前記従来の自動試合イベントでは、プレイヤが選択した打者キャラクタの打撃操作を行うとき以外はコンピュータの自動操作によって試合が行われるので、自動試合イベントの結果についてもコンピュータによって自動的に決定されるようになっている。このため、プレイヤが選択した打者キャラクタの打撃結果が自動試合イベントの結果に反映されず、たとえば、打撃結果が非常に好成績であるにも関わらず自動試合イベントの結果が打撃結果と無関係にプレイヤのチームが敗北となってしまうといった、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせるおそれがある。したがって、プレイヤにとっては、著しく興趣性に欠けるゲームとなるので、興趣性の高い対戦ゲームを実現するのが非常に困難である。
本発明の課題は、ゲームプログラムにおいて、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現させることにある。
請求項1に係るゲームプログラムは、プレイヤの操作部の操作によって動作させられるプレイヤキャラクタを個別に対戦させるとともに、制御部の指示によってプレイヤキャラクタ以外の味方のゲームキャラクタ及び敵のゲームキャラクタを動作させることによって味方のチームと敵のチームとの対戦試合を制御部によって自動実行させるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)プレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部に記憶する対戦結果記憶機能。
(2)対戦結果記憶機能によって記憶されたプレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部から読み出し、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かを制御部によって判断する対戦結果内容判断機能。
(3)対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、制御部によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるように制御部によって決定する試合結果決定機能。
このプログラムによって実現されるゲームでは、対戦結果記憶機能において、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果が記憶部に記憶される。対戦結果内容判断機能において、対戦結果記憶機能によって記憶されたプレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部から読み出し、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かが制御部によって判断される。試合結果決定機能において、対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、制御部によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるように制御部によって決定される。
たとえば、選手キャラクタを動作させる野球ゲームを実現させる場合を考える。ここでは、特に、プレイヤの操作によってプレイヤキャラクタの打撃操作のみが可能であって、コンピュータによってプレイヤキャラクタの属するチームとコンピュータ側のチームとを自動的に対戦させる自動試合イベントを行う場合を考える。この自動試合イベントでは、プレイヤキャラクタ以外の味方の選手キャラクタや敵の選手キャラクタの操作はすべてコンピュータが自動的に実行するようになっている。
このゲームプログラムは、従来、自動試合イベントの結果がプレイヤの操作による打撃結果と無関係に決定されるために、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせるおそれがあるという問題を解決するために勘案されたものである。本願発明では、主に、試合結果決定機能によって、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるときには、自動試合イベントの結果がプレイヤのチームにとって有利な結果となるようにしたものである。以下に、詳細に説明する。
まず、対戦結果記憶機能によって、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果が記憶部に記憶される。ここで、プレイヤキャラクタとは、プレイヤが操作部の操作によって唯一操作可能なゲームキャラクタであって、たとえばプレイヤによって複数の選手キャラクタの中から選択された打者キャラクタある。また、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果とは、自動試合イベントの中で行われる個々の対戦イベントの結果であって、プレイヤの操作によって決定される結果である。プレイヤキャラクタの個別の対戦結果は、最終的な自動試合イベントの結果(最終的な試合の勝敗)とは異なるものであり、たとえば打者キャラクタが敵の投手キャラクタと対戦したときの打者キャラクタの打撃結果である。具体的には、3打数0安打、3打数3本塁打というような打者キャラクタのトータルな打撃結果である。対戦結果記憶機能では、打者キャラクタの打撃結果が、たとえば3打数3本塁打である、という情報が記憶部に記憶される。
次に、対戦結果内容判断機能によって、対戦結果記憶機能によって記憶されたプレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部から読み出し、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かが制御部によって判断される。ここで、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとは、試合イベントの結果に好影響を及ぼす結果、すなわち、試合イベントの結果が勝利となる要因となる結果である。具体的には、打者キャラクタの打撃結果が、たとえば3打数3安打であるときや、3打数3本塁打であるときには、味方のチームに得点が入りやすくなるために、試合イベントの結果が勝利となりやすくなり、プレイヤにとって有利な結果となる。一方、打者キャラクタの打撃結果が、たとえば3打数0安打であるときには、味方のチームに得点が入りにくくなるので、試合イベントの結果が敗北となりやすくなるために、プレイヤにとって有利な結果とはならない。対戦結果内容判断機能では、打者キャラクタの打撃結果が、たとえば3打数3本塁打であるので、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断される。
