(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したノイズ監視通信システムの第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、車両キーに電子キーを使用した電子キーシステム2の一種として、実際のキー操作を伴わずにドアロック施解錠やエンジン始動停止等の車両操作を行うことが可能なキー操作フリーシステム3が搭載されている。キー操作フリーシステム3は、キー固有のIDコード(キーコード)を無線通信で発信可能な携帯機4が車両キーとして使用されている。キー操作フリーシステム3は、車両1からIDコード返信要求としてリクエスト信号Srqを狭域通信により発信させ、このリクエスト信号Srqを携帯機4が受信すると、それに応答する形で携帯機4が自身のIDコードを乗せたID信号Sidを狭域通信により車両1に返信し、携帯機4のIDコードが車両1のIDコードと一致すると、ドアロック施解錠やエンジン始動停止が許可又は実行されるシステムである。なお、車両1が第2送受信機に相当し、携帯機4が第1送受信機に相当する。
キー操作フリーシステム3には、ドアロック施解錠操作の際にキー操作を必要としない機能としてスマートエントリーシステム5がある。このようなスマートエントリーシステム5においては、車両1には、携帯機4との間でID照合を行う照合ECU6と、車外にLF帯のリクエスト信号Srqの通信エリア(車外通信エリア)を形成する車外LF発信機7と、車内にLF帯のリクエスト信号Srqの通信エリア(車内通信エリア)を形成する車内LF発信機8と、携帯機4が発信するRF帯のID信号Sidを受信可能なRF受信機9とが設けられている。また、照合ECU6には、ドアロック施解錠を制御するドアECU10が車内LAN11を介して接続されている。このドアECU10には、ドアロック施解錠時の駆動源としてドアロックモータ12が接続されている。
一方、携帯機4には、この携帯機4を統括制御するキー制御用CPU13が設けられている。このキー制御用CPU13は、携帯機4が車両1と無線通信を行う際に携帯機4側における無線通信を管理する。キー制御用CPU13には、外部で発信されたLF帯の信号を受信可能なLF受信機14と、キー制御用CPU13の指令に従いRF帯の信号を発信可能なRF発信機15とが接続されている。
車両1が駐車状態(エンジン停止及びドアロック施錠状態)の際、照合ECU6は、車外LF発信機7からLF帯のリクエスト信号Srqを断続的に発信させ、車両周辺に車外通信エリアを形成する。携帯機4がこの車外通信エリアに入り込んでリクエスト信号Srqを受信すると、携帯機4はリクエスト信号Srqに応答する形で、自身のメモリ16に登録されたIDコードを乗せたID信号SidをRF帯の信号で返信する。照合ECU6は、RF受信機9でID信号Sidを受信して無線通信(以降、スマート通信と記す)が確立すると、自身のメモリ17に登録されたIDコードと携帯機4のIDコードとを照らし合わせてID照合、いわゆるスマート照合(車外照合)を行う。照合ECU6は、この車外照合が成立した事を認識すると、メモリ17に車外照合フラグを一定時間の間において立てて、車外ドアハンドルノブ18に埋設されたタッチセンサ19をその期間の間において起動させる。ドアECU10は、ドアロック施錠時に車外ドアハンドルノブ18がタッチ操作された事を起動中のタッチセンサ19が検出すると、ドアロックモータ12を駆動して施錠状態のドアロックを解錠する。
一方、車両1が停止状態(エンジン停止及びドアロック解錠状態)の際、照合ECU6は、車外ドアハンドルノブ18に設けられたロックボタン20が押し操作されたことを検出すると、車外LF発信機7からリクエスト信号Srqを発信させる。照合ECU6は、このリクエスト信号Srqを受けて携帯機4が返信してきたID信号Sidにおいて車外照合が成立した事を認識すると、ドアECU10にドアロック施錠要求を出力する。ドアECU10は、このドアロック施錠要求を受け付けると、ドアロックモータ12を駆動して解錠状態のドアロックを施錠する。
また、キー操作フリーシステム3には、エンジン始動停止操作の際に実際の車両キー操作を必要とせずに単なるスイッチ操作のみでエンジン始動停止操作を行うことが可能な機能としてワンプッシュエンジンスタートシステム21がある。このようなワンプッシュエンジンスタートシステム21においては、車両1の運転席には、車両1の電源状態(電源ポジション)を切り換える際の操作系としてエンジンスイッチ22が設けられている。このエンジンスイッチ22は、操作箇所であるスイッチ操作部23を押し込み操作する押圧操作式であって、エンジン24を始動状態又は停止状態に切り換えるエンジン始動停止操作機能と、電源状態をオフ状態→ACCオン状態→IGオン状態の間で繰り返し切り換える電源遷移操作機能とが備え付けられている。
車両1には、エンジン24の点火制御及び燃料噴射制御を行うエンジンECU25と、セレクトレバーの操作を基に自動変速機を制御するシフトECU26と、車載電装品の電源管理を行う電源ECU27とが設けられている。これらECU25〜27は、車内LAN11を通じて照合ECU6等の各種ECUに接続されている。また、電源ECU27には、車両1の速度を検出する車速センサ28と、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ29とが接続されている。電源ECU27は、車速センサ28から取得する車速情報を基に今現在の車両1の速度を認識しつつ、ブレーキセンサ29から取得するペダル踏込量情報を基にブレーキペダルの踏み込み有無を判定可能である。また、電源ECU27には、各種車載アクセサリに繋がるACCリレー30と、エンジンECU25に繋がるIGリレー31と、エンジン24のスタータモータに繋がるスタータリレー32とが接続されている。
照合ECU6は、車外照合が成立してドアロックが解錠された後、例えばカーテシスイッチ33でドアが開けられて運転者が乗車した事を認識すると、車内LF発信機8からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。照合ECU6は、携帯機4がこの車内通信エリアに入り込んで返信してきたID信号SidをRF受信機9で受信すると、自身に登録されたIDコードと携帯機4のIDコードとを照らし合わせてID照合、いわゆるスマート照合(車内照合)を行う。照合ECU6は、この車内照合が成立すると、メモリ17に車内照合成立フラグを立てて車内照合成立を認識する。
電源ECU27は、エンジン24が停止している際にブレーキペダルが踏み込み操作された状態でエンジンスイッチ22が押圧操作された事を検出すると、車内照合成立を条件として、停止状態のエンジン24を始動すべく3つのリレー30〜32をオンしつつ、エンジンECU25に起動信号を出力する。電源ECU27は、車内照合成立確認の際にこれが成立していなければ、照合ECU6に車内照合を再実行させ、車内照合成立の有無を今一度確認する。起動信号を受け付けたエンジンECU25は、車内照合結果の確認と、照合ECU6が自身とペアを成すものかを確認するペアリングとを暗号化通信により行う。これら両条件の確認を済ませたエンジンECU25は、点火制御及び燃料噴射制御を開始してエンジン24を始動する。一方、電源ECU27は、エンジン24が稼働中の際にエンジンスイッチ22が押圧操作された事を検出すると、車両1が停止(車速「0」)していることを条件に3つのリレー30〜32を全てオフ状態にして、エンジン24を停止状態にする。
