JP2009277747A - 電磁ソレノイド - Google Patents

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貞雄 稲垣
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Abstract

【課題】充分な駆動力、衝撃力を確保しつつ、軸線方向の動作ストロークを短縮して装置のコンパクト化を図る。
【解決手段】電磁ソレノイド10は、コイル12と、コイルの両極に磁気結合されるヨーク13と、ヨークの両端部間に設けられた磁路の間隙に沿った経路を移動可能に配置されたプランジャー15と、プランジャーを後方に付勢する付勢手段20とを具備し、磁路には、経路に沿った前後位置に相互に離間して設けられた、初期位置xにあるプランジャーより前方に離間して配置される前方磁極21と、初期位置においてプランジャーが隣接し経路に沿って延在する形状を備えた後方磁極22とが設けられ、プランジャーは、初期位置において隣接する後方磁極に対する間隔が相対的に小さい前部15Aと、初期位置から前方に移動したときに隣接する後方磁極に対する間隔が相対的に大きい後部15Bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁ソレノイドに係り、特に、遊技機の発射機の駆動部として構成される場合に好適な電磁ソレノイドの構造に関する。
一般に、従来の発射機の駆動部として構成される電磁ソレノイドとしては、コイルと、該コイルの外周にコ字型に構成された磁性体よりなるヨークと、該ヨークの両端部間に沿った経路を移動可能に構成された磁性体よりなるプランジャーと、該プランジャーを取り付けた駆動軸と、該駆動軸を軸支する軸支部と、プランジャーをヨークの一方の磁極側の初期位置に復帰させるコイルバネとを具備し、上記駆動軸の先端には打球用のキャップが取り付けられる。このような電磁ソレノイドは、コイルに電流を流すことで励磁され、プランジャーがコイルバネの弾性力に逆らってヨークの一方の端部側の初期位置から他方の端部側に移動し、これによって移動する駆動軸の先端部が遊戯球を打ち出すように構成される。
上述のような電磁ソレノイドとしては、プランジャーの動作音を低減するために、プランジャーの動作方向に対向配置される固定子を設けずに所要の推力を得るようにした構造が知られている。例えば、以下の特許文献1に開示されているリニア電磁ソレノイドでは、ヨークの両磁極からそれぞれ可動子(プランジャー)の移動方向に延長された磁極片を設けることで、可動子との間の対向面積を増大し、大きな推力を得るようにしている。また、以下の特許文献2に開示されているソレノイド装置では、ステータの端部磁極部材に対して軸線方向のギャップを介して中間磁極部材を設けるとともに、アーマチュア(プランジャー)の外周に軸線方向に離間した複数の環状のアーマチュア磁極部材を設け、磁路に沿って延在する磁束が中間磁極部材とアーマチュア磁極部材とを交互に通過するように構成している。
特開平11−74115号公報 特開昭59−29406号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示された電磁ソレノイドでは、推力を増大させて打球時の衝撃力を高めようとすると軸線方向の動作ストロークが長くなって電磁ソレノイド全体をコンパクトに構成することができなくなる。特に、遊戯台の発射機に用いる場合には、近年の遊戯台の遊戯面の大型化に伴って発射機の収容スペースが低下しつつあるために発射機のサイズに制約が課せられるようになってきているところ、当該電磁ソレノイドでは動作ストロークの長さがネックになり、上記制約に適合しない虞がある。また、特許文献1の電磁ソレノイドでは、可動子の形状をその移動方向前方に向けてテーパ状に構成することで推力の変化を低減し制御を容易にしているが、これによって動作ストロークの短縮がさらに困難となり、上記の問題点が却って拡大することになる。