そして、試合結果決定機能によって、対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、制御部によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるように制御部によって決定される。ここで、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果とは、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となる結果である。試合結果決定機能では、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、対戦試合の最終的な結果が味方のチームにとって有利な結果となるように、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるように決定される。
このゲームプログラムでは、試合結果決定機能によって、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、対戦試合の最終的な試合結果が味方のチームにとって有利な結果となるように決定されるので、プレイヤの操作による打者キャラクタの打撃結果が対戦試合の最終的な結果に反映されるようになる。したがって、たとえば打者キャラクタの打撃結果が、たとえば3打数3本塁打のように大活躍したときには、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるので、プレイヤにとって納得のいく合理的な結果となる。したがって、このような構成によって、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなるので、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現することができる。
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(4)敵のチームの初期の強さレベルを制御部によって決定する初期強さレベル決定機能。
(5)対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、初期強さレベル決定機能によって決定された敵のチームの初期の強さレベルが低い数値パラメータとなる強さレベルになるように、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルを制御部によって決定する最終強さレベル決定機能。
このプログラムによって実現されるゲームでは、初期強さレベル決定機能において、敵のチームの初期の強さレベルが制御部によって決定される。ここで、敵のチームの初期の強さレベルとは、コンピュータ側のチームの強さのレベルを表す初期パラメータである。初期強さレベル決定機能では、たとえば、コンピュータ側のチームの強さのレベルが1ポイント(最も弱い)から10ポイント(最も強い)の10段階の数値パラメータであるとき、初期の強さレベルが5ポイント(ふつう)であると決定される。
そして、最終強さレベル決定機能において、対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、初期強さレベル決定機能によって決定された敵のチームの初期の強さレベルが低い数値パラメータとなる強さレベルになるように、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルが制御部によって決定される。ここで、最終的な敵のチームの強さレベルとは、対戦試合の結果に影響を及ぼすコンピュータ側のチームの強さのレベルを表す最終的なパラメータである。最終強さレベル決定機能では、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、コンピュータ側のチームの強さのレベルを低くする。最終強さレベル決定機能では、たとえばたとえば3打数3本塁打のように大活躍したときには、コンピュータ側のチームの強さのレベルを初期の強さレベルが5ポイント(ふつう)から1ポイント(最も弱い)に低くする。ここでは、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、コンピュータ側のチームの強さのレベルを低くすることによって、プレイヤキャラクタの活躍度合いをチームの勝敗に直接的に作用させることで、プレイヤにとって納得のいく合理的な結果を出すことができる。
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(6)対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、プレイヤにとって有利な結果のランクを制御部によって決定する対戦結果内容ランク決定機能。
さらに、最終強さレベル決定機能は、対戦結果内容ランク決定機能によって決定されたプレイヤにとって有利な結果のランクに応じて、最終的な敵のチームの強さレベルを制御部によって決定する機能である。
このプログラムによって実現されるゲームでは、対戦結果内容ランク決定機能において、対戦結果内容判断機能によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、プレイヤにとって有利な結果のランクが制御部によって決定される。ここで、プレイヤにとって有利な結果のランクとは、打者キャラクタの打撃結果のうち好成績であるものの中から有利から不利を順位付けるためのランクパラメータである。具体的には、3打数3本塁打が最も有利であり、次いで、3打数2本塁打、3打数1本塁打、3打数3安打、3打数2安打、3打数1安打、3打数0安打の順に不利になっていくランクパラメータである。対戦結果内容ランク決定機能では、たとえば3打数3本塁打であるとき、最も有利なランクパラメータが決定される。
