノイズ除去装置及びノイズ除去方法に関する第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第1の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。なお、本実施形態に於いては、直交変換として、(4×2)次のアダマール変換を適用している場合を一例として用いて説明することとする。
本実施形態におけるノイズ除去装置100は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103と、フレームメモリ104と、直列・並列変換回路105と、直交変換回路106と、非線形処理回路107と、直交逆変換回路108と、差分符号情報抽出回路109と、平滑化回路110と、帰還係数演算回路111と、基準帰還量K 112と、乗算回路113とが、図1のごとく接続されて構成されている。
【0042】
図1に示すノイズ除去装置100において、入力端子101から入力される入力映像信号は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103とのそれぞれにおける一方の入力として供給される。ここに、第1の減算回路102は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、当該ノイズ除去装置100に入力されてくる入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100から出力される出力映像信号を1フレーム分遅延させた前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号として出力する第1の減算手段を構成しており、また、第2の減算回路103は、前記入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100において抽出されたノイズ成分(詳細は後述する)を減算する第2の減算手段を構成している。
【0043】
第2の減算回路103の出力は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、出力端子114から次段の回路への出力映像信号として出力されると同時に、フレームメモリ104へ供給される。ここに、フレームメモリ104は、当該ノイズ除去装置100から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を出力するフレーム遅延信号生成手段を構成している。
【0044】
フレームメモリ104から出力される1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号は、第1の減算回路102へ供給され、入力映像信号との間で減算処理が施されて、フレーム差分信号として直列・並列変換回路105へ供給される。
ここに、直列・並列変換回路105は、フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段を構成している。
【0045】
直列・並列変換回路105においては、入力されてくるフレーム差分信号に対する直並列変換処理がなされて、切り出された(m×n)個の領域フレーム差分信号、本実施例においては、(4×2)個の領域フレーム差分信号が出力され、直交変換回路106と、差分符号情報抽出回路109とに供給される。直交変換回路106に供給された(4×2)個の領域フレーム差分信号は、直交変換処理が施されて、周波数領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号とされて、非線形処理回路107へ供給される。
【0046】
ここに、直交変換回路106は、(m×n)個例えば(4×2)個の領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段を構成し、差分符号情報抽出回路109は、直列・並列変換回路105からの出力信号である(m×n)個例えば(4×2)個の前記領域フレーム差分信号のそれぞれからフレーム間の差分値の符号情報を抽出し、抽出された(m×n)個の前記符号情報に基づいて生成されるフレーム差分符号情報を出力するフレーム差分符号情報抽出手段を構成している。更に、非線形処理回路107は、直交変換回路106からの各直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段を構成している。
【0047】
非線形処理回路107においては、前述のごとく、供給されてきた周波数領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号に対して非線形処理が施されて、周波数領域上の非線形信号として出力される。出力された周波数領域上の非線形信号は、直交逆変換回路108へ供給され、直交逆変換処理が施され、元の実空間領域上の非線形信号に復元された後、乗算回路113の一方の入力として供給される。ここに、直交逆変換回路108は、直交変換回路106に対する逆変換である直交逆変換処理を、非線形処理回路107からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段を構成している。
また、乗算回路113は、後述する差分符号情報抽出回路109又は平滑化回路110又は帰還係数演算回路111のいずれかの出力信号と、直交逆変換回路108からの出力信号である実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成しているものである。
【0048】
一方、差分符号情報抽出回路109に供給された(4×2)個の領域フレーム差分信号からは各フレーム間の差分値の符号情報であるフレーム差分符号情報が抽出されて、平滑化回路110へ供給されて、該フレーム差分符号情報は平滑化され、平滑化信号即ち平滑化フレーム差分符号情報として帰還係数演算回路111に供給される。ここで、平滑化回路110は、差分符号情報抽出回路109からの出力信号であるフレーム差分符号情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報を切り出し、差分符号情報抽出回路109からの出力信号である前記フレーム差分符号情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分符号情報を平滑化フレーム差分符号情報として生成して出力する平滑化手段を構成している。
【0049】
帰還係数演算回路111においては、供給されてくる平滑化信号即ち平滑化フレーム差分符号情報と基準帰還量K 112とにより、平滑化された平滑化フレーム差分符号情報に対する帰還係数kを演算により求め、乗算回路113へ供給する。即ち、帰還係数演算回路111は、平滑化回路110からの出力信号である前記平滑化信号即ち平滑化フレーム差分符号情報と、予め指定されている基準帰還量K 112と、を乗算することにより、帰還係数kを算出する帰還係数演算手段を構成している。なお、場合によっては、前述のごとく、乗算回路113へは、帰還係数kの代わりに、差分符号情報抽出回路109において抽出されたフレーム差分符号情報を直接供給することとしても良いし、あるいは、平滑化回路110において平滑化された平滑化信号即ち平滑化フレーム差分符号情報を供給することとしても良い。
【0050】
前述のごとく、差分符号情報抽出回路109からの前記フレーム差分符号情報又は平滑化回路110において平滑化された前記平滑化信号即ち平滑化フレーム差分符号情報又は帰還係数演算回路111からの帰還係数kのいずれかと、直交逆変換回路108から入力されてくる実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成している乗算回路113においては、直交逆変換回路108から供給されてくる元の実空間領域上の非線形信号と、例えば帰還係数演算回路111から供給されてくる帰還係数kとの乗算により得られた演算結果を、ノイズ成分として、第2の減算回路103へ供給する。第2の減算回路103においては、入力端子101からの入力映像信号から、乗算回路113からの出力信号であるノイズ成分が減算されて、ノイズ成分が除去された出力映像信号として出力端子114から出力される。
【0051】
以上のように構成された各構成要素は、以下のように動作している。
入力端子101から入力されてくる入力映像信号と、フレームメモリ104からの出力信号である、出力映像信号を1フレーム期間遅延したフレーム遅延信号とを、第1の減算回路102により減算し、フレーム差分信号を得る。該フレーム差分信号には、前述した従来技術にて説明した通り、ノイズ成分と動き成分とが含まれている。該フレーム差分信号は、直列・並列変換回路105へ入力される。
直列・並列変換回路105は、入力されてきたフレーム差分信号と例えば1水平走査期間垂直方向に遅延させた遅延ライン上の遅延フレーム差分信号との2ラインから、それぞれのラインに対して水平方向に4個の画素を切り出し、(4×2)個の画素の入力領域からなる(4×2)個の領域フレーム差分信号を出力する。
【0052】
図2は、直列・並列変換回路105によりフレーム差分信号から切り出される(4×2)個の領域フレーム差分信号を説明するための模式図であり、前記フレーム差分信号と遅延フレーム差分信号のそれぞれ2ラインから、(Xi0,Xi1,Xi2,Xi3)の4つの画素ずつ(ここで、i=0及び1)、即ち、合計(4×2)個の8画素が切り出されている様子を示している。
直交変換回路106は、直列・並列変換回路105から出力される(4×2)個の画素からなる(4×2)個の領域フレーム差分信号を入力として、(4×2)次のアダマール変換を行なうことにより、実空間領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号を8個の周波数領域上のデータへ変換する。ここに、(4×2)次のアダマール変換としては、例えば、従来技術として説明した前記式(1)に従って直交変換処理を施す。アダマール変換により得られた8個の周波数成分(即ち、アダマール変換により直交変換された(4×2)個の領域フレーム差分信号)は、非線形処理回路107へ供給される。
【0053】
非線形処理回路107は、本実施形態においては、例えば、図3に示すように、入力信号が(−TH〜+TH)までの振幅の信号であれば、線形に、即ち、入力信号に比例した信号が出力され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の信号については除去されて出力されない非線形特性を備えている。ここに、図3は、本発明に係るノイズ除去装置100における非線形処理回路107の非線形特性の一例を示すグラフである。また、図3の非線形特性における閾値THの値は、直交変換された(4×2)個の領域フレーム差分信号における8個の成分それぞれに最適な値(即ち、周波数領域上の各直交変換信号の振幅として、動き成分とノイズ成分との識別を可能とする閾値)が選択される。
【0054】
また、図3に示す非線形特性は、前述の図15に示すように、入力信号の振幅が(−TH〜+TH)の間にある場合には、正弦曲線(又はS字曲線又は任意の2次曲線)で規定される振幅の出力信号となるように非線形化され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の入力信号は除去されて出力されないような非線形特性を示すものを用いることもでき、非線形処理回路107における非線形特性は、本実施例に限定されるものではない。いずれにしても、非線形処理回路107により、予め選択されている閾値−TH以下あるいは+TH以上の振幅を有する周波数成分は動き成分と判断されて除去される。即ち、閾値THは、周波数領域の各前記直交変換信号の振幅としてノイズ成分と動き成分との識別を可能とするように予め設定されている閾値であり、該閾値THを超えているか否かにより、各前記直交変換信号に対して施される信号処理内容が変更されることになる。
【0055】
非線形処理が施されてノイズ成分として抽出された8個の周波数成分は、直交逆変換回路108において、前述のアダマール変換の逆変換であるアダマール逆変換が施されて、周波数領域上のデータ(非線形信号)から元の実空間領域上のデータ(非線形信号)に復元される。
しかしながら、非線形処理回路107における非線形処理によるノイズ成分と動き成分との分離には、解決すべき課題として前述したごとく、限界があり、特に、フェードイン映像、フェードアウト映像や、微細なグラデーション部分が動いた映像等の微小な動き成分も誤ってノイズ成分とされて含まれてしまうため、反って動画部分に残像を発生させる原因となっている。