一方、上記の特許文献2に開示されたソレノイド装置では、推力自体を増大させることは可能であるものの、軸線方向のサイズを大きくしないと動作ストロークが充分に確保できず、したがって打球時の衝撃力を高めることが難しくなるため、装置のコンパクト化と駆動力の確保を両立させることがきわめて困難であり、遊戯台の発射機の駆動部としての用途には適しないという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、充分な駆動力、衝撃力を確保しつつ、軸線方向の動作ストロークを短縮して装置のコンパクト化を図ることにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の電磁ソレノイドは、コイルと、該コイルの両極に磁気結合され、磁路の一部を構成する磁性体よりなるヨークと、該ヨークの両端部間に設けられた前記磁路の間隙に沿った経路を移動可能に配置された磁性体よりなるプランジャーと、該プランジャーを後方に付勢し、その初期位置を設定する付勢手段と、を具備する電磁ソレノイドにおいて、前記磁路には、前記経路に沿った前後位置に相互に離間して設けられた、前記初期位置にある前記プランジャーより前方に離間して配置される前方磁極と、前記初期位置において前記プランジャーが隣接し前記経路に沿って延在する形状を備えた後方磁極とが設けられ、前記プランジャーは、前記初期位置において隣接する前記後方磁極に対する間隔が相対的に小さい前部と、前記初期位置から前方に移動したときに隣接する前記後方磁極に対する間隔が相対的に大きい後部とを有することを特徴とする。
この発明によれば、初期位置にあって、前部が後方磁極に隣接しているプランジャーは、コイルが励磁されると磁力により推力を得て前方磁極側へ移動するが、プランジャーの前部と後方磁極との間隔が相対的に小さいため、前部と前方磁極との間に生ずる推力が大きくなることから、より短いストロークで速度を高めて衝撃力(慣性モーメント)を大きくすることができる。一方、プランジャーが前方へ或る程度移動したときには、相互に隣接するプランジャーの後部と後方磁極との間隔が相対的に大きいため、プランジャーと後方磁極との間の磁気抵抗が増大することでブレーキ力が発生し、これによりプランジャーをより短い距離で停止させることが可能になる。したがって、プランジャーの駆動力を確保しつつ、プランジャーの動作ストロークを短く設定することが可能になるので、電磁ソレノイドの軸線方向の小型化が可能になり、コンパクト化を図ることができる。
本発明の一の態様においては、前記前方磁極は、前記ヨークの前方側の端部より後方に配置される。これによれば、ヨークの前方側の端部より後方に前方磁極が配置されることで、コイルの軸線方向長さを確保して磁力を高めつつ、プランジャーをヨークの前方側の端部から見てより後方の位置で加速し、その後、ブレーキ力を生じさせることができるため、プランジャーの停止位置を相対的に後方側に設定することができるため、動作ストロークをさらに短縮できる。この場合に、前方磁極をヨークの前方側の端部と直接対向させてもよく、或いは、当接させてもよいが、前方磁極をヨークの前方側の端部より後方に離間して配置することも可能である。この場合には、ヨークの前方側の端部と前方磁極との間に間隙が存在するために磁気抵抗は増大するが、プランジャーがヨークの前方側の端部近傍に移動したときにヨークの端部との間に間隙を設けることができるため、前方への推力を低減し、プランジャーの停止位置をより後方に設定することが可能になる。
本発明の他の態様においては、前記前方磁極及び前記後方磁極は筒状に構成され、前記プランジャーは前記前方磁極及び前記後方磁極の内部を通過可能に構成される。これによれば、前方磁極と後方磁極を筒状に構成してプランジャーがその内部を通過可能に構成することで、上記推力及びブレーキ力をさらに高めることができる。
本発明の別の態様においては、前記プランジャーは、前記前部と前記後部の間に表面段差を有する。これによってプランジャーが前方へ移動したときに後部と後方磁極との間の磁気抵抗を急激に大きくすることができるため、より大きなブレーキ力を迅速に得ることが可能になる。
本発明の異なる態様においては、前記プランジャーは、前記前部の外面が前後方向に見て平坦に構成され、前記後部が後方に向けたテーパ状に構成される。これによれば、プランジャーが前方へ進むほど後部と並設磁性体との間の磁気抵抗の増加率が大きくなるので、プランジャーをより迅速に停止させることができる。この場合に、プランジャーを、前部と後部の間に表面段差を有するとともに後部がテーパ状に構成される形状としてもよい。
[第1実施形態] 以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は第1実施形態の電磁ソレノイド10の構造を示す縦断面図である。電磁ソレノイド10は、中央に貫通した軸孔11a及び左右両側に鍔部11bを備えたコイルボビン11に巻回されたコイル12と、コイル12に磁気結合した一対の端部13a、13bが外側部13cにて接続されてなり、断面コ字状若しくはロ字状に構成された磁性体よりなるヨーク13とを備えている。