そして、最終強さレベル決定機能において、対戦結果内容ランク決定機能によって決定されたプレイヤにとって有利な結果のランクに応じて、最終的な敵のチームの強さレベルが制御部によって決定される。最終強さレベル決定機能では、最も有利なランクパラメータであるときには、コンピュータ側のチームの強さのレベルを初期の強さレベルから、たとえば10ポイントマイナスして、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)に低くすることができる。具体的には、初期の強さレベルが5ポイントから10ポイントマイナスすると、−5ポイントになるが、1ポイントが最低ラインのポイントとなるため、1ポイント以下はすべて1ポイントとなる。ここでは、プレイヤにとって有利な結果のランクに応じて最終的な敵のチームの強さレベルを低下させる割合が変動するので、たとえば打者キャラクタの打撃結果が3打数3本塁打のときの最終的な敵のチームの強さレベルと、打者キャラクタの打撃結果が3打数1安打のときの最終的な敵のチームの強さレベルとに差をつけることにより、プレイヤの操作による打者キャラクタの打撃結果をさらに細かく試合結果に反映させることができる。
請求項4に係るゲーム装置は、プレイヤの操作部の操作によって動作させられるプレイヤキャラクタを個別に対戦させるとともに、制御部の指示によってプレイヤキャラクタ以外の味方のゲームキャラクタ及び敵のゲームキャラクタを動作させることによって味方のチームと敵のチームとの対戦試合を制御部によって自動実行させるゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、対戦結果記憶手段と、対戦結果内容判断手段と、試合結果決定手段とを備えている。対戦結果記憶手段において、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果が記憶部に記憶される。対戦結果内容判断手段において、対戦結果記憶手段によって記憶されたプレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部から読み出し、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かが制御部によって判断される。試合結果決定手段において、対戦結果内容判断手段によってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、制御部によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるように制御部によって決定される。
請求項5に係るゲーム制御方法は、プレイヤの操作部の操作によって動作させられるプレイヤキャラクタを個別に対戦させるとともに、制御部の指示によってプレイヤキャラクタ以外の味方のゲームキャラクタ及び敵のゲームキャラクタを動作させることによって味方のチームと敵のチームとの対戦試合を制御部によって自動実行させるゲームをコンピュータにより制御するゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、対戦結果記憶ステップと、対戦結果内容判断ステップと、試合結果決定ステップとを備えている。対戦結果記憶ステップにおいて、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果が記憶部に記憶される。対戦結果内容判断ステップにおいて、対戦結果記憶ステップによって記憶されたプレイヤキャラクタの個別の対戦結果を記憶部から読み出し、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かが制御部によって判断される。試合結果決定ステップにおいて、対戦結果内容判断ステップによってプレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、制御部によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるように制御部によって決定される。
本発明によれば、ゲームプログラムにおいて、試合結果決定機能によって、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、対戦試合の最終的な試合結果が味方のチームにとって有利な結果となるように決定されるので、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなり、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU7(Central Processing Unit)と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM12(Random Access Memory)とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ22(Digital−To−Analogコンバータ)とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、たとえば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向にわたって、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。図示しない電源スイッチがオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。ここでは、特に、プレイヤが選択した野球チームが他の野球チームと対戦する野球ゲームを行う。ここでは、プレイヤの操作によってプレイヤキャラクタである打者キャラクタ72の打撃操作のみが可能であって、コンピュータによって打者キャラクタ72の属するチームとコンピュータ側のチームとを自動的に対戦させる自動試合イベントを行う野球ゲームである。この自動試合イベントでは、打者キャラクタ72以外の味方の選手キャラクタや敵の投手キャラクタ70を含む選手キャラクタの操作はすべてコンピュータが自動的に実行するようになっている。