【0056】
かくのごとき映像を輝度信号で考えた場合、フェードイン映像は1フレーム毎に映像全体の輝度信号は徐々に大きくなるため、前述の直列・並列変換回路105で切り出された(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号の符号情報は正符号に揃うことになる。反対に、フェードアウト映像は1フレーム毎に映像全体の輝度信号は徐々に小さくなるため、前述の(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号の符号情報は負符号に揃う。同様に、微細なグラデーション映像が動いた場合も、かかるグラデーション映像の領域の輝度信号は一定方向に大きく又は小さくなるため、その領域の符号情報は正符号又は負符号に揃うことになる。
【0057】
かくのごとく、直列・並列変換回路105で切り出される(4×2)個の画素からなる領域のフレーム差分信号の符号情報を抽出することとすれば、フェードイン映像、フェードアウト映像、微細なグラデーション部分が、動いた画像部分として検出することが可能となる。
かかる符号情報を検出することを可能とするために、本発明においては、直列・並列変換回路105で切り出される(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号のそれぞれについての符号情報であるフレーム差分符号情報を抽出するために、差分符号情報抽出回路109が新たに設けられている。
【0058】
図4は、図1における差分符号情報抽出回路109のより詳細な内部構成の一例を示すブロック構成図であり、本発明によるノイズ除去装置100の一実施例(第1の実施形態)においてフレーム差分信号の符号情報を抽出する差分符号情報抽出回路109の構成例を示す機能ブロック図である。図4において、入力端子109a−1〜109a−8から入力されてくる直列・並列変換回路105からの(4×2)個の画素からなるフレーム差分信号は、それぞれ符号判定回路109b−1〜109b−8に入力される。符号判定回路109b−1〜109b−8のそれぞれにおいては、入力されてくるそれぞれのフレーム差分信号に応じて次のように動作する。入力信号のフレーム差分信号の符号情報が正の場合は、正符号カウンタ109cに対して「1」を出力し、負符号カウンタ109dに対しては「0」を出力する。一方、入力信号のフレーム差分信号の符号情報が負の場合は、正符号カウンタ109cに対して「0」を出力し、負符号カウンタ109dに対しては「1」を出力する。更に、入力信号のフレーム差分信号が「0」の場合は、正符号カウンタ109c及び負符号カウンタ109dに対しては、共に「0」を出力するようにする。
【0059】
而して、正符号カウンタ109c及び負符号カウンタ109dは、それぞれ、符号判定回路109b−1〜109b−8からの出力である正及び負の数の合計値を、それぞれ判定回路109eに対して出力する。判定回路109eにおいては、正符号カウンタ109c及び負符号カウンタ109dの出力結果に基づいて、次のように動作する。正符号カウンタ109cの出力、又は、負符号カウンタ109dの出力のいずれか一方の出力が「0」の場合には、「0」を出力し、それ以外の場合には、「1」を出力するようにする。かくのごとく構成された差分符号情報抽出回路109にあっては、フレーム差分符号情報として、入力されてきた(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号が、各値が全て「0」である場合を除いて、該領域フレーム差分信号の符号が、全て正又は負のいずれか一方に揃っている場合には、「0」となるフレーム差分符号情報を出力端子109fから出力し、一方、該フレーム差分信号の符号が揃っていない場合あるいは全て「0」である場合には、「1」となるフレーム差分符号情報を出力端子109fから出力する。
【0060】
なお、図4に示す差分符号情報抽出回路109の前述の説明においては、一例として、入力されてくる(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号の全て符号が揃った場合を検出して、フレーム差分符号情報を「0」として出力していたが、本発明においては、かかる場合のみに限定されるものではなく、入力信号である領域フレーム差分信号の(4×2)個の画素のうち、1箇所のみの信号の符号が異なっているとしても、フレーム差分符号情報を「0」として出力するように構成しても良いし、あるいは、入力信号である領域フレーム差分信号の(4×2)個の各画素の正符号と負符号との比率を、予め定められた基準比率と比較することにより、フレーム差分符号情報の出力値の「0」と「1」とを決定するように構成しても良い。即ち、差分符号情報抽出回路109において生成されるフレーム差分情報としては、抽出された(m×n)個の領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報が全て同一の符号に揃っているか否かを示す情報、あるいは、抽出された(m×n)個の領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報に対する予め定められた正符号と負符号との比率に基づいて生成される情報のいずれを用いても良い。
【0061】
また、入力されてくる領域フレーム差分符号情報の領域の大きさ(例えば、(4×2)個の画素)についても、前述の図1に示す実施例における直列・並列変換回路105において切り出される(4×2)個の領域のみに限定されるものではなく、直列・並列変換回路105において如何なる大きさの領域を切り出して用いることとしても構わない。
【0062】
差分符号情報抽出回路109の出力であるフレーム差分符号情報は、前述のごとく、図1に示す平滑化回路110へ入力される。ここで問題としている、フェードイン映像、フェードアウト映像や、あるいは、微細なグラデーション部分が動いた映像の場合、切り出された(4×2)の画素からなる1領域のみにおいて領域フレーム差分信号の各符号が揃っているということは極めて稀であり、通常、該領域の周辺部分であっても、領域フレーム差分信号の符号情報が全て揃っていて、フレーム差分符号情報が「0」となる領域が含まれている。従って、平滑化回路110においては、領域フレーム差分信号の各符号が揃っている領域の周辺部分の領域においても、領域フレーム差分信号の各符号が揃っているか否かを検知して、たまたま、領域フレーム差分信号の各符号が揃っている孤立した領域即ちフレーム差分符号情報が1箇所のみ「0」となる孤立点を、ノイズ成分として除去するようにしている。
【0063】
図5は、図1における平滑化回路110のより詳細な内部構成の一例を示すブロック図であり、本発明によるノイズ除去装置100の一実施例(第1の実施形態)においてフレーム差分符号情報を平滑化する平滑化回路110の構成例を示す機能ブロック構成図である。差分符号情報抽出回路109から入力端子110aに入力されてくるフレーム差分符号情報は、1サンプル遅延回路110b−1〜110b−(x−1)を用いて、それぞれ水平方向に遅延させたx個分の水平遅延信号として生成される(即ち、切り出される)。更に、生成されたx個分の水平遅延信号は、1ライン遅延回路110c−1〜110c−(y−1)を用いて、それぞれ垂直方向に遅延させたy個分の垂直遅延信号として生成される(即ち、切り出される)。
【0064】
各1サンプル遅延回路110b−1〜110b−(x−1)により遅延されて生成されたx個の水平遅延信号と各1ライン遅延回路110c−1〜110c−(y−1)により遅延されて生成されたy個の垂直遅延信号とは、入力されてきたフレーム差分符号情報と共に、演算回路110dに入力される。図5に示す本実施例においては、1サンプル遅延回路110b−1〜110b−2を2個、また、1ライン遅延回路110c−1〜110c−2を2個用いている場合を示している。演算回路110dにおいては、入力されてきた領域のフレーム差分符号情報のみならず周辺部分の領域も含めたフレーム差分符号情報を合計した最大値を、平滑化された平滑化フレーム差分符号情報として、出力端子110eから出力するものであり、全てのフレーム差分符号情報が「0」の場合にのみ「0」を出力端子110eから出力するように構成している。而して、平滑化回路110において、ノイズ成分であって、入力された領域のみにおいて領域フレーム差分信号の符号が全て揃っているような孤立した状態が存在していた場合には、かかる孤立点をノイズ成分として効果的に除去できるようにしている。
【0065】
なお、前述した平滑化回路110の演算回路110dにおいては、一例として、入力されてきた領域のフレーム差分符号情報のみならず、切り出された任意の周辺部分の領域も含めてそれぞれにおいて抽出された各フレーム差分符号情報を合計した最大値を、平滑化された平滑化フレーム差分符号情報として出力するようにしているが、本発明にあっては、かかる場合のみに限定されるものではなく、平均値を出力させたり、あるいは、各フレーム差分符号情報の分布に基づいて、例えば、「0」と「1」との比率から決定するような論理回路を用いて出力値を算出させて用いることとしても良い。
【0066】
帰還係数演算回路111は、平滑化回路110から入力されてくる平滑化された平滑化フレーム差分符号情報と、予め与えられている基準帰還量K 112(0<K<1)とを乗算し、帰還係数kを求める。ここで、帰還係数kは、0≦k<1の範囲となるように、基準帰還量K 112の値が予め設定されている。
【0067】
乗算回路113は、前述した直交逆変換回路108においてアダマール逆変換処理により、元の実空間領域上のデータに復元された非線形信号と、例えば前述の帰還係数演算回路111において演算された帰還係数kとを乗算することにより、最終的なノイズ成分を算出する。
乗算回路113において算出された該ノイズ成分は、第2の減算回路103に供給され、入力端子101から入力されてくる入力映像信号から減算されることにより、入力映像信号からノイズ成分が除去されて、出力映像信号として出力端子114から出力されると共に、フレームメモリ104に一旦記憶して、1フレーム期間分遅延させることにより、次フレームの入力映像信号のフレーム差分信号を算出するために備える。
【0068】
かかるノイズ除去装置100の構成において、前述のフレーム差分符号情報や平滑化フレーム差分符号情報が「0」の部分、即ち、フェードイン映像、フェードアウト映像、微細なグラデーション部分が動いた映像部分の動き成分の場合においては、前述したごとく、例えば帰還係数kが「0」となり、乗算回路113から第2の減算回路103に供給される最終的なノイズ成分は0となる。而して、入力端子101から入力されてくる入力映像信号がそのまま出力映像信号として出力端子114から出力されることになり、例えば、図13や図14に示した従来技術のごとく、非線形処理だけでは除去することができないフレーム差分信号が小さい信号レベルとなるフェードイン映像、フェードアウト映像や、微細なグラデーション部分が動いた時の動き成分が、誤ってノイズ成分として帰還されることがなく、かくのごとき映像における残像の発生を大幅に低減することが可能となる。
【0069】
次に、本発明に係るノイズ除去装置及びノイズ除去方法に関する第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第2の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。なお、本実施形態においても、直交変換として、(4×2)次のアダマール変換を適用している場合を一例として用いて説明することとする。
本実施形態におけるノイズ除去装置100′は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103と、フレームメモリ104と、第1の直列・並列変換回路105と、直交変換回路106と、非線形処理回路107と、直交逆変換回路108と、第2の直列・並列変換回路115と、差分傾き情報抽出回路116と、平滑化回路117と、帰還係数演算回路118と、基準帰還量K 112と、乗算回路113とが、図6のごとく接続されて構成されている。
【0070】