一方、電源ECU27は、エンジン24が停止している際にブレーキペダルが踏み込み操作されずにエンジンスイッチ22のみが押圧操作された事を検出すると、車内照合成立を条件としつつ、しかもシフトレバーがPレンジ位置にあれば、エンジンスイッチ22が押される度に、操作一回りの間において電源状態をオフ状態→ACCオン状態→IGオン状態の間で順に切り換える。例えば、エンジン24が停止している時にエンジンスイッチ22のみが押圧操作されると、車両1の電源状態がオフ状態からACC状態に切り換わり、この状態から更にエンジンスイッチ22のみがもう一度押圧操作されると、車両1の電源状態がIGオン状態となり、この状態からエンジンスイッチ22のみが更にもう一度押圧操作されると、車両1の電源状態がオフ状態に戻る動作をとる。
図2に示すように、本例のキー操作フリーシステム3は、無線通信環境下にノイズが発生することを考慮して、複数のチャネル(周波数帯)の中から、ノイズに妨害を受けないチャネルを選択的に選び出してそのチャネルでスマート通信を行うチャネル選択式となっている。チャネル選択式キー操作フリーシステム3は、携帯機4が車両1に向けて発信する無線信号を複数チャネル(本例は2種類)で発信し、複数存在するチャネルの中からその時に受信できるチャネルで無線信号(RF信号)を車両1に受け付けさせることで無線通信を成立させる。なお、携帯機4が車両1に発信する無線信号を多チャネルで発信するのは、この無線通信の周波数帯域にRF帯という高い周波数帯を用いるので、この種の高い周波数はノイズに影響を受け易いからである。
また、本例のチャネル選択式キー操作フリーシステム3は、携帯機4のRF信号発信動作がどのチャネルで実行可であるのかを確認するための確認データDknをRF信号発信動作の主チャネルとは別の異チャネルで別途発信し、この確認データDknを用いた通信成立チャネルの確認結果に基づき、ノイズに妨害を受けていないと判定されたチャネルでRF信号発信動作を行うノイズ確認式となっている。このノイズ確認式の場合、キー制御用CPU13には、RF信号発信動作の実際の動作課程の最中に確認データDknを割り込ませて信号発信させる確認データ発信部34と、RF信号発信動作がどのチャネルで実行可であるのかを車両1が確認データDknを基に判定したその判定結果の通知(ノイズ検出通知Sna)を車両1から受け付け、この通知を基にRF信号発信動作で使用するチャネルを設定するチャネル設定部35とが設けられている。なお、確認データ発信部34が確認データ発信手段に相当し、チャネル設定部35がチャネル切換手段に相当する。
確認データDknは、RF信号発信動作において主通信のRF信号として発信される通信データDmtに別途付加されるデータ群であって、この主通信の通信チャネルとして使用される主チャネル(通信時の優先順位の高いチャネル)に対してこれとは異なるチャネルで発信される。例えば、RF信号発信動作の主チャネルがチャネル1(以下、CH1と記す)の場合、例えばCH1と異周波数(低周波数)のチャネル2(以下、CH2と記す)で確認データDkn(CH2確認データDk2)は発信される。また、確認データDknは、例えば自身が確認データDknである旨を通知する数ビットのデータ群、即ち短いデータ長を持つデータ群により構成されている。なお、通信データDmtが発信信号に相当し、CH2確認データDk2が確認データを構成する。
また、照合ECU6には、携帯機4から受け付けたCH2確認データDk2を基に通信環境下における対CH1のノイズ有無を判定するノイズ有無判定部36と、ノイズ有無判定部36が対CH1ノイズ有りと判定した際にその旨を通知するノイズ検出通知Snaを車両1から携帯機4に向けて発信させる通知発信部37とが設けられている。ノイズ有無判定部36は、携帯機4のRF信号発信動作においてCH1で受け付ける通信データDmtと、このRF発信動作に付加的に追加されたCH2確認データDk2とを基に、対CH1ノイズが通信環境下に存在しているか否かを判定する。このとき、ノイズ有無判定部36は、CH1の通信データDmtを正常に受け付けることができれば、対CH1ノイズが通信環境下に発生していないと判定し、一方でCH1の通信データDmtを正常に受け付けることができずに、CH2確認データDk2のみ受け付けることができると、これを以て対CH1ノイズが通信環境下に発生していると判定する。そして、通知発信部37は、ノイズ有無判定部36が対CH1のノイズを検出した際、この旨を通知するノイズ検出通知Snaを車外LF発信機7からLF帯の信号で発信させる。なお、ノイズ有無判定部36がノイズ監視手段に相当し、通知発信部37が通知手段に相当する。
キー制御用CPU13には、RF信号発信動作で通信可能となっているチャネルがどのチャネルであるのかをユーザに通知する通信成立チャネル表示部38が設けられている。この通信成立チャネル表示部38は、本例において例えばLEDから構成され、RF信号発信動作で通信成立できたチャネルを色により報知する。また、キー制御用CPU13には、この通信成立チャネル表示部38を点灯制御するキー側表示制御部39が設けられている。このキー側表示制御部39は、通信成立したチャネルに応じた色で通信成立チャネル表示部38を点灯させ、例えばRF信号発信動作がCH1で通信成立した際には赤色に点灯させ、CH2で通信成立した際には緑色に点灯させる。
また、照合ECU6は、車内ディスプレイ40を表示制御する車側表示制御部41と、RF信号発信動作を主チャネル(本例はCH1)で通信を実行できなかった回数を計測する通信NG回数計測部42とが設けられている。通信NG回数計測部42は、ある一定周期(例えば1週間等)の間においてCH1でRF信号発信動作が実行できなかった回数を計測するとともに、その回数が許容値を超えると、CH1がその時の通信環境下にそぐわないものであるという通知として通信環境異常通知を車側表示制御部41に通知する。車側表示制御部41は、RF信号発信動作が成立した際、その時の通信成立チャネルがCH1及びCH2がどちらであったのかを車内ディスプレイ40で報知するとともに、通信NG回数計測部42から通信環境異常通知Sotを受け付けると、CH1のRF信号発信動作が多数回に亘りNGとなる旨も車内ディスプレイ40に表示する。
次に、本例の電子キーシステム2の動作を図3及び図4のタイミングチャートを使用して説明する。
図3及び図4に示すように、照合ECU6は、キー操作フリーシステム3で行う動作として、スマート通信(車外照合、車内照合)の通信エリア内に携帯機4が存在するか否かを確認すべく、車外LF発信機7(車内LF発信機8)からWAKE信号(ウェイクパターン)43をLF帯の信号で断続的に発信させる。例えば、車外照合を行う際は、車外LF発信機7からWAKE信号43を車外周囲に断続的に発信して、車両周囲にWAKE信号43の通信エリアを形成する。また、車内照合を行う際は、車内LF発信機8からWAKE信号43を車内全域に発信して、車内全域にWAKE信号43の通信エリアを形成する。このWAKE信号43は、待機状態にある携帯機4を起動状態とする指令信号であって、所定の一定間隔をおいて車外LF発信機7(車内LF発信機8)から繰り返し発信される。
照合ECU6は、RF受信機9が今現在どのチャネルの無線信号を受け付けているのかを確認する受信準備動作を、WAKE信号43の発信に合わせて、即ちポーリング周期の周期サイクルで繰り返し実行する。本例の照合ECU6は、ポーリングの受信準備動作としてまず最初に、待機中のRF受信機9を起動させるスタートアップ動作を最初に行い、その後、RF受信機9で第1チャネル(以下、CH1と記す)の無線信号を受け付けているか否かの確認としてCH1受信準備動作を行い、これに連続してRF受信機9で第2チャネル(以下、CH2と記す)の無線信号を受け付けているか否かの確認としてCH2受信準備動作を行う。そして、照合ECU6は、このように連続するスタートアップ動作→CH1受信準備動作→CH2受信準備動作の一連の動作を、WAKE信号43の発信に合わせて繰り返し行う。