コイルボビン11の軸孔11a内には、シャフト(遊戯球を打撃するため等の駆動軸)14に固定された磁性体よりなるプランジャー(可動子)15が軸線方向に移動可能に配置されている。シャフト14の前端は前方に突出し、ここにウレタンゴムその他の軟質樹脂よりなるキャップ16が嵌合される。なお、本実施形態では、プランジャー15はコイル12に対し図示右側の初期位置に配置され、コイル12の励磁により図示左側へ移動するように構成されるので、以後、図示左側を前側若しくは前方、図示右側を後側若しくは後方、図示左側の部分を前部、図示右側の部分を後部と称する。
上記コイルボビン11の軸孔11aの開口縁とヨーク13の前方側の端部13aの間には樹脂製の前方軸支ケース17が嵌合固定され、この前方軸支ケース17の前端部17aの内側には軸受材17bが嵌装され、シャフト14を回転可能に軸支する軸受部(図示例ではすべり軸受)を構成する。このとき、前方軸支ケース17は、コイルボビン11の開口縁に形成された同軸状の段部11cに嵌合することで、軸孔11aと同軸に位置決め固定されるようになっている。この前方軸支ケース17は、ヨーク13の前方側の端部13aからさらに前方へ突出した位置に上記前端部17aを備えた形状とされる。
一方、ヨーク13の後方側の端部13bには樹脂製の後方軸支ケース18が取付ネジ19により固定される。この後方軸支ケース18はコイルボビン11の軸孔11aに嵌入された後述する後方磁性パイプ22に嵌合することで軸孔11aと同軸に位置決め固定される。後方軸支ケース18の後端部18aの内側には軸受材18bが嵌装され、シャフト14を回転可能に軸支する軸受部(図示例ではすべり軸受)を構成する。ここで、後方軸支ケース18は、ヨーク13の後方側の端部13bからさらに後方へ突出した位置に上記後端部18aを備えた形状とされる。
なお、上記の前方軸支ケース17及び後方軸支ケース18の位置決め構造は、シャフト14の軸支精度を高め、プランジャー15の移動経路(軸孔11a内の通路)上における位置精度を向上させ、プランジャー15が効率的に動作するように構成している。
また、後方軸支ケース18の後端部18aの内面上及び軸受材18bの前面上には低反発ゴム等よりなる緩衝材18cが配置される。この緩衝材18cはプランジャー15が初期位置に復帰したときの衝突による動作音及び衝撃を低減するためのものである。
上記のプランジャー15は、共に円柱状に構成された、前部15A及びこれより小径の後部15Bを備え、前部15Aと後部15Bの境界には表面段差15Cが形成される。プランジャー15の前部15Aの前端中央部には前部15Aより小径の凸部15aが突設されている。プランジャー15と前方軸支ケース17との間にはコイルバネよりなる弾性部材20が介在し、この弾性部材20はプランジャー15を常に後方へ付勢し、これによってコイルが励磁されていないときにプランジャー15が図示の初期位置に配置されるようにしている。弾性部材20はシャフト14の周囲を取り巻くように配置され、弾性部材20の前端は前方軸支ケース17の前端部17aに設けられたケース内側の外周内面上に係合している。当該外周内面は前方へ向かうほど拡径する面形状を有し、これによって弾性部材20の前端が内側より押し広げられて係止された状態とされる。また、弾性部材20の後端はプランジャー15の上記凸部15aの外周に嵌合し、これも内側からやや押し広げられた態様で係止された状態とされる。なお、図示例では、弾性部材20は前方へ進むほど拡径した円錐形コイルバネとなっている。ここで、上述のように弾性部材20が前端及び後端でそれぞれ前方軸支ケース17とプランジャー15に係止されることで、シャフト14及びプランジャー15が常に軸線周りの所定の姿勢に保持されるように構成される。
コイルボビン11の軸孔11a内には、ヨーク13の両端部13aと13bの間に構成される磁路に沿って配置された前方磁極である筒状(図示例では円筒状)の前方磁性パイプ21が固定される。この前方磁性パイプ21は、図示の初期位置に配置されるプランジャー15に対して軸線方向の前方に離間して配置される。また、前方磁性パイプ21はヨーク13の前方側の端部13aから軸線方向に離間して配置されている。具体的には、前方磁性パイプ21は非磁性体で構成される上記前方軸支ケース17の端縁部17cに後方より当接した状態で位置決めされることで、ヨーク13の端部13aに対して軸線方向には端縁部17cの厚み分だけ離間している。また、ヨーク13の端部13aの内縁部13dは前方軸支ケース17の半径方向の厚み分だけ前方磁性パイプ21の内周面より外側に位置し、これによって、プランジャー15が端部13aより前方へ引き出されにくく構成している。ここで、プランジャー15は前方磁性パイプ21の内部を通過可能に構成されている。特に、プランジャー15の外周面は前方磁性パイプ21の内周面と同軸に構成されていることが好ましい。