図6に示すノイズ除去装置100′において、入力端子101から入力される入力映像信号は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103とのそれぞれにおける一方の入力として供給される。ここに、第1の減算回路102は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、当該ノイズ除去装置100′に入力されてくる入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100′から出力される出力映像信号を1フレーム分遅延させた前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号として出力する第1の減算手段を構成しており、また、第2の減算回路103は、前記入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100′において抽出されたノイズ成分(詳細は後述する)を減算する第2の減算手段を構成している。
【0071】
第2の減算回路103の出力は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、出力端子114から次段の回路への出力映像信号として出力されると同時に、フレームメモリ104へ供給される。ここに、フレームメモリ104は、当該ノイズ除去装置100′から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を出力するフレーム遅延信号生成手段を構成している。
【0072】
フレームメモリ104から出力される1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号は、第1の減算回路102へ供給され、入力映像信号との間で減算処理が施されて、フレーム差分信号として第1の直列・並列変換回路105と第2の直列・並列変換回路115とに供給される。
ここに、第1の直列・並列変換回路105は、フレーム差分信号と該フレーム差分信号の任意の領域におけるフレーム差分信号の信号レベルに対して非線形処理を施すために、フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する第1の直列・並列切り出し手段を構成している。
【0073】
また、第2の直列・並列変換回路115は、フレーム差分信号と該フレーム差分信号の任意の領域におけるフレーム差分信号の傾きを検知するために、フレーム差分信号を予め指定されている任意の(y−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるyライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のx個の画素を切り出し、(x×y)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する第2の直列・並列切り出し手段を構成している。
【0074】
第1の直列・並列変換回路105においては、入力されてくるフレーム差分信号に対する直並列変換処理がなされて、切り出された(m×n)個の第1の領域フレーム差分信号、本実施例においては、(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号が出力され、直交変換回路106に供給される。直交変換回路106に供給された(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号は、直交変換処理が施されて、周波数領域上の(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号とされて、非線形処理回路107へ供給される。
【0075】
ここに、直交変換回路106は、(m×n)個例えば(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段を構成し、更に、非線形処理回路107は、直交変換回路106からの各直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段を構成している。
【0076】
非線形処理回路107においては、前述のごとく、供給されてきた周波数領域上の(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号に対して非線形処理が施されて、周波数領域上の非線形信号として出力される。出力された周波数領域上の非線形信号は、直交逆変換回路108へ供給され、直交逆変換処理が施され、元の実空間領域上の非線形信号に復元された後、乗算回路113の一方の入力として供給される。ここに、直交逆変換回路108は、直交変換回路106に対する逆変換である直交逆変換処理を、非線形処理回路107からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段を構成している。
また、乗算回路113は、後述する差分傾き情報抽出回路116又は平滑化回路117又は帰還係数演算回路118のいずれかの出力信号と、直交逆変換回路108からの出力信号である実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成しているものである。
【0077】
一方、第1の減算回路102からの出力信号であるフレーム差分信号が供給される第2の直列・並列変換回路115においては、前述のごとく、(x×y)個例えば(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号が切り出されて、切り出された(x×y)個例えば(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号は、差分傾き情報抽出回路116に供給されて、フレーム差分傾き情報が抽出される。更に、抽出されたフレーム差分傾き情報は、平滑化回路117へ供給されて、平滑化され、平滑化信号即ち平滑化フレーム差分傾き情報として、帰還係数演算回路118に供給される。
ここに、差分傾き情報抽出回路116は、第2の直列・並列変換回路115からの出力信号である(x×y)個例えば(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分を算出することにより、前記第2の領域フレーム差分信号の傾き情報を抽出して、フレーム差分傾き情報として出力するフレーム差分傾き情報抽出手段を構成している。
【0078】
また、平滑化回路117は、差分傾き情報抽出回路116からの出力信号であるフレーム差分傾き情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各フレーム差分傾き情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各フレーム差分傾き情報を切り出し、差分傾き情報抽出回路116からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分傾き情報を平滑化フレーム差分傾き情報として生成して出力する平滑化手段を構成している。
【0079】
帰還係数演算回路118においては、供給されてくる平滑化信号即ち平滑化フレーム差分傾き情報と基準帰還量K 112とにより、平滑化された平滑化フレーム差分傾き情報に対する帰還係数kを演算により求め、乗算回路113へ供給する。即ち、帰還係数演算回路118は、平滑化回路117からの出力信号である平滑化信号即ち平滑化フレーム差分傾き情報と、予め指定されている基準帰還量K 112と、を乗算することにより、帰還係数kを算出する帰還係数演算手段を構成している。なお、場合によっては、前述のごとく、乗算回路113へは、帰還係数kの代わりに、差分傾き情報抽出回路116において抽出されたフレーム差分傾き情報を直接供給することとしても良いし、あるいは、平滑化回路117において平滑化された平滑化信号即ち平滑化フレーム差分傾き情報を供給することとしても良い。
【0080】
前述のごとく、差分傾き情報抽出回路116からの前記フレーム差分傾き情報又は平滑化回路117において平滑化された前記平滑化信号即ち平滑化フレーム差分傾き情報又は帰還係数演算回路118からの帰還係数kのいずれかと、直交逆変換回路108から入力されてくる実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成している乗算回路113においては、直交逆変換回路108から供給されてくる元の実空間領域上の非線形信号と、例えば帰還係数演算回路118から供給されてくる帰還係数kとの乗算により得られた演算結果を、ノイズ成分として、第2の減算回路103へ供給する。第2の減算回路103においては、入力端子101からの入力映像信号から、乗算回路113からの出力信号であるノイズ成分が減算されて、ノイズ成分が除去された出力映像信号として出力端子114から出力される。
【0081】
以上のように構成された各構成要素は、以下のように動作している。
入力端子101から入力されてくる入力映像信号と、フレームメモリ104からの出力信号である、出力映像信号を1フレーム期間遅延したフレーム遅延信号とを、第1の減算回路102により減算し、フレーム差分信号を得る。該フレーム差分信号には、前述した従来技術にて説明した通り、ノイズ成分と動き成分とが含まれている。該フレーム差分信号は、第1の直列・並列変換回路105と第2の直列・並列変換回路115とに入力される。
第1の直列・並列変換回路105は、入力されてきたフレーム差分信号と例えば1水平走査期間垂直方向に遅延させた遅延ライン上の遅延フレーム差分信号との2ラインから、それぞれのラインに対して水平方向に4個の画素を切り出し、(4×2)個の画素の入力領域からなる(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号を出力する。
【0082】
図2は、前述した第1の実施形態の場合と同様に、第1の直列・並列変換回路105によりフレーム差分信号から切り出される(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号を説明するための模式図であり、前記フレーム差分信号と遅延フレーム差分信号のそれぞれ2ラインから、(Xi0,Xi1,Xi2,Xi3)の4つの画素ずつ(ここで、i=0及び1)、即ち、合計(4×2)個の8画素が切り出されている様子を示している。
直交変換回路106は、第1の直列・並列変換回路105から出力される(4×2)個の画素からなる(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号を入力として、(4×2)次のアダマール変換を行なうことにより、実空間領域上の(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号を8個の周波数領域上のデータへ変換する。ここに、(4×2)次のアダマール変換としては、例えば、従来技術として説明した前記式(1)に従って直交変換処理を施す。アダマール変換により得られた8個の周波数成分(即ち、アダマール変換により直交変換された(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号)は、非線形処理回路107へ供給される。
【0083】
非線形処理回路107は、本実施形態においても、例えば、前記した図3に示すように、入力信号が(−TH〜+TH)までの振幅の信号であれば、線形に、即ち、入力信号に比例した信号が出力され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の信号については除去されて出力されない非線形特性を備えている。ここに、図3は、第1の実施形態の場合と同様に、本発明に係るノイズ除去装置100′における非線形処理回路107の非線形特性の一例を示すグラフである。また、図3の非線形特性における閾値THの値は、直交変換された(4×2)個の第1の領域フレーム差分信号における8個の成分それぞれに最適な値(即ち、周波数領域上の各直交変換信号の振幅として、動き成分とノイズ成分との識別を可能とする閾値)が選択される。
【0084】
また、図3に示す非線形特性は、前述の図15に示すように、入力信号の振幅が(−TH〜+TH)の間にある場合には、正弦曲線(又はS字曲線又は任意の2次曲線)で規定される振幅の出力信号となるように非線形化され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の入力信号は除去されて出力されないような非線形特性を示すものを用いることもでき、非線形処理回路107における非線形特性は、本実施例に限定されるものではない。いずれにしても、非線形処理回路107により、予め選択されている閾値−TH以下あるいは+TH以上の振幅を有する周波数成分は動き成分と判断されて除去される。即ち、閾値THは、周波数領域の各前記直交変換信号の振幅としてノイズ成分と動き成分との識別を可能とするように予め設定されている閾値であり、該閾値THを超えているか否かにより、各前記直交変換信号に対して施される信号処理内容が変更されることになる。
