JP2009274485A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエビングの端部をスプールに容易に組み付けることができるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】ウエビング巻取装置10は、乗員拘束用のウエビング15が巻き回される巻取部64の一部を有するスプール本体65のスプール軸60と、スプール本体65とは別部材のプレート部材62とを備えている。プレート部材62は、スプール本体65に取り付けられることで、巻取部64の他の一部を構成すると共に、スプール軸60との間にウエビング15が通るウエビング通し孔70を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗員拘束用のウエビングを引き出し巻き取り可能に巻き回したウエビング巻取装置に関する。
スプールの内孔を挟む両側に互いに平行に一対のスリットを設け、該一対のスリットにウエビングの一端を順次挿通させると共に該ウエビングの一端に設けられたウエビングストッパを一方のスリットの入口に係合させることで、スプールに対しウエビングの端部をしっかりと固定するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−297051号公報
しかしながら、上記のような従来のウエビング巻取装置では、組付の際に長尺のウエビングをスリットに通す必要があり、組付作業性の観点から改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、ウエビングの端部をスプールに容易に組み付けることができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングが巻き回される巻取部の一部を有するスプール本体と、前記スプール本体に取り付けられ、前記巻取部の他の一部を構成すると共に前記スプール本体との間に前記ウエビングが通る空間を形成する取付部材と、を備えている。
請求項1記載のウエビング巻取装置では、スプール本体と取付部材とで構成される巻取部にウエビングが巻き回される。このスプール本体と取付部材との互いに巻取面を構成しない部分間には、ウエビングの基端側の一部が通る空間が形成されている。ここで、本ウエビング巻取装置では、取付部材がスプール本体に対し別体とされているため、スプール本体における巻取部を構成しない部分にウエビングを掛けた(置いた)状態で、該スプール本体に取付部材を取り付けることで、スプール本体と取付部材との間の空間にウエビングが通された状態とすることができる。すなわち、本ウエビング巻取装置では、ウエビングを巻取部に組み付ける際に、長尺体であるウエビングを、例えば巻取部に設けた孔に対し長手方向に沿って通す作業を不要にすることができる。
このように、請求項1記載のウエビング巻取装置では、ウエビングの端部をスプールに容易に組み付けることができる。
請求項2記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1記載のウエビング巻取装置において、前記ウエビングの一端部には、前記取付部材と前記スプール本体との間に形成された空間を通過不能に厚肉化された抜け止め部が設けられている。
請求項2記載のウエビング巻取装置では、ウエビングの抜け止め部がスプール本体と取付部材とで形成される空間の開口縁部に係合することで、ウエビングが抜け止め状態で巻取部に組み付けられる。
ここで、本ウエビング巻取装置では、上記の通り、取付部をスプール本体に取り付けることで該ウエビングの抜け止め部を除く一端部を上記空間内に位置させることができる。例えば、単一部材から成る巻取部にウエビング挿通用の孔を設けた構成では、ウエビングを抜け止め部とは反対側の端部から略全長に亘り上記孔に通す作業が必要になるが、本ウエビング巻取装置では、このようなウエビングを略全長に亘り孔に通す作業が不要になり、ウエビングの端部をスプールに容易に組み付ける際の組み付け作業性が向上する。
請求項3記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2記載のウエビング巻取装置において、前記スプール本体は、前記巻取部の一部を構成する軸部を有し、前記ウエビングの一端部が前記軸部に巻き付けられている。
請求項3記載のウエビング巻取装置では、ウエビングがスプール本体の軸部に巻き付けられている。すなわち、軸部と取付部材との間の空間には、2回以上ウエビングが通された如くなる。
ここで、本ウエビング巻取装置では、上記の通り、軸部にウエビングを巻き付けた後に取付部材をスプール本体に取り付けることができる。例えば、単一部材から成る巻取部にウエビング挿通用の孔を設けた構成では、ウエビングを複数回に亘り上記孔に通す作業が必要になるが、本ウエビング巻取装置では、このようなウエビングを複数回に亘り孔に通す作業が不要になり、ウエビングの端部をスプールに容易に組み付ける際の組み付け作業性が向上する。