コイルボビン11の軸孔11a内には、上記前方磁性パイプ21に対して後方に離間した位置に後方磁極である後方磁性パイプ22が配置される。この後方磁性パイプ22は、基本的に前方磁性パイプ21と同径とされてプランジャー15が内部を通過可能となるように構成される。特に、後方磁性パイプ22がプランジャー15の外周面と同軸に形成された内周面を備えることが好ましい。後方磁性パイプ22はヨーク13の後方側の端部13bの内縁部と直接対向し、好ましくは、直接当接している。
本実施形態では、コイル12の励磁により、前方磁性パイプ21と後方磁性パイプ22の間に磁路の間隙が形成され、これによって、プランジャー15が後方磁性パイプ22内に配置される初期位置から、前方磁性パイプ21内の前方位置に向けて推力を受けるように構成される。
プランジャー15の初期位置xは、図示のように弾性部材20の弾性力によってプランジャー15の後端部が上記緩衝材18cに当接する位置となっている。このとき、プランジャー15の前端部(特に磁気的に実質的な前端部である前部15Aの端面)の位置は、後方磁性パイプ22の前端部より前方に位置する。このようにすることで、プランジャー15の初期推力を高めることができる。プランジャー15の動作可能範囲Pは、上記初期位置からプランジャー15の前端部と前方軸支ケース17及びその間に介在する弾性部材20との関係によって定められる位置(図示例では凸部15aが前方軸支ケース17の前端部17aの内端面に当接する位置)までとなる。従って、プランジャー15の前端部は、上記動作可能範囲Pにより、コイルボビン11の軸孔11aの前端部及びヨーク13の前方側の端部13aを越えてそのさらに前方まで移動可能に構成される。ただし、コイル12の励磁により実際にプランジャー15の前端部(凸部15aの前端)の前方到達位置は、コイルの通電時間、プランジャー15に及ぼされる磁気的応力、及び、弾性部材20の弾性力によって定まり、本実施形態では上記動作可能範囲Pの前端位置より後方に設定される。これによってプランジャー15が前方軸支ケース17の前端部17aに衝突せず、動作音が発生しないように構成される。
本実施形態では、コイル12が励磁されることでプランジャー15が初期位置xから前方へ移動し、その前端部が前方磁性パイプ21に接近する過程(例えば図示の中間位置y)で推力が最大となる。当該過程では、推力が弾性部材20の付勢力を上回る範囲でプランジャー15は加速されていくが、後方磁性パイプ22に対する前部15Aの隣接範囲が低下し、後部15Bの隣接範囲が増大していき、やがて推力が弾性部材20の付勢力を下回るとプランジャー15は減速を始める。その後、前部15Aが前方磁性パイプ21に隣接し始めると、後方磁性パイプ22は前部15Aと隣接しなくなり、後部15Bのみと隣接するようになる。このようになると、後方磁性パイプ22と後部15Bの間隔が相対的に大きいため、磁路の磁気抵抗は増大し、したがって磁気的なブレーキ力が発生するので、プランジャー15はさらに急速に減速していく。その結果、プランジャー15は前半の加速度合いを妨げずに後半の減速度合いを高めることができるため、駆動力(衝撃力)を確保しつつ、動作ストロークを短縮することでプランジャー15が前方側の軸支部に衝突することを避けながら軸線方向のコンパクト化を図ることができる。
[第2実施形態] 図2は、上記実施形態とは異なる第2実施形態の電磁ソレノイド10′の構造を示す縦断面図である。この電磁ソレノイド10′では、プランジャー15′の形状のみが異なり、他の構成は第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この第2実施形態では、プランジャー15′の前部15A′は基本的に第1実施形態と同様に円柱状に構成されているが、後部15B′は前部15A′との境界位置から後方に向けて漸次縮径された形状、すなわち後方へ向けたテーパ形状を有する。前部15A′と後部15B′の境界には段差が存在せず、後部15B′の前端は前部15A′の後端と同径に構成される。なお、本実施形態において、前部15A′と後部15B′との間に第1実施形態と同様の段差15Cを形成しても構わない。
このようなプランジャー15′であっても、第1実施形態と同様に、前半の加速度合いを妨げずに後半の減速度合いを高めることができる。特に、後部15B′がテーパ状に構成されることで、プランジャー15が前進するほど後方磁性パイプ22との間の磁気抵抗が急速に増大するので、磁気的なブレーキ力をさらに高めることができるため、動作ストロークの短縮効果はさらに高まる。