【0085】
非線形処理が施されてノイズ成分として抽出された8個の周波数成分は、直交逆変換回路108において、前述のアダマール変換の逆変換であるアダマール逆変換が施されて、周波数領域上のデータ(非線形信号)から元の実空間領域上のデータ(非線形信号)に復元される。
しかしながら、非線形処理回路107における非線形処理によるノイズ成分と動き成分との分離には、解決すべき課題として前述したごとく、限界があり、特に、ぼけたエッジ部分が動いた時、かかる動き成分も誤ってノイズ成分とされて含まれてしまうため、反って動画部分に残像を発生させる原因となっている。
【0086】
かくのごとき映像を輝度信号で考えた場合、ぼけたエッジ部分の領域は、緩やかな傾きを有しており、かかる緩やかな傾きが動き平坦な映像となった場合、当該ぼけたエッジ部分の領域の領域フレーム差分信号も緩やかな傾きを有して現れることになる。
【0087】
従って、フレーム差分信号の適当な領域を抽出して、フレーム差分信号の傾きを検出することとすれば、ぼけたエッジ部分が動いた部分を、ノイズ成分ではなく、動いた画像部分として検出することが可能となる。
かかる傾き情報を検出することを可能とするために、本実施形態においては、第1の減算回路102からの出力信号であるフレーム差分信号から適当な領域即ち(x×y)個の画素からなる領域毎に切り出される第2の領域フレーム差分信号のそれぞれについての傾き情報であるフレーム差分傾き情報を抽出するために、第2の直列・並列変換回路115と差分傾き情報抽出回路116とが新たに設けられている。
【0088】
第2の直列・並列変換回路115は、前述のごとく、差分傾き情報抽出回路116が必要とする領域である(x×y)個の画素からなる領域の第2の領域フレーム差分信号を切り出すものである。本実施形態においては、図8に示す模式図のように、(x×y)個の領域として、例えば、第1の直列・並列変換回路105により切り出された最終ラインの4画素(X10〜X13)を含む形で、水平方向に5個の画素(X10〜X14)を切り出し、(5×1)個の5画素からなる領域の第2の領域フレーム差分信号が切り出されて出力される。ここで、図8は、本実施形態における第2の直列・並列変換回路115によりフレーム差分信号から切り出される(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号を説明するための模式図である。
【0089】
図7は、図6における差分傾き情報抽出回路110′のより詳細な内部構成の一例を示すブロック図であり、本発明によるノイズ除去装置100′の一実施例(第2の実施形態)においてフレーム差分信号の傾き情報を抽出する差分傾き情報抽出回路116の構成例を示す機能ブロック構成図である。図7において、入力端子116a−1〜116a−5から入力されてくる第2の直列・並列変換回路115からの(5×1)個の画素からなるフレーム差分信号(第2の領域フレーム差分信号)は、それぞれ減算回路116b−1〜116b−4に入力されて、隣接する画素位置にあるフレーム差分信号との差分が隣接差分データとして演算される。演算された各隣接差分データは、次段の符号判定回路116c−1〜116c−4にそれぞれ入力される。
【0090】
符号判定回路116c−1〜116c−4のそれぞれにおいては、入力されてくるそれぞれの隣接差分データに応じて次のように動作する。入力信号の隣接差分データの符号情報が正の場合は、正符号カウンタ116dに対して「1」を出力し、負符号カウンタ116eに対しては「0」を出力する。一方、入力信号の隣接差分データの符号情報が負の場合は、正符号カウンタ116dに対して「0」を出力し、負符号カウンタ116eに対しては「1」を出力する。更に、入力信号の隣接差分データが「0」の場合は、正符号カウンタ116d及び負符号カウンタ116eに対しては、共に「0」を出力するようにする。
【0091】
而して、正符号カウンタ116d及び負符号カウンタ116eは、それぞれ、符号判定回路116c−1〜116c−4からの出力である正及び負の数の合計値を、それぞれ判定回路116fに対して出力する。判定回路116fにおいては、正符号カウンタ116d及び負符号カウンタ116eの出力結果に基づいて、次のように動作する。正符号カウンタ116dの出力が「0」であり、負符号カウンタ116eの出力が予め定められた閾値例えば「2」以上である場合、又は、逆に、正符号カウンタ116dの出力が予め定められた該閾値例えば「2」以上であり、負符号カウンタ116eの出力が「0」である場合、のいずれか一方が成立する場合には、「0」を出力し、それ以外の場合には、「1」を出力するようにする。
【0092】
かくのごとく構成された差分傾き情報抽出回路116にあっては、フレーム差分傾き情報として、入力されてきた(5×1)個の画素からなる第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号から、該隣接差分データの符号が2箇所以上揃っている場合には、予め定められている所定の閾値以上の傾きがあるものと判定して、「0」となるフレーム差分傾き情報を出力端子116gから出力し、一方、かかる場合以外においては、所定の閾値以上の傾きは存在していないものと判定して、「1」となるフレーム差分傾き情報を出力端子116gから出力する。
【0093】
なお、前述した実施例においては、第2の直列・並列変換回路115及び差分傾き情報抽出回路116において取り扱う対象とする第2の領域フレーム差分信号として、一例として水平方向に(X10〜X14)の5画素からなる領域を用いている場合を示しているが、本発明は、かかる(5×1)個の領域のみに限定されるものではなく、第2の直列・並列変換回路115において如何なる大きさの領域の第2の領域フレーム差分信号を切り出して用いることとしても構わなく、水平方向あるいは垂直方向により多くの画素を切り出して用いることにより、差分傾き情報抽出回路116において、傾き情報の抽出精度をより高めることも可能である。
【0094】
また、前述の実施例の説明においては、該隣接差分データの符号が2箇所以上揃っている場合には、予め定められている所定の閾値以上の傾きがあるものと判定する場合を例として説明したが、本発明においては、かかる場合のみに限るものではなく、フレーム差分傾き情報が、抽出された(x×y)個例えば(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分演算により得られた符号情報として、予め定められた閾値以上、同一符号が揃っているか否かを示す情報に基づいて、前記第2の領域フレーム差分信号の傾きの有無が決定される傾き情報であり、かかるフレーム差分傾き情報を抽出することにより、当該第2の領域フレーム差分信号が予め定められている所定の閾値以上の傾きがあるものと判定することとしても良い。
【0095】
差分傾き情報抽出回路116からの出力信号であるフレーム差分傾き情報は、前述のごとく、図6に示す平滑化回路117へ入力される。ここで問題としている、ぼけたエッジ部分が動いた映像であった場合、第2の領域フレーム差分信号として切り出された例えば(5×1)の画素からなる1領域のみにおいて、第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報を「0」として出力するということは極めて稀であり、通常、該領域の周辺部分であっても、第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報が「0」となる領域が含まれている。従って、平滑化回路117においては、第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報が「0」を出力するという領域の周辺部分の領域においても、第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報が「0」を出力しているか否かを検知して、たまたま、1領域においてのみ、第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報が「0」を出力しているという孤立した領域即ちフレーム差分傾き情報が1箇所のみ「0」となる孤立点を、ノイズ成分として除去するようにしている。
【0096】
図9は、図6における平滑化回路117のより詳細な内部構成の一例を示すブロック図であり、本発明によるノイズ除去装置100′の一実施例(第2の実施形態)においてフレーム差分傾き情報を平滑化する平滑化回路117の構成例を示す機能ブロック構成図である。差分傾き情報抽出回路116から入力端子117aに入力されてくるフレーム差分傾き情報は、1サンプル遅延回路117b−1〜117b−(p−1)を用いて、それぞれ水平方向に遅延させたp個分の水平遅延信号として生成される(即ち、切り出される)。更に、生成されたp個分の水平遅延信号は、1ライン遅延回路117c−1〜117c−(q−1)を用いて、それぞれ垂直方向に遅延させたq個分の垂直遅延信号として生成される(即ち、切り出される)。
【0097】
各1サンプル遅延回路117b−1〜117b−(p−1)により遅延されて生成されたp個の水平遅延信号と各1ライン遅延回路117c−1〜117c−(q−1)により遅延されて生成されたq個の垂直遅延信号とは、入力されてきたフレーム差分傾き情報と共に、演算回路117dに入力される。図8に示す本実施例においては、1サンプル遅延回路117b−1〜117b−2を2個、また、1ライン遅延回路117c−1〜117c−2を2個用いて、図10に示す模式図のように切り出している場合を示している。ここに、図10は、本実施形態における平滑化回路117によりフレーム差分傾き情報から切り出される5個の画素対応分の領域を一例として説明するための模式図である。図10の模式図に示すように、X11の画素位置に相当するフレーム差分傾き情報を中心にして上下左右の画素位置に相当するフレーム差分傾き情報(X01,X21,X10,X12)の合計5個の画素対応分の領域を用いて平滑化処理がなされる。
【0098】
演算回路117dにおいては、入力されてきた領域のフレーム差分傾き情報の中から、平滑化処理対象の中心位置にあるX11の画素位置を除く周辺部分の画素位置のフレーム差分傾き情報が全て「1」(即ち、傾きがないことを示す情報)であれば、平滑化された平滑化フレーム差分傾き情報として、「1」を出力端子117eから出力し、その他の場合には、中心位置にあるX11の画素位置のフレーム差分傾き情報を、平滑化された平滑化フレーム差分傾き情報として、出力端子117eから出力する。而して、平滑化回路117においては、ノイズ成分であって、入力された領域のみにおいて、フレーム差分傾き情報が「0」という傾きがある旨を示す情報の出力がなされ、周辺の画素位置からは「0」のフレーム差分傾き情報が出力されてこないような状態にある場合、即ち、差分傾き情報抽出回路116において第2の領域フレーム差分信号の隣接差分データの符号が2箇所以上揃っていて、フレーム差分傾き情報が「0」を出力するという領域が孤立した状態で存在していた場合には、かかる孤立点をノイズ成分として効果的に除去できるようにしている。
【0099】
なお、前述した平滑化回路117の演算回路117dにおいては、一例として、入力されてきた領域の中心位置X11を除く周辺部分の画素位置のフレーム差分傾き情報が全て「1」であれば、平滑化フレーム差分傾き情報として、「1」を出力端子117eから出力し、その他の場合には、中心位置にあるX11の画素位置のフレーム差分傾き情報を、そのまま、平滑化された平滑化フレーム差分傾き情報として、出力端子117eから出力する場合について説明したが、本発明にあっては、かかる場合のみに限定されるものではなく、各画素位置のフレーム差分傾き情報の最大値や平均値を出力させたり、あるいは、各フレーム差分傾き情報の分布に基づいて、例えば、「0」と「1」との比率から決定するような論理回路を用いて出力値を算出させて用いることとしても良い。
【0100】
即ち、平滑化フレーム差分傾き情報としては、差分傾き情報抽出回路116からの出力信号であるフレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とにおいて、フレーム差分傾き情報の平滑化処理対象とする第2の領域フレーム差分信号の周辺に位置する各第2の領域フレーム差分信号の前記フレーム差分傾き情報の全てが、傾きがないことを示している場合には、傾きがない情報として生成される情報、あるいは、平滑化処理対象の前記フレーム差分傾き情報及び周辺に位置する各前記フレーム差分傾き情報を合計した最大値又は平均値又は各前記フレーム差分傾き情報の分布に基づいて決定される値のいずれかを用いて生成される情報を用いることとしても構わない。