本ゲーム機は、コントローラ17を操作することによってテレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。制御部1は、キャラクタ表示手段50と、キャラクタ動作手段51と、初期強さレベル決定手段52と、対戦結果記憶手段53と、対戦結果内容判断手段54と、対戦結果内容ランク決定手段55と、最終強さレベル決定手段56と、試合結果決定手段57とを主に備えている。
キャラクタ表示手段50は、テレビジョンモニタ20に投手キャラクタ70、打者キャラクタ72を表示する機能を備えている。キャラクタ表示手段50では、図3及び図5に示す投手キャラクタ70及び打者キャラクタ72がテレビジョンモニタ20に表示される。
この手段では、投手キャラクタ70に対応する投手用画像データ、打者キャラクタ72に対応する打者用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、投手用画像データと投手用座標データとが制御部1たとえばCPU7に認識される。また、打者用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための打者用座標データ、投手用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための投手用座標データが、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、打者用画像データと打者用座標データとが制御部1たとえばCPU7に認識される。すると、RAM12に格納された打者用画像データ、投手用画像データが、CPU7からの指示に基づいて、画像処理プロセッサ9を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、打者用画像データ、投手用画像データが、打者用座標データ、投手用座標データに基づいて、テレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される。なお、打者用画像データ、投手用画像データをテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示するための指示は、CPU7によって行われる。
キャラクタ動作手段51は、投手キャラクタ70及び打者キャラクタ72を動作させる機能を備えている。キャラクタ動作手段51では、投手キャラクタ70及び打者キャラクタ72が動作させられる。
この手段では、投手キャラクタ70及び打者キャラクタ72を動作させるためのコントローラ17からの信号が制御部1たとえばCPU7に認識されると、CPU7からの指示に基づいて、投手キャラクタ70に対応する投手用画像データ及び打者キャラクタ72に対応する打者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12からテレビジョンモニタ20に供給されて、投手キャラクタ70の投球動作及び打者キャラクタ72のスイング動作が動画としてテレビジョンモニタ20に表示される。
初期強さレベル決定手段52は、敵のチームの初期の強さレベルをCPU7によって決定する機能を備えている。ここで、敵のチームの初期の強さレベルとは、コンピュータ側のチームの強さのレベルを表す初期パラメータである。初期強さレベル決定手段52では、コンピュータ側のチームの強さのレベルが1ポイント(最も弱い)から10ポイント(最も強い)の10段階の数値パラメータであるとき、初期の強さレベルが5ポイント(ふつう)であると決定される。ここでは、初期強さレベル決定手段52によって、初期の強さレベルが5ポイント(ふつう)であるという情報を含む各種データは、RAM12に格納される。
対戦結果記憶手段53は、打者キャラクタ72の個別の対戦結果をRAM12に記憶する機能を備えている。ここで、打者キャラクタ72は、プレイヤがコントローラ17の操作によって唯一操作可能なゲームキャラクタであって、プレイヤによって複数の選手キャラクタの中から選択された1つの選手キャラクタある。また、打者キャラクタ72の個別の対戦結果とは、自動試合イベントの中で行われる個々の対戦イベントの結果であって、プレイヤのコントローラ17の操作によって決定される結果である。打者キャラクタ72の個別の対戦結果は、最終的な自動試合イベントの結果(最終的な試合の勝敗)とは異なるものであり、打者キャラクタ72が敵の投手キャラクタ70と対戦したときの打者キャラクタ72の打撃結果である。具体的には、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打というような打者キャラクタ72のトータルな打撃結果である。対戦結果記憶手段53では、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打である、という情報を含む各種データが、RAM12に格納される。
対戦結果内容判断手段54は、対戦結果記憶手段53によって記憶された打者キャラクタ72の個別の対戦結果をRAM12から読み出し、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かをCPU7によって判断する機能を備えている。ここで、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとは、試合イベントの結果に好影響を及ぼす結果、すなわち、試合イベントの結果が勝利となる要因となる結果である。具体的には、打者キャラクタ72の打撃結果が、たとえば2打数2安打であるときや、2打数2本塁打であるときには、味方のチームに得点が入りやすくなるために、試合イベントの結果が勝利となりやすくなり、プレイヤにとって有利な結果となる。一方、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数0安打であるときには、味方のチームに得点が入りにくくなるので、試合イベントの結果が敗北となりやすくなるために、プレイヤにとって有利な結果とはならない。対戦結果内容判断手段54では、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打であるので、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断される。ここでは、対戦結果内容判断手段54によって、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるという判断結果の情報を含む各種データは、RAM12に格納される。