請求項4記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のウエビング巻取装置において、前記スプール本体は、前記巻取部の一部を構成する軸部と、前記軸部の軸線方向両端に設けられた一対のフランジ部とを有し、前記取付部材は、前記一対のフランジ部に取り付けられている。
請求項4記載のウエビング巻取装置では、スプール部材の軸部とでウエビングの巻取部を構成する取付部材が、スプール部材におけるウエビングの幅方向外側に位置するフランジ部に取り付けられる。このため、巻取部の一部を取付部材として別部材化する構成において、巻取部が軸方向(ウエビング幅方向)に大型化することが防止される。
以上説明したように本発明に係るウエビング巻取装置は、ウエビングの端部をスプールに容易に組み付けることができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10について、図1〜図5に基づいて説明する。先ず、ウエビング巻取装置10の概略全体構成について説明し、次いで、本発明の要部であるスプール12へのウエビング15の保持構造について詳細に説明することとする。
(ウエビング巻取装置の全体構成)
図5には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成が断面図にて示されている。この図に示される如く、ウエビング巻取装置10は平面視で略コ字形に形成されたフレーム14を備えており、該フレーム14が車体側に固定されている。フレーム14は互いに平行に延出された第1脚板16と第2脚板18とを備えており、これらの第1脚板16、第2脚板18間に巻取部としてのスプール12が回転可能に軸支されている。
スプール12は、略円筒形状に形成されたスプール軸12Aと、このスプール軸12Aの両端部から径方向外向きに張り出された略円板形状の一対のフランジ部(以下、第1脚板16側に配置されるフランジ部を「第1フランジ部12B」と称し、第2脚板18側に配置されるフランジ部を「第2フランジ部12C」と称す)とを有して構成されている。
このスプール12のスプール軸12Aには、乗員拘束用のウエビング15の一端が係止されて該ウエビング15が巻き回されている。これにより、ウエビング巻取装置10では、スプール12の回転により、ウエビング15がスプール12に対して巻き取り引き出し自在とされている。スプール軸12Aに対するウエビング15係止構造については後述する。
スプール軸12Aの軸心部には、トーションバー挿通孔20が形成されている。トーションバー挿通孔20における第1フランジ部12B側には、トーションバー挿通孔20よりも大径とされた凹状のロックベース受入れ部22が同軸上に形成(凹設)されている。ロックベース受入れ部22は、その大半を占める凹部本体22Aと、該凹部本体22Aよりも大径とされた凹部端末部22Bとからなる。
このロックベース受入れ部22には、ロックベース24が抜け止めされた状態で装着されている。なお、図示は省略するが、ロックベース24は、ロックベース受入れ部22内へロックベース24を挿入した状態で、正面視でコ字形に形成された図示しないストッパ(抜止め部材)を軸直角方向から圧入することで、スプール12に対し抜け止めされている。
ロックベース24は鍔付き円筒形状に形成されており、ロックベース受入れ部22の凹部本体22Aに嵌合される基部24Aと、基部24Aよりも大径とされかつロックベース受入れ部22の凹部端末部22Bに嵌合される中間部24Bと、中間部24Bよりも大径とされかつ第1フランジ部12Bの外側面に当接状態で配置される保持部24Cとによって構成されている。
また、ロックベース24の軸心部における保持部24C側の軸線方向端部を除いた部分には、六角穴形状の嵌合孔26が形成されている。さらに、ロックベース24の軸心部における保持部24C側の軸線方向端部には、嵌合孔26の軸心部と相互に連通されかつこれよりも小径とされた小孔28が形成されている。ロックベース24は、嵌合孔26と小孔28とで軸線方向に貫通されている。
一方、スプール軸12Aのトーションバー挿通孔20における第2フランジ部12C側には、トーションバー挿通孔20よりも大径とされた凹状のスリーブ受入れ部30が形成されている。このスリーブ受入れ部30の内周部には雌スプラインが形成されている。このスリーブ受入れ部30には、外周部に雄スプラインが形成されると共に軸心部に六角穴形状の嵌合孔32が形成されたスリーブ34が嵌合されている。これにより、スリーブ34は、常にスプール12と一体に回転するようになっている。
スリーブ34には、その外端面から支軸34Aが同軸的に突設されており、該支軸34Aは脚板18に固定的に取り付けられる図示しないカバー部材の軸受部に回転可能に軸支されるようになっている。なお、支軸34Aの先端部には、スプール12をウエビング巻取回転方向へ回転付勢する付勢手段(ぜんまいばね)の内端が図示しないアダプタを介して係止されている。また、上記構成のスリーブ34は、車両急減速時にスプール12を瞬時にウエビング巻取方向に回転させるプリテンショナ機構の構成部品の一つである。