[実施例及び比較例の構成] 図3乃至図6は、本発明の実施例及び比較例を示す概略縦断面図である。図3(a)には上記第1実施形態から前方磁性パイプ21(前方磁極)を除去してなる比較例1の概略構造を示し、図3(b)には上記第1実施形態に相当する本発明の実施例1の概略構造を示す。比較例1は第1実施形態で説明した実施例1と同様のプランジャー15を有するが、前方磁性パイプ21を有しないことで、プランジャー15はヨーク13の前方の端部13aとの間の磁路の間隙によって生ずる推力を受ける。実施例1において、前方磁性パイプ21及び後方磁性パイプ22の内径は12mm、前部15Aの外径は11.9mm、後部15Bの外径は10.0mmである。また、プランジャー15の動作可能範囲Pの軸線方向長さは26.1mm、プランジャーの凸部15aの軸線方向突出量は1.5mm、前部15Aの軸線方向長さは12.5mm、後部15Bの軸線方向長さは12.5mmである。
図4には、プランジャー15、15′のような小径若しくはテーパ状の後部を備えず、全体がほぼ同径の円柱状に構成されたプランジャー25を備えた比較例2を示す。この比較例2において、プランジャー25以外の他の構造は上記第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、また、プランジャー25の軸線方向の長さ(凸部が1.5mm、残りが25mm)はプランジャー15、15′と同様で、プランジャー25の外径は、実施例1のプランジャー15、15′の前部15A、15A′と同径(11.9mm)に構成される。
図5には、比較例2のプランジャー25と同様に全体がほぼ円柱状に構成されたプランジャー35を備えた比較例3を示す。この比較例3において、プランジャー35以外の他の構造は上記第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、また、プランジャー35の軸線方向の長さ(凸部が1.5mm、残りが25mm)はプランジャー15、15′と同様で、プランジャー35の外径は、実施例1のプランジャー15の後部15Bと同径(10.0mm)に構成される。
図6には、上記第2実施形態に相当する本発明の実施例2の概略構造を示す。プランジャー15′の前部15A′の外径は実施例1のプランジャー15の前部15Aの外径と同様(11.9mm)であり、前部15A′及び後部15B′の軸線方向長さ(それぞれ12.5mm)は実施例1と同様で、後部15B′は前端が前部15A′と同径(11.9mm)で、後端が8mmである。
なお、以上の実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例3ではいずれもプランジャーの動作可能範囲Pの軸線方向長さ、並びに、弾性部材20(コイルバネ)の形状及び特性が同一に構成される。
[実施例及び比較例の特性] 上記実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例3について、同一の定電流パルス(電流値10Amax、パルス幅15ms)をコイル12に印加した場合のプランジャーの動作についてコンピュータシミュレーションを磁場解析ソフト「Mag Net」(バージョン6.25)(Infolytica Corporation社製)により実施し、各例の動作特性を算出した。この計算は、プランジャーの形状及び質量のみを各例ごとに異なるパラメータとし、その他の条件はすべて同一として行った。
図7乃至図11は、それぞれ実施例1、比較例1、比較例2、比較例3、実施例2における、プランジャーの移動距離(mm)、プランジャーに加わる軸線方向の推力(N)、プランジャーの移動速度(m/s)、並びに、プランジャーに対し軸線方向と垂直な方向に加わる応力(N;以下、単に「側方応力」という。プランジャーが軸芯より5/100mm偏心していると仮定して算出したもの)と、上記定電流パルスの印加開始時点(通電開始時点)から計った時間(ms、以下同様。)との関係を示すグラフである。また、図12は上記各例におけるプランジャーの初期位置からの移動距離(mm)と時間(ms)の関係を示すグラフ、図13は上記各例におけるプランジャーの受ける推力(N)と時間(ms)の関係を示すグラフ、図14は上記各例におけるプランジャーの移動速度(m/s)と時間(ms)の関係を示すグラフである。