対戦結果内容ランク決定手段55は、対戦結果内容判断手段54によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、プレイヤにとって有利な結果のランクをCPU7によって決定する機能を備えている。ここで、プレイヤにとって有利な結果のランクとは、打者キャラクタ72の打撃結果のうち好成績であるものの中から有利から不利を順位付けるためのランクパラメータである。具体的には、図11に示すように、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打の順に有利になっていくランクパラメータである。対戦結果内容ランク決定手段55では、打者キャラクタ72の打撃結果が2打数1本塁打であるとき、2番目に有利なランクパラメータが決定される。ここでは、対戦結果内容ランク決定手段55によって、打者キャラクタ72の打撃結果が2打数1本塁打であるときの2番目に有利なランクパラメータの情報を含む各種データは、RAM12に格納される。
最終強さレベル決定手段56は、対戦結果内容判断手段54によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、初期強さレベル決定手段52によって決定された敵のチームの初期の強さレベルが低い数値パラメータとなる強さレベルになるように、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルをCPU7によって決定する機能を備えている。最終強さレベル決定手段56において、対戦結果内容ランク決定手段55によって決定されたプレイヤにとって有利な結果のランクに応じて、最終的な敵のチームの強さレベルが制御部によって決定される。ここで、最終的な敵のチームの強さレベルとは、対戦試合の結果に影響を及ぼすコンピュータ側のチームの強さのレベルを表す最終的なパラメータである。最終強さレベル決定手段56では、プレイヤキャラクタの個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、コンピュータ側のチームの強さのレベルを低くする。最終強さレベル決定手段56では、2打数1本塁打のように活躍したときには、2番目に有利なランクパラメータであるので、記憶部2に予め記憶された図11に示す打撃結果と強さレベル変動量との対応関係を示すテーブルから、強さレベル変動量が5ポイントであると決定され、コンピュータ側のチームの強さのレベルを初期の強さレベルから、5ポイントマイナスして、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)に低くすることができる。具体的には、初期の強さレベルが5ポイントから5ポイントマイナスすると、0ポイントになるが、1ポイントが最低ラインのポイントとなるため、1ポイント以下はすべて1ポイントとなる。なお、図11に示す打撃結果と強さレベル変動量との対応関係を示すテーブルでは、打撃結果が、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打の順に強さレベル変動させる(低下させる)ポイントが、0ポイント、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイントと増加するようになっており、打撃結果が良いほど敵が弱くなり、プレイヤにとって有利な勝ちやすい設定になっている。ここでは、最終強さレベル決定手段56によって、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)であるという情報を含む各種データは、RAM12に格納される。
試合結果決定手段57は、対戦結果内容判断手段54によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、CPU7によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるようにCPU7によって決定する機能を備えている。ここで、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果とは、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となる結果である。試合結果決定手段57では、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、具体的には、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)になっていることから、対戦試合の最終的な結果が味方のチームにとって有利な結果となるように、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるように決定される。
このゲームプログラムでは、対戦結果記憶手段53によって、打者キャラクタ72の個別の対戦結果がRAM12に記憶され、対戦結果内容判断手段54によって、対戦結果記憶手段53によって記憶された打者キャラクタ72の個別の対戦結果をRAM12から読み出し、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かがCPU7によって判断され、試合結果決定手段57によって、対戦結果内容判断手段54によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、CPU7によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるようにCPU7によって決定される。ここでは、試合結果決定手段57によって、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、対戦試合の最終的な試合結果が味方のチームにとって有利な結果となるように決定されるので、プレイヤの操作による打者キャラクタ72の打撃結果が対戦試合の最終的な結果に反映されるようになる。したがって、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打のように活躍したときには、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるので、プレイヤにとって納得のいく合理的な結果となる。したがって、このような構成によって、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなるので、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現することができる。