ポーリングの受信準備動作(スタートアップ動作、CH1受信準備動作、CH2受信準備動作)は、受信有無確認動作中に携帯機4からの返信を受け付けることができるように、LF信号発信から予め決められた一定時間をおいた時刻に開始されるように設定されている。また、スタートアップ動作は、非常に短い時間の処理であり、例えば数msという短い処理時間に設定されている。また、CH1受信準備動作は、CH1アック信号45に所定の許容時間を足し合わせた値(例えば十数ms)に設定され、CH2受信準備動作は、CH2確認データDk2に所定の許容時間を足し合わせた値に設定され、本例はこれらが同じ値に設定されている。
ここで、まずは図3に示すように、携帯機4が車両1とスマート通信を行う際に、CH1に影響を及ぼすノイズ(図4に示すCH1狭帯域ノイズ44)が通信環境下に発生していない場合を想定する。なお、このCH1狭帯域ノイズ44としては、無線信号と同一周波数でしかもランダムに発生するノイズが無線信号に重畳して、携帯機4から発信される無線信号を車両1が正しく受信できなくなるランダムノイズ(アンフォーマットノイズとも言う)がある。スマート通信の通信環境下にこの種のランダムノイズが発生していると、携帯機4から発信されたRF信号がこのランダムノイズに妨害を受けて掻き消され、車両1がこのRF信号を受信できない状態になる。
携帯機4がWAKE信号43の通信エリアに入り込み、WAKE信号43をLF受信機14で受信すると、携帯機4はこのWAKE信号43で待機状態から起動状態に動作状態が切り換わる。携帯機4は、この時に正常に起動状態をとると、その旨を通知すべくRF発信機15から車両1に向けてACK返信を行う。このとき、キー制御用CPU13は、まず最初にCH1でACK返信、つまりCH1アック信号45をRF発信機15から車両1に向けて発信させる。このCH1アック信号45は、RF受信機9がCH1受信準備動作をとっている際にRF受信機9に至るように、発信タイミングが設定されている。
このとき、確認データ発信部34は、キー制御用CPU13がCH1アック信号45を車両1に発信する際、このCH1アック信号45の発信に続けて、CH2確認データDk2を車両1に向けて発信する。即ち、確認データ発信部34は、RF発信機15の発信周波数がCH1にされた状態でCH1アック信号45が発信された後、RF発信機15の発信周波数をCH2に切り換えつつ、この状態でCH2確認データDk2をRF発信機15から発信させることにより、CH2確認データDk2の発信動作を行う。なお、このCH2確認データDk2は、CH1アック信号45と同じ電波強度(通信エリア)の範囲に発信されるとともに、RF受信機9がCH2受信準備動作をとる時にこのRF受信機9に至る発信タイミングに設定されている。
スマート通信の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していない場合、この時の照合ECU6は、WAKE信号43を発信した後、続いて行うポーリングのCH1受信準備動作の際にCH1アック信号45を受け付ける受信動作をとる。照合ECU6は、WAKE信号43を発信した後に正常にACK返信を受け付けると、携帯機4がスマート通信の通信エリア内に存在すると判断する。なお、この時は、スマート通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していないことを想定しているので、CH1受信準備動作でCH1アック信号45を受信できればよく、これに続くCH2受信準備動作の時にCH2確認データDk2を受信できるかどうかはこの時の通信に関係はしてこない。また、照合ECU6は、WAKE信号43を発信した後にACK返信を正常に受け付ける動作をとると、その周期でポーリング動作を終了し、これ以降は通信が確立した携帯機4との間で、その携帯機4が正規のものであるのかを実際に確認する認証通信動作に移行する。
このとき、ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45及びCH2確認データDk2の2信号の受信可否を見ることにより、CH1狭帯域ノイズの発生有無を確認する。ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45とCH2確認データDk2との2信号のうち、少なくともCH1アック信号45を受信できたことを認識すると、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していないと判断する。一方、ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45を受け付けずにCH2確認データDk2のみ受信できたことを認識すると、CH1狭帯域ノイズ44がRF信号発信動作の通信環境下に発生していると判断する。ここでは、CH1狭帯域ノイズ44が発生していない状況を想定しているので、照合ECU6はCH1アック信号45を正常に受信する動作状態をとり、これによりノイズ有無判定部36はCH1狭帯域ノイズ44が通信環境下に発生していないと判定する。なお、通知発信部37は、ノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ44の発生を認識した際、通常通りのスマート通信を実行させるべくノイズ検出通知Snaを車両1に向けて発信する動作はとらない。
照合ECU6は、ポーリングのCH1受信準備動作でCH1アック信号45を受け付けてCH1アック信号45を正常に受信する動作をとると、続いては車両コードとしてビークルID46を、車外LF発信機7(車内LF発信機8)からLF帯の信号で発信させる。即ち、照合ECU6は、CH1狭帯域ノイズ44が発生していないとノイズ有無判定部36が判定した際、この時は通常通りの動作に沿い、CH1アック信号45を受け付けた直後に、ビークルID46を携帯機4に向けて発信する。また、照合ECU6は、CH1アック信号45を正常に受信すると、即ちノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ無しと判定すると、その周期でポーリングを終了した後、一定時間のタイミングをおいて、認証通信動作における最初の受信準備動作としてCH1受信準備動作に入る。
携帯機4は、CH1アック信号45を発信した後、LF信号を受け付ける動作としてLF受信準備動作(制限時間有り)に入り、ビークルID46若しくはノイズ検出通知Snaの受信有無を監視する。携帯機4がLF受信準備動作をとる際にビークルID46を受信した場合、チャネル設定部35はRF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44は発生していないと認識し、RF信号発信動作の通信チャネルをCH1に設定する。よって、携帯機4は、このチャネル設定以降において車両1に向けてRF信号を発信する場合、この信号発信をCH1で実行する。
また、携帯機4は、このビークルID46を受け付けると、このビークルID46が正常コードであるか否かを見る確認としてビークルID照合を行い、この時にスマート通信を行っている車両1が正規車両であるのか否かの判定を行う。このように、車両1から携帯機4にビークルID46を発信して携帯機4に車両の種別判定を行わせるのは、携帯機4の周囲に複数車両が存在してこれらから無線信号を受け付ける状況になっても、この中において正規車両のみとスマート通信を行うためである。