上述したロックベース24とスリーブ34とは、トーションバー36によって相互に連結されている。トーションバー36は、その主部を構成する軸部36Aと、軸部36Aの一端部に形成された六角形状の頭部36Bと、軸部36Aの他端部に形成された六角形状の嵌合部36Cと、軸部36Aよりも小径とされ嵌合部36Cの軸心部から軸部36Aと同軸上に延出された支軸36Dとによって構成されている。
トーションバー36の頭部36Bはスリーブ34の嵌合孔32へ嵌合されており、またトーションバー36の嵌合部36Cはロックベース24の嵌合孔26へ嵌合されている。これにより、トーションバー36は、ロックベース24及びスリーブ34を介してスプール軸12Aと一体化されている。この状態で、トーションバー36の軸部36Aはトーションバー挿通孔20内に位置し、支軸36Dはロックベース24の小孔28を貫通している。
また、上述したフレーム14の第1脚板16には、内歯ラチェット38が打ち抜きにより形成されている。内歯ラチェット38のラチェット歯38Aは、高強度に設定されている。この内歯ラチェット38の径方向内側には、ロックベース24の保持部24Cが配置されている。また、保持部24Cにおけるスプール12側とは反対側の端面にはプレート収容部40が凹設されており、このプレート収容部40にはロックプレート42がロックカバー44によって脱落阻止された状態で収容されている。
ロックプレート42は、全体としてプレート収容部40内に収容されるラチェット歯38Aとの非噛合位置と、その一部をプレート収容部40から径方向外側へ突出させてラチェット歯38Aと噛み合わせる噛合位置とを選択的に取り得るようになっている。噛合位置に位置するロックプレート42は、ロックベース24のウエビング引出方向の回転を阻止するようになっている。
また、ロックベース24(ロックカバー44)におけるスプール12側とは反対側には、該保持部24Cよりも大径の略円板形状に形成されたVギヤ46が配置されている。Vギヤ46の軸心部には円筒状のボス48が形成されており、トーションバー36の支軸36Dに相対回転可能に軸支されている。さらに、Vギヤ46の短円筒状に形成された外周部には、複数のロック歯46Aが等間隔で一体に形成されている。
このVギヤ46には、ガイド孔50が形成されており、該ガイド孔50にはロックプレート42から立設されたガイドピン42Aが挿入されている。また、Vギヤ46は、図示しないリターンスプリングの付勢力によってウエビング引出方向に付勢されている。これにより、Vギヤ46は、通常は、スプール12に対し、ガイド孔50にガイドピン42Aを入り込ませたロックプレート42を非噛合位置に保持する相対姿勢に保持され、該姿勢を相対維持したままスプール12と一体的に回転するようになっている。
さらに、Vギヤ46は、車両急減速時にはVSIR用の加速度センサ(図示省略)のセンサレバーがロック歯46Aに係合することで、ウエビング15の急激な引出時には自ら揺動自在に軸支するWSIR用のパウル(図示省略)がカバー部材52の内歯52Aに係合することで、ウエビング引出方向の回転が阻止されるようになっている。そして、この状態でスプール12と共にロックベース24がウエビング引出方向に回転すると、このロックベース24とVギヤ46との相対回転によって、ガイド孔50がガイドピン42Aをガイドしてロックプレート42を噛合位置へ移動させるようになっている。
また、上記したカバー部材52の軸心部には円筒状の軸受部54が一体に形成されており、この軸受部54にはトーションバー36の支軸36Dが軸支されている。
(ウエビングのスプールへの保持構造)
図1には、ウエビング15の一端が保持されたスプール12の軸直角断面図が示されている。また、図2には、スプール12の分解斜視図が示されている。これらの図に示される如く、スプール12のスプール軸12Aは、スプール軸60と、スプール軸60とは別部材とされたプレート部材62とを主要部として、ウエビング15が巻き回される巻取部64が構成されている。
具体的には、スプール軸60は、ダイカスト等にて第1フランジ部12B及び第2フランジ部12Cと一体に形成されており、その内部がトーションバー挿通孔20とされている。このスプール軸60、第1フランジ部12B、及び第2フランジ部12Cが一体に形成された部材をスプール本体65ということとする。
スプール軸60の外周面は、スプール12の回転軸(トーションバー挿通孔20)と同軸的な円筒面に沿って巻取部64を構成する巻取面60Aと、巻取面60Aと同軸同径の仮想円弧に対しスプール12の回転軸線側に位置する孔壁形成面60Bとを有する。なお、スプール軸60における巻取面60A側には、図示しない肉抜き部(凹部)が適宜形成されている。