<1.実施例1> この実施例1では、プランジャーの受ける推力の最大値(5.28N)は通電開始より5.6ms後で、プランジャーの最大速度は3.43m/s(時間が6.9msのとき)であり、最大移動距離は24.21mm(時間が14.4msのとき)であった。プランジャーによる衝撃力の最大値は、実測により、時間が6.7〜7.0msのとき(距離が8.23〜9.25mmのとき)に得られている。また、この範囲内であれば衝撃力の値はほとんど同一で安定しており、したがって、打球位置については充分なマージンが得られる設計となっていることが確認された。
また、側方応力の最大値は1.337Nで、時間が8.4msのときに得られる。したがって、プランジャーの速度の最大値、或いは、衝撃力の最大値が得られた時点より後に側方応力が最大になるため、プランジャーの動作抵抗が少ない時点で効率的に打撃を行うことができることがわかる。
さらに、この実施例1ではプランジャー15が上述のような段付形状となっているため、プランジャー15の移動距離が大きくなると、プランジャー15と後方磁性パイプ22との間隙が増大してブレーキ力が発生するため、時間7.0ms以降は減速し、短時間及び短距離でプランジャーは停止する。したがって、電磁ソレノイドをコンパクトに構成することが可能になる。
<2.比較例1> この比較例1では、プランジャーの受ける推力の最大値(3.63N)は通電開始より5.6ms後で、プランジャーの最大速度は2.9m/s(時間が10.1msのとき)であり、最大移動距離は26.6mm(時間が16.0msのとき)であった。プランジャーによる衝撃力の最大値は、時間が10.1msのとき(距離が16.27mmのとき)に得られる。また、側方応力の最大値は0.28Nで、時間が7.7msのときに得られる。
この比較例1では、前方磁性パイプ21(並設磁性体)が存在しないことで、プランジャーの当初の推力が不足し、充分な加速ができなくなっている。また、前方磁性パイプ21が存在しないことでブレーキ力もほとんど生じない(特に、初期のブレーキ力はきわめて低い。)ので、移動距離が長くなり、その結果、電磁ソレノイドのコンパクト化が難しいことがわかる。
<3.比較例2> この比較例2では、プランジャーの受ける推力の最大値(6.5N)は通電開始より6.3ms後で、プランジャーの最大速度は3.64m/s(時間が7.1msのとき)であり、最大移動距離は25.4mm(時間が13.8msのとき)であった。プランジャーによる衝撃力の最大値は、時間が7.1msのとき(距離が9.65mmのとき)に得られる。また、側方応力の最大値は2.41Nで、時間が6.9msのときに得られる。
この比較例2では、プランジャー25の外径が大きいことで最も優れた加速特性を有するが、衝撃力が最大値に達する前に側方応力が最大となるため、側方応力による減速が生じて効率的な駆動を行うことができない。これは、プランジャー25の外径が全長に亘って大きいためであり、上記のように単に打撃効率を低下させるだけでなく、シャフト14を軸支する軸受部分の負荷が大きくなることから、耐久性が低下したり、高強度摺動部材を用いる必要が生じてコストアップに繋がったりする虞がある。また、ブレーキ力も弱いため、動作ストロークの短縮効果もほとんど得られない。
<4.比較例3> この比較例3では、プランジャーの受ける推力の最大値(3.58N)は通電開始より5.1ms後で、プランジャーの最大速度は3.16m/s(時間が7.6msのとき)であり、最大移動距離は23.99mm(時間が14.2msのとき)であった。プランジャーによる衝撃力の最大値は、時間が7.5msのとき(距離が10.18mmのとき)に得られる。また、側方応力の最大値は0.35Nで、時間が7.7msのときに得られる。
この比較例3では、プランジャー35と磁性パイプ21,22との間隙が大きいので側方応力が小さいとともに、衝撃力の最大値が得られた後に側方応力が最大になるために駆動効率はよくなるが、プランジャーの外径が小さいために推力が小さく、充分な加速ができないため、必要な打撃力が得られない。また、推力が小さいために動作ストロークは見かけ上短縮されているが、推力に比べるとブレーキ力は相対的に小さい。
<5.実施例2> この実施例2では、プランジャーの受ける推力の最大値(5.11N)は通電開始より6.5ms後で、プランジャーの最大速度は3.37m/s(時間が7.3msのとき)であり、最大移動距離は23.3mm(時間が14.4msのとき)であった。プランジャーによる衝撃力の最大値は、時間が7.3msのとき(距離が9.55mmのとき)に得られる。また、側方応力の最大値は1.37Nで、時間が8.4msのときに得られる。
この実施例2では、衝撃力の最大値が得られた後に推力が最大となるため、駆動効率がよい。また、プランジャー15′の形状によりブレーキ力がかかるので、短時間に減速し、停止する。最大移動距離は5例中最小である。