携帯機4は、このビークルID照合が成立した事を認識すると、その旨を通知すべくRF発信機15から車両1に向けてACK返信を行う。この時の携帯機4は、通信チャネルがCH1に設定されているので、CH1でCH1アック信号47を車両1に向けて返信する。このCH1アック信号47は、WAKE信号43を受け付けた時に返信するACK返信とビット長及び発信タイミングが同じ値をとるように設定されている。照合ECU6は、ビークルID46を発信した後に、CH1アック信号47を正常に受信すると、その信号受信を以てビークルID照合の成立を認識するとともに、それまでとっていたCH1受信準備動作を一旦停止する。
また、照合ECU6は、携帯機4との間のビークルID照合成立を確認すると、スマート通信の通信エリア内に存在する携帯機4が自身とペアをなすものであると認識する。照合ECU6は、携帯機4との間でビークルID照合が成立した事を認識すると、次にチャレンジレスポンス認証用の認証コード48を、車外LF発信機7(車内LF発信機8)からLF帯の信号で発信させる。この認証コード48は、乱数として用いるチャレンジコードと、車両1側に登録された携帯機4のキー番号とからなる。この時に、車両1から携帯機4のキー番号を携帯機4に発信して携帯機4側でキー番号の照合を行わせるのは、周囲にマスターキー及びサブキーの両方が存在することも想定され、これらが同時にスマート通信を行ってしまうと混信が生じる可能性もあることから、車両1側からキー番号を送ってその時々のスマート通信の通信対象を指定することにより、この種の混信を防止している。
携帯機4は、車両1から認証コード48を受信すると、この時に受け付けたキー番号と自身に登録されたキー番号とを照らし合わせて番号照合を行い、自身がこの時のスマート通信の通信対象であるか否かを判断する。この時、番号照合が成立する携帯機4については、自身に登録されたIDコードを車両1に返信する動作に移行するが、このIDコードの返信に際して、認証コード48に含まれていたチャレンジコードに特別な計算を加えてそれをレスポンスとし、このレスポンスとIDコードと含んだレスポンス返信を、RF発信機15からRF帯の信号で発信する。携帯機4は、このレスポンス返信としてCH1でCH1レスポンスコード49を返信する。
また、照合ECU6は、認証コード48を発信し終えた後、一定時間をおいたタイミングで、それまで一時停止していたCH1受信準備動作を再開する。即ち、照合ECU6は、認証コード48を発信した後、一定時間後にスタートアップ動作を再度行い、その後、CH1受信準備動作に入って、スタートアップ動作を行うとともにその後にCH1受信準備動作に入る。キー制御用CPU13は、CH1レスポンスコード49を車両1に向けて発信する際、車両1がCH1受信準備動作をとる時にCH1レスポンスコード49が車両1に至るタイミングでCH1レスポンスコード49を発信する。
スマート通信の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していない場合、この時の照合ECU6は、認証コード48を発信した後、再度開始したCH1受信準備動作の時にCH1レスポンスコード49を受け付ける動作状態をとる。照合ECU6は、CH1レスポンスコード49を受信すると、CH1レスポンスコード49に含まれるIDコードと、車両1に登録されたIDコードとを照らし合わせてID照合を行う。照合ECU6は、チャレンジコードを携帯機4に発信するに際して、自身もこのチャレンジコードに特別な計算を加える処理を行い、スマート通信対象の携帯機4がペアをなすものであればこの計算結果は同じとなるはずであるから、そのペア確認を行うべく、自身が求めたレスポンスと、CH1レスポンスコード49に含まれるレスポンスとを照らし合わせてレスポンス照合を行う。照合ECU6は、CH1レスポンスコード49を受け付けた際にID照合及びレスポンス照合の両方が成立すると、スマート照合が成立したと判定する。
照合ECU6は、スマート照合が成立したことを認識すると、その旨を通知する終了コード50を、車外LF発信機7(車内LF発信機8)からLF帯の信号で携帯機4に向けて発信させる。照合ECU6は、この終了コード50の発信を以て、それまで行っていたスマート通信を終了する。携帯機4は、車両1から発信された終了コード50をLF受信機14で受信すると、このコード受信を以てスマート照合が成立したことを認識し、それまでとっていたLF受信準備動作を終了して、起動状態から元の待機状態に戻る。
また、携帯機4がCH1アック信号45の発信後にビークルID46を受信した際、即ちチャネル設定部35がRF信号発信動作の通信チャネルをCH1に設定した際、キー側表示制御部39は通信成立チャネル表示部38を赤色に点灯させる。これにより、ユーザには、この時のRF信号発信動作で実行されているチャネルがCH1であることが報知される。キー側表示制御部39は、通信成立チャネル表示部38を所定時間の間に亘り点灯させ、点灯時間が許容時間を超えると、点灯状態にある通信成立チャネル表示部38を消灯させる。
一方、照合ECU6がポーリングのCH1受信準備動作でCH1アック信号45を受信した際、即ちノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ無しと判定した際、車側表示制御部41はその時に実行されているRF信号発信動作の通信チャネルがCH1であることを車内ディスプレイ40に文字表示する。これにより、車内の乗員には、この時のRF信号発信動作で実行されている通信チャネルがCH1であることが報知される。車側表示制御部41は、車内ディスプレイ40における通信実行チャネルの文字表示を所定時間の間に亘り実行し、所定時間経過後に車内ディスプレイ40を元の画面に戻す。
続いて、図4に示すように、RF信号発信動作(スマート通信)の通信環境下に、CH1狭帯域ノイズ(ランダムノイズ)44が発生している場合を想定する。携帯機4がWAKE信号43を受信した際には、これに応答する形で携帯機4はCH1アック信号45とともに、CH2確認データDk2を車外LF発信機7(車内LF発信機8)から発信させる。RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生している場合、CH1アック信号45はこのCH1狭帯域ノイズ44に妨害を受けて車両1には至らず、CH2確認データDk2はCH2の無線信号であるので、これは車両1に至る状態をとる。
よって、照合ECU6は、ポーリングのCH1受信準備動作の時にCH1アック信号45を受信する動作をとらず、同じ周期のポーリング時に行うCH2受信準備動作の時に、CH2確認データDk2をRF受信機9で受信する。このとき、ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45及びCH2確認データDk2の2信号のうち、CH2確認データDk2のみを受け付ける受信動作をとるので、RF信号発信動作信の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していると認識する。
また、ノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ44の発生を認識した際、通知発信部37は、この時に無線通信が成立したチャネルが何であるかを通知すべく、ノイズ検出通知Snaを車外LF発信機7(車内LF発信機8)から車両1に向けてLF帯の信号で発信させる。なお、このノイズ検出通知Snaには、例えば再度確認の意味を込めて携帯機4に今一度受けてとらせるWAKE信号43と、このWAKE信号43に連続して続くとともに通信成立したチャネルがCH2である通知としてCH2指定ビット51とが含まれている。また、照合ECU6は、2信号のうちCH2確認データDk2のみを受信すると、即ちノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ有りと判定すると、その周期でポーリングを終了した後、認証通信動作における最初の受信準備動作として、一定時間をおいてCH2受信準備動作に入る。