プレート部材62は、スプール本体65に取り付けられた状態で、巻取面60A同軸同径の仮想円弧に沿って配置される巻取面62Aを有する。この状態で、プレート部材62における巻取面62Aに対する裏面である孔壁形成面62Bは、孔壁形成面60Bとの間に空間としてのウエビング通し孔70が形成されるように、該孔壁形成面60Bに対向している。プレート部材62には、肉抜き部(孔、凹部)を適宜設けても良い。この実施形態では、プレート部材62の長手方向(スプール12の軸線方向)中央部には、その幅方向(巻取面62Aの周方向)に開口する凹部62Cが形成されている。
図1に示される如く、ウエビング15の一端部には、該ウエビング15が折り返されて縫製されることで筒状部15Aが形成されており、筒状部15A内には、抜け止め部材としてのウエビングストッパ66が挿入(装着)されている。これにより、ウエビング15の一端には、該ウエビング15の厚み方向に厚肉化された抜け止め部68が形成されている。
スプール12のウエビング通し孔70の幅(孔壁形成面60B、62Bの間隔)は、ウエビング15の厚み(この実施形態では、ウエビング15の厚みの2倍)よりも大きく、抜け止め部68の厚みよりも小とされている。これにより、ウエビング通し孔70にウエビング15が通された状態では、ウエビング通し孔70の一方の開口端部に抜け止め部68が引っ掛かることで、ウエビング15を他端側から引き抜くことができない、すなわちウエビング15がスプール12の保持される(留め付けられる)構成とされている。
この実施形態では、図1に示される如く、ウエビング通し孔70の一端に抜け止め部68を収容するように、スプール軸60における孔壁形成面60Bの一端側部分に凹部60Cが形成されている。また、この実施形態では、ウエビング15はスプール軸60に巻き付けられることで、ウエビング通し孔70内で二重とされている。
また、プレート部材62は、スプール本体65第1フランジ部12B、第2フランジ部12Cに取り付けられて、該スプール本体65とでスプール12を構成するようになっている。具体的には、図2に示される如く、第1フランジ部12B、第2フランジ部12Cには、それぞれスプール12の回転軸線と同軸的な円弧状を成すスリット72が形成されている。一方、プレート部材62の長手方向の両端からは、それぞれ係止片74が延設されている。
係止片74は、プレート部材62に対し該プレート部材62の幅方向に幅狭に形成されており、軸方向視では、スリット72に対応する(曲率が同等の)円弧状を成している。図3(A)に模式的に示される如く、プレート部材62は、一対の係止片74をそれぞれ対応するスリット72に入り込まされるようになっている。各係止片74は、スプール12の軸方向視での長さ(周方向長さ)がスリット72の対応する長さに対し短く設定されている。
これら各スリット72、各係止片74の寸法形状(上記した周方向長さ、幅を含む)は、図3(B)に模式的に示される如く、スプール12の軸線方向に対し斜めにプレート部材62を近づけ、一方の係止片74を対応するスリット72に挿入した後にプレート部材62をスプール12の軸線に沿うように回転させる(図3(B)の想像線参照)ことで、他方の係止片74が対応するスリット72に入り込むことができるように設定されている。
そして、プレート部材62は、ウエビング15に作用する張力によって、図4に示される如く幅方向の一端が抜け止め部68にて矢印A方向に押し上げられることで、巻取面62Aへのウエビング15の巻き回し前において、スリット72の一方(ウエビング15の引き出し回転方向側)の縁部72Aに係止片74の端部74Aが係合し(押し付けられ)、スプール12に対し保持されるようになっている。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成のウエビング巻取装置10では、通常は、トーションバー36及びスリーブ34を介してスプール12に連結されているロックベース24が該スプール12と一体に回転する。このとき、リターンスプリングによってウエビング引出方向に付勢されているVギヤ46がスプールの回転に追従するため、ウエビングの引き出し巻き取りが自由とされる。
一方、車両急減速時又はウエビングの急激な引出時には、VSIR用の加速度センサ又はWSIR用のパウルにてVギヤ46のウエビング引出方向の回転が阻止される。この状態からウエビング引出力が作用するとスプール12がウエビング引出方向に回転し、該スプール12とVギヤ46との間に相対回転が生じる。この相対回転によって、Vギヤ46のガイド孔50がロックプレート42のガイドピン42Aをガイドするとこで、ロックプレート42が噛合位置へ移動する。ロックプレート42がフレーム14のラチェット歯38Aと噛み合うとロックベース24のウエビング引出方向の回転が阻止される。
すると、ウエビング引出力が作用しているスプール12は、トーションバー36の軸部36Aを捩りつつウエビング引出方向に回転し、ウエビング15の所定量の引き出しを許容する。このときのトーションバー36の捩れ荷重によって、ウエビング15を引き出そうとするエネルギ、すなわち乗員を前方へ移動させようとするエネルギを吸収する。これにより、乗員の前方への移動を規制しつつ該乗員に作用する外力が低減される(フォースリミッタ作用が果たされる)。