〔野球ゲームにおける具体的な表示画面の内容〕
次に、野球ゲームにおけるテレビジョンモニタ20に表示される表示画面の具体的な内容について、図3、図5、図6及び図8に示す対戦表示画面40、図4及び図7に示すプレイヤ対戦前状況表示画面41、図9及び図10に示す試合結果表示画面42を用いて説明する。
本野球ゲームでは、図3、図5、図6及び図8に示すように、制御部1が投手キャラクタ70を動作させ、投手キャラクタ70によって投球されたボールオブジェクトを、プレイヤが打者キャラクタ72のミートカーソルを操作することによって打ち返すゲームを行う。このような野球ゲームでは、図3、図5、図6及び図8に示す対戦表示画面40は、プレイヤが打者キャラクタ72の視点に立ち、投手キャラクタ70によって投球されたボールオブジェクトを打ち返すときに表示される対戦表示画面である。なお、図3及び図6は、野球場を俯瞰的にみたロング画面であり、図5及び図8は、プレイヤが現実にコントローラ17の操作によって打者キャラクタ72を打撃動作させるアップ画面である。
対戦表示画面40は、図5及び図8に示すように、画面下部に配置された投手キャラクタ70と、画面上部に配置された打者キャラクタ72とを主に有している。投手キャラクタ70、打者キャラクタ72は、投手キャラクタ70、打者キャラクタ72を動作させるためのコマンドがゲームプログラムに基づいて制御部1から発行されると、投手キャラクタ70、打者キャラクタ72の動作が、投手キャラクタ70、打者キャラクタ72に対応する画像データたとえばポリゴンデータを連続的に移動させることにより、テレビジョンモニタ20に表示されるようになっている。
また、対戦表示画面40は、図3、図5、図6及び図8に示すように、画面上部左側に配置されたカウント表示領域40aと、画面上部右側に配置された投手情報表示領域40b、画面下部右側に配置された打者情報表示領域40cとを有している。また、対戦表示画面40は、図3及び図6に示すように、画面最下部に配置されたスコア表示領域40dを有している。カウント表示領域40aには、現在のイニング回数、ストライクカウント、ボールカウント、アウトカウント、対戦チーム名の文字キャラクタ、スコアの文字キャラクタが表示されており、図3及び図5では、スコアが0対0の同点で、プレイヤ側のチーム(Bチーム)が、1回裏の攻撃で2アウト走者なしの状態であることを示しており、図6及び図8では、スコアが2対0で敵側のチーム(Aチーム)が勝っており、プレイヤ側のチーム(Bチーム)が、5回裏の攻撃で1アウト走者満塁の状態であることを示している。投手情報表示領域40bには、投手キャラクタ70の名前、状態、防御率、奪三振数等の能力パラメータが表示され、打者情報表示領域40cには、打者キャラクタ72の打順、名前、状態、打率、ホームラン数、打点、打者特性等の能力パラメータが表示され、スコア表示領域40dには、敵側のチーム(Aチーム)とプレイヤ側のチーム(Bチーム)とのイニング別スコアが一覧表示されている。
プレイヤ対戦前状況表示画面41は、図4及び図7に示すように、打者キャラクタ72の打席が回ってくる直前にカットインして表示される画面であり、具体的な、イニング数、アウトカウント、ランナー状況が比較的大きい文字キャラクタによって画面中央のイニング情報表示領域41a及び走者情報表示領域41bに表示されている。図4では、イニング情報表示領域41aに「1回裏 攻撃」の文字キャラクタが表示され、走者情報表示領域41bに「二死走者なし」の文字キャラクタが表示され、1回裏の攻撃で2アウト走者なしの状態であることを示しており、図7では、イニング情報表示領域41aに「5回裏 攻撃」の文字キャラクタが表示され、走者情報表示領域41bに「一死走者満塁」の文字キャラクタが表示され、5回裏の攻撃で1アウト走者満塁の状態であることを示している。
試合結果表示画面42は、図9及び図10に示すように、打者キャラクタ72のすべての打席が終了し、試合全体が終了した後において、最終的な自動試合イベントの結果を表示する画面であって、図9では、勝敗表示領域42aに「敗北」の文字キャラクタが表示され、スコア表示領域42bに「2対0」の文字キャラクタが表示され、敵側のチーム(Aチーム)とプレイヤ側のチーム(Bチーム)とのスコアが2対0でプレイヤ側のチーム(Bチーム)が敗北したことを示しており、図10では、勝敗表示領域42aに「勝利」の文字キャラクタが表示され、スコア表示領域42bに「2対4」の文字キャラクタが表示され、敵側のチーム(Aチーム)とプレイヤ側のチーム(Bチーム)とのスコアが2対4でプレイヤ側のチーム(Bチーム)が勝利したことを示している。
ここでは、打者キャラクタ72の打撃結果が、図3から図5に示す第1打席の結果が凡退し、図6から図8に示す第2打席の結果が凡退した場合、すなわち、2打数0安打の場合、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルの変動量が0ポイントであるので(図11参照)、味方のチームに得点が入らなかったことになり、プレイヤ側のチーム(Bチーム)が敗北した結果となる(図9参照)。また、打者キャラクタ72の打撃結果が、図3から図5に示す第1打席の結果が凡退し、図6から図8に示す第2打席の結果がホームランを打った場合、すなわち、2打数1本塁打の場合、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルの変動量が5ポイントであるので(図11参照)、味方のチームに満塁ホームランによる4得点が入ったことになり、最終強さレベル決定手段56によって、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)にすることで、プレイヤ側のチーム(Bチーム)が勝利した結果となる(図10参照)。したがって、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数0安打のように活躍していないときには、最終的な自動試合イベントの結果が敗北となり、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打のように活躍したときには、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるので、プレイヤにとって納得のいく合理的な結果となる。したがって、このような構成によって、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなるので、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現することができる。