携帯機4は、CH1アック信号45を発信した後、LF信号を受け付けるLF受信準備動作に入る。このとき、チャネル設定部35は、携帯機4がノイズ検出通知Snaを受信した際、このノイズ検出通知SnaにCH2指定ビット51が含まれていることを確認すると、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していると認識し、これ以降のRF信号発信動作で使用する通信チャネルをCH2に設定する。よって、携帯機4は、このチャネル設定以降において車両1に向けてRF信号を発信する場合、この信号発信をCH2で実行する。そして、携帯機4は、ノイズ検出通知Sna(CH2指定ビット51)に含まれるデータ内容を正常に読み取ると、その旨の通知として今度はACK返信をCH2で、即ちCH2アック信号52をRF発信機15からRF帯の信号で車両1に向けて発信させる。
照合ECU6は、ノイズ検出通知Snaの発信動作の後にCH2アック信号52を受け付けて、これを正常に読み取る動作をとると、これ以降のRF信号発信動作をCH2で行うことを携帯機4が了承したと認識する。そして、照合ECU6は、続いてビークルID46を車外LF発信機7(車内LF発信機8)から発信させて、携帯機4との間でビークルID照合を実行する。携帯機4は、このビークルID照合が成立することを確認すると、この時にスマート通信を行っている車両1が正規車両であると判定し、その旨を通知すべくRF発信機15を介して車両1にACK返信を行う。この時の携帯機4は、通信チャネルがCH2に設定されているので、CH2でCH2アック信号53を車両1に向けて返信する。なお、このCH2アック信号53は、CH1アック信号45,47やCH2アック信号53とビット長及び発信タイミングが同じ値をとるように設定されている。照合ECU6は、ビークルID46を発信した後に、CH2アック信号53を正常に受信すると、その信号受信を以てビークルID照合の成立を認識するとともに、それまでとっていたCH2受信準備動作を一旦停止する。
照合ECU6は、車両1及び携帯機4の間のビークルID照合が成立したことを確認すると、CH1狭帯域ノイズ44が発生していない時と同様に、チャレンジレスポンス認証用の認証コード48を、車外LF発信機7(車内LF発信機8)からLF帯の信号で発信させる。そして、携帯機4は、この認証コード48内のキー番号に関して番号照合を行うとともに、この番号照合が成立すれば、同じ認証コード48内に含まれるチャレンジコードに関してレスポンスを返信する。なお、キー制御用CPU13は、この時に車両1に返信するレスポンスとして、CH2の無線信号であるCH2レスポンスコード54をRF発信機15からRF帯の信号で発信させる。
また、照合ECU6は、認証コード48を発信し終えた後、一定時間をおいたタイミングで、それまで一時停止していたCH2受信準備動作を再開する。即ち、照合ECU6は、認証コード48を発信した後、一定時間後にスタートアップ動作を再度行い、その後、CH2受信準備動作に入って、スタートアップ動作を行うとともにその後にCH2受信準備動作に入る。キー制御用CPU13は、CH2レスポンスコード54を車両1に向けて発信する際、車両1がCH2受信準備動作をとる時にCH2レスポンスコード54が車両1に至るタイミングでCH2レスポンスコード54を発信する。
RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生している場合、この時の照合ECU6は、認証コード48を発信した後、再度開始したCH2受信準備動作の時にCH2レスポンスコード54を受け付ける動作状態をとる。照合ECU6は、CH2レスポンスコード54を受信すると、これに含まれるIDコードとチャレンジコードに関して各々照合を行い、これら両方の照合がともに成立することを確認すると、スマート照合が成立したと判定する。照合ECU6は、スマート照合が成立したことを確認すると、その旨を通知する終了コード50を車外LF発信機7(車内LF発信機8)から発信させるとともに、このコード発信を以てスマート通信を終了する。また、携帯機4は、CH2レスポンスコード54を発信した後に終了コード50を受信すると、このコード受信を以てスマート通信が成立したと判断し、元の待機状態に戻る。
また、携帯機4がCH1アック信号45の発信後にノイズ検出通知Sna(CH2指定ビット51)を受信した際、即ちチャネル設定部35がRF信号発信動作の通信チャネルをCH2に設定した際、キー側表示制御部39は通信成立チャネル表示部38を緑色に点灯させる。これにより、ユーザには、この時のRF信号発信動作で実行されている通信チャネルがCH2であることが報知される。キー側表示制御部39は、通信成立チャネル表示部38を所定時間の間に亘り点灯させ、点灯時間が許容時間を超えると、点灯状態にある通信成立チャネル表示部38を消灯させる。
一方、照合ECU6がポーリングのCH2受信準備動作でCH2確認データDk2を受信した際、即ちノイズ有無判定部36がCH1狭帯域ノイズ有りと判定した際、車側表示制御部41はその時に実行されているRF信号発信動作の通信チャネルがCH2であることを車内ディスプレイ40に文字表示する。これにより、車内の乗員には、この時にRF信号発信動作で実行されている通信チャネルがCH2であることが報知される。車側表示制御部41は、車内ディスプレイ40における通信実行チャネルの文字表示を所定時間の間に亘り実行し、所定時間経過後に車内ディスプレイ40を元の画面に戻す。
また、通信NG回数計測部42は、携帯機4が車両1に対してRF信号発信動作を行った際、このRF信号発信動作をCH1で実行できなかった回数、即ち優先度の低いCH2によりRF信号発信動作を行った回数を、例えばカウンタをカウントアップするなどして累積する。そして、通信NG回数計測部42は、このカウント回数が許容値を超えたことを認識すると、その旨の通知として通信環境異常通知を車側表示制御部41に報知する。車側表示制御部41は、通信NG回数計測部42から通信環境異常通知Sotを受け付けると、CH1のRF信号発信動作が多数回に亘りNGになる旨を、例えば文字等により車内ディスプレイ40に表示する。
さて、本例は、携帯機4が主通信としてCH1でRF信号発信動作を行っているその動作過程において、携帯機4が車両1に向けて発信するCH1の通信データDmtに、ノイズ確認のためだけの働きを持つ短い時間長のCH2確認データDk2を付加的に乗せてスマート通信を実行する。そして、このCH1の通信データDmtを車両1は正常に受信できるのか、或いはCH2確認データDk2のみ車両1が受信するのかを確認することにより、その時のRF信号発信動作で通信実行可能なチャネル、即ちRF信号発信動作でノイズに妨害を受けていないチャネルがCH1及びCH2のどちらであるのかを確認する。この通信可能チャネルの確認後、CH1でRF信号発信動作が可能であれば、CH1のRF信号発信動作をそのまま継続し、CH1狭帯域ノイズ44が発生していてCH1ではRF信号発信動作が実行できない場合は、以降の通信チャネルをCH2に切り換えてRF信号発信動作を継続実行する。
このため、RF信号発信動作のCH1がノイズに妨害を受けているか否かを判定する際には、CH2の受信可否確認が必要となるが、本例のCH2の受信可否の確認は、短時間のCH2確認データDk2を用いた短い割り込み的な処理として、スマート通信開始初期時にCH1のACK返信受信に続けて先に済まされる。これにより、例えば各々のチャネルごとに実際にスマート通信を試みてノイズに妨害を受けていないチャネルでスマート通信を成立させることにより、ノイズに妨害を受けていないチャネルを確認する場合に比べて、ノイズに妨害を受けていないチャネルが何であるのかを早い段階で知ることが可能となる。よって、チャネル選択方式を採用することで電子キーシステム2の無線通信を耐ノイズ性の高いものにしたとしても、早い段階でチャネルを設定することが可能となるので、この種の無線通信を通信レスポンスのよいものとすることが可能となる。