また、車両衝突時等の車両減速度が大きい場合には、Vギヤ46のウエビング引出方向の回転が阻止されるのとほぼ同時にプリテンショナ機構が作動し、ウエビング15が瞬時に巻き取られる。これにより、衝突初期の乗員の前方への移動を効果的に抑制する。その後、上記の通りフォースリミッタ作用が果たされ、乗員に作用する外力を緩和する。
次に、スプール12に対するウエビング15の組付手順について説明する。
スプール12に対しウエビング15を組み付ける際には、先ず、ウエビング15の筒状部15Aにウエビングストッパ66の挿入し、抜け止め部68を形成する。次いで、抜け止め部68を凹部60Cに入り込ませながら、スプール本体65のスプール軸60にウエビング15を巻き付ける。これにより、ウエビング15は、巻取面60Aには一重、孔壁形成面60Bには二重に巻き掛けられる。
次いで、孔壁形成面62Bがスプール軸60の孔壁形成面60Bとの間にウエビング15を挟むように、該スプール軸60にプレート部材62を近づけ、該プレート部材62の一対の係止片74をそれぞれ対応するスリット72に入り込ませる。そして、抜け止め部68がプレート部材62を押し上げるようにウエビング15に張力を付与する。この張力を付与したまま、ウエビング15を巻取部64(巻取面60A、62A)に巻き回すことで、ウエビング15がスプール12に組み付けられる。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、プレート部材62がスプール本体65に対し別体とされているため、スプール軸60にウエビング15が巻き付けられたスプール本体65の第1フランジ部12B、第2フランジ部12Cにプレート部材62を組み付けることで、ウエビング15がウエビング通し孔70に通された状態とすることができる。これにより、例えば、単一部材より成るスプールにウエビング挿通孔が設けられた構成にウエビング15を組み付ける場合のように、該孔に長尺のウエビング15を長手方向に沿って通す作業が不要になる。
このように、第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10では、ウエビング15の端部をスプール12に容易に組み付けることができる。
特に、スプールへの組み付け前のウエビング15に抜け止め部68を形成する構成においては、仮に単一部材より成るスプールに設けられたウエビング挿通孔にウエビング15を通す場合、該ウエビング15を略全長に亘って孔に通す作業が必要になるが、本ウエビング巻取装置10では、単にウエビング15がセットされたスプール軸60(スプール本体65)にプレート部材62を取り付けることで、ウエビング15がウエビング通し孔70を通された如き状態とすることができる。
したがって、本ウエビング巻取装置10におけるウエビングのスプールへの保持構造は、スプールへの組み付け前のウエビング15に抜け止め部68を形成する構成において、ウエビング15をスプール12に対し容易に組み付けることに寄与する。
また、例えば単一部材より成るスプールにウエビング挿通孔が設けられた構成において、該孔に長尺のウエビング15を2回通すことは煩雑な作業を伴う(工数が多くなる)が、本ウエビング巻取装置10では、スプール軸60に所要の巻き数だけウエビング15を巻き付けた後にプレート部材62を取り付けることで、上記の如き孔にウエビング15を複数回に亘り通す作業が全く不要になる。
したがって、本ウエビング巻取装置10におけるウエビングのスプールへの保持構造は、ウエビング通し孔70の孔壁を成す孔壁形成面60Bに複数回ウエビング15を巻き掛ける構成において、ウエビング15をスプール12に対し容易に組み付けることに寄与する。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置75について、図6に基づいて説明する。図6には、第2の実施形態に係るウエビング巻取装置75の要部が図1に対応する軸直角断面図にて示されている。この図に示される如く、ウエビング巻取装置75は、抜け止め部68にて押し上げられてスプール本体65に留め付けられるプレート部材62に代えて、単体でスプール本体65に固定的に保持されるプレート部材76を備える点で、第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10とは異なる。
具体的には、スプール本体65の第1フランジ部12B、第2フランジ部12Cには、スリット72に代えて、それぞれスプール12の回転軸線と同軸的な円弧状を成す段付きスリット78が形成されている。各段付きスリット78は、第1フランジ部12B、第2フランジ部12Cの厚み方向中央部に、スプール12の軸線方向の外側を向く段差部である係合面78Aを有する。
プレート部材76は、スプール軸60とで巻取部64を構成する本体部分についてはプレート部材62と同様に構成されている。すなわち、プレート部材76は、巻取面62Aと同様の形成された巻取面76Aと、孔壁形成面62Bと同様に形成された図示しない孔壁形成面と、凹部62Cと同様に形成された凹部76Bとを有する。このプレート部材76は、その長手方向の一端部から第1係合部80が延設されると共に、長手方向の他端部からは、第2係合部82が延設されている。