【0101】
帰還係数演算回路118は、平滑化回路117から入力されてくる平滑化された平滑化フレーム差分傾き情報と、予め与えられている基準帰還量K 112(0<K<1)とを乗算し、帰還係数kを求める。ここで、帰還係数kが、0≦k<1の範囲となるように、基準帰還量K 112の値が予め設定されている。
【0102】
乗算回路113は、前述した直交逆変換回路108においてアダマール逆変換処理により、元の実空間領域上のデータに復元された非線形信号と、例えば前述の帰還係数演算回路118において演算された帰還係数kとを乗算することにより、最終的なノイズ成分を算出する。
乗算回路113において算出された該ノイズ成分は、第2の減算回路103に供給され、入力端子101から入力されてくる入力映像信号から減算されることにより、入力映像信号からノイズ成分が除去されて、出力映像信号として出力端子114から出力されると共に、フレームメモリ104に一旦記憶して、1フレーム期間分遅延させることにより、次フレームの入力映像信号のフレーム差分信号を算出するために備える。
【0103】
かかるノイズ除去装置100′の構成において、前述のフレーム差分傾き情報や平滑化フレーム差分傾き情報が「0」の部分、即ち、ぼけたエッジが動いた映像部分の動き成分の場合においては、前述したごとく、例えば帰還係数kが「0」となり、乗算回路113から第2の減算回路103に供給される最終的なノイズ成分は0となる。而して、入力端子101から入力されてくる入力映像信号がそのまま出力映像信号として出力端子114から出力されることになり、例えば、図13や図14に示した従来技術のごとく、非線形処理だけでは除去することができないフレーム差分信号が小さい信号レベルとなる、ぼけたエッジ部分の動き成分が、誤ってノイズ成分として帰還されることがなく、かくのごとき映像における残像の発生を大幅に低減することが可能となる。
【0104】
次に、本発明に係るノイズ除去装置及びノイズ除去方法に関する第3の実施形態について説明する。
図11は、本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第3の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。なお、本実施形態においても、直交変換として、(4×2)次のアダマール変換を適用している場合を一例として用いて説明することとする。
本実施形態におけるノイズ除去装置100″は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103と、第1のフレームメモリ104と、直列・並列変換回路105と、直交変換回路106と、非線形処理回路107と、直交逆変換回路108と、ノイズ判定回路119と、第2のフレームメモリ120と、論理演算回路121と、帰還係数演算回路122と、基準帰還量K 112と、乗算回路113とが、図11のごとく接続されて構成されている。
【0105】
図11に示すノイズ除去装置100″において、入力端子101から入力される入力映像信号は、第1の減算回路102と、第2の減算回路103とのそれぞれにおける一方の入力として供給される。ここに、第1の減算回路102は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、当該ノイズ除去装置100″に入力されてくる入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100″から出力される出力映像信号を1フレーム分遅延させた前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号として出力する第1の減算手段を構成しており、また、第2の減算回路103は、前記入力映像信号から、当該ノイズ除去装置100″において抽出されたノイズ成分(詳細は後述する)を減算する第2の減算手段を構成している。
【0106】
第2の減算回路103の出力は、図14に示すノイズ除去装置20の場合と同様に、出力端子114から次段の回路への出力映像信号として出力されると同時に、第1のフレームメモリ104へ供給される。ここに、第1のフレームメモリ104は、当該ノイズ除去装置100″から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を出力するフレーム遅延信号生成手段を構成している。
【0107】
第1のフレームメモリ104から出力される1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号は、第1の減算回路102へ供給され、入力映像信号との間で減算処理が施されて、フレーム差分信号として直列・並列変換回路105へ供給される。
ここに、直列・並列変換回路105は、フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段を構成している。
【0108】
直列・並列変換回路105においては、入力されてくるフレーム差分信号に対する直並列変換処理がなされて、切り出された(m×n)個の領域フレーム差分信号、本実施例においては、(4×2)個の領域フレーム差分信号が出力され、直交変換回路106へ供給されると共に、ノイズ判定回路109の一方の入力として供給される。直交変換回路106に供給された(4×2)個の領域フレーム差分信号は、直交変換処理が施されて、周波数領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号とされて、非線形処理回路107へ供給される。
【0109】
ここに、直交変換回路106は、(m×n)個例えば(4×2)個の領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段を構成し、更に、非線形処理回路107は、直交変換回路106からの各直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段を構成している。また、ノイズ判定回路119は、詳細は後述するが、直列・並列変換回路105からの出力信号である前記領域フレーム差分信号と直交逆変換回路108からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号あるいは直交変換回路106からの出力信号である前記直交変換信号とのいずれかに基づいて、除去すべきノイズ成分の存在の有無を判定し、ノイズ判定信号として出力することができるノイズ判定手段を構成するものであり、例えば直列・並列変換回路105により切り出された(m×n)個例えば(4×2)個の領域フレーム差分信号と直交逆変換回路108からの出力信号である元の実空間領域上の非線形信号とに基づいてノイズ成分の有無を判定して、ノイズ判定信号として出力するものである。
【0110】
非線形処理回路107においては、前述のごとく、供給されてきた周波数領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号に対して非線形処理が施されて、周波数領域上の非線形信号として出力される。出力された周波数領域上の非線形信号は、直交逆変換回路108へ供給され、直交逆変換処理が施され、元の実空間領域上の非線形信号に復元された後、乗算回路113の一方の入力として供給される。ここに、直交逆変換回路108は、直交変換回路106に対する逆変換である直交逆変換処理を、非線形処理回路107からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段を構成している。
また、乗算回路113は、後述するノイズ判定回路119又は論理演算回路121又は帰還係数演算回路122のいずれかの出力信号と、直交逆変換回路108からの出力信号である実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成しているものである。
【0111】
一方、直列・並列変換回路105により切り出された(m×n)個例えば(4×2)個の領域フレーム差分信号が供給されるノイズ判定回路119においては、該領域フレーム差分信号と直交逆変換回路108から供給されてくる実空間領域上の非線形信号とに基づいて、ノイズ成分の存在の有無が判定されて、ノイズ判定信号として、第2のフレームメモリ120に供給すると共に、論理演算回路121の一方の入力として供給する。
論理演算回路121においては、ノイズ判定回路119からのノイズ判定信号と、第2のフレームメモリ120からの出力信号である1フレーム期間遅延させた遅延ノイズ判定信号との間の論理演算処理を施して、フレーム間ノイズ情報を算出して、帰還係数演算回路122へ供給する。
【0112】
ここに、第2のフレームメモリ120は、ノイズ判定回路119からの出力信号であるノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させた遅延ノイズ判定信号を出力する遅延ノイズ判定信号生成手段を構成しており、また、論理演算回路121は、ノイズ判定回路119からの出力信号であるノイズ判定信号と第2のフレームメモリ120からの出力信号である遅延ノイズ判定信号との論理演算処理を施すことにより、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在しているか否かを検知して、フレーム間ノイズ情報として出力する論理演算手段を構成している。
【0113】
帰還係数演算回路122においては、供給されてくるフレーム間ノイズ情報と基準帰還量K 112とにより、フレーム間ノイズ情報に対する帰還係数kを演算により求め、乗算回路113へ供給する。即ち、帰還係数演算回路122は、論理演算回路121からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報と、予め指定されている基準帰還量K 112と、を乗算することにより、帰還係数kを算出する帰還係数演算手段を構成している。なお、場合によっては、前述のごとく、乗算回路113へは、帰還係数kの代わりに、ノイズ判定回路119において判定されて出力されたノイズ判定信号を直接供給することとしても良いし、あるいは、論理演算回路121において抽出されたフレーム間ノイズ情報を供給することとしても良い。
【0114】
前述のごとく、ノイズ判定回路119からの前記ノイズ判定信号又は論理演算回路121において抽出された前記フレーム間ノイズ情報又は帰還係数演算回路122からの帰還係数kのいずれかと、直交逆変換回路108から入力されてくる実空間領域上の非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段を構成している乗算回路113においては、直交逆変換回路108から供給されてくる元の実空間領域上の非線形信号と、例えば帰還係数演算回路122から供給されてくる帰還係数kとの乗算により得られた演算結果を、ノイズ成分として、第2の減算回路103へ供給する。第2の減算回路103においては、入力端子101からの入力映像信号から、乗算回路113からの出力信号であるノイズ成分が減算されて、ノイズ成分が除去された出力映像信号として出力端子114から出力される。
【0115】
以上のように構成された各構成要素は、以下のように動作している。
入力端子101から入力されてくる入力映像信号と、第1のフレームメモリ104からの出力信号である、出力映像信号を1フレーム期間遅延したフレーム遅延信号とを、第1の減算回路102により減算し、フレーム差分信号を得る。該フレーム差分信号には、前述した従来技術にて説明した通り、ノイズ成分と動き成分とが含まれている。該フレーム差分信号は、直列・並列変換回路105へ入力される。
直列・並列変換回路105は、入力されてきたフレーム差分信号と例えば1水平走査期間垂直方向に遅延させた遅延ライン上の遅延フレーム差分信号との2ラインから、それぞれのラインに対して水平方向に4個の画素を切り出し、(4×2)個の画素の入力領域からなる(4×2)個の領域フレーム差分信号を出力する。
【0116】
図2は、前述した第1の実施形態の場合と同様に、直列・並列変換回路105によりフレーム差分信号から切り出される(4×2)個の領域フレーム差分信号を説明するための模式図であり、前記フレーム差分信号と遅延フレーム差分信号のそれぞれ2ラインから、(Xi0,Xi1,Xi2,Xi3)の4つの画素ずつ(ここで、i=0及び1)、即ち、合計(4×2)個の8画素が切り出されている様子を示している。