〔野球ゲームにおける試合結果決定システム実行時の処理フロー〕
本実施形態の野球ゲームにおける試合結果決定システムを、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図12に示すように、ステップS1において、敵のチームの初期の強さレベルをCPU7によって決定する初期強さレベル決定処理が行われる。
ステップS1の初期強さレベル決定処理では、敵のチームの初期の強さレベルがCPU7によって決定され、具体的には、コンピュータ側のチームの強さのレベルが1ポイント(最も弱い)から10ポイント(最も強い)の10段階の数値パラメータであるとき、初期の強さレベルが5ポイント(ふつう)であると決定される。ステップS1の初期強さレベル決定処理が行われると、ステップS2の対戦結果記憶処理へ移行する。
ステップS2の対戦結果記憶処理では、打者キャラクタ72の個別の対戦結果がRAM12に記憶される。ステップS2の対戦結果記憶処理では、具体的には、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打というような打者キャラクタ72のトータルな打撃結果の中から、2打数1本塁打である、という情報を含む各種データが、RAM12に格納される。ステップS2の対戦結果記憶処理が行われると、ステップS3の対戦結果内容判断処理へ移行する。
ステップS3の対戦結果内容判断処理では、ステップS2の対戦結果記憶処理によって記憶された打者キャラクタ72の個別の対戦結果をRAM12から読み出し、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かがCPU7によって判断される。ステップS3の対戦結果内容判断処理では、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打であるので、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断される。ステップS3の対戦結果内容判断処理が行われると、ステップS4の対戦結果内容ランク決定処理へ移行する。
ステップS4の対戦結果内容ランク決定処理では、ステップS3の対戦結果内容判断処理によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、プレイヤにとって有利な結果のランクがCPU7によって決定される。ステップS4の対戦結果内容ランク決定処理では、打者キャラクタ72の打撃結果が2打数1本塁打であるとき、2番目に有利なランクパラメータが決定される。ステップS4の対戦結果内容ランク決定処理が行われると、ステップS5の最終強さレベル決定処理へ移行する。
ステップS5の最終強さレベル決定処理では、ステップS3の対戦結果内容判断処理によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、ステップS1の初期強さレベル決定処理によって決定された敵のチームの初期の強さレベルが低い数値パラメータとなる強さレベルになるように、味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果に影響を及ぼす最終的な敵のチームの強さレベルがCPU7によって決定される。ステップS5の最終強さレベル決定処理では、ステップS4の対戦結果内容ランク決定処理によって決定されたプレイヤにとって有利な結果のランクに応じて、最終的な敵のチームの強さレベルが制御部によって決定される。ステップS5の最終強さレベル決定処理では、2打数1本塁打のように活躍したときには、2番目に有利なランクパラメータであるので、記憶部2に予め記憶された図11に示す打撃結果と強さレベル変動量との対応関係を示すテーブルから、強さレベル変動量が5ポイントであると決定され、コンピュータ側のチームの強さのレベルを初期の強さレベルから、5ポイントマイナスして、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)に低くすることができる。具体的には、初期の強さレベルが5ポイントから5ポイントマイナスすると、0ポイントになるが、1ポイントが最低ラインのポイントとなるため、1ポイント以下はすべて1ポイントとなる。ステップS5の最終強さレベル決定処理では、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)であるという情報を含む各種データは、RAM12に格納される。ステップS5の最終強さレベル決定処理が行われると、ステップS6の試合結果決定処理へ移行する。
ステップS6の試合結果決定処理では、ステップS3の対戦結果内容判断処理によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、CPU7によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるようにCPU7によって決定される。ステップS6の試合結果決定処理では、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、具体的には、最終的な敵のチームの強さレベルを最も低い1ポイント(最も弱い)になっていることから、対戦試合の最終的な結果が味方のチームにとって有利な結果となるように、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるように決定される。