第1係合部80は、段付きスリット78を貫通可能な挿通部80Aと、挿通部80Aに対するプレート部材76とは反対側からプレート部材76の幅方向に延設された係合片80Bとを有する。第2係合部82は、段付きスリット78を貫通可能な挿通部82Aと、挿通部82Aに対するプレート部材76とは反対側からプレート部材76の長手方向に延設されたカシメ係合片82Bとを有する。
ウエビング巻取装置75では、プレート部材76が、係合片80Bが第1フランジ部12B(又は第2フランジ部12C)の係合面78Aに係合すると共に、挿通部82Aが第2フランジ部12C(又は第1フランジ部12B)の段付きスリット78に挿入された状態で、図6に想像線にて示される如くカシメ係合片82Bをプレート部材76の幅方向外向きにかしめる(係合面78Aに押し付ける)ことで、スプール本体65に対し脱落不能に保持される構成である。
このプレート部材76をスプール本体65に組み付ける際には、プレート部材76を、第2係合部82を先頭にして一方の段付きスリット78に軸線方向の外側から貫通させ、該一方の段付きスリット78の係合面78Aに第1係合部80の係合片80Bを係合させると共に、第2係合部82を他方の段付きスリット78に挿入させる。この状態からカシメ係合片82Bを図6に想像線にて示される如くかしめることで、上記の如くプレート部材76がスプール本体65に固定的に保持される。ウエビング巻取装置75の他の構成は、ウエビング巻取装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係るウエビング巻取装置75によっても、基本的に第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、ウエビング巻取装置75では、プレート部材76が単独でスプール本体65に保持される構成であるため、組付時の取り扱いが容易である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置85について、図7に基づいて説明する。図7には、第3の実施形態に係るウエビング巻取装置85の要部が図1に対応する軸直角断面図にて示されている。この図に示される如く、ウエビング巻取装置85は、ウエビング15がスプール軸60に巻き付けられることなく、巻取部64に巻き回されている点で、第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10とは異なる。
具体的には、ウエビング巻取装置85では、ウエビング15が孔壁形成面60Bに巻き掛けられると共に抜け止め部68が凹部60Cに入り込まされた状態で、プレート部材62をスプール本体65に組み付けて構成されている。プレート部材62は、一対の係止片74を対応するスリット72に入り込ませた状態から、ウエビング15の張力を作用させて抜け止め部68にて押し上げられることで、スプール本体65に保持される点は、ウエビング巻取装置10の場合と同様である。ウエビング巻取装置85の他の構成は、ウエビング巻取装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係るウエビング巻取装置85によっても、基本的に第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。すなわち、スプール軸60にウエビング15を巻き付けることのない構成においても、単一部材より成るスプールに設けられたウエビング挿通孔に長尺のウエビング15を通す作業が不要になるため、組付作業性が向上する。
なお、この実施形態では、プレート部材62、スリット72に代えて、プレート部材76、段付きスリット78を設けるようにしても良い。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るウエビング巻取装置90について、図8に基づいて説明する。図8には、第4の実施形態に係るウエビング巻取装置90の要部が図1に対応する軸直角断面図にて示されている。この図に示される如く、ウエビング巻取装置90は、スプール12(巻取部64)におけるウエビング通し孔70の端部に引っ掛かることで抜け止めされる抜け止め部68に代えて、装着リング92を備える点で、第2の実施形態に係るウエビング巻取装置75とは異なる。
具体的には、装着リング92は、互いに略平行に形成された一対の巻き掛け棒部92A、92Bの一端が連結棒部92Cにて連結されて、略コ字状に形成されている。この装着リング92の巻き掛け棒部92Aは、ウエビング15の一端に形成された筒状部15Aに挿通されている。