また、本例においては、RF信号発信動作で実行できたチャネル(通信成立チャネル)が何であるのかをユーザに報知する通信成立チャネル表示部38を携帯機4に設けた。これにより、ユーザは通信成立チャネル表示部38の点灯状態を見れば、その時のRF信号発信動作(スマート通信)で通信成立したチャネルが何であるのかを知ることが可能となる。よって、通信成立チャネルを知りたいというユーザのニーズにも対応可能となり、この種のチャネル選択式キー操作フリーシステム3を利便性の高いものとすることが可能となる。また、このように通信成立チャネルをユーザに通知できれば、携帯機4のチャネル設定変更(発信順序入れ替えも含む)を促すことも可能となり、この点から見ても効果が高い。
更に、本例は、RF信号発信動作で実行できたチャネル(通信成立チャネル)の報知は、携帯機4のみならず、車内ディスプレイ40にこれを文字表示することによって車両1側でも実行される。よって、この種の通知成立チャネルの報知が車両1と携帯機4との両方で実行されるので、この通知をより確実にユーザ(乗員)に伝えることが可能となる。また、CH1でRF信号発信動作が実行できない回数が続く場合、その旨が車内ディスプレイ40に表示されるので、RF信号発信動作で主チャネルとして使用されるCH1が使用環境下にそぐわないものであることをユーザに報知可能となる。よって、これがチャネルの設定変更を促すことになるので、この催促によりユーザがチャネルの設定変更を行えば、通信環境により適したチャネルでスマート通信を実行することが可能となる。
なお、チャネル設定変更は、例えば図5に示すように、車両1及び携帯機4をディーラKに持ち運び、このディーラKに用意されているチャネル変更機器Kaにより行う。この種のチャネル変更機器Kaは、有線式及び無線式のどちらでもよく、車両1のRF受信機9の受信周波数を切り換えつつ、携帯機4のRF発信機15の発信周波数を切り換えることで、スマート通信のチャネル設定変更を行う。また、本例のようなチャネル選択式の場合、このチャネル変更機器Kaを使用して、チャネル(CH1,CH2)の処理順序を入れ替えることにより、チャネルの優先順位を変更することも可能である。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)携帯機4が車両1に向けてスマート通信に準ずるRF信号発信動作を行う際、そのRF信号発信動作の初段で発信されるCH1アック信号45に、ノイズ確認のためだけの働きを持つ短い時間長のCH2確認データDk2を付加して乗せることにより、車両1にCH1アック信号45とCH2確認データDk2との2信号を受け取らせる。そして、車両1はこの2信号の受信可否を見ることにより、CH1及びCH2のどちらでRF信号発信動作が可能かを監視する。これにより、この監視に必要なCH2の受信可否の確認は、短時間のCH2確認データDk2を用いた短い割り込み的な処理として、スマート通信開始初期時にCH1のACK返信受信に続けて先に済まされてしまう。よって、RF信号発信動作の通信チャネルを設定する際に、これをスマート通信の早い段階で完了することが可能となるので、スマート通信の通信レスポンスを向上することができる。また、このように通信レスポンスを向上できれば、携帯機4や車両1に流れる暗電流が低減されるので、携帯機4の電池や車両1のバッテリに関して、これらの省電力化を図ることができる。
(2)CH2の受信可否の確認は、短い時間間隔のCH2確認データDk2の受信有無を見る処理である。よって、この種の確認処理をスマート通信の途中に割り込ませたとしても、この確認処理は短時間で済んでしまうので、スマート通信の通信時間が大きく延びてしまうことがない。よって、本例の対策を講じても、これに相反する形でスマート通信の通信時間が延びてしまうような問題は発生しない。
(3)車両1及び携帯機4の間で実行されるスマート通信は、複数回に亘る信号受け渡しを一通信処理とする通信シーケンスであり、このように複数回やり取りされる信号受け渡しのその初段(CH1アック信号45の発信)の時に、CH2確認データDk2を携帯機4から車両1に送り渡して、RF信号発信動作の通信可能チャネルを確認する。よって、車両1及び携帯機4がこの種のスマート通信を行う場合、信号受け渡しの初段という早い段階でノイズ確認が行われるので、CH1のRF信号発信動作がノイズにより妨害を受けているかどうかを通信開始の早い時期に知ることができる。また、本例のようにキー操作フリーシステム3がチャネル選択式の場合、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していたときには、RF信号発信動作の実行チャネルを、ノイズに妨害を受けていないCH2に直ぐに切り換えることが可能となるので、スマート通信がノイズによってフリーズしてしまう状況を生じ難くすることができる。
(4)CH2確認データDk2は1つのチャネルのみで発信されるので、携帯機4がCH2確認データDk2を発信するのに必要となる電力を少なく抑えることができる。よって、携帯機4の電源(電池)の省電力化を図ることができ、本例のように携帯機4からCH2確認データDk2を発信する構成をとったとしても、携帯機4の電源が大きく浪費されることはない。
(5)携帯機4が車両1からノイズ検出通知Snaを受け付けて、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44が発生していることを携帯機4が認識した際、これ以降のRF信号発信動作の通信チャネルがCH1からCH2に切り換えられて、スマート通信が継続される。よって、RF信号発信動作を最初はCH1で行う通信形式をとる場合でも、対CH1ノイズ発生確認時はこれ以降のRF発信をCH2に切り換えてスマート通信が継続されるので、この種のキー操作フリーシステム3においてスマート通信を最後まで完了することができる。
(6)携帯機4に、携帯機4がRF信号発信動作を行った時に通信成立したチャネルをユーザに報知する通信成立チャネル表示部38を設けた。よって、RF信号発信動作がCH1及びCH2のどちらで実行されたのかを知りたいというユーザのニーズに対応することができ、この種のキー操作フリーシステム3を機能性の高いものとすることができる。
(7)RF信号発信動作が実行された際、その時の通信実行チャネルが車内ディスプレイ40でユーザに報知されるので、RF信号発信動作がどのチャネルで実行されたかを車内の乗員に知らせることができる。また、この種の通知を車両1及び携帯機4の両方で行うようにすれば、実行成立チャネルを知るツールが2つになるので、この種の通知機能に関して利便性をよくすることができる。
(8)携帯機4は、CH1アック信号45を発信した後、車両1から通常のスマート通信の手順通りにビークルID46を受信すれば、RF信号発信動作がCH1で可能であると判断し、CH1アック信号45を発信した後、車両1からノイズ検出通知Snaを受信すれば、RF信号発信動作がCH1ではなくCH2で可能であると判断する。よって、CH1及びCH2のうちどちらの通信チャネルでRF信号発信動作が可能であるかを車両1が携帯機4に通知する際、CH2が可能である時のみ特別なLF信号、即ちノイズ検出通知Snaを携帯機4に発信する動作をとる。よって、例えばRF信号発信動作がCH1で可能の旨の通知と、RF信号発信動作がCH2で可能の旨の通知との両方を特別な通知信号で携帯機4に通知する場合に比べ、この時の通信処理を簡素なものとすることができる。