このゲームプログラムでは、ステップS2の対戦結果記憶処理によって、打者キャラクタ72の個別の対戦結果がRAM12に記憶され、ステップS3の対戦結果内容判断処理によって、ステップS2の対戦結果記憶処理によって記憶された打者キャラクタ72の個別の対戦結果をRAM12から読み出し、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるか否かがCPU7によって判断され、ステップS6の試合結果決定処理によって、ステップS3の対戦結果内容判断処理によって打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であると判断されたとき、CPU7によって自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームにとって有利な結果となるようにCPU7によって決定される。ここでは、ステップS6の試合結果決定処理によって、打者キャラクタ72の個別の対戦結果の内容がプレイヤにとって有利な結果であるとき、対戦試合の最終的な試合結果が味方のチームにとって有利な結果となるように決定されるので、プレイヤの操作による打者キャラクタ72の打撃結果が対戦試合の最終的な結果に反映されるようになる。したがって、打者キャラクタ72の打撃結果が、2打数1本塁打のように活躍したときには、最終的な自動試合イベントの結果が勝利となるので、プレイヤにとって納得のいく合理的な結果となる。したがって、このような構成によって、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなるので、さらに興趣性の高い対戦ゲームを実現することができる。
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態の最終強さレベル決定手段56では、図11に示す打撃結果と強さレベル変動量との対応関係を示すテーブルによって、打撃結果に応じて強さレベル変動量を決定していたが、図13に示す打撃結果とイニング毎の強さレベル変動量との対応関係を示すテーブルによって、ゲームの進行に応じて強さレベル変動量を決定する構成であってもよい。ここでは、たとえば、野球ゲームである場合には、図13に示すように、イニングが進むにつれて強さレベル変動量を大きくするようにしてもよい。具体的には、イニングが1回から3回のゲームが序盤であるとき、打撃結果が、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打の順に強さレベル変動させる(低下させる)ポイントが、0ポイント、1ポイント、3ポイント、5ポイント、10ポイントであり、イニングが4回から6回のゲームが中盤であるとき、打撃結果が、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打の順に強さレベル変動させる(低下させる)ポイントが、0ポイント、2ポイント、4ポイント、8ポイント、10ポイントであり、イニングが7回以降のゲームが終盤であるとき、打撃結果が、2打数0安打、2打数1安打、2打数2安打、2打数1本塁打、2打数2本塁打の順に強さレベル変動させる(低下させる)ポイントが、0ポイント、3ポイント、6ポイント、10ポイント、10ポイントであり、イニングが進むにつれて強さレベル変動量が大きくなっている。
このように、イニングが進むにつれて強さレベル変動量が大きくなるように構成した理由は、たとえば野球ゲームを例にすると、以下のような問題が想定されることから、それを事前に解決するためである。
一般に、野球ゲームの場合、ゲーム開始後のイニング数が少ない序盤であるときに優れた打撃結果を出せば、残りのイニングにその影響が与えられるので、勝敗の結果にも十分な反映が行われることが期待できる。しかし、イニング数がある程度進んだ終盤では、同様に優れた打撃結果を出したとしても、残りのイニング数が少ないために、十分な影響をゲームに反映させることができないおそれがある。そうすると、イニング数が進行した終盤においては、従来と同様の課題、すなわち、せっかくプレイヤがキャラクタをうまく操作して優れた打撃結果を出したのに、ゲームの流れや結果にはその影響が何ら反映されない、といった課題が発生してしまうといった問題点があった。
そこで、本実施形態では、イニングが進むにつれて強さレベル変動量が大きくなるように構成したので、イニング数が進行した終盤においても、打撃結果の影響をゲームの流れや結果に反映させることができる。したがって、たとえば、イニング数が進んだ終盤においてやっと優れた打撃結果が出たような場合でも、イニング数に応じて強さレベル変動量をより大きくなるようにしていることから、プレイヤのチームが勝利する可能性を高くすることができる。このため、前述の実施形態の効果であるところの、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなり興趣性の高い対戦ゲームを実現することができることに加え、ゲーム経過全体を通じて打撃結果の影響をゲームの流れや結果に対してバランス良く反映させることができるという効果を奏する。
なお、打撃結果が2打数0安打の場合は、無安打であるので、イニング数に関わらず強さレベル変動量は0としている。また、打撃結果が2打数2本塁打の場合は、非常に優れた打撃結果であるので、イニング数に関わらず強さレベル変動量は最大の10としている。
また、本実施形態では、3イニング毎に強さレベル変動量を段階的に大きくするよう設定していたが、これに限定されるものではなく、1イニング毎に徐々に大きくなるように設定してもよい。
なお、本実施形態では、野球ゲームを例にあげて説明したが、この構成の特徴点であるところの、プレイヤの操作結果が良好であった際の影響度をゲームの時間経過に合わせて大きくする点は、他のスポーツゲーム、たとえばサッカーやバスケットボールのように、特に、複数のキャラクタで構成されるチーム同士が対戦を行うようなゲームに適用して有用である。
(b) 前記実施形態の最終強さレベル決定手段56では、2打席(たとえば、全打席トータル)の打撃結果に応じて強さレベル変動量を決定していたが、これに限定されるものではなく、1打席の打撃結果に応じて強さレベル変動量を変更する構成にしてもよい。あるいは、打席数に関わらず、打撃結果(安打の合計数)のみに応じて強さレベル変動量を変更する構成にしてもよい。
(c) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
(d) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラム、前述したようなゲームを実行するプログラム方法、およびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。