以上のように、実施例1及び2においては、比較例1乃至3に比べて、プランジャーが動作の前半で妨げられずに加速されるとともに後半にブレーキ力が加わって短時間に減速するため、衝撃力を確保しつつ、最大移動距離を短縮することができることから、コンパクトに構成できる。また、側方応力はプランジャーの外径が増大することで増大し、プランジャーに動作抵抗を与えるが、実施例ではいずれも衝撃力(移動速度)の最大値が得られた後に側方応力が最大となるので、衝撃力(駆動力)への大きな障害とはなっていない。したがって、プランジャーの形状(特に後部の形状)を改善することで、単にブレーキ力の発生で動作ストロークを低減できるだけでなく、側方応力による衝撃力、駆動力への影響も低減できることがわかる。
尚、本発明の電磁ソレノイドは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、前方磁性パイプ21がヨーク13の前方の端部13aから後方に離間して配置されるが、前方磁性パイプ21を端部13aと直接に対向させたり、直接に当接させたり、或いは、前方磁性パイプ21とヨーク13を一体に構成したりしてもよい。また、前方磁性パイプ21を特に設けずにヨーク13の端部13aを前方磁極として用いても構わない。さらに、上記実施形態では、後方磁性パイプ22がヨーク13の後方の端部13bと直接に対向若しくは当接して磁気的に結合しているが、後方磁性パイプ22と端部13bの間に間隙が存在していても構わない。
第1実施形態の電磁ソレノイドの縦断面図。 第2実施形態の電磁ソレノイドの縦断面図。 比較例1の概略断面図(a)及び実施例1の概略断面図(b)。 比較例2の概略断面図。 比較例3の概略断面図。 実施例2の概略断面図。 実施例1の動作特性を示すグラフ。 比較例1の動作特性を示すグラフ。 比較例2の動作特性を示すグラフ。 比較例3の動作特性を示すグラフ。 実施例2の動作特性を示すグラフ。 各例における移動態様を示すグラフ。 各例における推力の変化を示すグラフ。 各例における速度の変化を示すグラフ。
符号の説明
10、10′…電磁ソレノイド、11…コイルボビン、11a…軸孔、11b…鍔部、12…コイル、13…ヨーク、13a,13b…端部、14…シャフト、15…プランジャー、15A…前部、15B…後部、16…キャップ、17…前方軸支ケース、17a…前端部、17b…軸受材、18…後方軸支ケース、18a…後端部、18b…軸受材、19…固定ネジ、20…弾性部材、21…前方磁性パイプ、22…後方磁性パイプ、P…動作可能範囲、

Claims (5)

  1. コイルと、該コイルの両極に磁気結合され、磁路の一部を構成する磁性体よりなるヨークと、該ヨークの両端部間に設けられた前記磁路の間隙に沿った経路を移動可能に配置された磁性体よりなるプランジャーと、該プランジャーを後方に付勢し、その初期位置を設定する付勢手段と、を具備する電磁ソレノイドにおいて、
    前記磁路には、前記経路に沿った前後位置に相互に離間して設けられた、前記初期位置にある前記プランジャーより前方に離間して配置される前方磁極と、前記初期位置において前記プランジャーが隣接し前記経路に沿って延在する形状を備えた後方磁極とが設けられ、
    前記プランジャーは、前記初期位置において隣接する前記後方磁極に対する間隔が相対的に小さい前部と、前記初期位置から前方に移動したときに隣接する前記後方磁極に対する間隔が相対的に大きい後部とを有することを特徴とする電磁ソレノイド。
  2. 前記前方磁極は、前記ヨークの前方側の端部より後方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁ソレノイド。
  3. 前記前方磁極及び前記後方磁極は筒状に構成され、前記プランジャーは前記前方磁極及び前記後方磁極の内部を通過可能に構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁ソレノイド。
  4. 前記プランジャーは、前記前部と前記後部の間に表面段差を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電磁ソレノイド。
  5. 前記プランジャーは、前記前部の外面が前後方向に見て平坦に構成され、前記後部が後方に向けたテーパ状に構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電磁ソレノイド。
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