(9)携帯機4は、車両1からノイズ検出通知Snaを受信すると、この通知受信を以てRF信号発信動作をCH2で行うべきと認識する。よって、RF信号発信動作のCH切り換えは車両1からの通知に基づき実行されるので、携帯機4が例えばタイマをカウントするなどの自処理によりチャネル切り換えを行う場合に比べて、車両1側の動作状態に合わせたより好適なタイミングで通信チャネルを切り換えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図6に従って説明する。なお、第2実施形態は、確認データDknを複数チャネルに対応したデータ列とした点を変更したのみである。よって、本例は、第1実施形態と同一部分に関しては同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、チャネル選択式キー操作フリーシステム3は、確認データDknを複数チャネル(本例はCH2及びCH3の2種類)で発信する確認データ複数発信式となっている。キー操作フリーシステム3が確認データ複数発信式の場合、確認データ発信部34(携帯機4)は、携帯機4がWAKE信号43を受け付けてこれに応答する形でCH1アック信号45を車両1に発信する際、CH1アック信号45を発信した後にRF発信機15の発信周波数をCH2に切り換えて、まずは最初にCH2確認データDk2を発信しつつ、続いてRF発信機15の発信周波数を今度はCH3に切り換えて、CH3確認データDk3を発信する。CH3確認データDk3は、CH2確認データDk2に対してデータ内容は同じで、発信周波数のみが異なるデータ列である。なお、CH3確認データDk3が確認データを構成する。
また、照合ECU6は、一定の周期間隔で繰り返しポーリングを行っているが、キー操作フリーシステム3が確認データ複数発信式の場合、このポーリングにおいてはまず最初にスタートアップ動作を行った後、続いてCH1受信準備動作及びCH2受信準備動作を行い、その後にCH3受信準備動作を連続的に行う。このCH3受信準備動作は、CH3の無線信号(RF信号)の受け付け有無を見る確認動作であって、CH1受信準備動作及びCH2受信準備動作と同じ処理時間間隔に設定されている。また、確認データ発信部34は、照合ECU6がCH3受信準備動作をとっている時にCH3確認データDk3が車両1に至るタイミングでCH3確認データDk3を発信する。
さて、ここでは図6に示すように、RF信号発信動作の通信環境下に、CH1のRF通信を妨害するCH1狭帯域ノイズ(ランダムノイズ)44と、CH2のRF通信を妨害するCH2狭帯域ノイズ(ランダムノイズ)55との両方が発生している場合を想定する。携帯機4がWAKE信号43を受信した際には、これに応答する形で携帯機4はCH1アック信号45とともに、CH2確認データDk2及びCH3確認データDk3を車外LF発信機7(車内LF発信機8)から発信させる。RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44及びCH2狭帯域ノイズ55の両方が発生している場合、CH1アック信号45はCH1狭帯域ノイズ44に妨害を受け、CH2確認データDk2はCH2狭帯域ノイズ55に妨害を受け、これら信号が車両1に至らず、CH3確認データDk3はCH3のRF信号であるので、これのみが車両1に至る状態をとる。
ここで、ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45とCH2確認データDk2とCH3確認データDk3との3信号について、これら信号の受け付け状態を見ることにより、どのチャネルでRF信号発信動作が実行できるのかを判定する。ところで、これら3信号においては通信実行の優先順位が設定され、この種のチャネル選択式は通信を先に行うものから優先順位が高く設定されている。即ち、本例の場合は、CH1アック信号45→CH2確認データDk2→CH3確認データDk3の順に信号発信が行われるので、優先順位はCH1→CH2→CH3の順位となる。よって、CH1アック信号45を正常に受信できれば、その後に受け付けるCH2及びCH3のRF信号の受信に関係なく、CH1が通信チャネルとして設定され、CH1アック信号45を受信できずにCH2確認データDk2を受信できれば、その後に受け付けるCH3のRF信号の受信に関係なく、CH2が通信チャネルとして設定され、CH1及びCH2のRF信号の両方を受信することができずにCH3確認データDk3のみ受信できれば、通信チャネルがCH3に設定される。
RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44及びCH2狭帯域ノイズ55の両方が発生していた場合、照合ECU6は、ポーリングのCH1受信準備動作の時にCH1アック信号45を受け取れず、これに連続して続くCH2受信準備動作の時にもCH2確認データDk2を受け取れず、この後に続くCH3受信準備動作の時にCH3確認データDk3をRF受信機9で受信する。このとき、ノイズ有無判定部36は、CH1アック信号45とCH2確認データDk2とCH3確認データDk3の3信号のうち、CH3確認データDk3のみを受け付ける受信動作をとるので、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44及びCH2狭帯域ノイズ55の両方が発生していると認識する。
また、ノイズ有無判定部36がこれら狭帯域ノイズ44,55の発生を認識した際、通知発信部37は、この時に無線通信が成立したチャネルが何であるのかを通知すべく、第1実施形態と同じように、ノイズ検出通知Snaを車外LF発信機7(車内LF発信機8)から車両1に向けてLF帯の信号で発信させる。なお、本例のノイズ検出通知Snaには、WAKE信号43とともに、この場合はCH3で通信成立が可能と判断されているので、通信成立可能なチャネルがCH3であることの通知としてCH3指定ビット56が含まれている。また、照合ECU6は、ノイズ有無判定部36がCH3でRF信号発信動作が実行可能と判断すると、その周期でポーリングを終了した後、認証通信動作における最初の受信準備動作として、一定時間をおいてCH3受信準備動作に入る。
チャネル設定部35は、携帯機4がノイズ検出通知Snaを受信した際、このノイズ検出通知SnaにCH3指定ビット56が含まれていることを確認すると、RF信号発信動作の通信環境下にCH1狭帯域ノイズ44及びCH2狭帯域ノイズ55の両方が存在していてCH3でしかスマート通信が成立しないと認識し、これ以降のRF信号発信動作で使用する通信チャネルをCH3に設定する。よって、携帯機4は、このチャネル設定以降において車両1に向けてRF信号を発信する場合、この信号発信をCH3で実行する。そして、携帯機4は、ノイズ検出通知Sna(CH3指定ビット56)に含まれるデータ内容を正常に読み取ると、その旨の通知として今度はACK返信をCH3で、即ちCH3アック信号57をRF発信機15からRF帯の信号で車両1に向けて発信する。
照合ECU6は、ノイズ検出通知Snaの発信動作の後にCH3アック信号57を受け付けて、これを正常に読み取る動作をとると、これ以降のRF信号発信動作をCH3で行うことを携帯機4が了承したと認識する。そして、照合ECU6は、これ以降においてビークルID照合やチャレンジレスポンス認証等の各種照合を行って、スマート照合の成立可否を確認する。そして、照合ECU6は、これら各種照合が滞りなく成立することを確認すると、スマート照合が成立したと認識する。なお、この時の処理動作は、第1実施形態の記載例においてチャネルがCH2ではなくCH3であることのみが違うだけであるので、詳細は省略する。