直交変換回路106は、直列・並列変換回路105から出力される(4×2)個の画素からなる(4×2)個の領域フレーム差分信号を入力として、(4×2)次のアダマール変換を行なうことにより、実空間領域上の(4×2)個の領域フレーム差分信号を8個の周波数領域上のデータへ変換する。ここに、(4×2)次のアダマール変換としては、例えば、従来技術として説明した前記式(1)に従って直交変換処理を施す。アダマール変換により得られた8個の周波数成分(即ち、アダマール変換により直交変換された(4×2)個の領域フレーム差分信号)は、非線形処理回路107へ供給される。
【0117】
非線形処理回路107は、本実施形態においても、例えば、前記した図3に示すように、入力信号が(−TH〜+TH)までの振幅の信号であれば、線形に、即ち、入力信号に比例した信号が出力され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の信号については除去されて出力されない非線形特性を備えている。ここに、図3は、第1の実施形態の場合と同様に、本発明に係るノイズ除去装置100″における非線形処理回路107の非線形特性の一例を示すグラフである。また、図3の非線形特性における閾値THの値は、直交変換された(4×2)個の領域フレーム差分信号における8個の成分それぞれに最適な値(即ち、周波数領域上の各直交変換信号の振幅として、動き成分とノイズ成分との識別を可能とする閾値)が選択される。
【0118】
また、図3に示す非線形特性は、前述の図15に示すように、入力信号の振幅が(−TH〜+TH)の間にある場合には、正弦曲線(又はS字曲線又は任意の2次曲線)で規定される振幅の出力信号となるように非線形化され、範囲(−TH〜+TH)を超える振幅の入力信号は除去されて出力されないような非線形特性を示すものを用いることもでき、非線形処理回路107における非線形特性は、本実施例に限定されるものではない。いずれにしても、非線形処理回路107により、予め選択されている閾値−TH以下あるいは+TH以上の振幅を有する周波数成分は動き成分と判断されて除去される。即ち、閾値THは、周波数領域の各前記直交変換信号の振幅としてノイズ成分と動き成分との識別を可能とするように予め設定されている閾値であり、該閾値THを超えているか否かにより、各前記直交変換信号に対して施される信号処理内容が変更されることになる。
【0119】
非線形処理が施されてノイズ成分として抽出された8個の周波数成分は、直交逆変換回路108において、前述のアダマール変換の逆変換であるアダマール逆変換が施されて、周波数領域上のデータ(非線形信号)から元の実空間領域上のデータ(非線形信号)に復元される。
しかしながら、非線形処理回路107における非線形処理によるノイズ成分と動き成分との分離には、解決すべき課題として前述したごとく、限界があり、特に、ぼけたエッジが動いた時、あるいは、フェードイン映像、フェードアウト映像等の微小な動き成分も誤ってノイズ成分とされて含まれてしまうため、反って動画部分に残像を発生させる原因となっている。
【0120】
即ち、かくのごとき映像を輝度信号で考えた場合、ぼけたエッジが動いた時、あるいは、フェードイン映像、フェードアウト映像等であっても、最初の動き部分となる映像フレームにおいては、直前の映像フレームとの差分データ(領域フレーム差分信号)の振幅も大きくなり、直交変換処理及び非線形処理により、明確に動き成分として判定することができる場合も存在している。しかしながら、かかる場合であっても、後続する次の映像フレームにおいては、微小な動き成分として継続してくることとなり、差分データ(領域フレーム差分信号)の振幅が小さくなり、直交変換処理及び非線形処理によって、動き成分として判定することができず、誤ってノイズ成分として処理されてしまうこととなり、動画部分に残像となって現れる結果を招く。一方、静止部分などの映像については、常に、差分データ(領域フレーム差分信号)として小さい振幅が出力される場合には、ノイズ成分として判定されて、確実にノイズ除去処理が行なわれている。
【0121】
かかる特性に着目して、本実施形態においては、直列・並列変換回路105で切り出される(4×2)個の画素からなる領域フレーム差分信号に対して直交変換処理及び非線形処理を施すことにより抽出されたノイズ成分の候補と次フレームの領域フレーム差分信号とに基づいて生成されたノイズ判定信号(即ち、ノイズ成分の存在の有無を示す信号)を次フレームのノイズ判定信号と論理演算を行なうことにより、ノイズ成分の候補に含まれている微小な動き成分(例えば、ぼけたエッジが動いた時、あるいは、フェードイン映像、フェードアウト映像等における微小な動き成分)を確実に除去するために、ノイズ判定回路119と、第2のフレームメモリ120と、論理演算回路121とが新たに設けられている。
【0122】
ここで、ノイズ判定回路119は、直列・並列変換回路105から入力されてくる領域フレーム差分信号と、直交逆変換回路108から入力されてくる実空間領域上の非線形信号(即ち、ノイズ成分の候補を示す情報)とに基づいて、着目している対象画素がノイズ成分であるか否かを判定する手段を提供している。例えば、直列・並列変換回路105からの出力信号である領域フレーム差分信号と、直交逆変換回路108からの出力信号である実空間領域上の非線形信号とに基づいて、実空間領域上の非線形信号(即ち、ノイズ成分の候補を示す情報)として抽出された部分に該当する位置にある領域フレーム差分信号が、予め定められた閾値よりも小さい場合には、ノイズ成分であると判定して、ノイズ判定信号として「1」を出力し、一方、予め定められた該閾値以上である場合には、微小な動き成分であると判定して、ノイズ判定信号として「0」を出力する。出力されるノイズ判定信号は、論理演算回路121と第2のフレームメモリ120とに供給されるが、場合によっては、乗算回路113に直接供給することとしても良い。
【0123】
なお、前述した実施例においては、ノイズ判定回路119として、領域フレーム差分信号と実空間領域上の非線形信号とに基づいて、実空間領域上の非線形信号即ちノイズ成分の候補として抽出された部分に該当する領域フレーム差分信号の振幅によりノイズ成分か否かを判定するノイズ判定信号が生成される場合を示している。
しかしながら、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、ノイズ判定回路119において生成されるノイズ判定信号としては、実空間領域上の非線形信号として抽出された領域フレーム差分信号の振幅が、予め定められた閾値よりも小さいか否かに基づいて生成される場合のみに限らず、前記領域フレーム差分信号の符号情報(即ち、フレーム間の差分の演算結果である正負いずれかの符号)、あるいは、前記領域フレーム差分信号の傾き情報(即ち、前記領域フレーム差分信号における画素間の差分演算結果である正負いずれかの符号)、あるいは、前記領域フレーム差分信号の直交変換処理結果である周波数成分(即ち、直交変換回路106からの出力信号である直交変換信号の周波数分布)のいずれか1乃至複数を用いて生成することとしても良い。
【0124】
第2のフレームメモリ120においては、入力されてきたノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させた遅延ノイズ判定信号を、論理演算回路121に対して出力する。
論理演算回路121は、ノイズ判定回路119から入力されてくる現映像フレームのノイズ判定信号と第2のフレームメモリ120から入力されてくる1フレーム前の遅延ノイズ判定信号(即ち、前回の映像フレームのノイズ判定信号)との論理積演算を行ない、フレーム間ノイズ情報として出力する。即ち、論理演算回路121においては、前回の映像フレームにおいても同一の画素位置においてノイズ成分の存在を検知している場合についてのみ、今回の映像フレームにおけるノイズ成分の存在を示すこととし、前回の映像フレームにおいて映像の動き成分として判定された画素位置については、今回の現映像フレームにおいては、ノイズ成分として出力してノイズ除去処理は行なわないようにするものであり、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在している場合に限り、ノイズ成分が存在していることを示すフレーム間ノイズ情報が出力されるように構成されている。
【0125】
即ち、論理演算回路121から出力される該フレーム間ノイズ情報は、前回の映像フレームにおいて、映像の動き成分として判定された画素位置については、今回の現映像フレームにおいては、ノイズ成分として出力してノイズ除去処理は行なわないようにしており、ぼけたエッジが動いた後や、フェードイン映像、フェードアウト映像等において後続して残っている微小な動き成分による残像の発生を抑制するために、次段の帰還係数演算回路122に出力される。あるいは、場合によっては、ノイズ成分を演算する乗算回路113に直接出力することとしても良い。
【0126】
帰還係数演算回路122は、論理演算回路121から入力されてくるフレーム間ノイズ情報と、予め与えられている基準帰還量K 112(0<K<1)とを乗算し、帰還係数kを求める。ここで、帰還係数kは、0≦k<1の範囲となるように、基準帰還量K 112の値が予め設定されている。
【0127】
乗算回路113は、前述した直交逆変換回路108においてアダマール逆変換処理により、元の実空間領域上のデータに復元された非線形信号と、例えば前述の帰還係数演算回路122において演算された帰還係数kとを乗算することにより、最終的なノイズ成分を算出する。
乗算回路113において算出された該ノイズ成分は、第2の減算回路103に供給され、入力端子101から入力されてくる入力映像信号から減算されることにより、入力映像信号からノイズ成分が除去されて、出力映像信号として出力端子114から出力されると共に、第1のフレームメモリ104に一旦記憶して、1フレーム期間分遅延させることにより、次フレームの入力映像信号のフレーム差分信号を算出するために備える。
【0128】
かかるノイズ除去装置100″の構成において、前述のフレーム間ノイズ情報が「0」の部分、即ち、ぼけたエッジが動いた時や、フェードイン映像、フェードアウト映像の映像部分の動き成分の場合においては、前述したごとく、例えば帰還係数kが「0」となり、乗算回路113から第2の減算回路103に供給される最終的なノイズ成分は0となる。而して、入力端子101から入力されてくる入力映像信号がそのまま出力映像信号として出力端子114から出力されることになり、例えば、図13や図14に示した従来技術のごとく、非線形処理だけでは除去することができないフレーム差分信号が小さい信号レベルとなる、ぼけたエッジが動いた時や、フェードイン映像、フェードアウト映像の動き成分が、誤ってノイズ成分として帰還されることがなく、かくのごとき映像における残像の発生を大幅に低減することが可能となる。
【0129】
図12は、図1又は図6又は図11に示すごときノイズ除去装置100又は100′又は100″を備えている映像信号処理装置の一例を示す機能ブロック構成図である。ここに、図12(A)は、テレビ放送用のNTSC信号をビデオテープに録画する映像信号処理装置の構成例を、また、図12(B)は、撮像信号を記録媒体に記録する際の映像信号処理回路の構成例を、それぞれ映像信号処理装置の一例として示している。なお、図12(A)においては、映像信号の輝度信号成分に対してのみノイズ除去を行なう場合の構成を示しているが、本発明においては、かかる場合のみに限定されるものではなく、色信号に対するノイズ除去についても全く同様に適用することが可能である。
【0130】
まず、図12(A)に示す映像信号処理装置200においては、入力端子201から入力されてくるNTSC信号はA/D変換器202においてデジタル映像信号に変換された後、Y/C分離回路203において、Y信号(輝度信号)とC信号(クロマ信号即ち色差信号)とに分離される。分離されたY信号はLPF(ローパスフィルタ)204にて帯域制限された後、エンファシス回路205において高域成分が強調され、ノイズ除去装置100(又は100′又は100″)に入力される。ノイズ除去装置100(又は100′又は100″)においては、前述のごとく、映像信号中のY信号に含まれているノイズ成分が除去されて、FM変換器206に入力され、ノイズ成分が除去されたFM信号に変換される。しかる後に、D/A変換器207において、アナログ信号に変換されて、出力端子208からFM輝度信号として出力される。