また、装着リング92の巻き掛け棒部92A、92B間にはウエビング15が通されている。なお、巻き掛け棒部92A、92B間にウエビング15を通した後に、これら巻き掛け棒部92A、92Bの自由端間を連結部材にて連結し、閉断面構造としても良い。さらに、装着リング92の巻き掛け棒部92Bには、ウエビング15が巻き掛け棒部92A側から巻き掛けられている。したがって、ウエビング15は、装着リング92とで一端部に環状部94を形成しており、該環状部94にスプール軸60を挿通させるようになっている。
この実施形態では、装着リング92の一対の巻き掛け棒部92A、92Bが孔壁形成面60Bに沿って配置されている。したがって、プレート部材76をスプール本体65に取り付けた状態では、装着リング92がウエビング通し孔70内に配置される構成である。また、ウエビング巻取装置90を構成するスプール本体65は、スプール軸60に凹部60Cを有しない構成とされている。ウエビング巻取装置90の他の構成は、ウエビング巻取装置75の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係るウエビング巻取装置90によっても、基本的に第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10(第2の実施形態に係るウエビング巻取装置75)と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。すなわち、ウエビング15の端部に抜け止め部68を有しない構成においても、本発明を好適に適用することができる。
なお、上記の実施形態では、ロックベース24の回転ロック後にトーションバー36の軸部36Aを捩じりつつスプール12のウエビング引き出し方向の回転が許容される、所謂フォースリミッタ機能を有するウエビング巻取装置に本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、フォースリミッタ機能を有しないウエビング巻取装置に本発明を適用しても良い。
本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部を示す軸直角断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置を構成するスプールの分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るウエビング巻取装置を構成するスプール本体に対するプレート部材の取付構造を模式的に示す図であって、(A)は取り付け状態を示す一部切り欠いた正面図、(B)は、取り付け過程を示す一部切り欠いた正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置を構成するスプール本体に対するプレート部材の取付構造を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の概略全体構成を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置を構成するスプール本体に対するプレート部材の取付構造を模式的に示す一部切り欠いた正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部を示す軸直角断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部を示す軸直角断面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
12A スプール軸(巻取部)
12B・12C フランジ部
12C フランジ部
15 ウエビング
60 スプール軸(軸部)
62 プレート部材(取付部材)
64 巻取部
65 スプール本体
68 抜け止め部
70 ウエビング通し孔(空間)
75・85・90 ウエビング巻取装置
76 プレート部材(取付部材)

Claims (4)

  1. 乗員拘束用のウエビングが巻き回される巻取部の一部を有するスプール本体と、
    前記スプール本体に取り付けられ、前記巻取部の他の一部を構成すると共に前記スプール本体との間に前記ウエビングが通る空間を形成する取付部材と、
    を備えたウエビング巻取装置。
  2. 前記ウエビングの一端部には、前記取付部材と前記スプール本体との間に形成された空間を通過不能に厚肉化された抜け止め部が設けられている請求項1記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記スプール本体は、前記巻取部の一部を構成する軸部を有し、
    前記ウエビングの一端部が前記軸部に巻き付けられている請求項1又は請求項2記載のウエビング巻取装置。
  4. 前記スプール本体は、前記巻取部の一部を構成する軸部と、前記軸部の軸線方向両端に設けられた一対のフランジ部とを有し、
    前記取付部材は、前記一対のフランジ部に取り付けられている請求項1〜請求項3の何れか1項記載のウエビング巻取装置。
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