さて、本例においては、確認データDknを1つのチャネルのみならず、複数チャネル(本例はCH2及びCH3の2種類)で発信する。このため、例えば仮に複数のチャネル帯で狭帯域ノイズ(ランダムノイズ)が発生していても、RF信号発信動作(スマート通信)を通信成立させることが可能となる。また、このように複数のチャネル帯での狭域ノイズ発生に対応可能としても、WAKE信号43の応答やり取りという早い段階で通信チャネルの設定が行える。よって、本例においては高いノイズ耐性と通信レスポンス向上との両立を図ることが可能となる。
本実施形態によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(3),(5)〜(9)の効果に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(10)携帯機4が車両1に対して確認データDknを発信する際、この確認データDknを複数チャネルで発信するので、携帯機4のRF信号発信動作に妨害を与え得るノイズを、複数チャネルに亘って監視することができる。また、RF信号発信動作の通信環境下に、CH1及びCH2の2種類のノイズが発生していた場合、確認データDk2を使用したノイズ確認後、直ぐにCH3のRF信号発信動作に移行される。よって、例えばノイズ確認をCH1→CH2→CH3の順に順番に行う場合に比べ、RF信号発信動作の実行チャネルをCH1→CH3へ一気に飛ばすことが可能となるので、通信レスポンスの更なる向上化に効果が高い。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、RF信号受信動作の主通信で使用するCH1がノイズにより妨害を受ける場合、必ずしもこのノイズ確認後、通信チャネルをCH2に切り換えてスマート通信を継続することに限定されない。例えば、対CH1のノイズが検出された際、その旨を携帯機4で通知して、ユーザにチャネルの設定変更を促すのみの構成でもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、確認データDknの発信タイミングは、スマート通信で複数回やり取りされる信号受け渡しの初段(CH1アック信号45の発信時)に限定されず、例えば後段(CH1アック信号47の発信時)で実行してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、RF信号発信動作の通信成立チャネルの報知は、必ずしも通信成立チャネル表示部38を用いた視覚的な報知に限定されない。例えば、音声(聴覚的報知)や振動(触覚的報知)によりこの種の報知を行ってもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、RF信号発信動作の通信成立チャネルの報知は、必ずしも色による報知に限らず、例えばLEDの点滅間隔により報知してもよい。また、RF信号発信動作の通信成立チャネルの報知は、必ずしも車両1及び携帯機4の両方で行われることに限らず、少なくとも一方で実行されればよいし、或いはこの報知機能を省略してもよい。更に、RF信号発信動作の通信成立チャネルの報知は、例えばスマート通信が正常に完了した後に点灯動作をとるものでもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、携帯機4がRF信号発信動作を行った際、車両1がCH1アック信号45を受け付けた時、専用のCH1指定ビットを携帯機4に送って、CH1が通信チャネルとして使用可能であることを携帯機4に通知してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、車両1及び携帯機4の間で実行する無線通信は、一通信処理内に複数回の信号受け渡しを必要とするものに限定されず、例えば1度のみ無線信号のやり取りを行うものでもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、車両1及び携帯機4の間で使用される無線通信のチャネル(周波数帯)は、種々の帯域のものが使用可能である。
・ 第1及び第2実施形態において、キー操作フリーシステム3の搭載対象は、必ずしも車両1に限定されず、例えば住宅のドア等の他の機器、装置に応用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜5のいずれかにおいて、前記第1送受信機及び前記第2送受信機の少なくとも一方に、前記ノイズ監視手段の監視結果をユーザに報知する報知手段を設けた。この構成によれば、第1送受信機が第2送受信機に対して信号発信動作を行った際、この信号発信動作が実行できたチャネルが何であるのかを、報知手段によりユーザに報知することが可能となる。よって、第1送受信機の信号発信動作がどのチャネルで実行できたのかを知りたいというユーザのニーズに対応することが可能となり、この種の通信システムを機能性の高いものとすることが可能となる。
(2)請求項1〜5、前記技術的思想(1)のいずれかにおいて、前記第1送受信機が前記第2送受信機に前記発信信号を無線発信した際、この時に主チャネルで通信できなかった回数を計測する回数計測手段と、前記回数計測手段が求めた前記回数が許容値を超えた際に、その旨をユーザに報知する第2報知手段とを備えた。この構成によれば、第1送受信機が第2送受信機に発信信号を送る無線発信において、主チャネルで信号発信が実行できない状況が続く場合、その旨が第2報知手段によりユーザに報知される。よって、この第2報知手段の報知動作により、ユーザに信号発信動作のチャネル変更が促されるので、この報知を受けたユーザにより、第1送受信機の信号発信動作のチャネルがノイズに妨害を受けにくいチャネルに設定変更されれば、使用環境に合わせた好適なチャネルで以降の信号発信動作を行うことが可能となる。
(3)請求項1〜5、前記技術的思想(1),(2)のいずれかにおいて、前記第1送受信機は、前記発信信号を発信した後、当該発信信号の応答として受け付けるべき正規信号を前記第2送受信機から受信すると、前記信号発信動作の通信環境下にノイズが発生していないと認識し、前記発信信号を発信した後、前記監視結果として前記正規信号ではなくノイズ検出通知を前記第2送受信機から受信すると、前記信号発信動作の通信環境下にノイズが発生していると認識する。この構成によれば、信号発信動作の通信環境下にノイズが発生している時のみ、特別な通知信号(ノイズ検出通知)が通知手段から第1送受信機に送られる通信動作がとられる。よって、ノイズが発生している時と発生していない時との両方で、この種の特別な通知信号の発信処理が不要となるので、監視結果の通知をできる限り簡素なものとすることが可能となる。
(4)請求項1〜5、前記技術的思想(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1送受信機及び前記第2送受信機は、前記無線通信として一通信の間に複数回の信号受け渡しを行う通信処理を実行し、前記確認データ発信手段は、当該信号受け渡しの初段の際に前記確認データを前記発信信号に付加することにより、ノイズ有無の確認を前記無線通信の開始初期時に実行させ、前記第1送受信機及び前記第2送受信機は、無線通信可能なチャネルを、前記確認データを用いて確認した後、当該無線通信が可能なチャネルを使用して、両者が互いに組をなすものであるのかの確認である認証通信(認証通信動作)を実行する。
1…第2送受信機としての車両、4…第1送受信機としての携帯機、34…確認データ発信手段としての確認データ発信部、35…チャネル切換手段としてのチャネル設定部、36…ノイズ監視手段としてのノイズ有無判定部、37…通知手段としての通知発信部、Dmt…発信信号としての通信データ、Dkn,Dk2,Dk3…確認データ。