【0131】
一方、分離されたC信号は、デコーダ209において、R−Y、B−Yのベースバンド信号に復調された後、クロマ処理回路210において色信号処理及びバーストエンファシス処理が施される。しかる後に、エンコーダ211において低域変換色信号に変換されて、LPF(ローパスフィルタ)212を介して、D/A変換器213においてアナログ信号に変換されて、出力端子214から低域変換色信号として出力される。出力端子208及び214から出力されてくるFM輝度信号及び低域変換色信号は、加算器で加算処理がなされた後、記録アンプに送出されて、磁気ヘッドにはノイズ成分が除去された記録信号が伝達されることとなる。
【0132】
次に、図12(B)に示す映像信号処理装置250について説明する。映像信号処理装置250においては、撮像光学系から入力端子251に入力されてくる光映像情報は、CCD252にてデジタル電気信号に変換される。CCD252から出力されるデジタル電気信号は、カメラ信号処理回路253において、記録用あるいはモニタ表示用の映像信号に変換されるが、CCD252で発生しているランダムなノイズを除去するために、カメラ信号処理回路253の内部には前述したごときノイズ除去装置100(又は100′又は100″)が内蔵されており、輝度信号(Y信号)成分及びクロマ信号(C信号)成分との双方について、ノイズの除去を行なうように構成されている。しかる後に、ノイズが除去された映像信号に対して記録媒体255への記録を行なうための信号処理が記録信号処理回路254において施されて、記録媒体255に記録される。一方、モニタ装置257に表示する場合は、モニタ出力回路256においてモニタ出力用信号波形に変換されて、モニタ装置257に表示される。
【0133】
【発明の効果】
以上に説明したごとく、本発明に係るノイズ除去装置及びノイズ除去方法によれば、以下のごとき作用効果がもたらされる。
従来のノイズ除去装置におけるがごとく、非線形処理回路のみを用いた動き成分とノイズ成分との分離処理には限界があり、特に、フェードイン映像、フェードアウト映像や微細なグラデーション部分が動いた時あるいはぼけたエッジ部分が動いた時の動き成分を、誤ってノイズ成分として除去してしまい、かかる動き成分に対する残像の発生が問題となってしまう。しかしながら、本発明によれば、直列・並列変換より得られるフレーム差分信号の切り出し領域(即ち領域フレーム差分信号)の符号情報を用いて、フレーム差分符号情報を抽出すること、あるいは、フレーム差分信号の切り出し領域(即ち領域フレーム差分信号)の画素間の傾き情報を用いて、フレーム差分傾き情報を抽出すること、あるいは、直列・並列変換より得られるフレーム差分信号の切り出し領域(即ち領域フレーム差分信号)や、該領域フレーム差分信号の直交変換信号あるいは直交変換信号に対して非線形処理を施した後に直交逆変換により生成される実空間領域上の非線形信号(即ち、ノイズ成分の候補を示す信号)を用いて、ノイズ成分の存在の有無を判定すること、により、フェードイン映像、フェードアウト映像や微細なグラデーション部分が動いた映像を、あるいは、ぼけたエッジ部分が動いた画像をノイズ成分と分離させて検出することを可能としており、もって、かかる動き部分における残像の発生を低減させることにより、該動き部分における画質劣化を抑えると共に、静止領域においても、高いノイズ除去効果を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第1の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図2】直列・並列変換回路によりフレーム差分信号から切り出される(4×2)個の領域フレーム差分信号を説明するための模式図である。
【図3】本発明に係るノイズ除去装置における非線形処理回路の非線形特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明によるノイズ除去装置の第1の実施形態においてフレーム差分信号の符号情報を抽出する差分符号情報抽出回路の構成例を示す機能ブロック構成図である。
【図5】本発明によるノイズ除去装置の第1の実施形態においてフレーム差分符号情報を平滑化する平滑化回路の構成例を示す機能ブロック構成図である。
【図6】本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第2の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図7】本発明によるノイズ除去装置の第2の実施形態においてフレーム差分信号の傾き情報を抽出する差分傾き情報抽出回路の構成例を示す機能ブロック構成図である。
【図8】第2の実施形態における第2の直列・並列変換回路によりフレーム差分信号から切り出される(5×1)個の第2の領域フレーム差分信号を説明するための模式図である。
【図9】本発明によるノイズ除去装置の第2の実施形態においてフレーム差分傾き情報を平滑化する平滑化回路の構成例を示す機能ブロック構成図である。
【図10】第2の実施形態における平滑化回路によりフレーム差分傾き情報から切り出される5個の画素対応分の領域を一例として説明するための模式図である。
【図11】本発明に係るノイズ除去装置の構成に関する第3の実施形態の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図12】図1又は図6又は図11に示すごときノイズ除去装置を備えている映像信号処理装置の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図13】従来のノイズ除去装置の構成を示す機能ブロック構成図である。
【図14】アダマール変換を用いた従来のノイズ除去装置の構成を示す機能ブロック構成図である。
【図15】従来例における非線形処理回路の非線形特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ノイズ除去装置、11…入力端子、12…第1の減算回路、13…第2の減算回路、14…フレームメモリ、15…非線形処理回路、16…出力端子、20…ノイズ除去装置、21…入力端子、22…第1の減算回路、23…第2の減算回路、24…フレームメモリ、25…直列・並列変換回路、26…アダマール変換回路、27…非線形処理回路、28…アダマール逆変換回路、29…出力端子、100,100′,100″…ノイズ除去装置、101…入力端子、102…第1の減算回路、103…第2の減算回路、104…フレームメモリ(第1のフレームメモリ)、105…直列・並列変換回路(第1の直列・並列変換回路)、106…直交変換回路、107…非線形処理回路、108…直交逆変換回路、109…差分符号情報抽出回路、109a−1〜109a−8…入力端子、109b−1〜109b−8…符号判定回路、109c…正符号カウンタ、109d…負符号カウンタ、109e…判定回路、109f…出力端子、110…平滑化回路、110a…入力端子、110b−1〜110b−2…1サンプル遅延回路、110c−1〜110c−2…1ライン遅延回路、110d…演算回路、110e…出力端子、111…帰還係数演算回路、112…基準帰還量K、113…乗算回路、114…出力端子、115…第2の直列・並列変換回路、116…差分傾き情報抽出回路、116a−1〜116a−5…入力端子、116b−1〜116b−4…減算回路、116c−1〜116c−4…符号判定回路、116d…正符号カウンタ、116e…負符号カウンタ、116f…判定回路、116g…出力端子、117…平滑化回路、117a…入力端子、117b−1〜117b−2…1サンプル遅延回路、117c−1〜117c−2…1ライン遅延回路、117d…演算回路、117e…出力端子、118…帰還係数演算回路、119…ノイズ判定回路、120…第2のフレームメモリ、121…論理演算回路、122…帰還係数演算回路、200…映像信号処理装置、201…入力端子、202…A/D変換器、203…Y/C分離回路、204…LPF(ローパスフィルタ)、205…エンファシス回路、206…FM変換器、207…D/A変換器、208…出力端子、209…デコーダ、210…クロマ処理回路、211…エンコーダ、212…LPF(ローパスフィルタ)、213…D/A変換器、214…出力端子、250…映像信号処理装置、251…入力端子、252…CCD、253…カメラ信号処理回路、254…記録信号処理回路、255…記録媒体、256…モニタ出力回路、257…モニタ装置。
Claims (18)
- 当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段と、(m×n)個の前記領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記直列・並列切り出し手段からの出力信号である(m×n)個の前記領域フレーム差分信号のそれぞれからフレーム間の差分値の符号情報を抽出し、抽出された(m×n)個の前記符号情報に基づいて生成されるフレーム差分符号情報を出力するフレーム差分符号情報抽出手段と、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報と、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像手段として出力する第2の減算手段と、を具備していることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項1に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分符号情報抽出手段において生成される前記フレーム差分符号情報が、抽出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報が全て同一の符号に揃っているか否かを示す情報、あるいは、抽出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号それぞれの前記符号情報に対する予め定められた正符号と負符号との比率に基づいて生成される情報であることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項1又は2に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報を切り出し、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分符号情報を平滑化フレーム差分符号情報として生成して出力する平滑化手段を具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分符号情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分符号情報の代わりに、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項3に記載のノイズ除去装置において、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分符号情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である第1の領域フレーム差分信号を切り出して出力する第1の直列・並列切り出し手段と、前記第1の直列・並列切り出し手段により切り出された(m×n)個の前記第1の領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記第1の減算手段からの出力信号である前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(y−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるyライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のx個の画素を切り出し、(x×y)個の領域のフレーム差分信号である第2の領域フレーム差分信号を切り出して出力する第2の直列・並列切り出し手段と、前記第2の直列・並列切り出し手段により切り出された(x×y)個の前記第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分を算出することにより、前記第2の領域フレーム差分信号の傾き情報を抽出して、フレーム差分傾き情報として出力するフレーム差分傾き情報抽出手段と、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報と、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号を出力する第2の減算手段と、を具備していることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項5に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分傾き情報抽出手段において出力される前記フレーム差分傾き情報が、抽出された(x×y)個の前記第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分演算により得られた符号情報として、予め定められた閾値以上、同一符号が揃っているか否かを示す情報に基づいて、前記第2の領域フレーム差分信号の傾きの有無が決定される傾き情報であることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項5又は6に記載のノイズ除去装置において、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報を切り出し、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分傾き情報を平滑化フレーム差分傾き情報として生成して出力する平滑化手段を具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分傾き情報抽出手段からの出力信号である前記フレーム差分傾き情報の代わりに、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項7に記載のノイズ除去装置において、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記平滑化手段からの出力信号である前記平滑化フレーム差分傾き情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 当該ノイズ除去装置から出力される出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号として出力するフレーム遅延信号生成手段と、当該ノイズ除去装置に入力されてくる入力映像信号から前記フレーム遅延信号を減算し、フレーム差分信号を出力する第1の減算手段と、前記フレーム差分信号と該フレーム差分信号を予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させて得られるnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域の前記フレーム差分信号である領域フレーム差分信号を切り出して出力する直列・並列切り出し手段と、(m×n)個の前記領域フレーム差分信号に対して直交変換を施し、複数の周波数成分にそれぞれ分解して周波数領域上の直交変換信号として出力する直交変換手段と、前記直交変換手段からの各前記直交変換信号に適した非線形処理を施し、非線形信号として出力する非線形処理手段と、前記直交変換手段に対する逆変換である直交逆変換処理を、前記非線形処理手段からの出力信号である前記非線形信号に対して施して、周波数領域上の前記非線形信号から元の実空間領域上の非線形信号に復元させる直交逆変換手段と、前記直列・並列切り出し手段からの出力信号である前記領域フレーム差分信号と前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号あるいは前記直交変換手段からの出力信号である前記直交変換信号とのいずれかに基づいて、ノイズ成分の存在の有無を判定し、ノイズ判定信号として出力するノイズ判定手段と、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号と前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力する演算手段と、前記入力映像信号から、前記演算手段からの出力信号である前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力する第2の減算手段と、を具備していることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項9に記載のノイズ除去装置において、前記ノイズ判定手段から出力される前記ノイズ判定信号が、前記直列・並列切り出し手段により切り出された前記領域フレーム差分信号のうち、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号として抽出された部分に該当する位置にある前記領域フレーム差分信号が予め定められた閾値よりも小さいか否かを示す情報、あるいは、前記領域フレーム差分信号のフレーム間の差分が示す符号情報、あるいは、前記領域フレーム差分信号の画素間の差分を示す傾き情報、あるいは、前記直交変換手段からの出力信号である前記直交変換信号の周波数分布のいずれか1乃至複数を用いて生成されるものであることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項9又は10に記載のノイズ除去装置において、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させて、遅延ノイズ判定信号として出力する遅延ノイズ判定信号生成手段と、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号と前記遅延ノイズ判定信号生成手段からの出力信号である前記遅延ノイズ判定信号との論理演算処理を施すことにより、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在しているか否かを検知して、フレーム間ノイズ情報として出力する論理演算手段とを具備し、前記演算手段において、前記ノイズ成分を出力するために、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記ノイズ判定手段からの出力信号である前記ノイズ判定信号の代わりに、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 請求項11に記載のノイズ除去装置において、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報と予め指定されている基準帰還量とを乗算することにより、帰還係数を算出する帰還係数演算手段を具備し、前記演算手段において、前記直交逆変換手段からの出力信号である実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記論理演算手段からの出力信号である前記フレーム間ノイズ情報の代わりに、前記帰還係数演算手段からの出力信号である前記帰還係数を用いていることを特徴とするノイズ除去装置。
- 入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、切り出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号のそれぞれからフレーム間の差分値の符号情報を抽出し、抽出された(m×n)個の前記符号情報に基づいて生成されるフレーム差分符号情報と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力することを特徴とするノイズ除去方法。
- 請求項13に記載のノイズ除去方法において、入力されてくる前記フレーム差分符号情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報を切り出し、入力されてきた前記フレーム差分符号情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分符号情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分符号情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分符号情報を平滑化フレーム差分符号情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分符号情報の代わりに、前記平滑化フレーム差分符号情報を用いていることを特徴とするノイズ除去方法。
- 入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である第1の領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、前記フレーム差分信号から、予め指定されている任意の(y−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたyライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のx個の画素を切り出し、切り出された(x×y)個の領域のフレーム差分信号である第2の領域フレーム差分信号のそれぞれ隣接する画素位置間の差分を算出することにより、抽出される前記第2の領域フレーム差分信号の傾き情報を示すフレーム差分傾き情報と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果をノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力することを特徴とするノイズ除去方法。
- 請求項15に記載のノイズ除去方法において、入力されてくる前記フレーム差分傾き情報を予め定められた任意の画素数分までそれぞれ水平方向に遅延させることにより水平方向に任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報を切り出すと共に、更に、予め定められた任意のライン数分までそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させることにより垂直方向に任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報を切り出し、入力されてきた前記フレーム差分傾き情報と切り出された任意の前記画素数分の各前記フレーム差分傾き情報と任意の前記ライン数の各画素に対応する各前記フレーム差分傾き情報とを演算することにより、平滑化された前記フレーム差分傾き情報を平滑化フレーム差分傾き情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記フレーム差分傾き情報の代わりに、前記平滑化フレーム差分傾き情報を用いていることを特徴とするノイズ除去方法。
- 入力映像信号から出力映像信号を1フレーム期間遅延させたフレーム遅延信号を減算して得られたフレーム差分信号から、予め指定されている任意の(n−1)ラインまでそれぞれ水平走査期間垂直方向に遅延させたnライン分の各信号のそれぞれについて、各水平位置から水平方向に予め定められた任意のm個の画素を切り出し、切り出された(m×n)個の領域のフレーム差分信号である領域フレーム差分信号に対して直交変換処理を施して得られた、複数の周波数成分にそれぞれ分解した周波数領域上の直交変換信号に、非線形処理を施して、非線形信号として出力し、前記直交変換処理に対する逆変換である直交逆変換処理を前記非線形信号に対して施すことにより元の実空間領域上の非線形信号に復元させると共に、切り出された(m×n)個の前記領域フレーム差分信号と実空間領域上の前記非線形信号あるいは前記直交変換信号とのいずれかに基づいて、ノイズ成分の存在の有無を判定して出力されるノイズ判定信号と、実空間領域上の前記非線形信号との演算結果を、ノイズ成分として出力して、前記入力映像信号から前記ノイズ成分を減算して、前記出力映像信号として出力することを特徴とするノイズ除去方法。
- 請求項17に記載のノイズ除去方法において、前記ノイズ判定信号を1フレーム期間遅延させた遅延ノイズ判定信号と前記ノイズ判定信号との論理演算処理を施すことにより、フレーム間の同一画素位置に連続してノイズ成分が存在しているか否かを検知して、フレーム間ノイズ情報として生成して、前記ノイズ成分を出力するために、実空間領域の前記非線形信号との演算結果を求める一方の演算変数として、前記ノイズ判定信号の代わりに、前記フレーム間ノイズ情報を用いていることを特徴とするノイズ除去方法。
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